JP4042798B2 - 配線パターンの形成方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

配線パターンの形成方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、配線パターンの形成方法及びデバイスの製造方法に関する。
電子回路又は集積回路等に使用される所定パターンからなる配線等を形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法が広く利用されている。このフォトリソグラフィー法は、真空装置、露光装置等の大規模な設備が必要となる。そして、上記装置では所定パターンからなる配線等を形成するために、複雑な工程を必要とし、また材料使用効率も数%程度でそのほとんどを廃棄せざるを得ず、製造コストが高いという課題がある。
これに対して、液体吐出ヘッドから液体材料を液滴状に吐出する液滴吐出法、いわゆるインクジェット法を用いて基板上に所定パターンからなる配線等を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。このインクジェット法では、パターン用の液体材料(機能液)を基板に直接パターン配置し、その後熱処理やレーザー照射を行ってパターンに変換する。従って、この方法によれば、フォトリソグラフィー工程が不要となり、プロセスが大幅に簡略化されるとともに、パターン位置に原材料を直接配置することができるので、使用量も削減できるというメリットがある。
特開平11−274671号公報 特開2000−216330号公報
さて、近年、デバイスを構成する回路の高密度化が進み、例えば配線についてもさらなる微細化、細線化が要求されている。上述した液滴吐出法を用いたパターン形成方法では、吐出した液滴が着弾後に基板上で広がるため、微細なパターンを安定的に形成するのが困難であった。特に、パターンを導電膜とする場合には、上述した液滴の広がりによって、液だまり(バルジ)が生じ、それが断線や短絡等の不具合の発生原因となるおそれがあった。
そこで、配線の形成領域を区画するバンクを形成し、このバンク表面が撥液化された状態で配線の形成領域に向けて機能液を吐出することによって、液滴吐出法によって吐出した機能液の飛翔径よりも幅が狭い配線を形成する技術も提案されている。このように、配線の形成領域を区画するバンクを形成することによって、機能液の一部がバンクの上面に吐出された場合であっても、バンク上面は撥液処理されているため、配線の形成領域に全てに機能液が流れ込むようになっている。
しかしながら、近年、機能液の一部がバンクの上面に触れると、バンクの上面に微細な残渣が残ることが確認された。例えば機能液が導電性を有している場合には残渣も導電性を有していることとなり、上述のようにバンクの上面に残渣が残ると、配線パターン自体の電気的特性やこの配線を用いたデバイスの特性が変化することが懸念される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、細い線状の微細パターンを、精度よく安定して形成することができる配線パターンの形成方法及びデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明は、上記課題を解決するために、液滴吐出法を用いて機能液を基板上に形成された隔壁構造体の凹部に吐出することによって複数のパターンを形成する配線パターンの形成方法であって、前記隔壁構造体が、その幅が前記機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部と、前記第1凹部の一部に接続して形成され、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状である第2凹部とを有し、該第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また液滴吐出法を用いて機能液を基板上に形成された隔壁構造体の凹部に吐出することによって複数のパターンを形成する配線パターンの形成方法であって、前記隔壁構造体が、その幅が前記機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部と、その一部が前記第1凹部に重畳して形成され、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状である第2凹部とを有し、該第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また液滴吐出法を用いて機能液を基板上に形成された隔壁構造体の凹部に吐出することによって複数のパターンを形成する配線パターンの形成方法であって、前記隔壁構造体が、その幅が前記機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部と、その一部が前記第1凹部の一部を構成するように形成され、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状である第2凹部とを有し、該第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また本発明の配線パターンの形成方法は、前記第2凹部が、平面視正円形状であることも好ましい。
また本発明の配線パターンの形成方法は、前記隔壁構造体に、前記第1凹部に接続され、かつその幅が前記機能液の飛翔径以上の第3凹部が形成され、該第3凹部に前記機能液を配置する工程と、該機能液により前記第3凹部に前記第1パターンに接続される第3パターンを形成することを備えることも好ましい。
また本発明の配線パターンの形成方法は、前記隔壁構造体に、前記第2凹部に接続する第3凹部が形成され、前記第2凹部に配置された前記機能液の毛管現象により前記第3凹部に前記第2パターンに接続される第3パターンを形成する工程を備えることも好ましい。
また本発明のデバイスの製造方法は、基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスの製造方法であって、前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部を形成する工程と、前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられた第2凹部を前記第1凹部と接続して形成する工程と、前記第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また本発明のデバイスの製造方法は、基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスの製造方法であって、
前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、
該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さいドレイン電極溝部を形成する工程と、
前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられたドレイン電極補助溝部を前記ドレイン電極溝部と接続して形成する工程と、
前記ドレイン電極補助溝部に機能液を配置する工程と、
前記機能液により前記ドレイン電極補助溝部にドレイン電極補助部を形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記ドレイン電極溝部に前記ドレイン電極補助部に接続されるドレイン電極を形成する工程と、を備えることを特徴とする
