JP4040959B2 - モバイル端末装置を用いた入退出管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、携帯用情報端末機器(Personal Digital Assistant: PDA)などのモバイル端末を用いた入退出管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物、研究施設などにおいては、例えば、ID番号など個人を識別する情報が書き込まれているICカードと、ICカードに書き込まれているID番号を読み取るカードリーダと、カードリーダ毎に、入室が許可されている人のID番号を示すID番号リストを格納し、カードリーダから送られてきたID番号がそのカードリーダのID番号リストにあるか否かをチェックし、ID番号リストにあった場合には許可されている旨の結果を、ID番号リストになかった場合には許可されていない旨の照合結果をカードリーダへ送る照合装置とから構成される入退出管理システムが用いられている。
【0003】
この入退出管理システムにおいては、ICカードがカードリーダにセットされると、ICカードに書き込まれているID番号が、カードリーダに読み込まれ、読み込まれたID番号は、照合装置に送られる。照合装置に受信されたID番号は、そのカードリーダのID番号リストにあるか否かをチェックされ、ID番号リストにあった場合には許可されている旨の照合結果がカードリーダに送られ、このカードリーダが設置されている出入り口のドアの電気錠が開錠され、ID番号リストになかった場合には許可されていない旨の照合結果がカードリーダに送られ、電気錠の開錠は行われず、入室が拒否される。
【0004】
また、ICカードの代わりに携帯電話を用いた例として、ドアから携帯電話へドア識別情報を発信し、このドア識別情報を受信した携帯電話は、電話網を介して管理者端末装置に開錠要求を出し、認証が得られた場合には許可証を受信し、ドアに対して開錠を要求する旨の信号を送信する入退出管理システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
また、携帯電話から、ユーザ情報をゲートに送信し、ユーザ情報を受信したゲートは許可判断を行い、許可する場合には暗証番号を携帯電話側に返信し、ユーザはその暗証番号をゲートに入力することにより、ゲートの開錠を行う入退出システムが開示されている(例えば特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−161656
【特許文献2】
特開2002−213126
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の入退出システムは以下のような問題があった。
従来の入退出管理システムにおいては、リーダ側で、ICカードまたは端末装置に記憶されているID番号と、このリーダに備えられたカードリーダのID番号リストとが照合される。このため、リーダには、このカードリーダ毎または携帯電話毎のID番号リストを格納するための大容量のメモリが必要であった。
【0007】
また、従来の入退出管理システムにおいて、既に入室が許可されたユーザの入場を取り消す機能を実現する場合には、リーダ側に、ユーザを識別し、入場を許可するID番号のリストを保持させ、このリストからID番号を削除することにより取り消す必要があった。
このようなシステムでは、リーダ側には、入室を許可するユーザのID番号リストを保持する大容量メモリと、このID番号リストを管理する機能とが必要となる。このシステムを、大規模建物で使用した場合には、数千〜数万のID番号が必要となる。このため、ID番号が増加するにしたがい、リーダ装置への処理の負荷および装置の複雑化を招くという問題があった。
【0008】
また、リーダ装置への処理の負荷および装置の複雑化を招く問題を解決する方法として、通信網に接続されたサーバに、ユーザを識別し入場を許可するID番号のリストを保持し、端末装置は、まずサーバとの通信を行うことにより、この端末装置のID番号とこのサーバで管理されている入場を許可するID番号のリストとを照合することにより入場が許可されているがどうかの判断を行うようにする方法がある。しかし、サーバとパケット通信を行うための時間が必要であることや、地下や超高層ビルなど、端末装置の電波が届かない場所では利用できないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、前述した従来技術の問題点や課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リーダ側の負荷を低減した入退出管理システム、また、リーダ装置への負荷を増すことなく既に入室が許可されたユーザの入場を取り消す機能を備えた入退出管理システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明にかかる入退出管理システムは、互いに無線通信可能なリーダ装置と端末装置とを有する入退出管理システムであって、リーダ装置は、開錠装置と接続されており、開錠するドアに対応したドアIDを前記端末装置に送信し、前記端末装置より開錠要求と端末IDとを受信する第1の無線通信手段と、あらかじめ入室許可が取り消された端末装置の端末IDリストおよびこの端末IDを使用できる有効期限を記憶した第1の記憶手段と、受信した端末IDと前記第1の記憶手段に記憶された端末IDリストとを照合する端末ID照合手段と、前記端末ID照合手段による照合の結果、前記端末装置より受信した端末IDが前記第1の記憶手段に記憶された端末IDリストのいずれとも一致しない場合、受信した開錠要求に基づいて前記開錠装置に開錠命令を送信し、前記有効期限を経過した端末IDが存在する場合は、この端末IDとその有効期限とを前記第1の記憶手段から削除する第1の制御手段とを備え、端末装置は、あらかじめ入室可能なドアに対応したドアIDリストおよび端末IDを記憶する第2の記憶手段と、開錠するドアに対応したドアIDを前記リーダ装置より受信し、前記リーダ装置に開錠要求と端末IDとを送信する第2の無線通信手段と、前記リーダ装置より受信したドアIDと前記第2の記憶手段に記憶されたドアIDリストとを照合するドアID照合手段と、前記ドアID照合手段において、前記リーダ装置より受信した前記ドアIDと前記第2の記憶手段に記憶された入室可能なドアに対応したドアIDリストとが一致した場合に、前記第2の無線通信手段から開錠要求と端末IDとを送信する第2の制御手段とを備えるようにしたものである。
【0013】
本発明において、リーダ装置は、端末装置から送信された開錠要求と端末IDとに基づき、端末装置が入場を拒否された端末でないかを判断することにより、開錠するか否かを判断する。ここで、入場を拒否された端末とは、入場を許可された端末IDで、例えば端末の盗難などにより、急遽入場を取り消す必要が生じた端末を含む。このような端末の数は、入場を許可された端末の数より極端に少ない。
【0014】
さらに、リーダ装置の記憶手段には、開錠を行わない端末IDを記憶する。開錠を行わない端末IDの数は、開錠を行う端末IDの数より極端に少ないため、この開錠を行わない端末IDを記憶させることにより、リーダ装置に必要な記憶容量を低減し、また照合に費やす時間を短縮する。
さらに、記憶手段は、端末IDとともに、この端末IDを使用できる有効期限を記憶し、制御手段は、有効期限を過ぎると記録手段から、端末IDとその有効期限とを削除する。このようにすることにより、端末IDリストを格納するための記憶容量の増大を防止する。
また、本発明にかかる端末装置の第2の制御手段は、前記リーダ装置の前記端末ID照合手段による照合の結果、前記端末装置から送信した端末IDが前記第1の記憶手段に記憶された端末IDリストのいずれかと一致する場合、前記第2の記憶手段から、前記リーダ装置が備えられたドアに対応するドアIDを削除する手段をさらに有するものである。
【0017】
また、開錠するドアに対応したドアIDをリーダ装置から端末装置に送信するドアID送信ステップと、送信されたドアIDと端末装置に記憶された入室可能なドアに対応するドアIDリストとを照合するドアID照合ステップと、ドアID照合ステップにおいて、ドアIDが端末装置に記憶された入室可能なドアに対応するドアIDリストと一致した場合に、開錠要求と端末装置を識別する端末IDとをリーダ装置に送信する開錠要求送信ステップと、開錠要求送信ステップにおいて送信された端末IDとリーダ装置に記憶された入室許可が取り消された端末装置の端末IDとを照合する端末ID照合ステップと、端末ID照合ステップによる照合の結果、端末IDがリーダ装置に記憶された端末IDのいずれとも一致しない場合、開錠要求に基づいて開錠装置に開錠命令を送信する開錠命令送信ステップと、前記リーダ装置に記憶された端末IDの有効期限を経過している場合、この端末IDとその有効期限とを前記リーダ装置の記憶手段から削除する端末ID削除ステップとを有する方法である。
【0018】
このようなステップを設けたことにより、リーダ装置側で、端末装置から送信された開錠要求および端末IDに基づき、端末装置が入場を拒否された端末でないかを判断することにより、開錠するか否かを判断する。ここで、入場を拒否された端末とは、入場を許可された端末IDで、例えば端末の盗難などにより、急遽入場を取り消す必要が生じた端末を含む。このような端末の数は、入場を許可された端末の数より極端に少ない。
【0019】
さらに、リーダ装置は開錠を行わない端末IDを記憶するようにしている。開錠を行わない端末IDの数は、開錠を行う端末IDの数より少ないため、この開錠を行わない端末IDを記憶させることにより、リーダ装置に必要な記憶容量を低減し、また照合に費やす時間を短縮する。
さらに、リーダ装置には、端末IDとともに、この端末IDを使用できる有効期限を記憶され、有効期限を過ぎると記録手段から、端末IDとその有効期限とを削除する端末ID削除ステップを有する。このようにすることにより、端末IDリストを格納するための記憶容量の増大を防止する。
また、本発明に係る入退出管理方法は、前記端末ID照合ステップによる照合の結果、前記端末装置より受信した端末IDが前記リーダ装置の記憶手段に記憶された端末IDリストのいずれかと一致する場合、前記端末装置の記憶手段から、前記リーダ装置が備えられたドアに対応するドアIDを削除するドアID削除ステップをさらに有するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の参考例および実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、参考例および実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の参考例および実施の形態にかかる入退出管理システムを示す構成図である。
本発明の参考例および実施の形態にかかる入退出管理システムは、リーダ装置2と端末装置3とを備え、これらは赤外線などの近距離無線通信機能による無線通信可能である。また、リーダ装置2はネットワーク7を介して管理者端末装置6と接続されており、この管理者端末装置より各種データを受け取り可能である。またネットワーク7を介してコントローラ4とも接続されており、このコントローラ4に電気錠5を開閉するコマンドを送ることができる。
また、端末装置3は、ネットワーク1を介して、管理者端末装置6と接続可能である、この管理者端末装置6より各種データを受け取ることが可能である。
【0022】
ネットワーク1としては、専用回線、公衆回線網、インターネットなどのLAN、WANなど、任意の形態のネットワークを用いることができる。
本発明の参考例のリーダ装置2について説明する。
リーダ装置2は、図2(a)に示すように、無線通信部2−1と、制御部2−2と、記憶部2−3とを備える。
無線通信部2−1は、例えば無線LAN、Bluetooth、赤外線通信機能などの近距離無線通信機能を備える。
記憶部2−3は、書き換え可能なメモリであり、ドアID2−31を記憶している。ここで、ドアID2−31は、このリーダ装置2が備えられたドアに対応する識別IDである。
【0023】
この制御部2−2は、図3(a)に示すように、インターフェース(IF)装置2−21と、演算装置2−22と、記憶装置2−23とにより構成される。これらのハードウエア資源が記憶装置2−23に記憶されたリーダ装置用入退出管理プログラム2−231のもとで動作することにより、上述した各部の機能を実現する。ここで、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231は、リーダ装置2を制御部2−2として機能させるプログラムである。
制御部2−2は、リーダ装置2が端末装置3から入室操作信号を受信すると、後述する記憶部2−3に記憶されたドアID2−31を読み出し、無線通信部2−1に送信させる。また、端末装置3から開錠要求を受信すると、ネットワーク7を介して、後述するコントローラ4に対して、開錠命令を送信する。
また、記憶部2−3に記憶するドアIDは、リーダ装置2に装着されたロータリスイッチで設定する。または、後述する管理者端末装置6からネットワーク7を経由して設定してもよい。
【0024】
IF装置2−21は、ネットワーク7を介して、管理者装置6等に接続される。
また、記憶装置2−23は、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231を記憶する。このリーダ装置用入退出管理プログラム2−231は、ネットワーク7経由で管理者端末装置6から提供される。
【0025】
また、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231は、ソフトウエアパッケージ、例えばCD−ROM、ROM、RAM、フレキシブルディスク、メモリカードなどの情報記憶媒体によって提供されるようにしてもよい。この場合、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231を記憶した記憶媒体は、リーダ装置2に接続されたドライブ装置にセットされ、プログラムが記憶媒体からドライブ装置を介して記憶装置2−23にインストールされる。
制御部2−2は、インストールされたリーダ装置用入退出管理プログラム2−231を記憶装置2−23に格納するとともに、必要なファイル、データ等を記憶部2−3に格納する。
【0026】
次に、本発明の参考例の端末装置3について説明する。
端末装置3は、図2(b)に示すように、無線通信部3−1と、制御部3−2と、ドアID照合部3−3と、記憶部3−4と、表示部3−5と、入力部3−6とを備える。
無線通信部3−1は、例えば無線LAN、Bluetooth、赤外線通信機能などの近距離無線通信機能を備え、上述したリーダ装置2との間で通信を行う第1の無線通信部3−11と、基地局(図示なし)との間で所定の周波数帯域の電波の送受信を行い、一般電話網やインターネットにアクセスする第2の無線通信部3−12とを備える。
【0027】
表示部3−5は、ユーザに対するメッセージなど各種情報を表示する。入力部3−6は、入室操作など各種操作を行う。
ドアID照合部3−3は、ハードウエアと、後述する端末装置用入退出管理プログラム3−231により実施され、リーダ装置2より送信されたドアID2−31と、記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41とを照合し、その結果を制御部3−2に入力する。
記憶部3−4は、ドアIDリスト3−41を記憶する。ここで、ドアIDリスト3−41は、この端末装置3で入室可能であるドアに対応するドアIDのリストである。
【0028】
制御部3−2は、ユーザの入室操作により、リーダ装置2に対し、無線操作部3−1に入室操作信号を送信させる。
また、リーダ装置2から開錠するドアに対応したドアIDを受信し、受信したドアIDと、後述する記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41とをドアID照合部3−3に照合させる。また、ドアID照合部3−3による照合の結果に応じて、リーダ装置2に対し。第1の無線通信部3−11に開錠要求を送信させる。
【0029】
また、後述する管理者端末装置6から送信されたドアIDリスト3−41を受信し、記憶部3−4に記憶させる。
また、この制御部3−2およびドアID照合部3−3は、図3(b)に示すように、インターフェース(IF)装置3−21と、演算装置3−22と、記憶装置3−23とにより構成される。これらのハードウエア資源が記憶装置3−23に記憶された端末装置用入退出管理プログラム3−231のもとで動作することにより、上述した各部の機能を実現する。ここで、端末装置用入退出管理プログラム3−231は、端末装置3を制御部3−2として機能させるプログラムである。
IF装置3−21は、ネットワーク1を介して、管理者装置6等に接続される。
また、端末装置用入退出管理プログラム3−231は、ネットワーク1経由で管理者端末装置6から提供され、記憶装置3−23に記憶される。
【0030】
また、端末装置用入退出管理プログラム3−231は、ソフトウエアパッケージ、例えばCD−ROM、ROM、RAM、フレキシブルディスク、メモリカードなどの情報記憶媒体によって提供されるようにしてもよい。この場合、リーダ装置用入退出管理プログラム3−231を記憶した記憶媒体は、端末装置3に接続されたドライブ装置にセットされ、プログラムが記憶媒体からドライブ装置を介して記憶装置3−23にインストールされる。
また、制御部3−2は、インストールされた端末装置用入退出管理プログラム3−231を記憶装置3−23に格納するとともに、必要なファイル、データ等を記憶部3−4に格納する。
【0031】
コントローラ4は、例えば開錠装置であり、リーダ装置4からの開錠命令にしたがって、後述する電気錠5を制御することによりドアの開錠を行う。
電気錠5は、コントローラ4の制御によりドアの開錠を行う。
【0032】
管理者端末装置6は、送受信部6−1と、制御部6−2と、入力部6−3と、記憶部6−4とを備える。
送受信部6−1は、コントローラ4およびリーダ装置2と例えばLANなどにより接続されている。
入力部6−3は、ドアID2−31、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231、ドアIDリスト3−41、端末装置用入退出管理プログラム3−231、および管理者端末装置用入退出管理プログラムの入力を行う。
記憶部6−4は、ドアID2−31、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231、ドアIDリスト3−41、および端末装置用入退出管理プログラム3−231を記憶する。
【0033】
制御部6−2は、受信されたコントローラ4からの各種信号の解析を行う。
また、記憶部6−4に記憶されたドアIDリスト3−41および端末装置用入退出管理プログラム3−231を端末装置3に対して、送受信部6−1に送信させる。例えば、管理者端末装置6は、端末装置3に対して、記憶部6−4に格納された各端末装置に対応したドアIDリスト3−41および端末装置用入退出管理プログラム2−231をダウンロードするためのインターネット上のサイトのURLを記述した電子メールを送信する。
この電子メールを受信した端末装置3のユーザは、管理者端末装置6にアクセスし、所定のデータやプログラムをダウンロードすることができる。
また、制御部6−2は、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231を、リーダ装置2に、ネットワーク7を介して送信させる。また、リーダ装置2に対して、ドアIDをネットワーク7を経由して設定する。
【0034】
また、この制御部6−2は、インターフェース(IF)装置と、演算装置と、記憶装置とにより構成される。これらのハードウエア資源が記憶装置に記憶された管理者端末装置用入退出管理プログラムのもとで動作することにより、上述した各部の機能を実現する。ここで、管理者端末用入退出管理プログラムは、管理者端末装置6を制御部6−2として機能させるプログラムである。
IF装置は、ネットワーク1を介して、端末装置3等に接続される。
【0035】
次に、本参考例にかかる入退出管理システムの動作について、図4、図5を参照して説明する。
ここでは、リーダ装置2には、このリーダ装置2に対応するコントローラ4と電気錠5に関するドアID2−31、リーダ装置用入退出管理プログラム2−231がすでにインストールされ、端末装置3にはドアIDリスト3−41および端末装置用入退出管理プログラム3−231がすでにインストールされている場合について説明する。
【0036】
まず、ユーザが入力部3−6を操作することによる入室操作が検出されると(S401:Y)、携帯端末3側からリーダ装置2に入室操作が行われた旨の信号が送信される(S402)。
リーダ装置2は、端末装置3から入室操作信号を受信すると(S403:Y)、記憶部2−3に記憶されているこのリーダ装置2が備えられたドアに対応するドアID2−31を端末装置3に送信する(S404)。
端末装置3は、リーダ装置2からドアID2−31を受信すると(S405)、このドアID2−31と、記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41とを照合し(S406)、一致した場合(S501:Y)にリーダ装置2に開錠要求を送信する(S502)。一致しない場合には端末装置に入室が不許可である旨を表示部3−5に表示する(S503)。
リーダ装置2は、開錠要求を受信すると(S504)、コントローラ4に開錠命令を送信する(S505)。コントローラ4は、リーダ装置2からの開錠命令により、電気錠5を制御することにより開錠を行う(S506)。
【0037】
次に、この入退出管理システムにおける端末装置3の動作について、図6を参照して説明する。
まず、ユーザが入力部3−6を操作することによる入室操作を検出すると(S601:Y)、携帯端末3は、リーダ装置2に入室操作が行われた旨の信号を送信する(S602)。
この入室操作に対して、リーダ装置2からのドアIDを受信すると(S603:Y)、このドアIDと、記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41とを照合し(S605)、一致した場合(S606:Y)にリーダ装置2に開錠要求を送信し(S607)、一致しない場合には(S606:N)、入室ができない旨を表示部3−5に表示する(S608)。
また、リーダ装置2から一定の時間が経過してもドアIDが受信されない場合(S604:Y)には、入室が不許可である旨を表示する(S608)。
【0038】
上述のように本参考例にかかる入退出管理システムでは、端末装置3側に、入室を許可するドアのドアIDリスト3−41とを備え、このドアIDリスト3−41と、入室しようとするドアに対応するドアID2−31とを照合することにより、開錠要求の可否の判断を行うことができるため、リーダ装置2側に入室を許可する端末装置のリストを格納するための大容量のメモリを必要とせず、入退出管理を行うことができる。
【0039】
次に、本発明の実施の形態にかかる入退出管理システムについて説明する。
本実施の形態にかかる入退出管理システムは、参考例と比較して、リーダ装置2が、端末ID照合部2−4を備え、記憶部2−3に端末IDリスト2−32を備え、また、端末装置3が、記憶部3−4に端末ID3−42を備える点で異なる。
この端末IDリスト2−33は、入室許可が取り消された端末装置の端末IDのリストである。
以下、参考例において説明した入退出管理システムと共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0040】
リーダ装置2において、端末ID照合部2−4は、端末装置3より送信された端末ID3−42と記憶部2−3に記憶された端末IDリスト2−32とを照合し、この照合の結果を制御部2−2に入力する。
制御部2−2は、端末ID照合部2−4から入力された照合の結果に基づき、端末ID3−42が記憶部2−3に記憶された端末IDリスト2−32のいずれとも一致しない場合には、入力された開錠要求に基づいて、コントローラ4に対し開錠命令を送信する。
【0041】
また、端末装置3において、記憶部3−4は、端末ID3−42を記憶する。この端末ID3−42は、この端末装置を他の端末装置と識別するための識別IDである。
【0042】
一方、上述した端末IDリスト2−32および端末ID3−42の入力は、管理者端末装置6の入力部6−3により行われ、記憶部6−4に記憶される。また、制御部6−2は、端末IDリスト2−32および端末ID3−42を、リーダ装置2および端末装置3に対して、電気通信回線を通じて送信する。
【0043】
次に、本実施の形態にかかる入退出管理システムの動作について、図8、図9を参照して説明する。
リーダ装置2、端末装置3、および管理者端末装置6には、必要なプログラムおよびデータは、既にインストールされているものとする。
【0044】
まず、ユーザが入力部3−6を操作することによる入室操作が検出されると(S801:Y)、携帯端末3側からリーダ装置2に入室操作が行われた旨の信号が送信される(S802)。
リーダ装置2は、端末装置3から入室操作信号を受信すると(S803:Y)、記憶部2−3に記憶されているドアID2−31を端末装置3に送信する(S804)。
端末装置3は、リーダ装置2からドアID2−31を受信すると(S805)、このドアID2−31と、記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41とを照合し(S806)、一致した場合(S901:Y)にリーダ装置2に開錠要求と端末ID3−42とを送信する(S902)。一致しない場合(S901:N)には端末装置は入室が不許可である旨を表示する(S903)。
【0045】
リーダ装置2は、開錠要求と端末ID3−42とを受信すると(S904)、端末ID照合部2−4は、入力された端末ID3−42と、記憶部2−3に記憶された端末IDリスト2−32とを照合し(S905)、照合結果を制御部2−2に入力する。
【0046】
制御部2−2は、一致しない旨の照合結果が入力された場合(S906:Y)には、コントローラ4に対して開錠命令を送信する(S907)。一致する旨の照合結果を受信した場合(S906:N)には、端末装置3に対して、入室できない旨の通知を行う(S908)。
リーダ装置2から、開錠命令を受信したコントローラ4は、電気錠5を制御することにより開錠を行う(S909)。
【0047】
次に、この入退出管理システムにおける端末装置3の動作について、図10を参照して説明する。
まず、ユーザが入力部3−6を操作することによる入室操作が検出されると(S1001:Y)により、リーダ装置2に入室操作が行われた旨の信号を送信する(S1002)。
この入室操作により、リーダ装置2からのドアIDを受信すると(S1003:Y)、このドアIDと、記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41とを照合し(S1005)、一致した場合(S1006:Y)にリーダ装置2に開錠要求と端末ID3−42とを送信し(S1007)、一致しない場合(S1006:N)には、入室ができない旨を表示部3−5に表示する(S1008)。また、リーダ装置2からドアIDが受信されず(S1003:N)、一定の時間が経過した場合(S1004:Y)には、表示部3−5に入室が不許可である旨を表示する(S1008)。
リーダ装置2から入室できない旨の信号を受信した場合には(S1009)、その旨を表示部3−5に表示する(S1010)。
【0048】
上述のように本実施の形態にかかる入退出管理システムでは、リーダ装置2側に、端末ID照合部2−4と、記憶部2−3に入室許可が取り消された端末装置の端末IDリスト2−32を備えたことにより、この端末IDリスト2−32と、入室しようとする端末装置3に対応する端末ID3−42とを照合することにより、開錠要求の可否の判断を行うことができる。ここで、入場許可を取り消した端末IDリストに含まれる端末IDの数は、入室を許可する端末IDの数よりも少ないため、その記憶容量を小さくすることができる。
また、リーダ装置2側に入室を許可する端末装置のリストを格納するための大容量のメモリを必要とせず、またリーダ装置への処理の負荷および装置の複雑化を招くことなく、既に入室が許可されたユーザの入場を取り消す機能を実現することができる。
また、端末ID照合部2−4で行われる照合処理のための時間も、数が少ないため短くすることができる。
【0049】
本実施の形態においては、端末装置3において、リーダ装置2から受信したドアID2−31と、記憶部3−4に記憶されたドアIDリスト3−41との照合を行い、ドアIDリスト3−41と受信したドアID2−31とが一致した場合に、端末装置3から開錠要求と端末ID3−42とがリーダ装置2に送信される場合について説明したが、まず、端末装置3から端末ID3−42をリーダ装置2へ送信し、この端末ID3−42と端末IDリスト2−32との照合を行うようにしてもよい。このようにすることにより、端末装置3から送信された端末ID3−42が端末IDリスト2−32と一致する場合には、その後の処理は行われないため、ドアID2−31を送信する手間を省くことができる。
【0050】
この場合、端末IDリスト2−32と照合された結果、一致する端末ID3−42に対応する端末装置3の記憶部3−3から、この端末ID3−42を送信したドアに対応するドアIDを削除するようにしてもよい。このようにすることにより、ドアIDリスト3−41を格納する記憶容量を減らすことができる。
【0051】
また、本実施の形態においては、リーダ装置2に端末IDリストを備えた場合について説明したが、大規模建物においては、この端末IDリストを管理者端末装置6に備え、管理者端末装置6により照合処理を行うようにしてもよい。この場合、リーダ装置2から管理者端末装置6へは入室しようとするユーザの端末ID3−42のみを送信すればよく、ネットワークトラフィックの負荷を増大させることなくできる。
【0052】
また、本実施の形態においては、端末IDリスト2−32に含まれる入場許可を取り消した端末装置の数が少ない場合について説明したが、入場許可の取り消しが頻繁に発生した場合には、この端末IDリスト2−32の記憶容量が大きくなる。たとえば、一時利用者や短期利用者が多く発生した場合には、この端末IDリスト2−32の格納領域の最大値を超えてしまう危険がある。
このような場合には、端末装置3の記憶部3−4に記憶されているドアIDリスト3−41に入室可能であるドアに対応するドアIDのリストとともに、その入室可能である有効期限を記憶することで対応できる。このようにすることにより、端末装置3は、リーダ装置2から受信したドアID2−32とドアIDリスト3−41とを照合する場合に、有効期限のチェックも行うことができ、有効期限が過ぎているドアID2−32を受信した場合には、開錠要求を送信しないようにできる。
【0053】
また、リーダ装置2の記憶部2−3に記憶されている端末IDリスト2−32に入場許可を取り消した端末装置3に対応する端末IDとともにその有効期限を記憶し、定期的にこの端末IDリスト2−32を更新するようにしてもよい。このようにすることにより、すでに有効期限が過ぎたものを取り除くことができるため、端末IDリスト2−32の記憶容量を減らすことができる。
【0054】
また、有効期限を設けた場合には、リーダ装置2の時刻合わせを行う必要があるが、リーダ装置2をLANに接続することにより、Network Time
Protocol(NTP)を用いることで時刻合わせができる。
また、端末装置3により入室操作が行われた場合に、この端末装置3とリーダ装置2との時刻合わせを行うようにしてもよい。この場合、端末装置3の時刻をリーダ装置2の時刻に合わせるようにする。このようにすることにより、ユーザが端末装置3の時刻の変更して入室しようとした場合においても対応できる。
【0055】
また、端末装置3とリーダ装置2との間は、チャレンジ/レスポンス方式による暗号化データ送信と照合処理により通信を行うようにしてもよい。たとえば、端末装置3が、端末ID3−42をリーダ装置2に送信する場合や、リーダ装置2が、ドアID2−31を端末装置3に送信する場合に使用する。このようにすることにより、送受信されるデータがハッキング(盗み見)されて悪用されることを防止することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、端末装置側で、開錠要求の可否の判断を行うことができるため、リーダ装置に入室を許可する端末装置のリストを格納するための大容量のメモリを必要とせず、入退出管理を行うことができる。
また、リーダ装置に、端末ID照合部と、記憶部に入室許可が取り消された端末装置の端末IDリストを備え開錠要求の可否の判断を行うことにより、リーダ装置に入室を許可する端末装置のリストを格納するための大容量のメモリを必要とせず、またリーダ装置への処理の負荷および装置の複雑化を招くことなく、既に入室が許可されたユーザの入場を取り消す機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例および実施の形態にかかる入退出管理システムの概略を示す構成図である。
【図2】 本発明の参考例にかかる入退出管理システムにおけるリーダ装置と端末装置の機能を説明するための機能ブロック図であり、(a)はリーダ装置の機能ブロック図、(b)が端末装置の機能ブロック図である。
【図3】 本発明の参考例にかかる入退出管理システムにおけるリーダ装置と端末装置の制御部の機能を説明するための機能ブロック図であり、(a)はリーダ装置の制御部の機能ブロック図、(b)が端末装置の制御部の機能ブロック図である。
【図4】 本発明の参考例にかかる入退出管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】 本発明の参考例にかかる入退出管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】 本発明の参考例にかかる入退出管理システムにおける端末装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態にかかる入退出管理システムにおけるリーダ装置と端末装置の機能を説明するための機能ブロック図であり、(a)はリーダ装置の機能ブロック図、(b)が端末装置の機能ブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態にかかる入退出管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態にかかる入退出管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態にかかる入退出管理システムにおける端末装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1、7…ネットワーク、2…リーダ装置、3…端末装置、4…コントローラ、5…電気錠、6…管理者端末装置。
Claims (4)
- 互いに無線通信可能なリーダ装置と端末装置とを有する入退出管理システムであって、
前記リーダ装置は、
開錠装置と接続されており、開錠するドアに対応したドアIDを前記端末装置に送信し、前記端末装置より開錠要求と端末IDとを受信する第1の無線通信手段と、
あらかじめ入室許可が取り消された端末装置の端末IDリストおよびこの端末IDを使用できる有効期限を記憶した第1の記憶手段と、
受信した端末IDと前記第1の記憶手段に記憶された端末IDリストとを照合する端末ID照合手段と、
前記端末ID照合手段による照合の結果、前記端末装置より受信した端末IDが前記第1の記憶手段に記憶された端末IDリストのいずれとも一致しない場合、受信した開錠要求に基づいて前記開錠装置に開錠命令を送信し、前記有効期限を経過した端末IDが存在する場合は、この端末IDとその有効期限とを前記第1の記憶手段から削除する第1の制御手段とを備え、
前記端末装置は、
あらかじめ入室可能なドアに対応したドアIDリストおよび端末IDを記憶する第2の記憶手段と、
開錠するドアに対応したドアIDを前記リーダ装置より受信し、前記リーダ装置に開錠要求と端末IDとを送信する第2の無線通信手段と、
前記リーダ装置より受信したドアIDと前記第2の記憶手段に記憶されたドアIDリストとを照合するドアID照合手段と、
前記ドアID照合手段において、前記リーダ装置より受信した前記ドアIDと前記第2の記憶手段に記憶された入室可能なドアに対応したドアIDリストとが一致した場合に、前記第2の無線通信手段から開錠要求と端末IDとを送信する第2の制御手段と
を備えることを特徴とする入退出管理システム。 - 請求項1記載の入退出管理システムにおいて、
前記端末装置の第2の制御手段は、
前記リーダ装置の前記端末ID照合手段による照合の結果、前記端末装置から送信した端末IDが前記第1の記憶手段に記憶された端末IDリストのいずれかと一致する場合、前記第2の記憶手段から、前記リーダ装置が備えられたドアに対応するドアIDを削除する手段をさらに有することを特徴とする入退出管理システム。 - 開錠するドアに対応したドアIDをリーダ装置から端末装置に送信するドアID送信ステップと、
送信された前記ドアIDと前記端末装置に記憶された入室可能なドアに対応するドアIDリストとを照合するドアID照合ステップと、
前記ドアID照合ステップにおいて、前記ドアIDが前記端末装置に記憶された入室可能なドアに対応するドアIDリストと一致した場合に、開錠要求と前記端末装置を識別する端末IDとを前記リーダ装置に送信する開錠要求送信ステップと、
前記開錠要求送信ステップにおいて送信された端末IDと前記リーダ装置に記憶された入室許可が取り消された端末装置の端末IDとを照合する端末ID照合ステップと、
前記端末ID照合ステップによる照合の結果、前記端末IDが前記リーダ装置に記憶された端末IDのいずれとも一致しない場合、前記開錠要求に基づいて前記開錠装置に開錠命令を送信する開錠命令送信ステップと、
前記リーダ装置に記憶された端末IDの有効期限を経過している場合、この端末IDとその有効期限とを前記リーダ装置の記憶手段から削除する端末ID削除ステップと、
を有することを特徴とする入退出管理方法。 - 請求項3記載の入退出管理方法において、
前記端末ID照合ステップによる照合の結果、前記端末装置より受信した端末IDが前記リーダ装置の記憶手段に記憶された端末IDリストのいずれかと一致する場合、前記端 末装置の記憶手段から、前記リーダ装置が備えられたドアに対応するドアIDを削除するドアID削除ステップをさらに有することを特徴とする入退出管理方法。
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