JP4041703B2 - 曲面状液晶表示装置 - Google Patents
曲面状液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4041703B2 JP4041703B2 JP2002187110A JP2002187110A JP4041703B2 JP 4041703 B2 JP4041703 B2 JP 4041703B2 JP 2002187110 A JP2002187110 A JP 2002187110A JP 2002187110 A JP2002187110 A JP 2002187110A JP 4041703 B2 JP4041703 B2 JP 4041703B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- curved
- liquid crystal
- substrate
- block
- spacer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相互に対向するように間隔をおいて配設され、少なくとも一方の対向面側に複数のブロック状スペーサが固設されていると共に各々の対向面側に電極が設けられた一対の曲面基板と、その一対の曲面基板の間に設けられた液晶層と、を備え、文字や画像などを表示する曲面状液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、液晶表示装置の大多数は平面状のものであり、曲面状をしたものはごく一部の小型のものを除いてほとんど存在しない。それは、曲面形成する加工技術もさることながら、液晶層を挟む一対の曲面基板間を一定の間隔で保持することが困難だからである。
【0003】
特開平5−107531号公報には、例えば、通常の平面状液晶表示装置であって、固着層を設けた粒子状スペーサを多数基板上へ散布して固着することで基板間を一定の間隔にすることが開示されている。
【0004】
また、特開平3−168618号公報には、曲面状液晶表示装置であって、線状スペーサの稜線方向と基板の最大曲率方向とを概略一致させることで基板間を一定の間隔にすることが開示されている。
【0005】
さらに、特開平9−258176号公報には、粒子状スペーサが散布されて貼り合わされた一対の曲面基板間に、液晶材料と紫外線硬化性樹脂との混合物を注入し、非絵素部に紫外線を照射して高分子壁を形成することで基板間を一定の間隔にすることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術によって曲面状液晶表示装置の曲面基板間の間隔を一定にすることは可能であるとしても、外的なストレスに対して対抗するには充分であると言えない。つまり、曲面状液晶表示装置を構成する液晶パネルに振動や衝撃、あるいは指圧等の外的なストレスが作用したとき、平面状のものでは基板間の上下方向にほとんどのストレスが作用する一方、曲面状のものでは上下方向のみならず、左右方向にもストレスが作用することとなる。また、従来技術では、基板を曲面形状に形成する際に基板に発生する応力、押圧等のストレスが作用しても高い表示品位を保つこと、及び、かかるストレスが解除された際に元の表示品位に戻る回復力について考慮されていない。
【0007】
例えば、特開平5−107531号公報に開示されたもののように固着層を設けた粒子状スペーサを用いた場合、粒子状スペーサと基板とは、接触面積の狭い、いわば、点接触状態にある為、液晶パネルに応力や押圧といったストレスが作用したときに剥れて移動し易く、その粒子状スペーサの移動によってその配設密度に疎密が生じるため表示の色ムラが生じることとなる。また、固着層が基板に残留して粒子状スペーサが移動する為、残留した固着層が輝点となり、それが点欠陥を生み出す要因となることもある。
【0008】
また、特開平3−168618号公報に開示されたもののように線状スペーサの稜線方向と基板の最大曲率方向とを概略一致させた場合、線状スペーサと基板との間に伸縮率の差があるため、基板を曲面状に形成することが困難であり、それゆえにスペーサ厚を一定にするのも困難となる。特に、薄膜トランジスタ(TFT)を用いたものやスーパーツイスティッドネマチック(STN)方式のものでは、スペーサ厚、つまり基板間隔が4〜7μmであるのが一般的であり、この厚さを持つ樹脂層が柔らかくて薄い基板表面に設けられている場合、基板を曲面状に形成する際に樹脂層に発生する応力も無視できないために曲面形成がより困難である。加えて、液晶パネルにストレスが作用した場合、線状スペーサにクラックが生じ易く、かかるストレスが解除されても元の曲面形状に戻り難い可能性もある。
【0009】
