JP4042477B2 - 車両用運転操作補助装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置として、特開2000−54860号公報に開示されたものが知られている。この車両用運転操作補助装置は、自動走行制御中にレーザレーダ等で検出した先行車と自車両との車間距離に基づき、アクセルペダルの操作反力を変更するものである。例えば、検出された車間距離が所定値よりも小さくなった場合に、アクセルペダル反力が重くなるよう設定してドライバに警報を与えたり、自動走行制御中にドライバがアクセルペダルに足をおけるようにアクセルペダル反力を重く設定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような車両用運転操作補助装置は、自車両の先行車への接近度合が大きい場合に警報を与えるものであり、将来の走行状況の変化によって予測されるリスクを運転者に認識させることはできなかった。
【0004】
本発明は、将来の走行状況の変化に伴うリスクを精度よく予測することができる車両用運転操作補助装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による車両用運転操作補助装置は、車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、状況認識手段の検出結果に基づいて、自車両の先行車両までの現在の接近度合と将来予測される周囲環境変化による自車両への影響度合とを算出し、これらに基づいて将来の走行状況を予測する将来状況予測手段とを有し、状況認識手段は、自車両および先行車両の車速と車間距離とを含む車両状態および車両周囲の走行環境を検出し、将来状況予測手段は、状況認識手段によって検出された車速と車間距離とから、先行車両への接近度合と、周囲環境の変化による影響度合とを演算する。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、車両状態および車両周囲の走行環境を認識し、自車両の先行車両までの現在の接近度合と将来予測される周囲環境変化による自車両への影響度合とを算出し、これらに基づいて将来の走行状況を予測するので、将来のリスクポテンシャルを精度よく推定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
図1は、本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
【0008】
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。状況認識手段であるレーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、先行車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、先行車までの車間距離と相対速度を検出する。検出した車間距離及び相対速度はコントローラ50へ出力される。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg 程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。状況認識手段である車速センサ20は、自車両の走行車速を車輪の回転数などから検出し、コントローラ50へと出力する。
【0009】
コントローラ50は、車速センサ20からの自車速と、レーザレーダ10からの車間距離、相対速度入力から、自車前方に走行する先行車両までの接近度合を算出し、現在の自車の走行状況を推定する。さらにその走行状況が将来どのように変化するかを推定して、アクセルペダル反力制御装置60へ反力指令値を出力する。
【0010】
アクセルペダル反力制御装置60は、例えば図3に示すようにアクセルペダル80のリンク機構に組み込まれている。アクセルペダル反力制御装置60は、ストロークセンサ71で検出されたアクセルペダル80の操作量に応じて、アクセルペダル反力を制御するサーボモータ70で発生させるトルクを制御する。サーボモータ70ではアクセルペダル反力制御装置60の指令値に応じて、発生させるトルクを制御してドライバがアクセルペダル80を操作する際に発生する反力を任意に制御することができる。
【0011】
次に第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の作用を説明する。概略の作用としては、以下の通りである。
【0012】
コントローラ50は、先行車両までの車間距離や相対速度、および自車両の走行車速といった走行状況を認識し、走行状況に基づいて先行車までの現在の接近度合(第1のリスク度)と、今後予測される先行車両の動向による自車両への影響度合(第2のリスク度)とをそれぞれ算出する。さらに、コントローラ50は、算出された接近度合と予測影響度合とから将来の走行状況(リスクポテンシャルRP)を予測し、リスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル反力指令値ΔFを算出し、アクセルペダル反力制御装置60へ指令値ΔFを出力する。アクセルペダル反力制御装置60は、指令値ΔFに応じてサーボモータ70を制御することにより、アクセルペダル80のストローク−反力特性を変更する。
【0013】
例えば、図4に示すようなストロークS−ペダル反力F特性において、通常状態、つまり車両用運転操作補助装置1によるアクセルペダル反力制御を行わない場合の反力特性は、アクセルペダル80を踏み込むときと解放するときにヒステリシスを有する網掛け部分で示される。この通常状態の反力特性に対し、ペダル反力Fをアクセルペダル反力指令値ΔF分だけ大きく発生させる。これにより、アクセルペダル80の反力Fは、ストローク位置によらずリスクポテンシャルRPに応じたものとなり、現在および今後予測される走行状況をアクセルペダル反力Fを介してドライバに認識させることができる。
【0014】
以下に、このようなアクセルペダル反力制御を行う場合に、どのようにアクセルペダル反力指令値を決定するかについて、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、図5は、コントローラ50におけるアクセルペダル反力制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50msec)ごとに連続的に行われる。
【0015】
−コントローラ50の処理フロー(図5)−
まず、ステップS110でレーザレーダ10および車速センサ20によって検出された自車速Vf、先行車までの車間距離D、相対速度Vrおよび先行車速Vaといった走行状態を読み込む。
【0016】
ステップS120で、読み込まれた走行状態に基づいて、現在の先行車までの接近度合と、今後の周囲環境変化による自車両への予測影響度合とを算出する。ここでは、先行車までの接近度合として余裕時間TTCを、予測影響度合として車間時間THWを算出する。以下、余裕時間TTCおよび車間時間THWの算出について説明する。
【0017】
余裕時間TTCは、先行車に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量である。余裕時間TTCは、現在の走行状況が継続した場合、つまり自車速Vf、先行車速Vaおよび相対車速Vrが一定の場合に、何秒後に、車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車両とが接触するかを示す値であり、以下の(式1)により求められる。
【数1】
余裕時間TTC=D/Vr (式1)
【0018】
余裕時間TTCの値が小さいほど、先行車への接触が緊迫し、先行車への接近度合が大きいことを意味している。例えば先行車への接近時には、余裕時間TTCが4秒以下となる前に、ほとんどのドライバが減速行動を開始することが知られている。このように、余裕時間TTCはドライバの運転行動に大きな影響を与えるものであるが、ドライバが感じる先行車との接触へのリスクを余裕時間TTCのみで表すことは困難である。