また本発明のデバイスの製造方法は、基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスの製造方法であって、前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さいゲート電極溝部を形成する工程と、前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられたゲート電極補助溝部を前記ゲート電極溝部と接続して形成する工程と、前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上のゲート配線溝部を前記ゲート電極溝部と接続して形成する工程と、前記ゲート電極補助溝部に機能液を配置する工程と、前記ゲート配線溝部に機能液を配置する工程と、前記機能液により前記ゲート電極補助溝部にゲート電極補助部を形成し、前記機能液により前記ゲート配線溝部にゲート電極配線を形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記ゲート電極溝部に前記ゲート電極補助部及び前記ゲート電極配線に接続されるゲート電極を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また本発明のデバイスの製造方法は、基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスであって、前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さいソース電極溝部を形成する工程と、前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられたソース電極補助溝部を前記ソース電極溝部と接続して形成する工程と、前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上のソース配線溝部を前記ソース電極溝部と接続して形成する工程と、前記ソース電極補助溝部に機能液を配置する工程と、前記ソース配線溝部に機能液を配置する工程と、前記機能液により前記ソース電極補助溝部にソース電極補助部を形成し、前記機能液により前記ソース配線溝部にソース電極配線を形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記ソース電極溝部に前記ソース電極補助部及び前記ソース電極配線に接続されるソース電極を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また本発明のデバイスの製造方法は、前記ソース電極と前記半導体層とが平面的に重畳する面積と、前記ドレイン電極と前記半導体層とが平面的に重畳する面積とが略等しいことも好ましい。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の最良の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
(液滴吐出装置)
まず、本実施形態において、薄膜パターンを形成するための液滴吐出装置について図1を参照して説明する。
図1は、本発明のパターン形成方法に用いられる装置の一例として、液滴吐出法によって基板上に液体材料を配置する液滴吐出装置(インクジェット装置)IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15とを備えている。
ステージ7は、この液滴吐出装置IJによりインク(液体材料)を設けられる基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド1は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルからは、ステージ7に支持されている基板Pに対して、上述した導電性微粒子を含むインクが吐出される。
X軸方向駆動軸4には、X軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸5は、基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ2に液滴吐出ヘッド1のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ3にステージ7のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は、液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものである。クリーニング機構8には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構8は、Y軸方向ガイド軸5に沿って移動する。クリーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ15は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ15の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X軸方向を走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。従って、液滴吐出ヘッド1の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図1では、液滴吐出ヘッド1は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド1の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。
このようにすれば、液滴吐出ヘッド1の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することができる。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節することができるようにしてもよい。
図2は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための図である。
図2において、液体材料(配線パターン用インク、機能液)を収容する液体室21に隣接してピエゾ素子22が設置されている。液体室21には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系23を介して液体材料が供給される。
ピエゾ素子22は駆動回路24に接続されており、この駆動回路24を介してピエゾ素子22に電圧を印加し、ピエゾ素子22を変形させることにより、液体室21が変形し、ノズル25から液体材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子22の歪み速度が制御される。
なお、液体材料の吐出原理としては、上述した圧電体素子であるピエゾ素子を用いてインクを吐出させるピエゾ方式の他にも、液体材料を加熱し発生した泡(バブル)により液体材料を吐出させるバブル方式等、公知の様々な技術を適用することができる。このうち、上述したピエゾ方式では、液体材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないという利点を有する。
ここで、機能液Lは、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液や有機銀化合物や酸化銀ナノ粒子を溶媒(分散媒)に分散した溶液からなるものである。導電性微粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、及びニッケルのうちのいずれかを含有する金属微粒子の他、これらの酸化物、並びに導電性ポリマーや超電導体の微粒子などが用いられる。
これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm以上0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、後述する液体吐出ヘッドのノズルに目詰まりが生じるおそれがある。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーテイング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法(インクジェット法)への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m以上0.07N/m以下の範囲内であることが好ましい。液滴吐出法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
上記分散液の粘度は1mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。液滴吐出法を用いて液体材料を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる。
(バンク構造体)
次に、図3を参照して1画素を構成するバンク構造について詳細に説明する。図3は、1画素(TFTを含む)を構成するバンク構造を模式的に示した平面図である。図3では、本実施形態の理解を容易とするため、実際に1画素を構成する際に使用するバンク構造のみを抽出し、説明する。また、図3においては、便宜上、異なる層に形成される各バンクを共通にして図示及び説明をする。また、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
