JP4041083B2 - 抄紙機用プレスロール、その製造方法、湿紙に対するプレス方法および抄紙機用プレスロールの表面研磨方法 - Google Patents

抄紙機用プレスロール、その製造方法、湿紙に対するプレス方法および抄紙機用プレスロールの表面研磨方法 Download PDF

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Description

この発明は、抄紙機用プレスロールに関し、特に抄紙機のプレスパートに使用されて湿紙の搾水を行い、かつ紙の表面に平滑性を付与するプレスロールに関するものである。
抄紙機のプレスパートにおける湿紙のプレスの方式としては、代表的にロールプレスおよびエクテンディッドニッププレス(ENP)が知られている。これらのうち、ロールプレスは、湿紙をフェルト上に保持して加圧された2つの回転ロール間を通過させて搾水を行なう方式であり、エクステンディッドニッププレスは、湿紙をフェルト上に保持して、広いニップ幅を有する加圧シューにて加圧されたベルトと回転ロールとの間を通過させて搾水を行なう方式である。
上記のいずれの方式においても、加圧効果および平滑性付与効果を考慮して表面硬質の回転ロールが用いられている。ロールプレスにおいては、例えば、表面硬質の回転ロールとゴム被覆ロール等とを組み合わせて使用している。
表面硬質の回転ロールは、紙の表面に平滑性を付与する性能とともに、高荷重、高速回転、および長期間の使用に耐え得ることが望まれている。この要望に応えるため、過去においては、天然花崗岩を用いたストーンロール(グラナイトロール)が用いられた。ストーンロールは、一般に鏡面状の表面仕上が可能であるために紙への平滑性付与効果に優れ、表面硬度も高く、紙カス除去用に通常付設されているドクターブレードによる摩耗も少ない。また、ストーンロールは、花崗岩に含まれる結晶粒の間隙や雲母のへき開などによる凹部をロール表面に有しており、これが適度な保水性を付与するので湿紙の紙離れも良好である。さらに、長期間の使用においても、パルプに含まれるピッチ等が付着しにくいという諸特性を有するので、プレス時の紙切れが発生しにくい。
ストーンロールは上記のような利点を有するが、天然石を素材としているため次のような欠点も有している。まず、資源の枯渇化等の影響で石材の入手が困難になり、そのため価格が高騰し、納期も長期間となる。また、長尺大型化するプレスロール用の大型石材を採石し、運搬および加工することは困難を極める。さらに、素材が多結晶性の天然石であるがゆえに、製造された各ロール毎にその表面特性(例えば、表面の凹凸、表面硬度、保水性等)にバラツキが見られると共に、一本のロール表面においてさえも、かかる表面特性のバラツキがしばしば見られるという本質的な問題点があった。
ストーンロールに代わるものとして、特開昭50−90704号公報(特許文献1)に硬質ゴムや硬質樹脂に花崗岩や硅砂等の粉粒を混入し成形した合成ストーンロールが提案されている。しかしながら、かかる合成ストーンロールは表面の保水性が不十分で基本的に紙離れが不良である。また、有機物をバインダーとして用いているため、ピッチが付着し易い上、表面硬度が低いので、ドクターブレードによって表面の均質性が阻害され易い。このため、短時間で紙切れや紙しわが生じ易く、長時間の運転に適さない。
上記の問題点を解消し得るプレスロールとして、セラミックスをコアロール上に溶射したセラミックス溶射ロールが提案されている。コアロール上にセラミックス膜を形成する方法として、水安定化プラズマ溶射法およびガスプラズマ溶射法等がある。水安定化プラズマ溶射法によってコアロール上にセラミックス膜を形成した抄紙機用プレスロールは、例えば、ヨーロッパ特許公報EP0207921B(特許文献2)に開示されている。ガスプラズマ法によってコアロール上にセラミックス膜を形成した抄紙機用プレスロールは、例えば、特開平8−232188号公報(特許文献3)に開示されている。
特開昭50−90704号公報 ヨーロッパ特許公報EP0207921B 特開平8−232188号公報
