JP4041230B2 - 波長検出装置およびレーザ装置における波長検出装置 - Google Patents

波長検出装置およびレーザ装置における波長検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ等の光の波長を検出する波長検出装置およびレーザ装置に用いられる波長検出装置に関し、特にエタロンなどの分光器を用いて光の波長を常時検出するに際して光の波長を検出誤差なく正確に検出することができる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エキシマレーザをステッパ(縮小投影露光装置)の光源として用いる場合には、エキシマレーザの発振レーザ光を狭帯域化する必要がある。さらにこの狭帯域化された発振レーザ光のスペクトルの中心波長が露光中にずれないように高精度に安定化制御する必要がある。
【0003】
狭帯域化は、レーザチャンバの共振器内に配設されたエタロン、グレーティングなどの狭帯域化素子を駆動(たとえばエタロン又はグレーティングの設置角度を調整)することによって行われる。露光中はスペクトルの中心波長が変動しないように波長の制御がなされる。すなわち露光中は常時基準光に対する発振レーザ光の相対波長が検出されることにより発振レーザ光の絶対波長が検出される。そしてこの検出結果がフィードバックされることにより狭帯域化素子が駆動され、発振レーザ光のスペクトルの中心波長が目標とする波長に固定される。
【0004】
ここで上記波長制御を実現するための装置構成のブロック図を図8に示す。
【0005】
すなわち被検出光源である狭帯域発振エキシマレーザ1からは被検出光としてレーザ光Lが出力される。狭帯域発振エキシマレーザ1から出力されたレーザ光Lの一部はビームスプリッタ3によって反射され、この反射光は入射窓5を介して波長モニタ部9に入射される。
【0006】
一方基準光源としては水銀ランプ20が使用される。水銀ランプ20から出射された基準光Lbは干渉フィルタFTを通過して波長モニタ部9に入力される。
【0007】
波長モニタ部9内のビームスプリッタ4はレーザ光Lの一部を透過させて分光器であるエタロン6に入射させるとともに基準光Lbの一部を反射させてエタロン6に入射させる。
【0008】
エタロン6は内側の面が部分反射ミラーとされた2枚の透明板6a、6bから構成されている。透明板6a、6b間の間隙のことをエアギャップ6cという(図2参照)。エタロン6の透過波長λはつぎのように表される。
【0009】
λ=(2nd/m)cosθ …(1)
ただしmは整数、dはエタロン6の部分反射ミラー間の距離(エアギャップ長)、nは部分反射ミラー間の屈折率(エアギャップ6cの屈折率)、θはエタロン6の法線と出射光の光軸とのなす角度である。
【0010】
この(1)式から、エアギャップ内屈折率n、エアギャップ長d、整数mが一定であるとすれば、波長λが変化するとθが変化することがわかる。エタロン6ではこの性質を利用して光の波長を検出している。
【0011】
波長が異なる基準光Lbおよびエキシマレーザ光Lはエタロン6を通過して分光され集光レンズ7に出射される。
【0012】
位置検出器8は集光レンズ7の焦点上に配設されている。位置検出器8としてはたとえばラインセンサが使用される。集光レンズ7を経た光は位置検出器8に結像され、位置検出器8の検出面上に基準光Lbの波長に対応した干渉縞8aおよびレーザ光Lの波長に対応した干渉縞8bを形成する。位置検出器8からは干渉縞8aの検出位置(干渉縞8aの半径)および干渉縞8bの検出位置(干渉縞8bの半径)を示す信号がCPU2に対して出力される。
【0013】
CPU2では干渉縞8aの検出位置と干渉縞8bの検出位置の差から、基準光Lbに対する被検出光Lの相対波長が求められ、この求めた相対波長と既知の基準光Lbの波長に基づき被検出光Lの絶対波長λが演算される。
【0014】
こうして狭帯域発振エキシマレーザ1から出力されるレーザ光Lの絶対波長λが検出されると、この検出波長λと目標波長λdとの偏差を零にするための制御信号が狭帯域化素子ドライバ10に対して出力される。狭帯域化素子ドライバ10は上記制御信号に応じて狭帯域化発振エキシマレーザ1の共振器内に配設されたエタロン、グレーティングなどの狭帯域化素子を駆動する。この結果エキシマレーザ光Lの発振波長λが目標波長λdに一致される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような波長制御を精度よく行うためにはレーザ光Lの波長λを常時検出する必要がある。つまり波長モニタ部9の位置検出器8にて基準光Lbと被検出光Lの位置の差を常時検出する必要ある。仮に間欠的にしか基準光Lbと被検出光Lの位置の差を検出できないとすると、その検出できない期間は波長制御が行われないことになり波長制御の精度が損なわれる。
【0016】
しかし基準光Lbと被検出光Lを同時に位置検出器8に入射させて基準光Lbと被検出光Lの位置の差を常時検出しようとすると以下のような問題が発生する。
【0017】
すなわちレーザ光Lに対して基準光Lbは相対的に光の強度が小さい。このため位置検出器8で両干渉縞8a、8bの位置を同時に検出しようとしても強度の強いレーザ光Lの影になってしまい強度の弱い基準光Lbの位置を検出することは難しい。
【0018】
このため従来は位置検出器8にレーザ光Lと基準光Lbを交互に入射させて、間欠的に基準光Lbと被検出光Lの位置の差を検出さぜるを得ないことになっている。したがって従来は波長制御の精度が損なわれることになっていた。
【0019】
そこで基準光Lbを使用することなく被検出光であるレーザ光Lの検出位置のみを用いて常時その絶対波長λを精度よく検出できるようにすることが望まれる。
【0020】
ここで下記(2)式に示すようにエタロン6のエアギャップ内屈折率nはエアギャップ6c内の圧力Pg、エアギャップ6c内の温度Tgの変数である。またエアギャップ長dはエアギャップ内温度Tgの変数である。
【0021】
