JP4041046B2 - 磁気再生素子および磁気ヘッド - Google Patents

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本発明は磁気再生素子および磁気ヘッドに関し、磁気ディスク装置に用いられるものである。
強磁性層/非磁性層/強磁性層からなる多層膜において面内に電流を流した場合に、巨大磁気抵抗効果(GMR)が発現することが見出されて以来、さらに大きな磁気抵抗変化率を持つ系が探索されてきた。これまでに強磁性トンネル接合や電流を多層膜に垂直方向へ流すCPP(Current Perpendicular to Plane)−MRが研究され、これらは磁気記録の再生素子として有望視されている。特に、CPP−MRは低い抵抗と大きなMRが利点となり200Gbpsi(Giga bits per square inches)以上の記録密度を有する記録媒体の再生手段の候補となっている。
CPP−MRを用いた磁気再生素子では、フリー層の磁区制御のためにフリー層の隣にハードマグネットを設け、記録媒体の磁場がかからない場合のフリー層の磁化方向がピン層の磁化方向に対して略垂直に向くように設計している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、CPP−MRを用いた磁気再生素子においては、層に対して垂直に電流を流しているため、再生出力を稼ぐためにCIP(Current In Plane)−MRなみに電流を流すと、自己電流磁界効果によりボルテックス磁区が発生し、磁区制御が困難になるという問題点があった。より高再生出力を得るためには、高い電流密度を有するセンス電流印加時にも安定した磁区制御が欠かせない。
特開2001‐312803号公報
上述したように、従来のCPP−MR再生素子で大きな信号出力を得ようとすると、フリー層の磁化が不安定になる問題があった。また、素子作製のための微細加工プロセスは、より超高密度化するほど困難になりコスト増大になる問題点があった。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、微細な磁区構造に対して高再生出力が得られる磁気再生素子および磁気ヘッドを提供することにある。
本発明の第1の態様による磁気再生素子は、磁化の向きが固着されたピン層と、磁化の向きが可変のフリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられる中間層と、前記ピン層の前記中間層とは反対側の面上に設けられた第1の電極層と、前記フリー層の前記中間層とは反対側の面上に設けられた第2の電極層を備え、前記第1および第2の電極層の間にセンス電流を流すことで磁界検出し、前記センス電流の印加前の前記フリー層の磁化の向きが前記ピン層の磁化の向きに対して略反平行であり、前記フリー層の形状は、前記ピン層に付与された一方向異方性方向の長さをa、これに直交する方向の長さをbとすると、b<200nm、かつ、b>a の関係を満たし、前記センス電流の印加時に、前記フリー層の磁化方向を、前記ピン層の磁化に対して角度θ(45°≦θ ≦135°)となるように構成したことを特徴とする。
なお、電流と逆向きの電子電流を前記ピン層から前記フリー層へ流すことが好ましい。
また、本発明の第2の態様による磁気再生素子は、磁化の向きが固着されたピン層と、磁化の向きが可変のフリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられる中間層と、前記ピン層の前記中間層とは反対側の面上に設けられた第1の電極層と、前記フリー層の前記中間層とは反対側の面上に設けられた第2の電極層を備え、前記第1および第2の電極層の間にセンス電流を流すことで磁界検出し、前記センス電流の印加前の前記フリー層の磁化の向きが前記ピン層の磁化の向きに対して略平行であり、前記フリー層の形状は、前記ピン層に付与された一方向異方性方向の長さをa、これに直交する方向の長さをbとすると、b<200nm、かつ、b>aの関係を満たし、前記センス電流の印加時に、前記フリー層の磁化方向を、前記ピン層の磁化に対して角度θ(45°≦θ ≦135°)となるように構成したことを特徴とする。
なお、電流と逆向きの電子電流を前記フリー層から前記ピン層へ流すことが好ましい。
なお、前記ピン層と前記第1の電極層の間に設けられ、前記ピン層に一方向異方性を付与する反強磁性層を更に備えるように構成してもよい。
なお、前記フリー層は、非磁性層を介して磁性層が積層された積層構造を有し、前記中間層を介して前記ピン層に隣接する前記フリー層の磁性層が、前記センス電流の印加時に前記ピン層の磁化に対して前記角度θをなすように構成してもよい。
また、本発明の第3の態様による磁気ヘッドは、上述の磁気再生素子が、前記ピン層および前記第1の電極の少なくともいずれか一方を共有するように複数個並列に配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、微細な磁区構造に対して高再生出力が得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による磁気再生素子の構成を図1(a)、(b)に示す。図1(a)は、第1実施形態による磁気再生素子の構成を示す断面図、図1(b)は、図1(a)に示す切断線A−Aで切断した場合のフリー層の断面図である。この実施形態による磁気再生素子は、磁化の方向が固着されたピン層6と、磁化の向きが可変のフリー層10と、ピン層6とフリー層10の間に設けられる中間層8と、ピン層6の中間層8とは反対側の面に形成された反強磁性層4と、反強磁性層4のピン層6とは反対側の面に形成された電極2と、フリー層10の中間層8とは反対側の面に形成された電極12とを備えている。反強磁性層4は、交換結合力によりピン層6に一方向異方性を与えてピン層6の磁化の向きを一方向異方性方向に固着する。そして、この実施形態による磁気再生素子は、電極2と電極12との間にセンス電流を流して再生を行う。
この実施形態による磁気再生素子においては、センス電流を流す前、すなわちセンス電流が零の時のフリー層10の磁化の向きは、図1(a)に示すようにピン層6の磁化の向きと反平行となっている。なお、従来型のCPP−MR素子においては、フリー層の磁区制御のためにハードバイアスを用いて、センス電流が零の時のフリー層の磁化方向をピン層の磁化方向に対して垂直に向けている。本実施形態による磁気再生素子においては、ハードバイアス部を設けないないでフリー層10の全域で磁化方向が拘束されないようにした。フリー層10の磁化がピン層6の磁化に対して反平行となる磁化配置は、静磁結合を用いるか、あるいは層間結合を用いることで実現できる。
また、フリー層10の形状は、図1(b)に示すように、ピン層6に付与された一方向異方性方向の長さをaとし、これに直交する方向の長さをbとすると、
b>aで、かつ b<200nm
の関係を満たすように構成されている。この条件は、CIP−MRなみの電流をながしても、フリー層10にボルテックス磁区が発生しない条件であって、本発明者によって知見されたものである。
本実施形態による磁気再生素子は、図2に示すように、センス電流を電子の流れ(電子電流)としてピン層6からフリー層10に流すことでフリー層10の磁化がピン層6からのスピン偏極電子によるスピントランスファトルクを受け、反平行の磁化配置が不安定になり、エネルギー局所ミニマム方向となる方向、すなわちピン層6の一方向異方性方向に垂直な方向にフリー層10の磁化は回転する。さらにセンス電流を大きくしていくと、フリー層10の磁化方向はピン層6と平行になるが、センス電流が流れているときのフリー層10の磁化の動作範囲はフリー層10の磁化がピン層6の磁化に対して角度θ(45°≦θ≦135°)を成す範囲である。ここでフリー層10の磁化方向とは、スピンが歳差運動している場合には時間平均の方向を指す。
角度θを向いたところで、図3に示すように記録媒体50からの磁界を受け、さらにフリー層10の磁化が傾くため、これを磁気抵抗の変化として検出する。
このように従来の構造と異なり、ハードバイアスを用いないことで、フリー層10の磁化をフリー層10の全面で自由にすることができ、感度が上がる。また、フリー層10の90度回転に用いた電流はセンス電流と兼用することができる。一般に、フリー層10の直接的な磁化回転に用いる電流密度は10A/cmオーダーと大きい。従ってこの電流をそのままセンス電流とすれば、大きな再生出力が得られる。
一方、従来構造の場合には、不感領域とよばれる領域がソフト層のハードバイアスに隣接した領域に形成されるため、効率を上げるならばフリー層の幅を大きくする必要があった。また、従来構造の場合には、大きなセンス電流を流すと、自己電流磁界効果でフリー層の磁化が渦巻状(ボルテックス磁区が形成)となり、素子特性に大きな影響を及ぼした。
なお、センス電流がゼロ時にフリー層10がピン層6に対して反平行になっているときに、フリー層10からピン層6へ電子電流を流すと、反平行状態が安定化されたままであるので、再生を行うことはできない。
本実施形態による磁気再生素子において、センス電流と再生出力の関係について調べた結果の一例を図4に示す。ここでプラスの電流極性は、電子がピン層6からフリー層10へ流れる向きに定義した。センス電流を+0.3mAから+4mAへ増加させることで再生出力は増加しているが、センス電流に比例していない。+4mAでは良好な出力が得られているが、これを+0.3mAに外挿すると再生出力は0.18mVであるはずであるが、これより相当小さい。これは、センス電流がゼロに近い領域ではフリー層10の磁化方向が検出に適した方向を有していないためである。一方、センス電流が+30mAとなると、フリー層10の磁化は回転し過ぎてもはやピン層6と平行になり、信号検出不可能となる。また、電流極性が反対の場合にはピン層6の磁化に対するフリー層10の反平行磁化配置が安定化されるので、やはり信号検出ができないことがわかる。
本実施形態による磁気再生素子を構成するフリー層10あるいはピン層6の磁性層は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、または、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びクロム(Cr)よりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む合金、「パーマロイ」と呼ばれるNiFe系合金、あるいはCoNbZr系合金、FeTaC系合金、CoTaZr系合金、FeAlSi系合金、FeB系合金、CoFeB系合金などの軟磁性材料、ホイスラー合金やCrO、Fe、La1―XSrMnOなどのハーフメタル磁性体酸化物、窒化物のいずれかを用いることができる。すなわち、これらの材料のうちから用途に応じた磁気特性を有するものを適宜選択して用いればよい。
また、特にソフト磁性層としては、CoあるいはCoFe合金/NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNiからなる2層構造、あるいはCoあるいはCoFe合金/NiFeあるいはNiFeCoからなるパーマロイ合金あるいはNi/CoあるいはCoFe合金の3層構造もより好ましい。
これらの多層構造からなる磁性層の場合、外側のCoあるいはCoFe合金の厚さは0.2nmから1nmの範囲であることが好ましい。さらに、フリー層として、層間交換結合したパーマロイなどの磁性層/Cu,Ruなどの非磁性層(厚さ0.2nm以上3nm以下)/パーマロイあるいは、CoFe/Ru/Coなどの3層膜もフリー層の磁区を制御して磁場に対する検出感度を向上するために効果的である。図5にピン層6およびフリー層10の双方に3層膜を適用した例を示した。すなわち、ピン層6は、反強磁性層4上に形成される磁性層6aと、磁性層6a上に形成される非磁性層6bと、非磁性層6b上に形成される磁性層6cとを有し、フリー層10は、中間層8上に形成された磁性層10aと、磁性層10a上に形成された非磁性層10bと、非磁性層10b上に形成された磁性層10cとを有している。この場合、中間層8を介してピン層6に隣接するフリー層10の磁性層10aが、センス電流の印加時にピン層6の磁化に対して上記角度θをなすことになる。
ピン層6は磁化が固着化すると磁化方向制御および磁気抵抗効果の大きな信号出力を得るのに有用である。この場合、ハード磁性層の隣に反強磁性層を設けて交換バイアスをかけるか、あるいは、Ru、Cu、などの非磁性層/強磁性層/反強磁性層を積層して交換バイアスをかける。反強磁性材料としては、FeMn、PtMn、PdMn、PdPtMnなどが好ましい。
中間層8は、Cu,Ag,Auなどの非磁性金属元素のいずれかあるいは、この群から選択された少なくともいずれかの元素を含む金属、あるいは図6乃至図8に示すように、絶縁体12bの中に伝導パス12aが存在する中間層12を用いることができる。ここで絶縁体12bとしては、Al、Ti、Ta、Co、Ni、Si、Feよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物あるいは窒化物、フッ化物からなる絶縁体を用いることが好ましい。一方、伝導パス12aとしては、Cu、Ag、Auなどの非磁性金属元素のいずれかあるいは、この群から選択された少なくともいずれかの元素を含む金属、あるいは、ピン層またはフリー層と同じ磁性体構成元素、あるいはそれらのいずれかの元素を含む金属を用いることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態によれば、微細な磁区構造に対して高再生出力を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による磁気再生素子の構成を図9(a)、(b)に示す。図9(a)は、第1実施形態による磁気再生素子の構成を示す断面図、図9(b)は、図9(a)に示す切断線A−Aで切断した場合のフリー層の断面図である。この実施形態による磁気再生素子は、図9(a)に示すように、第1実施形態による磁気再生素子において、センス電流が流れないときの、フリー層10の磁化の向きがピン層6の磁化の向きと平行となるように構成したものである。すなわち、第1実施形態による磁気再生素子とは、センス電流を流さないときのフリー層10の磁化の向きが逆となっている。このようにフリー層10とピン層6との磁化の向きが平行となる配置は、図6乃至図8に示すような伝導パスを持った絶縁層を中間層とすることで実現できる。
本実施形態による磁気再生素子は、図10に示すように、センス電流を電子の流れとしてフリー層10からピン層6に流すことでフリー層10のピン層6に対して平行の磁化配置がピン層6で反射したスピン偏極電子からのスピントランスファトルクによって不安定になり、エネルギー局所ミニマム方向となる方向、すなわちピン層6の一方向異方性方向に垂直な方向にフリー層10の磁化は回転する。さらにセンス電流を大きくしていくと、フリー層10の磁化方向はピン層6と反平行になる。センス電流が流れているときのフリー層10の磁化の動作範囲はフリー層10の磁化がピン層6の磁化に対して角度θ(45°≦θ ≦135°)を成す範囲である。