さらに、特開平9−258176号公報に開示されたもののように粒子状スペーサが散布されて貼り合わされた一対の曲面基板間に、液晶材料と紫外線硬化性樹脂との混合物を注入し、非絵素部に紫外線を照射して高分子壁を形成した場合、紫外線硬化のみで高分子壁が形成されるので、高分子壁の硬度が柔らかく、液晶パネルに作用するストレスに対して基板間隔を一定に保てる程の効果は期待できない。また、曲面基板間を一定に保つのに使用している粒子状スペーサは、上記したように移動しやすく、また、柔らかい樹脂製基板の場合にはガラス製基板の場合よりも基板間隔を一定に保つために多くの粒子状スペーサの散布が必要であり、よって、画素電極上に粒子状スペーサが数多く存在することから開口率がかなり低下し、輝度やコントラストが低下する虞がある。さらに、液晶材料と共に何らかの反応物を曲面基板間へ注入すると、液晶層の不純物が多くなり、製造マージンの低下や表示ムラの原因となると共に、樹脂の硬化に際して、紫外線が照射されることで液晶材料の劣化が進み、やはり表示ムラが生じる等の液晶パネルそのものの信頼性への影響が大きいものとなる。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、曲面形成が容易であり、且つ、ストレスが作用したときにもそれを柔軟に受けとめて表示品位を保つことが可能な信頼性の高い曲面状液晶表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、凹面もしくは凸面の曲面表示を行なう曲面状液晶表示装置において、細長いブロック状スペーサをその長手方向が曲面方向に対して交差するように基板上に配置することで、曲面形状を形成しやすく、且つ、曲面基板間を一定に維持すると共に、振動や衝撃、押圧といったストレスが作用した場合でも均一な表示品位を保つようにしたものである。
【0012】
具体的には、本発明は、相互に対向するように間隔をおいて配設され、少なくとも一方の対向面側に表示領域に対応して複数のブロック状スペーサが固設されていると共に各々の対向面側に電極が設けられた一対の曲面基板と、該一対の曲面基板の間に設けられた液晶層と、を備えた曲面状液晶表示装置であって、
上記ブロック状スペーサは、上記曲面基板の曲面方向と交差する方向に延びるように細長く形成されていることを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、ブロック状スペーサを曲面基板の曲面方向に対して長手方向が交差するように配置しているので、基板を曲面形状に形成した際にブロック状スペーサが断面扇状に広がり易くなる。このことで、ブロック状スペーサを曲面基板の曲面方向に対してその長手方向が沿うように配置した場合よりも、基板の曲面形成が行い易く、また、液晶パネルにストレスが作用したときにもブロック状スペーサ自体への負荷も少なく、ストレスを柔軟に受けとめることが可能であることから表示品位を保つことが可能となる。
【0014】
ここで、ブロック状スペーサは、必ずしも角張っている形状である必要は無く、例えば、正面視で楕円形状のようなものでもよい。
【0015】
本発明は、上記ブロック状スペーサの長手方向に垂直な断面形状が台形状であるものであってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ブロック状スペーサの長手方向に垂直な断面形状が台形状であるので、液晶パネルに作用する押圧力を分散させやすく、ブロック状スペーサ自身の強度も高いものとなるので曲面状液晶表示装置の押圧強度も高いものとなる。
【0017】
本発明は、上記ブロック状スペーサが上記一対の曲面基板のうち非表示側の曲面基板に設けられているものであってもよい。
【0018】
表示側の曲面基板は指圧等の外的なストレスを受け易いが、上記の構成によれば、ブロック状スペーサが非表示側の曲面基板に設けられているので、かかるストレスに対して高い抵抗力を有することとなる。すなわち、液晶パネルが外的な押圧を受けた場合、表示面側、つまり、直接に押圧された側の曲面基板にブロック状スペーサが設けられていると、相互に隣接したブロック状スペーサ間が開く方向へ力が作用するために押圧強度が低いが、表示面側に対向する非表示面側の曲面基板にブロック状スペーサが設けられていると、ブロック状スペーサ間が狭まる方向へと力が作用するために押圧強度が高いこととなる。押圧強度が低いと、特に樹脂基板上にペン入力をするような場合に局部的に強い力が加わってペン跡が残り易くなる。
【0019】
本発明は、上記ブロック状スペーサが固設された側の曲面基板において該曲面基板に対向する側の曲面基板の電極上に対応するように上記ブロック状スペーサが位置付けられているものであってもよい。
【0020】