まず、図3に示す第1層目について、図3及び図4(a)を参照して詳細に説明する。
図4(a)は、図3に示す1画素を構成するバンク構造の1層目を抽出し拡大して示した平面図である。図3、4(a)に示すように、1画素を構成する1層目のバンク34には、ゲート配線に対応するゲート配線溝部55a(第3凹部)とゲート電極に対応するゲート電極溝部56a(第1凹部)とが形成されている。
ゲート配線溝部55aは、X軸方向に延在して形成され、幅H1を有している。ゲート配線溝部55aの幅H1は、上述した液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。従って、ゲート配線溝部55aは、吐出される機能液Lがバンク34上面からはみ出さないような構造となっている。
ゲート電極溝部56aは、Y軸方向に延在して形成され、ゲート電極溝部56aの基端部は、ゲート配線溝部55aに対して略垂直に接続されている。また、ゲート電極溝部56aは幅H2を有しており、このゲート電極溝部56aの幅H2は、上記ゲート配線溝部55aの幅H1よりも狭く形成されている。詳細には、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径よりも小さく形成されている。そのため、直接、ゲート電極溝部56aに対して、機能液Lを吐出することは困難である。そこで、本実施形態においては、ゲート配線溝部55aに吐出される機能液Lを毛細管現象により、ゲート電極溝部56aに供給することができるような構造となっている。
本実施形態においては、ゲート電極溝部56aの先端部には、ゲート電極補助溝部57a(第2凹部)が平面視正円形状に形成されている。このゲート電極補助溝部57aは、ゲート電極溝部56aの一部を構成している。また、ゲート電極補助溝部57aの正円形状の幅は、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と略等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。即ち、本実施形態において、ゲート電極補助溝部57aは、機能液Lが吐出される領域S1となっており、機能液Lがバンク34上面からはみ出さないような構造となっている。
このようにゲート電極補助溝部57aを設けることにより、ゲート電極溝部56aは、一端がゲート配線溝部55aに接続され、他端がゲート電極補助溝部57aに接続される。そして、ゲート配線溝部55aとゲート電極補助溝部57aとは、上述したように、機能液Lが吐出される領域となっている。そのため、ゲート電極溝部56aは、両端部から機能液Lがバンク34上面にはみ出すことなく供給される。これにより、ゲート電極溝部56aの全体に機能液Lを濡れ広がらせることができ、所望の形状を有するパターンを形成することができる。
次に、図3に示す第2層目について、図3及び図4(b)を参照して詳細に説明する。
図4(b)は、図3に示す1画素を構成するバンク構造の2層目を抽出し拡大して示した平面図である。図3、4(b)に示すように、1画素を構成する2層目のバンク34には、ゲート配線及び電極用バンクの上層に、ソース配線に対応するソース配線溝部42a(第1凹部)と、ソース電極溝部43a(第3凹部)と、ドレイン電極に対応するドレイン電極溝部44a(第1凹部)が形成されている。なお、ソース配線及び電極、ドレイン電極用バンクは、後述するように、ソース配線及び電極、ドレイン電極が形成された後に除去される。
ソース配線溝部42aは、X軸方向に延在するとともに、上述したゲート配線溝部55aに交差して形成されている。また、ソース配線溝部42aは幅H3を有しており、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径よりも狭く形成されている。なお、ソース配線溝部42aの幅H3は、上述したゲート配線溝部55aのように、機能液Lの飛翔径と等しいか、あるいは大きく形成することも好ましい。
また、ソース電極溝部43aは、図3、図4(b)に示すように、ソース配線溝部42aと上記ゲート配線溝部55aとの交差点近傍に、ソース配線溝部42aからX軸方向に延出して形成されている。
なお、本実施形態において、ソース配線溝部42aと、ソース電極溝部43aとを合わせた領域は、吐出される機能液Lの飛翔径よりも狭く、微細パターンとなっている。
ソース配線溝部42aには、ソース配線補助溝部48a(第2凹部)が形成されている。図3、4(b)に示すように、ソース配線補助溝部48aは、平面視正円形状に設けられ、ソース配線溝部42aとソース電極溝部43aの一部に重畳して設けられている。そして、ソース配線補助溝部48aの一部は、ソース電極溝部43aに対向して、ソース配線溝部42aから平面視半球状に延出して設けられている。ここで、ソース配線補助溝部48aの幅は、上述した液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。従って、ソース配線補助溝部48aは、機能液Lが吐出される領域S3となっており、機能液Lがバンク34上面からはみ出さないような構造となっている。
また、図3、4(b)に示すように、ソース電極溝部43a,43a間には、第2ソース配線補助溝部47a(第2凹部)が形成されている。ソース配線補助溝部47aは、ソース配線溝部42aに略垂直に接続され、X軸方向に延在して形成されている。このソース配線補助溝部47aは、平面視正円形状に形成され、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と略等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。即ち、本実施形態において、ソース配線補助溝部47aは、機能液Lを吐出するための領域S3となっている。従って、このソース配線補助溝部47aに、機能液Lを吐出することにより、溝部から機能液Lをはみ出さずに配置することができ、ソース配線溝部42aに機能液Lを供給することができるようになっている。
続けて、図3、図4(c)に示す2層目のバンクに形成されるドレイン電極溝部44aについて説明する。図4(c)は、図3に示す1画素を構成するバンク構造の3層目を抽出し拡大して示した平面図である。図3の第2層目のバンク34には、ドレイン電極に対応するドレイン電極溝部44a(第1凹部)が形成されている。
ドレイン電極溝部44aは、ソース電極溝部43aに対向して形成されている。また、ドレイン電極溝部44aは、ソース電極溝部43aと同様に矩形状に形成され、ソース電極溝部43aとドレイン電極溝部44aの平面的な面積が略等しくなるように形成されている。
ドレイン電極溝部44aには、ドレイン電極補助溝部62aが形成されている。このドレイン電極補助溝部62aは、平面視正円形状をしており、その一部がドレイン電極溝部44aに重畳して設けられている。そして、ドレイン電極補助溝部62aは、ドレイン電極溝部44aから平面視半円形状に延出して形成されている。ここで、ドレイン電極補助溝部62aの幅は、上述した液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。本実施形態においては、ドレイン電極補助溝部62aは、機能液Lが吐出される領域S4となっており、機能液Lがバンク34上面からはみ出さないような構造となっている。
次に、図3の第3層目について、図3を参照して詳細に説明する。
図3に示すように、画素電極に対応する画素電極溝部45aは、ゲート配線溝部55aとソース配線溝部42aとに区画される領域に形成されている。そして、画素電極溝部45aは、ドレイン電極溝部44aやドレイン電極補助溝部62aに一部が重畳するように形成されている。
本実施形態によれば、機能液Lを配置する領域(ゲート電極補助溝部57a)の形状が、吐出される機能液Lの飛翔径の形状と等しくなる。従って、吐出された機能液Lを、バンク34上面等にはみ出させることなく、ゲート電極補助溝部57aに収容して、ゲート電極溝部56aに供給することができる。ソース配線補助溝部47a,48a及びドレイン電極補助部62についても、ゲート電極補助溝部57aと同様の作用効果を奏する。
(バンク構造体及びパターンの形成方法)
