JP4042939B2 - 玩具、ゲームシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玩具、ゲーム装置及び情報記憶媒体に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
ゲーム装置においては、メモリーカード(ICカード)と呼ばれる携帯型情報記憶装置が装着可能になっているものが多い。このようなメモリーカードを利用することで、ゲームの途中結果や最終結果を保存できるようになる。即ち、プレーヤがゲームを中断しなければならないような事情が生じた場合にも、現在までのゲーム途中結果をメモリーカードに保存することで、保存した時点からゲームを再開できるようになる。これによりゲームを最初からやり直す必要がなくなるためゲームの最終クリアーまでの時間が節約され、プレーヤの利便性を向上できる。また、ゲームの最終結果、例えばレーシングカーゲームにおけるランキングデータ(順位・ラップタイム等)をメモリーカードに保存すれば、自分のゲーム成績を他人に自慢することなどが可能になる。これにより、ゲームの面白味を向上できる。
【0003】
しかしながら、これまでのメモリカード(携帯型情報記憶装置)は、ゲーム装置により書き込まれた情報を記憶するだけの機能しか有していなかった。またメモリーカードに記憶された情報も、画面に表示される表示物などの制御に専ら利用されるのみであった。
【0004】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲーム装置から転送されてきた制御情報に基づいて動作する玩具、この制御情報を作成するためのゲーム装置及び情報記憶媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、所与の動力により動作する玩具であって、前記所与の動力を機械的エネルギーに変換する原動機と、前記原動機からの機械的エネルギーに基づいて動作する動作機構と、ゲーム装置から転送されてきた制御情報を記憶する記憶手段から前記制御情報を読み出すための手段と、読み出された前記制御情報に応じた動作を前記動作機構が行うように、前記制御情報に基づいて前記原動機を制御するための手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、ゲーム装置から転送されてきた制御情報が記憶手段から読み出される。そして、この読み出された制御情報に基づいて原動機が制御され、制御情報に応じた動作を動作機構(玩具)が行うようになる。このように本発明によれば、画一的な動作しか行わなかった従来の玩具とは異なり、ゲーム装置で設定された制御情報に応じた多様な動作を行う玩具を実現できるようになる。この結果、玩具を用いた遊び方のバラエティ度を増すことが可能になる。また本発明によれば、これまでは情報を記憶する機能しか有していなかった携帯型情報記憶装置に、移動玩具や動作玩具としての機能を持たせることが可能になる。
【0007】
また本発明は、前記ゲーム装置に接続するための接続端子を更に含み、前記ゲーム装置に前記接続端子を接続し該接続端子を介して前記記憶手段に前記制御情報を書き込むことで、前記記憶手段に前記制御情報が記憶されることを特徴とする。このようすれば、記憶手段に制御情報を記憶する手間を簡素化できる。
【0008】
また本発明は、前記記憶手段が、前記ゲーム装置及び玩具の両方に装着可能な携帯型の記憶手段であり、前記ゲーム装置に前記記憶手段を装着し装着された該記憶手段に前記制御情報を書き込むことで、前記記憶手段に前記制御情報が記憶されることを特徴とする。このようにすれば、玩具の形状に特別な工夫を加えることなく、記憶手段に制御情報を記憶できるようになる。また、他のプレーヤが作成した制御情報に基づいて、自身が所有する玩具を動作させることなども可能になる。
【0009】
また本発明は、前記ゲーム装置との間で無線により情報を通信するための通信手段を更に含み、前記通信手段を介して前記ゲーム装置から受信した前記制御情報を前記記憶手段に書き込むことで、前記記憶手段に前記制御情報が記憶されることを特徴とする。このようにすれば、玩具の形状の簡素化を図れるようになる。
【0010】
また本発明は、前記制御情報が、前記ゲーム装置において設定されたカスタマイズ情報及び前記ゲーム装置で設定された動作アルゴリズム情報の少なくとも一方を含み、前記カスタマイズ情報及び前記動作アルゴリズム情報の少なくとも一方に応じた動作を前記動作機構が行うように、前記原動機が制御されることを特徴とする。このようにすれば、プレーヤのカスタマイズに応じた動作を玩具に行わせたり、プレーヤの所望する動作アルゴリズムで玩具を動作させたりすることが可能なる。
【0011】
また本発明は、前記ゲーム装置のゲーム画像において玩具に対応する表示物が表示され、前記制御情報が、前記ゲーム装置での前記表示物の動作の再生情報を含み、前記再生情報に応じて前記表示物と同様の動作を玩具が行うように、前記原動機が制御されることを特徴とする。このようにすれば、ゲーム装置におけるゲームプレイでのプレーヤの操作を、玩具の動作に反映できるようになり、これまでにない玩具を用いた遊び方を創出できるようになる。
【0012】
また本発明は外部情報を検知するためのセンサを更に含み、前記制御情報と、前記センサにより検知された前記外部情報とに基づいて、前記原動機が制御されることを特徴とする。このようにすれば、制御情報のみを用いて制御する場合に比べて、より綿密に原動機を制御できるようになる。
【0013】
また本発明は、前記外部情報が、玩具の移動経路に予め設定されていると共に、玩具の移動経路情報を含み、前記外部情報に含まれる前記移動経路情報を前記センサにより検知することで、前記原動機が制御されることを特徴とする。このようにすれば、移動経路情報に基づいて原動機を制御できるようになるため、更に綿密な制御が可能になる。
【0014】
また本発明は、前記ゲーム装置でのゲーム成果に応じて前記制御情報の内容が変化し、変化した前記制御情報に応じて、前記原動機の制御が変化することを特徴とする。このようにすれば、ゲーム装置でのゲーム成果と、玩具の動作とをリンクさせることが可能になり、玩具を用いた遊び方の多様性を増すことができるようになる。
【0015】
なお、この場合、前記ゲーム装置でのゲーム成果に応じて、前記原動機が出力する機械的エネルギーが段階的に大きくなることが望ましい。
【0016】
また本発明では、前記動作機構が、玩具を移動させるための機構であり、玩具の移動スピード及び移動方向のすくなくとも一方が、前記制御情報により制御されるようにしてもよい。或いは、前記動作機構が、玩具のパーツを動作させるための機構であり、玩具の手の動作、足の動作、頭の動作、胴体の動作、顔の表情及び発声する音声の少なくとも1つが、前記制御情報により制御されるようにしてもよい。
【0017】
