JP2000167728A - 締結部材の分解工具、分解方法、及びその分解方法を用いた生産システム - Google Patents

締結部材の分解工具、分解方法、及びその分解方法を用いた生産システム

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JP2000167728A
JP2000167728A JP11252998A JP25299899A JP2000167728A JP 2000167728 A JP2000167728 A JP 2000167728A JP 11252998 A JP11252998 A JP 11252998A JP 25299899 A JP25299899 A JP 25299899A JP 2000167728 A JP2000167728 A JP 2000167728A
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    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/38Accessories for use in connection with riveting, e.g. pliers for upsetting; Hand tools for riveting
    • B21J15/50Removing or cutting devices for rivets

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 母材に締結された締結部材を該母材から完全
に取り外すことができる締結部材の分解工具を提供する
こと。 【解決手段】 ブラインドリベット10の胴部11bと
フランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域に沿って、
該胴部11bとフランジ部11cとを切断する切断刃5
02を備えた切断手段500と、該切断刃502によっ
て切断された該胴部11bを上記母材1、2から押し出
す胴部押出部材601を備えた胴部押圧手段600とを
設ける。そして、まず、該切断刃502により該ブライ
ンドリベット10の締結部を切断する。次いで、該ブラ
インドリベット10のフランジ部11cから分離された
胴部11bを、該胴部押出部材601によって母材1、
2から下方に押し出す。これにより、該母材1、2に締
結された該ブラインドリベット10を完全に分解でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締結部材の分解工
具、分解方法、及びその分解方法を用いた生産システム
に関し、詳しくは、機械的締結によって母材に締結され
た締結部材の締結部を分解して、該母材から該締結部材
を取り外す締結部材の分解工具、分解方法、及びその分
解方法を用いた生産システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板やプラスチックなどの母材同士、あ
るいは、該母材に他の部材を接合する接合技術には、溶
接、接着、機械的締結などがある。
【0003】上記溶接は、大がかりで高価な設備や、安
全性を確保できるスペースが必要となる不具合がある。
【0004】上記接着は、比較的安価で、且つ、僅かな
スペースで作業を行える利点があるが、接着剤が固化し
て接合が完了するまで、母材の姿勢を固定しておく必要
があるため、接合に時間がかかる不具合がある。
【0005】また、これらの溶接や接着では、母材の接
合時に接合不良が発生して接合し直したり、母材をリサ
イクル使用したりする場合に、母材を損傷せずに接合部
を分解することが不可能となる。
【0006】一方、上記機械的締結には、ネジ締結、
ピン締結、リベット締結、などがあり、種々の分野
で多く用いられている。
【0007】周知のように、上記ネジ締結は、スパナや
ドライバーを用いて、図17(a)に示すようなボルト
3とナット4、または、図17(b)に示すようなタッ
ピングビス5などの締結部材を、母材1、2の締結穴1
a、2aに螺合させることによって、母材1、2を機械
的に接合する締結方法である。
【0008】また、上記ピン締結は、カシメマシンやカ
シメ工具を用いて、図18(a)に示すように、締結部
材としてのピン6を、母材1、2の締結穴1a、2aに
カシメ付けることによって、母材1、2を機械的に接合
する締結方法である。なお、ここでは、図18(b)に
示すように、母材1に軸7をカシメ付ける場合もピン締
結とし、該軸7を締結部材とみなすこととする。
【0009】上記リベット締結は、リベッティングマシ
ンやリベッティング工具を用いて、図19(a)に示す
ようなソリッドリベット8、図19(b)に示すような
チューブラーリベット9、図19(c)に示すようなブ
ラインドリベット10などの締結部材を、図19
(d)、(e)、(f)に示すように、母材1、2の締
結穴1a、2aに締結することによって、母材1、2を
機械的に接合する締結方法である。
【0010】上記ブラインドリベット10は、図19
(c)に示すように、リベットボディ11と、該リベッ
トボディ11の軸穴11aに挿通されたマンドレル(芯
軸)12とで構成されており、例えば、図20(a)、
(b)、(c)、(d)に示すような手順で、上記母材
1、2の締結穴1a、2aに締結される。
【0011】すなわち、このブラインドリベット10
は、先ず、図20(a)に示すように、母材1、2の締
結穴1a、2aに、リベットボディ11の胴部11bを
差し込む。
【0012】次いで、図20(b)に示すように、この
ブラインドリベット10のマンドレル12にリベッティ
ング工具13をセットする。
【0013】そして、図20(c)に示すように、リベ
ットボディ11のフランジ部(頭部)11cに、リベッ
ティング工具13のノーズピース13aを密着させた状
態で、リベッティング工具13のトリガーを引くと、該
リベッティング工具13のジョー13bによって、ブラ
インドリベット10のマンドレル12が掴まれて引き上
げられる。
【0014】これにより、リベットボディ11の胴部1
1bの母材2から突出している部分が、マンドレル12
のマンドレルヘッド12aによって絞り加工のように塑
性変形されて、母材2にカシメ付けられる。
【0015】この状態で、上記ジョー13bによって上
記マンドレル12が更に引き上げられると、図20
(d)に示すように、該マンドレル12の破断部12b
(図19(c)参照)で、該マンドレル12が破断され
て、ブラインドリベット10による母材1、2の締結が
完了する。
【0016】このブラインドリベット10は、図20
(a)、(b)、(c)、(d)に明らかなように、そ
の胴部11b側(母材1、2の背面側)を支持せずに母
材1、2への締結作業ができるので、例えば、母材1、
2の背面側に手が入らないような箇所の締結に適してい
る。
【0017】なお、その他の締結方法として、図21に
示すように、一方の母材1に予め一体的に形成された締
結部1bを、他方の母材2の締結穴2aにカシメ付け
て、母材1、2を機械的に接合するバーリングカシメと
呼ばれている締結方法が知られている。ここでは、この
バーリングカシメにより締結された母材1の締結部1b
も、上記締結部材とみなすこととする。
【0018】このような機械的締結では、母材に締結さ
れた締結部材の締結部を分解することによって、母材か
ら締結部材を取り外すことができるので、前述した溶接
や接着などの接合技術に比較して、僅かなスペースで、
該締結部材の母材への再締結や母材のリサイクルを安価
且つ容易に行える利点がある。
【0019】しかしながら、前述のピン締結や、リベッ
ト締結、及び、バーリングカシメ等の機械的締結に用い
られる締結部材は、その胴部が塑性変形されることによ
って母材に締結されているため、該締結部材の母材への
締結時に締結不良が発生して締結し直したり、母材をリ
サイクル使用したりする場合には、該締結部材を母材か
ら取り外す際に、該締結部材の締結部を破壊しなければ
ならず、その分解作業に手間を要したり、分解時に母材
を損傷したりする不具合があった。
【0020】すなわち、この種の締結部材を分解する一
般的な方法としては、例えば、図22に示すように、ド
リル14によって、該締結部材(ここでは、上記ブライ
ンドリベット10)の締結部(上記フランジ部11c)
を切削し、該締結部材の締結部を胴部11bから取り除
いた後、この切削部側から該胴部11bを叩いて、母材
1、2から締結部材を抜き取るようにしているが、この
ような従来の分解方法では、ドリル14の準備や選定、
及び、切削作業等の段取りに手間がかかる。
【0021】また、この従来の分解方法では、図23に
示すように、締結部(フランジ部11c)の切削時に、
ドリル14の先端部が母材1に達して、該母材1の締結
穴1aが切削されてしまうことがある。
【0022】このように、該母材1の締結穴1aが切削
されてしまった場合には、該母材1をリサイクルできな
くなったり、該母材1に締結部材(ブラインドリベット
10)を再締結しても十分な締結力を確保できなくなっ
たりする不具合があった。
【0023】また、このようなドリルを用いた締結部材
の分解方法では、締結部材の締結部の切削時に、ドリル
14の回転によって該締結部材が連れ廻りして、母材に
擦り傷が付いたり、締結部の切削ができなくなったりす
ることもあった。
【0024】ここで、上記締結部材の連れ廻りによって
損傷した母材が、製品の外装面を構成しているような場
合には、該製品の商品価値が著しく低下して、製品自体
が不良品となる虞が高い。
【0025】また、このように、締結部材の締結部の切
削時に、ドリル14の回転によって該締結部材が連れ廻
りするような場合には、通常、図22に示すように、該
締結部材のフランジ部11cや胴部11bを、プライヤ
ーやペンチなどの把持工具15で掴んで、締結部材の連
れ廻りを阻止する方法が採られるが、この作業を単独で
行うことは難しく、且つ、危険が伴うため、複数の作業
員を必要とする。
【0026】特に、上記締結部材のフランジ部11cの
形状が皿状に形成されていて、該フランジ部11cを把
持工具15で掴むことが不可能な場合(図27参照)
や、該締結部材が、その胴部11b側に手が入らないよ
うな箇所に締結されている場合には、該締結部の胴部1
1bを把持工具15で掴んで、該締結部材の連れ廻りを
阻止することが難しいため、上述のようなドリルを用い
た締結部材の切削作業は極めて難しい。
【0027】なお、図17(a)、(b)に示したよう
なネジ締結の場合には、母材1、2から締結部材として
のボルト3、ナット4やタッピングビス5を比較的容易
に取り外せるケースが多いが、この場合においても、例
えば、ボルト3、ナット4やタッピングビス5の螺合部
が錆び付いて固着していたり、ネジ山が破損し、ボルト
3、ナット4やタッピングビス5が母材1、2に対して
空回りしたり、締結工具(スパナやドライバー)に対す
る係合部が損傷していたりする場合には、該ボルト3、
ナット4やタッピングビス5の取り外しに多大な困難が
伴う。
【0028】そこで、本発明者は、例えば、図24、ま
たは、図25に示すように、上記母材1、2の締結穴1
a、2aの内径d1よりも小径の刃先103を有し、且
つ、該締結穴1aの内周面に略平行な上記締結部材とし
てのブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部
11cとの境界領域に沿った略円筒形状の刃先部104
を有する切断刃102と、該母材1の締結穴1aの中心
軸方向に沿って、該切断刃102を進退自在に支持する
切断刃支持体200と、該母材1の締結穴1aの中心軸
方向に沿って、該フランジ部11cに該切断刃102の
刃先部104を食い込ませて、該ブラインドリベット1
0の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域に沿っ
て該ブラインドリベット10の締結部を切断する切断力
を、該切断刃102に付与する切断力付与手段300
と、を有する分解工具100A、100Bを開発した。
【0029】この分解工具100A、または、100B
を用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット1
0を分解するには、例えば、図24に示すように、先
ず、その切断刃102の刃先103を、上記締結部材と
してのブラインドリベット10の胴部11bとフランジ
部11cとの境界領域に臨ませる。次いで、この状態
で、上記切断力付与手段300により、上記切断刃10
2に対して切断方向への切断力を付勢する。
【0030】これにより、図26に示すように、該分解
工具100A、100Bの切断刃102の刃先部104
が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部
11cとの境界領域に沿って食い込んで、該ブラインド
リベット10の締結部が切断され、該胴部11bから該
フランジ部11cが分離される。
【0031】なお、該分解工具100A、100Bの詳
細な構成については後述する。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記分解工
具100A、100Bにおいては、前述したように、そ
の切断対象となる上記締結部材としてのブラインドリベ
ット10の締結部を切断することによって、該ブライン
ドリベット10の胴部11bから該フランジ部11cを
分離させることができるが、上記母材1、2と該締結部