Figure 0004041230
上記(2)式中のエアギャップ内屈折率n(Pg、Tg)はさらに下記(3−1)式のように表される。
【0022】
Figure 0004041230
ただしn0は圧力Pg=760mmHg、温度Tg=15゜Cにおける標準屈折率である。密封容器内にエタロンを配設した場合にはこの標準屈折率n0は一定となる。
【0023】
また上記(2)式中のエアギャップ長dはさらに下記(3−2)式のように表される。
【0024】
d=d0+α(T−T0) …(3−2)
ただしαは熱膨脹係数であり、T0は基準温度であり、d0は基準温度T0におけるエアギャップ長である。
【0025】
上記(2)式、(3−1)式、(3−2)式よりエタロン6のエアギャップ6c内の圧力Pg、温度Tgが変化すると(mは一定)、波長λの検出誤差が生じることになる。基準光Lbを使用して絶対波長λを検出する場合にはかかるエアギャップ6c内の圧力Pg、温度Tgの変化による検出誤差は生じないが、基準光Lbを使用せずにレーザ光Lのみを用いて絶対波長λを検出しようとするとエアギャップ6c内の圧力Pg、温度Tの変化による検出誤差の影響を受ける。
【0026】
そこでエタロン6のエアギャップ6c内の圧力Pg、温度Tgを一定に制御して波長検出を行うことが考えられるが、この制御の実現は実際には難しい。
【0027】
またエタロン6を環境的に安定させるべく密封容器内に配設することが考えられる。
【0028】
しかしエタロン6を密封容器内に配設しても実際には容器から外部へガスが漏れたり、外部の熱源によって容器内の温度が変化したりしてエアギャップ6c内の圧力Pg、温度Tgは安定しない。
【0029】
図3は、温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差が変化する様子を示す。図3の横軸は経過時間(単位h)であり縦軸は温度(単位゜C)、波長検出誤差(単位pm)である。温度を破線で、波長検出誤差を実線で示す。図3において波長誤差が時間経過にかかわらず仮に0のまま一定であるとすると波長検出誤差は常に何ら生じていないことを意味する。
【0030】
しかしエタロン6を密封容器内に配設しただけでは同図3に示すように時間経過ととともに波長検出誤差が大きくなっていき、長期的に誤差が累積されていくのがわかる。また短期的にみてもAに示すように誤差が発生しているのがわかる。
【0031】
このようにエタロン6を密封容器内に配設しただけでは、長期的にも短期的に誤差が発生する。
【0032】
また波長検出誤差を計算によって取り除く発明が特表平10−506232号公報に開示されている。
【0033】
この公報記載の発明は、
λ′c=λm+k′1・T+k′2dT/dt …(4)
なる式を用意して、波長検出値λ′mを当該式(4)に代入することで補正値λ′cを演算し、波長検出誤差をなくそうとするものである。つまり温度Tと温度Tの時間微分値dT/dtを各パラメータとして波長検出誤差を演算するものである。上記(4)式においてk′1、k′2は定数である。Tはエタロンが配設された容器内の温度である。
【0034】
図6は、図3と同様に温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差が変化する様子を示す。この図6は上記(4)式で得られた補正波長λ′cと波長の真値との差である波長検出誤差をシミュレーションで求めたものである。
【0035】
同図6に示すように上記(4)式で検出波長を補正した場合には、エタロン6を密封容器内に配設しただけの図3の場合に比較して短期的に発生する誤差(図3のA)が取り除かれているのがわかる。しかし同図6に示すように長期的に発生する累積誤差は依然として取り除かれていないのがわかる。
【0036】
このように上記(4)式のように温度Tと温度Tの時間微分値dT/dtをパラメータとして波長検出誤差を求め、この波長検出誤差を検出波長から取り除く演算を行ったとしても、長期的に発生する誤差を取り除くことはできない。
【0037】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、被検出光の検出位置のみを用いて常時波長を検出するに際して長期的に発生する誤差を取り除き精度よく波長を検出できるようにすることを第1の解決課題とするものである。
【0038】
さらに本発明は、被検出光の検出位置のみを用いて常時波長を検出するに際して長期的に発生する誤差のみならず短期的に発生する誤差についても取り除き精度よく波長を検出できるようにすることを第2の解決課題とするものである。
【0040】
【課題を解決するための手段および作用効果】
そこで、本発明の第1発明では、上記第1、第2の解決課題を達成するために、
被検出光源で発光される被検出光が入射される分光器と、前記分光器から出射された被検出光が導かれ被検出光の照射位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器で検出された被検出光の検出位置に応じて被検出光の波長を検出する波長検出手段とを具えた波長検出装置において、
前記分光器を容器内に配設し、
前記容器内の温度を検出する温度検出器と、
前記容器内の圧力を検出する圧力検出器と、
前記容器内の温度と前記容器内の圧力と前記容器内の圧力の単位時間当たりの変化量とを変数として前記波長検出手段の波長検出誤差を求める誤差演算式を設定する設定手段と、
前記温度検出器で検出された温度と前記圧力検出器で検出された圧力と前記圧力検出器で検出された圧力の単位時間当たりの変化量とに対応する前記波長検出手段の波長検出誤差を前記設定手段で設定された誤差演算式を用いて求め、この求められた波長検出誤差に応じて前記波長検出手段で検出された波長を補正する補正演算手段と
を具えるようにしている。
【0042】
また第2発明では、第1発明において、前記分光器はエタロンであるとしている。
【0044】
また第3発明では、第1、第2の解決課題を達成するために、