ブロック状スペーサが相対する曲面基板の電極間に位置付けられて設けられた場合、液晶パネルに振動や衝撃などが作用するとブロック状スペーサが電極間から外れて電極上へと移り、それによって曲面基板間の間隔が変わって表示に色ムラとなって表れる。これは、電極幅が通常70μm以上であるのに対して電極間隙が20μm以下であり、しかも、ブロック状スペーサが10μm〜20μm程度であるためにマージンが狭く、また、曲面状液晶表示装置の特長として、振動や衝撃、あるいは指圧等の外的なストレスが作用したとき、上下方向のみならず左右方向にもストレスが作用してズレが生じ易いためである。しかしながら、上記の構成によれば、ブロック状スペーサが対向する側の曲面基板の電極上に対応するように位置付けられているので、液晶パネルに振動や衝撃などが作用してもブロック状スペーサが電極上から電極間に移る確率が低く、また、仮にブロック状スペーサが電極上から電極間に移ったとしても電極上よりも電極間の方が対向側の曲面基板とのギャップが大きいので曲面基板間の間隔を変化させない。
【0021】
本発明は、上記ブロック状スペーサが配向膜で覆われているものであってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、ブロック状スペーサが配向膜で覆われており、ブロック状スペーサの周りに液晶分子の配向規制力が働くので、例えばブロック状スペーサを電極上に位置付けても、この配向規制力により黒表示のときにブロック状スペーサが輝点として目立たなくなるのでコントラストの低下が起こりにくい。また、配向膜が接着性機能を有する場合には、それによって曲面基板を接着することも可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1及び2は、本発明の実施形態に係るSTN方式の曲面状液晶表示装置100の液晶パネル10を模式的に示す。
【0025】
この曲面状液晶表示装置100は、断面略円弧状である表示側の第1曲面基板11と、その第1曲面基板11に対向して設けられた非表示側の第2曲面基板12と、第1及び第2曲面基板11,12間に設けられた液晶層13と、を備えている。
【0026】
第1曲面基板11の内側には、図示しないカラーフィルタ及びオーバーコートが順に積層されるように設けられ、また、その上に第1電極14及び第1配向膜15が順に積層されるように設けられている。第2曲面基板12の内側には、第2電極16及び第2配向膜17が順に積層されるように設けられていると共にそれらの層間に多数のブロック状スペーサ18が配設されている。
【0027】
第1曲面基板11の外側には、液晶層13の複屈折を補償するための図示しない位相差板及び第1偏光板が順に積層されるように設けられている。第2曲面基板12の外側には、図示しない第2偏向板が積層されるように設けられている。
【0028】
第1及び第2曲面基板11,12は、ガラスや樹脂フィルムにより形成されており、それらの周縁がシール材で貼り合わされている。この液晶パネル10では、基板厚さが第1曲面基板11よりも第2曲面基板12の方が厚く、液晶パネルが基板厚さの厚い側へと撓むことから、表示面側である第1曲面基板11の外側が凸形状となった曲面状液晶表示装置100が構成されている。
【0029】
液晶層13は、急峻な透過率−印加電圧特性を有し、弾性定数比の大きいSTN液晶材料が注入されて形成されている。この液晶層13内の液晶分子は、電圧が印加されていない状態において、液晶層13の層厚さ方向にその配向方向が螺旋状に変化しており、その螺旋の捻れ角が180〜270°であり、液晶層13の層厚さ方向に電圧が印加された状態において、その電圧の高さ応じてその配向状態が変化し、それによって液晶パネル10の透過光量の調節が行われ、表示領域に文字や画像が表示される。
【0030】
第1電極14は、ITO(Indium Tin Oxide)により形成された短冊状の透明電極であり、図1の左右方向に延びるように隣接するものと一定間隔をおいて相互に平行となるように設けられている。また、第2電極16も、ITOにより形成された短冊状の透明電極であり、図1の紙面方向(第1電極14の延びる方向に垂直な方向)に延びるように隣接するものと一定間隔をおいて相互に平行となるように設けられている。そして、第1電極14と第2電極16との交差位置でそれらの電極によって規定される複数の画素が格子状のマトリクスを構成している。
【0031】
第1及び第2配向膜15,17は、ラビング処理したポリイミド等の樹脂膜で形成されており、それぞれ液晶層13に直接接触して液晶分子の配向方向を規制するものである。
【0032】