材の胴部11bとを分離させることができない。
【0033】すなわち、上記締結部材の胴部11bは、
通常、母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で
留まっているため、上述のような分解工具100A、1
00Bを用いて該締結部材の胴部11bとフランジ部1
1cとを分離しただけでは、該締結部材の胴部11bが
上記母材1、2から完全に分離された状態にならない。
【0034】従って、上記母材1、2と上記締結部材と
を完全に分離させるためには、上述のような分解工具1
00A、100Bによって該締結部材の胴部11bとフ
ランジ部11cとを分離した後、該母材1、2から該胴
部11bを強制的に取り外す必要がある。
【0035】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、母材に締結された締
結部材を該母材から完全に取り外すことができる締結部
材の分解工具、分解方法、及びその分解方法を用いた生
産システムを提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、母材の締結穴に挿通される胴部
と、該締結穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一
体のフランジ部とによって、該母材に締結された締結部
材を、該母材から取り外す締結部材の分解工具におい
て、上記胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に
沿って、該胴部とフランジ部とを切断する切断刃を備え
た切断手段と、該切断手段の切断刃によって切断された
該胴部を上記母材から押し出す胴部押出部材を備えた胴
部押出手段と、を有することを特徴とするものである。
【0037】この分解工具においては、まず、上記締結
部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿
って、上記切断刃により該締結部材の締結部が切断され
ることによって、該胴部から該フランジ部が分離され
る。
【0038】ここで、上記締結部材の胴部とフランジ部
との胴部軸方向の境界領域とは、例えば、図19(f)
に示す該締結部材としてのブラインドリベット10のリ
ベットボディ11の胴部11bとフランジ部11cとの
境界であって、同図において破線Aで示す該胴部11b
の外周面に略平行な円筒状の領域をいう。
【0039】次いで、該切断刃によって上記フランジ部
から分離されて、上記母材の締結穴に圧接される形で留
まっている該胴部が、上記胴部押出部材によって上記母
材から押し出される。
【0040】これにより、該母材に締結された締結部材
が該母材から取り外され、該締結部材が完全に分解され
た状態となる。
【0041】請求項2の発明は、請求項1の締結部材の
分解工具において、上記胴部押出手段の胴部押出部材
は、上記切断手段の切断刃に一体的に配設されているこ
とを特徴とするものである。
【0042】この分解工具においては、上記胴部押出部
材が上記切断刃に一体的に配設されているので、該切断
刃による上記締結部材の締結部の切断作業と、該胴部押
出部材による該締結部の母材からの押し出し作業とを連
続的に行うことが可能になる。これにより、該切断作業
と該押し出し作業を個別に行う必要がなくなるので、該
分解工具の取り扱いが容易となり、該締結部材の分解作
業に要する時間が短縮される。
【0043】請求項3の発明は、請求項2の締結部材の
分解工具において、上記胴部押出部材は、上記切断刃に
よる上記締結部材の締結部の切断動作に先立って、該締
結部材の締結部に形成された凹部に嵌合して、該切断刃
によって切断された該胴部を上記母材から押し出す嵌合
部を有していることを特徴とするものである。
【0044】この分解工具においては、上記胴部押出部
材の嵌合部が上記締結部材の締結部に形成された凹部に
予め嵌合することにより、上記切断刃により該締結部材
の締結部を切断する際に、該切断刃の刃先が該締結部の
所定の位置に対向するように位置決めされる。これによ
り、該切断刃の締結部に対する切断位置がずれることが
なくなり、該締結部を上記境界領域に沿って正確に切断
できる。
【0045】請求項4の発明は、請求項1、2、また
は、3の締結部材の分解工具において、上記切断刃は、
上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界
領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且つ、該刃先部の
内周面が漸次傾斜した形状に形成されていることを待徴
とするものである。
【0046】この分解工具においては、上記切断刃の刃
先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されているの
で、上記締結部材の胴部の上端部が、該切断刃によって
テーパー状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の刃先
部に該胴部上端が食い込み難くなる。これにより、上記
胴部押出部材によって該胴部を押し出す際に、該切断刃
の刃先部と該胴部上端との食い込みによる摩擦力の影響
を抑制できるので、上記母材から該胴部を容易且つスム
ーズに取り外すことができる。
【0047】請求項5の発明は、請求項1、2、また
は、3の締結部材の分解工具において、上記切断刃は、
上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界
領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且つ、該刃先部の
外周面が漸次傾斜した形状に形成されていることを特徴
とするものである。
【0048】この分解工具においては、上記切断刃の刃
先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されているの
で、上記締結部材のフランジ部の切断面が、該切断刃に
よって摺り鉢状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の
刃先部に該フランジ部が食い込み難くなる。これによ
り、該切断刃の刃先部が元位置に復帰する際に、該切断
刃の刃先部と該フランジ部との食い込みによる摩擦力の
影響を抑制できるので、該刃先部から該フランジ部を容
易且つスムーズに抜き出させることができる。
【0049】請求項6の発明は、請求項4、または、5
の締結部材の分解工具において、上記切断刃の刃先部の
傾斜面の高さは、上記締結部材のフランジ部の該切断刃
によって切断される部位の高さ以上の高さに設定されて
いることを特徴とするものである。
【0050】この分解工具においては、上記締結部材の
胴部の上端部、または、該締結部材のフランジ部の切断
面が、該切断刃の刃先部の傾斜面に沿った形状に切断さ
れる。これにより、上記胴部押出部材によって該胴部を
押し出す際の、該切断刃の刃先部と該締結部材の胴部上
端との食い込みによる摩擦力の影響、または、該切断刃
の刃先部が元位置に復帰する際の、該切断刃の刃先部と
該フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響をより確
実に抑制できる。
【0051】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5、または、6の締結部材の分解工具において、上
記切断刃に上記胴部軸方向に沿って上記締結部材の締結
部を切断する切断力を付与する切断力付与手段と、該切
断手段によって切断された該胴部を上記母材から押し出
す押出力を上記胴部押出部材に付与する押出力付与手段
とを有することを特徴とするものである。
【0052】この分解工具においては、外部から与えら
れる切断力または押出力によらず、上記切断力付与手段
によって付与された切断力によって、該切断刃の刃先部
が上記締結部材の締結部に食い込んで、該締結部が切断
され、且つ、上記押出力付与手段によって付与された押
出力によって、上記胴部押出部材が上記締結部材の胴部
を押圧して、上記母材から該胴部が押し出される。
【0053】請求項8の発明は、請求項7の締結部材の
分解工具において、上記切断力付与手段によって付与さ
れた切断力によって、上記切断刃の刃先が、少なくと
も、上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面に
略到達した状態で、該切断刃の移動を停止させる切断刃
停止手段を有していることを特徴とするものである。
【0054】この分解工具においては、上記切断刃停止
手段によって、該切断刃の刃先が、少なくとも、上記締
結部材のフランジ部と上記母材との境界面近傍に到達し
た状態で、該切断刃の移動が停止されるので、上記切断
刃による母材の損傷が確実に回避される。
【0055】ここで、上記切断刃の刃先が、上記締結部
材のフランジ部と上記母材との境界面近傍に到達した状
態とは、上記締結部材のフランジ部と上記母材とが、完
全に分離された状態、あるいは、僅かな肉部を残して繋
がった状態の何れの状態でもよい。
【0056】請求項9の発明は、請求項7、または、8
の分解工具において、上記押出力付与手段は、上記切断
力付与手段によって付与された切断力によって、上記切
断刃の刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との
境界面に向けて移動することによって、上記胴部押出部
材に付与する押出力が蓄積されるように構成されている
ことを待徴とするものである。
【0057】この分解工具においては、上記切断力付与
手段によって付与された切断力によって、上記切断刃の
刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面
に向けて移動することによって、上記押出力付与手段の
上記胴部押出部材に付与する押出力が蓄積される。これ
により、該押出力付与手段自体に該押出力を蓄積するた
めの手段を設ける必要がないので、該押出力付与手段を
簡素に構成でき、分解工具を小型化できる。
【0058】請求項10の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、または、9の締結部材の分解工具
において、上記切断刃、及び、上記胴部押出部材を、上
記締結部材の締結部の切断時に上記母材に当接する当接
部材に、配設したことを特徴とするものである。
【0059】この分解工具においては、上記当接部材が
上記母材に当接した状態で、該当接部材に配設された上
記切断刃、及び、上記胴部押出部材によって、上記締結
部材の締結部が切断され、且つ、上記母材から該締結部
材の胴部が押し出される。このように、上記当接部材が
上記母材に当接することによって、上記切断刃と該母材
との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該母材との位
置関係が常時一定に保たれる。これにより、分解工具の
保持の仕方によって、上記締結部材に対する切断刃及び
胴部押出部材の位置がずれたり、該切断刃及び胴部押出
部材の移動方向が上記母材の締結穴の軸方向に対して傾
いたりすることがなくなる。従って、この分解工具にお
いては、母材に締結された締結部材を、母材を損傷する
ことなく一回の操作で円滑且つ確実に母材から取り外す
ことができる。
【0060】請求項11の発明は、請求項10の締結部
材の分解工具において、少なくとも、上記母材に対して
当接する上記当接部材の当接部が、該母材に吸着する磁
力を有していることを特徴とするものである。
【0061】この分解工具においては、上記締結部材の
締結部の切断時に、上記当接部材の当接部が、上記母材
に磁力により当接する。これにより、上記母材に対する
上記当接部材の当接部の密着性が高まるので、上記切断
刃と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該
母材との位置精度が向上される。
【0062】また、上記締結部材の切断時に該当接部材
を強く保持せずに、該母材に対して該当接部材を密着さ
せることができるので、該切断時における作業者の負担
を軽減できる。
【0063】請求項12の発明は、請求項11の締結部
材の分解工具において、上記当接部材の当接部の磁力
は、上記締結部材の締結部の切断時、及び、該締結部材
の胴部の上記母材からの押し出し時に、上記切断刃に付
与される切断力、及び、上記胴部押出部材に付与される
押出力の反力に抗して、該当接部材の当接部を該母材に
当接させる大きさを有していることを特徴とするもので
ある。
【0064】この分解工具においては、上記締結部材の
締結部の切断時、及び、該締結部材の胴部の上記母材か
らの押し出し時に、作業者が上記当接部材を保持せず
に、該当接部材の当接部の磁力によって、該当接部材を
母材に吸着させておくことができるので、該切断時にお
ける作業者の負担を大幅に軽減できる。
【0065】請求項13の発明は、請求項10、11、
または、12の締結部材の分解工具において、上記母材
に当接した状態の上記当接部材と、上記切断刃の刃先と
の位置関係を調整する刃先位置調整手段を有しているこ
とを特徴とするものである。
【0066】この締結部材の分解工具においては、上記
刃先位置調整手段により上記母材に当接した状態の上記
当接部材と、上記切断刃の刃先との位置関係を調整する
ことによって、例えば、分解対象となる締結部の寸法に
応じて、該締結部の寸法に見合うように上記切断刃の移