【0019】
例えば、自車両が先行車に追従して走行している場合、先行車との相対車速Vrは0であり、余裕時間TTCは無限大となる。しかし、車間距離Dが長い場合と短い場合では、ドライバの感じるリスクは異なり、ドライバは車間距離Dが短い場合により大きなリスクを感じる。これはドライバが、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響量を予測し、その影響が大きいと認識している場合には、より大きなリスクを感じているためであると考えられる。
【0020】
また、(式1)より算出した余裕時間TTCは、相対速度Vrを一定と仮定したが、実際にはΔt秒後の相対速度Vrは変化している可能性がある。例えば、Δt秒後の先行車速Vaを正確には予測することはできず、図6に示すようにばらつきを持って予測される。ここで、Δt秒後の先行車速V2が現在の先行車速V1よりも遅くなったとすると、これに伴って相対車速Vrが変化し、Δt秒後の余裕時間TTCは相対車速Vrが一定の場合に比べて小さい値となり、ドライバが感じるリスクも高くなる。しかし、これを現在の相対車速Vrに基づいて算出した余裕時間TTCから判断することは難しい。
【0021】
そこで、第1の実施の形態においては、余裕時間TTCとは別に、自車両が先行車に追従走行している場合に、想定される将来の先行車の車速変化による余裕時間TTCへの影響度合、つまり相対車速Vrが変化すると仮定したときの影響度合を算出する。余裕時間TTCへの予測影響度合を示す物理量として、以下の(式2)、(式3)のいずれかで表される車間時間THWを用いる。
【数2】
車間時間THW=D/Va (式2)
【数3】
車間時間THW=D/Vf (式3)
【0022】
車間時間THWは、車間距離Dを先行車速Vaあるいは自車速Vfで除したものであり、先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間を示す。この車間時間THWが大きいほど、周囲環境変化に対する予測影響度合が小さくなる。つまり、車間時間THWが大きい場合には、もしも将来に先行車の車速が変化しても、先行車までの接近度合には大きな影響を与えず、余裕時間TTCはあまり大きく変化しないことを示す。
【0023】
なお、車間時間THWは将来の先行車の車速変化による影響度合を表す値であるので、先行車速Vaを用いた(式2)の方が、自車速Vfを用いた(式3)に比べて、よりドライバの感じるリスクに合致している。ただし、先行車速Vaは、自車速Vfと相対車速Vrとから算出されるため、車速センサ20によって精度よく検出される自車速Vfを用いた(式2)の方が車間時間THWを正確に算出できる。なお、自車両が先行車に追従している場合は、自車速Vf=先行車速Vaであるため、(式2)=(式3)となる。
【0024】
以上、ステップS120において、余裕時間TTCおよび車間時間THWを算出した。つづくステップS130では、ステップS120で算出した余裕時間TTCと車間時間THWとに基づいて、予測される将来状況(リスクポテンシャルRP)を算出する。リスクポテンシャルRPは、以下の(式4)によって表され、先行車に対する接近度合(1/TTC)と将来状況の予測影響度合(1/THW)とを足し合わせて、連続的に表現される物理量である。
【数4】
RP=a/THW+b/TTC (式4)
【0025】
なお、a、bは、接近度合および予測影響度合にそれぞれ適切な重み付けをするためのパラメータであり、a<bとなるように、適切に設定する。パラメータa、bの値は、例えば、車間時間THW、余裕時間TTCの統計から推定されるa=1,b=8程度に設定することが望ましい。
【0026】
なお、上述した(式1)〜(式3)からわかるように、余裕時間TTCは先行車と自車両の相対速度Vrが一定と仮定したときに、何秒後に先行車に接触するかというリスク度であり、車間時間THWは先行車と自車両の相対速度Vrが将来変化すると仮定したときに、自車両が何秒後に先行車が存在した位置に到達するかというリスク度である。余裕時間TTCおよび車間時間THWはそれぞれ現在の自車速Vf、先行車速Vaおよび相対車速Vrから算出されるが、これらを(式4)を用いて足し合わせることにより、将来予測されるリスクポテンシャルRPを推定することができる。
【0027】
リスクポテンシャルRPにより、先行車への追従走行中から先行車への接近中まで、連続的な状況変化に対応して、その状況における接近度合を表現することができる。つまり、リスクポテンシャルRPが大きいほど、ドライバは将来先行車に接近しすぎてしまうかもしれないというリスクを大きく感じていると判断できる。
【0028】
図7に、(式4)で算出されるリスクポテンシャルRPを、車間時間THW−余裕時間の逆数(1/TTC)平面内における、リスクポテンシャルRP値毎の等高線として示す。図7において、横軸は車間時間THW、縦軸は余裕時間TTCの逆数(1/TTC)であり、横軸を右へいくほど、自車両が先行車から離れて走行していることを示し、縦軸を上へ行くほど自車両が先行車に接近し、下へ行くほど先行車から離脱していることを示す。図7において、リスクポテンシャルRPの等高線はそれぞれ右上から左下へなめらかな曲線を描いており、それぞれの等高線の間で、リスクポテンシャルRPの値は連続的に変化している。なお、車間時間THWが小さく、余裕時間の逆数1/TTCが大きい図7の左上ほど、リスクポテンシャルRPの値が高くなっている。つまり、先行車に接近し、その接近度合が高いほど、リスクポテンシャルRPが高い値を示している。また、接近度合1/TTCが同じ値でも、車間時間THWが短くなるほどリスクポテンシャルRPの値は高くなる。
【0029】
ステップS140では、ステップS130で算出されたリスクポテンシャルRPの値に基づいて、以下の(式5)によりアクセルペダル反力指令値ΔFを算出する。
【数5】
ΔF=K・RP (式5)
ここで、Kは適切に定められた定数である。
【0030】
図7に示すように、あらゆる車間時間THWおよび接近度合1/TTCの走行状況において、リスクポテンシャルRPは連続的に示される。(式5)を用いてアクセルペダル反力指令値ΔFを算出し、リスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル反力を制御することにより、先行車への接近度合を連続的にドライバに認識させることが可能となる。
【0031】
つづくステップS150で、ステップS140で算出されたアクセルペダル反力指令値ΔFを、アクセルペダル反力制御装置60へと出力し、今回の処理を終了する。
【0032】
上述したステップS130においては、(式4)を用いて現在の接近度合(1/TTC)と予測影響度合(1/THW)にそれぞれ重み付けをして加算し、リスクポテンシャルRPの値を算出した。これにより、現在の接近度合あるいは予測影響度合が変化した場合でも、リスクポテンシャルRPは連続的に表され、リスクポテンシャルRPの値に応じて設定されるアクセルペダル反力を連続的に変化させることができる。運転者は連続的になめらかに変化するアクセルペダル反力によって走行状況の変化を正確に認識することができる。
【0033】
なお、リスクポテンシャルRPは、以下に示す(式6)によって算出してもよい。
【数6】
RP=max{a/THW、b/TTC} (式6)
【0034】
ここでは、(式6)に示すように、先行車に対する接近度合(TTCの逆数)と将来状況の予測影響度合(THWの逆数)のうち、大きい方の値を選択してリスクポテンシャルRP値とする。なお、a、bは接近度合および予測影響度合にそれぞれ重み付けをするためのパラメータであり、例えばa=1,b=8程度として、a<bとなるように適切に設定する。これにより、先行車への追従走行中から接近中まで連続的な状況変化に対応して、その状況における先行車への接近度合を表現することができる。
【0035】