ブロック状スペーサ18は、図2に示すように、それが固設された側の第2曲面基板12において、第2曲面基板12の第2電極16の間隙で且つ第1曲面基板11の第1電極14上に対応するように位置付けられ、1画素毎に対応するように配設されている。また、ブロック状スペーサ18は各第2電極16に沿って等ピッチで配設されているが、隣接した第2電極16に対応したものは上記ピッチの半分の長さだけずれて配設されている。これによって外部から作用する押圧力が有効に分散されることとなる。各ブロック状スペーサ18は、第1及び第2曲面基板11,12の曲面方向と交差する方向に延びるように細長く形成されており、その長手方向に垂直な断面形状が台形状である。ここで、曲面方向とそれに交差する方向との関係は図3に示すとおりである。ブロック状スペーサ18は、上記のように第2電極16及び第2配向膜17の層間に設けられている、つまり、その表面が第2配向膜17で被覆されている。以上のようなブロック状スペーサ18は、第2曲面基板12上に感光性樹脂を塗布し、フォトマスクを介して露光してパターン形成し、続いて、現像、焼成することにより形成される。なお、ブロック状スペーサ18は、第1電極14と第2電極16とで狭持されるように位置付ける、つまり、画素内に位置付けて配設するようにしてもよい。
【0033】
上記構成の曲面状液晶表示装置100によれば、ブロック状スペーサ18を第1及び第2曲面基板11,12の曲面方向に対して長手方向が交差するように配置しているので、基板を曲面形状に形成した際にブロック状スペーサ18が断面扇状に広がり易くなる。このことで、ブロック状スペーサ18を曲面基板の曲面方向に対して長手方向が沿うように配置した場合よりも、基板の曲面形成が行い易く、また、液晶パネル10にストレスが作用したときにもブロック状スペーサ18自体への負荷も少なく、ストレスを柔軟に受けとめることが可能であることから表示品位を保つことが可能となる。
【0034】
また、ブロック状スペーサ18の長手方向に垂直な断面形状が台形状であるので、液晶パネル10に作用する押圧力を分散させやすく、ブロック状スペーサ18自身の強度も高いものとなるので曲面状液晶表示装置100の押圧強度も高いものとなる。
【0035】
また、表示側の第1曲面基板11は指圧等の外的なストレスを受け易いが、ブロック状スペーサ18が非表示側の第2曲面基板12に設けられているので、かかるストレスに対して高い抵抗力を有する。すなわち、液晶パネル10’が外的な押圧を受けた場合、図4(a)に示すように、表示側、つまり、直接に押圧される第1曲面基板11’にブロック状スペーサ18’が設けられていると、相互に隣接したブロック状スペーサ18’間が開く方向へ力が作用するために押圧強度が低いが、図4(b)に示す本実施形態の液晶パネル10のように、非表示側の第2曲面基板12にブロック状スペーサ18が設けられていると、ブロック状スペーサ18間が狭まる方向へと力が作用するために押圧強度が高いこととなる。
【0036】
また、図5(a)に示すように液晶パネル10’に振動や衝撃などが作用すると、図5(b)に示すようにブロック状スペーサ18’が第1曲面基板11’の第1電極14’間に位置付けられて設けられた場合、振動や衝撃などの作用が解除された後には図5(c)に示すようにブロック状スペーサ18’が専有面積の狭い電極間から外れて専有面積の広い電極上へと移り、それによって曲面基板間の間隔が変わって表示に色ムラとなって表れる。しかしながら、本実施形態の曲面状液晶表示装置100によれば、ブロック状スペーサ18が第1曲面基板11の第1電極14上に対応するように位置付けられているので、液晶パネル10に振動や衝撃などが作用してもブロック状スペーサ18が専有面積の広い電極上から専有面積の狭い電極間に移る確率が低く、また、仮にブロック状スペーサ18が電極上から電極間に移ったとしても電極上よりも電極間の方が対向側の曲面基板とのギャップが大きいので曲面基板間の間隔が変化するということがない。
【0037】
また、ブロック状スペーサ18が第2配向膜17で覆われており、ブロック状スペーサ18の周りに液晶分子の配向規制力が働くので、仮にブロック状スペーサ18を画素内に位置付けたとしても、この配向規制力により黒表示のときにブロック状スペーサ18が輝点として目立たなくなるのでコントラストの低下が起こりにくい。
【0038】
なお、上記実施形態では、パッシブマトリクス方式の曲面状液晶表示装置100としたが、特にこれに限定されるものではなく、アクティブマトリクス方式のものであってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、第2曲面基板12にブロック状スペーサ18を設けたが、特にこれに限定されるものではなく、第1曲面基板11に設けても、第1及び第2曲面基板11,12の両方に設けてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、ブロック状スペーサ18の断面形状を台形状としたが、特にこれに限定されるものではなく、矩形状等、他の形状であってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、第1及び第2曲面基板11,12の厚さを異なるものとすることにより曲面が形成されるようにしたが、特にこれに限定されるものではなく、他の方法によって曲面が形成されるようにしてもよい。