動ストロークを変更することができるので、該締結部の
寸法毎に該切断刃の移動ストロークの異なる専用の分解
工具を多数用意しておく必要がない。また、例えば、刃
先の研磨等によって該刃先部の切断方向の寸法が変化し
た場合でも、上記刃先位置調整手段により上記当接部材
と上記切断刃の刃先との位置関係を調整することによっ
て、該刃先の位置を常に一定した位置に臨ませるように
調整できる。
【0067】請求項14の発明は、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11、12、または、
13の締結部材の分解工具において、上記切断刃の軸中
心を回転中心として、該切断刃を所定角度回転させるた
めの回転手段を有していることを特徴とするものであ
る。
【0068】この分解工具においては、上記回転手段に
より、上記切断刃を、その軸中心を回転中心として所定
角度回転させることができる。これにより、該切断刃に
よって上記締結部材の締結部を複数回に分割して切断で
きるので、一回の切断動作時に該切断刃に付与する切断
力が小さくて済む。
【0069】請求項15の発明は、母材の締結穴に挿通
される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記
胴部と実質的に一体の頭部とによって前記母材に締結さ
れている締結部材を、前記母材から分解工具により取り
外す締結部材の分解方法であって、前記胴部の軸方向に
沿った円筒形状を呈する前記胴部と前記頭部との境界領
域を、前記締結穴の穴径より小さい径を有する円筒状の
切断刃により切断し、前記頭部から分離した状態の胴部
を前記切断刃による切断方向と同じ方向に押出手段によ
り押し出して、前記締結部材を前記母材から取り外すこ
とを特徴とするものである。
【0070】この分解方法においては、胴部の軸方向に
沿った円筒形状を呈する胴部と頭部との境界領域を切断
刃により切断した後、頭部から分離した状態の胴部を切
断刃による切断方向と同じ方向に押し出して締結部材を
母材から取り外すので、切断後に胴部が締結穴に留まり
残らず、締結部材を容易に完全に分解することができ
る。この際、切断刃が円筒状を呈し、その径が締結穴の
穴径より小さいので、切断に伴う母材の損傷を有効に防
止することができる。
【0071】請求項16の発明は、請求項15の締結部
材の分解方法において、前記分解工具の工具本体を前記
締結部材に対して所定位置に配置する際に前記押出手段
が前記頭部によって前記切断方向と反対方向に押し戻さ
れることにより、前記押出手段の押出力が蓄積されるこ
とを特徴とするものである。
【0072】この分解方法においては、分解工具の工具
本体を配置する際に押出手段が締結部材の頭部によって
切断方向と反対方向に押し戻され、これにより押出手段
の押出力が蓄積されるので、押出手段に押出力を蓄積す
るための手間が省けて、分解作業の簡略化を図ることが
できる。
【0073】請求項17の発明は、請求項15の締結部
材の分解方法において、前記押出手段の切断方向先端に
位置決め部材を設け、前記切断刃による切断の前に前記
位置決め部材を前記締結部材の頭部に形成された軸穴と
係合させて、前記分解工具の工具本体を前記締結部材に
対して位置決めすることを特徴とするものである。
【0074】この分解方法においては、押出手段の切断
方向先端に設けた位置決め部材により、切断刃による切
断の前に分解工具の工具本体が締結部材に対して位置決
めされるので、切断刃の締結部材に対する位置ズレが防
止され、境界領域を正確に切断することができる。
【0075】請求項18の発明は、母材の締結穴に挿通
される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記
胴部と実質的に一体の頭部とにより前記母材に締結され
ている締結部材を取り外すことによって、前記母材を回
収する生産システムであって、前記母材に締結されてい
る締結部材を前記胴部と前記頭部との境界領域から切断
して前記胴部と前記頭部とを互いに分離し、前記頭部か
ら分離した状態の胴部を前記切断刃による切断方向と同
じ方向に押出手段により押し出して前記締結部材を前記
母材から取り外すことによって、前記母材を回収するこ
とを特徴とするものである。
【0076】請求項19の発明は、請求項18の生産シ
ステムにおいて、前記母材に対する前記締結部材の締結
状況を検査し、該検査に基づいて前記締結状況を不良と
判断したときに前記締結部材を前記胴部と前記頭部との
境界領域から切断して前記母材から取り外すことを特徴
とするものである。
【0077】これらの生産システムにおいては、締結部
材が取り外された後の母材の回収を容易に行うことがで
きる。
【0078】請求項20の発明は、母材の締結穴に挿通
される胴部と、前記締結穴の周縁部に接触され且つ前記
胴部と実質的に一体の頭部とによって前記母材に締結さ
れている締結部材を、前記母材から取り外す締結部材の
分解工具であって、前記胴部の軸方向に沿った円筒形状
を呈する前記胴部と前記頭部との境界領域を、前記締結
穴の穴径より小さい径の円筒状に切断するための切断手
段と、前記切断手段の切断力を付勢力により与えるため
の切断力付勢手段と、前記頭部から分離した状態の胴部
を前記締結穴から押し出すための押出手段と、前記押出
手段の押出力を付勢力により与えるための押出力付勢手
段とを有することを特徴とするものである。
【0079】この分解工具においては、胴部の軸方向に
沿った円筒形状を呈する胴部と頭部との境界領域を切断
手段により切断し、頭部から分離した状態の胴部を押出
手段により締結穴から押し出して締結部材を母材から取
り外すことができるので、切断後に胴部が締結穴に留ま
り残らず、締結部材を容易に完全に分解することができ
る。この際、切断刃が円筒状を呈し、その径が締結穴の
穴径より小さいので、切断に伴う母材の損傷を有効に防
止することができる。
【0080】請求項21の発明は、請求項20の締結部
材の分解工具において、前記押出力付勢手段は弾性部材
からなるとともに、前記押出手段の先端は通常状態で前
記切断手段から突出し、前記分解工具の工具本体を前記
締結部材に対して所定位置に配置する際に前記押出手段
が前記頭部によって切断方向と反対方向に押し戻される
ことにより、前記押出力付勢手段による押出力が蓄積さ
れることを特徴とするものである。
【0081】この分解工具においては、工具不使用時等
の通常状態において切断手段から突出する押出手段の先
端が、工具本体を締結部材に対して所定位置に配置する
際に締結部材の頭部により押し込まれることによって、
押出手段が切断方向と反対方向に押し戻される。これに
より、押出力付勢手段をなす弾性部材が圧縮されて圧縮
に基づく付勢力が生じ、これが押出手段の押出力として
蓄積されるようになっているので、押出手段に押出力を
蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡略化を図る
ことができる。
【0082】請求項22の発明は、請求項20、また
は、21の締結部材の分解工具において、前記切断力を
蓄積しておくための切断力蓄積手段と、蓄積された切断
力を解放するための切断力解放手段とを有し、前記切断
力付勢手段は前記切断力解放手段の解放に伴い前記切断
力を付勢力により前記切断手段に与えることを特徴とす
るものである。
【0083】この分解工具においては、切断力蓄積手段
により切断力を蓄積しておき、それを任意の時点で切断
力解放手段により解放して切断手段に与えることができ
るので、締結部材を所望のタイミングで切断することが
できる。また、外部の駆動源を用いずに切断手段に切断
力を与え得るので、身近に外部駆動源がないような場所
で分解作業を行う場合に好適である。
【0084】請求項23の発明は、請求項20の締結部
材の分解工具において、前記押出手段は前記切断手段の
内側で且つ前記分解工具の工具本体の略中心に配置さ
れ、前記押出手段の切断方向先端には、前記締結部材の
頭部に形成された軸穴と係合して前記工具本体の前記締
結部材に対する位置決めに供する位置決め部材が設けら
れていることを特徴とするものである。
【0085】この分解工具においては、押出手段の切断
方向先端に設けられ、且つ、切断手段及び工具本体の略
中心に位置する位置決め部材によって、切断手段による
切断の前に分解工具の工具本体を締結部材に対して位置
決めすることができるので、切断手段の締結部材に対す
る位置ズレが防止され、境界領域を正確に切断すること
ができる。
【0086】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0087】なお、本実施形態にかかる締結部材の分解
工具は、前述したピン締結や、リベット締結、及び、バ
ーリングカシメ等の機械的締結に用いられる締結部材で
あれば、どのようなタイプの締結部材であっても分解す
ることが可能であるが、説明の便宜上、ここでは、図1
9(f)に示したようなブラインドリベット10を分解
対象として説明する。
【0088】まず、図24、及び、図25に示した前述
の分解工具100A、100Bについて説明する。
【0089】これらの分解工具100A、100Bは、
前述したように、上記母材1、2の締結穴1a、2aの
内径d1よりも小径の刃先103を有し、且つ、該締結
穴1aの内周面に略平行な上記締結部材としてのブライ
ンドリベット10の胴部11bとフランジ部(頭部)1
1cとの境界領域Aに沿った略円筒形状の刃先部104
を有する切断刃102と、該母材1の締結穴1aの中心
軸方向に沿って、該切断刃102を進退自在に支持する
工具本体としての切断刃支持体200と、該母材1の締
結穴1aの中心軸方向に沿って、該フランジ部11cに
該切断刃102の刃先部104を食い込ませて、該ブラ
インドリベット10の胴部11bとフランジ部11cと
の境界領域Aに沿って該ブラインドリベット10の締結
部を切断する切断力を、該切断刃102に付与する切断
力付与手段300とを有している。
【0090】図24に示す上記分解工具100Aの切断
力付与手段300は、例えば、油圧シリンダまたはエア
ーシリンダで構成されており、該切断刃支持体200に
設けられた加圧経路200aを通して、オイルまたはエ
アーが出入りすることによって、矢印a方向に沿って該
切断刃102を進退させる。
【0091】ここで、上記切断力付与手段300の駆動
源であるオイルまたはエアーの供給手段としては、上記
ブラインドリベット10を母材1、2に締結するリベッ
ティング工具13のジョー13bの駆動源であるオイル
またはエアーの供給手段を、そのまま利用することがで
きる。
【0092】また、上記切断刃支持体200は、作業者
が該分解工具100Aを片手でも容易に操作できるよう
に、例えば、ピストル型のような握り部を備えた形状に
形成されていることが望ましい。
【0093】この分解工具100Aを用いて母材1、2
に締結されたブラインドリベット10を分解するには、
先ず、図24に示すように、その切断刃102の刃先1
03を、上記締結部材としてのブラインドリベット10
の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに臨ま
せる。
【0094】次いで、この状態で、例えば、上記切断力
付与手段300により、上記切断刃102に対して切断
方向への切断力を付勢する。
【0095】これにより、図26に示すように、該分解
工具100Aの切断刃102の刃先部104が、ブライ
ンドリベット10の胴部11bとフランジ部11cとの
境界領域Aに沿って食い込んで、該ブラインドリベット
10の締結部が切断され、該胴部11bから該フランジ
部11cが分離される。
【0096】一方、図25に示す分解工具100Bは、
その切断刃102に対して、オイルやエアーの供給手段
のような外部駆動源を用いずに、切断力を付与すること
ができるように、その切断力付与手段300を構成した
ものである。
【0097】すなわち、この分解工具100Bの切断力
付与手段300は、該切断刃102に対して切断方向へ
の切断力を付勢する切断力付勢手段としての伸張性のコ
イルスプリング303と、該コイルスプリング303の
該切断刃102に対する切断方向への付勢力が蓄積され
た位置(コイルスプリング303が収縮した位置)に該
切断刃102を係止させる切断力蓄積手段としてのスト
ッパー304と、該ストッパー304による該切断刃1
02の係止を解除する切断力解放手段としての解除ボタ
ン305とで構成されている。
【0098】この分解工具100Bを用いて母材1、2
に締結されたブラインドリベット10を分解するには、
先ず、上記分解工具100Aの場合と同様に、該切断刃
102の刃先103を、該ブラインドリベット10の胴
部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに臨ませ、
この状態で、該分解工具100Bの切断刃支持体200
を、該ブラインドリベット10側に押し付ける。
【0099】これにより、上記切断刃102が、上記コ
イルスプリング303の伸張力に抗して、該コイルスプ
リング303を収縮させながら上記切断刃支持体200
内に押し込まれる。
【0100】そして、上記切断刃支持体200内に押し
込まれた切断刃102の位置が、上記コイルスプリング
303の収縮により、該切断刃102に対する切断方向
への付勢力、つまり、該コイルスプリング303の伸張
力が充分に蓄積された位置に達すると、該切断刃102
の外周部に進退自在に配設された上記ストッパー304
が、該切断刃支持体200の内周部に形成された係止穴