図8に、(式6)で算出されるリスクポテンシャルRPを、車間時間THW−余裕時間の逆数(1/TTC)平面内における、リスクポテンシャルRP値毎の等高線として示す。図8において、図7と同様に横軸は車間時間THW、縦軸は余裕時間TTCの逆数(1/TTC)である。図7に示すように、上述した(式4)を用いてリスクポテンシャルRPを算出する場合、相対速度Vrがマイナスで、先行車が自車両よりも速く、離脱していくようなときには、車間時間THWが同じ値でもリスクポテンシャルRPが非常に小さくなってしまう。これに伴って、アクセルペダル反力指令値ΔFも非常に小さくなる。
【0036】
一方、(式6)で算出されるリスクポテンシャルRP値は、先行車への現在の接近度合(1/TTC)と、将来状況の予測影響度合(1/THW)のうちの大きい方を選択する。そのため、接近度合(1/TTC)がマイナス、すなわち相対車速Vrがマイナスとなったとしても、リスクポテンシャルRP値は、図8に示すように車間時間THWで決まる所定値以下になることはない。なお、車間時間THWは先行車の現在位置に自車両が到達するまでの時間であり、マイナスの値は示さない。これにより、(式6)を用いてリスクポテンシャルRPを算出した場合には、リスクポテンシャルRP値が変動してアクセルペダル反力が急変してしまうことを防止できる。
【0037】
以上説明したように、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置においては、先行車への現在の接近度合(余裕時間TTC)と将来予測される周囲環境変化による影響度合(車間時間THW)とを算出し、これらにそれぞれ所定の重みをつけてリスクポテンシャルRPを算出した。そして、リスクポテンシャルRPに比例した力をアクセルペダル反力に付加することにより、実際にドライバが感じるリスク度により近い値に基づいてアクセルペダルの反力を制御することが可能となる。先行車への現在の接近度合が大きい場合(余裕時間TTCが小さい場合)、あるいは将来予測される影響度合が大きい場合(車間時間THWが小さい場合)には、リスクポテンシャルRPは大きくなり、リスクポテンシャルRPに比例した大きなアクセルペダル反力が発生する。これにより、先行車までの接近度合が大きくリスクポテンシャルRPが大きいときには、アクセルペダル80を踏んでいるドライバは、アクセルペダル80を解放する方向へ導かれる。
【0038】
具体的には、アクセルペダル反力が増加することにより、ドライバはその増加分からリスクポテンシャルRPが増加していることを認識し、自らの判断でアクセルペダルを良好な状態へと操作(解放)することができる。また、アクセルペダル反力が増加することにより、アクセルペダルを踏んでいるドライバの足が自然に解放側へと戻され、ドライバがあまり気にしなくてもより良好な状態へと導かれる。さらに、アクセルペダル反力が増加することにより、現在アクセルペダルを踏んでいる状態からさらに踏み込む際に必要な踏力が大きくなるため、ドライバがアクセルペダルをさらに踏み込むことによって自車速が増加し、先行車との車間距離が減少することを抑制することができる。
【0039】
さらに、(式4)を用いて算出したリスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル反力指令値ΔFを決定する場合、リスクポテンシャルRPは図7に示すように連続的に変化する。これにより、先行車への接近度合1/TTCおよび車間時間THWに応じた走行状況を、アクセルペダル反力を介してドライバに連続的に伝達して認識させることができる。また、(式6)を用いてリスクポテンシャルRPを算出する場合、リスクポテンシャルRPは図8に示すように変化する。これにより、先行車が離脱し、接近度合1/TTCが非常に小さくなった場合でも、リスクポテンシャルRPは急変しないので、安定したアクセルペダル反力制御を行うことができる。
【0040】
また、余裕時間TTCおよび車間時間THWは、それぞれ比較的容易に計測可能な自車速Vf、先行車速Va、車間距離D等の物理量を用いて算出することができるので、車両用運転操作捕縄装置に搭載する部品点数の増加を抑制することができる。さらに、リスクポテンシャルRPを算出するためのパラメータa、bを設定する際に、余裕時間TTCのパラメータbを車間時間THWのパラメータaよりも大きく設定することにより、将来の周囲環境の変化による影響度合よりも現在の先行車への接近度合を重視してリスクポテンシャルを算出することができる。
【0041】
《第2の実施の形態》
図9は、本発明の第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の構成を示すシステム図であり、図10は、車両用運転操作補助装置2を搭載する車両の構成図である。なお、上述した第1の実施の形態と同様の機能を有するものには同一の符号を付し、ここでは第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0042】
まず、車両用運転操作補助装置2の構成を説明する。
第2の実施の形態においては、レーザレーダ10と車速センサ20に加えて、さらに状況認識手段として前方カメラ30および車外通信機40を備えている。前方カメラ30は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、もしくは、CMOSカメラ等であり、自車前方の自車線上道路をカバーする画角を有する。前方カメラ30によって得られた画像はコントローラ50へと送られる。車外通信機40は、インフラ受信機やGPS受信機等から構成され、車体に取り付けられたアンテナ41から得られる車外からの情報を受信し、コントローラ50へと出力する。
【0043】
コントローラ50は、レーザレーダ10および車速センサ20によって検出された自車速、車間距離および相対速度に基づいて、自車両の前方を走行する先行車までの接近度合を算出し、現在の自車両の走行状況を推定する。さらに、コントローラ50は、前方カメラ30から入力された前方画像にフィルタ処理や認識処理などの各種画像処理を行い、自車線上の先行車の状態を検出し、これと車外通信機40によって得られた通信情報とに基づいて、現在の自車両の走行状況が将来どのように変化するかを推定する。コントローラ50は自車両の現在および将来の走行状況に基づいてアクセルペダル反力指令値を算出し、アクセルペダル反力制御装置60へ出力する。
【0044】
次に車両用運転操作補助装置2の作用を説明する。概略の作用としては、以下の通りである。
【0045】
コントローラ50により、先行車両までの車間距離や相対速度、および自車両の走行車速といった走行状況を認識し、走行状況に基づいて先行車までの現在の接近度合を算出する。コントローラ50は、現在の接近度合に応じた所定の予測時間後の接近度合を将来状況(リスクポテンシャルRP)として推定する。さらに、コントローラ50は、リスクポテンシャルRPに基づいてアクセルペダル反力指令値ΔFを算出し、アクセルペダル反力制御装置60へ指令値ΔFを出力する。アクセルペダル反力制御装置60は、指令値ΔFに応じてサーボモータ70を制御することにより、アクセルペダル80のストローク−反力特性を変更する。
【0046】
例えば、上述した第1の実施の形態と同様に、図4に示すようなストロークS−ペダル反力F特性において、通常状態の反力特性に対し、ペダル反力Fをアクセルペダル反力指令値ΔFだけ大きく発生させる。これにより、ストローク位置によらずリスクポテンシャルRPに応じたアクセルペダル80の反力Fをドライバに認識させることができる。
【0047】
以下に、このようなアクセルペダル反力制御を行う場合に、どのようにアクセルペダル反力指令値ΔFを決定するかについて、図11のフローチャートを用いて説明する。なお、図11は、コントローラ50におけるアクセルペダル反力制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。本処理内容は、一定間隔(例えば50msec)ごとに連続的に行われる。
【0048】
−コントローラ50の処理フロー(図11)−