レーザ装置から発振されるレーザ光が入射される分光器と、前記分光器から出射されたレーザ光が導かれレーザ光の照射位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器で検出されたレーザ光の検出位置に応じてレーザ光の波長を検出する波長検出手段と、前記波長検出手段の検出波長に基づいて前記レーザ装置から発振されるレーザ光が目標波長に一致するように波長を制御する波長制御手段とを具えたレーザ装置における波長検出装置において、
前記分光器を容器内に配設し、
前記容器内の温度を検出する温度検出器と、
前記容器内の圧力を検出する圧力検出器と、
前記容器内の温度と前記容器内の圧力と前記容器内の圧力の単位時間当たりの変化量とを変数として前記波長検出手段の波長検出誤差を求める誤差演算式を設定する設定手段と、
前記温度検出器で検出された温度と前記圧力検出器で検出された圧力と前記圧力検出器で検出された圧力の単位時間当たりの変化量とに対応する前記波長検出手段の波長検出誤差を前記設定手段で設定された誤差演算式を用いて求め、この求められた波長検出誤差に応じて前記波長検出手段で検出された波長を補正する補正演算手段と
を具えるようにしている。
【0046】
また第4発明では、第3発明において、前記分光器はエタロンであるとしている。
【0047】
上記第1発明を図1に対応させて説明する。
【0048】
すなわち第1発明によれば、容器11内の温度Tと容器11内の圧力Pを変数として波長検出手段8の波長検出誤差Δλを求める誤差演算式Δλ=f(T、P)が設定される。そして温度検出器121、122、123、124で検出された温度T1、T2、T3、T4と圧力検出器13で検出された圧力Pに対応する波長検出手段8の波長検出誤差Δλが上記誤差演算式Δλ=f(T、P)を用いて求められ、この求められた波長検出誤差Δλに応じて波長検出手段8で検出された波長λmが補正値λcに補正される。
【0049】
具体的には、
λc=λm+f(T、P) …(8)
なる式が設定され、検出温度T、検出圧力P、検出波長λmを上記(8)式に代入することによって補正値λcが求められる。つまり温度Tと圧力Pをパラメータとして波長検出誤差Δλを演算するものである。上記(8)式においてTはエタロン6が配設された容器11内の温度であり、Pは同容器11内の圧力である。
【0050】
図4は、図3と同様に温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差Δλが変化する様子を示す。この図4は上記(8)式で得られた補正検出波長λcと波長の真値との差である波長検出誤差Δλをシミュレーションで求めたものである。
【0051】
同図4に示すように上記(8)式で検出波長λmを補正した場合には、エタロン6を密封容器内に配設しただけの図3の場合に比較して短期的に発生する誤差(図3のA)は若干残るものの長期的に発生する累積誤差は取り除かれているのがわかる。
【0052】
このように温度Tと圧力Pをパラメータとして波長検出誤差Δλを求め、この波長検出誤差Δλを検出波長λmから取り除く演算を行った場合には長期的に発生する誤差が取り除かれる。
【0053】
したがって第1発明によれば、被検出光Lの検出位置8bのみを用いて常時波長λcを検出するに際して長期的に発生する誤差が取り除かれるので、従来技術と比較して波長の検出精度が向上するという効果が得られる。
【0054】
さらに上記第1発明を図1に対応させて説明する。
【0055】
すなわち第1発明によれば、容器11内の温度Tと容器11内の圧力Pと単位時間dt当たりの変化量dP(圧力Pの時間微分値)を変数として波長検出手段8の波長検出誤差Δλを求める誤差演算式Δλ=h(T、P、dP/dt)が設定される。そして温度検出器121、122、123、124で検出された温度T1、T2、T3、T4と圧力検出器13で検出された圧力Pと圧力検出器13で検出された圧力の単位時間当たりの変化量dP/dtに対応する波長検出手段8の波長検出誤差Δλが上記誤差演算式Δλ=h(T、P、dP/dt)を用いて求められ、この求められた波長検出誤差Δλに応じて波長検出手段8で検出された波長λmが補正値λcに補正される。
【0056】
具体的には、
λc=λm+h(T、P、dP/dt) …(13)
なる式が設定され、検出温度T、検出圧力P、演算された微分値dP/dt、検出波長λmを上記(13)式に代入することによって補正値λcが求められる。つまり温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtをパラメータとして波長検出誤差Δλを演算するものである。上記(13)式においてTはエタロン6が配設された容器11内の温度であり、Pは同容器11内の圧力である。
【0057】
図7は、図3と同様に温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差Δλが変化する様子を示す。この図7は上記(13)式で得られた補正検出波長λcと波長の真値との差である波長検出誤差Δλをシミュレーションで求めたものである。
【0058】
同図7に示すように上記(13)式で検出波長λmを補正した場合には、エタロン6を密封容器内に配設しただけの図3の場合に比較して短期的に発生する誤差(図3のA)が取り除かれるとともに長期的に発生する累積誤差が取り除かれているのがわかる。
【0059】
このように温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtをパラメータとして波長検出誤差Δλを求め、この波長検出誤差Δλを検出波長λmから取り除く演算を行った場合には長期的に発生する誤差のみならず短期的に発生する誤差についても取り除かれる。
【0061】
したがって第1発明によれば、被検出光Lの検出位置8bのみを用いて常時波長λcを検出するに際して長期的に発生する誤差のみならず短期的に発生する誤差についても取り除かれるので、従来技術と比較して波長の検出精度が向上するという効果が得られる。