200bに、バネ306の弾力により押し出されて係合
し、上記付勢力が蓄積された状態で、該切断刃102が
該切断刃支持体200に係止される。
【0101】この状態で、上記切断刃支持体200の外
周部に進退自在に配設された上記解除ボタン305が、
バネ307の弾力に抗して、該切断刃支持体200内に
押し込まれると、該解除ボタン305の解除ピン305
aによって、上記係止穴200bに係合しているストッ
パー304が、バネ306の弾力に抗して、該切断刃1
02内に押し戻されて、切断刃支持体200に対する該
切断刃102の係止が解除される。
【0102】そして、この切断刃支持体200に対する
該切断刃102の係止が解除されることによって、上記
コイルスプリング303の伸張力により、上記切断刃1
02に対して切断方向への切断力が付勢される。
【0103】これにより、図24に示した場合と同様
に、該分解工具100Bの切断刃102の刃先部104
が、ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部
11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該ブライン
ドリベット10の締結部が切断され、該胴部11bから
該フランジ部11cが分離される。
【0104】この分解工具100Bにおいては、オイル
やエアーの供給手段のような外部駆動源を用いずに、そ
の切断刃102に切断力を付与できるので、身近に外部
駆動源がないような場所で分解作業を行う場合に好適で
ある。
【0105】上記分解工具100A、100Bにおいて
は、図26に示すように、その切断刃102の刃先部1
03が、母材1、2の締結穴1a、2aの中心軸と略平
行に直線的に移動して該ブラインドリベット10の締結
部を切断するので、前記従来のドリルを用いた分解方法
のように、ブラインドリベット10の分解時に、該ブラ
インドリベット10が空回りしたり、該空回りなどによ
り母材1、2が損傷されたりすることがなく、母材1、
2から該ブラインドリベット10を容易且つ迅速に取り
外すことができる。
【0106】また、この分解工具100A、100Bを
用いて母材1、2に締結されたブラインドリベット10
を分解する場合には、図22に示したように、該ブライ
ンドリベット10のフランジ部11cや胴部11bを、
プライヤーやペンチなどの把持工具15で掴んで固定し
ておく必要がない。
【0107】従って、この分解工具100A、100B
によれば、例えば、図27に示すように、該ブラインド
リベット10のフランジ部11cの形状が皿状に形成さ
れ、該フランジ部11cのフランジ面が母材1内に食い
込んでいたり、該ブラインドリベット10の胴部11b
のカシメ付け部が母材2内に食い込んでいたりして、該
ブラインドリベット10のフランジ部11cや胴部11
bを、プライヤーやぺンチなどの把持工具15で掴むこ
とが困難な場合でも、その切断刃102により該ブライ
ンドリベット10の締結部を切断して、該胴部11bか
ら該フランジ部11cを分離させることができる。
【0108】なお、上記分解工具100A、100Bの
切断刃102の締結部材切断時における切断ストローク
は、図28に示すように、上記切断力付与手段300に
よって該切断刃102に付与される切断力によって、該
切断刃102の刃先103が、少なくとも、上記ブライ
ンドリベット10のフランジ部11cと上記母材1との
境界面近傍に到達し、且つ、該切断刃102の刃先部1
04の外周面が、該母材1の締結穴1aの縁部近傍に位
置した状態で、該切断刃102の移動が停止されるよう
に設定されていることが望ましい。
【0109】そのため、上述の分解工具100A、10
0Bにおいては、図24及び図25に示すように、上記
切断刃102の外周面に形成された段部105を、上記
切断刃支持体200の内周面に形成された段部208に
係止させることによって、上述の所定の位置で、該切断
刃102の移動を停止させるように構成されている。
【0110】これにより、図28に示したように、該切
断力によって、該切断刃102の刃先103が、少なく
とも、上記ブラインドリベット10のフランジ部11c
と上記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該切断刃
102の刃先部104の外周面が、該母材1の締結穴1
aの縁部近傍に位置した状態で、該切断刃102の移動
を停止させることができ、該切断刃102による母材1
の損傷を確実に回避できる。
【0111】ところが、上述のような構成の分解工具1
00A、100Bにおいては、前述したように、その切
断対象となる上記締結部材としてのブラインドリベット
10の締結部を切断することによって、該ブラインドリ
ベット10の胴部11bから該フランジ部11cを分離
させることができるが、上記母材1、2と該締結部材の
胴部11bとを分離させることができない。
【0112】すなわち、上記締結部材の胴部11bは、
通常、母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で
留まっているため、上述のような分解工具100A、1
00Bを用いて該締結部材の胴部11bとフランジ部1
1cとを分離しただけでは、該締結部材の胴部11bが
上記母材1、2から完全に分離された状態にならない。
【0113】従って、上記母材1、2と上記締結部材と
を完全に分離させるためには、上述のような分解工具1
00A、100Bによって該締結部材の胴部11bとフ
ランジ部11cとを分離した後、該母材1、2から該胴
部11bを強制的に取り外す必要がある。
【0114】そこで、本実施形態にかかる分解工具にお
いては、上記胴部11bとフランジ部11cとの胴部軸
方向の境界領域Aに沿って、該胴部11bとフランジ部
11cとを切断する切断刃を備えた切断手段500と、
該切断手段500の切断刃によって切断された該胴部1
1bを上記母材1、2から押し出す胴部押出部材を備え
た胴部押圧手段(押出手段)600と、を有する構成と
する。
【0115】図1(a)、(b)に、上記切断手段50
0の切断刃502の一例を示す。
【0116】図1(a)に示す切断刃502は、その刃
先503が、図24及び図25に示した分解工具100
A、100Bの切断刃102の刃先103と略同様に、
リング状の一枚の刃で形成されているものである。
【0117】図1(b)に示す切断刃502は、その刃
先503が、複数(図では4つ)に分割された刃で形成
されているものである。
【0118】ここで、前者のように、刃先503が一枚
の刃で形成されている切断刃502の場合には、上記ブ
ラインドリベット10に対する刃先503の当接位置を
変化させずに上記ブラインドリベット10の締結部を切
断できる利点がある。
【0119】また、後者のように、刃先503が複数に
分割された刃で形成されている切断刃502の場合に
は、後述する回転手段により該切断刃502を回転させ
て、その刃先503の当接位置を変化させながら該ブラ
インドリベット10の締結部を切断する必要があるが、
該締結部を切断する際の切断力が小さくて済む利点を有
している。
【0120】図2に、上記ブラインドリベット10の胴
部11bを母材1、2から押し出す場合に用いられる上
記胴部押出手段600の胴部押出部材601の一例を示
す。
【0121】図示の胴部押出部材601は、上記母材
1、2の締結穴1a、2aの内径d1よりも小径の円柱
体で形成されている。また、該胴部押出部材601に
は、上記ブラインドリベット10の軸穴11a(図19
(c)参照)に嵌合する形状の嵌合部(位置決め部材)
601aが、その下端部に形成されている。
【0122】なお、この胴部押出部材601、及び、そ
の嵌合部601aは、該母材1、2の締結穴1a、2
a、及び、該ブラインドリベット10の軸穴11aに挿
通できる形状であれば、図示のような円柱体とする必要
はなく、多角柱体などであってもよい。
【0123】この分解工具を用いて上記母材1、2に締
結されたブラインドリベット10を分解するには、ま
ず、図24及び図25に示した分解工具100A、10
0Bの場合と同様に、該ブラインドリベット10の胴部
11bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域A
に沿って、上記切断手段500の切断刃502により該
ブラインドリベット10の締結部を切断する。これによ
って、図3に示すように、該ブラインドリベット10の
胴部11bから該フランジ部11cが分離される。
【0124】次いで、図3に示すように、上記胴部押出
手段600の胴部押出部材601の嵌合部601aを、
該ブラインドリベット10の軸穴11aに嵌合させる。
そして、この状態で、該胴部押出部材601に矢印bで
示す押出方向(切断方向)への押出力を付与する。これ
により、図3に鎖線で示すように、上記切断手段500
の切断刃502によって該ブラインドリベット10のフ
ランジ部11cから分離された胴部11bが、該胴部押
出部材601によって母材1、2から下方に押し出され
る。
【0125】このように、この分解工具においては、上
記ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部1
1cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、上記切断刃
502により該ブラインドリベット10の締結部が略円
筒状に切断された後、上記母材1、2の締結穴1a、2
aに圧接される形で留まっている該胴部11bが、上記
胴部押出部材601によって該母材1、2から押し出さ
れる。これにより、該母材1、2に締結された該ブライ
ンドリベット10が該母材1、2から取り外され、該ブ
ラインドリベット10が完全に分解された状態となる。
【0126】図4に、本発明の他の実施形態にかかる分
解工具100Cの概略構成を示す。
【0127】この分解工具100Cは、上記胴部押出手
段600の胴部押出部材601を、上記切断手段500
の切断刃502に一体的に配設したものである。
【0128】すなわち、この分解工具100Cの胴部押
出部材601は、図4に示すように、上記切断手段50
0の切断刃502の軸部に形成された中空部502a内
に、上記ブラインドリベット10の軸穴11aの軸方向
に略沿って進退できるように配設されている。
【0129】この分解工具100Cは、その切断手段5
00に切断力を付与するための切断力付与手段300が
設けられており、ハンマーなどの他の工具を用いずに、
該切断手段500の切断刃502に切断力を付与するこ
とができるように構成されている。なお、この分解工具
100Cの切断力付与手段300は、前記分解工具10
0Bの切断力付与手段300と同様の構成及び機能を有
するので、それらの説明を省略することとする。
【0130】更に、この分解工具100Cの該胴部押出
部材601と、該切断刃502との間には、該胴部押出
部材601に対して押出力を付勢する押出力付与手段
(押出力付勢手段)としての伸張性のコイルバネ602
が配設されている。
【0131】このコイルバネ602の伸張力によって、
上記胴部押出部材601は、平生、すなわち、不使用時
等の通常状態において、その嵌合部601aが、上記切
断刃502の刃先503よりも突出した位置に臨むよう
になっている。
【0132】ここで、上記押出力付与手段としての伸張
性のコイルバネ602の弾力は、上記母材1、2の締結
穴1a、2aに圧接される形で留まっている該胴部11
bを該母材1、2から押し出すことができる押出力を、
上記胴部押出部材601に対して付与する弾力を有し、
且つ、上記切断力付与手段300のコイルスプリング3
03の伸張力によって圧縮されて、該押出力が蓄積され
るような弾力に設定されている。
【0133】この分解工具100Cを用いて母材1、2
に締結されたブラインドリベット10を分解するには、
先ず、図4に示すように、その胴部押出部材601の嵌
合部601aが、該ブラインドリベット10のフランジ
部11cの軸穴11aに嵌合するように、該分解工具1
00Cをセットする。
【0134】これにより、その切断刃502の該ブライ
ンドリベット10に対する切断位置が位置決めされる。
従って、該ブラインドリベット10の締結部の切断時
に、該切断刃502の切断位置がずれることがなくな
り、該ブラインドリベット10の胴部11bから該フラ
ンジ部11cを正確な位置で分離でき、また、バリの発
生を極めて少なくできる。
【0135】また、この胴部押出部材601は、上記切
断手段500の切断刃502に対して、上記軸穴11a
の軸方向に略沿った方向に進退自在に配設されているの
で、該切断刃502によって上記締結部を切断する際
に、該胴部押出部材601によって該切断刃502の切
断方向への移動が阻害されることがなく、該締結部を確
実に切断できる。
【0136】更に、上記コイルバネ602によって、上
記胴部押出部材601に対して上記軸穴11aに嵌合す
る方向への移動力が付勢されているので、該軸穴11a
に対する該胴部押出部材601の嵌合部601aの嵌合
を容易に行うことができる。
【0137】このようにして、該分解工具100Cの切
断刃502の刃先503を、該ブラインドリベット10
の胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに臨ま
せた状態で、該分解工具100Cの切断刃支持体200
を、該ブラインドリベット10側に押し付ける。
【0138】これにより、上記切断刃502が、上記コ
イルスプリング303の伸張力に抗して、該コイルスプ