ステップS210で車速センサ20およびレーザレーダ10から自車速Vf、先行車までの車間距離D、相対速度Vr、および先行車速Va等の走行状態を読み込む。
【0049】
つづくステップS220で、余裕時間TTCを算出する。上述したように余裕時間TTCは、先行車に対する自車両の現在の接近度合を示す物理量であり、現在の走行状況(自車速Vf、先行車速Va)が継続した場合に、何秒後に車間距離Dがゼロとなり自車両と先行車両とが接触するかを示す値である。余裕時間TTCは上述した(式1)により求められる。なお、先行車速Vaが自車速Vfよりも速い場合に相対車速Vrはマイナスとなり、余裕時間TTCもマイナスとなる。
【0050】
ステップS230では、算出された余裕時間TTCに応じて、何秒先までの将来を予測するか、つまり予測時間τpを決定する。予測時間τpは、以下の(式7)に示すように、余裕時間TTCの逆数(1/TTC)に応じた関数で決定される。
【数7】
予測時間τp=f(1/TTC) (式7)
【0051】
(式7)の関数は、図12に示すように余裕時間の逆数(1/TTC)が大きくなるほど予測時間τpが小さくなるように設定されている。(式7)で設定される予測時間τpは、ドライバの感じるリスクに対応するものである。余裕時間TTCがマイナスか大きい場合、つまり先行車への接近度合(1/TTC)が小さい場合には、自車両は先行車両にそれほど接近しておらず、現在の状況は切迫していないことを示している。そこで、ドライバは将来まで予測して潜在的なリスクを考慮しようとするため、予測時間τpが長く設定する。一方、余裕時間TTCが小さい場合、つまり接近度合(1/TTC)が大きい場合には、自車両が先行車両に接近し、直近に顕在するリスクがあることを示している。このような状況ではドライバは直前の先行車に注意を集中する傾向にあり、潜在的な将来のリスクまで配慮する要因は小さいため、予測時間τpは短く設定する。
【0052】
つづくステップS240では、車外通信機40からの通信情報を読み込む。通信情報としては、主に以下にあげる2種類の情報があげられる。
1.車車間通信による先行車の走行状況(車速、加減速度など)
2.路車間通信による走行中の道路の混雑状況、路面状況等
ただし、車車間通信による通信情報は先行車が車車間通信機能を有する場合に限られる。
【0053】
ステップS250では、前方カメラ30からの前方道路状況を読み込む。読み込んだ前方画像に対して画像認識処理を行うことによって、自車線上の先行車両を特定するとともに、そのストップランプが点灯か否かを認識する。ここで認識された先行車のストップランプの点灯・非点灯は、次のステップS260で行われる先行車減速度の推定に利用される。
【0054】
ステップS260では、先行車の減速度XGaを推定する。ここで、先行車が車車間通信機能を有し、上述したステップS240で先行車の走行状況に関する情報を取得した場合は、車車間通信による先行車の減速度XGaを用いる。ただし、先行車が車車間通信機を搭載していない場合には、車車間通信による先行車の減速度情報を取得することができないため、以下に示す手順で先行車減速度XGaを推定する。
【0055】
まず、ステップS250で得られた前方カメラ30からの情報により、ストップランプが点灯か否かを判断する。ストップランプ点灯時には、不図示のタイマによって計測したストップランプ点灯からの経過時間とそれまでの先行車速Vaの変化に応じて、先行車減速度XGaを推定する。例えば、ストップランプ点灯からの経過時間が0.5秒未満の場合には、仮想的な先行車減速度として予め定めた所定値を、経過時間が0.5秒以上の場合には、先行車速Vaの変化率から算出した実際の先行車減速度を推定値として用いる。
【0056】
また、ステップS240で路車間通信により走行中の道路の混雑状況を認識できる場合には、混雑状況と過去の自車両の車速変動により、交通流の均質さを予測する。ここで、例えば車速変動が小さく、道路が比較的混雑している場合には、道路交通流の均質さが高いとする。そして、予測した交通流の均質さに応じて推定減速度を補正する。例えば、道路が混雑し、交通流の均質さが高いほど、大きな加減速は行わないとして、上述した前方カメラ30による推定減速度が小さくなるように補正する。なお、この推定減速度に対する補正量は、予め適切な値に設定しておく。
【0057】
つづくステップS270では、ステップS220で算出した現在の接近度合(余裕時間TTC)と、ステップS230で決定した予測時間τpと、ステップS260で推定した先行車減速度XGaとから、予測時間後の将来の接近度合(余裕時間TTC)を推定する。そこで、まず予測時間後の自車速、先行車速および車間距離をそれぞれ算出する。なお、以下に用いる自車両減速度XGfは自車速Vfに基づいて予め算出し、自車速減速度XGfおよび先行車減速度XGaは、予測時間τp後まで一定であるとする。
【数8】
予測時間後の自車速Vf(t0+τp)=Vf(t0)+XGf・τp(式8)
【数9】
予測時間後の先行車速Va(t0+τp)=Va(t0)+XGa・τp(式9)
【数10】
予測時間後の車間距離D(t0+τp)=D(t0)−Vr・τp+1/2・(XGa−XGf)・τp2 (式10)
【0058】
(式8)〜(式10)で算出された予測時間後の自車速、先行車速および車間距離から、以下の(式11)で予測時間τp後の余裕時間TTCを推定する。
【数11】
予測時間後の余裕時間TTC(t0+τp)=D(t0+τp)/{Vf(t0+τp)−Va(t0+τp)} (式11)
ここで、t0は現在時刻とする。
【0059】
ステップS280では、ステップS270で算出した予測時間τp後の余裕時間TTCより、予測される将来状況(リスクポテンシャルRP)を算出する。リスクポテンシャルRPは、以下の(式12)によって算出される。
【数12】
RP=b/TTC(t0+τp) (式12)
なお、bはパラメータである。
【0060】
ステップS290で、ステップS280で算出されたリスクポテンシャルRPに基づいて、上述した(式5)によりアクセルペダル反力指令値ΔFを算出する。つづくステップS300で、ステップS290で算出されたアクセルペダル反力指令値ΔFをアクセルペダル反力制御装置60へと出力し、今回の処理を終了する。
【0061】
以上述べたように、第2の実施の形態においては、自車速Vf、先行車速Va、相対速度Vrおよび車間距離Dから、現在の接近度合を示す余裕時間TTCを算出し、余裕時間TTCに応じて何秒後の将来を予測するかを示す予測時間τpを設定した。さらに、前方カメラ30や車外通信機40によって得られる情報から推定される先行車減速度XGaを用いて、将来の接近度合、つまり、予測時間τp後の余裕時間TTCの推定値を算出する。予測時間τp後の余裕時間TTCの逆数から算出されるリスクポテンシャルRPに応じて、アクセルペダル反力指令値ΔFを設定する。
【0062】
これにより、現在の先行車への接近度合だけでなく、実際にドライバが感じるリスクに合致した将来の接近度合を予測し、将来の走行状況であるリスクポテンシャルRPを予測することができるとともに、これらを考慮したアクセルペダル反力の制御を行うことができる。現在の先行車への接近度合が大きい場合には予測時間を短く設定し、近い将来の接近度合を予測することにより、運転者が感じるリスクに合致したアクセルペダル反力制御を行うことができる。また、第1の実施の形態と同様に、アクセルペダル反力を介して先行車までの接近度合を連続的にドライバに認識させることが可能となる。さらに、種々の情報に基づいて先行車の減速度を推定するので、ドライバの感じるリスクにより合致した将来状況予測を行うことができ、これをドライバに伝達することができる。
【0063】
また、上述した第1の実施の形態と同様に、現在の接近度合および予測時間後の接近度合は、車速および車間距離といった比較的容易に計測可能な物理量を用いて算出できるので、車両用運転操作補助装置が必要とする部品点数の増加を抑制することができる。なお、車外通信機40によって先行車の減速度を取得することができれば、より正確に予測時間後の接近度合を算出することができる。
【0064】