【0062】
第2発明では、第1発明の分光器としてエタロン6が使用される。分光器としては入射される光Lの波長に応じて回折角度が異なるグレーティングを使用してもよい。要は光Lの波長の違いに応じて位置検出器8上の異なる位置に光Lを導くことができる分光器であればよい。
【0064】
第3発明では、第1発明と同様の効果が得られる。
【0065】
さらに第3発明では、上記(13)式によって補正された補正検出波長λcに基づいてレーザ装置1から発振されるレーザ光Lが目標波長λdに一致するように波長λが制御される。したがって従来技術と比較して波長制御の精度が向上する。
【0066】
第4発明では、第3発明の分光器としてエタロン6が使用される。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係る波長検出装置およびレーザ装置における波長検出装置の実施の形態について説明する。
【0068】
本実施形態ではクリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザの波長を検出する場合を想定している。しかしアルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザの波長を検出する場合にも適用することができる。クリプトンフッ素エキシマレーザの波長は約248.4nmである。アルゴンフッ素エキシマレーザの波長は約193.3nmである。またレーザ光以外の光の波長の検出にも適用することができる。
【0069】
図1は実施形態の波長検出装置が組み込まれたレーザ装置の全体構成を示す。
【0070】
同図1は図8に示す構成と基本的に同じ構成である。しかし基準光源20を使用していない点などが異なる。
【0071】
すなわち、被検出光源である狭帯域発振エキシマレーザ1からは被検出光としてレーザ光Lが出力される。狭帯域発振エキシマレーザ1から出力されたレーザ光Lの一部はビームスプリッタ3によって反射され、この反射光は入射窓5を介して波長モニタ部9に入射される。入射窓5は拡散板を用いて構成されており拡散板からはレーザ光Lが散乱されて出射されエタロン6に入射される。
【0072】
エタロン6は内側の面が部分反射ミラーとされた2枚の透明板6a、6bから構成されている。透明板6a、6b間にはエアギャップ6cが形成されている(図2参照)。エタロン6の透過波長λは上記(1)式(λ=(2nd/m)cosθ )で表される。
【0073】
エタロン6は密封された容器11内に配設されている。この密封容器11を図2に拡大して示す。同図2に示すように容器11内の各場所には容器11内の各場所の温度T1、T2、T3、T4を検出する温度検出器121、122、123、124がそれぞれ配設されている。温度検出器としてたとえば熱電対が使用される。また容器11内の所定場所には容器11内の圧力Pを検出する圧力検出器13が配設されている。
【0074】
なおエタロン6の周辺の圧力(容器11内の圧力)をPaとし容器11内の平均温度をTaとする。そしてエタロン6のエアギャップ6cにおける圧力をPgとしエアギャップ6cにおける温度をTgとする。
【0075】
なお本実施形態ではエタロン6のみを収容する容器11を想定しているが、エタロン6とともにエタロン6以外の光学機器を収容してもよい。たとえば波長モニタ部9全体を密封容器11として構成する実施も可能である。
【0076】
エキシマレーザ光Lはエタロン6を通過して集光レンズ7に出射される。集光レンズ7はたとえば色収差補正が施された色消しレンズであり、光Lが色消し集光レンズ7を経ることにより色収差が補正される。
【0077】
位置検出器8は集光レンズ7の焦点上に配設されている。位置検出器8としてはたとえばラインセンサが使用される。集光レンズ7を経た光Lは位置検出器8に結像され、位置検出器8の検出面上にレーザ光Lの波長に対応した干渉縞8bを形成する。位置検出器8からは干渉縞8bの検出位置(干渉縞8bの半径)を示す信号がCPU2に対して出力されCPU2に入力される。
【0078】
CPU2には温度検出器121、122、123、124の検出温度T1、T2、T3、T4を示す信号および圧力検出器13の検出圧力Pを示す信号が入力される。
【0079】
CPU2では干渉縞8bの検出位置と上記各検出器121〜124、13の検出温度、検出圧力に基づき後述する演算が行われ被検出光Lの絶対波長λcが求められる。
【0080】
こうして狭帯域発振エキシマレーザ1から出力されるレーザ光Lの絶対波長λcが検出されると、この検出波長λcと目標波長λdとの偏差を零にするための制御信号が狭帯域化素子ドライバ10に対して出力される。狭帯域化素子ドライバ10は上記制御信号に応じて狭帯域化発振エキシマレーザ1の共振器内に配設されたエタロン、グレーティングなどの狭帯域化素子を駆動する。この結果エキシマレーザ光Lの発振波長λcが目標波長λdに一致される。
【0081】
ここで本実施形態に適用される原理について説明する
エタロン6のエアギャップ6c内の分子密度Dgが変化すると、エアギャップ内圧力Pg、温度Tgが変化する。したがって上記(2)、(3−1)式よりエアギャップ内屈折率nが変化することになりこれは波長検出誤差Δλとなって顕れる。
【0082】
分子密度Dgの変化は、エタロン6のエアギャップ6cへの気体分子の流入または流出によって生じる。そしてかかる分子の流入または流出はエアギャップ内圧力Pgとその周辺の圧力Pa(容器11内の圧力Pa)との間で圧力差が生じることによって発生する。この圧力差が発生する原因はつぎのa)〜d)の4つであると考えられる。
【0083】
a)エタロン6を収容する容器11内で何らかの物質が気化する場合
b)容器11の体積Vが温度Tなどによって変化する場合
c)容器11と外部との間で気体が流入または流出する場合
d)容器11の温度が外部の熱源の影響を受けて変化する場合
である。
【0084】