リング303を収縮させながら上記切断刃支持体200
内に押し込まれる。
【0139】そして、上記切断刃支持体200内に押し
込まれた切断刃502の位置が、上記コイルスプリング
303の収縮により、該切断刃502に対する切断方向
への付勢力、つまり、該コイルスプリング303の伸張
力が充分に蓄積された位置に達すると、該切断刃502
の外周部に進退自在に配設された上記ストッパー304
が、該切断刃支持体200の内周部に形成された係止穴
200bに、バネ306の弾力により押し出されて係合
し、上記付勢力が蓄積された状態で、該切断刃102が
該切断刃支持体200に係止される。
【0140】この状態で、上記切断刃支持体200の外
周部に進退自在に配設された上記解除ボタン305が、
バネ307の弾力に抗して、該切断刃支持体200内に
押し込まれると、該解除ボタン305の解除ピン305
aによって、上記係止穴200bに係合しているストッ
パー304が、バネ306の弾力に抗して、該切断刃5
02内に押し戻されて、切断刃支持体200に対する該
切断刃502の係止が解除される。
【0141】この切断刃支持体200に対する該切断刃
502の係止が解除されることによって、上記コイルス
プリング303の伸張力により、上記切断刃502に対
して切断方向への切断力が付勢される。
【0142】これにより、前記分解工具100Bの場合
と同様、図5(a)に示すように、切断刃502の刃先
部504が、ブラインドリベット10の胴部11bとフ
ランジ部11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該
ブラインドリベット10の締結部が切断され、該胴部1
1bから該フランジ部11cが分離される。
【0143】このとき、上記分解工具100Cの締結部
材切断時における切断ストロークは、前記分解工具10
0Bの場合と同様、図28に示すように、上記切断力付
与手段300によって該切断刃502に付与される切断
力によって、該切断刃502の刃先503が、少なくと
も、上記ブラインドリベット10のフランジ部11cと
上記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該切断刃5
02の刃先部504の外周面が、該母材1の締結穴1a
の縁部近傍に位置した状態で、該切断刃502の移動が
停止されるように設定されていることが望ましい。
【0144】そのため、この分解工具100Cは、上記
切断力付与手段300により付与された切断力によっ
て、その切断刃502の刃先503が、少なくとも、上
記ブラインドリベット10のフランジ部11cと上記母
材1との境界面に略到達した状態で、該切断刃502の
基部に形成された段部505が、前記切断刃支持体20
0の内周面に形成された段部208に係止されることに
よって、該切断刃502の移動が停止されるように構成
されている。
【0145】これにより、上記ブラインドリベット10
の締結部の切断時に、上記切断刃502の刃先503
が、該ブラインドリベット10のフランジ部11cと上
記母材1との境界面近傍に到達し、且つ、該円筒状切断
刃502の外周面が、該母材1の締結穴1aの縁部近傍
に位置した状態で停止されるので、該切断刃502によ
る母材1の損傷が確実に回避される。
【0146】この分解工具100Cは、オイルやエアー
の供給手段のような外部駆動源を用いずに、その切断刃
502に切断力を付与できるので、身近に外部駆動源が
ないような場所で分解作業を行う場合に好適である。な
お、この分解工具100Cの切断刃502に対して切断
方向への切断力を付勢する上記切断力付与手段300の
切断力付勢手段として、図示の例ではコイルスプリング
303を用いたが、該切断力付勢手段は、例えば、ゴム
等の弾性体、または、油圧や空気圧であってもよい。
【0147】上述のようにして、切断刃502の刃先部
504が、ブラインドリベット10の胴部11bとフラ
ンジ部11cとの境界領域Aに沿って食い込んで、該ブ
ラインドリベット10の締結部が切断されると、図5
(a)に示すように、上記押出力付与手段としての伸張
性のコイルバネ602が、上記切断力付与手段300の
コイルスプリング303の伸張力によって圧縮される。
【0148】このコイルバネ602の圧縮によって、該
コイルバネ602の押出力が蓄積される。
【0149】このように、この分解工具100Cにおい
ては、上記切断力付与手段300によって付与された切
断力によって、その切断刃502の刃先503が上記フ
ランジ部11cと上記母材との境界面に向けて移動する
ことによって、上記押出力付与手段600の上記胴部押
出部材601に付与する押出力が蓄積されるので、該押
出力付与手段600自体に該押出力を蓄積するための手
段を設ける必要がなく、該押出力付与手段600を簡素
に構成でき、該分解工具100Cを小型化できる。
【0150】そして、図5(a)に示したように、上記
母材1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まっ
ている該胴部11bが、上記コイルバネ602に蓄積さ
れた押出力によって、図5(b)に示すように、該母材
1、2から押し出される。
【0151】これにより、該母材1、2に締結された該
ブラインドリベット10が該母材1、2から取り外さ
れ、該ブラインドリベット10が完全に分解された状態
となる。
【0152】ここで、上記切断刃502は、図1及び図
4に示すように、上記ブラインドリベット10の胴部1
1bとフランジ部11cとの胴部軸方向の境界領域Aに
沿った円筒状の刃先部504を有し、且つ、該刃先部5
04の内周面が漸次傾斜した形状に形成されていること
が好ましい。
【0153】すなわち、上記切断刃502の刃先部50
4の内周面を漸次傾斜した形状に形成することによっ
て、上記ブラインドリベット10の胴部11bの上端部
を、図5(a)に示すように、該切断刃502によって
テーパー状に傾斜した形状に切断することができる。
【0154】これにより、該切断刃502の刃先部50
4に、該胴部11bの上端が食い込み難くなり、上記胴
部押出部材601によって該胴部11bを押し出す際
に、該切断刃502の刃先部504と該胴部11bの上
端との食い込みによる摩擦力の影響が抑制されて、上記
母材1、2から該胴部11bを容易且つスムーズに取り
外すことができるようになる。
【0155】また、この分解工具100Cの切断刃50
2は、図24または図25に示した前記分解工具100
A、100Bの切断刃102と同様に、その刃先部50
4の外周面が漸次傾斜した形状に形成されているもので
あってもよい。
【0156】このように、上記切断刃502の刃先部5
04の外周面を漸次傾斜した形状に形成した場合には、
上記ブラインドリベット10のフランジ部11cの切断
面が、図26に示したように、該切断刃502によって
摺り鉢状に傾斜した形状に切断されるので、該切断刃5
02の刃先部504に該フランジ部11cが食い込み難
くなる。
【0157】これにより、該切断刃502の刃先部50
4が元位置に復帰する際に、該切断刃502の刃先部5
04と該フランジ部11cとの食い込みによる摩擦力の
影響が抑制されるので、該刃先部504から該フランジ
部11cを容易且つスムーズに抜き出させることができ
るようになる。
【0158】また、上記切断刃502の刃先部504の
傾斜面の高さは、切断対象となるフランジ部11cの該
切断刃502によって切断される部位の高さ以上の高さ
に設定されていることが望ましい。
【0159】すなわち、このように設定された切断刃5
02は、上記胴部11bの上端部、または、該フランジ
部11cの切断面を、該切断刃502の刃先部504の
傾斜面に沿った形状に切断できる。
【0160】これにより、上記胴部押出部材601によ
って該胴部11bを押し出す際の、該切断刃502の刃
先部504と該胴部11bの上端との食い込みによる摩
擦力の影響、または、該切断刃502の刃先部504が
元位置に復帰する際の、該切断刃502の刃先部504
と該フランジ部11cとの食い込みによる摩擦力の影響
をより確実に抑制できる。
【0161】図6に、本発明の更に他の実施形態にかか
る分解工具100Dの概略構成を示す。
【0162】この分解工具100Dは、上記切断刃支持
体200に当接部材700を設け、上記切断刃502に
より上記ブラインドリベット10のフランジ部11cを
切断する際に、上記母材1に対して該当接部材700の
当接部701を当接させるように構成したものである。
【0163】この分解工具100Dの切断刃502は、
少なくとも、母材1の締結穴1aの内径d1よりも小径
の刃先503を有し、且つ、該締結穴1aの内周面に略
平行な上記締結部材としてのブラインドリベット10の
リベットボディ11の胴部11bとフランジ部11cと
の境界領域Aに沿った略円筒形状の刃先部104を有し
ている。
【0164】そして、上記切断刃支持体200に設けら
れた当接部材700の内径d2は、少なくとも、上記切
断刃502の刃先部504の外径d3よりも大きく形成
されている。
【0165】この分解工具100Dは、上記切断刃支持
体200に設けた当接部材700の当接部701を母材
1に当接させた状態で、上記ブラインドリベット10の
胴部11bとフランジ部11cとの境界領域Aに沿っ
て、上記切断刃502により該ブラインドリベット10
の締結部を切断することによって、該ブラインドリベッ
ト10の胴部11bから該フランジ部11cを分離し
て、該母材1、2に締結されたブラインドリベット10
を該母材1、2から取り外す。
【0166】このように、この分解工具100Dにおい
ては、上記ブラインドリベット10の締結部の切断時
に、上記切断刃支持体200に設けられた当接部材70
0の当接部701が上記母材1に当接することによっ
て、該切断刃支持体200と該母材1との位置関係、す
なわち、該母材1と上記切断刃502との位置関係が常
時一定に保たれる。
【0167】これにより、該切断時の作業者による該切
断刃支持体200の保持の仕方によって、上記切断刃5
02に付与された切断力の反力により該切断刃支持体2
00の位置がずれて、該切断刃502の移動ストローク
が変化したり、また、該切断刃502の中心が、該ブラ
インドリベット10のフランジ部11cの中心からずれ
たり、該切断刃502の移動方向が上記母材1の締結穴
1aの軸方向に対して傾いたりすることがなくなる。
【0168】従って、この分解工具100Dにおいて
は、母材1、2に締結されたブラインドリベット10
を、母材1、2を損傷することなく一回の操作で円滑且
つ確実に母材1、2から取り外すことができる。
【0169】ここで、上記切断刃支持体200に設けた
当接部材700の当接部701は、少なくとも、母材1
に吸着する磁力を有していることが好ましい。
【0170】該当接部材700の当接部701に磁力を
持たせる方法としては、該当接部材700をマグネット
(永久磁石)で構成するか、あるいは、該当接部材70
0に磁性体材料を混入して、その当接部701を磁化す
ればよい。
【0171】このように、上記ブラインドリベット10
の締結部の切断時に、上記切断刃支持体200に設けた
当接部材700の当接部701を、上記母材1に磁力に
より当接させることによって、該当接部材700の当接
部701の母材1に対する密着性が高まるので、該切断
時における該切断刃支持体200と該母体1との位置精
度が向上される。
【0172】また、該切断時に作業者が該切断刃支持体
200を強く保持せずに、該母体1に対して該当接部材
700の当接部701を密着させることができるので、
該切断時における作業者の負担が軽減される。
【0173】ここで、上記当接部材700の当接部70
1の磁力は、上記ブラインドリベット10の締結部の切
断時に、上記切断力付与手段300により上記切断刃5
02に付与された切断力の反力に抗して、該切断刃支持
体200に設けた当接部材700の当接部701を該母
材1に当接させる力以上の大きさを有していることが望
ましい。
【0174】すなわち、上記当接部材700の当接部7
01の磁力を上述のように設定することによって、上記
ブラインドリベット10の締結部の切断時に、作業者が
上記切断刃支持体200を保持せずに、該当接部材70
0の当接部701の磁力によって、上記切断力付与手段
300により上記切断刃502に付与された切断力の反
力に抗して、該当接部材700の当接部701を母材1
に当接させることができるので、該切断時における作業
者の負担を大幅に軽減させることができる。
【0175】また、上記当接部材700は、上記切断刃
支持体200に対して着脱交換可能に構成されているこ
とが好ましい。
【0176】すなわち、該当接部材700を該切断刃支
持体200に対して着脱交換可能に構成することによ
り、該当接部材700のみを交換することで、例えば、
分解対象となる締結部の寸法に応じて、該締結部の寸法
に見合うように上記切断刃502の移動ストロークを変
更することができるので、該締結部の寸法毎に該切断刃
502の移動ストロークの異なる専用の分解工具を多数
用意しておく必要がなくなる。
【0177】更に、上記当接部材700は、上記切断刃
支持体200に対して、該切断刃502の切断方向に沿
って進退自在に構成されていることが好ましい。
【0178】すなわち、該当接部材700を該切断刃支
持体200に対して、該切断刃502の切断方向に沿っ
て進退自在に構成することにより、例えば、該切断刃5
02の刃先503の研磨等によって刃先部504の切断
方向の寸法が変化した場合でも、該切断刃支持体200
に対して該当接部材700の当接部701を、該切断刃