なお、上述した実施の形態においては、先行車減速度を検出する手段として、車外通信機40および前方カメラ30を用いたが、これらに限定されることはなく、いずれか一方、あるいはレーザレーダ10や車速センサ20からの情報のみによって先行車減速度を推定してもよい。このようにして推定された先行車減速度を用いて予測時間後の余裕時間を算出しても、上述した効果と同様の効果が得られる。なお、状況認識手段として用いたレーザレーダは、ミリ波レーダ等の別方式のレーダであってもよい。
【0065】
《第3の実施の形態》
第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置においては、第1の実施の形態で述べたアクセルペダル反力の代わりに警報発生装置によって警報を発生させてドライバに先行車への接近度合等のリスクポテンシャルを認識させる。なお、先行車への現在の接近度合(余裕時間TTC)、および将来予測される周囲環境変化による影響度合(車間時間THW)の算出方法は、上述した第1の実施の形態と同様である。
【0066】
図13に、第3の実施の形態のコントローラ50における警報レベル制御プログラムの処理手順のフローチャートを示す。ステップS110〜ステップS130は、上述した第1の実施の形態による図5のフローチャートと同様である。ここでは、ステップS130につづくステップS140Aでの処理から説明する。
【0067】
ステップS140Aでは、ステップS130で算出されたリスクポテンシャルRPに応じて発生させる警報レベルを設定する。例えば、先行車への接近度合(1/TTC)が高くリスクポテンシャルRPが高い場合に、警報発生の頻度を高くする。ステップS150Aでは、ステップS140Aで設定された警報レベルを警報装置に出力し、この処理を終了する。
【0068】
以上述べたように、リスクポテンシャルRPに応じて警報レベルを設定することにより、現在の先行車への接近度合が大きい場合や、将来予測される周囲環境変化による影響度合が大きい場合に、警報発生の頻度を高くしてドライバにリスク度を認識させることができる。
【0069】
なお、第2の実施の形態で算出したリスクポテンシャルRPに応じて警報レベルを設定し、ドライバに警報によってリスク度を認識させるようにしてもよい。これを、図14に示すコントローラ50における警報レベル制御プログラムの処理手順のフローチャートを用いて簡単に説明する。ステップS210〜ステップS280は、上述した第2の実施の形態による図11のフローチャートと同様である。ここでは、ステップS280につづくステップS290Aでの処理から説明する。
【0070】
ステップS290Aでは、ステップS280で算出したリスクポテンシャルRPに応じた警報レベルを設定する。例えば、リスクポテンシャルRP値が高いほど、警報発生の頻度を高くして運転者にリスク度の高さを認識させる。ステップS300Aで、ステップS290Aで設定した警報レベルを警報発生装置に出力して今回の処理を終了する。
【0071】
以上述べたように、先行車の将来の減速度XGaに基づいて将来状況(リスクポテンシャルRP)を精度よく予測し、リスクポテンシャルRPに応じた警報の発生頻度を設定することにより、将来予測されるリスク度を運転者に正確に認識させることができる。さらに運転者は、警報の発生頻度によって認識できるリスク度に応じて、運転操作を良好な状態へと移行させることができる。
【0072】
なお、上述したようにリスクポテンシャルRPに応じて警報発生の頻度を変更するだけでなく、警報の音量や音色を変更したり、リスクポテンシャルRPの高さに応じた音声を提供することもできる。
【0073】
《第4の実施の形態》
以下に、本発明の第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第4の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成は、図1および図2を用いて説明した第1の実施の形態と同様である。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。第4の実施の形態では、先行車両との車間距離Dが長い領域と短い領域とで、リスクポテンシャルRPの時間変化率が略同一となるようにリスクポテンシャルRPの算出式を設定する。
【0074】
第1の実施の形態のように(式4)を用いてリスクポテンシャルRPを算出すると、同一相対速度Vrで自車両が先行車両に徐々に接近する場合等に、接近の前半、すなわち車間距離Dが長い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率と、接近の後半、すなわち車間距離Dが短い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率とが大きく異なる。図15に、相対速度Vrが一定、例えばVr=10km/hで自車両が先行車両に接近する場合に、(式4)を用いて算出されるリスクポテンシャルRPの時間軸に対する変化を示す。なお、図15において、相対速度Vrは一定であるため、時間tが経過するにつれて車間距離Dは短くなる。便宜上、時間t=ta以前の領域を車間距離Dが長い領域とし、時間t=ta以降の領域を車間距離Dが短い領域とする。図15に示すように、車間距離Dが長い領域においてはリスクポテンシャルRPの時間変化率は小さいが、車間距離Dが短い領域においては車間距離Dが長い領域に比べて時間変化率が大きい。
【0075】
上述したように、アクセルペダル反力制御や警報の発生はリスクポテンシャルRPに基づいて行われるため、車間距離Dが長い領域と短い領域とでリスクポテンシャルRPの時間変化率が大きく異なると、運転者が感じるリスクに合致しない制御となる可能性がある。例えば、車間距離Dが短い領域に合わせてアクセルペダル反力制御を行うと、自車両が先行車両に接近した状態をペダル反力Fとして正確に運転者に伝達することができる。ただし、車間領域Dが長い領域においてはリスクポテンシャルRPの変化率が小さいためアクセルペダル反力Fの変化が小さくなり、運転者にリスクポテンシャルRPの変化を十分に伝達することができない可能性がある。遠方から一定の相対速度Vrで先行車両に徐々に接近する場合は、なるべく早い段階で、つまり接近の前半から運転者にリスクポテンシャルRPを認識させることが望ましい。また、(式4)を用いてリスクポテンシャルRPを算出すると、車間距離Dを制御しながら先行車両に追従走行している場合、相対速度Vr=0となり、リスクポテンシャルRPは車間時間THWの逆数として表される。つまり、リスクポテンシャルRPは運転者が直接コントロールしたい車間時間THWの逆数であるため、とくに車間距離Dが長い領域においてリスクポテンシャルRPに応じた反力制御の細かい調整が困難である。
【0076】
そこで、第4の実施の形態では、車間距離Dが長い領域と短い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率が釣り合うように、具体的には図15に破線で示すように、車間距離Dが長い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率を大きくするように、リスクポテンシャルRPの算出式を設定する。車間距離Dが長い領域におけるリスクポテンシャルRP1は、以下の(式13)を用いて算出することができる。
【数13】
RP1=(c−THW)+b/TTC (式13)
(THW≦0.5のとき、RP0,THW>0.5のとき、RP1)
ここで、c、bはそれぞれ定数であり、例えばc=2.5,b=8に設定する。なお、車間距離Dが短い領域におけるリスクポテンシャルRP(以降、リスクポテンシャルRP0とする)は、上述した第1の実施の形態と同様に(式4)を用いて算出する。つまり、車間時間THWにしきい値、例えばTHW=0.5を設け、THW≦0.5の場合にRP0,THW>0.5の場合にRP1を用いる。なお、便宜上、(式4)の第1項(a/THW)を第3のリスク度とし、(式13)の第1項(c−THW)を第4のリスク度、それぞれの算出式の第2項(b/TTC)を第1のリスク度とする。
