JP4040314B2 - 燃料タンクの開口部構造及びその開口部構造を有する燃料タンクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンクの開口部構造及びその開口部構造を有する燃料タンクの製造方法に関し、特に複数の層を有する樹脂部材をブロー成形して燃料タンク本体を形成すると共に、開口部を一体的に形成する燃料タンクの開口部構造及びその製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される燃料タンクにおいては、樹脂化が進み、樹脂部材をブロー成形して燃料タンク本体を形成すると共に、開口部を一体的に形成する方法が普及し、所望の構造の開口部を有する樹脂製の燃料タンクが普及している。このような燃料タンクの開口部構造に関しては、例えば実開平4−7925号公報に開示されており、その第3図に従来の構造が記載され、その第1図に開口周壁の高さを抑えた構造が記載されている。同公報においては、タンク本体に接合した蓋取付基部にナット等の係合部を設け、これにボルト等の係合部品を係合させて蓋をタンク本体に固定する構造とすることにより、限られた全高に対して十分大きな容量を確保し得るとしている。また、特許第2906701号公報にも従来技術として上記公報に記載のものと同様の構造が記載されている。
【0003】
一方、燃料タンクを構成する樹脂部材に関しては、例えば実開昭61−83509号公報に記載のように複数の層を有する樹脂部材が用いられている。同公報には、接着剤層を介して複数枚の構成材を張り合わせた多層の板部材を用いた多層ブロー成形タンクが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記実開昭61−83509号公報に記載のように、樹脂製の燃料タンクを製造する場合には、複数の層を有する樹脂部材が用いられる。これは、燃料タンクとしての強度を保持する高密度ポリエチレン等の強度保持部材と、燃料の透過を防止するバリア材とを接着剤等によって接合したもので、この樹脂部材をブロー成形することによって燃料タンクが形成され、開口部も同時に形成される。そして、開口部は前掲の公報に記載のように蓋体で覆うことになるが、開口部の端面は複数の層がタンク本体内に露呈する場合がある。この場合には、樹脂部材の最外層の強度保持部材を介して燃料が外部に漏洩するおそれがある。
【0005】
前掲の実開平4−7925号公報においては、パッキンを介装してボルト等の係合部品で結合することが提案されているが、蓋体の接合に際し、別途シール性の高いパッキンやボルト等が必要となる。しかも、透過防止機能に優れたパッキンを用いたとしても、樹脂部材の最外層を介した燃料の漏洩が懸念される。
【0006】
従って、開口部において樹脂部材を介して燃料が透過することを確実に防止し得る構造とすることが望まれるが、樹脂部材による開口部の構造の改良に加え、蓋体との接合を適切に行い得る環状部材を、開口部に対し一体的に接合することが必要となる。
【0007】
そこで、本発明は、複数の層を有する樹脂部材で形成する燃料タンクに関し、開口部において樹脂部材を介して燃料が透過することを確実に防止すると共に、開口部に対し適切に環状部材を一体的に結合し得る燃料タンクの開口部構造を提供することを課題とする。
【0008】
また、本発明は、複数の層を有する樹脂部材をブロー成形して燃料タンク本体を形成すると共に、開口部を一体的に形成する燃料タンクの製造方法において、燃料の透過防止を確実に行ない得る開口部構造を有すると共に、開口部に対し適切に環状部材を一体的に結合し得る燃料タンクの製造方法を提供することを別の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の燃料タンクの開口部構造は、請求項1に記載のように、複数の層を有する樹脂部材で形成する燃料タンク本体に開口部を一体的に形成して成る燃料タンクの開口部構造において、前記開口部にて前記燃料タンク本体外方に延出する筒状部と、該筒状部の先端から前記開口部を拡径する方向に折曲部が延出し前記開口部の開口面に平行な外面を有する重合部と、該重合部の少くとも一部を前記開口面に垂直な方向に圧縮した圧縮部を備えると共に、前記開口部を囲繞し、少くとも前記圧縮部の下面に対し上面が当接する段部を内側に形成すると共に、該段部から径方向内側に突出する肩部を延出形成して下方部分を外周側に後退させ、当該段部の上面に対して下方側で開口する凹部を形成し、該凹部に、前記開口部を構成する樹脂部材の一部を導入して前記開口部に一体的に結合して成る環状部材を備えることとしたものである。尚、前記凹部は、前記圧縮部との当接面に対して下方側で開口するように前記環状部材に形成するのであればその形状及び方向は問わない。
【0010】