【0042】
【実施例】
第1及び第2曲面基板間の間隔が6μmである以下の発明例及び比較例のSTN方式の曲面状液晶表示装置を作製して比較評価を行った。
【0043】
(評価用曲面状液晶表示装置)
<発明例>
第1曲面基板用の厚さ0.3mmの透明なエポキシ樹脂製の第1マザー基板を準備した。この第1マザー基板に、その表面にスパッタリング法で膜厚1000Åの電極膜を形成し、フォトリソグラフ法で電極パターン形成して第1電極を設けた。
【0044】
第2曲面基板用の厚さ0.4mmの透明なエポキシ樹脂製の第2マザー基板を準備した。この第2マザー基板に、カラーフィルタを設けると共に、その表面にスパッタリング法で膜厚3000Åの電極膜を形成し、フォトリソグラフ法で電極パターンを形成して第2電極を設けた。
【0045】
次に、第2マザー基板の第2電極上に感光性樹脂をスピンナーにより塗布し、フォトマスクを介して露光することでブロック状スペーサのパターン形成を行い、現像、焼成してブロック状スペーサを形成した。各ブロック状スペーサの形状は、第2電極の延びる方向(第1及び第2曲面基板の曲面方向と交差する方向)に沿って延びる直方体形状(幅20μm、長さ40μm及び高さ6μm)とした。ブロック状スペーサの配設パターンは、第2電極の間隙で且つ第1曲面基板の第1電極上に対応するように位置付け、1画素毎に1つのブロック状スペーサを対応させた。また、図6に示すように、ブロック状スペーサを各第2電極に沿って250μmピッチで配設させたが、90μm離れた隣接した第2電極に対応したものについてはそのピッチの半分の125μmだけずらして配設させた。
【0046】
次に、第1及び第2マザー基板のそれぞれに樹脂膜を印刷、焼成により成膜した後、ラビング処理を行って第1及び第2配向膜を形成した。
【0047】
次に、第1及び第2マザー基板を熱硬化型シール材を介して貼り合わせ、熱プレスにより熱硬化型シール材を熱硬化させた。
【0048】
そして、第1及び第2マザー基板を貼り合わせたものから10.0型の液晶パネルを分断により切り出し、真空注入方法により液晶材料を液晶パネル内に注入した。この液晶パネルは、基板厚さ及び電極膜の厚い側へと撓むことから、表示面側である第1曲面基板の外側が凸形状である発明例の曲面状液晶表示装置を構成した。
【0049】
(比較例1)
比較例1は、ブロック状スペーサの代わりに固着層を設けた粒子状スペーサを設けたものである。
【0050】
第1曲面基板用の厚さ0.3mmの透明なエポキシ樹脂製の第1マザー基板を準備した。この第1マザー基板に、その表面にスパッタリング法で膜厚1000Åの電極膜を形成し、フォトリソグラフ法で電極パターン形成して第1電極を設けた。
【0051】
第2曲面基板用の厚さ0.4mmの透明なエポキシ樹脂製の第2マザー基板を準備した。この第2マザー基板に、カラーフィルタを設けると共に、その表面にスパッタリング法で膜厚3000Åの電極膜を形成し、フォトリソグラフ法で電極パターンを形成して第2電極を設けた。
【0052】
次に、第1及び第2マザー基板のそれぞれに樹脂膜を印刷、焼成により成膜した後、ラビング処理を行って第1及び第2配向膜を形成した。
【0053】
次に、第1及び第2マザー基板の第1及び第2配向上に膜湿式散布機により粒径6μmの粒子状スペーサを300個/mm2の密度で散布した。
【0054】
次に、第1及び第2マザー基板を熱硬化型シール材を介して貼り合わせ、熱プレスにより熱硬化型シール材を熱硬化させた。
【0055】
そして、第1及び第2マザー基板を貼り合わせたものから10.0型の液晶パネルを分断により切り出し、真空注入方法により液晶材料を液晶パネル内に注入した。この液晶パネルは、基板厚さ及び電極膜の厚い側へと撓むことから、表示面側である第1曲面基板の外側が凸形状である比較例1の曲面状液晶表示装置を構成した。
【0056】
(比較例2)
比較例2は、ブロック状スペーサの代わりに第1及び第2曲面基板の曲面方向に沿って延びる線状スペーサを設けたものである。
【0057】
第1曲面基板用の厚さ0.3mmの透明なエポキシ樹脂製の第1マザー基板を準備した。この第1マザー基板に、その表面にスパッタリング法で膜厚1000Åの電極膜を形成し、フォトリソグラフ法で電極パターン形成して第1電極を設けた。
【0058】