502の切断方向に沿って進退させることによって、該
切断刃502の刃先503が常に一定した位置に臨むよ
うに該刃先503の位置を調整できる。
【0179】また、該当接部材700の当接部701を
該切断刃502の切断方向に沿って進退させることによ
って、該当接部材700を交換せずに、分解対象となる
締結部の寸法に応じて該締結部の寸法に見合うように該
切断刃502の移動ストロークを変更できる。
【0180】ここで、上述のように、当接部材700の
当接部701を該切断刃502の切断方向に沿って進退
させる構造としては、例えば、図6に示すように、上記
切断刃支持体200に対して上記当接部材700をネジ
702で螺合するように構成すればよい。
【0181】図7に、切断刃502を、その軸中心を回
転中心として所定角度回転させるための回転手段を備え
た分解工具100Eの一例を示す。
【0182】この分解工具100Eにおいては、上記回
転手段により、上記切断刃502を、その軸中心を回転
中心として所定角度回転させながら、該切断刃502に
より、上記ブラインドリベット10の締結部を切断でき
る。
【0183】従って、この分解工具100Eでは、図1
(b)に示したような、刃先503が分割された切断刃
502を用いて、該ブラインドリベット10の締結部を
切断できるので、該切断時の該切断刃502に付与する
切断力をより小さくできる。
【0184】この分解工具100Eは、図7に示すよう
に、圧縮空気発生機25とエアーホース24で連結され
ており、圧縮空気によって作動するように構成されてい
る。
【0185】また、この分解工具100Eの主要部であ
る円筒状構造体21は、ピストン26、30、スプリン
グ27、31、パッキン28a、28b、接合部29、
前記胴部押出手段600の胴部押出棒32、ピストン3
0に固定されている凸部33、アタッチメント40、前
記切断手段500の切断刃502等から構成されてい
る。
【0186】上記圧縮空気は、エアーバルブ24vの切
替動作によって、エアーホース24a、24bを通っ
て、ピストン室51、52に供給されるようになってい
る。エアーバルブ24vは分解工具100Eの内部に配
設されており、図示しない操作ボタンに連動して動作が
切り替わるようになっている。
【0187】また、ピストン30の先端には、上記切断
刃502が取り付けられている。
【0188】この切断刃502は、摩耗時の交換を考慮
し、ピストン30と一体ではなく、交換可能に取り付け
られている方が望ましい。
【0189】上記円筒状構造体21の内周面には、直線
状溝部と螺旋状溝部が形成されており、凸部33がこの
溝部に沿って動くことにより、ピストン30が等角度で
間欠的に回転するようになっている。この回転動作につ
いては後に詳述する。
【0190】図8(a)に、ピストン26と胴部押出棒
32との接合部29の組立前の詳細図を示す。ピストン
26の先端には球部35が形成されている。また、胴部
押出棒32の上端は半球状の穴部41が形成されてお
り、ピストン26の球部35が入り込む構造になってい
る。そして、球部35が半球状の穴部41に入っている
状態で、二つのジョイント36を、球部35の上部を挟
み込むようにしてセットする。その後に、結合板37と
ネジ38とによって、ジョイント36と胴部押出棒32
とを結合することにより、ピストン26と胴部押出棒3
2が回動自在に連結される。
【0191】図8(b)は、組立後の接合部29を示
す。
【0192】図9は、図7の矢印G方向から見たピスト
ン30及び切断刃502の刃先503の図を示す。
【0193】この切断刃502は、図9に示すように、
例えば、直径4.8mmの円周において中心角45度に
対応する刃先503を、45度ずつ間隔をあけて、円周
上に4個配列した構成になっている。なお、円周上に配
列した切断刃502の直径は、母材1を損傷させないた
めに、母材1の締結穴1aの穴径4.9mmよりも小さ
な4.8mmになっている。
【0194】次に、この分解工具100Eによって、上
記ブラインドリベット10の胴部11bとフランジ部1
1cとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、該ブライン
ドリベット10の締結部を切断する動作、及び、該フラ
ンジ部11cを切断する動作について説明する。
【0195】図7において、まず、上記操作ボタンを押
圧すると、エアーバルブ24vの切替動作によって、圧
縮空気がエアーホース24bを通って、ピストン室52
の中に入る。ピストン室52はパッキン28a、28b
で密閉されている為、ピストン30は圧縮空気の力によ
って図7のF方向に押し出される。ピストン30は、ア
タッチメント40の内面にあるストッパーD1、D2に
突き当たるまで動く。
【0196】そして、操作ボタンの押圧を解除すると、
エアーバルブ24vの切替動作によって、ピストン室5
2の圧縮空気はエアーホース24bを通って排気ポート
24cから抜けていく。この為、ピストン30はスプリ
ング31の力により、ストッパーC1、C2に当たる位
置まで戻る。
【0197】ここで、ピストン30の等角度間欠回転動
作について説明する。
【0198】図10は、円筒状構造体21の内面展開図
である。円筒状構造体21の内面には、ピストン30の
外周面に配設されている円柱状の凸部33の外径よりも
若干広い幅の溝部が形成されている。45度間隔に8箇
所の直線状溝部53a〜53hと、これらの直線状溝部
53a〜53hをつなぐような形で螺旋状溝部54a〜
54hとが形成されている。また、直線状溝部53a〜
53hと螺旋状溝部54a〜54hの分岐点42a〜4
2hには、それぞれ板バネ39a〜39hが配設されて
いる。凸部33はピストン30に固定されているので、
凸部33が直線状溝部53a〜53hと螺旋状溝部54
a〜54hに沿って移動することに伴って、ピストン3
0を等角度で間欠的に回転させることができる。
【0199】直線状溝部53aから53bに沿って凸部
33及び凸部33を支持しているピストン30が移動す
る動作について、図7、及び、図10によって説明す
る。
【0200】まず、上記操作ボタンを押圧すると、ピス
トン室52に空気圧が加わり、ピストン30を直線状溝
部53aに沿ってまっすぐに押し出す。このとき、分岐
点42aに配設された板バネ39aの先端部は、凸部3
3が通過する方向に対して下流側に向いているので、凸
部33が通過する際に弾性変形する。このことによっ
て、凸部33は分岐点42aをそのまま通過する。そし
て、ピストン30はアタッチメント40内面のストッパ
ーD1、D2に突き当たるまで動く。このようにして、
操作ボタンを押圧したときには、ピストン30は回転し
ないでまっすぐに押し出される。
【0201】そして、操作ボタンの押圧を解除すると、
ピストン30はスプリング31によって押し戻される。
このとき、凸部33は、分岐点42aに配設された板バ
ネ39aによって動きを規制され、図10のX方向に移
動し、螺旋状溝部54aに入る。凸部33はピストン3
0に固定されているので、ピストン30をこの螺旋状溝
部54aに沿って回転させる。さらにピストン30が押
し戻されると、凸部33は直線状溝部53bに入る。
【0202】このような動作によって、ピストン30は
直線状溝部53aと53bに対応する角度だけ回転す
る。即ち、45度回転するのである。
【0203】以降、操作ボタンの押圧と解除を繰り返す
度に、ピストン30は押し出されて戻るときに45度回
転する。これに伴ってピストン30の先端部に取り付け
られた切断刃502も回転する。
【0204】次に、母材1、2からブラインドリベット
10の胴部11bとフランジ部11cとを取り外すため
の、胴部押出棒32の動作について、図7を用いて説明
する。
【0205】操作ボタンを押圧すると、エアーバルブ2
4vの切替動作によって圧縮空気はエアーホース24a
を通りピストン室51に入る。これにより、ピストン2
6は図7のF方向に押し出される。ピストン26は、円
筒状構造体21内面のストッパーB1、B2に突き当た
るまで動く。なお、ピストン26は、接合部29を介し
て、ピストン30の中心部を貫通している胴部押出棒3
2と連結している。このため、操作ボタンの押圧によ
り、胴部押出棒32もピストン26に連動して、F方向
に動く。
【0206】そして、操作ボタンの押圧を解除すると、
ピストン室51の圧縮空気はエアーホース24aから排
気ポート24cへと抜けていくので、スプリング27の
力により、ピストン26は、円筒状構造体21内面のス
トッパーA1、A2の位置まで戻る。ピストン26に連
動して胴部押出棒32も、元の位置に戻る。
【0207】なお、胴部押出棒32とピストン30と
は、特にピストン室52側において密閉性が要求される
為、Oリング等のパッキン28bが配設されている。本
分解工具100Eの構造上、パッキン28bはスラスト
方向の移動に対しては密閉性が良くなければならない
が、接合部29により、胴部押出棒32はピストン30
とともに回動自在であり、パッキン28bには回転方向
の力が加わらないので、パッキンの信頼性向上につなが
る。
【0208】次に、この分解工具100Eを用いて、上
記ブラインドリベット10を分解する場合の動作につい
て説明する。
【0209】図11は、分解工具100Eの切断刃50
2により、ブラインドリベット10のフランジ部11c
と胴部11bとの胴部軸方向の境界領域Aに沿って、ブ
ラインドリベット10の締結部を切断している状態の断
面図を示す。
【0210】分解工具100Eのアタッチメント40の
開口部内径は、例えば9.7mmで、ブラインドリベッ
ト10のフランジ部11cの外径9.6mmよりもごく
僅かに大きくなっている。
【0211】まず、図11に示すように、フランジ部1
1cがアタッチメント40の中に入り込むように、上部
から押さえて分解工具100Eをセットする。
【0212】しかる後に操作ボタンを押圧すると、圧縮
空気によってピストン30が押し出され、ピストン30
の先端に取付けられている切断刃502は、フランジ部
11cを均等間隔で部分的に切断する。ここで、ピスト
ン30はストッパーD1、D2でストロークを規制され
ているので、母材1、2を損傷することはない。
【0213】第一回の切断加工終了後、操作ボタンの押
圧を解除する。
【0214】これにより、切断刃502は、45度回転
しながら戻る。
【0215】さらに、該操作ボタンを押圧すると、切断
刃502は、第一回目の切断箇所から45度ずれた部分
を切断する。
【0216】以上のように、操作ボタンの押圧と解除を
少なくとも二回繰り返すことによって、フランジ部11
cに切断刃502に対応した、円周状切断部506が形
成され、フランジ部11cと胴部11bが切断される。
【0217】図12(a)は、分解工具100Eによる
操作ボタンの1回の操作で、フランジ部11cに、4ヶ
所の円周状切断部506が形成された状態を示す平面図
である。
【0218】また、図12(b)は、操作ボタンを少な
くとも二回操作することにより、フランジ部11cに、
リング状の円周状切断部506が形成されたことを示す
平面図である。
【0219】このようにして、フランジ部11cにリン
グ状の円周状切断部506が形成されることによって、
フランジ部11cと胴部11bとが切断されて分離され
る。
【0220】ここで、通常、上記胴部11bは、母材
1、2の締結穴1a、2aに圧接される形で留まってい
るため、上述のようにしてフランジ部11cが分離され
た後、母材1、2から該胴部11bを強制的に取り外す
必要がある。
【0221】図13は、上記分解工具100Eの胴部押
出棒32によって、母材1、2から胴部11bを取り外
している状態を示す説明図である。
【0222】図12(b)に示したように、フランジ部
11cに円周状切断部506が形成された後に、操作ボ
タンを押圧すると、胴部押出棒32が押し出され、胴部
11bへ力を加える。これにより、胴部押出棒32の加
圧力によって、フランジ部11cを残したまま、胴部1
1bとマンドレル12が母材1、2から取り外される。
【0223】図14は、作業ミスをしたリベットを分解
するための生産ラインの流れ図、すなわち、母材に対す
る締結部材の締結状況を検査し、この検査に基づいて締
結状況を不良と判断したときに締結部材を胴部とフラン
ジ部との境界領域から切断して母材から取り外し、母材
を回収する生産システムの流れ図を示す。 S.1(リベット締結工程) 市販のリベッティング工具13を用いて少なくとも2つ
の母材(ワーク)をブラインドリベットによって締結す
る。 S.2(締結具合検査工程) S.1のリベット締結工程において、例えば、締結した
ブラインドリベット10とワーク(母材1、2)との間
に隙間が発生しているかどうか(ワークががたついてい
るかどうか)、リベット10がワークの締結穴表面に対
して斜めになっているかどうか等を検査する。この締結
具合検査工程は、リベット締結工程(S.1)と同時に
実施しても良い。 S.3(リベット分解工程) 締結具合検査工程(S.2)でリベット締結不備が発見
されたときには、例えば後述の分解工具100Fを有す
る分解装置800を用いて、リベット10をワークから
除去する。このリベット分解工程(S.3)は締結具合
検査工程(S.2)と同時に実施してもよい。締結具合
い検査工程(S.2)をリベット締結工程(S.1)と
同時に実施する場合には、このリベット分解工程(S.
3)をリベット締結工程(S.1)と同時に実施しても
よい。 S.4(ワーク検査工程) リベット分解工程(S.3)において分解されたワーク
を再利用できる場合には、再びリベット締結工程(S.