図5(a)〜(d)、図6(a)〜(c)は、バンク構造体及びパターンの形成方法を工程順に示した断面図である。なお、図5(a)〜(d)は、図3に示すバンク構造体のA−A‘線に沿った断面部分、即ち、ゲート電極溝部、ゲート配線溝部及びパターンの形成方法の工程を示した図である。図3に示すその他のバンク構造体を構成するソース電極溝部、ソース配線溝部、ドレイン電極溝部等の形成工程については、ゲート電極形成工程と同様であるため、本実施形態においては省略して説明している。
(バンク材塗布工程)
まず、図5(a)に示すように、スピンコート法により、基板48の全面にバンク材を塗布する。基板48としては、ガラス、石英ガラス、Siウエハ、プラスチックフィルム、金属板等の各種材料を使用することができる。また、バンク材は、感光性のポリシラザン、アクリル樹脂やポリイミド等からなる絶縁材料を用いることができる。これにより、バング材がレジストの機能を兼ね備えるため、レジスト塗布工程を省略することができる。
なお、この基板48の基板表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜、有機膜等の下地層を形成することも好ましい。また、上記バンク材の塗布方法として、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等の各種方法を適用することが可能である。
次に、図5(b)、図6(a)に示すように、フォトリソグラフィー処理により、ゲート配線溝部55a、ゲート電極溝部56a及びゲート電極補助溝部57aを形成する。なお、以下のフォトリソグラフィー処理において現像処理に用いられている光化学反応としては、ポジ型のレジストを前提にしている。
具体的には、まず、露光装置により、フォトマスクを用いて、所定のマスクパターンをバンク34に転写する。ここで、フォトマスクには、以下のようなパターンが開口されたマスクを用いている。ゲート配線溝部55aに対応する領域においては、ゲート配線溝部55aの幅H1が、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と等しくなるか、あるいは、大きくなるように開口されたマスクを用いている。また、ゲート電極溝部56aに対応する領域においては、ゲート電極溝部aの幅H2が液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径よりも狭くなるように開口されたマスクを用いている。さらに、ゲート電極補助溝部57aに対応する領域においては、ゲート電極補助溝部57aの形状が、平面視正円形状であり、この正円形状の幅が、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と略等しくなるか、あるいは大きくなるように開口されたマスクを用いている。
続けて、マスクパターンを転写(露光処理)したバンク34を現像処理する。本実施形態においては、ポジ型レジスト(バンク34)を使用しているため、露光光が照射された領域のバンク34が溶解する。これにより、図6(a)に示すように、バンク34に、ゲート配線溝部55a、ゲート電極溝部56a及びゲート電極補助溝部57aが形成される。
(撥液化処理工程)
次に、基板48の全面に塗布したバンク材の表面を、CF4、SF5、CHF3等のフッ素含有ガスを処理ガスとしたプラズマ処理する。このプラズマ処理によりバンク材の表面を撥液性にする。撥液化処理法としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CF4 プラズマ処理法)を採用することができる。
CF4 プラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが50〜1000W、4フッ化メタンガス流量が50〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基体搬送速度が0.5〜1020mm/sec、基体温度が70〜90℃とされる。
なお、上記処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。
(残渣処理工程)
次に、ゲート配線溝部55a、ゲート電極溝部56aが形成されたバンク形成時のレジスト(有機物)残渣を除去するために、基板48に対して残渣処理を施す。残渣処理の方法としては、現像液、酸等による各種方法を採用することができる。
(機能液配置工程)
次に、図5(c)、図6(b)に示すように、液滴吐出装置IJにより、ゲート配線溝部55a及びゲート電極溝部56aに配線パターン形成材料である機能液Lを吐出する。
なお、本実施形態において、ゲート電極溝部56aは微細配線パターンであるため、液滴吐出装置IJでは機能液Lを直接吐出することは困難である。従って、ゲート電極溝部56aへの機能液Lの吐出は、上述したように、ゲート配線溝部55aに配置した機能液Lを毛細管現象によってゲート電極溝部56aに流入させる方法により行う。
具体的には、まず、図5(c)、図6(b)に示すように、ゲート配線溝部55aに機能液Lを吐出する。ここで、吐出する機能液Lの一部は、ゲート配線溝部55aとゲート電極溝部56aとの接続部、詳細には、ゲート電極溝部56aの幅H2の中心をY軸方向に通過する軸と、ゲート配線溝部55aの幅H1の中点をX軸方向に通過する軸と、が交差する領域に吐出する。即ち、吐出された機能液Lが、毛細管現象により、最短距離でゲート電極溝部56aに流入する領域に機能液Lを吐出する。続けて、同様にして、液滴吐出装置IJにより、ゲート電極補助溝部57aの領域S1に機能液Lを吐出する。
液滴吐出装置IJによってゲート配線溝部55aに配置された機能液Lは、図5(c)、図6(b)に示すように、ゲート配線溝部55a内部において濡れ広がる。同様に、ゲート電極補助溝部57aに配置された機能液Lは、図5(c)、図6(b)に示すように、ゲート電極補助溝部57a内部において濡れ広がる。
そして、ゲート配線溝部55a及びゲート電極補助溝部57aに濡れ広がると同時に、機能液Lは、図6(c)に示すように、毛細管現象により、ゲート電極溝部56aに流入する。従って、ゲート電極溝部56aの両端から機能液Lを供給することができる。このような工程により、ゲート電極56が形成される。同様に、ゲート配線溝部55aに機能液Lが濡れ広がることにより、ゲート配線55が形成される。なお、本実施形態においては、ゲート電極補助溝部57aに配置された機能液Lによって形成されたパターン(以下、ゲート電極補助部57と称する(第2凹部))は、ゲート電極56として機能し、ゲート電極56の一部を構成している。
(中間乾燥工程)
次に、ゲート配線溝部55a,ゲート電極溝部56aに機能液Lを配置してゲート配線55,ゲート電極56を形成した後、必要に応じて乾燥処理を行う。中間乾燥工程後、所望の膜厚にするために、機能液配置工程を繰り返しても良い。乾燥処理は、例えば、基板48を加熱する通常のホットプレート、電気炉、ランプアニールその他の各種方法により行うことが可能である。ここで、ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArCl等のエキシマレーザー等を光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W以上1000W以下の範囲で十分である。
(焼成工程)
機能液Lの吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング材がコーティングされている場合には、このコーティング材も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、水素、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。
例えば、有機物からなるコーティング材を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上100℃以下で行うことが好ましい。
以上の工程により吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、所定の厚みの導電性膜に変換されることで、図5(d)に示すように、連続した膜としての導電性パターン、即ちゲート電極56、ゲート配線55を形成することができる。
本実施形態のバンク構造体の形成方法によれば、機能液Lを配置する領域(ゲート電極補助溝部57a)の形状は、吐出される機能液Lの飛翔径の形状と等しくなる。従って、吐出された機能液Lを、ゲート電極補助溝部57aに収容して、バンク34上面等にはみ出させることなく、ゲート電極溝部56aに供給することができる。
<画素の構造>
次に、上述した本実施形態のバンク構造を利用して形成した画素及び画素の形成方法について図7〜図9を参照して説明する。