また本発明は、ゲーム画像を生成するゲーム装置であって、プレーヤがゲームプレイするためのゲーム演算を行うための手段と、前記ゲーム演算にしたがったゲーム画像を生成するための手段と、上記のいずれかの玩具の前記記憶手段に記憶する前記制御情報を作成するための手段と、作成した前記制御情報を前記玩具の前記記憶手段に転送するための手段とを含むことを特徴とする。また本発明は、コンピュータ、プレーヤがゲームプレイするためのゲーム演算を行うための手段と、前記ゲーム演算にしたがったゲーム画像を生成するための手段と、上記のいずれかの玩具の前記記憶手段に記憶する前記制御情報を作成するための手段と、作成した前記制御情報を前記玩具の前記記憶手段に転送するための手段として機能するプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。
【0019】
なお以下では、自動車玩具(広義には走行玩具、移動玩具)に本発明を適用した場合について主に説明するが、本発明は、自動車玩具以外の種々の玩具に適用できる。
【0020】
1.玩具の構成
図1(A)に、本実施形態の自動車玩具10を前方から見た斜視図を示し、図1(B)に、後方から見た斜視図を示す。この自動車玩具10は、自動車の形をしたメモリーカード(記憶モジュール)である。即ち、この自動車玩具10は、ゲーム装置からの情報(制御情報)を記憶する機能を有すると共に、内蔵するモータ(広義には原動機)により走行する機能も有している。
【0021】
図1(B)に示すように、この自動車玩具10は、ゲーム装置に接続するための接続端子(入出力端子)12を有している。そして、図1(C)に示すように、自動車玩具10にゲーム装置20からの制御情報を記憶する場合には、自動車玩具10の接続端子12をゲーム装置20に接続する。そして、このように接続端子12を接続した状態で、自動車玩具10にゲーム装置20からの制御情報を記憶させる(自動車玩具10が内蔵する記憶部に制御情報を書き込む)。
【0022】
より具体的には図1(D)に示すようにプレーヤは、表示部22を見ながらゲームコントローラ24を操作し、各種モードを選択する。そして、例えばプレーヤがカスタマイズモードを選択した場合には、プレーヤにより設定されたカスタマイズ情報が、制御情報として自動車玩具10に記憶される。そして、このカスタマイズ情報に応じた走行を自動車玩具10(自動車玩具の動作機構)が行うように、自動車玩具10が内蔵するモータが制御される。
【0023】
また、プレーヤが動作アルゴリズム設定モードを選択した場合には、プレーヤにより設定された動作アルゴリズム情報が、制御情報として自動車玩具10に記憶される。そして、この動作アルゴリズム情報に応じた走行を自動車玩具10が行うように、自動車玩具10が内蔵するモータが制御される。
【0024】
また、プレーヤが再生モードを選択した場合には、自動車玩具10に対応する自動車表示物の走行(動作)の再生情報が、制御情報として自動車玩具10に記憶される。即ちゲーム装置20でのゲームプレイでプレーヤが表示部22を見ながら操作する自動車表示物の再生情報が、自動車玩具10に記憶される。そして、この再生情報に応じて、自動車表示物と同様の走行を自動車玩具10が行うように、自動車玩具10が内蔵するモータが制御される。
【0025】
このように、本実施形態によれば、自動車玩具10に、メモリーカード(携帯型情報記憶装置、記憶モジュール)としての機能と、走行玩具(移動玩具)としての機能の両方を持たせることができる。即ち、自動車玩具10はメモリーカードとしての機能を有するため、制御情報(プレーヤが設定したカスタマイズ情報や動作アルゴリズム情報、或いは自動車表示物の走行の再生情報)を、自動車玩具10に記憶させることが可能になる。そして、自動車玩具10は走行玩具としての機能も有するため、この制御情報にしたがって自動車玩具10を走行させることも可能になる。
【0026】
例えば、これまでの自動車玩具では、その走行パターンは画一的であり、プレーヤが所望するアルゴリズムで走行させることはできなかった。即ち、自動車玩具の車輪を操舵することはできず、モータのパワーを変化させるためには、モータ自体を交換しなければならなかった。
【0027】
これに対して、本実施形態では、制御情報を設定することにより、自動車玩具10の車輪をプレーヤが所望するように操舵できるようになる。また、制御情報を設定することにより、モータに与える電源電圧などを制御できるため、モータ自体を交換することなく、モータのパワーを変化させることが可能になる。従って、これまでにない自動車玩具の遊び方を創出することが可能になり、自動車玩具の遊び方のバラエティ度を増すことができる。
【0028】
なお、図1(C)、(D)では、通常のゲーム装置20に自動車玩具10を接続(装着)しているが、図2(A)、(B)に示すように、携帯型ゲーム装置30に自動車玩具10を接続し、携帯型ゲーム装置30からの制御情報を自動車玩具10に記憶させるようにしてもよい。このような携帯型ゲーム装置30は、プレーヤが友人とレースを行う場所に気軽に持参することができる。そして、友人が所持する自動車玩具の状態や、コース状況などに応じて、自身の自動車玩具10に記憶すべき制御情報の内容を容易に変更できる。この結果、自動車玩具を用いて遊ぶレースの面白味を格段に増すことができるようになる。
【0029】
また図1(C)、(D)では、自動車玩具10に接続端子12を設け、この接続端子12をゲーム装置20に接続することで、自動車玩具10に制御情報を記憶させている。しかしながら、図3(A)に示すように、ゲーム装置20及び自動車玩具10の両方に装着可能なメモリーカード(広義には携帯型情報記憶装置)26を用いるようにしてもよい。即ち、自動車玩具10からメモリーカード26を取り外し、このメモリーカード26をゲーム装置20に装着して制御情報を書き込む。そして、制御情報が書き込まれたメモリーカード26を、自動車玩具10に再度装着する。
【0030】
図1(C)、(D)では、自動車玩具10をゲーム装置20に装着するために、自動車玩具10の形状に工夫を加える必要がある。しかしながら、図3(A)のように、ゲーム装置10及び自動車玩具10の両方に装着可能なメモリーカード26を利用すれば、このような工夫が必要なくなる。また、プレーヤは、友人が所持するメモリーカード(友人の家のゲーム装置で制御情報を書き込んだメモリーカード)を借り、そのメモリーカードを自身の自動車玩具に装着して、レースなどを楽しむことも可能になる。これにより、自動車玩具を用いた遊び方のバラエティ度を増すことができる。
【0031】
また、図1(C)、(D)のような接続端子12や図3(A)のようなメモリーカード26を用いずに、図3(B)に示すように、赤外線、電波などの無線を利用して、ゲーム装置20からの制御情報を自動車玩具10に記憶させるようにしてもよい。即ち、自動車玩具10内に、ゲーム装置20との間で無線により情報を通信するための通信部を設ける。そして、この通信部を介してゲーム装置20から受信した制御情報を、自動車玩具10(自動車玩具10内の記憶部)に記憶させる。このようにすれば、図1(C)、(D)のような接続端子12や、図3(A)のようなメモリーカード26を装着するためのスロットなどを、自動車玩具10に設ける必要がなくなり、自動車玩具10の形状の簡素化を図れる。