たとえばエタロン6の表面に吸着された分子がアウトガスとして拡散することが上記a)に相当する。また熱膨脹が上記b)に相当する。また容器11をたとえ密封容器にしても完全に密封することはできず容器11からガスの漏れが生じてしまうことが上記c)に相当する。また容器11の近傍に狭帯域発振エキシマレーザ1という熱源が存在することが上記d)に相当する。
【0085】
本実施形態では、上記各原因a)〜d)によって生じる波長検出誤差Δλを、温度T、圧力Pに基づいて予測演算し、この波長検出誤差Δλを用いて位置検出器8の検出位置から得られた検出波長λmを補正することで、長期的に発生する誤差および短期的に発生する誤差を取り除き波長検出の精度を高めようとするものである。
【0086】
上記原因a)〜d)のうち原因a)〜c)については温度Tと圧力Pに依存する。よって温度Tと圧力Pをパラメータとして波長検出誤差Δλを求めることができる。
【0087】
原因a)、b)、c)によるエタロン6のエアギャップ6c内の分子密度Dgの変化量ΔDgを求めることを考える。
【0088】
いま容器11内の平均分子密度Daは気体の状態方程式P・V=n・R・Tを用いて下記(5)式のように表される。
【0089】
Da=n/V=Pa/(R・Ta) …(5)
ここでnは容器11内の分子数であり、Vは容器11の体積であり、Rは気体定数である。
【0090】
エタロン6のエアギャップ6c内の分子密度Dgは容器内平均分子密度Daと同じであると仮定する。すると上記(10)式からエアギャップ内分子密度Dgの変化量ΔDgは、圧力Paと温度Taに依存していることがわかる。結局エアギャップ6c内の分子密度Dgが変化することによる波長検出誤差Δλはf′を所定の関数としてつぎの式(6)で表される。
【0091】
Δλ=f′(P、T、ΔP、ΔT) …(6)
ここで位置検出器8の検出位置から求められた検出波長をλmとすると、真の波長λtは次式(7)で表される。
【0092】
λt=λm+Δλ=λm+f′(P、T、ΔP、ΔT) …(7)
実際には圧力Pと温度Tが与えられた場合に、関数fをP、Tを変数とする関数として次式(8)によって補正検出波長λcを求めることができる。
【0093】
λc=λm+f(T、P) …(8)
以上が原因a)〜c)を考慮した場合の補正演算の内容である。
【0094】
つぎに原因d)を考慮した場合の補正演算について検討する。
【0095】
上記原因a)〜d)のうち原因d)については圧力Pの単位時間当たりの変化量に依存する。よって圧力Pの単位時間当たりの変化量をパラメータとして波長検出誤差Δλを求めることができる。
【0096】
外部の熱源によって容器11に熱が加えられたとき又は容器11から外部に熱が放出されたときには、容器11の内部の気体の密度が一時的に不均一になる。これはつぎにように説明される。
【0097】
すなわち熱の伝搬は時間がかかるために、熱による温度の上昇という現象は容器11の周囲部分より始まりエタロン6のエアギャップ6c内へと時間をかけて伝搬される。この過渡期においてエタロンギャップ6c内の空間と周囲空間との間で一時的な圧力差が発生する。この圧力差をうち消すために分子の流入がエアギャップ6c内空間と周囲空間との間で行われる。やがて熱がエタロン6のエアギャップ6cに到達すると今度はエタロン6のエアギャップ6c内の圧力Pgが高くなり逆に分子がエアギャップ6cから周囲空間に放出されて全体の密度は均一になる。観測される圧力Paは全体が均一になるまで(すなわち圧力Pgが安定した状態になるまで)変化する。圧力Paが安定したときには分子の流入流出が発生しておらず気体密度も均一になっている。以上の現象は容器11の外部に熱が放出される場合も同様である。
【0098】
なおエアギャップ内圧力Pgと容器内圧力Paは分子の移動に伴い同一の圧力となる。圧力の変化する速度は分子の移動速度に依存する。移動速度は一般に非常に速く最大で音速になる。
上記現象による波長検出誤差Δλは周囲空間の圧力Paの時間変化で表される。これはつぎのような理由による。
【0099】
すなわち仮に周囲圧力Paの変化がないとすると当然エアギャップ6cにおいて分子の流入、流出が発生しない。逆に圧力Paが変化している場合にはその時間的変化量dPa/dtが大きいほどエアギャップ6c内の空間の圧力Pgと周囲の圧力Paの圧力差は大きくなりPg=Paにするための分子の流入量、流出量が大きくなるからである。
【0100】
よって原因d)による波長検出誤差Δλはgを所定の関数として以下の式で表される。
【0101】
Δλ=g(P、T、ΔP、ΔT、dPa/dt) …(9)
上記(9)式中で温度T、ΔTを変数としているのは、容器11内全体の分子数の増減による圧力Pの影響を排除するためである。
【0102】
以上のことをまとめると、a)〜d)の原因によって発生する波長検出誤差Δλは、以下のように表される。
【0103】
Δλ=f′(P、T、ΔP、ΔT)+g(P、T、ΔP、ΔT、dPa/dt)…(10)
そしてこの波長検出誤差Δλによって補正して得られる真の波長λtは以下のように表される。
【0104】
λt=λm+f′(P、T、ΔP、ΔT)+g(P、T、ΔP、ΔT、dPa/dt) …(11)
また関数f′と関数gを一つの関数h′にまとめて表すと以下のように表される。
【0105】
λt=λm+h′(P、T、ΔP、ΔT、dPa/dt)…(12)
実際には圧力Pと温度Tと圧力Pの時間微分値dP/dtが与えられた場合に、関数hをP、T、dP/dtを変数とする関数として次式(13)によって補正検出波長λcを求めることができる。
【0106】
λc=λm+h(T、P、dP/dt) …(13)
ただし時間微分値dP/dtについては現時点の値よりも少し過去の微分値を使用した方が精度がよくなる場合がある。
【0107】
つぎに上記(8)式から得られる補正検出波長λcと波長の真の値λtとの間の誤差について検討を加える。このときの波長検出誤差Δλは次式によって表される。
【0108】
Δλ=K・(P/T−P0/T0) …(14)
ただしKは屈折率nで定まるパラメータであり、P0、T0は基準となる圧力および温度である。