【0077】
図16に、(式4)を用いて算出されるリスクポテンシャルRP0と、(式13)を用いて算出されるリスクポテンシャルRP1の車間時間THWに対する変化をそれぞれ示す。ここで、相対速度Vr=一定で自車両が先行車両に接近しているものとする。図16に示すように、車間時間THWがしきい値よりも大きい領域、つまり車間距離Dが長い領域においては(式13)から算出されるリスクポテンシャルRP1を用い、車間時間THWがしきい値よりも小さい領域、つまり車間距離Dが短い領域においては(式4)から算出されるリスクポテンシャルRP0を用いる。つまり、リスクポテンシャルRP0とリスクポテンシャルRP1との交点で、RP0とRP1とを切り換える。このように、リスクポテンシャルRP0とRP1とを切り換えることにより、車間時間THWがしきい値=0.5よりも大きい領域、つまり車間距離Dが長い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率を大きくすることができる。
【0078】
このように、以上説明した第4の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)車間時間THWが所定値より小さく車間距離Dが短い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率と、車間時間THWが所定値以上で車間距離Dが長い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率との差を平滑化するようにした。これにより、とくに相対車速が一定で自車両が先行車両に接近する場合に運転者の感覚に沿ったリスクポテンシャルRPを算出することができる。
(2)車間時間THWが所定値よりも小さい場合には、車間時間THWの逆数を用いた第3のリスク度(a/THW)と、第1のリスク度(b/TTC)とを用いてリスクポテンシャルRP0を算出し、車間時間THWが所定値以上の場合には、車間時間THWの負の値を用いた第4のリスク度(c−THW)と、第1のリスク度とを用いてリスクポテンシャルRP1を算出して、車間時間THWに応じてリスクポテンシャルRPを切り換えるようにした。これにより、車間時間THWが所定値以上で車間距離Dが長い領域におけるリスクポテンシャルRPの時間変化率が、第1のリスク度と第3のリスク度とから算出する場合に比べて大きくなり、リスクポテンシャルRP全体の時間変化率を平滑化することができる。その結果、車間時間THWが所定値よりも大きい接近の前半においても運転者の主観的評価に合致したリスクポテンシャルRPを算出することができる。
(3)車間時間THWが所定値よりも大きい領域と小さい領域とで平滑化されたリスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル反力制御あるいは警報発生を行うようにすれば、とくに相対車速Vrが一定で自車両が先行車両に接近する場合に接近の前半からリスクポテンシャルRPが立ち上がり、アクセルペダル反力Fあるいは警報によって先行車両に徐々に接近していることを運転者に正確に認識させることができる。また、接近前半でのリスクポテンシャルRPの時間変化率が大きくなるためアクセルペダル反力Fの調整を容易に行うことができる。さらに、車間時間THWが非常に長い領域、例えば図17に示すように車間時間THW=2.5以上の領域においてはリスクポテンシャルRP=0となるので、アクセルペダル反力Fは変化せず、運転者に煩わしさを与えることがない。
(4)第1のリスク度として相対速度Vrと車間距離Dに基づく余裕時間TTCを算出することにより、現在の先行車両への接近度合を物理量として正確に表すことができる。
【0079】
《第5の実施の形態》
以下に、本発明の第5の実施の形態による車両用運転操作補助装置について説明する。第5の実施の形態においては、上述した第4の実施の形態と同様に車間距離Dが長い領域と短い領域とでリスクポテンシャルRPの変化率が略同一となるようにリスクポテンシャルRPの算出式を設定する。
【0080】
第5の実施の形態においては、リスクポテンシャルRP2を、以下の(式14)を用いて算出する。
【数14】
RP2=d×(c−THW)+a/THW+b/TTC (式14)
(THW≦0.5のとき、a=1,d=0,THW>0.5のとき、a=0,d=1)
ここで、a、b、c、dはそれぞれ定数である。THW≦0.5の場合、a=1,d=0,THW>0.5の場合、a=0,d=1とする。なお、便宜上、(式14)の第1項(d×(c−THW))を第4のリスク度、第2項(a/THW)を第3のリスク度、第3項(b/TTC)を第1のリスク度とする。
【0081】
(式14)は、上述した(式4)と(式13)とを組み合わせたものであり、車間時間THWに応じて定数a、dの値を変更し、車間時間THWにかかる重みを変更する。なお、定数b、cは、例えばそれぞれb=8,c=2.5と設定する。車間時間THW=0.5をしきい値として設定し、車間時間THWがしきい値以下の場合、つまり車間距離Dが短い領域においては、定数d=0,a=1にそれぞれ設定する。一方、車間時間THWがしきい値より大きい場合、つまり車間距離Dが長い領域においては、定数d=1,a=0に設定する。これにより、車間距離Dが短い領域においては(式4)と同じ算出式でリスクポテンシャルRP2を算出し、車間距離Dが長い領域においては(式13)と同じ算出式でリスクポテンシャルRP2を算出することができる。
【0082】
このように、(式14)において車間時間THWに応じて定数a、dを適切に設定することにより、上述した第4の実施の形態において(式4)と(式13)とを車間時間THWに応じて切り換えたのと同様の効果を得ることができる。
【0083】
さらに、(式14)において車間時間THWに応じて定数a、dを連続的に変化することもできる。図17に、車間時間THWに対する定数a、dの変化の一例を示す。図17に示すように、車間時間THW=0.5をしきい値として、車間時間THWがしきい値以下の場合は、a=1,d=0に固定する。車間時間THWがしきい値を上回る場合は、車間時間THWが大きくなるほど、つまり車間距離Dが大きくなるほど定数aが小さくなり、定数dがaに対して相対的に大きくなるように設定する。車間時間THW=1.8付近で定数aが0に達し、定数dが1に達すると、それ以降はa=0、d=1に固定する。つまり、車間時間THWがしきい値よりも大きく車間距離Dが長い場合は、車間時間THWが大きくなるほど車間時間THWの逆数にかかる重みを徐々に小さくし、車間時間THWにかかる重みを徐々に大きくする。
【0084】
図18に、図17に示すように車間時間THWに応じて定数a、dを設定した場合に、(式14)を用いて算出されるリスク度RPを示す。図18には、(式4)を用いて算出したリスクポテンシャルRP0と、(式13)を用いて算出したリスクポテンシャルRP1と、(式14)を用いて算出したリスクポテンシャルRP2の車間時間THWに対する変化をそれぞれ示している。図18に示すように、リスクポテンシャルRP2は、車間時間THWがしきい値=0.5よりも大きい領域で、リスクポテンシャルRP0とリスクポテンシャルRP1とを組み合わせた値として表される。すなわち、車間時間THWが大きい状態から徐々に低下してくると、リスクポテンシャルRP2はリスクポテンシャルRP1からリスクポテンシャルRP0へと滑らか遷移し、車間距離THWがしきい値よりも小さい状態ではリスクポテンシャルRP0と同じ値となる。
【0085】
定数a、dを図17に示すように車間時間THWに応じて連続的に設定し、リスクポテンシャルRP2を算出することにより、リスクポテンシャルRPは(式13)によるリスクポテンシャルRP1から(式4)によるリスクポテンシャルRP0へと滑らかに遷移する。
【0086】
このように、上述した第5の実施の形態においては、以下のような効果を奏することができる。