水安定化プラズマ溶射法の場合、一般的に溶射材料として使用されるセラミックス粉末の粒子径が大きいので、形成される溶射膜が緻密ではなくなる。そのため、水安定化プラズマ溶射法によってセラミックス膜を形成した抄紙機用プレスロールは、ロール表面が粗くなる結果、紙への平滑性付与効果に劣り、また、ロール表面に摺接するドクターブレードが激しく摩耗すると考えられていた。このため、抄紙機用プレスロールのセラミックス膜形成法として、水安定化プラズマ溶射法はあまり注目されていない。
一方、ガスプラズマ溶射法の場合、溶射材料として使用されるセラミックス粉末の粒子径が小さいので、形成される溶射膜は緻密なものとなる。このような観点から、現在では、ガスプラズマ溶射法によってセラミックス膜を形成した抄紙機用プレスロールが主流を占めている。
しかしながら、本願発明者が調査したところによると、ガスプラズマ溶射法によってセラミックス膜を形成したプレスロールの場合、溶射膜が緻密であるため、ロール表面の平滑性が良好である反面、ロール表面と湿紙との密着性が強く、紙離れ性が悪くなるという問題があった。紙離れ性が悪いと、プレスニップを通過する際に湿紙の表面部分が剥がれ、ロール表面に紙カスとして付着してしまい、紙の品質悪化の原因となる。また、紙離れ性が悪いと、プレスニップから次の工程へ向けてのドロー値(ロール表面から湿紙を剥がすのに要する引っ張りの程度)を大きくする必要が生じる。ドロー値が大きいと、ロール表面から湿紙を剥がすときの引っ張りによって紙に歪が生じ、紙の品質が悪化する。さらに、紙離れ性が悪いと、プレスロールに続く工程との間で紙切れが発生し、製紙工場にとって大きな損害が発生することもある。このように、プレスロールにとって、紙離れ性の悪さは致命的な欠陥となる恐れがある。
従来、プレスロールのセラミックス膜は、紙への平滑性付与およびドクターブレードの摩耗防止の観点からは表面粗さが小さい方が良い反面、紙離れ性の観点からは表面粗さが大きい方が良いと考えられていた。表面粗さを評価する指標としては、JIS B0601−2001(ISO4287−1997)に規定する算術平均粗さRaが使用されていた。算術平均粗さRaは、凸部の高さと凹部の深さを絶対値として等価に扱い、平均粗さの数値を求める考え方に基づいている。しかしながら、本発明者の調査、研究したところによると、算術平均粗さRaのみではセラミックス溶射膜を備えた抄紙機用プレスロールの表面特性を正しく評価することができない。
抄紙機用プレスロールにおいて、紙への平滑性付与およびドクターブレードの摩耗に影響するのは、プレスロールの凸の部分のみであり、凸部の高さを小さくすることにより、紙へ平滑性を付与する効果およびドクターブレードの摩耗を防止する効果を高めることができる。一方、湿紙の紙離れ性に影響するのは、プレスロールの凹の部分であり、凹部の深さあるいは容積を大きくすることにより、凹部での保水性または空気補足性が良くなり、それにより、湿紙の密着性を低下させることができ、紙離れ性が向上する。従来のように、プレスロールの表面粗さを算術平均粗さRaで評価した場合、紙への平滑性付与効果を高めるか、あるいはドクターブレードの摩耗を防止するためにRaの値を小さくすると、湿紙の紙離れ性が悪くなり、逆に湿紙の紙離れ性を向上させるために表面を粗くしてRaの値を大きくすると、平滑性付与効果が低下し、ドクターブレードの摩耗も起こりやすくなる。このように、ロール表面の算術平均粗さRaをいくらに設定した場合でも、紙への平滑性付与効果の低下およびドクターブレードの早期摩耗か、湿紙の紙離れ性の低下かのいずれかの問題が発生することがあり、これらの全てにおいて優れた性能を得ることは困難であった。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、平滑性付与効果、ドクターブレードの摩耗防止および紙離れ性の全てにおいて優れた性能を発揮するセラミックス溶射膜を備えた抄紙機用プレスロールを提供することである。
本発明の他の目的は、平滑性付与効果、ドクターブレードの摩耗防止および紙離れ性の全てにおいて優れた性能を発揮するセラミックス溶射膜を備えた抄紙機用プレスロールの製造方法を提供することである。
セラミックス溶射膜を備えたプレスロールの表面性状において、凸部の高さと凹部の深さとは絶対値として等価に扱うことはできず、それぞれが別の性能に関係していると考えるべきである。セラミックス溶射膜を備えたプレスロールの表面性状として理想的なのは、凸部の高さが小さく、凹部の深さが大きいことである。