【0109】
図4は、図3と同様に温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差Δλが変化する様子を示す。この図4は上記(8)式で得られた補正検出波長λcと波長の真値λtとの差である波長検出誤差Δλを上記(14)式にしたがいシミュレーションで求めたものである。
【0110】
同図4に示すように上記(8)式で検出波長λmを補正した場合には、エタロン6を密封容器内に配設しただけの図3の場合に比較して短期的に発生する誤差(図3のA)は若干残るものの長期的に発生する累積誤差は取り除かれているのがわかる。
【0111】
つぎに(13)式から得られる補正検出波長λcと波長の真の値λtとの間の誤差について検討を加える。このときの波長検出誤差Δλは次式によって表される。
【0112】
Δλ=K・(P0/T0)[P/(P+k・dP/dt)−1] …(15)
図7は、図3と同様に温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差Δλが変化する様子を示す。この図7は上記(13)式で得られた補正検出波長λcと波長の真値との差である波長検出誤差Δλを上記(15)式にしたがいシミュレーションで求めたものである。
【0113】
同図7に示すように上記(13)式で検出波長λmを補正した場合には、エタロン6を密封容器内に配設しただけの図3の場合に比較して短期的に発生する誤差(図3のA)が取り除かれるとともに長期的に発生する累積誤差が取り除かれているのがわかる。
【0114】
以上のことから位置検出器8の検出位置から波長を検出するに際して短期的に顕れる波長検出誤差および長期的に顕れる波長検出誤差の双方を取り除くためには温度T、圧力Pおよび圧力Pの時間微分値dP/dtの3つのパラメータを使用した下記(16)式の誤差演算式により波長検出誤差Δλを計算すればよいことがわかる。
【0115】
Δλ=h(T、P、dP/dt) …(16)
また上記(16)式の代わりにsを所定の関数として下記(17)式の誤差演算式から波長検出誤差Δλを計算することもできる。
【0116】
Δλ=s(T、P、dT/dt) …(17)
この場合には(13)式の代わりに下記(18)式を用いて補正検出波長λcが求められる。
【0117】
λc=λm+s(T、P、dT/dt) …(18)
この(18)式はつぎのような考え方に基づく。
【0118】
すなわち原因d)は容器11の外部の熱源によって熱が容器11内に流入したり容器11から外部へ熱が流出するということである。そこで温度の変化dT/dtをとらえることよって熱量の流入、流出速度を算出し、これからエタロン6のエアギャップ6c内の圧力Pgと周囲圧力Paとの圧力差による分子の流入、流出を推測するというものである。
【0119】
しかし圧力Pの時間微分値dP/dtの代わりに温度Tの時間微分値dT/dtを使用した場合には以下のような問題が発生する。すなわち、
・圧力変化dP/dtから直接圧力差を検出する場合に比較して圧力差の検出が間接的である。
【0120】
・熱の伝達方向と温度検出器との位置関係次第で、温度検出値の変化が速い場合もあれば遅い場合もある。したがって複数点の温度を検出して正確な温度検出値の変化を求めることが必要となる。
【0121】
・温度検出器で検出した温度Tから得られる温度Tの変化量dT/dtはその検出点近傍の熱容量の影響を受ける。すなわち温度検出器の周囲の熱容量が他の場所(エタロン6の近傍など)と比較して非常に大きい場合にはその検出点の温度変化は非常にゆっくりとしたものとなり温度Tの変化量dT/dtはその検出点だけ非常に小さくなる。このためその分だけエアギャップ6c内圧力Pgと周囲圧力Paとの圧力差の推測に誤差が生じることになる。もちろん逆に検出点における熱容量が小さい場合にも同様にして推測誤差が生じることになる。
【0122】
したがって上記(18)式から補正検出波長λcを求めるよりも(13)式から補正検出波長λcを求める方が精度の点で望ましい。
【0123】
つぎに温度Tを変数とせずに圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtを変数とする所定の関数uから波長検出誤差を求めて補正検出波長λcを演算する次式(19)について検討を加える。
【0124】
λc=λm+u(P、dT/dt) …(19)
上記(19)式から得られる補正検出波長λcと波長の真の値との間の誤差について検討する。
【0125】
図5は、図3と同様に温度変化を外乱として与えた場合に波長検出誤差Δλが変化する様子を示す。この図5は上記(19)式で得られた補正検出波長λcと波長の真値との差である波長検出誤差Δλをシミュレーションで求めたものである。
【0126】
同図5に示すように上記(19)式で検出波長λmを補正した場合には、エタロン6を密封容器内に配設しただけの図3の場合に比較して短期的に発生する誤差(図3のA)は取り除かれているものの長期的に発生する累積誤差は依然として取り除かれていないのがわかる。
【0127】
したがって長期的に発生する誤差を取り除くためには、少なくとも上記(8)式のように温度Tと圧力Pを変数とする所定の関数fから波長検出誤差を求めて補正検出波長λcを演算することが必要となる。
【0128】
つぎに上述した原理にしたがいCPU2で行われる処理について説明する。
【0129】
図示しないメモリには上記(13)式、
λc=λm+h(T、P、dP/dt) …(13)
が設定されている。
【0130】
この(13)式は温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtを各パラメータとして波長検出誤差Δλを演算し、これに位置検出器8の検出位置から得られる検出波長λmを加算することで補正検出波長λcを求める式である。
【0131】