第2曲面基板用の厚さ0.4mmの透明なエポキシ樹脂製の第2マザー基板を準備した。この第2マザー基板に、カラーフィルタを設けると共に、その表面にスパッタリング法で膜厚3000Åの電極膜を形成し、フォトリソグラフ法で電極パターンを形成して第2電極を設けた。
【0059】
次に、第2マザー基板の第2電極上に感光性樹脂をスピンナーにより塗布し、フォトマスクを介して露光することで線状スペーサのパターン形成を行い、現像、焼成して線状スペーサを形成した。各線状スペーサの形状は、第2電極の延びる方向に直交する方向(第1及び第2曲面基板の曲面方向)に沿って延びる幅15μmで高さ6μmの突条とした。ブロック状スペーサの配設パターンは、第1曲面基板の第1電極間に対応するように位置付けた(250μmピッチ)。
【0060】
次に、第1及び第2マザー基板のそれぞれに樹脂膜を印刷、焼成により成膜した後、ラビング処理を行って第1及び第2配向膜を形成した。
【0061】
次に、第1及び第2マザー基板を熱硬化型シール材を介して貼り合わせ、熱プレスにより熱硬化型シール材を熱硬化させた。
【0062】
そして、第1及び第2マザー基板を貼り合わせたものから10.0型の液晶パネルを分断により切り出し、真空注入方法により液晶材料を液晶パネル内に注入した。この液晶パネルは、基板厚さ及び電極膜の厚い側へと撓むことから、表示面側である第1曲面基板の外側が凸形状である比較例2の曲面状液晶表示装置を構成した。
【0063】
(評価及び結果)
<評価1:表示品位>
発明例、比較例1及び2のそれぞれについて、黒表示及び白表示の両方で点灯時の表示品位観察を行った。
【0064】
発明例では、黒表示においても白表示においても、均一な表示が観察された。
【0065】
一方、比較例1では、黒表示において粒子状スペーサによる輝点が目立つのが観察され、白表示において砂模様状の表示ムラが観察された。
【0066】
また、比較例2では、線状スペーサ周りにおける液晶分子の配向状態が乱れており、ぼやけた表示が観察された。これは、配向膜印刷時にインクの表面張力で配向膜の膜厚が厚くなり、しかも、線状スペーサの存在のためにラビング処理が不十分となって、線状スペーサ周りの部分が他の部分よりも液晶分子の配向乱れが著しい状態となったためであると考えられる。
【0067】
<評価2:応力作用後の表示品位>
発明例、比較例1及び2のそれぞれについて、図7に示すように液晶パネルの両端を持ち、左右15mmずつ内側に移動させて折り曲げる動作を5回繰返した後に表示品位観察を行った。
【0068】
発明例では、特に問題無く折り曲げ前のと同一の表示が観察された。
【0069】
一方、比較例1では、表示面の中央部に色ムラが観察された。これは、粒子状スペーサが移動し、基板間隔を均一に維持できなくなったためであると考えられる。
【0070】
また、比較例2では、2回目の折り曲げまで特に問題無かったが、最終的に折れ曲がったような状態となって元の曲面形状に戻らなかった。
【0071】
<評価3:押圧作用後の表示品位>
発明例、比較例1及び2のそれぞれについて、直径10mmの円形端面の押圧具によって液晶パネルの表示面を5kgf/cm2の押圧力で10秒間圧力を加えた後に表示品位観察を行った。
【0072】
発明例では、特に問題のない表示が観察された。
【0073】
一方、比較例1では、押圧した部分で色ムラが観察された。これは、押圧により粒子状スペーサが移動し、基板間隔を均一に維持できなくなったためであると考えられる。
【0074】
また、比較例2では、特に問題のない表示が観察された。
【0075】
以上のように、発明例は、初期の表示品位、曲げ応力作用後の表示品位、押圧後の表示品位のいずれにしても、比較例1及び2よりも優れているということができる。すなわち、本発明例の曲面状液晶表示装置は、ブロック状スペーサが第1及び第2曲面基板の曲面方向と交差する方向に延びるように細長く形成されているので、液晶パネルに応力や押圧といったストレスが作用しても、初期の表示品位が損なわれることなく、また、高い信頼性を有していることが示された。
【0076】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、ブロック状スペーサを曲面基板の曲面方向に対して長手方向が交差するように配置しているので、基板の曲面形成が行い易く、また、液晶パネルにストレスが作用したときにもブロック状スペーサ自体への負荷も少なく、ストレスを柔軟に受けとめることが可能であることから表示品位を保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I断面に対応した本発明の実施形態に係る曲面状液晶表示装置の模式的な部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る曲面状液晶表示装置の第1曲面基板を外した状態の模式的な部分正面図である。