このような観点に立ち、本発明者は、プレスロールの表面性状を評価する指標として、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータに着目した。なお、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)の規格は、微細仕上げされたプラトー部分と、その下側に深い谷部分とをもつ表面のためのフィルタ処理方法について規定したものである。ここで、“プラトー部分”とは、粗い輪郭曲線の高い部分を微細仕上げによって除去してできる不規則波形部分をいい、“谷部分”とは、プラトー部分の下側にある不規則波形部分をいう。
プラトー構造表面の特性評価パラメータ
図1、図2および図3を参照して、プラトー構造表面の特性評価パラメータを説明する。なお、Mr1、Mr2、Rpk、RvkおよびRkはJIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定されており、VoおよびKについてはJIS B0671(ISO13565)に規定はされていないが、これらに関連して一般に用いられている民間規格である。
(以下、出典:「表面粗さ形状測定機『HANDYSURF E−35A』取扱説明書」(株式会社東京精密)、65頁、66頁、67頁)。
『この規格は、負荷曲線を初期摩耗部・実質接触部そして油溜り部に分けて潤滑性を評価するものである。主に、プラトーホーニング加工面を対象にしており、図1の負荷曲線より下記のパラメータを算出する。
(1)コア部の負荷長さ率1(初期摩耗負荷率)Mr1(Material Portion 1)
負荷曲線上でtp値の方向に40%の幅をとり、この間のデータより算出する最小二乗直線の傾斜が最小となる位置を探し、その直線(等価直線)と、tp=0%の限界線との交点aを求める。
この交点aからの水平線acと負荷曲線との交点をc、またそのときのtp値をMr1とする。これは初期摩耗後の負荷長さ率を表す。
(2)コア部の負荷長さ率2(油溜り負荷率)Mr2(Material Portion 2)
負荷曲線上でtp値の方向に40%の幅をとり、この間のデータより算出する最小二乗直線の傾斜が最小となる位置を探し、その直線(等価直線)と、tp=100%の限界線との交点bを求める。
この交点からの水平線bdと負荷曲線との交点をd、またそのときのtp値をMr2とする。これは長期摩耗後の負荷長さ率を表す。
(3)突出山部高さRpk(Reduced peak height)
0%限界値と辺acと負荷曲線とで囲まれる部分の面積と等しい、この辺acを一辺とする直角三角形をなすようなtp=0%の限界線上の高さをRpkとする。これは、初期摩耗高さを表している。
(4)突出谷部深さRvk(Reduced valley depth)
100%限界値と辺bdと負荷曲線とで囲まれる部分の面積と等しい、この辺bdを一辺とする直角三角形をなすような100%限界線上の高さをRvkとする。これは、油溜りの谷深さを表している。
(5)コア部のレベル差Rk(Core roughness depth)
上記で求めたc、d間の高さの差をRkとする。これは、面が長期間の摩耗で使用できなくなるまでに摩耗する高さを表している。
(6)油溜り量Vo(Oil retention Volume)
1cmの面積の表面あたりの、油溜り深さの中に留まる油の容積を表している。
Vo=(100−Mr2)×Rvk/2000 (mm/cm
上式で、Mr2の単位は%、Rvkの単位はμmである。
(7)油溜り深さ率K(Reduced valley depth ratio)
油溜りの深さの有効負荷粗さに対する比を表し、この値が大きい程潤滑性は良好である。』
上記のとおり、JIS B0671−2(ISO13565−2)は潤滑性を評価するために策定された規格である。この規格は、主としてエンジンのシリンダ内面における摺動性および油溜り量を評価する場合などに用いられているものである。ところが、セラミックス溶射膜を備えたプレスロールに対してもこの規格を用いることにより、紙への平滑性付与効果、ドクターブレードの摩耗性および湿紙の紙離れ性を適切に評価することができる。