この実施形態も第1実施形態と同様に、微細な磁区構造に対して高再生出力を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの構成を図11に示す。この実施形態による磁気ヘッドは、ピン層6が共通にされた第1乃至第2実施形態による磁気再生素子が複数個並列に配置された構成となっている。この構成の磁気ヘッドは、ハードバイアス、すなわち第1および第2実施形態における反極磁性層を必要としないので、並列に並べてマルチ処理することが可能となる。この実施形態による磁気ヘッドでは、複数のフリー層で複数のビットを再生する。このため、並列信号処理が可能となり、処理速度が向上する。
この実施形態も第1乃至第2実施形態と同様に、微細な磁区構造に対して高再生出力を得ることができる。
次に、本実施形態による磁気ヘッドの第1変形例の構成を図12に示す。この変形例による磁気ヘッドは、第3実施形態による磁気ヘッドにおいて、電極2を更に共通にした構成となっている。この変形例も第3実施形態による磁気ヘッドと同様の効果を奏することは云うまでもない。
次に、本実施形態による磁気ヘッドの第2変形例の構成を図13に示す。この変形例による磁気ヘッドは、電極2が共通にされた第1乃至第2実施形態による磁気再生素子が複数個並列に配置された構成となっている。この変形例も第3実施形態による磁気ヘッドと同様の効果を奏することは云うまでもない。
次に、本実施形態による磁気ヘッドの第3変形例の構成を図16に示す。この変形例による磁気ヘッドは、第3実施形態による磁気ヘッドにおいて、中間層8を更に共通にした構成となっている。この変形例も第3実施形態による磁気ヘッドと同様の効果を奏することは云うまでもない。
次に、本実施形態による磁気ヘッドの第4変形例の構成を図17に示す。この変形例による磁気ヘッドは、第1変形例による磁気ヘッドにおいて、中間層8を更に共通にした構成となっている。この変形例も第3実施形態による磁気ヘッドと同様の効果を奏することは云うまでもない。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による磁気再生素子の製造方法を、図14乃至図15を参照して説明する。本実施形態による磁気再生素子の製造方法は、通常のリソグラフィとイオンミリングを用いることで作製することができる。
まず、下地あるいは下部シールド上にTaとCuからなる下電極膜を形成した後、パターニングすることにより、下電極(図示せず)を形成した。続いて、この下電極上に、図14(a)に示すように、反強磁性層4、ピン層となる磁性層6、中間層8、およびフリー層となる磁性層10を積層する。反強磁性層4は、膜厚20nmのPtMnからなり、磁性層6は、CoFeからなる膜厚3nmの磁性層、Ruからなる膜厚1nmの非磁性層,CoFeからなる膜厚3nmの磁性層から構成される。中間層8は、膜厚2nmのCuから成っている。また、磁性層10は膜厚2.5nmのCoFからなっている。更に、磁性層10上に保護のためにTa層(図示せず)を形成した。
次に、Ta層にEB(Electron Beam)レジストを塗布してEB露光したのち、図14(b)に示すようなサイズ100nm×50nmの長方形(但し角は丸くなっている)パターン11を形成した。
続いて、パターン11をマスクとして、イオンミリングによりパターン11に被覆されない領域をエッチングし、図14(c)に示す構造を得た。ここで、エッチング量の把握は、スパッタされた粒子を作動排気した四重極分析器に導入して質量分析することで、正確に把握した。図14(c)では中間層8までをエッチングしているが、ピン層となる磁性層6の中間位置まで、あるいはピン層6全体をエッチングしてもよい。あるいは、中間層8の上面までをエッチングしてもよい。
次に、パターン11を剥離したのち、SiO膜13を成膜し、表面をイオンミリングにより平滑化し、素子の頭だしを行った(図15(a)参照)。そして、この上にTaとCuとからなる上部電極12を形成した(図15(b)参照)。
従来構造の場合には、ハードマグネットが必要なため、図15(b)の状態の表面に対し、さらにリソグラフィを行い、マスクを形成し、ハードバイアス部に対応するSiO部分を反応性イオンエッチング装置で抜いたのち、ハードバイアス膜を形成し、さらに上面を平滑化したのち、上シールド層を形成する必要がある。この従来の場合には、反応性イオンエッチングとハードバイアス膜形成が一貫して行なえるジャンクションモジュールと呼ばれる装置が必要であった。
これに比べて、本実施形態によって製造される磁気再生素子は、ジャンクションモジュールが要らない、マスクを減らせる等の作製コスト低減が可能である。