【図3】曲面方向とそれに交差する方向を示す説明図である。
【図4】ブロック状スペーサを第1曲面基板の電極間に位置付けて設けた曲面状液晶表示装置に外部からストレスを作用させたときのブロック状スペーサの動きを示す説明図である。
【図5】ブロック状スペーサを第1曲面基板に設けた場合と第2曲面基板に設けた場合とのそれぞれについてのブロック状スペーサの動きを示す説明図である。
【図6】発明例のブロック状スペーサの配設状態を示す説明図である。
【図7】曲げ応力試験方法を示す説明図である。
【符号の説明】
100 曲面状液晶表示装置
10,10’ 液晶パネル
11,11’ 第1曲面基板
12,12’ 第2曲面基板
13 液晶層
14,14’ 第1電極
15 第1配向膜
16 第2電極
17 第2配向膜
18,18’ ブロック状スペーサ
Claims (5)
- 相互に対向するように間隔をおいて配設され、少なくとも一方の対向面側に表示領域に対応して複数のブロック状スペーサが固設されていると共に各々の対向面側に電極が設けられた一対の曲面基板と、該一対の曲面基板の間に設けられた液晶層と、を備えた曲面状液晶表示装置であって、
上記ブロック状スペーサは、上記曲面基板の曲面方向と交差する方向に延びるように細長く形成されていることを特徴とする曲面状液晶表示装置。 - 請求項1に記載された曲面状液晶表示装置において、
上記ブロック状スペーサは、長手方向に垂直な断面形状が台形状であることを特徴とする曲面状液晶表示装置。 - 請求項1に記載された曲面状液晶表示装置において、
上記ブロック状スペーサは、上記一対の曲面基板のうち非表示側の曲面基板に設けられていることを特徴とする曲面状液晶表示装置。 - 請求項1に記載された曲面状液晶表示装置において、
上記ブロック状スペーサは、それが固設された側の曲面基板において該曲面基板に対向する側の曲面基板の電極上に対応するように位置付けられていることを特徴とする曲面状液晶表示装置。 - 請求項1に記載された曲面状液晶表示装置において、
上記ブロック状スペーサは、配向膜で覆われていることを特徴とする曲面状液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002187110A JP4041703B2 (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 曲面状液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002187110A JP4041703B2 (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 曲面状液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004029487A JP2004029487A (ja) | 2004-01-29 |
JP4041703B2 true JP4041703B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=31182247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002187110A Expired - Fee Related JP4041703B2 (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 曲面状液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4041703B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016201763A1 (zh) * | 2015-06-16 | 2016-12-22 | 武汉华星光电技术有限公司 | 液晶显示器及其液晶面板 |
US9588379B2 (en) | 2013-10-30 | 2017-03-07 | Samsung Display Co., Ltd. | Curved liquid crystal display panel |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101367135B1 (ko) | 2007-03-05 | 2014-02-26 | 삼성디스플레이 주식회사 | 표시 장치 및 그의 제조 방법 |
CN101681060B (zh) * | 2007-06-06 | 2011-07-27 | 夏普株式会社 | 液晶显示装置 |