更に、前記環状部材は、請求項2に記載のように、前記環状部材の全周に亘って、前記凹部に隣接して前記段部の下方側に延出する複数のリブを備えたものとするとよい。前記複数のリブとしては、前記環状部材の全周に亘って所定間隔毎に、径方向に延出する複数のリブと、相互に隣接するリブ間に延在する平面視山形の複数の傾斜リブ(トラス)で構成するとよい。尚、前記圧縮部は、前記筒状部に対し前記開口部の径方向外側に位置する環状溝を構成することとしてもよい。そして、該環状溝にシール部材を配設するとよい。
【0011】
また、本発明の燃料タンクの製造方法は、請求項3に記載のように、複数の層を有する樹脂部材をブロー成形して燃料タンク本体を形成すると共に、開口部を一体的に形成する燃料タンクの製造方法において、段部を内側に形成すると共に、該段部から径方向内側に突出する肩部を延出形成して下方部分を外周側に後退させ、当該段部の上面に対して下方側で開口する凹部を形成して成る環状部材を、前記開口部を形成すべき部分を囲繞するように配置した状態でブロー成形を行ない、前記環状部材の内側に筒状部を形成し、該筒状部の前記環状部材に囲繞されない先端部を径方向外側に膨出させた後、膨出部を圧縮して前記開口部の径方向外側で折曲する折曲部を形成し、前記開口部の開口面に平行な外面を有する重合部を形成すると共に、該重合部の少くとも一部を前記段部上で圧縮して圧縮部を形成し、且つ前記開口部を構成する樹脂部材の一部を前記環状部材の前記凹部に導入して前記環状部材を前記開口部に一体的に結合することとしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の燃料タンクの開口部構造の一実施形態を示すもので、その一部の断面を図2に示している。本実施形態の燃料タンクは、少くとも外層、内層及び中間層を有する樹脂部材をブロー成形することによって燃料タンク本体1が形成されると共に、開口部1hが一体的に形成されるが、製造方法については後述する。
【0013】
先ず開口部1h近傍の構成を説明すると、図1及び図2に示すように、開口部1hにて燃料タンク本体1の外方に延出する筒状部1eと、この筒状部1eの先端から開口部1hを拡径する方向に折曲部1bが延出し開口部1hの開口面Shに平行な外面を有する重合部1dが形成されている。そして、重合部1dの一部が圧縮され、圧縮部1cが形成されている。尚、図1においては燃料タンク本体1を構成する樹脂部材のハッチングを省略したが、その構成については後述する。
【0014】
更に、本実施形態では図2に拡大して示すように、折曲部1bから筒状部1eの外側面と平行に延出する立壁部1kが形成されている。これにより、立壁部1kの内側の圧縮部1cに環状溝が形成される。尚、図3に示すように、立壁部1kを設けることなく、圧縮時に形成される段差を圧縮部1cとしてそのまま外方に開放する構造としてもよい。
【0015】
図2に拡大して示すように、燃料タンク本体1を構成する樹脂部材は、強度保持部材で形成された外層Po及び内層Piとの間に、バリア材で形成された中間層Bが介装され、これらが接着性樹脂で接合された複数の層を有する多層構造の樹脂部材である。本実施形態で用いられる強度保持部材としては、超高分子量(高密度)ポリエチレンが用いられ、バリア材としては、例えばEVOH(エチレンとビニルアルコールが共重合した樹脂)が用いられる。尚、本発明においてはこれらの材料を限定するものではなく、バリア材としては、ガソリン等の燃料の透過を確実に防止し得るガスバリア性を有する材料であれば、どのようなものでもよい。
【0016】
図2の拡大断面から明らかなように、折曲部1bは内側(開口側)に折曲されているので、仮に燃料が内層Piを透過しても折曲部1bのバリア層Bで適切に遮断される。特に、中間層Bの最外側Bkが圧縮部1cの外側で立壁部1k方向に屈曲するように構成されており、圧縮部1cにおける外層Poの厚さは筒状部1eのそれに比し、かなり薄く形成されている。
【0017】
このように、外層Poの厚さは圧縮部1cで薄くなっており、流路が狭くなっているので、燃料が開口部1hの端面から透過する際の抵抗となる。これに対し、圧縮部1cを有さない開口部構造においては、多層構造の樹脂部材の開口端面(図2に1hの矢印で示す部分の端面に相当)がそのまま外部空間と連通し得るので、たとえ蓋体4と環状の固定部材5との間にシール部材(図2の3に相当)が配設されたとしても、外層Poを介して燃料が透過するおそれがある。本実施形態では、理論的には、開口部1hの端面側から外層Poを介して、しかも圧縮部1cの薄い部分を介して折曲部1bに到達し得ることになるが、実際には極く僅かであり実質的に無視し得る量である。
【0018】
一方、環状部材2が開口部1hを囲繞するように配置され、燃料タンク本体1を構成する樹脂部材で形成された開口部1hに固着されている。環状部材2も樹脂製で、その内側が筒状部1eの外側面と係合し、上面が圧縮部1cの下面に当接すると共に折曲部1bに当接(本実施形態では、更に立壁部1kに当接)するように、段部2dが内側に形成されている。この段部2dの内周端は、上面の圧縮部1cとの当接面の面積を確保しつつ下方部分を外周側に後退させるため、径方向内側に突出する肩部2eが延出形成されている。換言すると、相対的に環状部材2の内周壁部2aが内周端から外周側に後退している。