1)に移行して、2つのワークをリベットによって締結
する。
【0224】リベット分解工程(S.3)において分解
されたワークを再利用できない場合には、ワークを廃棄
処分とする。
【0225】すなわち、リベット分解工程(S.3)の
分解作業によって、締結穴1a、2aが曲がったり、傷
ついていたり、変形していたりする場合、ワークそのも
のが変形していたりする場合には、そのワークを廃棄処
分とする。 S.5(ユニット組み付け工程) 締結具合検査工程(S.2)において、締結良好と判定
されたワークは、生産ラインのユニット組み付け工程に
送られる。その工程数は例えばn(nは整数)である。 S.6(ユニット検査工程) そのユニットはユニット検査工程に送られる。その工程
数は例えばm(mは整数)である。このユニット検査工
程においては、組み付けの良好性、性能検査等が行われ
る。全てのユニット検査工程において、検査を満足した
ときには、そのユニットが出荷される。
【0226】この生産ラインは、作業者が各自各工程を
手作業によって実施してもよいし、自動化ラインのロボ
ットによって、自動的に実施してもよい。
【0227】なお、製品回収後のリサイクルのためのリ
ベット分解作業の生産ラインは、以下に説明するように
すればよい。
【0228】ユーザーから製品を回収した場合、リベッ
ト締結状態のワーク(母材1、2)を分解工具によって
分解する。分解したワークが再利用可能な状態のとき、
そのワークを再利用する。その分解したワークが再利用
不可能な状態のとき、そのワークを廃棄処分とする。金
属製のワークと樹脂製のワークとが混在している場合に
は、これらのワークの分別作業を行ってから再利用する
ことにすれば作業性が向上する。
【0229】この生産ラインに使用する自動リベット分
解装置800には、例えば図15に示す構成のものを使
用する。図15において、符号801は複腕形ロボット
装置を示している。この複腕型ロボット装置801は一
対のアーム機構を有する。各アーム機構は、順次に連結
された第1アーム802、第2アーム803、第3アー
ム804からなる。第1アーム802はベルト駆動ユニ
ットによって移動するベース805、ベース805に形
成されたガイド805aに係合してベース805を案内
するガイドレール806からなる。ベース805には第
2アーム803が載置連結され、第2アーム803は原
点Oで互いに交差する所定の3座標軸X1、Y1、Z1
のうち座標軸X1の方向に移動される。
【0230】符号807はそのベルト駆動ユニットの従
動プーリー、符号808は駆動プーリー(図示を略す)
と従動プーリー807とに巻掛けられて端部がベースに
固着されたベルトを示している。駆動プーリーはモータ
によって駆動されて、この駆動プーリーの回転によって
ベルト808が走行され、同時に、ベース805がガイ
ドレール806に案内されて第2アーム803を座標軸
X1方向に高精度で移動させる。
【0231】さらに、第2アーム803は第1アーム8
02のベース805上に固定されたフレーム809と、
このフレーム809に形成されたスリット809aにガ
イドロッド810が挿入されかつ第3アーム804の基
端部804aが固定された移動ベース811と、移動ベ
ース811に螺合するスクリュー(図示を略す)を回転
させて移動ベース811を移動させるモータ812とか
らなる。この第2アーム803はモータ812の回転に
よって第3アーム804を移動ベース811と共に座標
軸Z1方向に移動させる。
【0232】モータ812によって回転駆動されるスク
リューが螺合する移動ベース811の雄ネジは移動ベー
ス811の移動の円滑化と高精度化とのために、多数の
ボールを内蔵するボールネジにより構成されている。ま
た、ガイドロッド810は移動ベース811の回り止め
のために設けられている。第3アーム804は第2アー
ム803の移動ベース811に固定されて第2アーム8
03に連結された基端部804aを一端に有する第1ア
ーム部材813と、基端部804aに対向する先端部8
04bを一端に有する第2アーム部材814と、第1ア
ーム部材813の他端に第2アーム部材814の他端を
連結し且つ第2アーム部材814を第1アーム部材81
3に対して回動させる関節部815とからなっている。
そして、第3アーム804は関節部815によって先端
部804bを所定の3座標軸X1、Y1、Z1のうち座
標軸Y1方向に移動させる。なお、第3アーム804の
先端部804bには、例えば、分解工具100Fを把持
するハンド部816が設けられている。
【0233】その複腕型ロボット装置801はコンピュ
ータで自動制御され、生産ラインにおいて、母材1、2
の締結不良が生じたとき、図14に示す流れ図に従っ
て、自動的に締結部材が分解される。
【0234】分解工具100Fは、図16に示すよう
に、取手部900が設けられたピストル型であり、その
先端部に切断刃502、胴部押出部材601等からなる
分解工具100Cと同様の構成を有している。ただし、
図16においては切断刃502の切断動作は自動でなさ
れるので、ノーズ部901には解除ボタン305は設け
られていない。
【0235】
【発明の効果】請求項1乃至14の発明によれば、ま
ず、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴部軸方向の
境界領域に沿って、上記切断刃により該締結部材の締結
部が切断されることによって、該胴部から該フランジ部
が分離され、次いで、該切断刃によって上記フランジ部
から分離されて、上記母材の締結穴に圧接される形で留
まっている該胴部が、上記胴部押出部材によって上記母
材から押し出されるので、該母材に締結された締結部材
を、該母材から完全に分解して取り外すことができると
いう優れた効果がある。
【0236】特に、請求項2の発明によれば、上記胴部
押出部材が上記切断刃に一体的に配設されているので、
該切断刃による上記締結部材の締結部の切断作業と、該
胴部押出部材による該締結部の母材からの押し出し作業
とを連続的に行うことが可能になり、該切断作業と該押
し出し作業を個別に行う必要がなくなるので、該分解工
具の取り扱いを容易化でき、該締結部材の分解作業に要
する時間を短縮できるという優れた効果がある。
【0237】また、請求項3の発明によれば、上記胴部
押出部材の嵌合部が上記締結部材の締結部に形成された
凹部に予め嵌合することにより、上記切断刃により該締
結部材の締結部を切断する際に、該切断刃の刃先が該締
結部の所定の位置に対向するように位置決めできるの
で、該切断刃の締結部に対する切断位置がずれることが
なくなり、該締結部を上記境界領域に沿って正確に切断
できるという優れた効果がある。
【0238】また、請求項4の発明によれば、上記切断
刃の刃先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されてい
るので、上記締結部材の胴部の上端部が、該切断刃によ
ってテーパー状に傾斜した形状に切断され、該切断刃の
刃先部に該胴部上端が食い込み難くなるので、上記胴部
押出部材によって該胴部を押し出す際に、該切断刃の刃
先部と該胴部上端との食い込みによる摩擦力の影響を抑
制でき、上記母材から該胴部を容易且つスムーズに取り
外すことができるという優れた効果がある。
【0239】また、請求項5の発明によれば、上記切断
刃の刃先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されてい
るので、上記締結部材のフランジ部の切断面が、該切断
刃によって摺り鉢状に傾斜した形状に切断され、該切断
刃の刃先部に該フランジ部が食い込み難くなるので、該
切断刃の刃先部が元位置に復帰する際に、該切断刃の刃
先部と該フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響を
抑制でき、該刃先部から該フランジ部を容易且つスムー
ズに抜き出させることができるという優れた効果があ
る。
【0240】また、請求項6の発明によれば、上記締結
部材の胴部の上端部、または、該締結部材のフランジ部
の切断面が、該切断刃の刃先部の傾斜面に沿った形状に
切断されるので、上記胴部押出部材によって該胴部を押
し出す際の、該切断刃の刃先部と該締結部材の胴部上端
との食い込みによる摩擦力の影響、または、該切断刃の
刃先部が元位置に復帰する際の、該切断刃の刃先部と該
フランジ部との食い込みによる摩擦力の影響をより確実
に抑制できるという優れた効果がある。
【0241】また、請求項7の発明によれば、外部から
与えられる切断力または押出力によらず、上記切断力付
与手段によって付与された切断力によって、該切断刃の
刃先部を上記締結部材の締結部に食い込ませて該締結部
を切断し、且つ、上記押出力付与手段によって付与され
た押出力によって、上記胴部押出部材で上記締結部材の
胴部を押圧して、上記母材から該胴部を押し出すことが
できるという優れた効果がある。
【0242】また、請求項8の発明によれば、上記切断
刃停止手段によって、該切断刃の刃先が、少なくとも、
上記締結部材のフランジ部と上記母材との境界面近傍に
到達した状態で、該切断刃の移動が停止されるので、上
記切断刃による母材の損傷を確実に回避できるという優
れた効果がある。
【0243】また、請求項9の発明によれば、上記切断
力付与手段によって付与された切断力によって、上記切
断刃の刃先が上記締結部材のフランジ部と上記母材との
境界面に向けて移動することによって、上記押出力付与
手段の上記胴部押出部材に付与する押出力が蓄積される
ので、該押出力付与手段自体に該押出力を蓄積するため
の手段を設ける必要がなくなり、該押出力付与手段を簡
素に構成でき、分解工具を小型化できるという優れた効
果がある。
【0244】また、請求項10の発明によれば、上記当
接部材が上記母材に当接することによって、上記切断刃
と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出部材と該母
材との位置関係が常時一定に保たれ、分解工具の保持の
仕方によって、上記締結部材に対する切断刃及び胴部押
出部材の位置がずれたり、該切断刃及び胴部押出部材の
移動方向が上記母材の締結穴の軸方向に対して傾いたり
することがなくなるので、母材に締結された締結部材
を、母材を損傷することなく一回の操作で円滑且つ確実
に母材から取り外すことができるという優れた効果があ
る。
【0245】また、請求項11の発明によれば、上記締
結部材の締結部の切断時に、上記当接部材の当接部が、
上記母材に磁力により当接する。これにより、上記母材
に対する上記当接部材の当接部の密着性が高まるので、
上記切断刃と該母材との位置関係、及び、上記胴部押出
部材と該母材との位置精度を向上できる。また、上記締
結部材の切断時に該当接部材を強く保持せずに、該母材
に対して該当接部材を密着させることができるので、該
切断時における作業者の負担を軽減できるという優れた
効果がある。
【0246】また、請求項12の発明によれば、上記締
結部材の締結部の切断時、及び、該締結部材の胴部の上
記母材からの押し出し時に、作業者が上記当接部材を保
持せずに、該当接部材の当接部の磁力によって、該当接
部材を母材に吸着させておくことができるので、該切断
時における作業者の負担を大幅に軽減できるという優れ
た効果がある。
【0247】また、請求項13の発明によれば、上記刃
先位置調整手段により上記母材に当接した状態の上記当
接部材と、上記切断刃の刃先との位置関係を調整するこ
とによって、例えば、分解対象となる締結部の寸法に応
じて、該締結部の寸法に見合うように上記切断刃の移動
ストロークを変更することができるので、該締結部の寸
法毎に該切断刃の移動ストロークの異なる専用の分解工
具を多数用意しておく必要がない。また、例えば、刃先
の研磨等によって該刃先部の切断方向の寸法が変化した
場合でも、上記刃先位置調整手段により上記当接部材と
上記切断刃の刃先との位置関係を調整することによっ
て、該刃先の位置を常に一定した位置に臨ませるように
調整できるという優れた効果がある。
【0248】また、請求項14の発明によれば、上記回
転手段により、上記切断刃を、その軸中心を回転中心と
して所定角度回転させることができるので、該切断刃に
よって上記締結部材の締結部を複数回に分割して切断で
き、一回の切断動作時に該切断刃に付与する切断力を小
さくできるという優れた効果がある。
【0249】請求項15乃至請求項17の発明によれ
ば、胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する胴部と頭部
との境界領域を切断刃により切断した後、頭部から分離
した状態の胴部を切断刃による切断方向と同じ方向に押
し出して締結部材を母材から取り外すので、切断後に胴
部が締結穴に留まり残らず、締結部材を容易に完全に分
解することができる。この際、切断刃が円筒状を呈し、
その径が締結穴の穴径より小さいので、切断に伴う母材
の損傷を有効に防止することができるという優れた効果
がある。
【0250】特に、請求項16の発明によれば、分解工
具の工具本体を配置する際に押出手段が締結部材の頭部
によって切断方向と反対方向に押し戻され、これにより
押出手段の押出力が蓄積されるので、押出手段に押出力
を蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡略化を図
ることができるという優れた効果がある。
【0251】また、請求項17の発明によれば、押出手
段の切断方向先端に設けた位置決め部材により、切断刃
による切断の前に分解工具の工具本体が締結部材に対し
て位置決めされるので、切断刃の締結部材に対する位置
ズレが防止され、境界領域を正確に切断することができ
るという優れた効果がある。
【0252】請求項18または請求項19の発明によれ
ば、締結部材が取り外された後の母材の回収を容易に行
うことができるという優れた効果がある。
【0253】請求項20乃至請求項23の発明によれ
ば、胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する胴部と頭部
との境界領域を切断手段により切断し、頭部から分離し
た状態の胴部を押出手段により締結穴から押し出して締
結部材を母材から取り外すことができるので、切断後に
胴部が締結穴に留まり残らず、締結部材を容易に完全に
分解することができる。この際、切断刃が円筒状を呈
し、その径が締結穴の穴径より小さいので、切断に伴う
母材の損傷を有効に防止することができるという優れた
効果がある。
【0254】特に、請求項21の発明によれば、工具不
使用時等の通常状態において切断手段から突出する押出
手段の先端が、工具本体を締結部材に対して所定位置に
配置する際に締結部材の頭部により押し込まれることに
よって、押出手段が切断方向と反対方向に押し戻され
る。これにより、押出力付勢手段をなす弾性部材が圧縮
されて圧縮に基づく付勢力が生じ、これが押出手段の押
出力として蓄積されるようになっているので、押出手段
に押出力を蓄積するための手間が省けて、分解作業の簡
略化を図ることができるという優れた効果がある。
【0255】また、請求項22の発明によれば、切断力
蓄積手段により切断力を蓄積しておき、それを任意の時
点で切断力解放手段により解放して切断手段に与えるこ
とができるので、締結部材を所望のタイミングで切断す
ることができる。また、外部の駆動源を用いずに切断手
段に切断力を与え得るので、身近に外部駆動源がないよ
うな場所で分解作業を行う場合に好適であるという優れ
た効果がある。