(1)車間時間THWの定数倍項と車間時間の逆数1/THWの定数倍項を含む算出式からリスクポテンシャルRP2を算出し、車間距離Dに応じて車間時間の逆数1/THWの定数倍項に対する定数a(第1の定数)および車間時間THWの定数倍項に対する定数d(第2の定数)を設定するようにした。これにより、車間距離Dの変化に対してリスクポテンシャルRPを平滑化することができる。
(2)車間距離が大きくなるほど第1の定数aに比べて第2の定数dが相対的に大きくなるように設定することにより、車間距離に対するリスクポテンシャルRPの変化を滑らかに設定することができる。
(3)第1のリスク度(b/TTC)と、第3のリスク度(a/THW)と、第4のリスク度(d×(c/THW))とを用いてリスクポテンシャルRP2を算出し、車間時間THWに応じて重みa、dをそれぞれ変更するようにした。これにより、車間時間THWが所定値よりも大きい場合と小さい場合とにおいてリスクポテンシャルRPの時間変化率を平滑化することができる。
(4)車間時間THWが所定値よりも小さい場合に重みa=1,d=0、車間時間THWが所定値以上の場合に重みa=0,d=1と設定することにより、車間時間THWが所定値以上の場合のリスクポテンシャルRPの時間変化率を大きくすることができる。これにより、とくに相対速度Vrが一定で先行車両に接近する場合に、接近の前半において運転者の主観に合致したリスクポテンシャルRPを算出することができる。
(5)車間時間THWが所定値以上の場合に、車間時間THWが大きくなるほど重みaを小さくし、重みdを大きくするようにした。これにより、リスクポテンシャルRP0とリスクポテンシャルRP1との移行が滑らかとなる。このように算出されるリスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル反力制御を行うようにすれば、アクセルペダル反力Fが滑らかに変化し、運転者に違和感を与えることなくリスクポテンシャルRPを認識させることができる。
なお、上述した実施の形態においては、将来状況予測手段および平滑化手段としてコントローラ50を用いた。
【0087】
上述した実施の形態においてはアクセルペダル反力あるいは警報によって運転者にリスク度を認識させるようにしたが、警報とアクセルペダル反力とをともに用いてドライバにリスク度を認識させることもできる。さらに、以上述べたように算出したリスク度をアクセルペダル反力や警報によって運転者に知らせるだけでなく、様々な用途に活用することができる
【0088】
つまり、本発明による車両用運転操作補助装置は、現在の先行車への接近度合と、将来予測される周囲環境変化(相対速度の変化)による自車両への影響度合あるいは将来の先行車への接近度合とに基づいて、将来の走行状況を精度よく予測できるようにした全ての車両用運転操作補助装置に適用される。また、本発明による車両用運転操作補助装置は、予測した将来の走行状況を正確に運転者に認識させて運転者の運転を良好な状態へとアシストすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図2】 第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図3】 アクセルペダル反力制御装置の構成図。
【図4】 アクセルペダルストロークとアクセルペダル反力との関係を示す図。
【図5】 第1の実施の形態のコントローラによる制御手順を示すフローチャート。
【図6】 将来の先行車速のばらつきを示す図。
【図7】 第1の実施の形態の作用を示す説明図。
【図8】 第1の実施の形態の別の作用を示す説明図。
【図9】 本発明第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。
【図10】 第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。
【図11】 第2の実施の形態のコントローラによる制御手順を示すフローチャート。
【図12】 第2の実施の形態の作用を示す説明図。
【図13】 本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置のコントローラによる制御手順を示すフローチャート。
【図14】 本発明の第3の実施の形態による車両用運転操作補助装置のコントローラによる制御手順を示すフローチャート。
【図15】 時間軸に対するリスクポテンシャルの変化を示す図。
【図16】 第4の実施の形態における車間時間に対するリスクポテンシャルの変化を示す図。
【図17】 車間時間に対する定数a、dの変化を示す図。
【図18】 第5の実施の形態における車間時間に対するリスクポテンシャルの変化を示す図。
【符号の説明】
10:レーザレーダ
20:車速センサ
30:前方カメラ
40:車外通信機
50:コントローラ
60:アクセルペダル反力制御装置
70:サーボモータ
71:ストロークセンサ
80:アクセルペダル
Claims (24)
- 車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、
前記状況認識手段の検出結果に基づいて、自車両の先行車両までの現在の接近度合と将来予測される周囲環境変化による自車両への影響度合とを算出し、これらに基づいて将来の走行状況を予測する将来状況予測手段とを有し、
前記状況認識手段は、自車両および先行車両の車速と車間距離とを含む車両状態および車両周囲の走行環境を検出し、
前記将来状況予測手段は、前記状況認識手段によって検出された車速と車間距離とから、先行車両への接近度合と、周囲環境の変化による影響度合とを演算することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、自車両と先行車両との相対車速が一定であると仮定したときに先行車両への接近度合を示す第1のリスク度を算出し、前記状況認識手段によって検出される自車両と先行車両との相対車速が変化すると仮定したときに周囲環境の変化による影響度合を示す第2のリスク度を算出し、算出された第1のリスク度および第2のリスク度とに基づいて、将来の走行状況を予測することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段によって予測された将来の走行状況に応じてアクセルペダル反力指令値を算出するアクセルペダル反力算出手段と、
前記アクセルペダル反力算出手段によって算出されたアクセルペダル反力指令値に応じて、アクセルペダル操作反力を制御するアクセルペダル反力制御手段とをさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段によって予測された将来の走行状況に応じて警報レベルを設定する警報レベル設定手段と、
前記警報レベル設定手段によって設定された警報レベルに応じて警報を発生させる警報発生手段とをさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2から請求項4のいずれかに1項記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記状況認識手段によって検出される相対車速と車間距離とに基づいて前記第1のリスク度を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記状況認識手段によって検出される車間距離と自車速、または車間距離と先行車速とに基づいて前記第2のリスク度を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第1のリスク度および前記第2のリスク度にそれぞれ重み付けをして将来の走行状況を予測することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第2のリスク度に対する重み付けを前記第1のリスク度に対する重み付けよりも小さくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第1のリスク度と前記第2のリスク度との和から将来の走行状況を予測することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第1のリスク度と前記第2のリスク度のうち、大きい方の値から将来の走行状況を予測することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 車両状態および車両周囲の走行環境を検出する状況認識手段と、