ここで関数hは温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtをそれぞれ実測したデータと、これらに対応する波長を実測したデータとに基づき定めることができる。また上記(2)式、(3−1)式、(3−2)式にしたがいシミュレーションを実行することによって関数fを定めることができる。
【0132】
この場合上記(13)式を演算式の形式でメモリに記憶しておき、温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtが与えられると当該演算式による演算を実行して補正検出波長λcを出力できるようにしておく。また上記(13)式にしたがい温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtに対応する補正検出波長λcのデータを予め求めておきこのデータを記憶テーブルの形式でメモリに予め記憶しておき温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtが与えられるとメモリから対応する補正検出波長λcを読み出して出力させてもよい。
【0133】
CPU2では温度検出器121、122、123、124の検出温度T1、T2、T3、T4の平均値Taが求められる。この求められた平均値Taが容器11内の平均温度Taとなる。なお温度検出器を複数用意してその平均値Taを求めているのは、容器11内には温度分布があるため一つの温度検出器の出力からだけでは容器11内の平均温度Taを正確に検出できないからである。もちろん温度分布が特に問題とならない場合には一つの温度検出器を容器11内に配設して容器11の温度を検出してもよい。またCPU2には圧力検出器13の検出圧力Pが入力される。なお容器11内に圧力Pの圧力分布があったとしても圧力分布は音速で消滅するので1つの圧力検出器13だけで容器11内の圧力Pをほぼ正確に検出することができる。
【0134】
また圧力検出器13の出力Pに基づき圧力Pの時間微分値dP/dtが演算される。また位置検出器8の干渉縞8bの検出位置に基づきレーザ光Lの検出波長λmが演算される。
【0135】
これら平均温度Taと圧力Pと微分値dP/dtとレーザ光Lの検出波長λmは所定のサンプリング周期毎に取得される。つぎにこの所定のサンプリング周期毎に取得される演算平均温度Taと検出圧力Pと演算微分値dP/dtとレーザ光Lの検出波長λmとが上記演算式(13)に代入され補正検出波長λcが所定のサンプリング周期毎に求められる。
【0136】
このように温度Tと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtをパラメータとして波長検出誤差Δλを求め、この波長検出誤差Δλを検出波長λmから取り除く演算を行った場合には、前述した図7に示すように長期的に発生する誤差のみならず短期的に発生する誤差についても取り除かれる。
【0137】
なお(13)式で圧力Pの時間微分値dP/dtの代わりに温度Tの時間微分値dT/dtを使用してもよい。具体的に上記(13)式の代わりに上記(18)式、
λc=λm+s(T、P、dT/dt) …(18)
が使用される。
【0138】
この(18)式は温度Tと圧力Pと温度Tの時間微分値dT/dtをパラメータとして波長検出誤差Δλを演算し、これに位置検出器8の検出位置から得られる検出波長λmを加算することで補正検出波長λcを求める式である。
【0139】
CPU2では温度検出器121、122、123、124の検出温度T1、T2、T3、T4の平均値Taが求められる。この求められた平均値Taが容器11内の平均温度Taとなる。また求められた平均温度Taに基づき温度Tの時間微分値dT/dtが演算される。また圧力検出器13の検出圧力Pが入力される。また位置検出器8の干渉縞8bの検出位置に基づきレーザ光Lの検出波長λmが演算される。
【0140】
これら演算平均温度Taと検出圧力Pと演算微分値dT/dtとレーザ光Lの検出波長λmは所定のサンプリング周期毎に取得される。つぎにこの所定のサンプリング周期毎に取得される演算平均温度Taと検出圧力Pと演算微分値dT/dtとレーザ光Lの検出波長λmとが上記演算式(6)に代入され補正検出波長λcが所定のサンプリング周期毎に求められる。
【0141】
このように温度Tと圧力Pと温度Tの時間微分値dT/dtをパラメータとして波長検出誤差Δλを求め、この波長検出誤差Δλを検出波長λmから取り除く演算を行った場合には前述した図7に示すように長期的に発生する誤差のみならず短期的に発生する誤差についても取り除かれる。
【0142】
以上のように本実施形態によれば、レーザ光Lの検出位置8bのみを用いて所定のサンプリング周期毎に常時波長λcを検出することができる。そして常時波長λcを検出するに際して長期的に発生する誤差のみならず短期的に発生する誤差についても取り除かれるので、従来技術と比較して波長の検出精度が向上する。
【0143】
そして上記(13)式または(18)式によって補正された補正検出波長λcに基づいて狭帯域発振エキシマレーザ装置1から発振されるレーザ光Lが目標波長λdに一致するように波長λが制御される。したがって従来技術と比較して波長制御の精度が向上する。
【0144】
また上記(13)式から圧力Pの時間微分値dP/dtというパラメータを除去した上記(8)式、
λc=λm+f(T、P) …(8)
によって補正検出波長λcを求めるようにしてもよい。
【0145】
この(8)式は温度Tと圧力Pをパラメータとして波長検出誤差Δλを演算し、これに位置検出器8の検出位置から得られる検出波長λmを加算することで補正検出波長λcを求める式である。
【0146】
CPU2では温度検出器121、122、123、124の検出温度T1、T2、T3、T4の平均値Taが求められる。この求められた平均値Taが容器11内の平均温度Taとなる。また圧力検出器13の検出圧力Pが入力される。また位置検出器8の干渉縞8bの検出位置に基づきレーザ光Lの検出波長λmが演算される。
【0147】
これら演算平均温度Taと検出圧力Pとレーザ光Lの検出波長λmは所定のサンプリング周期毎に取得される。つぎにこの所定のサンプリング周期毎に取得される演算平均温度Taと検出圧力Pとレーザ光Lの検出波長λmとが上記演算式(8)に代入され補正検出波長λcが所定のサンプリング周期毎に求められる。
【0148】
このように温度Tと圧力Pをパラメータとして波長検出誤差Δλを求め、この波長検出誤差Δλを検出波長λmから取り除く演算を行った場合には上述した図4に示すように長期的に発生する誤差が取り除かれる。
【0149】
このように(13)式から圧力Pの時間微分値dP/dtのパラメータを除いた(8)式から補正検出波長λcを求める実施形態においても、被検出光Lの検出位置8bのみを用いて常時波長λcを検出することができ常時波長λcを検出するに際して長期的に発生する誤差が取り除かれるので、従来技術と比較して波長の検出精度が向上するという効果が得られる。
【0150】
さらに上記(8)式によって補正された補正検出波長λcに基づいて狭帯域発振エキシマレーザ装置1から発振されるレーザ光Lが目標波長λdに一致するように波長λが制御される。したがって従来技術に比較して波長制御の精度が向上する。
【0151】
なお本実施形態では、分光器としてエタロン6を使用しているが、エタロン6を使用する代わりに、入射される光Lの波長に応じて回折角度が異なるグレーティングを使用してもよい。要は光Lの波長の違いに応じて位置検出器8上の異なる位置に光Lを導くことができるものであれば本実施形態の分光器として使用することができる。
【0152】
なお本実施形態では基準光Lbを何ら使用しない場合を想定している。しかし本発明としては基準光Lbの使用を妨げるものではない。位置検出器8の検出位置と被検出光Lの検出波長λmとのキャリブレーションを実行するために基準光Lbを使用することができる。このキャリブレーションは装置稼働前に行ってもよく、装置稼働中に適宜行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る波長検出装置およびレーザ装置における波長検出装置の実施形態の構成を示す図である。
【図2】図2は図1に示す容器内の物理量を説明する図である。
【図3】図3は検出波長を何ら補正しない場合に温度変化が波長検出誤差に与える影響を説明する図である。
【図4】図4は温度Tと圧力Pの各パラメータが波長検出誤差に与える影響を説明する図である。
【図5】図5は圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtの各パラメータが波長検出誤差に与える影響を説明する図である。
【図6】図6は温度Tと温度Tの時間微分値dT/dtの各パラメータが波長検出誤差に与える影響を説明する図である。
【図7】図7はTと圧力Pと圧力Pの時間微分値dP/dtの各パラメータが波長検出誤差に与える影響を説明する図である。
【図8】図8は従来の波長検出装置が使用されるレーザ装置の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 被検出光源(狭帯域発振エキシマレーザ)
2 CPU
6 エタロン(分光器)
8 位置検出器
9 波長モニタ部
11 容器
121〜124 温度検出器
13 圧力検出器

Claims (4)

  1. 被検出光源で発光される被検出光が入射される分光器と、前記分光器から出射された被検出光が導かれ被検出光の照射位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器で検出された被検出光の検出位置に応じて被検出光の波長を検出する波長検出手段とを具えた波長検出装置において、
    前記分光器を容器内に配設し、
    前記容器内の温度を検出する温度検出器と、
    前記容器内の圧力を検出する圧力検出器と、
    前記容器内の温度と前記容器内の圧力と前記容器内の圧力の単位時間当たりの変化量とを変数として前記波長検出手段の波長検出誤差を求める誤差演算式を設定する設定手段と、
    前記温度検出器で検出された温度と前記圧力検出器で検出された圧力と前記圧力検出器で検出された圧力の単位時間当たりの変化量とに対応する前記波長検出手段の波長検出誤差を前記設定手段で設定された誤差演算式を用いて求め、この求められた波長検出誤差に応じて前記波長検出手段で検出された波長を補正する補正演算手段と
    を具えた波長検出装置。
  2. 前記分光器はエタロンである請求項1記載の波長検出装置。
  3. レーザ装置から発振されるレーザ光が入射される分光器と、前記分光器から出射されたレーザ光が導かれレーザ光の照射位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器で検出されたレーザ光の検出位置に応じてレーザ光の波長を検出する波長検出手段と、前記波長検出手段の検出波長に基づいて前記レーザ装置から発振されるレーザ光が目標波長に一致するように波長を制御する波長制御手段とを具えたレーザ装置における波長検出装置において、
    前記分光器を容器内に配設し、
    前記容器内の温度を検出する温度検出器と、
    前記容器内の圧力を検出する圧力検出器と、
    前記容器内の温度と前記容器内の圧力と前記容器内の圧力の単位時間当たりの変化量とを変数として前記波長検出手段の波長検出誤差を求める誤差演算式を設定する設定手段と、
    前記温度検出器で検出された温度と前記圧力検出器で検出された圧力と前記圧力検出器で検出された圧力の単位時間当たりの変化量とに対応する前記波長検出手段の波長検出誤差を前記設定手段で設定された誤差演算式を用いて求め、この求められた波長検出誤差に応じて前記波長検出手段で検出された波長を補正する補正演算手段と
    を具えたレーザ装置における波長検出装置。
  4. 前記分光器はエタロンである請求項3記載のレーザ装置における波長検出装置。
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