【0256】また、請求項23の発明によれば、押出手
段の切断方向先端に設けられ、且つ、切断手段及び工具
本体の略中心に位置する位置決め部材によって、切断手
段による切断の前に分解工具の工具本体を締結部材に対
して位置決めすることができるので、切断手段の締結部
材に対する位置ズレが防止され、境界領域を正確に切断
することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明の実施形態に係る締
結部材の分解工具の切断手段の切断刃を示す概略斜視
図。
【図2】本発明の実施形態に係る締結部材の分解工具の
胴部押出手段の胴部押出部材を示す概略斜視図。
【図3】上記胴部押出部材を用いてブラインドリベット
の胴部を母材から押し出す状態を示す概略断面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係る締結部材の分解工
具100Cの構成を説明するための概略断面図。
【図5】(a)、(b)は、上記分解工具100Cを用
いて上記ブラインドリベットの締結部を分解する過程を
示す概略断面図。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る締結部材の分
解工具100Dを示す概略断面図。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係る締結部材の分
解工具100Eの主要部の構成図。
【図8】上記分解工具100Eの接合部の詳細図。
【図9】上記分解工具100Eの切断刃の刃先の構成を
示す説明図。
【図10】上記分解工具100Eの円筒伏構造体の内面
展開図。
【図11】上記分解工具100Eの切断刃で締結部材を
切断している状態を示す説明図。
【図12】(a)及び(b)は、上記分解工具100E
により締結部材を切断する過程の説明図。
【図13】上記分解工具100Eの胴部押出棒で、締結
部材の胴部を母材から押し出している状態を示す説明
図。
【図14】母材から締結部材を除去して母材を回収する
生産システムを説明するための流れ図。
【図15】自動リベット分解装置800の概略構成を説
明するための斜視図。
【図16】自動リベット分解装置800の分解工具10
0Fを拡大して示す斜視図。
【図17】(a)、(b)は、ネジ締結について説明す
るための要部断面図。
【図18】(a)、(b)は、ピン締結について説明す
るための要部断面図。
【図19】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、
(f)は、リベット締結について説明するための要部断
面図。
【図20】(a)、(b)、(c)、(d)は、ブライ
ンドリベットの母材への締結手順を示す行程図。
【図21】チューブラーリベットについて説明するため
の要部断面図。
【図22】従来の締結部材の分解方法について説明する
ための概略断面図。
【図23】従来の締結部材の分解方法の不具合について
説明するための概略断面図。
【図24】本発明が実施される分解工具100Aの構成
を示す概略断面図。
【図25】本発明が実施される他の分解工具100Bの
構成を示す概略断面図。
【図26】上記分解工具100A(または、100B)
により締結部材のフランジ部を切断した状態を示す概略
断面図。
【図27】上記分解工具100A(または、100B)
により締結部材の皿状のフランジ部を切断した状態を示
す概略断面図。
【図28】上記分解工具100A(または、100B)
の切断刃により切断された締結部材のフランジ部の状態
を示す要部断面図。
【符号の説明】
1、2 母材 1a、2a 母材の締結穴 10 ブラインドリベット 11a ブラインドリベットの軸穴 11b ブラインドリベットの胴部 11c ブラインドリベットのフランジ部(頭部) 12 ブラインドリベットのマンドレル 21 円筒状構造体 24、24a、24b エアーホース 24c 排気ポート 25 圧縮空気発生機 26、30 ピストン 27、31 スプリング 28a、28b パッキン 29 接合部 32 胴部押出棒 33 凸部 35 ピストン26先端の球部 36 ジョイント 37 結合板 38 ネジ 39a〜39h 板バネ 40 アタッチメント 41 胴部押出棒上端の半球状の穴部 42a〜42h 分岐点 51、52 ピストン室 100C 分解工具 100D 分解工具 100E 分解工具 200 切断刃支持体(工具本体) 300 切断力付与手段 303 コイルスプリング 500 分解工具の切断手段 502 切断手段の切断刃 503 切断刃の刃先 504 切断刃の刃先部 505 切断刃の段部 506 円周状切断部 600 胴部押出手段 601 胴部押出手段の胴部押出部材 601a 胴部押出部材の嵌合部 602 コイルバネ 700 当接部材 701 当接部

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材の締結穴に挿通される胴部と、該締結
    穴の周縁部に圧接される該胴部と実質的に一体のフラン
    ジ部とによって、該母材に締結された締結部材を、該母
    材から取り外す締結部材の分解工具において、 上記胴部とフランジ部との胴部軸方向の境界領域に沿っ
    て、該胴部とフランジ部とを切断する切断刃を備えた切
    断手段と、 該切断手段の切断刃によって切断された該胴部を上記母
    材から押し出す胴部押出部材を備えた胴部押出手段と、
    を有することを特徴とする締結部材の分解工具。
  2. 【請求項2】請求項1の締結部材の分解工具において、 上記胴部押出手段の胴部押出部材は、上記切断手段の切
    断刃に一体的に配設されていることを特徴とする締結部
    材の分解工具。
  3. 【請求項3】請求項2の締結部材の分解工具において、 上記胴部押出部材は、上記切断刃による上記締結部材の
    締結部の切断動作に先立って、該締結部材の締結部に形
    成された凹部に嵌合して、該切断刃によって切断された
    該胴部を上記母材から押し出す嵌合部を有していること
    を特徴とする締結部材の分解工具。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または、3の締結部材の分
    解工具において、 上記切断刃は、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴
    部軸方向の境界領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且
    つ、該刃先部の内周面が漸次傾斜した形状に形成されて
    いることを特徴とする締結部材の分解工具。
  5. 【請求項5】請求項1、2、または、3の締結部材の分
    解工具において、 上記切断刃は、上記締結部材の胴部とフランジ部との胴
    部軸方向の境界領域に沿った円筒状の刃先部を有し、且
    つ、該刃先部の外周面が漸次傾斜した形状に形成されて
    いることを特徴とする締結部材の分解工具。
  6. 【請求項6】請求項4、または、5の締結部材の分解工
    具において、 上記切断刃の刃先部の傾斜面の高さは、上記締結部材の
    フランジ部の該切断刃によって切断される部位の高さ以
    上の高さに設定されていることを特徴とする分解工具。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5、または、6の
    締結部材の分解工具において、 上記切断刃に上記胴部軸方向に沿って上記締結部材の締
    結部を切断する切断力を付与する切断力付与手段と、該
    切断手段によって切断された該胴部を上記母材から押し
    出す押出力を上記胴部押出部材に付与する押出力付与手
    段とを有することを特徴とする締結部材の分解工具。
  8. 【請求項8】請求項7の締結部材の分解工具において、 上記切断力付与手段によって付与された切断力によっ
    て、上記切断刃の刃先が、少なくとも、上記締結部材の
    フランジ部と上記母材との境界面に略到達した状態で、
    該切断刃の移動を停止させる切断刃停止手段を有してい
    ることを特徴とする締結部材の分解工具。
  9. 【請求項9】請求項7、または、8の分解工具におい
    て、 上記押出力付与手段は、上記切断力付与手段によって付
    与された切断力によって、上記切断刃の刃先が上記締結
    部材のフランジ部と上記母材との境界面に向けて移動す
    ることによって、上記胴部押出部材に付与する押出力が
    蓄積されるように構成されていることを特徴とする締結
    部材の分解工具。
  10. 【請求項10】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、または、9の締結部材の分解工具において、 上記切断刃、及び、上記胴部押出部材を、上記締結部材
    の締結部の切断時に上記母材に当接する当接部材に、配
    設したことを特徴とする締結部材の分解工具。
  11. 【請求項11】請求項10の締結部材の分解工具におい
    て、 少なくとも、上記母材に対して当接する上記当接部材の
    当接部が、該母材に吸着する磁力を有していることを特
    徴とする締結部材の分解工具。
  12. 【請求項12】請求項11の締結部材の分解工具におい
    て、 上記当接部材の当接部の磁力は、上記締結部材の締結部
    の切断時、及び、該締結部材の胴部の上記母材からの押
    し出し時に、上記切断刃に付与される切断力、及び、上
    記胴部押出部材に付与される押出力の反力に抗して、該
    当接部材の当接部を該母材に当接させる大きさを有して
    いることを特徴とする締結部材の分解工具。
  13. 【請求項13】請求項10、11、または、12の締結
    部材の分解工具において、 上記母材に当接した状態の上記当接部材と、上記切断刃
    の刃先との位置関係を調整する刃先位置調整手段を有し
    ていることを特徴とする締結部材の分解工具。
  14. 【請求項14】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、または、13の締結部材の
    分解工具において、 上記切断刃の軸中心を回転中心として、該切断刃を所定
    角度回転させるための回転手段を有していることを特徴
    とする締結部材の分解工具。
  15. 【請求項15】母材の締結穴に挿通される胴部と、前記
    締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体
    の頭部とによって前記母材に締結されている締結部材
    を、前記母材から分解工具により取り外す締結部材の分
    解方法であって、 前記胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する前記胴部と
    前記頭部との境界領域を、前記締結穴の穴径より小さい
    径を有する円筒状の切断刃により切断し、 前記頭部から分離した状態の胴部を前記切断刃による切
    断方向と同じ方向に押出手段により押し出して、前記締
    結部材を前記母材から取り外すことを特徴とする締結部
    材の分解方法。
  16. 【請求項16】請求項15の締結部材の分解方法におい
    て、 前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して所定位
    置に配置する際に前記押出手段が前記頭部によって前記
    切断方向と反対方向に押し戻されることにより、前記押
    出手段の押出力が蓄積されることを特徴とする締結部材
    の分解方法。
  17. 【請求項17】請求項15の締結部材の分解方法におい
    て、 前記押出手段の切断方向先端に位置決め部材を設け、前
    記切断刃による切断の前に前記位置決め部材を前記締結
    部材の頭部に形成された軸穴と係合させて、前記分解工
    具の工具本体を前記締結部材に対して位置決めすること
    を特徴とする締結部材の分解方法。
  18. 【請求項18】母材の締結穴に挿通される胴部と、前記
    締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体
    の頭部とにより前記母材に締結されている締結部材を取
    り外すことによって、前記母材を回収する生産システム
    であって、 前記母材に締結されている締結部材を前記胴部と前記頭
    部との境界領域から切断して前記胴部と前記頭部とを互
    いに分離し、前記頭部から分離した状態の胴部を前記切
    断刃による切断方向と同じ方向に押出手段により押し出
    して前記締結部材を前記母材から取り外すことによっ
    て、前記母材を回収することを特徴とする生産システ
    ム。
  19. 【請求項19】請求項18の生産システムにおいて、 前記母材に対する前記締結部材の締結状況を検査し、該
    検査に基づいて前記締結状況を不良と判断したときに前
    記締結部材を前記胴部と前記頭部との境界領域から切断
    して前記母材から取り外すことを特徴とする生産システ
    ム。
  20. 【請求項20】母材の締結穴に挿通される胴部と、前記
    締結穴の周縁部に接触され且つ前記胴部と実質的に一体
    の頭部とによって前記母材に締結されている締結部材
    を、前記母材から取り外す締結部材の分解工具であっ
    て、 前記胴部の軸方向に沿った円筒形状を呈する前記胴部と
    前記頭部との境界領域を、前記締結穴の穴径より小さい
    径の円筒状に切断するための切断手段と、 前記切断手段の切断力を付勢力により与えるための切断
    力付勢手段と、 前記頭部から分離した状態の胴部を前記締結穴から押し
    出すための押出手段と、 前記押出手段の押出力を付勢力により与えるための押出
    力付勢手段とを有することを特徴とする締結部材の分解
    工具。
  21. 【請求項21】請求項20の締結部材の分解工具におい
    て、 前記押出力付勢手段は弾性部材からなるとともに、前記
    押出手段の先端は通常状態で前記切断手段から突出し、
    前記分解工具の工具本体を前記締結部材に対して所定位
    置に配置する際に前記押出手段が前記頭部によって切断
    方向と反対方向に押し戻されることにより、前記押出力
    付勢手段による押出力が蓄積されることを特徴とする締
    結部材の分解工具。
  22. 【請求項22】請求項20、または、21の締結部材の
    分解工具において、 前記切断力を蓄積しておくための切断力蓄積手段と、蓄
    積された切断力を解放するための切断力解放手段とを有
    し、前記切断力付勢手段は前記切断力解放手段の解放に
    伴い前記切断力を付勢力により前記切断手段に与えるこ
    とを特徴とする締結部材の分解工具。
  23. 【請求項23】請求項20の締結部材の分解工具におい
    て、 前記押出手段は前記切断手段の内側で且つ前記分解工具
    の工具本体の略中心に配置され、前記押出手段の切断方
    向先端には、前記締結部材の頭部に形成された軸穴と係
    合して前記工具本体の前記締結部材に対する位置決めに
    供する位置決め部材が設けられていることを特徴とする
    締結部材の分解工具。
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