なお、本実施形態では、ピン層およびフリー層からなる磁性層部のミリングによる作製を説明したが、磁性層部のミリングレスプロセスも可能である。その場合には、基板上に形成した層にフリー層の形に対応した穴を形成し、その穴の中に磁性層部を形成する、あるいはフリー層形状に対応した上底部をもつ伝導性ピラーを形成してそこに磁性層部を形成することでも、素子作製は可能である。
本発明の第1実施形態による磁気再生素子の構成を示す図。 第1実施形態による磁気再生素子の動作を説明する図。 第1実施形態による磁気再生素子の動作を説明する図。 第1実施形態による磁気再生素子のセンス電流と再生出力の関係を示す実験結果を示す図。 第1実施形態による磁気再生素子の第1変形例の構成を示す断面図。 第1実施形態による磁気再生素子の第2変形例の構成を示す断面図。 第1実施形態による磁気再生素子の第3変形例の構成を示す断面図。 第1実施形態による磁気再生素子の第4変形例の構成を示す断面図。 本発明の第2実施形態による磁気再生素子の構成を示す図。 第2実施形態による磁気再生素子の動作を説明する図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの構成を示す図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの第1変形例の構成を示す図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの第2変形例の構成を示す図。 本発明の第4実施形態による磁気再生素子の製造方法の製造工程断面図。 本発明の第4実施形態による磁気再生素子の製造方法の製造工程断面図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの第3変形例の構成を示す図。 本発明の第3実施形態による磁気ヘッドの第4変形例の構成を示す図。
符号の説明
2 電極
4 反強磁性層
6 ピン層
8 中間層
10 フリー層
12 電極

Claims (5)

  1. 磁化の向きが固着されたピン層と、磁化の向きが可変のフリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられる中間層と、前記ピン層の前記中間層とは反対側の面上に設けられた第1の電極層と、前記フリー層の前記中間層とは反対側の面に直接に接するかまたは保護層を介して間接的に接するように設けられた第2の電極層を備え、
    前記第1および第2の電極層の間にセンス電流を流すことで磁界検出し、
    前記センス電流の印加前の前記フリー層の磁化の向きが前記ピン層の磁化の向きに対して略反平行であり、
    前記フリー層の形状は、前記ピン層に付与された一方向異方性方向の長さをa、これに直交する方向の長さをbとすると、
    b<200nm、かつ、b>a
    の関係を満たし、
    前記センス電流の印加時に、前記フリー層の磁化方向を、前記ピン層の磁化に対して角度θ(45°≦θ ≦135°)となるように構成し
    電流と逆向きの電子電流を前記ピン層から前記フリー層へ流すことを特徴とする磁気再生素子。
  2. 磁化の向きが固着されたピン層と、磁化の向きが可変のフリー層と、前記ピン層と前記フリー層との間に設けられる中間層と、前記ピン層の前記中間層とは反対側の面上に設けられた第1の電極層と、前記フリー層の前記中間層とは反対側の面に直接に接するかまたは保護層を介して間接的に接するように設けられた第2の電極層を備え、
    前記第1および第2の電極層の間にセンス電流を流すことで磁界検出し、
    前記センス電流の印加前の前記フリー層の磁化の向きが前記ピン層の磁化の向きに対して略平行であり、
    前記フリー層の形状は、前記ピン層に付与された一方向異方性方向の長さをa、これに直交する方向の長さをbとすると、
    b<200nm、かつ、b>a
    の関係を満たし、
    前記センス電流の印加時に、前記フリー層の磁化方向を、前記ピン層の磁化に対して角度θ(45°≦θ ≦135°)となるように構成し
    電流と逆向きの電子電流を前記フリー層から前記ピン層へ流すことを特徴とする磁気再生素子。
  3. 前記フリー層は、非磁性層を介して磁性層が積層された積層構造を有し、前記中間層を介して前記ピン層に隣接する前記フリー層の磁性層が、前記センス電流の印加時に前記ピン層の磁化に対して前記角度θをなすことを特徴とする請求項1または2記載の磁気再生素子。
  4. 前記ピン層と前記第1の電極層の間に設けられ、前記ピン層に一方向異方性を付与する反強磁性層を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気再生素子。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気再生素子が、前記ピン層および前記第1の電極の少なくともいずれか一方を共有するように複数個並列に配置されたことを特徴とする磁気ヘッド。
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