請求項1および請求項2に係る発明
この発明に従った抄紙機用プレスロールは、コアロールと、このコアロールの外周に形成されたセラミックス溶射膜とを備え、セラミックス溶射膜は、プラトー構造表面の特性評価パラメータであるRkおよびVoの値が、以下の範囲となることを特徴とする。
Rk≦8.0μm
Vo≧0.030mm/cm
(但し、Vo=(100−Mr2)×Rvk/2000(mm/cm))
ここで、Rk、Mr2およびRvkは、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するコア部のレベル差Rk、コア部の負荷長さ率Mr2および突出谷部深さRvkである。
Rkの値はセラミックス溶射膜における凸部の高さに関係するので、平滑性付与効果およびドクターブレードの摩耗性に影響する因子である。この値が4.0μmを超えると、紙に対する平滑性付与効果が劣るようになり、またドクターブレードの摩耗量が大きくなる。かかる観点から、Rkの値を8.0μm以下にすることが必要である。Rkの値は小さい程好ましいので下限値は特に限定されないが、通常は0.1μm以上である。
Voの値はセラミックス溶射膜における凹部の容積に関係するので、紙離れ性に影響を与える因子である。具体的には、Voの値が大きくなれば、セラミックス溶射膜表面における保水性または空気捕捉性が良好になる。すなわち、Voの値が大きいと、プレスニップを通過した湿紙がプレスロールから剥離する直前において、プレスロール表面の凹部と湿紙とで囲まれた空間には水分と空気が含まれた状態となる。このため、プレスロールから湿紙を剥離させる際に、プレスロールと湿紙との間に外部からの空気が入り込み易くなり、紙離れ性が良好となる。抄紙機用プレスロールとして良好な紙離れ性を発揮するには、Voの値を0.030mm/cm以上にすることが必要である。Voの値の上限は特に限定されないが、1.000mm/cm以下とするのが適当である。
抄紙機用プレスロールとしてより好ましいRkおよびVoの値は、次の通りである。
Rk≦5.0μm
Vo≧0.034mm/cm
請求項3に係る発明
好ましくは、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータにおける突出山部高さRpkの値が、次の範囲を満たすようにする。
Rpk≦1.5μm
Rpkはセラミックス溶射膜における突出山部の高さに関係するので、Rkと同様に、平滑性付与効果およびドクターブレードの摩耗性に影響を与える因子である。抄紙機用プレスロールとして良好な平滑性付与効果を発揮し、かつドクターブレードの摩耗を小さくするには、Rpkの値を1.5μm以下とするのが望ましい。より好ましくは、Rpkの値を1.0μm以下とし、さらに好ましくはRpkの値を0.7μm以下とする。Rpkの値の下限値は特に限定されないが、0μm以上とするのが適当である。
請求項4に係る発明
好ましくは、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータにおける突出谷部深さRvkの値が、次の範囲を満たすようにする。
Rvk≧3.0μm
Rvkはセラミックス溶射膜における突出谷部の深さに関係するので、Voと同様に、紙離れ性に影響を与える因子である。セラミックス溶射膜表面における保水性または空気捕捉性を高めて抄紙機用プレスロールとして適したものとするには、Rvkを3.0μm以上とするのが望ましい。より好ましくは、Rvkの値を4.0μm以上とし、さらに好ましくはRvkの値を5.0μm以上とする。Rvkの値の上限は特に限定されないが、100μm以下とするのが適当である。
請求項5〜請求項7に係る発明
この発明に従った抄紙機用プレスロールの製造方法は、コアロール上にセラミックス粉末を溶射してセラミックス溶射膜を形成するものであって、次のことを特徴とする。溶射材料として用意するセラミックス粉末は、粒子径が55μm未満の微細粒子と、粒子径が55μm以上149μm未満の粗大粒子とを含む。微細粒子および粗大粒子の含有量については、セラミックス粉末全体に対して重量基準で、微細粒子の含有量は50%〜98%の範囲、粗大粒子の含有量は50%〜2%の範囲である。より好ましくは、セラミック粉末は、粒子径が55μm未満の微細粒子と粒子径が74μm以上149μm未満の粗大粒子とを含み、微細粒子の含有量は50%〜95%の範囲、粗大粒子の含有量は45%〜2%の範囲である。好ましくは、セラミックス溶射膜を形成した後に、このセラミックス溶射膜を表面研磨して、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータにおけるコア部のレベル差Rkの値がRk≦4.0μmとなるようにする。表面研磨は、通常は粗研磨した後に仕上研磨する方法により行なわれる。仕上研磨には、研磨砥石または研磨フィルムを用いることができる。仕上研磨に用いる研磨材は、研磨砥石の場合は#120〜#1000の番手のものが好ましく、研磨フィルムの場合は15μm〜100μmの研磨粒子からなるものが好ましい。好ましくは、溶射の方法は、水安定化プラズマ溶射法である。
上記の方法によれば、請求項1〜4に記載されている特性を有するセラミックス溶射膜を容易に得ることができる。
ガスプラズマ溶射法の場合は、溶融熱量が小さいため、通常は粗大粒子を溶射することが困難である。しかしながら、請求項1〜4に記載されている特性を有するセラミックス溶射膜は、ガスプラズマ溶射法によってセラミックス膜を形成し、そのセラミックス膜に対して十分な保水性または空気捕捉性を与えるように極端な粗面加工を施し、さらに表面に比較的大きな谷部を残しながら所定の平滑面となるように表面研磨を施すことによって製造することも可能である。
ただ、より効率的で確実な製造方法は、微細粒子および粗大粒子を適量に含むセラミックス粉末を水安定化プラズマ溶射法で溶射することである。水安定化プラズマ溶射法の利点は、溶融熱量が大きく、大きな粒子径のセラミックス粉末を溶射できる点にある。
溶射材料としてのセラミックス粉末が粗大粒子のみからなる場合、または粗大粒子を大量に含む場合、セラミックス溶射膜の保水性または空気捕捉性は良好な性能を呈するが、平滑性付与効果が劣るようになり、また、ドクターブレードの摩耗量が大きくなってしまう。
一方、溶射材料としてのセラミックス粉末が微細粒子のみからなる場合、または微細粒子を大量に含む場合、平滑性付与効果において優れた性能を発揮し、ドクターブレードの摩耗が減少するが、保水性または空気捕捉性に劣るようになり、紙離れ性が悪くなる。特に、紙離れ性の悪さが、プレスロールとしての重大な欠陥となる恐れがある。
したがって、良好な紙離れ性を発揮しながら、平滑性付与効果に優れ、またドクターブレードの摩耗を小さくするセラミックス溶射膜を得るには、所定の大きさの粗大粒子と微細粒子とを適量に含むセラミックス粉末を溶射材料とする水安定化プラズマ溶射法が望ましい。
特に、粗大粒子を所定の割合で含有させることにより、セラミックス溶射膜において粗大粒子の周囲あるいは研磨による粗大粒子の欠落部に適度な凹部が形成され、VoおよびRvkが比較的大きな数値となる。この凹部は、抄紙機用プレスロールの使用時において水分及び空気を捕捉し、良好な湿紙の紙離れ性に寄与すると考えられる。また、微細粒子を所定の割合で含有させることにより、セラミックス溶射膜において凸部の高さ、すなわちRkおよびRpkの数値を比較的小く抑えることができる。凸部の高さが小さいことは、紙への平滑性付与効果およびドクターブレードの摩耗防止に寄与する。VoまたはRvkの値を大きくしたい場合は、粗大粒子の含有割合を多くすればよい。また、RkまたはRpkの値を小さくしたい場合は、一般的に、微細粒子の含有割合を多く、粗大粒子の含有割合を少なくすればよいと考えられる。
請求項8に係る発明
この発明に従った湿紙に対するプレス方法は、抄紙機のプレスパートにおいて、プレスロールによって湿紙の搾水を行い、かつ紙の表面に平滑性を付与する方法であって、次のことを特徴とする。すなわち、使用するプレスロールが、コアロールと、このコアロールの外周に形成されたセラミックス溶射膜とを備え、セラミックス溶射膜における、プラトー構造表面の特性評価パラメータであるRkおよびVoの値が、
Rk≦8.0μm
Vo≧0.030mm/cm
となることを特徴とする。
請求項9に係る発明
この発明に従った抄紙機用プレスロールの表面研磨方法は、コアロールと、このコアロールの外周に形成されたセラミックス溶射膜とを備えた抄紙機用プレスロールに対して、表面研磨加工を施す方法であって、次のことを特徴とする。すなわち、表面研磨によって、セラミックス溶射膜における、プラトー構造表面の特性評価パラメータであるRkおよびVoの値が、
Rk≦8.0μm
Vo≧0.030mm/cm
となるようにする。
本願の発明者は、水安定化プラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の表面粗さ曲線およびガスプラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の表面粗さ曲線を測定した。
水安定化プラズマ溶射法の溶射材料は、粒子径が55μm未満である微細粒子と、粒子径が74μm以上149μm未満の粗大粒子を適量に含むセラミックス粉末であった。微細粒子の含有量は、セラミックス粉末全体に対して重量基準で、約82%であり、粗大粒子の含有量は約3%であった。
ガスプラズマ溶射法の溶射材料は、粒子径が55μm未満の粒子のみからなるセラミックス粉末であった。
水安定化プラズマ溶射法およびガスプラズマ溶射法で成膜後、それぞれ所定の表面研磨加工を施し、表面粗さ曲線を測定した。表面粗さ曲線の測定は、株式会社東京精密製の測定器HANDYSURF E−35Aを使用した。図4は、水安定化プラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の表面粗さ曲線であり、図5は、ガスプラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の表面粗さ曲線である。
図4から明らかなように、水安定化プラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の場合、表面側に突出する山の高さが低く、深さ方向に突出する谷の深さが大きい。表面側に突出する山の輪郭曲線と、深さ方向に突出する谷の輪郭曲線とは、明らかに非対称である。また、大きな谷を示す曲線が比較的大きな間隔で現れている。大きな谷は、粗大粒子の周囲あるいは研磨による粗大粒子の欠落部に現れるものと思われる。
図5から明らかなように、ガスプラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の場合、表面側に突出する山の高さと、深さ方向に突出する谷の深さとがほぼ同じであり、山の輪郭曲線と谷の輪郭曲線とがほぼ対称的な形状を呈している。
各種の抄紙機用プレスロールに関して、表面粗さに関するパラメータを測定した。測定器は株式会社東京精密製のHANDYSURF E−35Aを使用し、各ロールの表面28ヶ所でその表面性状を測定し、平均値を算出した。その結果を図6に示す。図6中、各パラメータは、次の値を示す。
Ra:JIS B0601−2001(ISO4287−1997)に規定する算術平均粗さ(μm)
Rk:JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するコア部のレベル差(μm)
Rpk:JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定する突出山部高さ(μm)
Rvk:JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定する突出谷部深さ(μm)
Vo:Vo=(100−Mr2)×Rvk/2000(mm/cm))
ここで、Mr2は、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するコア部の負荷長さ率Mr2である。
また、測定に供した試料は、次の通りである。
実施例1
本発明の実施例の一つであり、微細粒子と粗大粒子とを適量に含むセラミックス粉末を溶射材料とした水安定化プラズマ溶射法で成膜し、表面研磨加工を施したもの。セラミックス粉末は、粒子径が55μm未満である微細粒子を重量基準で82%含み、粒子径が74μm以上149μm未満の粗大粒子を重量基準で5%含んでいた。表面研磨は、#80のダイヤモンド砥石で粗研磨した後、#200のダイヤモンド砥石で研磨し、更に40μmのダイヤモンド粒子からなる研磨フィルムで仕上研磨を行なった。
実施例2
本発明の実施例の一つであり、微細粒子と粗大粒子とを適量に含むセラミックス粉末を溶射材料として水安定化プラズマ溶射法で成膜し、表面研磨加工を施したもの。セラミックス粉末は、粒子径が55μm未満である微細粒子を重量基準で90%含み、粒子径が74μm以上149μm未満の粗大粒子を重量基準で3%含んでいた。表面研磨は、#80のダイヤモンド砥石で粗研磨した後、#400のダイヤモンド砥石で仕上研磨を行なった。
実施例3
本発明の実施例の一つであり、微細粒子と粗大粒子とを適量に含むセラミックス粉末を溶射材料として水安定化プラズマ溶射法で成膜し、表面研磨加工を施したもの。セラミックス粉末は、粒子径が55μm未満である微細粒子を重量基準で82%含み、粒子径が74μm以上149μm未満の粗大粒子を重量基準で5%含んでいた。表面研磨は、#80のダイヤモンド砥石で粗研磨した後、#200のダイヤモンド砥石で研磨し、更に40μmのシリコンカーバイド粒子からなる研磨フィルムで仕上研磨を行なった。
比較例1
粒子径が55μm以上149μm未満の粗大粒子のみからなるセラミックス粉末を溶射材料として水安定化プラズマ溶射法で成膜し、表面研磨加工を施したもの。表面研磨は、#80のダイヤモンド砥石で粗研磨した後、#200のダイヤモンド砥石で仕上研磨を行なった。
比較例2
樹脂ロールである。
比較例3
従来用いられていた抄紙機用プレスロールであり、微細粒子からなるセラミックス粉末を溶射材料としてガスプラズマ溶射法で成膜し、表面研磨加工を施したもの。
比較例4
従来用いられていた抄紙機用プレスロールであり、微細粒子からなるセラミックス粉末を溶射材料としてガスプラズマ溶射法で成膜し、粗面加工を施した後に表面研摩加工を施したもの。
上記各試料の評価は、次の通りであった。
実施例1〜実施例3に関しては、湿紙の紙離れ性が良好であり、紙への平滑性付与効果もよく、ドクターブレードの摩耗も少なかった。特に実施例1および実施例3の紙離れ性が極めて良好であった。
比較例1に関しては、紙離れ性が良好であったが、紙への平滑性付与効果に劣り、ドクターブレードの摩耗量も大きかった。
比較例2に関しては、紙離れ性が非常に悪く、湿紙がロール表面に完全に密着した。
比較例3に関しては、紙への平滑性付与効果が良く、ドクターブレードの摩耗も少なかったが、紙離れ性が劣っていた。
比較例4に関しては、粗面加工を施したにもかかわらず、紙離れ性の向上は見られず、また、平滑性付与効果に劣り、ドクターブレードの摩耗も大きかった。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本発明によって得られるセラミックス溶射膜を備えた抄紙機用プレスロールは、紙離れ性および表面平滑性の両者において優れた性能を発揮するので、製紙の分野において有利に利用され得る。
負荷曲線を示す図である。 対象面の抽出曲線および負荷長さ率を示す図である。 油溜り量を示す図である。 水安定化プラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の表面粗さ曲線を示す図である。 ガスプラズマ溶射法で成膜したセラミックス溶射膜の表面粗さ曲線を示す図である。 抄紙機用プレスロールの各種試料の表面粗さに関する各種パラメータを比較する図である。

Claims (8)

  1. コアロールと、このコアロールの外周にセラミックス粉末を溶射して形成されたセラミックス溶射膜とを備え、
    前記セラミックス粉末は、粒子径が55μm未満の微細粒子と、粒子径が55μm以上149μm未満の粗大粒子とを含み、
    前記セラミックス粉末全体に対して重量基準で、前記微細粒子の含有量は50%〜98%の範囲、前記粗大粒子の含有量は50%〜2%の範囲であり、
    前記セラミックス溶射膜は、プラトー構造表面の特性評価パラメータであるRkおよびVoの値が、
    Rk≦8.0μm
    Vo≧0.030mm/cm
    となることを特徴とする、抄紙機用プレスロール。
    (但し、Vo=(100−Mr2)×Rvk/2000(mm/cm
    ここで、Rk、Mr2およびRvkは、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するコア部のレベル差Rk、コア部の負荷長さ率Mr2および突出谷部深さRvkである。)
  2. 前記RkおよびVoの値が、
    Rk≦5.0μmおよび
    Vo≧0.034mm/cm
    となる、請求項1に記載の抄紙機用プレスロール。
  3. JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータにおける突出山部高さRpkの値が、
    Rpk≦1.5μm
    となる、請求項1または2に記載の抄紙機用プレスロール。
  4. JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータにおける突出谷部深さRvkの値が、
    Rvk≧3.0μm
    となる、請求項1〜3のいずれかに記載の抄紙機用プレスロール。
  5. コアロール上にセラミックス粉末を溶射してセラミックス溶射膜を形成する抄紙機用プレスロールの製造方法において、
    溶射材料として用意するセラミックス粉末は、粒子径が55μm未満の微細粒子と、粒子径が55μm以上149μm未満の粗大粒子とを含み、
    前記セラミックス粉末全体に対して重量基準で、前記微細粒子の含有量は50%〜98%の範囲、前記粗大粒子の含有量は50%〜2%の範囲であり、
    セラミックス溶射膜を形成した後に、このセラミックス溶射膜を表面研磨して、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するプラトー構造表面の特性評価パラメータにおけるコア部のレベル差Rkの値がRk≦8.0μmとなるようにすることを特徴とする、抄紙機用プレスロールの製造方法。
  6. 水安定化プラズマ溶射法によって前記セラミック溶射膜を形成する、請求項5に記載の抄紙機用プレスロールの製造方法。
  7. 抄紙機のプレスパートにおいて、プレスロールによって湿紙の搾水を行い、かつ紙の表面に平滑性を付与する方法において、
    前記プレスロールが、コアロールと、このコアロールの外周にセラミックス粉末を溶射して形成されたセラミックス溶射膜とを備え、
    前記セラミックス粉末は、粒子径が55μm未満の微細粒子と、粒子径が55μm以上149μm未満の粗大粒子とを含み、
    前記セラミックス粉末全体に対して重量基準で、前記微細粒子の含有量は50%〜98%の範囲、前記粗大粒子の含有量は50%〜2%の範囲であり、
    前記セラミックス溶射膜は、プラトー構造表面の特性評価パラメータであるRkおよびVoの値が、
    Rk≦8.0μm
    Vo≧0.030mm/cm
    となることを特徴とする、湿紙に対するプレス方法。
    (但し、Vo=(100−Mr2)×Rvk/2000(mm/cm
    ここで、Rk、Mr2およびRvkは、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するコア部のレベル差Rk、コア部の負荷長さ率Mr2および突出谷部深さRvkである。)
  8. コアロールと、このコアロールの外周にセラミックス粉末を溶射して形成されたセラミックス溶射膜とを備えた抄紙機用プレスロールに対して、表面研磨加工を施す方法であって、
    前記セラミックス粉末は、粒子径が55μm未満の微細粒子と、粒子径が55μm以上149μm未満の粗大粒子とを含み、
    前記セラミックス粉末全体に対して重量基準で、前記微細粒子の含有量は50%〜98%の範囲、前記粗大粒子の含有量は50%〜2%の範囲であり、
    前記表面研磨加工後の前記セラミックス溶射膜における、プラトー構造表面の特性評価パラメータであるRkおよびVoの値が、
    Rk≦8.0μm
    Vo≧0.030mm/cm
    となるようにすることを特徴とする、抄紙機用プレスロールの表面研磨方法。
    (但し、Vo=(100−Mr2)×Rvk/2000(mm/cm
    ここで、Rk、Mr2およびRvkは、JIS B0671−2−2002(ISO13565−2−1996)に規定するコア部のレベル差Rk、コア部の負荷長さ率Mr2および突出谷部深さRvkである。)
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