図7は、本実施形態の1画素40の構造を示した平面図である。
図7に示すように、画素40は、基板48上に、X軸方向に延在するゲート配線55(第3パターン)と、ゲート配線55からY軸方向に延出して形成されるゲート電極56(第1パターン)とを備えている。また、画素40は、ゲート配線55に交差してY軸方向に形成されるソース配線42(第1パターン)と、ソース配線42からX軸方向に延出して形成されるソース電極43(第3パターン)とを備え、さらに、ソース電極43に対向して形成されるドレイン電極44(第1パターン)と、ドレイン電極44に接続される画素電極45とを備えている。
ゲート電極56は、図7に示すように、先端部に平面視正円形状に形成されている。このゲート電極56の先端部は、上述した、機能液Lを吐出するためのゲート電極補助部57である。このように、本実施形態において、ゲート電極補助部57は、ゲート電極56に接続され、ゲート電極56として機能しており、ゲート電極56の一部を構成している。
同様に、ソース配線42は、図7に示すように、一部に平面視半円形状に延出する部分と、平面視円形状に延出する部分とが形成されている。これらの部分は、上述した、機能液Lを吐出するためのソース配線補助溝部47a,48aに形成されたパターン47,48(以下、ソース配線補助部47,48と称する(第2凹部))である。このように、本実施形態において、ソース配線補助部47,48は、ソース配線42に接続され、ソース配線42として機能しており、ソース配線42の一部を構成している。
さらに、同様に、ドレイン電極44は、図7に示すように、一部に平面視半円形状に延出する部分が形成されている。この部分は、上述した、機能液Lを吐出するためのドレイン電極補助溝部62aに形成されたパターン62(以下、ドレイン電極補助部62と称する(第2凹部))である。このように、本実施形態において、ドレイン電極補助部62は、ドレイン電極に接続され、ドレイン電極44として機能しており、ドレイン電極44の一部を構成している。
また、画素電極45は、コンタクトホール49を介して、ドレイン電極44と電気的に接続されている。
ここで、図7に示すように、ゲート電極56の幅は、ゲート配線55の幅よりも狭く形成されている。例えば、ゲート電極56の幅は10μmであり、ゲート配線55の幅は20μmである。また、ソース電極43の幅は、ソース配線42の幅よりも狭く形成されている。例えば、ソース電極43の幅は10μmであり、ソース配線42の幅は20μmである。このように形成することにより、機能液Lを直接吐出することができない微細パターン(ゲート電極56,ソース電極43)であっても、毛細管現象を利用することにより、機能液Lを微細パターンに流入させることができる。
また、図7及び後述する図8に示すように、ゲート電極56とソース電極43及びドレイン電極44との間にはアモルファスシリコン膜46(半導体層)が形成されている。本実施形態においては、ソース電極43とアモルファスシリコン膜46とが平面的に重畳する面積と、ドレイン電極44とアモルファスシリコン膜46とが平面的に重畳する面積とが略等しくなっている。これにより、電気的特性に優れたTFT30を実現することができる。
このように、ゲート電極補助部57、ソース配線補助部48及びドレイン電極補助部62は、機能液Lの飛翔径よりと略等しい幅を有する円形状である。そのため、機能液Lを吐出する領域を最小面積とすることができ、機能液Lのコスト低減を図ることができる。
さらに、ゲート電極補助部57においては、隣接して形成される画素電極45の開口率を低下を最小限に抑えることができる。
<画素の形成方法>
図8(a)〜(e)は、図7に示すA−A‘線に沿った画素の形成工程を示した断面図である。
本実施形態においては、上述したバンク構造体及びパターンの形成方法を利用して、ボトムゲート型のTFT30のゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等を有する画素を形成する。なお、以下の説明においては、上述した図5(a)〜(d)及び図6(a)〜(c)に示すパターン形成工程と同様の工程を経るため、かかる工程についての説明は省略する。また、上記実施形態に示す構成要素と共通の構成要素については同一の符号を付す。
図8(a)に示すように、図5(a)〜(d)に示す工程により形成された配線パターンを含むバンク平坦面上に、プラズマCVD法等により、ゲート絶縁膜39を成膜する。
ここで、ゲート絶縁膜39は窒化シリコンからなる。次に、ゲート絶縁膜39上にアモルファスシリコン膜を成膜する。続けて、フォトリソグラフィー処理及びエッチング処理により、図8(a)に示すように、所定形状にパターニングしてアモルファスシリコン膜46を形成する。
次に、アモルファスシリコン膜46上にコンタクト層47(n+シリコン膜)を成膜する。続けて、フォトリソグラフィー処理及びエッチング処理により、図8(a)に示すように所定形状にパターニングする。
次に、図8(b)に示すように、スピンコート法等により、コンタクト層47上を含む全面にバンク材34bを塗布する。ここで、バンク材34bを構成する材料としては、形成後に光透過性と撥液性を備える必要があるため、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂、メラミン樹脂などの高分子材料が好適に用いられる。そして、このバンク材34bに撥液性を持たせるためにCF4プラズマ処理等(フッ素成分を有するガスを用いたプラズマ処理)を施す。また、このような処理の代わりに、バンクの素材自体に予め撥液成分(フッ素基等)を充填しておくことも好ましい。この場合には、CF4プラズマ処理等を省略することができる。以上のようにして撥液化されたバンク材34bの機能液Lに対する接触角としては、40度以上を確保することが好ましい。
次に、1画素ピッチの1/20〜1/10となるソース・ドレイン電極用バンク34bを形成する。具体的には、まず、フォトリソグラフィー処理により、ゲート絶縁膜39の上面に塗布したバンク材34bのソース電極43に対応する位置にソース電極溝部43aを形成し、同様にドレイン電極44に対応する位置にドレイン電極溝部44aを形成する。
次に、ソース・ドレイン電極用バンク34bに形成したソース電極溝部43a及びドレイン電極溝部44aに機能液Lを配置して、ソース電極43及びドレイン電極44を形成する。具体的には、まず、液滴吐出装置IJによって、ソース配線用溝部に機能液Lを配置する(図示省略)。ソース電極溝部43aの幅は、ソース配線用溝部の幅よりも狭く形成されている。そのため、ソース配線用溝部に配置した機能液Lは、毛細管現象によりソース電極溝部43aに流入する。これにより、図8(c)に示すように、ソース電極43が形成される。同様の方法により、ドレイン電極44が形成される。
次に、図8(c)に示すように、ソース電極43及びドレイン電極44を形成した後、ソース・ドレイン電極用バンク34bを除去する。そして、コンタクト層47上に残ったソース電極43及びドレイン電極44の各々をマスクとして、ソース電極43及びドレイン電極44間に形成されているコンタクト層47のN+型シリコン膜をエッチングする。
このエッチング処理により、ソース電極43及びドレイン電極44間に形成されているコンタクト層47のN+シリコン膜が除去され、N+シリコン膜の下層に形成されるアモルファスシリコン膜46の一部が露出する。このようにして、ソース電極43の下層には、N+シリコンからなるソース領域32が形成され、ドレイン電極44の下層には、N+シリコンからなるドレイン領域33が形成される。そして、これらのソース領域32及びドレイン領域33の下層には、アモルファスシリコンからなるチャネル領域(アモルファスシリコン膜46)が形成される。
以上説明した工程により、ボトムゲート型のTFT30を形成する。
次に、図8(d)に示すように、ソース電極43、ドレイン電極44、ソース領域32、ドレイン領域33、及び露出したシリコン層上に、蒸着法、スパッタ法等によりパッシベーション膜38(保護膜)を成膜する。続けて、フォトリソグラフィー処理及びエッチング処理により、後述する画素電極45が形成されるゲート絶縁膜39上のパッシベーション膜38を除去する。同時に、画素電極45とソース電極43とを電気的に接続するために、ドレイン電極44上のパッシベーション膜38にコンタクトホール49を形成する。
次に、図8(e)に示すように、画素電極45が形成されるゲート絶縁膜39を含む領域に、バンク材を塗布する。ここで、バンク材は、上述したように、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の材料を含有している。続けて、このバンク材(画素電極バンク用34c)上面にプラズマ処理等により撥液処理を施す。次に、フォトリソグラフィー処理により、画素電極45が形成される領域に画素電極用溝部を形成し、画素電極バンク用34cを形成する。
次に、インクジェット法により、上記画素電極バンク用34cに区画された領域にITO(Indium Tin Oxide)からなる画素電極45を形成する。また、画素電極45を上述したコンタクトホール49に充填させることによって、画素電極45とドレイン電極44との電気的接続が確保される。なお、本実施形態においては、画素電極バンク用34cの上面に撥液処理を施す。そのため、画素電極45を画素電極用溝部からはみ出すことなく形成することができる。
[第2の実施の形態]
以下に、本実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態においては、TFT30を構成するドレイン電極44に対応するドレイン電極溝部44aの構造について説明する。
上記第1実施形態においては、ドレイン電極に対応するドレイン電極溝部44aを平面視矩形状に形成していた。これに対して、本実施形態においては、ドレイン電極溝部44aの形状を平面視L字状に形成している点において異なる。その他の基本構成は第1の実施形態と同様であり、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9(a)、(b)は、本実施形態のドレイン電極44に対応するドレイン電極溝部44aの構造を示した平面図である。ここで、ドレイン電極溝部44aの内側とは、L字状のドレイン電極溝部44aの長辺が交差する鋭角側であり、外側とは、内側とは反対側の領域である。
図9(a)に示すように、ドレイン電極補助溝部62aは、L字状に形成されるドレイン電極溝部44aの屈曲部の内側に、平面視円形状に形成されている。詳細には、ドレイン電極補助溝部62aは、ドレイン電極溝部44aの一部に重畳して形成され、ドレイン電極溝部44aの屈曲部から平面視扇形状に延出した状態となっている。このように、ドレイン電極補助溝部62aは、ドレイン電極溝部44aに接続され、ドレイン電極44の一部を構成している。また、ドレイン電極補助溝部62aの幅は、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と略等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。
即ち、本実施形態において、ドレイン電極補助溝部62aは、機能液Lを吐出するための領域S4となり、機能液Lがバンク34上面からはみ出さないような構造となっている。
また、ドレイン電極溝部44aに形成するドレイン電極補助溝部62aを図9(a)に示す位置と異なる位置に形成することも好ましい。具体的には、L字状に形成されるドレイン電極溝部44aの両先端部の内側に、平面視円形状に形成されている。詳細には、ドレイン電極補助溝部62aは、ドレイン電極溝部44aの一部に重畳して形成され、ドレイン電極溝部44aから内側方向に半円形状に延出した状態となっている。このように、ドレイン電極補助溝部62aは、ドレイン電極溝部44aに接続され、ドレイン電極44の一部を構成している。また、ドレイン電極補助溝部62aの幅は、液滴吐出装置IJから吐出される機能液Lの飛翔径と略等しいか、あるいは大きくなるように形成されている。即ち、本実施形態において、ドレイン電極補助溝部62aは、機能液Lを吐出するための領域S4となり、機能液Lがバンク34上面からはみ出さないような構造となっている。
このように、ドレイン電極44がL字状に形成され、ドレイン電極44の幅が、吐出される機能液Lの飛翔径よりも小さい場合であっても、ドレイン電極補助溝部62aを設けることにより、バンク34上面に機能液Lの残渣を残すことなく、所望の形状のドレイン電極44を形成することができる。
<電気光学装置>
次に、上記バンク構造を有するパターン形成方法により形成した画素を備える本発明の電気光学装置の一例である液晶表示装置について説明する。
図10は、本発明にかかる液晶表示装置について、各構成要素とともに示す対向基板側から見た平面図である。図11は図10のH−H’線に沿う断面図である。図12は、液晶表示装置の画像表示領域においてマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図で、なお、以下の説明に用いた各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
図11及び図12において、本実施の形態の液晶表示装置(電気光学装置)100は、対をなすTFTアレイ基板10と対向基板20とが光硬化性の封止材であるシール材52によって貼り合わされ、このシール材52によって区画された領域内に液晶50が封入、保持されている。シール材52は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成されてなり、液晶注入口を備えず、封止材にて封止された痕跡がない構成となっている。
シール材52の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる周辺見切り53が形成されている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路201及び実装端子202がTFTアレイ基板10の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路204が形成されている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路204の間を接続するための複数の配線205が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通材206が配設されている。
なお、データ線駆動回路201及び走査線駆動回路204をTFTアレイ基板10の上に形成する代わりに、例えば、駆動用LSIが実装されたTAB(Tape Automated Bonding)基板とTFTアレイ基板10の周辺部に形成された端子群とを異方性導電膜を介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。なお、液晶表示装置100においては、使用する液晶50の種類、すなわち、TN(Twisted Nematic)モード、C−TN法、VA方式、IPS方式モード等の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、位相差板、偏光板等が所定の向きに配置されるが、ここでは図示を省略する。
また、液晶表示装置100をカラー表示用として構成する場合には、対向基板20において、TFTアレイ基板10の後述する各画素電極に対向する領域に、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタをその保護膜とともに形成する。
このような構造を有する液晶表示装置100の画像表示領域においては、図12に示すように、複数の画素100aがマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素100aの各々には、画素スイッチング用のTFT(スイッチング素子)30が形成されており、画素信号S1、S2、…、Snを供給するデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画素信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループごとに供給するようにしてもよい。また、TFT30のゲートには走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmをこの順に線順次で印加するように構成されている。
画素電極19は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線6aから供給される画素信号S1、S2、…、Snを各画素に所定のタイミングで書き込む。このようにして画素電極19を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画素信号S1、S2、…、Snは、図12に示す対向基板20の対向電極121との間で一定期間保持される。なお、保持された画素信号S1、S2、…、Snがリークするのを防ぐために、画素電極19と対向電極121との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量60が付加されている。例えば、画素電極19の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積容量60により保持される。これにより、電荷の保持特性は改善され、コントラスト比の高い液晶表示装置100を実現することができる。
次に、上記電気光学装置(液晶表示装置100)とは別の実施形態について説明する。
図13は、上記バンク構造及びパターン形成方法により形成した画素を備える有機EL装置の側断面図である。以下、図13を参照しながら、有機EL装置の概略構成を説明する。
図13において、有機EL装置401は、基板411、回路素子部421、画素電極431、バンク部441、発光素子451、陰極461(対向電極)、及び封止基板471から構成された有機EL素子402に、フレキシブル基板(図示略)の配線及び駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部421は、アクティブ素子であるTFT60が基板411上に形成され、複数の画素電極431が回路素子部421上に整列して構成されたものである。そして、TFT60を構成するゲート配線61が、上述した実施形態の配線パターンの形成方法により形成されている。
各画素電極431間にはバンク部441が格子状に形成されており、バンク部441により生じた凹部開口444に、発光素子451が形成されている。なお、発光素子451は、赤色の発光をなす素子と緑色の発光をなす素子と青色の発光をなす素子とからなっており、これによって有機EL装置401は、フルカラー表示を実現するものとなっている。陰極461は、バンク部441及び発光素子451の上部全面に形成され、陰極461の上には封止用基板471が積層されている。
有機EL素子を含む有機EL装置401の製造プロセスは、バンク部441を形成するバンク部形成工程と、発光素子451を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子451を形成する発光素子形成工程と、陰極461を形成する対向電極形成工程と、封止用基板471を陰極461上に積層して封止する封止工程とを備えている。
発光素子形成工程は、凹部開口444、すなわち画素電極431上に正孔注入層452及び発光層453を形成することにより発光素子451を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入層形成工程は、正孔注入層452を形成するための液状体材料を各画素電極431上に吐出する第1吐出工程と、吐出された液状体材料を乾燥させて正孔注入層452を形成する第1乾燥工程とを有している。また、発光層形成工程は、発光層453を形成するための液状体材料を正孔注入層452の上に吐出する第2吐出工程と、吐出された液状体材料を乾燥させて発光層453を形成する第2乾燥工程とを有している。なお、発光層453は、前述したように赤、緑、青の3色に対応する材料によって3種類のものが形成されるようになっており、したがって前記の第2吐出工程は、3種類の材料をそれぞれに吐出するために3つの工程からなっている。
この発光素子形成工程において、正孔注入層形成工程における第1吐出工程と、発光層形成工程における第2吐出工程とで前記の液滴吐出装置IJを用いることができる。
また、本発明にかかるデバイス(電気光学装置)としては、上記の他に、PDP(プラズマディスプレイパネル)や、基板上に形成された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用する表面伝導型電子放出素子等にも適用可能である。
<電子機器>
次に、本発明の電子機器の具体例について説明する。
図14は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図14において、600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の液晶表示装置を備えた液晶表示部を示している。
図14に示す電子機器は、上記実施形態のバンク構造を有するパターン形成方法により形成された液晶表示装置を備えたものであるので、高い品質や性能が得られる。
なお、本実施形態の電子機器は液晶装置を備えるものとしたが、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
次に、本発明のバンク構造を有するパターン形成方法によって形成されるパターンを、アンテナ回路に適用した例について説明する。
図15は、本実施形態例に係る非接触型カード媒体を示しており、非接触型カード媒体400は、カード基体402とカードカバー418から成る筐体内に、半導体集積回路チップ408とアンテナ回路412を内蔵し、図示されない外部の送受信機と電磁波又は静電容量結合の少なくとも一方により電力供給あるいはデータ授受の少なくとも一方を行うようになっている。
本実施形態では、上記アンテナ回路412が、本発明のパターン形成方法に基づいて形成されている。そのため、上記アンテナ回路412の微細化や細線化が図られ、高い品質や性能を得ることができる。
なお、上述した電子機器以外にも種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などの電子機器に適用することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、機能液を吐出するための吐出領域の形状を平面視円形に形成した。これに代えて、吐出領域の形状を外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に形成することも好ましい。具体的には、楕円形状、トラック形状等の種々の形状を採用することが可能である。
また、上記実施形態においては、フォトリソグラフィー処理及びエッチング処理により、バンクに所望の溝部(例えば、ゲート電極溝部等)を形成していた。これに代えて、レーザーを用いてバンクにパターニングすることにより、所望の溝部を形成することも好ましい。
図1は、本発明の液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。 図2は、ピエゾ方式による液状体の吐出原理を説明するための図である。 図3は、バンク構造を模式的に示す平面図である。 図4の(a)〜(c)は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の各々に対応するバンクの構造を模式的に示す平面図である。 図5の(a)〜(d)は、配線パターンの形成方法を示す断面図である。 図6の(a)〜(c)は、配線パターンの形成方法を示す断面図である。 図7は、表示領域である1画素を模式的に示す平面図である。 図8の(a)〜(e)は、1画素の形成工程を示す断面図である。 図9の(a)、(b)は、別の実施形態のドレイン電極に対応するバンク構造を模式的に示す平面図である。 図10は、液晶表示装置を対向基板の側から見た平面図である。 図11は、図10のH−H’線に沿う液晶表示装置の断面図である。 図12は、液晶表示装置の等価回路図である。 図13は、有機EL装置の部分拡大断面図である。 図14は、本発明の電子機器の具体例を示す図である。 図15は、非接触型カード媒体の分解斜視図である。
符号の説明
34 バンク(隔壁)、42 ソース配線(第1パターン)、42a ソース配線溝部(第1凹部)、43 ソース電極(第3パターン)、43a ソース電極溝部(第3パターン)、44 ドレイン電極(第1パターン)、44a ドレイン電極溝部(第1凹部)、46 アモルファスシリコン膜(半導体層)、47,48 ソース配線補助部(第2パターン)、47a,48a ソース配線補助溝部(第2凹部)、49 ドレイン電極補助部(第2パターン)、49a ドレイン電極補助溝部(第2凹部)、55 ゲート配線(第3パターン)、55a ゲート配線溝部(第3凹部)、56 ゲート電極(第1パターン)、56a ゲート電極溝部(第1凹部)、57 ゲート電極補助部(第2パターン)、57a ゲート電極補助溝部(第2凹部)、62 ドレイン電極補助部(第2パターン)、62a ドレイン電極補助溝部(第2凹部)、L 機能液

Claims (11)

  1. 液滴吐出法を用いて機能液を基板上に形成された隔壁構造体の凹部に吐出することによって複数のパターンを形成する配線パターンの形成方法であって、
    前記隔壁構造体が、その幅が前記機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部と、前記第1凹部の一部に接続して形成され、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状である第2凹部とを有し、
    該第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする配線パターンの形成方法。
  2. 液滴吐出法を用いて機能液を基板上に形成された隔壁構造体の凹部に吐出することによって複数のパターンを形成する配線パターンの形成方法であって、
    前記隔壁構造体が、その幅が前記機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部と、その一部が前記第1凹部に重畳して形成され、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状である第2凹部とを有し、
    該第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする配線パターンの形成方法。
  3. 液滴吐出法を用いて機能液を基板上に形成された隔壁構造体の凹部に吐出することによって複数のパターンを形成する配線パターンの形成方法であって、
    前記隔壁構造体が、その幅が前記機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部と、その一部が前記第1凹部の一部を構成するように形成され、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状である第2凹部とを有し、
    該第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする配線パターンの形成方法。
  4. 前記第2凹部が、平面視正円形状であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配線パターンの形成方法。
  5. 前記隔壁構造体に、前記第1凹部に接続され、かつその幅が前記機能液の飛翔径以上の第3凹部が形成され、
    該第3凹部に前記機能液を配置する工程と、
    該機能液により前記第3凹部に前記第1パターンに接続される第3パターンを形成することを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線パターンの形成方法。
  6. 前記隔壁構造体に、前記第2凹部に接続する第3凹部が形成され、
    前記第2凹部に配置された前記機能液の毛管現象により前記第3凹部に前記第2パターンに接続される第3パターンを形成する工程を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線パターンの形成方法。
  7. 基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスの製造方法であって、
    前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、
    該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さい第1凹部を形成する工程と、
    前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられた第2凹部を前記第1凹部と接続して形成する工程と、
    前記第2凹部内に前記機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記第2凹部に第2パターンを形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記第1凹部に前記第2パターンに接続される第1パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
  8. 基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスの製造方法であって、
    前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、
    該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さいドレイン電極溝部を形成する工程と、
    前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられたドレイン電極補助溝部を前記ドレイン電極溝部と接続して形成する工程と、
    前記ドレイン電極補助溝部に機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記ドレイン電極補助溝部にドレイン電極補助部を形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記ドレイン電極溝部に前記ドレイン電極補助部に接続されるドレイン電極を形成する工程と、を備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
  9. 基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスの製造方法であって、
    前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、
    該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さいゲート電極溝部を形成する工程と、
    前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられたゲート電極補助溝部を前記ゲート電極溝部と接続して形成する工程と、
    前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上のゲート配線溝部を前記ゲート電極溝部と接続して形成する工程と、
    前記ゲート電極補助溝部に機能液を配置する工程と、
    前記ゲート配線溝部に機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記ゲート電極補助溝部にゲート電極補助部を形成し、前記機能液により前記ゲート配線溝部にゲート電極配線を形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記ゲート電極溝部に前記ゲート電極補助部及び前記ゲート電極配線に接続されるゲート電極を形成する工程と、を備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
  10. 基板上に設けられた半導体層と、前記半導体層に接続されるソース電極及びドレイン電極と、絶縁層を介して前記半導体層に対向して設けられたゲート電極と、を備えるデバイスであって、
    前記基板上に隔壁材を塗布する工程と、
    該隔壁材に、その幅が液滴吐出法を用いて吐出される機能液の飛翔径よりも小さいソース電極溝部を形成する工程と、
    前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上であり、かつ、外周の少なくとも一部に円弧を有する形状に設けられたソース電極補助溝部を前記ソース電極溝部と接続して形成する工程と、
    前記隔壁材に、その幅が前記機能液の飛翔径以上のソース配線溝部を前記ソース電極溝部と接続して形成する工程と、
    前記ソース電極補助溝部に機能液を配置する工程と、
    前記ソース配線溝部に機能液を配置する工程と、
    前記機能液により前記ソース電極補助溝部にソース電極補助部を形成し、前記機能液により前記ソース配線溝部にソース電極配線を形成すると共に、前記機能液の毛管現象により前記ソース電極溝部に前記ソース電極補助部及び前記ソース電極配線に接続されるソース電極を形成する工程と、を備えることを特徴とするデバイスの製造方法。
  11. 前記ソース電極と前記半導体層とが平面的に重畳する面積と、前記ドレイン電極と前記半導体層とが平面的に重畳する面積とが略等しいことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のデバイスの製造方法。
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