KR102125224B1 (ko) | 2014-03-11 | 2020-06-23 | 삼성디스플레이 주식회사 | 표시장치 및 이의 제조방법 |
CN110928064A (zh) * | 2019-12-12 | 2020-03-27 | 京东方科技集团股份有限公司 | 显示面板及其制备方法、显示装置 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002187110A patent/JP4041703B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9588379B2 (en) | 2013-10-30 | 2017-03-07 | Samsung Display Co., Ltd. | Curved liquid crystal display panel |
WO2016201763A1 (zh) * | 2015-06-16 | 2016-12-22 | 武汉华星光电技术有限公司 | 液晶显示器及其液晶面板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004029487A (ja) | 2004-01-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4496159B2 (ja) | 液晶表示装置及びその製造方法 | |
JP3549787B2 (ja) | 液晶表示装置及びその製造方法 | |
KR100382586B1 (ko) | 액정표시장치및그제조방법 | |
US6795141B2 (en) | Liquid crystal display device and color filter substrate having spacers formed directly on black matrix | |
USRE46146E1 (en) | Liquid crystal display device and method of manufacturing the same | |
US20090059155A1 (en) | Liquid crystal display device | |
JP4404368B2 (ja) | 液晶表示パネル及びその製造方法 | |
US7924358B2 (en) | Spacer structure of a display panel | |
JP2007011335A (ja) | 液晶表示装置及びその製造方法 | |
JP4041703B2 (ja) | 曲面状液晶表示装置 | |
KR20060120419A (ko) | 액정표시장치 및 그 제조 방법 | |
KR100808323B1 (ko) | 액정 표시 패널 | |
JP2939836B2 (ja) | 液晶表示素子 | |
JP4605632B2 (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 | |
JP2004094117A (ja) | 液晶表示装置 | |
TWI225558B (en) | Liquid crystal display and fabrication method thereof | |
KR20150027474A (ko) | 액정표시장치와 그 제조 방법 | |
JPH03168618A (ja) | 曲面状液晶パネル | |
JPH09197412A (ja) | 液晶表示装置 | |
JPH0291616A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2000352720A (ja) | 液晶表示装置 | |
KR20060068035A (ko) | 액정 표시 장치 및 이의 제조 방법 | |
JP2013114182A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP3217616B2 (ja) | 液晶表示装置及びその製造方法 | |
JP2004198643A (ja) | 液晶表示素子及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070618 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20071016 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20071112 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 5 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |