JP4040806B2 - 締結部材の分解工具及び分解方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、締結部材の分解工具及びその分解方法に関し、詳しくは、機械締結によって母材に締結された締結部材の締結部を分解して、該母材から該締結部材を取り外す締結部材の分解工具及び分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板やプラスチックなどの母材同士、あるいは、該母材に他の部材を接合する接合技術には、溶接、接着、機械的締結などがある。
【0003】
上記溶接は、大がかりで高価な設備や、安全性を確保できるスペースが必要となる不具合がある。
【0004】
上記接着は、比較的安価で、且つ、僅かなスペースで作業を行える利点があるが、接着剤が固化して接合が完了するまで、母材の姿勢を固定しておく必要があるため、接合に時間がかかる不具合がある。
【0005】
また、これらの溶接や接着では、母材の接合時に接合不良が発生して接合し直したり、母材をリサイクル使用したりする場合に、母材を損傷せずに接合部を分解することが不可能となる。
【0006】
一方、上記機械的締結には、▲1▼ネジ締結、▲2▼ピン締結、▲3▼リベット締結、などがあり、種々の分野で多く用いられている。
【0007】
周知のように、上記ネジ締結は、スパナやドライバーを用いて、図17(a)に示すようなボルト3とナット4、または、図17(b)に示すようなタッピングビス5などの締結部材を、母材1、2の締結穴1a、2aに螺合させることによって、母材1、2を機械的に接合する締結方法である。
【0008】
また、上記ピン締結は、カシメマシンやカシメ工具を用いて、図18(a)に示すように、締結部材としてのピン6を、母材1、2の締結穴1a、2aにカシメ付けることによって、母材1、2を機械的に接合する締結方法である。なお、ここでは、図18(b)に示すように、母材1に軸7をカシメ付ける場合もピン締結とし、該軸7を締結部材とみなすこととする。
【0009】
上記リベット締結は、リベッティングマシンやリベッティング工具を用いて、図19(a)に示すようなソリッドリベット8、図19(b)に示すようなチューブラーリベット9、図19(c)に示すようなブラインドリベット10などの締結部材を、図19(d)、(e)、(f)に示すように、母材1、2の締結穴1a、2aに締結することによって、母材1、2を機械的に接合する締結方法である。
【0010】
上記ブラインドリベット10は、図19(c)に示すように、リベットボディ11と、該リベットボディ11の軸穴11aに挿通されたマンドレル(芯軸)12とで構成されており、例えば、図20(a)、(b)、(c)、(d)に示すような手順で、上記母材1、2の締結穴1a、2aに締結される。
【0011】
すなわち、このブラインドリベット10は、先ず、図20(a)に示すように、母材1、2の締結穴1a、2aに、リベットボディ11の胴部11bを差し込む。
【0012】
次いで、図20(b)に示すように、このブラインドリベット10のマンドレル12にリベッティング工具13をセットする。
【0013】
そして、図20(c)に示すように、リベットボディ11のフランジ部(頭部)11cに、リベッティング工具13のノーズピース13aを密着させた状態で、リベッティング工具13のトリガーを引くと、該リベッティング工具13のジョー13bによって、ブラインドリベット10のマンドレル12が掴まれて引き上げられる。
【0014】
これにより、リベットボディ11の胴部11bの母材2から突出している部分が、マンドレル12のマンドレルヘッド12aによって絞り加工のように塑性変形されて、母材2にカシメ付けられる。
【0015】
この状態で、上記ジョー13bによって上記マンドレル12が更に引き上げられると、図20(d)に示すように、該マンドレル12の破断部12b(図19(c)参照)で、該マンドレル12が破断されて、ブラインドリベット10による母材1、2の締結が完了する。
【0016】
このブラインドリベット10は、図20(a)、(b)、(c)、(d)に明らかなように、その胴部11b側(母材1、2の背面側)を支持せずに母材1、2への締結作業ができるので、例えば、母材1、2の背面側に手が入らないような箇所の締結に適している。
【0017】
なお、その他の締結方法として、図21に示すように、一方の母材1に予め一体的に形成された締結部1bを、他方の母材2の締結穴2aにカシメ付けて、母材1、2を機械的に接合するバーリングカシメと呼ばれている締結方法が知られている。ここでは、このバーリングカシメにより締結された母材1の締結部1bも、上記締結部材とみなすこととする。
【0018】
このような機械的締結では、母材に締結された締結部材の締結部を分解することによって、母材から締結部材を取り外すことができるので、前述した溶接や接着などの接合技術に比較して、僅かなスペースで、該締結部材の母材への再締結や母材のリサイクルを安価且つ容易に行える利点がある。
【0019】
しかしながら、前述のピン締結や、リベット締結、及び、バーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材は、その胴部が塑性変形されることによって母材に締結されているため、該締結部材の母材への締結時に締結不良が発生して締結し直したり、母材をリサイクル使用したりする場合には、該締結部材を母材から取り外す際に、該締結部材の締結部を破壊しなければならず、その分解作業に手間を要したり、分解時に母材を損傷したりする不具合があった。
【0020】
すなわち、この種の締結部材を分解する一般的な方法としては、例えば、図22に示すように、ドリル14によって、該締結部材(ここでは、上記ブラインドリベット10)の締結部(上記フランジ部11c)を切削し、該締結部材の締結部を胴部11bから取り除いた後、この切削部側から該胴部11bを叩いて、母材1、2から締結部材を抜き取るようにしているが、このような従来の分解方法では、ドリル14の準備や選定、及び、切削作業等の段取りに手間がかかる。
【0021】
また、この従来の分解方法では、図23に示すように、締結部(フランジ部11c)の切削時に、ドリル14の先端部が母材1に達して、該母材1の締結穴1aが切削されてしまうことがある。
【0022】
このように、該母材1の締結穴1aが切削されてしまった場合には、該母材1をリサイクルできなくなったり、該母材1に締結部材(ブラインドリベット10)を再締結しても十分な締結力を確保できなくなったりする不具合があった。
【0023】
また、このようなドリルを用いた締結部材の分解方法では、締結部材の締結部の切削時に、ドリル14の回転によって該締結部材が連れ廻りして、母材に擦り傷が付いたり、締結部の切削ができなくなったりすることもあった。
【0024】
ここで、上記締結部材の連れ廻りによって損傷した母材が、製品の外装面を構成しているような場合には、該製品の商品価値が著しく低下して、製品自体が不良品となる虞が高い。
【0025】
また、このように、締結部材の締結部の切削時に、ドリル14の回転によって該締結部材が連れ廻りするような場合には、通常、図22に示すように、該締結部材のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤーやペンチなどの把持工具15で掴んで、締結部材の連れ廻りを阻止する方法が採られるが、この作業を単独で行うことは難しく、且つ、危険が伴うため、複数の作業員を必要とする。
【0026】
特に、上記締結部材のフランジ部11cの形状が皿状に形成されていて、該フランジ部11cを把持工具15で掴むことが不可能な場合(図27参照)や、該締結部材が、その胴部11b側に手が入らないような箇所に締結されている場合には、該締結部の胴部11bを把持工具15で掴んで、該締結部材の連れ廻りを阻止することが難しいため、上述のようなドリルを用いた締結部材の切削作業は極めて難しい。
【0027】
なお、図17(a)、(b)に示したようなネジ締結の場合には、母材1、2から締結部材としてのボルト3、ナット4やタッピングビス5を比較的容易に取り外せるケースが多いが、この場合においても、例えば、ボルト3、ナット4やタッピングビス5の螺合部が錆び付いて固着していたり、ネジ山が破損し、ボルト3、ナット4やタッピングビス5が母材1、2に対して空回りしたり、締結工具(スパナやドライバー)に対する係合部が損傷していたりする場合には、該ボルト3、ナット4やタッピングビス5の取り外しに多大な困難が伴う。
【0028】
そこで、本発明者は、例えば、図24、または、図25に示すように、上記母材1、2の締結穴1a、2aの内径d1よりも小径の刃先103を有し、且つ、該締結穴1aの内周面に略平行な上記締結部材としてのブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域に沿った略円筒形状の刃先部104を有する切断刃102と、該母材1の締結穴1aの中心軸方向に沿って、該切断刃102を進退自在に支持する切断刃支持体200と、該母材1の締結穴1aの中心軸方向に沿って、該フランジ部11cに該切断刃102の刃先部104を食い込ませて、該ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域に沿って該ブラインドリベット10の締結部を切断する切断力を、該切断刃102に付与する切断力付与手段300と、を有する分解工具100A、100Bを開発した。
【0029】
この分解工具100A、または、100Bを用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット10を分解するには、例えば、図24に示すように、先ず、その切断刃102の刃先103を、上記締結部材としてのブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域に臨ませる。次いで、この状態で、上記切断力付与手段300により、上記切断刃102に対して切断方向への切断力を付勢する。
【0030】
これにより、図26に示すように、該分解工具100A、100Bの切断刃102の刃先部104が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域に沿って食い込んで、該ブラインドリベット10の締結部が切断され、該胴部11bから該フランジ部11cが分離される。
【0031】
なお、該分解工具100A、100Bの詳細な構成については後述する。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記分解工具100A、100Bにおいては、前述したように、その切断対象となる上記締結部材としてのブラインドリベット10の締結部を切断することによって、該ブラインドリベット10の胴部11bから該フランジ部11cを分離させることができるが、上記母材1、2と該締結部材の胴部11bとを分離させることができない。
【0033】
すなわち、上記締結部材の胴部11bは、通常、母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっているため、上述のような分解工具100A、100Bを用いて該締結部材の胴部11bとフランジ部11cとを分離しただけでは、該締結部材の胴部11bが上記母材1、2から完全に分離された状態にならない。
【0034】
従って、上記母材1、2と上記締結部材とを完全に分離させるためには、上述のような分解工具100A、100Bによって該締結部材の胴部11bとフランジ部11cとを分離した後、該母材1、2から該胴部11bを強制的に取り外す必要がある。
【0035】
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、母材に締結された締結部材を該母材から完全に取り外すことができる締結部材の分解工具及びその分解方法を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解工具において、
上記胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、該胴部とフランジ部とを切断する切断刃を備えた切断手段と、
該切断手段の切断刃によって切断された該胴部を上記母材から押し出す胴部押出部材を備えた胴部押出手段とを有し、
上記胴部押出部材は、上記切断手段の切断刃に一体的に配設され、上記胴部押出部材は、上記切断刃による上記締結部材の締結部の切断動作に先立って、該締結部材の締結部に形成された凹部に嵌合して、上記切断刃によって切断された上記胴部を上記母材から押し出す嵌合部を有していることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の締結部材の分解工具において、上記切断刃は、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且つ、該刃先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の締結部材の分解工具において、上記切断刃は、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且つ、該刃先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3の締結部材の分解工具において、前記切断刃の刃先部の傾斜面の高さは、上記締結部材のフランジ部の該切断刃によって切断される部位の高さ以上の高さに設定されていることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか 1 項の締結部材の分解工具において、上記切断刃に上記胴部軸方向に沿って上記締結部材の締結部を切断する切断力を付与する切断力付与手段と、該切断手段によって切断された該胴部を上記母材から押し出す押出力を上記胴部押出部材に付与する押出力付与手段とを有することを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項5の締結部材の分解工具において、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の刃先が、少なくとも、上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に略到達した状態で、該切断刃の移動を停止させる切断刃停止手段を有していることを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6の締結部材の分解工具において、上記押出力付与手段は、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に向けて移動することによって、上記胴部押出部材に付与する押出力が蓄積されるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項の締結部材の分解工具において、上記切断刃、及び、上記胴部押出部材を、上記締結部材の締結部の切断時に上記母材に当接する当接部材に、配設したことを特徴とするものである。
請求項9の発明は、請求項8の締結部材の分解工具において、少なくとも、上記母材に対して当接する上記当接部材の当接部が、該母材に吸着する磁力を有していることを特徴とするものである。
請求項10の発明は、請求項9の締結部材の分解工具において、上記当接部材の当接部の磁力は、上記締結部材の締結部の切断時、及び、該締結部材の胴部の上記母材からの押し出し時に、上記切断刃に付与される切断力、及び、上記胴部押出部材に付与される押出力の反発力に抗して、該当接部材の当接部を該母材に当接させる大きさを有していることを特徴とするものである。
請求項11の発明は、請求項8ないし請求項10のいずれか1項の締結部材の分解工具において、上記母材に当接した状態の上記当接部材と、上記切断刃の刃先との位置関係を調整する刃先位置調整手段を有していることを特徴とするものである。
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれか1項の締結部材の分解工具において、上記切断刃の軸中心を回転中心として、該切断刃を所定角度回転させるための回転手段を有していることを特徴とするものである。
請求項13の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体の頭部とによって前記母材に締結されている締結部材を、前記母材から分解工具により取り外すために、前記胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する前記胴部と前記頭部との境界領域を、前記締結穴の穴径よりも小さい径を有する円筒状の切断刃により切断し、前記頭部から分離した状態の胴部を前記切断刃による切断方向と同じ方向に押出手段により押し出す締結部材の分解方法であって、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して所定位置に配置する際に前記押出手段が前記頭部によって前記切断方向と反対方向に押し戻されることにより、前記押出手段の押出力が蓄積され、前記押出手段の切断方向先端に設けられた位置決め部材を、前記切断刃による切断の前に前記締結部材の頭部に形成された軸穴と係合させて、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して位置決めし、その後、前記切断刃による境界領域の切断を行うことを特徴とするものである。
請求項14の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体の頭部とによって前記母材に締結されている締結部材を、前記母材から取り外す締結部材の分解工具であって、
前記胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する前記胴部と前記頭部との境界領域を、前記締結穴の穴径より小さい径の円筒状に切断するための切断手段と、前記切断手段の切断力を付勢力により与えるための切断力付勢手段と、前記頭部から分離した状態の胴部を前記締結穴から押し出すための押出手段と、前記押出手段の押出力を付勢力により与えるための押出力付勢手段とを有し、前記押出手段は前記切断手段の内側で且つ前記分解工具の工具本体の略中心に配置され、前記押出手段の切断方向先端には、前記締結部材の頭部に形成された軸穴と係合して前記工具本体の前記締結部材に対する位置決めに供する位置決め部材が設けられていることを特徴とするものである。
請求項15の発明は、請求項14の締結部材の分解工具において、前記押出力付勢手段は弾性部材からなり、前記押出手段の先端は前記切断手段から突出され、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して所定位置に配置する際に前記押出手段が前記頭部によって切断方向と反対方向に押し戻されることにより、前記押出力付勢手段による押出力が蓄積されることを特徴とするものである。
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15の締結部材の分解工具において、前記切断力を蓄積しておくための切断力蓄積手段と、蓄積された切断力を解放するための切断力解放手段とを有し、前記切断力付勢手段は切断力解放手段の解放に伴い前記切断力を付勢力により前記切断手段に与えることを特徴とするものである。
【0037】
この請求項1の分解工具においては、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、上記切断刃により該締結部材の締結部が切断されることによって、該胴部から該フランジ部が分離される。
ここで、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域とは、例えば、図19(f)に示す該締結部材としてのブラインドリベット10のリベットボディ11の胴部11bとフランジ部11cとの境界であって、同図において破線Aで示す該胴部11bの外周面に略平行な円筒状の領域をいう。
次いで、該切断刃によって上記フランジ部から分離されて、上記母材の締結穴に圧接される形で留まっている該胴部が、上記押出部材によって上記母材から押し出される。
これにより、該母材に締結された締結部材が該母材から取り外され、該締結部材が完全に分解された状態となる。
上記胴部押出部材は上記切断刃に一体的に配設されているので、該切断刃による上記締結部材の締結部の切断作業と、該胴部押出部材による該締結部の母材からの押し出し作業とを連続的に行うことが可能になる。これにより、該切断作業と該押し出し作業を個別に行う必要がなくなるので、該分解工具の取り扱いが容易となり、該締結部材の分解作業に要する時間が短縮される。
また、上記胴部押出部材の嵌合部が上記締結部材の締結部に形成された凹部に予め嵌合することにより、上記切断刃により該締結部材の締結部を切断する際に、該切断刃の刃先が該締結部の所定の位置に対向するように位置決めされる。これにより、該切断刃の締結部に対する切断位置がずれることがなくなり、該締結部を上記境界領域に沿って正確に切断できる。
請求項2の発明においては、上記切断刃の刃先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されているので、上記締結部材の胴部の上端部が、該切断刃によってテーパー状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の刃先部に該胴部上端が食い込み難くなる。これにより、上記胴部押出部材によって該胴部を押し出す際に、該切断刃の刃先部と該胴部上端との食い込みによる摩擦力の影響を抑制できるので、上記母材から該胴部を容易且つスムーズに取り外すことができる。
請求項3の分解工具においては、上記切断刃の刃先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されているので、上記締結部材のフランジ部の切断面が、該切断刃によって摺り鉢状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の刃先部に該フランジ部が食い込み難くなる。これにより、該切断刃の刃先部が元位置に復帰する際に、該切断刃の刃先部と該フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響を抑制できるので、該刃先部から該フランジ部を容易且つスムーズに抜き出させることができる。
請求項4の分解工具においては、上記締結部材の胴部の上端部、又は、該締結部材のフランジ部の切断面が、該切断刃の刃先部の傾斜面に沿った形状に切断される。これにより、上記胴部押出部材によって該胴部を押し出す際の、該切断刃の刃先部と該締結部材の胴部上端との食い込みによる摩擦力の影響、又は、該切断刃の刃先部が元位置に復帰する際の、該切断刃の刃先部と該フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響をより確実に除去できる。
請求項5の分解工具においては、外部から与えられる切断力又は押出力によらず、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、該切断刃の刃先部が上記締結部材の締結部に食い込んで、該締結部が切断され、且つ、上記押出力付与手段によって付与された押出力によって、上記胴部押出部材が上記締結部材の胴部を押圧して、上記母材から該胴部が押し出される。
請求項6の分解工具においては、上記切断刃停止手段によって、該切断刃の刃先が、少なくとも、上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面近傍に到達した状態で、該切断刃の移動が停止されるので、上記切断刃による母材の損傷が確実に回避される。ここで、上記切断刃の刃先が、上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面近傍に到達した状態とは、上記締結部材のフランジ部と上記母材とが、完全に分離された状態、あるいは 、僅かな肉部を残して繋がった状態の何れの状態でもよい。
請求項7の分解工具においては、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に向けて移動することによって、上記押出力付与手段の上記胴部押出部材に付与する押出力が蓄積される。これにより、該押出力付与手段自体に該押出力を蓄積するための手段を設ける必要がないので、該押出力付与手段を簡素に構成でき、分解工具を小型化できる。
請求項8の分解工具においては、上記当接部材が上記母材に当接した状態で、該当接部材に配設された上記切断刃、及び、上記胴部押出部材によって、上記締結部材の締結部が切断され、且つ、上記母材から該締結部材の胴部が押し出される。このように、上記当接部材が上記母材に当接することによって、上記切断刃と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該母材との位置関係が常時一定に保たれる。これにより、分解工具の保持の仕方によって、上記締結部材に対する切断刃及び胴部押出部材の位置がずれたり、該切断刃及び胴部押出部材の移動方向が上記母材の締結穴の軸方向に対して傾いたりすることがなくなる。従って、この分解工具においては、母材に締結された締結部材を、母材を損傷することなく1回の操作で円滑且つ確実に母材から取り外すことができる。
請求項9の分解工具においては、上記締結部材の締結部の切断時に、上記当接部材の当接部が、上記母材に磁力により当接する。これにより、上記母材に対する上記当接部材の当接部の密着性が高まるので、上記切断刃と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該母材との位置精度が向上される。
また、上記締結部材の切断時に該当接部材を強く保持せずに、該母材に対して該当接部材を密着させることができるので、該切断時における作業者の負担を軽減できる。
請求項10の分解工具においては、上記締結部材の締結部の切断時、及び、該締結部材の胴部の上記母材からの押し出し時に、作業者が上記当接部材を保持せずに、該当接部材の当接部の磁力によって、該当接部材を母材に吸着させておくことができるので、該切断時における作業者の負担を大幅に軽減できる。
請求項11の分解工具においては、上記刃先位置調整手段により上記母材に当接した状態の上記当接部材と、上記切断刃の刃先との位置関係を調整することによって、例えば、分解対象となる締結部の寸法に応じて、該締結部の寸法に見合うように上記切断刃の移動ストロークを変更することができるので、該締結部の寸法毎に該切断刃の移動ストロークの異なる専用の分解工具を多数用意しておく必要がない。また、例えば、刃先の研磨等によって該刃先部の切断方向の寸法が変化した場合でも、上記刃先位置調整手段により上記当接部材と上記切断刃の刃先との位置関係を調整することによって、該刃先の位置を常に一定した位置に臨ませるように調整できる。
請求項12の分解工具においては、上記回転手段により、上記切断刃を、その軸中心を回転中心として所定角度回転させることができる。これにより、該切断刃によって上記締結部材の締結部を複数回に分割して切断できるので、一回の切断動作時に該切断刃に付与する切断力が小さくて済む。
請求項13の分解方法においては、胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する胴部と頭部との境界領域を切断刃により切断した後、頭部から分離した状態の胴部を切断刃による切断方向と同じ方向に押し出して締結部材を母材から取り外すので、切断後に胴部が締結穴に留まり残らず、締結部材を容易に完全に分解することができる。この際、切断刃が円筒状を呈し、その径が締結穴の穴径より小さいので、切断に伴う母材の損傷を有効に防止することができる。
また、分解工具の工具本体を配置する際に押出手段が締結部材の頭部によって切断方向と反対方向に押し戻され、これにより押出手段の押出力が蓄積されるので、押出手段に押出力を蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡略化を図ることができる。
更に、押出手段の切断方向先端に設けた位置決め部材により、切断刃による切断の前に分解工具の工具本体が締結部材に対して位置決めされるので、切断刃の締結部材に対する位置ズレが防止され、境界領域を正確に切断することができる。
請求項14の分解工具においては、胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する胴部と頭部 との境界領域を切断手段により切断し、頭部から分離した状態の胴部を押出手段により締結穴から押し出して締結部材を母材から取り外すことができるので、切断後に胴部が締結穴に留まり残らず、締結部材を容易に完全に分解することができる。この際、切断刃が円筒状を呈し、その径が締結穴の穴径よりも小さいので、切断に伴う母材の損傷を有効に防止できる。
また、押出手段の切断方向先端に設けられ且つ切断手段及び工具本体の略中心に位置する位置決め部材によって、切断手段による切断の前に分解工具の工具本体を締結部材に対して位置決めすることができるので、切断手段の締結部材に対する位置ズレが防止され、境界領域を正確に切断することができる。
請求項15の分解工具においては、工具不使用時等に切断手段から突出する押出手段の先端が、工具本体を締結部材に対して所定位置に配置する際に締結部材の頭部により押し込まれることによって、押出手段が切断方向と反対方向に押し戻される。これにより、押出力付勢手段をなす弾性部材が圧縮されて圧縮に基づく付勢力が生じ、これが押出手段の押出力として蓄積されるようになっているので、押出手段による押出力を蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡略化を図ることができる。
請求項16の分解工具においては、切断力蓄積手段により切断力を蓄積しておき、それを任意の時点で切断力解放手段により解放して切断手段に与えることができるので、締結部材を所望のタイミングで切断することができる。また、外部の駆動源を用いずに切断手段に切断力を与えるので、身近に外部駆動源がないような場所で分解作業を行う場合に好適である。
【0086】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0087】
なお、本実施形態にかかる締結部材の分解工具は、前述したピン締結や、リベット締結、及び、バーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材であれば、どのようなタイプの締結部材であっても分解することが可能であるが、説明の便宜上、ここでは、図19(f)に示したようなブラインドリベット10を分解対象として説明する。
【0088】
まず、図24、及び、図25に示した前述の分解工具100A、100Bについて説明する。
【0089】
これらの分解工具100A、100Bは、前述したように、上記母材1、2の締結穴1a、2aの内径d1よりも小径の刃先103を有し、且つ、該締結穴1aの内周面に略平行な上記締結部材としてのブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部(頭部)11cとの境界領域Aに沿った略円筒形状の刃先部104を有する切断刃102と、該母材1の締結穴1aの中心軸方向に沿って、該切断刃102を進退自在に支持する工具本体としての切断刃支持体200と、該母材1の締結穴1aの中心軸方向に沿って、該フランジ部11cに該切断刃102の刃先部104を食い込ませて、該ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿って該ブラインドリベット10の締結部を切断する切断力を、該切断刃102に付与する切断力付与手段300とを有している。
【0090】
図24に示す上記分解工具100Aの切断力付与手段300は、例えば、油圧シリンダまたはエアーシリンダで構成されており、該切断刃支持体200に設けられた加圧経路200aを通して、オイルまたはエアーが出入りすることによって、矢印a方向に沿って該切断刃102を進退させる。
【0091】
ここで、上記切断力付与手段300の駆動源であるオイルまたはエアーの供給手段としては、上記ブラインドリベット10を母材1、2に締結するリベッティング工具13のジョー13bの駆動源であるオイルまたはエアーの供給手段を、そのまま利用することができる。
【0092】
また、上記切断刃支持体200は、作業者が該分解工具100Aを片手でも容易に操作できるように、例えば、ピストル型のような握り部を備えた形状に形成されていることが望ましい。
【0093】
この分解工具100Aを用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット10を分解するには、先ず、図24に示すように、その切断刃102の刃先103を、上記締結部材としてのブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに臨ませる。
【0094】
次いで、この状態で、例えば、上記切断力付与手段300により、上記切断刃102に対して切断方向への切断力を付勢する。
【0095】
これにより、図26に示すように、該分解工具100Aの切断刃102の刃先部104が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該ブラインドリベット10の締結部が切断され、該胴部11bから該フランジ部11cが分離される。
【0096】
一方、図25に示す分解工具100Bは、その切断刃102に対して、オイルやエアーの供給手段のような外部駆動源を用いずに、切断力を付与することができるように、その切断力付与手段300を構成したものである。
【0097】
すなわち、この分解工具100Bの切断力付与手段300は、該切断刃102に対して切断方向への切断力を付勢する切断力付勢手段としての伸張性のコイルスプリング303と、該コイルスプリング303の該切断刃102に対する切断方向への付勢力が蓄積された位置(コイルスプリング303が収縮した位置)に該切断刃102を係止させる切断力蓄積手段としてのストッパー304と、該ストッパー304による該切断刃102の係止を解除する切断力解放手段としての解除ボタン305とで構成されている。
【0098】
この分解工具100Bを用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット10を分解するには、先ず、上記分解工具100Aの場合と同様に、該切断刃102の刃先103を、該ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに臨ませ、この状態で、該分解工具100Bの切断刃支持体200を、該ブラインドリベット10側に押し付ける。
【0099】
これにより、上記切断刃102が、上記コイルスプリング303の伸張力に抗して、該コイルスプリング303を収縮させながら上記切断刃支持体200内に押し込まれる。
【0100】
そして、上記切断刃支持体200内に押し込まれた切断刃102の位置が、上記コイルスプリング303の収縮により、該切断刃102に対する切断方向への付勢力、つまり、該コイルスプリング303の伸張力が充分に蓄積された位置に達すると、該切断刃102の外周部に進退自在に配設された上記ストッパー304が、該切断刃支持体200の内周部に形成された係止穴200bに、バネ306の弾力により押し出されて係合し、上記付勢力が蓄積された状態で、該切断刃102が該切断刃支持体200に係止される。
【0101】
この状態で、上記切断刃支持体200の外周部に進退自在に配設された上記解除ボタン305が、バネ307の弾力に抗して、該切断刃支持体200内に押し込まれると、該解除ボタン305の解除ピン305aによって、上記係止穴200bに係合しているストッパー304が、バネ306の弾力に抗して、該切断刃102内に押し戻されて、切断刃支持体200に対する該切断刃102の係止が解除される。
【0102】
そして、この切断刃支持体200に対する該切断刃102の係止が解除されることによって、上記コイルスプリング303の伸張力により、上記切断刃102に対して切断方向への切断力が付勢される。
【0103】
これにより、図24に示した場合と同様に、該分解工具100Bの切断刃102の刃先部104が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該ブラインドリベット10の締結部が切断され、該胴部11bから該フランジ部11cが分離される。
【0104】
この分解工具100Bにおいては、オイルやエアーの供給手段のような外部駆動源を用いずに、その切断刃102に切断力を付与できるので、身近に外部駆動源がないような場所で分解作業を行う場合に好適である。
【0105】
上記分解工具100A、100Bにおいては、図26に示すように、その切断刃102の刃先部103が、母材1、2の締結穴1a、2aの中心軸と略平行に直線的に移動して該ブラインドリベット10の締結部を切断するので、前記従来のドリルを用いた分解方法のように、ブラインドリベット10の分解時に、該ブラインドリベット10が空回りしたり、該空回りなどにより母材1、2が損傷されたりすることがなく、母材1、2から該ブラインドリベット10を容易且つ迅速に取り外すことができる。
【0106】
また、この分解工具100A、100Bを用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット10を分解する場合には、図22に示したように、該ブラインドリベット10のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤーやペンチなどの把持工具15で掴んで固定しておく必要がない。
【0107】
従って、この分解工具100A、100Bによれば、例えば、図27に示すように、該ブラインドリベット10のフランジ部11cの形状が皿状に形成され、該フランジ部11cのフランジ面が母材1内に食い込んでいたり、該ブラインドリベット10の胴部11bのカシメ付け部が母材2内に食い込んでいたりして、該ブラインドリベット10のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤーやぺンチなどの把持工具15で掴むことが困難な場合でも、その切断刃102により該ブラインドリベット10の締結部を切断して、該胴部11bから該フランジ部11cを分離させることができる。
【0108】
なお、上記分解工具100A、100Bの切断刃102の締結部材切断時における切断ストロークは、図28に示すように、上記切断力付与手段300によって該切断刃102に付与される切断力によって、該切断刃102の刃先103が、少なくとも、上記ブラインドリベット10のフランジ部11cと上記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該切断刃102の刃先部104の外周面が、該母材1の締結穴1aの縁部近傍に位置した状態で、該切断刃102の移動が停止されるように設定されていることが望ましい。
【0109】
そのため、上述の分解工具100A、100Bにおいては、図24及び図25に示すように、上記切断刃102の外周面に形成された段部105を、上記切断刃支持体200の内周面に形成された段部208に係止させることによって、上述の所定の位置で、該切断刃102の移動を停止させるように構成されている。
【0110】
これにより、図28に示したように、該切断力によって、該切断刃102の刃先103が、少なくとも、上記ブラインドリベット10のフランジ部11cと上記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該切断刃102の刃先部104の外周面が、該母材1の締結穴1aの縁部近傍に位置した状態で、該切断刃102の移動を停止させることができ、該切断刃102による母材1の損傷を確実に回避できる。
【0111】
ところが、上述のような構成の分解工具100A、100Bにおいては、前述したように、その切断対象となる上記締結部材としてのブラインドリベット10の締結部を切断することによって、該ブラインドリベット10の胴部11bから該フランジ部11cを分離させることができるが、上記母材1、2と該締結部材の胴部11bとを分離させることができない。
【0112】
すなわち、上記締結部材の胴部11bは、通常、母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっているため、上述のような分解工具100A、100Bを用いて該締結部材の胴部11bとフランジ部11cとを分離しただけでは、該締結部材の胴部11bが上記母材1、2から完全に分離された状態にならない。
【0113】
従って、上記母材1、2と上記締結部材とを完全に分離させるためには、上述のような分解工具100A、100Bによって該締結部材の胴部11bとフランジ部11cとを分離した後、該母材1、2から該胴部11bを強制的に取り外す必要がある。
【0114】
そこで、本実施形態にかかる分解工具においては、上記胴部11bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、該胴部11bとフランジ部11cとを切断する切断刃を備えた切断手段500と、該切断手段500の切断刃によって切断された該胴部11bを上記母材1、2から押し出す胴部押出部材を備えた胴部押圧手段(押出手段)600と、を有する構成とする。
【0115】
図1(a)、(b)に、上記切断手段500の切断刃502の一例を示す。
【0116】
図1(a)に示す切断刃502は、その刃先503が、図24及び図25に示した分解工具100A、100Bの切断刃102の刃先103と略同様に、リング状の一枚の刃で形成されているものである。
【0117】
図1(b)に示す切断刃502は、その刃先503が、複数(図では4つ)に分割された刃で形成されているものである。
【0118】
ここで、前者のように、刃先503が一枚の刃で形成されている切断刃502の場合には、上記ブラインドリベット10に対する刃先503の当接位置を変化させずに上記ブラインドリベット10の締結部を切断できる利点がある。
【0119】
また、後者のように、刃先503が複数に分割された刃で形成されている切断刃502の場合には、後述する回転手段により該切断刃502を回転させて、その刃先503の当接位置を変化させながら該ブラインドリベット10の締結部を切断する必要があるが、該締結部を切断する際の切断力が小さくて済む利点を有している。
【0120】
図2に、上記ブラインドリベット10の胴部11bを母材1、2から押し出す場合に用いられる上記胴部押出手段600の胴部押出部材601の一例を示す。
【0121】
図示の胴部押出部材601は、上記母材1、2の締結穴1a、2aの内径d1よりも小径の円柱体で形成されている。また、該胴部押出部材601には、上記ブラインドリベット10の軸穴11a(図19(c)参照)に嵌合する形状の嵌合部(位置決め部材)601aが、その下端部に形成されている。
【0122】
なお、この胴部押出部材601、及び、その嵌合部601aは、該母材1、2の締結穴1a、2a、及び、該ブラインドリベット10の軸穴11aに挿通できる形状であれば、図示のような円柱体とする必要はなく、多角柱体などであってもよい。
【0123】
この分解工具を用いて上記母材1、2に締結されたブラインドリベット10を分解するには、まず、図24及び図25に示した分解工具100A、100Bの場合と同様に、該ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、上記切断手段500の切断刃502により該ブラインドリベット10の締結部を切断する。これによって、図3に示すように、該ブラインドリベット10の胴部11bから該フランジ部11cが分離される。
【0124】
次いで、図3に示すように、上記胴部押出手段600の胴部押出部材601の嵌合部601aを、該ブラインドリベット10の軸穴11aに嵌合させる。そして、この状態で、該胴部押出部材601に矢印bで示す押出方向(切断方向)への押出力を付与する。これにより、図3に鎖線で示すように、上記切断手段500の切断刃502によって該ブラインドリベット10のフランジ部11cから分離された胴部11bが、該胴部押出部材601によって母材1、2から下方に押し出される。
【0125】
このように、この分解工具においては、上記ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、上記切断刃502により該ブラインドリベット10の締結部が略円筒状に切断された後、上記母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっている該胴部11bが、上記胴部押出部材601によって該母材1、2から押し出される。これにより、該母材1、2に締結された該ブラインドリベット10が該母材1、2から取り外され、該ブラインドリベット10が完全に分解された状態となる。
【0126】
図4に、本発明の他の実施形態にかかる分解工具100Cの概略構成を示す。
【0127】
この分解工具100Cは、上記胴部押出手段600の胴部押出部材601を、上記切断手段500の切断刃502に一体的に配設したものである。
【0128】
すなわち、この分解工具100Cの胴部押出部材601は、図4に示すように、上記切断手段500の切断刃502の軸部に形成された中空部502a内に、上記ブラインドリベット10の軸穴11aの軸方向に略沿って進退できるように配設されている。
【0129】
この分解工具100Cは、その切断手段500に切断力を付与するための切断力付与手段300が設けられており、ハンマーなどの他の工具を用いずに、該切断手段500の切断刃502に切断力を付与することができるように構成されている。なお、この分解工具100Cの切断力付与手段300は、前記分解工具100Bの切断力付与手段300と同様の構成及び機能を有するので、それらの説明を省略することとする。
【0130】
更に、この分解工具100Cの該胴部押出部材601と、該切断刃502との間には、該胴部押出部材601に対して押出力を付勢する押出力付与手段(押出力付勢手段)としての伸張性のコイルバネ602が配設されている。
【0131】
このコイルバネ602の伸張力によって、上記胴部押出部材601は、平生、すなわち、不使用時等の通常状態において、その嵌合部601aが、上記切断刃502の刃先503よりも突出した位置に臨むようになっている。
【0132】
ここで、上記押出力付与手段としての伸張性のコイルバネ602の弾力は、上記母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっている該胴部11bを該母材1、2から押し出すことができる押出力を、上記胴部押出部材601に対して付与する弾力を有し、且つ、上記切断力付与手段300のコイルスプリング303の伸張力によって圧縮されて、該押出力が蓄積されるような弾力に設定されている。
【0133】
この分解工具100Cを用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット10を分解するには、先ず、図4に示すように、その胴部押出部材601の嵌合部601aが、該ブラインドリベット10のフランジ部11cの軸穴11aに嵌合するように、該分解工具100Cをセットする。
【0134】
これにより、その切断刃502の該ブラインドリベット10に対する切断位置が位置決めされる。従って、該ブラインドリベット10の締結部の切断時に、該切断刃502の切断位置がずれることがなくなり、該ブラインドリベット10の胴部11bから該フランジ部11cを正確な位置で分離でき、また、バリの発生を極めて少なくできる。
【0135】
また、この胴部押出部材601は、上記切断手段500の切断刃502に対して、上記軸穴11aの軸方向に略沿った方向に進退自在に配設されているので、該切断刃502によって上記締結部を切断する際に、該胴部押出部材601によって該切断刃502の切断方向への移動が阻害されることがなく、該締結部を確実に切断できる。
【0136】
更に、上記コイルバネ602によって、上記胴部押出部材601に対して上記軸穴11aに嵌合する方向への移動力が付勢されているので、該軸穴11aに対する該胴部押出部材601の嵌合部601aの嵌合を容易に行うことができる。
【0137】
このようにして、該分解工具100Cの切断刃502の刃先503を、該ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに臨ませた状態で、該分解工具100Cの切断刃支持体200を、該ブラインドリベット10側に押し付ける。
【0138】
これにより、上記切断刃502が、上記コイルスプリング303の伸張力に抗して、該コイルスプリング303を収縮させながら上記切断刃支持体200内に押し込まれる。
【0139】
そして、上記切断刃支持体200内に押し込まれた切断刃502の位置が、上記コイルスプリング303の収縮により、該切断刃502に対する切断方向への付勢力、つまり、該コイルスプリング303の伸張力が充分に蓄積された位置に達すると、該切断刃502の外周部に進退自在に配設された上記ストッパー304が、該切断刃支持体200の内周部に形成された係止穴200bに、バネ306の弾力により押し出されて係合し、上記付勢力が蓄積された状態で、該切断刃102が該切断刃支持体200に係止される。
【0140】
この状態で、上記切断刃支持体200の外周部に進退自在に配設された上記解除ボタン305が、バネ307の弾力に抗して、該切断刃支持体200内に押し込まれると、該解除ボタン305の解除ピン305aによって、上記係止穴200bに係合しているストッパー304が、バネ306の弾力に抗して、該切断刃502内に押し戻されて、切断刃支持体200に対する該切断刃502の係止が解除される。
【0141】
この切断刃支持体200に対する該切断刃502の係止が解除されることによって、上記コイルスプリング303の伸張力により、上記切断刃502に対して切断方向への切断力が付勢される。
【0142】
これにより、前記分解工具100Bの場合と同様、図5(a)に示すように、切断刃502の刃先部504が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該ブラインドリベット10の締結部が切断され、該胴部11bから該フランジ部11cが分離される。
【0143】
このとき、上記分解工具100Cの締結部材切断時における切断ストロークは、前記分解工具100Bの場合と同様、図28に示すように、上記切断力付与手段300によって該切断刃502に付与される切断力によって、該切断刃502の刃先503が、少なくとも、上記ブラインドリベット10のフランジ部11cと上記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該切断刃502の刃先部504の外周面が、該母材1の締結穴1aの縁部近傍に位置した状態で、該切断刃502の移動が停止されるように設定されていることが望ましい。
【0144】
そのため、この分解工具100Cは、上記切断力付与手段300により付与された切断力によって、その切断刃502の刃先503が、少なくとも、上記ブラインドリベット10のフランジ部11cと上記母材1との境界面に略到達した状態で、該切断刃502の基部に形成された段部505が、前記切断刃支持体200の内周面に形成された段部208に係止されることによって、該切断刃502の移動が停止されるように構成されている。
【0145】
これにより、上記ブラインドリベット10の締結部の切断時に、上記切断刃502の刃先503が、該ブラインドリベット10のフランジ部11cと上記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該円筒状切断刃502の外周面が、該母材1の締結穴1aの縁部近傍に位置した状態で停止されるので、該切断刃502による母材1の損傷が確実に回避される。
【0146】
この分解工具100Cは、オイルやエアーの供給手段のような外部駆動源を用いずに、その切断刃502に切断力を付与できるので、身近に外部駆動源がないような場所で分解作業を行う場合に好適である。なお、この分解工具100Cの切断刃502に対して切断方向への切断力を付勢する上記切断力付与手段300の切断力付勢手段として、図示の例ではコイルスプリング303を用いたが、該切断力付勢手段は、例えば、ゴム等の弾性体、または、油圧や空気圧であってもよい。
【0147】
上述のようにして、切断刃502の刃先部504が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該ブラインドリベット10の締結部が切断されると、図5(a)に示すように、上記押出力付与手段としての伸張性のコイルバネ602が、上記切断力付与手段300のコイルスプリング303の伸張力によって圧縮される。
【0148】
このコイルバネ602の圧縮によって、該コイルバネ602の押出力が蓄積される。
【0149】
このように、この分解工具100Cにおいては、上記切断力付与手段300によって付与された切断力によって、その切断刃502の刃先503が上記フランジ部11cと上記母材との境界面に向けて移動することによって、上記押出力付与手段600の上記胴部押出部材601に付与する押出力が蓄積されるので、該押出力付与手段600自体に該押出力を蓄積するための手段を設ける必要がなく、該押出力付与手段600を簡素に構成でき、該分解工具100Cを小型化できる。
【0150】
そして、図5(a)に示したように、上記母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっている該胴部11bが、上記コイルバネ602に蓄積された押出力によって、図5(b)に示すように、該母材1、2から押し出される。
【0151】
これにより、該母材1、2に締結された該ブラインドリベット10が該母材1、2から取り外され、該ブラインドリベット10が完全に分解された状態となる。
【0152】
ここで、上記切断刃502は、図1及び図4に示すように、上記ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿った円筒状の刃先部504を有し、且つ、該刃先部504の内周面が漸次傾斜した形状に形成されていることが好ましい。
【0153】
すなわち、上記切断刃502の刃先部504の内周面を漸次傾斜した形状に形成することによって、上記ブラインドリベット10の胴部11bの上端部を、図5(a)に示すように、該切断刃502によってテーパー状に傾斜した形状に切断することができる。
【0154】
これにより、該切断刃502の刃先部504に、該胴部11bの上端が食い込み難くなり、上記胴部押出部材601によって該胴部11bを押し出す際に、該切断刃502の刃先部504と該胴部11bの上端との食い込みによる摩擦力の影響が抑制されて、上記母材1、2から該胴部11bを容易且つスムーズに取り外すことができるようになる。
【0155】
また、この分解工具100Cの切断刃502は、図24または図25に示した前記分解工具100A、100Bの切断刃102と同様に、その刃先部504の外周面が漸次傾斜した形状に形成されているものであってもよい。
【0156】
このように、上記切断刃502の刃先部504の外周面を漸次傾斜した形状に形成した場合には、上記ブラインドリベット10のフランジ部11cの切断面が、図26に示したように、該切断刃502によって摺り鉢状に傾斜した形状に切断されるので、該切断刃502の刃先部504に該フランジ部11cが食い込み難くなる。
【0157】
これにより、該切断刃502の刃先部504が元位置に復帰する際に、該切断刃502の刃先部504と該フランジ部11cとの食い込みによる摩擦力の影響が抑制されるので、該刃先部504から該フランジ部11cを容易且つスムーズに抜き出させることができるようになる。
【0158】
また、上記切断刃502の刃先部504の傾斜面の高さは、切断対象となるフランジ部11cの該切断刃502によって切断される部位の高さ以上の高さに設定されていることが望ましい。
【0159】
すなわち、このように設定された切断刃502は、上記胴部11bの上端部、または、該フランジ部11cの切断面を、該切断刃502の刃先部504の傾斜面に沿った形状に切断できる。
【0160】
これにより、上記胴部押出部材601によって該胴部11bを押し出す際の、該切断刃502の刃先部504と該胴部11bの上端との食い込みによる摩擦力の影響、または、該切断刃502の刃先部504が元位置に復帰する際の、該切断刃502の刃先部504と該フランジ部11cとの食い込みによる摩擦力の影響をより確実に抑制できる。
【0161】
図6に、本発明の更に他の実施形態にかかる分解工具100Dの概略構成を示す。
【0162】
この分解工具100Dは、上記切断刃支持体200に当接部材700を設け、上記切断刃502により上記ブラインドリベット10のフランジ部11cを切断する際に、上記母材1に対して該当接部材700の当接部701を当接させるように構成したものである。
【0163】
この分解工具100Dの切断刃502は、少なくとも、母材1の締結穴1aの内径d1よりも小径の刃先503を有し、且つ、該締結穴1aの内周面に略平行な上記締結部材としてのブラインドリベット10のリベットボディ11の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿った略円筒形状の刃先部104を有している。
【0164】
そして、上記切断刃支持体200に設けられた当接部材700の内径d2は、少なくとも、上記切断刃502の刃先部504の外径d3よりも大きく形成されている。
【0165】
この分解工具100Dは、上記切断刃支持体200に設けた当接部材700の当接部701を母材1に当接させた状態で、上記ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿って、上記切断刃502により該ブラインドリベット10の締結部を切断することによって、該ブラインドリベット10の胴部11bから該フランジ部11cを分離して、該母材1、2に締結されたブラインドリベット10を該母材1、2から取り外す。
【0166】
このように、この分解工具100Dにおいては、上記ブラインドリベット10の締結部の切断時に、上記切断刃支持体200に設けられた当接部材700の当接部701が上記母材1に当接することによって、該切断刃支持体200と該母材1との位置関係、すなわち、該母材1と上記切断刃502との位置関係が常時一定に保たれる。
【0167】
これにより、該切断時の作業者による該切断刃支持体200の保持の仕方によって、上記切断刃502に付与された切断力の反力により該切断刃支持体200の位置がずれて、該切断刃502の移動ストロークが変化したり、また、該切断刃502の中心が、該ブラインドリベット10のフランジ部11cの中心からずれたり、該切断刃502の移動方向が上記母材1の締結穴1aの軸方向に対して傾いたりすることがなくなる。
【0168】
従って、この分解工具100Dにおいては、母材1、2に締結されたブラインドリベット10を、母材1、2を損傷することなく一回の操作で円滑且つ確実に母材1、2から取り外すことができる。
【0169】
ここで、上記切断刃支持体200に設けた当接部材700の当接部701は、少なくとも、母材1に吸着する磁力を有していることが好ましい。
【0170】
該当接部材700の当接部701に磁力を持たせる方法としては、該当接部材700をマグネット(永久磁石)で構成するか、あるいは、該当接部材700に磁性体材料を混入して、その当接部701を磁化すればよい。
【0171】
このように、上記ブラインドリベット10の締結部の切断時に、上記切断刃支持体200に設けた当接部材700の当接部701を、上記母材1に磁力により当接させることによって、該当接部材700の当接部701の母材1に対する密着性が高まるので、該切断時における該切断刃支持体200と該母体1との位置精度が向上される。
【0172】
また、該切断時に作業者が該切断刃支持体200を強く保持せずに、該母体1に対して該当接部材700の当接部701を密着させることができるので、該切断時における作業者の負担が軽減される。
【0173】
ここで、上記当接部材700の当接部701の磁力は、上記ブラインドリベット10の締結部の切断時に、上記切断力付与手段300により上記切断刃502に付与された切断力の反力に抗して、該切断刃支持体200に設けた当接部材700の当接部701を該母材1に当接させる力以上の大きさを有していることが望ましい。
【0174】
すなわち、上記当接部材700の当接部701の磁力を上述のように設定することによって、上記ブラインドリベット10の締結部の切断時に、作業者が上記切断刃支持体200を保持せずに、該当接部材700の当接部701の磁力によって、上記切断力付与手段300により上記切断刃502に付与された切断力の反力に抗して、該当接部材700の当接部701を母材1に当接させることができるので、該切断時における作業者の負担を大幅に軽減させることができる。
【0175】
また、上記当接部材700は、上記切断刃支持体200に対して着脱交換可能に構成されていることが好ましい。
【0176】
すなわち、該当接部材700を該切断刃支持体200に対して着脱交換可能に構成することにより、該当接部材700のみを交換することで、例えば、分解対象となる締結部の寸法に応じて、該締結部の寸法に見合うように上記切断刃502の移動ストロークを変更することができるので、該締結部の寸法毎に該切断刃502の移動ストロークの異なる専用の分解工具を多数用意しておく必要がなくなる。
【0177】
更に、上記当接部材700は、上記切断刃支持体200に対して、該切断刃502の切断方向に沿って進退自在に構成されていることが好ましい。
【0178】
すなわち、該当接部材700を該切断刃支持体200に対して、該切断刃502の切断方向に沿って進退自在に構成することにより、例えば、該切断刃502の刃先503の研磨等によって刃先部504の切断方向の寸法が変化した場合でも、該切断刃支持体200に対して該当接部材700の当接部701を、該切断刃502の切断方向に沿って進退させることによって、該切断刃502の刃先503が常に一定した位置に臨むように該刃先503の位置を調整できる。
【0179】
また、該当接部材700の当接部701を該切断刃502の切断方向に沿って進退させることによって、該当接部材700を交換せずに、分解対象となる締結部の寸法に応じて該締結部の寸法に見合うように該切断刃502の移動ストロークを変更できる。
【0180】
ここで、上述のように、当接部材700の当接部701を該切断刃502の切断方向に沿って進退させる構造としては、例えば、図6に示すように、上記切断刃支持体200に対して上記当接部材700をネジ702で螺合するように構成すればよい。
【0181】
図7に、切断刃502を、その軸中心を回転中心として所定角度回転させるための回転手段を備えた分解工具100Eの一例を示す。
【0182】
この分解工具100Eにおいては、上記回転手段により、上記切断刃502を、その軸中心を回転中心として所定角度回転させながら、該切断刃502により、上記ブラインドリベット10の締結部を切断できる。
【0183】
従って、この分解工具100Eでは、図1(b)に示したような、刃先503が分割された切断刃502を用いて、該ブラインドリベット10の締結部を切断できるので、該切断時の該切断刃502に付与する切断力をより小さくできる。
【0184】
この分解工具100Eは、図7に示すように、圧縮空気発生機25とエアーホース24で連結されており、圧縮空気によって作動するように構成されている。
【0185】
また、この分解工具100Eの主要部である円筒状構造体21は、ピストン26、30、スプリング27、31、パッキン28a、28b、接合部29、前記胴部押出手段600の胴部押出棒32、ピストン30に固定されている凸部33、アタッチメント40、前記切断手段500の切断刃502等から構成されている。
【0186】
上記圧縮空気は、エアーバルブ24vの切替動作によって、エアーホース24a、24bを通って、ピストン室51、52に供給されるようになっている。エアーバルブ24vは分解工具100Eの内部に配設されており、図示しない操作ボタンに連動して動作が切り替わるようになっている。
【0187】
また、ピストン30の先端には、上記切断刃502が取り付けられている。
【0188】
この切断刃502は、摩耗時の交換を考慮し、ピストン30と一体ではなく、交換可能に取り付けられている方が望ましい。
【0189】
上記円筒状構造体21の内周面には、直線状溝部と螺旋状溝部が形成されており、凸部33がこの溝部に沿って動くことにより、ピストン30が等角度で間欠的に回転するようになっている。この回転動作については後に詳述する。
【0190】
図8(a)に、ピストン26と胴部押出棒32との接合部29の組立前の詳細図を示す。ピストン26の先端には球部35が形成されている。また、胴部押出棒32の上端は半球状の穴部41が形成されており、ピストン26の球部35が入り込む構造になっている。そして、球部35が半球状の穴部41に入っている状態で、二つのジョイント36を、球部35の上部を挟み込むようにしてセットする。その後に、結合板37とネジ38とによって、ジョイント36と胴部押出棒32とを結合することにより、ピストン26と胴部押出棒32が回動自在に連結される。
【0191】
図8(b)は、組立後の接合部29を示す。
【0192】
図9は、図7の矢印G方向から見たピストン30及び切断刃502の刃先503の図を示す。
【0193】
この切断刃502は、図9に示すように、例えば、直径4.8mmの円周において中心角45度に対応する刃先503を、45度ずつ間隔をあけて、円周上に4個配列した構成になっている。なお、円周上に配列した切断刃502の直径は、母材1を損傷させないために、母材1の締結穴1aの穴径4.9mmよりも小さな4.8mmになっている。
【0194】
次に、この分解工具100Eによって、上記ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、該ブラインドリベット10の締結部を切断する動作、及び、該フランジ部11cを切断する動作について説明する。
【0195】
図7において、まず、上記操作ボタンを押圧すると、エアーバルブ24vの切替動作によって、圧縮空気がエアーホース24bを通って、ピストン室52の中に入る。ピストン室52はパッキン28a、28bで密閉されている為、ピストン30は圧縮空気の力によって図7のF方向に押し出される。ピストン30は、アタッチメント40の内面にあるストッパーD1、D2に突き当たるまで動く。
【0196】
そして、操作ボタンの押圧を解除すると、エアーバルブ24vの切替動作によって、ピストン室52の圧縮空気はエアーホース24bを通って排気ポート24cから抜けていく。この為、ピストン30はスプリング31の力により、ストッパーC1、C2に当たる位置まで戻る。
【0197】
ここで、ピストン30の等角度間欠回転動作について説明する。
【0198】
図10は、円筒状構造体21の内面展開図である。円筒状構造体21の内面には、ピストン30の外周面に配設されている円柱状の凸部33の外径よりも若干広い幅の溝部が形成されている。45度間隔に8箇所の直線状溝部53a〜53hと、これらの直線状溝部53a〜53hをつなぐような形で螺旋状溝部54a〜54hとが形成されている。また、直線状溝部53a〜53hと螺旋状溝部54a〜54hの分岐点42a〜42hには、それぞれ板バネ39a〜39hが配設されている。凸部33はピストン30に固定されているので、凸部33が直線状溝部53a〜53hと螺旋状溝部54a〜54hに沿って移動することに伴って、ピストン30を等角度で間欠的に回転させることができる。
【0199】
直線状溝部53aから53bに沿って凸部33及び凸部33を支持しているピストン30が移動する動作について、図7、及び、図10によって説明する。
【0200】
まず、上記操作ボタンを押圧すると、ピストン室52に空気圧が加わり、ピストン30を直線状溝部53aに沿ってまっすぐに押し出す。このとき、分岐点42aに配設された板バネ39aの先端部は、凸部33が通過する方向に対して下流側に向いているので、凸部33が通過する際に弾性変形する。このことによって、凸部33は分岐点42aをそのまま通過する。そして、ピストン30はアタッチメント40内面のストッパーD1、D2に突き当たるまで動く。このようにして、操作ボタンを押圧したときには、ピストン30は回転しないでまっすぐに押し出される。
【0201】
そして、操作ボタンの押圧を解除すると、ピストン30はスプリング31によって押し戻される。このとき、凸部33は、分岐点42aに配設された板バネ39aによって動きを規制され、図10のX方向に移動し、螺旋状溝部54aに入る。凸部33はピストン30に固定されているので、ピストン30をこの螺旋状溝部54aに沿って回転させる。さらにピストン30が押し戻されると、凸部33は直線状溝部53bに入る。
【0202】
このような動作によって、ピストン30は直線状溝部53aと53bに対応する角度だけ回転する。即ち、45度回転するのである。
【0203】
以降、操作ボタンの押圧と解除を繰り返す度に、ピストン30は押し出されて戻るときに45度回転する。これに伴ってピストン30の先端部に取り付けられた切断刃502も回転する。
【0204】
次に、母材1、2からブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとを取り外すための、胴部押出棒32の動作について、図7を用いて説明する。
【0205】
操作ボタンを押圧すると、エアーバルブ24vの切替動作によって圧縮空気はエアーホース24aを通りピストン室51に入る。これにより、ピストン26は図7のF方向に押し出される。ピストン26は、円筒状構造体21内面のストッパーB1、B2に突き当たるまで動く。なお、ピストン26は、接合部29を介して、ピストン30の中心部を貫通している胴部押出棒32と連結している。このため、操作ボタンの押圧により、胴部押出棒32もピストン26に連動して、F方向に動く。
【0206】
そして、操作ボタンの押圧を解除すると、ピストン室51の圧縮空気はエアーホース24aから排気ポート24cへと抜けていくので、スプリング27の力により、ピストン26は、円筒状構造体21内面のストッパーA1、A2の位置まで戻る。ピストン26に連動して胴部押出棒32も、元の位置に戻る。
【0207】
なお、胴部押出棒32とピストン30とは、特にピストン室52側において密閉性が要求される為、Oリング等のパッキン28bが配設されている。本分解工具100Eの構造上、パッキン28bはスラスト方向の移動に対しては密閉性が良くなければならないが、接合部29により、胴部押出棒32はピストン30とともに回動自在であり、パッキン28bには回転方向の力が加わらないので、パッキンの信頼性向上につながる。
【0208】
次に、この分解工具100Eを用いて、上記ブラインドリベット10を分解する場合の動作について説明する。
【0209】
図11は、分解工具100Eの切断刃502により、ブラインドリベット10のフランジ部11cと胴部11bとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、ブラインドリベット10の締結部を切断している状態の断面図を示す。
【0210】
分解工具100Eのアタッチメント40の開口部内径は、例えば9.7mmで、ブラインドリベット10のフランジ部11cの外径9.6mmよりもごく僅かに大きくなっている。
【0211】
まず、図11に示すように、フランジ部11cがアタッチメント40の中に入り込むように、上部から押さえて分解工具100Eをセットする。
【0212】
しかる後に操作ボタンを押圧すると、圧縮空気によってピストン30が押し出され、ピストン30の先端に取付けられている切断刃502は、フランジ部11cを均等間隔で部分的に切断する。ここで、ピストン30はストッパーD1、D2でストロークを規制されているので、母材1、2を損傷することはない。
【0213】
第一回の切断加工終了後、操作ボタンの押圧を解除する。
【0214】
これにより、切断刃502は、45度回転しながら戻る。
【0215】
さらに、該操作ボタンを押圧すると、切断刃502は、第一回目の切断箇所から45度ずれた部分を切断する。
【0216】
以上のように、操作ボタンの押圧と解除を少なくとも二回繰り返すことによって、フランジ部11cに切断刃502に対応した、円周状切断部506が形成され、フランジ部11cと胴部11bが切断される。
【0217】
図12(a)は、分解工具100Eによる操作ボタンの1回の操作で、フランジ部11cに、4ヶ所の円周状切断部506が形成された状態を示す平面図である。
【0218】
また、図12(b)は、操作ボタンを少なくとも二回操作することにより、フランジ部11cに、リング状の円周状切断部506が形成されたことを示す平面図である。
【0219】
このようにして、フランジ部11cにリング状の円周状切断部506が形成されることによって、フランジ部11cと胴部11bとが切断されて分離される。
【0220】
ここで、通常、上記胴部11bは、母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっているため、上述のようにしてフランジ部11cが分離された後、母材1、2から該胴部11bを強制的に取り外す必要がある。
【0221】
図13は、上記分解工具100Eの胴部押出棒32によって、母材1、2から胴部11bを取り外している状態を示す説明図である。
【0222】
図12(b)に示したように、フランジ部11cに円周状切断部506が形成された後に、操作ボタンを押圧すると、胴部押出棒32が押し出され、胴部11bへ力を加える。これにより、胴部押出棒32の加圧力によって、フランジ部11cを残したまま、胴部11bとマンドレル12が母材1、2から取り外される。
【0223】
図14は、作業ミスをしたリベットを分解するための生産ラインの流れ図、すなわち、母材に対する締結部材の締結状況を検査し、この検査に基づいて締結状況を不良と判断したときに締結部材を胴部とフランジ部との境界領域から切断して母材から取り外し、母材を回収する生産システムの流れ図を示す。
S.1(リベット締結工程)
市販のリベッティング工具13を用いて少なくとも2つの母材(ワーク)をブラインドリベットによって締結する。
S.2(締結具合検査工程)
S.1のリベット締結工程において、例えば、締結したブラインドリベット10とワーク(母材1、2)との間に隙間が発生しているかどうか(ワークががたついているかどうか)、リベット10がワークの締結穴表面に対して斜めになっているかどうか等を検査する。この締結具合検査工程は、リベット締結工程(S.1)と同時に実施しても良い。
S.3(リベット分解工程)
締結具合検査工程(S.2)でリベット締結不備が発見されたときには、例えば後述の分解工具100Fを有する分解装置800を用いて、リベット10をワークから除去する。このリベット分解工程(S.3)は締結具合検査工程(S.2)と同時に実施してもよい。締結具合い検査工程(S.2)をリベット締結工程(S.1)と同時に実施する場合には、このリベット分解工程(S.3)をリベット締結工程(S.1)と同時に実施してもよい。
S.4(ワーク検査工程)
リベット分解工程(S.3)において分解されたワークを再利用できる場合には、再びリベット締結工程(S.1)に移行して、2つのワークをリベットによって締結する。
【0224】
リベット分解工程(S.3)において分解されたワークを再利用できない場合には、ワークを廃棄処分とする。
【0225】
すなわち、リベット分解工程(S.3)の分解作業によって、締結穴1a、2aが曲がったり、傷ついていたり、変形していたりする場合、ワークそのものが変形していたりする場合には、そのワークを廃棄処分とする。
S.5(ユニット組み付け工程)
締結具合検査工程(S.2)において、締結良好と判定されたワークは、生産ラインのユニット組み付け工程に送られる。その工程数は例えばn(nは整数)である。
S.6(ユニット検査工程)
そのユニットはユニット検査工程に送られる。その工程数は例えばm(mは整数)である。このユニット検査工程においては、組み付けの良好性、性能検査等が行われる。全てのユニット検査工程において、検査を満足したときには、そのユニットが出荷される。
【0226】
この生産ラインは、作業者が各自各工程を手作業によって実施してもよいし、自動化ラインのロボットによって、自動的に実施してもよい。
【0227】
なお、製品回収後のリサイクルのためのリベット分解作業の生産ラインは、以下に説明するようにすればよい。
【0228】
ユーザーから製品を回収した場合、リベット締結状態のワーク(母材1、2)を分解工具によって分解する。分解したワークが再利用可能な状態のとき、そのワークを再利用する。その分解したワークが再利用不可能な状態のとき、そのワークを廃棄処分とする。金属製のワークと樹脂製のワークとが混在している場合には、これらのワークの分別作業を行ってから再利用することにすれば作業性が向上する。
【0229】
この生産ラインに使用する自動リベット分解装置800には、例えば図15に示す構成のものを使用する。図15において、符号801は複腕形ロボット装置を示している。この複腕型ロボット装置801は一対のアーム機構を有する。各アーム機構は、順次に連結された第1アーム802、第2アーム803、第3アーム804からなる。第1アーム802はベルト駆動ユニットによって移動するベース805、ベース805に形成されたガイド805aに係合してベース805を案内するガイドレール806からなる。ベース805には第2アーム803が載置連結され、第2アーム803は原点Oで互いに交差する所定の3座標軸X1、Y1、Z1のうち座標軸X1の方向に移動される。
【0230】
符号807はそのベルト駆動ユニットの従動プーリー、符号808は駆動プーリー(図示を略す)と従動プーリー807とに巻掛けられて端部がベースに固着されたベルトを示している。駆動プーリーはモータによって駆動されて、この駆動プーリーの回転によってベルト808が走行され、同時に、ベース805がガイドレール806に案内されて第2アーム803を座標軸X1方向に高精度で移動させる。
【0231】
さらに、第2アーム803は第1アーム802のベース805上に固定されたフレーム809と、このフレーム809に形成されたスリット809aにガイドロッド810が挿入されかつ第3アーム804の基端部804aが固定された移動ベース811と、移動ベース811に螺合するスクリュー(図示を略す)を回転させて移動ベース811を移動させるモータ812とからなる。この第2アーム803はモータ812の回転によって第3アーム804を移動ベース811と共に座標軸Z1方向に移動させる。
【0232】
モータ812によって回転駆動されるスクリューが螺合する移動ベース811の雄ネジは移動ベース811の移動の円滑化と高精度化とのために、多数のボールを内蔵するボールネジにより構成されている。また、ガイドロッド810は移動ベース811の回り止めのために設けられている。第3アーム804は第2アーム803の移動ベース811に固定されて第2アーム803に連結された基端部804aを一端に有する第1アーム部材813と、基端部804aに対向する先端部804bを一端に有する第2アーム部材814と、第1アーム部材813の他端に第2アーム部材814の他端を連結し且つ第2アーム部材814を第1アーム部材813に対して回動させる関節部815とからなっている。そして、第3アーム804は関節部815によって先端部804bを所定の3座標軸X1、Y1、Z1のうち座標軸Y1方向に移動させる。なお、第3アーム804の先端部804bには、例えば、分解工具100Fを把持するハンド部816が設けられている。
【0233】
その複腕型ロボット装置801はコンピュータで自動制御され、生産ラインにおいて、母材1、2の締結不良が生じたとき、図14に示す流れ図に従って、自動的に締結部材が分解される。
【0234】
分解工具100Fは、図16に示すように、取手部900が設けられたピストル型であり、その先端部に切断刃502、胴部押出部材601等からなる分解工具100Cと同様の構成を有している。ただし、図16においては切断刃502の切断動作は自動でなされるので、ノーズ部901には解除ボタン305は設けられていない。
【0235】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、上記切断刃により該締結部材の締結部が切断されることによって、該胴部から該フランジ部が分離され、次いで、該切断刃によって上記フランジ部から分離されて、上記母材の締結穴に圧接される形で留まっている該胴部が、上記胴部押出部材によって上記母材から押し出されるので、該母材に締結された締結部材を、該母材から完全に分解して取り外すことができる。
また、上記胴部押出部材が上記切断刃に一体的に配設されているので、該切断刃による上記締結部材の締結部の切断作業と、該胴部押出部材による該締結部の母材からの押し出し作業とを連続的に行うことが可能になり、該切断作業と該押し出し作業を個別に行う必要がなくなるので、該分解工具の取り扱いを容易化でき、該締結部材の分解作業に要する時間を短縮できる。
とくに、上記胴部押出部材の嵌合部が上記締結部材の締結部に形成された凹部に予め嵌合することにより、上記切断刃により該締結部材の締結部を切断する際に、該切断刃の刃先が該締結部の所定の位置に対向するように位置決めできるので、該切断刃の締結部に対する切断位置がずれることがなくなり、該締結部を上記境界領域に沿って正確に切断できるという優れた効果を奏する。
請求項2の発明によれば、上記切断刃の刃先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されているので、上記締結部材の胴部の上端部が、該切断刃によってテーパー状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の刃先部に該胴部上端が食い込み難くなるので、上記胴部押出部材によって該胴部を押し出す際に、該切断刃の刃先部と該胴部上端との食い込みによる摩擦力の影響を抑制でき、上記母材から該胴部を容易且つスムーズに取り外すことができる。
請求項3の発明によれば、上記切断刃の刃先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されているので、上記締結部材のフランジ部の切断面が、該切断刃によって摺り鉢状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の刃先部に該フランジ部が食い込み難くなるので、該切断刃の刃先部が元位置に復帰する際に、該切断刃の刃先部と該フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響を抑制でき、該刃先部から該フランジ部を容易且つスムーズに抜き出させることができる。
請求項4の発明によれば、上記締結部材の胴部の上端部、又は、該締結部材のフランジ部の切断面が、該切断刃の刃先部の傾斜面に沿った形状に切断されるので、上記胴部押出部材によって該胴部を押し出す際の、該切断刃の刃先部と該締結部材の胴部上端との食い込みによる摩擦力の影響、又は、該切断刃の刃先部が元位置に復帰する際の、該切断刃の刃先部と該フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響をより確実に抑制できる。
請求項5の発明によれば、外部から与えられる切断力又は押出力によらず、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、該切断刃の刃先部を上記締結部材の締結部に食い込ませて該締結部を切断し、且つ、上記押出力付与手段によって付与された押出力によって、上記胴部押出部材で上記締結部材の胴部を押圧して、上記母材から該胴部を押し出すことができる。
請求項6の発明によれば、上記切断刃停止手段によって、該切断刃の刃先が、少なくとも、上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面近傍に到達した状態で、該切断刃の移動が停止されるので、上記切断刃による母材の損傷を確実に回避できる。
請求項7の発明によれば、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に向けて移動することによって、上記押出力付与手段の上記胴部押出部材に付与する押出力が蓄積されるので、該押出力付与手段自体に押出力を蓄積するための手段を設ける必要がなくなり、該押出力付与手段を簡素に構成でき、分解工具の小型化を図ることができる。
請求項8の発明によれば、上記当接部材が上記母材に当接することによって、上記切断刃と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該母材との位置関係が常時一定に保 たれ、分解工具の保持の仕方によって、上記締結部材に対する切断刃及び胴部押出部材の位置がずれたり、該切断刃及び胴部押出部材の移動方向が上記母材の締結穴の軸方向に対して傾いたりすることがなくなるので、母材に締結された締結部材を、母材を損傷することなく一回の操作で円滑確実に母材から取り外すことができる。
請求項9の発明によれば、上記締結部材の締結部の切断時に、上記当接部材の当接部が、上記母材に磁力により当接する。これにより、上記母材に対する上記当接部材の当接部の密着性が高まるので、上記切断刃と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該母材との位置精度を向上できる。また、上記締結部材の切断時に該当接部材を強く保持せずに、該母材に対して該当接部材を密着させることができるので、該切断時における作業者の負担を軽減できる。
請求項10の発明によれば、上記締結部材の締結部の切断時、及び、該締結部材の胴部の上記母材からの押し出し時に、作業者が上記当接部材を保持せずに、該当接部材の当接部の磁力によって、該当接部材を母材に吸着させておくことができるので、該切断時における作業者の負担を大幅に軽減できる。
請求項11の発明によれば、上記刃先位置調整手段により上記母材に当接した状態の上記当接部材と、上記切断刃の刃先との位置関係を調整することによって、例えば、分解対象となる締結部の寸法に応じて、該締結部の寸法に見合うように上記切断刃の移動ストロークを変更することができるので、該締結部の寸法毎に該切断刃の移動ストロークの異なる専用の分解工具を多数用意しておく必要がない。また、例えば、刃先の研磨等によって該刃先部の切断方向の寸法が変化した場合でも、上記刃先位置調整手段により上記当接部材と上記切断刃の刃先との位置関係を調整することによって、該刃先の位置を常に一定した位置に臨ませるように調整できる。
請求項12の発明によれば、上記回転手段により、上記切断刃を、その軸中心を回転中心として所定角度回転させることができるので、該切断刃によって上記締結部材の締結部を複数回に分割して切断でき、一回の切断動作時に該切断刃に付与する切断力を小さくできる。
請求項13の発明によれば、胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する胴部と頭部との境界領域を切断刃により切断した後、頭部から分離した状態の胴部を切断刃による切断方向と同じ方向に押し出して締結部材を母材から取り外すので、切断後に胴部が締結穴に留まり残らず、締結部材を容易に完全に分解することができる。この際、切断刃が円筒状を呈し、その径が締結穴の穴径よりも小さいので、切断に伴う母材の損傷を有効に防止できる。
また、分解工具の工具本体を配置する際に押出手段が締結部材の頭部によって切断方向と反対方向に押し戻され、これにより押出手段の押出力が蓄積されるので、押出手段に押出力を蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡略化を図ることができる。
とくに、押出手段の切断方向先端に設けた位置決め部材により、切断刃による切断の前に分解工具の工具本体が締結部材に対して位置決めされるので、切断刃の締結部材に対する位置ズレが防止され、境界領域を正確に切断できるという優れた効果を奏する。
請求項14の発明によれば、胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する胴部と頭部との境界領域を切断手段により切断し、頭部から分離した状態の胴部を押出手段により締結穴から押し出して締結部材を母材から取り外すことができるので、切断後に胴部が締結穴に留まり残らず、締結部材を容易に完全に分解することができる。この際、切断刃が円筒状を呈し、その径が締結穴の穴径よりも小さいので、切断に伴う母材の損傷を有効に防止することができる。
とくに、押出手段の切断方向先端に設けられ且つ切断手段及び工具本体の略中心に位置する位置決め部材によって、切断手段による切断の前に分解工具の工具本体を締結部材に対して位置決めすることができるので、切断手段の締結部材に対する位置ズレが防止され、境界領域を正確に切断できるという優れた効果がある。
請求項15の発明によれば、工具不使用時等に切断手段から突出する押出手段の先端が、工具本体を締結部材に対して所定位置に配置する際に締結部材の頭部により押し込まれ ることによって、押出手段が切断方向と反対方向に押し戻される。これにより、押出力付勢手段をなす弾性部材が圧縮されて圧縮に基づく付勢力が生じ、これが押出手段の押出力として蓄積されるようになっているので、押出手段に押出力を蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡略化を図ることができる。
請求項16の発明によれば、切断力蓄積手段により切断力を蓄積しておき、それを任意の時点で切断力解放手段により解放して切断手段に与えることができるので、締結部材を所望のタイミングで切断することができる。また、外部の駆動源を用いずに切断手段に切断力を与え得るので、身近に外部駆動源がないような場所で分解作業を行う場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る締結部材の分解工具の切断手段の切断刃を示す概略斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る締結部材の分解工具の胴部押出手段の胴部押出部材を示す概略斜視図。
【図3】上記胴部押出部材を用いてブラインドリベットの胴部を母材から押し出す状態を示す概略断面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る締結部材の分解工具100Cの構成を説明するための概略断面図。
【図5】(a)、(b)は、上記分解工具100Cを用いて上記ブラインドリベットの締結部を分解する過程を示す概略断面図。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る締結部材の分解工具100Dを示す概略断面図。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係る締結部材の分解工具100Eの主要部の構成図。
【図8】上記分解工具100Eの接合部の詳細図。
【図9】上記分解工具100Eの切断刃の刃先の構成を示す説明図。
【図10】上記分解工具100Eの円筒伏構造体の内面展開図。
【図11】上記分解工具100Eの切断刃で締結部材を切断している状態を示す説明図。
【図12】(a)及び(b)は、上記分解工具100Eにより締結部材を切断する過程の説明図。
【図13】上記分解工具100Eの胴部押出棒で、締結部材の胴部を母材から押し出している状態を示す説明図。
【図14】母材から締結部材を除去して母材を回収する生産システムを説明するための流れ図。
【図15】自動リベット分解装置800の概略構成を説明するための斜視図。
【図16】自動リベット分解装置800の分解工具100Fを拡大して示す斜視図。
【図17】(a)、(b)は、ネジ締結について説明するための要部断面図。
【図18】(a)、(b)は、ピン締結について説明するための要部断面図。
【図19】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、リベット締結について説明するための要部断面図。
【図20】(a)、(b)、(c)、(d)は、ブラインドリベットの母材への締結手順を示す行程図。
【図21】チューブラーリベットについて説明するための要部断面図。
【図22】従来の締結部材の分解方法について説明するための概略断面図。
【図23】従来の締結部材の分解方法の不具合について説明するための概略断面図。
【図24】本発明が実施される分解工具100Aの構成を示す概略断面図。
【図25】本発明が実施される他の分解工具100Bの構成を示す概略断面図。
【図26】上記分解工具100A(または、100B)により締結部材のフランジ部を切断した状態を示す概略断面図。
【図27】上記分解工具100A(または、100B)により締結部材の皿状のフランジ部を切断した状態を示す概略断面図。
【図28】上記分解工具100A(または、100B)の切断刃により切断された締結部材のフランジ部の状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
1、2 母材
1a、2a 母材の締結穴
10 ブラインドリベット
11a ブラインドリベットの軸穴
11b ブラインドリベットの胴部
11c ブラインドリベットのフランジ部(頭部)
12 ブラインドリベットのマンドレル
21 円筒状構造体
24、24a、24b エアーホース
24c 排気ポート
25 圧縮空気発生機
26、30 ピストン
27、31 スプリング
28a、28b パッキン
29 接合部
32 胴部押出棒
33 凸部
35 ピストン26先端の球部
36 ジョイント
37 結合板
38 ネジ
39a〜39h 板バネ
40 アタッチメント
41 胴部押出棒上端の半球状の穴部
42a〜42h 分岐点
51、52 ピストン室
100C 分解工具
100D 分解工具
100E 分解工具
200 切断刃支持体(工具本体)
300 切断力付与手段
303 コイルスプリング
500 分解工具の切断手段
502 切断手段の切断刃
503 切断刃の刃先
504 切断刃の刃先部
505 切断刃の段部
506 円周状切断部
600 胴部押出手段
601 胴部押出手段の胴部押出部材
601a 胴部押出部材の嵌合部
602 コイルバネ
700 当接部材
701 当接部

Claims (16)

  1. 母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母材から取り外す締結部材の分解工具において、
    上記胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿って、該胴部とフランジ部とを切断する切断刃を備えた切断手段と、
    該切断手段の切断刃によって切断された該胴部を上記母材から押し出す胴部押出部材を備えた胴部押出手段とを有し、
    上記胴部押出部材は、上記切断手段の切断刃に一体的に配設され、上記胴部押出部材は、上記切断刃による上記締結部材の締結部の切断動作に先立って、該締結部材の締結部に形成された凹部に嵌合して、上記切断刃によって切断された上記胴部を上記母材から押し出す嵌合部を有していることを特徴とする締結部材の分解工具。
  2. 請求項1の締結部材の分解工具において、上記切断刃は、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且つ、該刃先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されていることを特徴とする締結部材の分解工具。
  3. 請求項1の締結部材の分解工具において、上記切断刃は、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且つ、該刃先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されていることを特徴とする締結部材の分解工具。
  4. 請求項2又は請求項3の締結部材の分解工具において、前記切断刃の刃先部の傾斜面の高さは、上記締結部材のフランジ部の該切断刃によって切断される部位の高さ以上の高さに設定されていることを特徴とする締結部材の分解工具。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか 1 項の締結部材の分解工具において、上記切断刃に上記胴部軸方向に沿って上記締結部材の締結部を切断する切断力を付与する切断力付与手段と、該切断手段によって切断された該胴部を上記母材から押し出す押出力を上記胴部押出部材に付与する押出力付与手段とを有することを特徴とする締結部材の分解工具。
  6. 請求項5の締結部材の分解工具において、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の刃先が、少なくとも、上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に略到達した状態で、該切断刃の移動を停止させる切断刃停止手段を有していることを特徴とする締結部材の分解工具。
  7. 請求項5又は請求項6の締結部材の分解工具において、上記押出力付与手段は、上記切断力付与手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に向けて移動することによって、上記胴部押出部材に付与する押出力が蓄積されるように構成されていることを特徴とする締結部材の分解工具。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項の締結部材の分解工具において、上記切断刃、及び、上記胴部押出部材を、上記締結部材の締結部の切断時に上記母材に当接する当接部材に、配設したことを特徴とする締結部材の分解工具。
  9. 請求項8の締結部材の分解工具において、少なくとも、上記母材に対して当接する上記当接部材の当接部が、該母材に吸着する磁力を有していることを特徴とする締結部材の分解工具。
  10. 請求項9の締結部材の分解工具において、上記当接部材の当接部の磁力は、上記締結部材の締結部の切断時、及び、該締結部材の胴部の上記母材からの押し出し時に、上記切断刃に付与される切断力、及び、上記胴部押出部材に付与される押出力の反発力に抗して、該当接部材の当接部を該母材に当接させる大きさを有していることを特徴とする締結部材の分解工具。
  11. 請求項8ないし請求項10のいずれか1項の締結部材の分解工具において、上記母材に当接した状態の上記当接部材と、上記切断刃の刃先との位置関係を調整する刃先位置調整手段を有していることを特徴とする締結部材の分解工具。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項の締結部材の分解工具において、上記切断刃の軸中心を回転中心として、該切断刃を所定角度回転させるための回転手段を有していることを特徴とする締結部材の分解工具。
  13. 母材の締結穴に挿通される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体の頭部とによって前記母材に締結されている締結部材を、前記母材から分解工具により取り外すために、前記胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する前記胴部と前記頭部との境界領域を、前記締結穴の穴径よりも小さい径を有する円筒状の切断刃により切断し、前記頭部から分離した状態の胴部を前記切断刃による切断方向と同じ方向に押出手段により押し出す締結部材の分解方法であって、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して所定位置に配置する際に前記押出手段が前記頭部によって前記切断方向と反対方向に押し戻されることにより、前記押出手段の押出力が蓄積され、前記押出手段の切断方向先端に設けられた位置決め部材を、前記切断刃による切断の前に前記締結部材の頭部に形成された軸穴と係合させて、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して位置決めし、その後、前記切断刃による境界領域の切断を行うことを特徴とする締結部材の分解方法。
  14. 母材の締結穴に挿通される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体の頭部とによって前記母材に締結されている締結部材を、前記母材から取り外す締結部材の分解工具であって、
    前記胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する前記胴部と前記頭部との境界領域を、前記締結穴の穴径より小さい径の円筒状に切断するための切断手段と、前記切断手段の切断力を付勢力により与えるための切断力付勢手段と、前記頭部から分離した状態の胴部を前記締結穴から押し出すための押出手段と、前記押出手段の押出力を付勢力により与えるための押出力付勢手段とを有し、前記押出手段は前記切断手段の内側で且つ前記分解工具の工具本体の略中心に配置され、前記押出手段の切断方向先端には、前記締結部材の頭部に形成された軸穴と係合して前記工具本体の前記締結部材に対する位置決めに供する位置決め部材が設けられていることを特徴とする締結部材の分解工具。
  15. 請求項14の締結部材の分解工具において、前記押出力付勢手段は弾性部材からなり、前記押出手段の先端は前記切断手段から突出され、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して所定位置に配置する際に前記押出手段が前記頭部によって切断方向と反対方向に押し戻されることにより、前記押出力付勢手段による押出力が蓄積されることを特徴とする締結部材の分解工具。
  16. 請求項14又は請求項15の締結部材の分解工具において、前記切断力を蓄積しておくための切断力蓄積手段と、蓄積された切断力を解放するための切断力解放手段とを有し、前記切断力付勢手段は切断力解放手段の解放に伴い前記切断力を付勢力により前記切断手段に与えることを特徴とする締結部材の分解工具。
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