前記状況認識手段によって検出される走行環境から、現在の先行車への接近度合に応じて所定時間を設定し、この所定時間後の先行車への接近度合を算出し、算出した前記所定時間後の接近度合に基づいて将来の走行状況を予測する将来状況予測手段とを有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項11に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段によって予測された将来の走行状況に応じてアクセルペダル反力指令値を算出するアクセルペダル反力算出手段と、
前記アクセルペダル反力算出手段によって算出されたアクセルペダル反力指令値に応じてアクセルペダル操作反力を制御するアクセルペダル反力制御手段とをさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項11に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段によって予測された将来の走行状況に応じて警報レベルを設定する警報レベル設定手段と、
前記警報レベル設定手段によって設定された警報レベルに応じて警報を発生させる警報発生手段とをさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、現在の先行車への接近度合が大きいほど、所定時間を短く設定して所定時間後の接近度合を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項2に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、将来の走行状況として、前記第1のリスク度と前記第2のリスク度とに基づくリスクポテンシャルを算出し、
前記状況認識手段によって検出される前記自車両および前記先行車両の車速のいずれかと、前記車間距離とに基づいて車間時間を算出し、前記車間時間が所定値よりも小さい場合に前記将来状況予測手段によって算出される前記リスクポテンシャルの時間変化率と、前記車間時間が前記所定値以上の場合に前記将来状況予測手段によって算出される前記リスクポテンシャルの時間変化率との差を平滑化する平滑化手段をさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助と装置。 - 請求項15に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第2のリスク度として、前記状況認識手段によって検出される前記自車両および前記先行車両の車速のいずれかと、前記車間距離とに基づく車間時間の逆数を用いた第3のリスク度と、前記車間時間の負の値を用いた第4のリスク度とを算出し、
前記平滑化手段は、前記車間時間が前記所定値よりも小さい場合は、前記第1のリスク度と前記第3のリスク度とに基づいてリスクポテンシャルを算出し、前記車間時間が前記所定値以上の場合は、前記第1のリスク度と前記第4のリスク度とに基づいてリスクポテンシャルを算出するよう前記将来状況予測手段における前記リスクポテンシャルの算出を切り換えることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項15に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第2のリスク度を、前記状況認識手段によって検出される前記自車両および前記先行車両の車速のいずれかと前記車間距離とに基づいて算出される車間時間の定数倍項と、前記車間時間の逆数の定数倍項とを用いて算出し、
前記平滑化手段は、前記車間時間の逆数の定数倍項に対する第1の定数および前記車間時間の定数倍項に対する第2の定数をそれぞれ前記車間距離に応じて設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項17に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記平滑化手段は、前記車間距離が大きくなるほど、前記第1の定数に比べて前記第2の定数が相対的に大きくなるよう設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項15に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記第2のリスク度として、前記状況認識手段によって検出される前記自車両および前記先行車両の車速のいずれかと、前記車間距離とに基づく車間時間の逆数を用いた第3のリスク度と、前記車間時間の負の値を用いた第4のリスク度とを算出し、前記第1のリスク度と、前記第3のリスク度と、前記第4のリスク度とから前記リスクポテンシャルを算出し、
前記平滑化手段は、前記車間時間に応じて、前記第3のリスク度および前記第4のリスク度に対する重みを変更することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項19に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記平滑化手段は、前記車間時間が前記所定値よりも小さい場合に、前記第3のリスク度に対する重みを1、前記第4のリスク度に対する重みを0とし、前記車間時間が前記所定値以上の場合に、前記第3のリスク度に対する重みを0,前記第4のリスク度に対する重みを1とすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項19に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記平滑化手段は、前記車間時間が前記所定値よりも小さい場合に、前記第3のリスク度に対する重みを1、前記第4のリスク度に対する重みを0とし、前記車間時間が前記所定値以上の場合に、前記車間時間が大きくなるほど、前記第3のリスク度に対する重みを小さくし、前記第4のリスク度に対する重みを大きくすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項15から請求項21のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段は、前記状況認識手段によって検出される相対車速と車間距離とに基づいて前記第1のリスク度を算出することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項15から請求項22のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段によって予測される将来の走行状況に応じてアクセルペダル反力指令値を算出するアクセルペダル反力算出手段と、
前記アクセルペダル反力算出手段によって算出されたアクセルペダル反力指令値に応じて、アクセルペダル操作反力を制御するアクセルペダル反力制御手段とをさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。 - 請求項15から請求項22のいずれか1項に記載の車両用運転操作補助装置において、
前記将来状況予測手段によって予測される将来の走行状況に応じて警報レベルを設定する警報レベル設定手段と、
前記警報レベル設定手段によって設定された警報レベルに応じて警報を発生させる警報 発生手段とをさらに有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
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