【0032】
また、図4(A)、(B)に示すように、自動車玩具10やメモリーカード26をゲーム装置の本体ではなく、ゲームコントローラ24に装着するようにしてもよい。この場合、自動車玩具10、メモリーカード26に表示部11、27を設け、自動車玩具10、メモリーカード26をゲームコントローラ24に装着した場合に、表示部11、27の表示内容が、ゲームコントローラ24に設けられた表示窓25を介して見えるようにしてもよい。このようにすれば、例えば複数のプレーヤでゲームを行う場合に、各プレーヤの個人情報を表示窓25を介してプレーヤに表示することが可能になる。
【0033】
図5に、自動車玩具10の内部構成図(内部ブロック図)の一例を示す。
【0034】
この自動車玩具10は、接続端子12、システムボート(サーキットボード)40、駆動用、操舵用のモータ50、52、駆動用、操舵用のギアボックス54、58、車軸68、操舵用のベルト70、このベルト70が掛けられる操舵用のプーリ(ベルト車)72、74、後輪76、77、前輪78、79、外部情報を検知するためのセンサ80、82などを含む。
【0035】
ここで、接続端子12は、図1(C)、(D)、図2(A)、(B)、図4(A)で説明したように、ゲーム装置20、携帯型ゲーム装置30、或いはゲームコントローラ24に自動車玩具10を接続するためのものである。
【0036】
なお、図3(A)、図4(B)のようにメモリーカード26を利用する場合には、接続端子12の代わりに、メモリーカード26を装着するためのスロットを自動車玩具10に設ければよい。また、図3(B)のように、赤外線などの無線を用いて通信する場合には、接続端子12の代わりに、送信部(半導体レーザ)や受信部(赤外線センサ)を自動車玩具10に設ければよい。
【0037】
システムボード40は、処理部42、記憶部44、電源調整部46を含む。
【0038】
ここで、処理部42は、自動車玩具10全体の制御、システムモード40内の他のブロックへの命令の指示などの各種の処理を行うものであり、その機能は、CPU(CISC型、RISC型)、DSP、或いはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラムにより実現できる。
【0039】
記憶部44は、ゲーム装置から転送されてきた制御情報を記憶するためのものであり、その機能は、半導体メモリ(例えばRAM、EEPROM)、光磁気ディスク(MO)、光ディスク(CD、DVD)などのハードウェアにより実現できる。
【0040】
なお、図3(A)、図4(B)のようにメモリーカード26を利用する場合には、メモリーカード(携帯型情報記憶装置)26が、この記憶部44の機能を果たすことになる。
【0041】
電源調整部46は、モータ50、52に与える電源の電圧、電流等を調整するものであり、その機能は、電源調整IC(例えばレギュレータ)などのハードウェアにより実現できる。例えばモータ50、52に与える電圧が高くなるように電源調整部46が電源電圧を調整することで、モータ50、52の回転速度や出力トルクを高めることが可能になる。
【0042】
なお、図3(B)のように赤外線などの無線を用いて通信する場合には、この通信を制御するための通信部をシステムボード40内に設ければよい。
【0043】
処理部42が含む読み出し部48は、記憶部44に記憶されている制御情報を読み出すための処理を行う。この制御情報は、接続端子12(或いはスロット、通信部)を介してゲーム装置から転送されてくるものであり、図1(D)で説明したカスタマイズ情報、動作アルゴリズム情報、或いは再生情報などを含む。
【0044】
また処理部42が含む制御部49は、読み出された制御情報に応じた動作を自動車玩具10の動作機構(例えばギアボックス54、58、車軸68、ベルト70、プーリ72、74、後輪76、77、或いは前輪78、79)が行うように、制御情報に基づいてモータを制御するための処理を行う。
【0045】
モータ(広義には、所与の動力を機械的エネルギーに変換する原動機)50は、後輪76、77の駆動用のモータであり、電池(動力源)84からの電力(動力)を、後輪76、77を回転させるための機械的エネルギーに変換する。
【0046】
なおモータ50の回転速度や出力トルクの制御は、電源調整部46等の機能によりモータ50に与える電圧や電流を変化させることで実現できる。
【0047】
モータ52は、前輪78、79の操舵用のモータであり、電池84からの電力を、前輪78、79を操舵するための機械的エネルギーに変換する。
【0048】
なお、前輪78、79の右操舵と左操舵の切り替えは、電源調整部46等の機能によりモータ52に与える電圧、電流の極性を切り替えて、モータ52の回転の正転、反転を切り替えることで実現できる。また、前輪78、79の操舵速度や操舵角度も、電源調整部46等の機能によりモータ52に与える電圧、電流を変化させることで実現できる。
【0049】
駆動用のギアボックス54は、モータ50の歯車51に噛み合う歯車55と、この歯車55に固設される歯車56と、この歯車56に噛み合うと共に車軸68に固設される歯車57を含む。
【0050】
操舵用のギアボックス58は、モータ52の歯車53に噛み合う歯車59と、この歯車59と一体的に回転するウォーム60と、このウオーム60に噛み合う歯車61と、この歯車61に噛み合う歯車62が固設されるプーリ63を含む。そして、モータ52の回転子が回転するとプーリ63が回転し、このプーリ63に掛けられたベルト70のベルト伝動によりプーリ72、74が回転し、前輪78、79が操舵されることになる。
【0051】
センサ80、82(センサは1つでもよいし、3個以上でもよい)は、自動車玩具10の外部の情報を検知するものであり、その機能は、距離センサ、バーコード読み取りセンサ、或いは赤外線センサなどのハードウェアにより実現できる。制御部49は、これらのセンサ80、82により検知された外部情報と、記憶部44に記憶される制御情報とに基づいて、モータ50、52の制御を行うことになる。
【0052】
2.ゲーム装置の構成
図6に、本実施形態のゲーム装置(家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、或いは業務用のゲーム装置)のブロック図の一例を示す。なお同図において本実施形態のゲーム装置は、少なくとも処理部100(或いは処理部100と記憶部140、或いは処理部100と記憶部140と情報記憶媒体150)を含めばよく、それ以外のブロック(例えばゲームコントローラ24、画像生成部160、表示部22、音生成部170、音出力部172、通信部174、I/F部176等)については、任意の構成要素とすることができる。
【0053】
ここで処理部100は、装置全体の制御、装置内の各ブロックへの命令の指示、ゲーム演算などの各種の処理を行うものであり、その機能は、CPU(CISC型、RISC型)、DSP、或いはASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、所与のプログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0054】
ゲームコントローラ(広義には操作部)24は、プレーヤが操作情報を入力するためのものであり、その機能は、十字キー、ボタンなどのハードウェアにより実現できる。
【0055】
記憶部140は、処理部100、画像生成部160、音生成部170、通信部174、I/F部176などのワーク領域となるもので、その機能はRAMなどのハードウェアにより実現できる。
【0056】
情報記憶媒体(コンピュータにより情報の読み取りが可能な記憶媒体)150は、プログラムやデータなどの情報を格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いは半導体メモリ(EEPROM、ROM)などのハードウェアにより実現できる。処理部100は、この情報記憶媒体150に格納される情報に基づいて本発明(本実施形態)の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体150には、本発明(本実施形態)の手段(特に処理部100に含まれるブロック)を実現するための種々の情報が格納される。
【0057】
なお、情報記憶媒体150に格納される情報の一部又は全部は、装置への電源投入時等に記憶部140に転送されることになる。また情報記憶媒体150に記憶される情報は、本発明の処理を行うためのプログラムコード、画像情報、音情報、表示物の形状情報、テーブルデータ、リストデータ、プレーヤ情報や、本発明の処理を指示するための情報、その指示に従って処理を行うための情報等の少なくとも1つを含むものである。
【0058】
画像生成部160は、処理部100からの指示等にしたがって、各種の画像を生成し表示部22に出力するものであり、その機能は、画像生成用ASIC、CPU、或いはDSPなどのハードウェアや、所与のプログラム(画像生成プログラム)、画像情報により実現できる。
【0059】
音生成部170は、処理部100からの指示等にしたがって、各種の音を生成し音出力部172に出力するものであり、その機能は、音生成用ASIC、CPU、或いはDSPなどのハードウェアや、所与のプログラム(音生成プログラム)、音情報(波形データ等)により実現できる。
【0060】
通信部174は、外部装置(例えばホスト装置や他のゲーム装置)との間で通信を行うための各種の制御を行うものであり、その機能は、通信用ASIC、或いはCPUなどのハードウェアや所与のプログラム(通信プログラム)により実現できる。
【0061】
なお本発明(本実施形態)の処理を実現するための情報は、ホスト装置が有する情報記憶媒体からネットワーク、通信部174を介してゲーム装置が有する情報記憶媒体に配信するようにしてもよい。このようなホスト装置の情報記憶媒体の使用やゲーム装置の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含まれる。
【0062】
また処理部100の機能の一部又は全部を、画像生成部160、音生成部170、又は通信部174の機能により実現するようにしてもよい。或いは、画像生成部160、音生成部170、又は通信部174の機能の一部又は全部を、処理部100の機能により実現するようにしてもよい。
【0063】
I/F部176は、処理部100からの指示等にしたがって自動車玩具、或いはメモリーカードとの間で情報交換を行うためのインターフェースとなるものであり、その機能は、自動車玩具を接続するための接続端子、或いはメモリーカードを挿入するためのスロットなどのハードウェアにより実現できる。なお、自動車玩具、或いはメモリーカードとの間の情報交換を赤外線などの無線を用いて実現する場合には、I/F部176の機能は、半導体レーザ、赤外線センサなどのハードウェアにより実現できる。
【0064】
処理部100は、ゲーム演算部110を含む。
【0065】
ここでゲーム演算部110は、ゲームモードの設定処理、ゲームの進行処理、選択画面の設定処理、移動体(自動車表示物等)の位置や方向を決める処理、視点位置や視線方向を決める処理、移動体のモーションを再生する処理、オブジェクト空間へオブジェクトを配置する処理、ヒットチェック処理、ゲーム成果(成績)を演算する処理、複数のプレーヤが共通のゲーム空間でプレイするための処理、或いはゲームオーバー処理などの種々のゲーム演算処理を、ゲームコントローラ24からの操作情報、ゲームプログラムなどに基づいて行う。
【0066】
ゲーム演算部110は、制御情報作成部112、制御情報転送部114を含む。
【0067】
ここで制御情報作成部112は、図5の自動車玩具10の記憶部44に記憶する制御情報を作成するための処理を行う。より具体的には、カスタマイズモードや動作アルゴリズム設定モードでのプレーヤの設定に応じた制御情報を作成する。或いは、ゲーム装置でのプレーヤのゲームプレイにより動作する自動車表示物の動作の再生情報に基づいて、制御情報を作成する。
【0068】
また制御情報転送部114は、作成した制御情報を自動車玩具10の記憶部44に転送するための処理を行う。例えば図1(C)、(D)のように自動車玩具10の接続端子12をゲーム装置20に接続する場合には、I/F部176、接続端子12を介して自動車玩具10の記憶部44に制御情報を書き込むための処理を行う。また、図3(A)のように自動車玩具10から取り外したメモリーカード26をゲーム装置20に接続する場合には、I/F部176を介して記憶部44として機能するメモりカード26に制御情報を書き込むための処理を行う。また図3(B)のように無線を介して制御情報を通信する場合には、I/F部176を介して自動車玩具10に制御情報を送信するための処理を行う。
【0069】
3.本実施形態の特徴
本実施形態では、ゲーム装置において設定されたカスタマイズ情報が制御情報に含まれ、このカスタマイズ情報に応じた動作を自動車玩具(動作機構)が行うようにモータが制御される。
【0070】
より具体的には、プレーヤがカスタマイズ情報を設定するカスタマイズモードでは、例えば図7に示すような設定画面が表示部22に表示される。この設定画面においてプレーヤはスピード重視(モータの回転速度を速くする)にするかトルク重視(モータの出力トルクを大きくする)にするかを設定できる。直線の多いコースで自動車玩具10を走行させる場合にはスピード重視を選択することが望ましく、コーナーの多いコースで走行させる場合にはトルク重視を選択することが望ましい。
【0071】
設定可能なカスタマイズ情報としては、これ以外にも、例えば自動車玩具10の最高速度、操舵速度などを考えることができる。最高速度を高めると、直線での競争に勝つことが容易になるが、その反面、コーナーではコースアウトしやすくなる。また操舵速度(図5のプーリ72、74を回転させる速度)を高めれば、クイックなコーナリングが可能になるが、その反面、自動車玩具10の走行の制御が難しくなる。
【0072】
スピード重視とトルク重視の切り替えは、図5の自動車玩具10のモータ50に与える電圧や電流を制御することで実現できる。また最高速度の制御は、ギアボックス54内にギア比の切り替え機構を設けることで実現できる。また操舵速度の設定は、モータ52に与える電圧、電流を制御することで実現できる。
【0073】
また本実施形態では、ゲーム装置において設定された動作アルゴリズム情報が制御情報に含まれ、この動作アルゴリズム情報に応じた動作を自動車玩具(動作機構)が行うようにモータが制御される。
【0074】
より具体的には、プレーヤが動作アルゴリズム情報を設定する動作アルゴリズム設定モードでは、例えば図8に示すような設定画面が表示部22に表示される。この設定画面においてプレーヤは、コーナーへの進入タイミングTIN前での自動車玩具10の速度VIや、コーナーからの抜け出しタイミングTOUT後での速度VOや、TINとTOUTの間での速度VIOを設定できる。但し、自動車玩具10内のモータ50の性能(回転速度、出力トルク等)に応じて、速度VI、VO、VIOには制限が加えられる。
【0075】
速度VI、VIOを高くすれば、短い時間でコーナリングできるようになるが、コーナーでコースアウトする確率も高くなる。一方、速度VOを高くすれば、低いコースアウト確率で速くコーナリングできるようになるが、モータ50の性能や速度VIOの大きさなどに依存してVOには制限が加えられるため、VOを無制限に大きくすることはできない。
【0076】
図5のモータ50の制御が電機子電圧制御である場合には、制御部49が、モータ50に与える電圧を電源調整部46を用いて制御することで、図9に示すようにモータ50(モータの回転子)の回転速度を制御できる。即ち電圧が高くなるように制御することで、モータ50の回転速度が高くなり、自動車玩具10の速度が高くなる。一方、電圧が低くなるように制御することで、モータ50の回転速度が低くなり、自動車玩具10の速度が低くなる。
【0077】
動作アルゴリズムの設定画面の他の例を図10に示す。この設定画面ではプレーヤは、コーナー85での自動車玩具10の操舵開始タイミングを決めるライン86や操舵戻しタイミングを決めるライン87を設定する。そしてライン86、87の設定情報は制御情報として自動車玩具10に転送される。自動車玩具10の制御部49は、ライン86、87のタイミングでモータ52が動作するようにモータ52を制御する。これにより、ライン86、87のタイミングで、前輪78、79が操舵されるようになる。
【0078】
モータ52の制御が電機子電圧制御である場合には、図11に示すようにモータ52に与える電圧の極性を切り替えることで、前輪78、79の左操舵、右操舵の切り替えを実現できる。また、モータ52に与える電圧の絶対値を制御することで、前輪78、79の操舵速度を制御できる。
【0079】
なお、モータ52としてステッピングモータを用いた場合には、モータ52に与える入力パルスを制御する(例えばパルス数を制御する)ことで、前輪78、79の操舵角度を制御することも可能となる。
【0080】
また、本実施形態では、図12に示すように、ゲーム装置20の表示部22に自動車玩具10に対応する自動車表示物88が表示される。そして、この自動車表示物88の動作の再生情報が、制御情報として自動車玩具10に転送される。そして、この再生情報に応じて、自動車表示物88と同様の動作を自動車玩具10が行うように、モータ50、52が制御される。
【0081】
より具体的には、図13に示すように、自動車表示物88が走行するコース89(オブジェクト空間内のコース)は、例えば複数のコースブロックC0、C1、C2、C3・・・・・に分割されている。そして、プレーヤがゲームコントローラ24を操作して自動車表示物88をコース89上で走行させるゲームプレイを行うと、その走行の再生情報90が、図6の制御情報作成部112により作成される。この再生情報90は、例えば、各コースブロックC0、C1、C2・・・・での自動車表示物88の速度VC0、VC1、VC2・・・・、自動車表示物88の移動方向αC0、αC1、αC2・・・などを含む。但し、再生情報90に含ませる情報は、自動車表示物88の速度や移動方向に限定されない。例えば、プレーヤのアクセルやブレーキの操作量や操舵角度などを再生情報90に含ませてもよい。
【0082】
このような再生情報90を用いることで、ゲーム装置20におけるゲームプレイでの自動車表示物88の走行と同じように、自動車玩具20を走行させることが可能になる。これにより、自動車玩具20の走行に、ゲームプレイでのプレーヤの操作技量を反映させることが可能になる。
【0083】
また、本実施形態では、図5に示すセンサ80、82により外部情報を検知し、制御情報と、この検知された外部情報とに基づいて、モータ50、52を制御している。
【0084】
より具体的には図14に示すように、自動車玩具10の左側に設けられたセンサ80により、コースの左側の壁92までの距離DLを検知し、自動車玩具10の右側に設けられたセンサ82により、コースの右側の壁93までの距離DRを検知する。そして、DLが基準値DLMよりも大きい場合には右操舵フラグをオフにし、DLがDLM以下の場合には右操舵フラグをオンにする。同様に、DRが基準値DRMよりも大きい場合に左操舵フラグをオフにし、DRがDRM以下の場合には左操舵フラグをオンにする。そして、これらの右操舵フラグ、左操舵フラグを用いてモータ52を制御し、前輪78、79を操舵する。即ち、右操舵フラグがオンの場合にはモータ52の回転子を例えば順方向に回転させ、前輪78、79を右に操舵させる。一方、左操舵フラグがオンの場合にはモータ52の回転子を逆方向に回転させ、前輪78、79を左に操舵させる。このようにすることで、制御情報のみを用いる場合に比べて、自動車玩具10の走行を、より綿密に制御できるようになる。
【0085】
なお、壁92、93までの距離を段階的に検知し、この段階的に検知された距離に基づいて、操舵の状態(例えば操舵角度)を段階的に制御するようにしてもよい。
【0086】
また、外部情報をコース(広義には移動経路)に予め設定しておくと共に、外部情報にコース情報(広義には移動経路情報)を含ませ、この外部情報に含まれるコース情報をセンサにより読み取ることで、モータを制御するようにしてもよい。
【0087】
より具体的には、図15に示すように、外部情報であるバーコード情報94をコース上に設定しておく。そして、自動車玩具10のセンサを用いて、このバーコード情報94を検知する(読み込む)。バーコード情報94には、例えばコーナーの開始ポイント、終了ポイント、コーナーの回転半径、或いはコーナーでのコース幅などの種々のコース情報が含まれている。このようなコース情報を利用することで、自動車玩具10の走行を、更に綿密に制御できるようになる。即ち、コーナの開始ポイントや終了ポイントの情報を利用することで、操舵タイミングの適正な制御が可能になる。またコーナーの回転半径、コース幅の情報を利用することで、操舵速度、操舵角度の適正な制御が可能になる。
【0088】
なお、コース情報は、図9のバーコード情報94に含まれるような情報には限定されない。また、コース上にバーコード情報を設定する代わりに、コースに沿って赤外線送信部を設け、この赤外線送信部から送信されたコース情報を赤外線センサを用いて検知するようにしてもよい。
【0089】
また、本実施形態では、ゲーム装置でのゲーム成果に応じて制御情報の内容を変化させ、変化させた制御情報に応じて、モータの制御を変化させるようにしている。
【0090】
例えば図16では、プレーヤは、ゲームコントローラ24を用いて自動車表示物88を操作し、他のプレーヤ或いはコンピュータが操作する自動車表示物との競争に勝ち、1位になっている。このようにプレーヤのゲーム成果が優れている場合に本実施形態では、プレーヤは新しい性能の良いモータを獲得できる。そして、この新モータを用いて、自動車玩具10を、より速く走らせることが可能になる。
【0091】
より具体的には図17に示すように、図5のモータ50に与える電圧を高くする。これにより、モータ50の回転速度を高くすることが可能になり(モータ50から出力される機械的エネルギーが段階的に大きくなり)、自動車玩具10を、より速く走らせることが可能になる。この場合、実際には、自動車玩具10内には駆動用のモータ50は1つしか設けられていないが、このモータ50に与える電圧を高くすることで、あたかも新たなモータを獲得したかのような錯覚をプレーヤに与えることが可能になる。
【0092】
なお、本実施形態におけるゲーム成果としては、例えば、順位、得点、ラップタイム、周回回数、命中率、倒した相手の数、残り体力、勝敗、獲得したアイテム及びその数、与えられた任務の成功の可否等、種々のゲーム成果を含めることができる。
【0093】
また図17では、モータ50に与えられる電圧が高くなるように制御情報を変化させたが、本実施形態における制御情報の変化はこれに限定されない。例えばモータ50に与えられる電流が変化したり、モータ52に与えられる電圧や電流が変化したり、モータ50、52に与えられる入力パルスの制御が変化するように、制御情報を変化させてもよい。
【0094】
4.本実施形態の処理
次に、本実施形態の詳細な処理例について図18、図19、図20のフローチャートを用いて説明する。
【0095】
図18、図19は、ゲーム装置の処理例について説明するためのフローチャートである。
【0096】
まず、図7で説明したように、カスタマイズ情報の設定が行われる(ステップS1)。また図8〜図11で説明したように、動作アルゴリズム情報の設定が行われる(ステップS2)。
【0097】
次に、図6の制御情報作成部112が、設定されたカスタマイズ情報や動作アルゴリズム情報に基づいて、モータの制御情報を作成する(ステップS3)。例えば、自動車玩具10の速度を高くするような設定が行われた場合には、図5のモータ50の回転速度を高くするような制御情報が作成される。また、自動車玩具10の操舵タイミングを早めるような設定が行われた場合には、モータ52の動作タイミングを早めるような制御情報が作成される。
【0098】
次に、図6の制御情報転送部114が、作成された制御情報を自動車玩具10の記憶部44に転送するための処理を行う(ステップS4)。即ち、直接に記憶部44に制御情報を書き込んだり(図1(C)、(D))、記憶部44として機能するメモリカード26に制御情報を書き込んだり(図3(A))、赤外線を介して自動車玩具10に制御情報を通信する(図3(B))。
【0099】
図19は、ゲーム装置でのゲーム成果に応じて制御情報を変化させたり、ゲーム装置での表示物の動作の再生情報を制御情報に含ませる場合の処理について説明するためのフローチャートである。
【0100】
ゲームが開始し(ステップU1)、そのゲームが終了すると(ステップU2)、プレーヤのゲーム成果に基づいて、新モータ獲得の条件を満足したか否かを判断する(ステップU3)。そして、例えば図16に示すようにプレーヤが1位になり、新モータ獲得の条件が満足されると、新モータ獲得フラグがオンになる(ステップU4)。
【0101】
次に、図6の制御情報作成部112が、プレーヤのゲームプレイの再生情報を作成する(ステップU5)。即ち図13で説明したように、自動車表示物88の走行に応じた再生情報90が作成される。
【0102】
次に、制御情報転送部114が、新モータ獲得フラグや再生情報を含む制御情報を、自動車玩具10の記憶部44に転送するための処理を行う(ステップU6)。
【0103】
図20は、自動車玩具10の処理について説明するためのフローチャートである。
【0104】
まず、ゲーム装置20から転送され記憶部44に記憶された制御情報を、記憶部44から読み出す(ステップV1)。次に、ゲーム装置でのゲームプレイで新モータを獲得したか否かを判断する(ステップV2)。この判断は、図19のステップU4でオンにされる新モータ獲得フラグに基づいて判断する。そして、新モータを獲得している場合には、図17で説明したようにモータ50に与える電圧を高くする(ステップV3)。これにより、あたかも本当に新たな性能の良いモータを獲得したかのような錯覚を、プレーヤに与えることができる。
【0105】
次に、図5のセンサ80、82が、外部情報を検知したか否かを判断する(ステップV4)。そして検知された場合には、検知された外部情報を記憶部44に転送する(ステップV5)。
【0106】
次に、制御部49が、記憶部44に記憶された制御情報、外部情報に基づいてモータの制御パターンを演算する(ステップV6)。そして、この制御パターンに基づいて、モータ50、52を制御する(ステップV7)。
【0107】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0108】
例えば、本発明の原動機は、制御の容易性からモータであることが特に望ましいが、本発明の原動機はモータに限定されるものではなく、少なくとも所与の動力を機械的エネルギーに変換するものであればよい。例えば、原動機として電力以外の動力で動作するもの(ゼンマイ機構等)などを用いることも可能である。
【0109】
またカスタマイズ情報、動作アルゴリズム情報、再生情報の設定手法や、原動機の制御手法や、外部情報の検知手法も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【0110】
また本実施形態では、本発明を自動車玩具に適用した場合について説明したが、本発明は、自動車玩具以外の移動玩具(戦車玩具、ロボット玩具、船玩具、飛行機玩具等)にも適用できる。このような移動玩具に本発明を適用する場合には、移動玩具を移動させるための動作機構(例えば戦車のキャタピラ、ロボットの手足、船及び飛行機のプロペラ等)を移動玩具に含ませ、移動玩具の移動スピード或いは移動方向を、制御情報により制御するようにすればよい。
【0111】
更に、本発明は移動玩具以外の玩具、例えば動作玩具(縫いぐるみ玩具、人形玩具、ペット玩具等)にも適用できる。このような動作玩具に本発明を適用する場合には、動作玩具のパーツを動作させるための動作機構を動作玩具に含ませ、動作玩具の例えば手の動作、足の動作、頭の動作、胴体の動作、顔の表情、或いは発声などを、制御情報により制御するようにする。
【0112】
図21(A)に、このような動作玩具の1つである縫いぐるみ玩具200の例を示す。
【0113】
この縫いぐるみ玩具200は、システムボード210、モータ220、222、224、226、228、音出力部(スピーカ)230を含む。
【0114】
ここで、システムボード210は、図5と同様に、処理部(読み出し部、制御部)、記憶部、或いは電源調整部などを含む。そして、図21(B)に示すように、ゲーム装置20から転送されてきた制御情報は、システムボード210内の記憶部212に記憶される。そして、この制御情報に基づいて、モータ220、222、224、226、228や音出力部230が制御されることになる。
【0115】
なお、記憶部212に制御情報を記憶する手法としては、図1(C)、(D)、図2(A)、(B)、図3(A)、(B)、図4(A)、(B)に示すような種々の手法を採用できる。
【0116】
縫いぐるみ玩具200のカスタマイズ情報や動作アルゴリズム情報を設定する場合には、例えば次のようにする。即ち図22に示すように、縫いぐるみ玩具200に対応する縫いぐるみ表示物240を表示部22に表示する。プレーヤは、この縫いぐるみ表示物240を見ながらゲームコントローラ24を操作して、自分が所望する振り付けを入力する。すると、この振り付けの情報(広義にはカスタマイズ情報或いは動作アルゴリズム情報)が制御情報として縫いぐるみ玩具200(記憶部212)に記憶される。そして、この振り付け情報にしたがって、縫いぐるみ玩具200が動作するようになる。このようにすれば、画一的な動作しかしなかった従来のものとは異なり、縫いぐるみ玩具200が、プレーヤの所望するような振り付けで動作するようになる。これにより、縫いぐるみ玩具200に対するプレーヤの愛着度を高めることができる。
【0117】
なお、カスタマイズ情報や動作アルゴリズム情報を設定する手法としては種々の手法を考えることができる。例えば図23では、幾つかの振り付けパターン(動作パターン)が予め用意されており、これらの振り付けパターンの中からプレーヤが所望する振り付けパターンを選択する。すると、その選択された振り付けパターンにしたがって縫いぐるみ玩具200が動作するようになる。
【0118】
また、縫いぐるみ玩具200の胴体の動作や顔の表情を、制御情報(カスタマイズ情報、動作アルゴリズム情報等)に基づいて変化させるようにしてもよい。
【0119】
更に、縫いぐるみ玩具200が発声する音声をプレーヤが設定できるようにしてもよい。例えば図24では、幾つかの音声パターンが予め用意されており、これらの音声パターンの中からプレーヤが所望する音声パターンを選択する。すると、この選択された音声パターンで、縫いぐるみ玩具200が発声するようになる。或いは、プレーヤが任意の文字を入力し、この入力された文字の音声を、縫いぐるみ玩具200に発声させてもよい。
【0120】
このように、縫いぐるみ玩具200が発声する音声をプレーヤがカスタマイズできるようにすることにより、例えば、プレーヤの所望する時刻にプレーヤの所望する音声を発声するような縫いぐるみ玩具200(例えば目覚まし機能を持つ玩具)を実現できるようになる。この場合に、音声を発声するのみならず、プレーヤが所望する振り付けで縫いぐるみ玩具200を動作させれば、縫いぐるみ玩具200に対するプレーヤの愛着度を更に高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、(B)は、本実施形態の自動車玩具の前方、後方斜視図であり、図1(C)、(D)は、自動車玩具をゲーム装置に接続して制御情報を記憶させる手法について説明するための図である。
【図2】図2(A)、(B)は、自動車玩具を携帯型ゲーム装置に接続して制御情報を記憶させる手法について説明するための図である。
【図3】図3(A)、(B)は、メモリーカード、赤外線を用いて自動車玩具に制御情報を記憶させる手法について説明するための図である。
【図4】ゲームコントローラに自動車玩具を接続して制御情報を記憶させる手法について説明するための図である。
【図5】自動車玩具の内部構成図の一例である。
【図6】ゲーム装置のブロック図の一例である。
【図7】カスタマイズ情報を設定する手法について説明するための図である。
【図8】動作アルゴリズム情報を設定する手法について説明するための図である。
【図9】モータに与える電圧を制御して自動車玩具の速度を制御する手法について説明するための図である。
【図10】動作アルゴリズム情報を設定する他の手法について説明するための図である。
【図11】モータに与える電圧の極性や電圧の絶対値を制御して自動車玩具の操舵を制御する手法について説明するための図である。
【図12】ゲーム装置の表示部に表示される自動車表示物の動作の再生情報を制御情報として利用する手法について説明するための図である。
【図13】再生情報の作成手法について説明するための図である。
【図14】センサにより検知した外部情報を利用する手法について説明するための図である。
【図15】センサにより検知した外部情報を利用する他の手法について説明するための図である。
【図16】ゲーム成果に応じて制御情報の内容を変化させる手法について説明するための図である。
【図17】変化させた制御情報に応じて、モータの制御を変化させる手法について説明するための図である。
【図18】ゲーム装置での詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図19】ゲーム装置での詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図20】自動車玩具での詳細な処理例を示すフローチャートである。
【図21】図21(A)、(B)は、本発明が適用された縫いぐるみ玩具について説明するための図である。
【図22】縫いぐるみ玩具のカスタマイズ情報や動作アルゴリズム情報の設定手法について説明するための図である。
【図23】縫いぐるみ玩具のカスタマイズ情報や動作アルゴリズム情報の設定手法の他の例について説明するための図である。
【図24】プレーヤが設定した音声を縫いぐるみ玩具に発声させる手法について説明するための図である。
【符号の説明】
10 自動車玩具
12 接続端子
20 ゲーム装置
22 表示部
24 ゲームコントローラ
26 メモリーカード
30 携帯型ゲーム装置
40 システムボード
42 処理部
44 記憶部
46 電源調整部
48 読み出し部
49 制御部
50 駆動用のモータ(原動機)
52 操舵用のモータ(原動機)
51、55、56、57 歯車
54 駆動用のギアボックス
53、59、61、62 歯車
60 ウォーム
63、72、74 プーリ
70 ベルト
76、77 後輪
78、79 前輪
80、82 センサ
84 電池(動力源)
88 自動車表示物
89 コース
90 再生情報
94 バーコード情報
100 処理部
110 ゲーム演算部
112 制御情報作成部
114 制御情報転送部
140 記憶部
150 情報記憶媒体
160 画像生成部
170 音生成部
172 音出力部
174 通信部
176 I/F部

Claims (12)

  1. ゲーム画像を生成するゲーム装置と所与の動力により動作する玩具とを含むゲームシステムであって、
    前記ゲーム装置が、
    操作情報が入力される操作手段と、
    ゲームの開始および終了を制御するゲーム制御手段と、
    前記ゲームの開始後において、前記操作情報に基づいて、前記玩具に対応する表示物の動作演算を行う動作演算手段と、
    前記動作演算に基づいて、前記玩具に対応する表示物が動作するゲーム画像を生成する画像生成手段と、
    前記動作演算に基づいて、前記表示物の動作に対応させて前記玩具を動作させるための前記表示物の動作の再生情報を含む制御情報を作成する制御情報作成手段と、
    作成した前記制御情報を前記ゲームの終了後において前記玩具に転送する制御情報転送手段と、
    を含み、
    前記玩具が、
    所与の動力を機械的エネルギーに変換する原動機と、
    前記原動機からの機械的エネルギーに基づいて動作する動作機構と、
    前記ゲーム装置から転送されてきた前記制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記操作情報によらず、前記制御情報に基づいて前記原動機を制御する制御手段と、
    を含むことを特徴とするゲームシステム。
  2. 請求項1において、
    前記玩具が、前記ゲーム装置に接続する接続端子を更に含み、
    前記ゲーム装置に前記接続端子を接続し該接続端子を介して前記記憶手段に前記制御情報を書き込むことで、前記記憶手段に前記制御情報が記憶されることを特徴とするゲームシステム。
  3. 請求項1において、
    前記記憶手段が、前記ゲーム装置及び玩具の両方に装着可能な携帯型の記憶手段であり、
    前記ゲーム装置に前記記憶手段を装着し装着された該記憶手段に前記制御情報を書き込むことで、前記記憶手段に前記制御情報が記憶されることを特徴とするゲームシステム。
  4. 請求項1において、
    前記玩具が、前記ゲーム装置との間で無線により情報を通信するための通信手段を更に含み、
    前記通信手段を介して前記ゲーム装置から受信した前記制御情報を前記記憶手段に書き込むことで、前記記憶手段に前記制御情報が記憶されることを特徴とするゲームシステム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記制御情報が、前記ゲーム装置において設定されたカスタマイズ情報及び前記ゲーム装置で設定された動作アルゴリズム情報の少なくとも一方を含み、
    前記制御手段が、
    前記カスタマイズ情報及び前記動作アルゴリズム情報の少なくとも一方に応じた動作を前記動作機構が行うように、前記原動機を制御することを特徴とするゲームシステム。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記玩具が、外部情報を検知するためのセンサを更に含み、
    前記制御手段が、
    前記制御情報と、前記センサにより検知された前記外部情報とに基づいて、前記原動機を制御することを特徴とするゲームシステム。
  7. 請求項6において、
    前記外部情報が、玩具の移動経路に予め設定されていると共に、玩具の移動経路情報を含み、
    前記制御手段が、
    前記外部情報に含まれる前記移動経路情報を前記センサにより検知することで、前記原動機を制御することを特徴とするゲームシステム。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記制御情報作成手段が、
    前記ゲーム装置でのゲーム成果に応じて前記制御情報の内容を変化させて前記制御情報を作成することを特徴とするゲームシステム。
  9. 請求項8において、
    前記ゲーム装置でのゲーム成果に応じて、前記原動機が出力する機械的エネルギーが段階的に大きくなることを特徴とするゲームシステム。
  10. 請求1乃至9のいずれかにおいて、
    前記動作機構が、玩具を移動させるための機構であり、
    前記制御手段が、
    前記玩具の移動スピード及び移動方向のすくなくとも一方を制御することを特徴とするゲームシステム。
  11. 請求1乃至9のいずれかにおいて、
    前記動作機構が、玩具のパーツを動作させるための機構であり、
    前記制御手段が、
    前記玩具の手の動作、足の動作、頭の動作、胴体の動作、顔の表情及び発声する音声の少なくとも1つを制御することを特徴とするゲームシステム。
  12. ゲーム画像を生成するゲーム装置と所与の動力により動作する玩具とを含むゲームシステム用の玩具であって、
    前記ゲーム装置が、
    操作情報が入力される操作手段と、
    ゲームの開始および終了を制御するゲーム制御手段と、
    前記ゲームの開始後において、前記操作情報に基づいて、前記玩具に対応する表示物の動作演算を行う動作演算手段と、
    前記動作演算に基づいて、前記玩具に対応する表示物が動作するゲーム画像を生成する画像生成手段と、
    前記動作演算に基づいて、前記表示物の動作に対応させて前記玩具を動作させるための前記表示物の動作の再生情報を含む制御情報を作成する制御情報作成手段と、
    作成した前記制御情報を前記ゲームの終了後において前記玩具に転送する制御情報転送手段と、
    を含み、
    前記玩具が、
    所与の動力を機械的エネルギーに変換する原動機と、
    前記原動機からの機械的エネルギーに基づいて動作する動作機構と、
    前記ゲーム装置から転送されてきた前記制御情報を記憶する記憶手段と、
    前記操作情報によらず、前記制御情報に基づいて前記原動機を制御する制御手段と、
    を含むことを特徴とするゲームシステム用の玩具。
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