【0019】
これは、例えば図12に示した比較例の環状部材20を用いた場合には、内周壁部20aが段部20dの内周端と略同じ位置まで内側に延在しているので、筒状部1eが形成されると開口部1hより内側に延出することになり、それだけ開口面積が縮小され、図12にGで示す位置で蓋体4の一部と接触するおそれもある。これに対し、本実施形態においては、図2に示すように環状部材2の内周壁部2aが内周端から外周側に後退しているので、十分な開口面積が確保される。
【0020】
また、上記の段部2dの上面と反対側(図1及び図2の下方側)には、中間壁部2bを介して凹部2f及び凹部2rが形成され、外側面には螺子部2sが形成されている。この凹部2fは図2の下方側で開口するように形成されている。尚、凹部2fは、本実施形態では圧縮部1cとの当接面に対して直交する方向に開口しているが、圧縮部1cとの当接面に対して交差する方向であればよい。而して、後述するように筒状部1eの成形時に樹脂部材が凹部2f内に導入され、係合部1fが形成されるので、環状部材2が筒状部1eに対し確実に一体的に結合される。
【0021】
上記の環状部材2の構成を図4乃至図8を参照して詳細に説明すると、上記の凹部2f及び凹部2rは、図4に示すように円周に沿って複数個に分割されている(換言すれば、複数の凹部2f及び凹部2rが、夫々、環状に並設されている)。即ち、環状部材2の裏面側を示す図4において、環状部材2の円周に沿って所定間隔毎に、径方向に延出する複数のリブ(代表して2cで表す)と、相互に隣接するリブ2c間に延在する平面視山形の複数の傾斜リブ(トラス)2tが形成されており、これらのリブ2c及び傾斜リブ2tによって複数の凹部2f及び凹部2rに分割されている。このように形成することにより、凹部2f及び凹部2rを単に環状凹部とする場合に比べ、環状部材2の剛性を大幅に向上させることができ、筒状部1eとの結合を一層強固にすることができる。特に、傾斜リブ2tは環状部材2の捩れ防止として有効に機能する。
【0022】
図4のA−A線は図2の一般断面の位置を示すもので、図4のB−B線断面は図5に示す。図4及び図5に示すように、環状部材2の肩部2eが部分的に切除され、切欠部2vが形成されている。この切欠部2vは、環状部材2を位置決めする際に用いるセットピンを収容するものである。尚、中間壁部2bに設けられた連通孔2hは、筒状部1eの成形時に樹脂部材が各凹部2f内に導入される際、凹部2f内の空気を排出するために設けられるもので、図2では破線で示している。
【0023】
図6は図4のC−C線断面を示すもので、図4及び図6に示すように、中間壁部2bから環状部材2の裏面側に脚部2xが延出形成されている。この脚部2xは、環状部材2を搬送、配置する際に、ロボットのチャック(図示せず)によって把持するもので、環状部材2の円周に沿って等間隔で複数箇所(例えば3箇所)に設けられている。また、この脚部2xの存在により、複数の環状部材2を相互に干渉しないように適切に積層することができるので、製造時に環状部材2を迅速且つ容易に供給することができる。
【0024】
図7は図4のD−D線断面を示すもので、図4及び図7に示すように、環状部材2の上面側に突起2pが延出形成されている。この突起2pは蓋体4(図1及び図2)のずれ止めに供されるもので、蓋体4を装着する際に平行移動することを阻止するため、環状部材2の円周に沿って等間隔で複数箇所(例えば3箇所)に設けられている。また、図8は図4のE−E線断面を示すもので、図4及び図8に示すように、環状部材2の上面側に凹部2uが形成されている。この凹部2uは、蓋体4に形成される突出部(図示せず)が係合し蓋体4の回転を阻止するために設けられている。
【0025】
上記のように構成された開口部1hにおいて、本実施形態の圧縮部1cは環状溝を構成し、これに図1に示すようにゴム等の環状のシール部材3が収容され、その上に蓋体4が載置された後、内側に螺子部を有する環状の固定部材5が装着される。而して、固定部材5が環状部材2の螺子部2sに螺合されると、蓋体4がシール部材3を介して圧縮部1cの上面に密着するように固定される。
【0026】
ここで、筒状部1eと環状部材2との結合関係に関し、図12に示した比較例を参照して説明すると、固定部材5を形成する樹脂材料によっては、固定部材5に対し、例えば図12にFで示す方向に大きな外力が加わると、図12にRで示す位置で環状部材20が筒状部1eから離脱するおそれがある。これに対し、本実施形態においては、図1に示すように固定部材5が環状部材2に螺合された後に、固定部材5に対して上記のような大きな外力が加わっても、筒状部1eと環状部材2は係合部1fと凹部2fによって確実に一体的に結合されているので、環状部材2が筒状部1eから離脱するおそれはない。
【0027】
而して、本実施形態の燃料タンクの開口部構造においては、構造的に燃料タンク内の燃料が外部と連通し得る部分は、シール部材3と蓋体4及び圧縮部1cとの当接部、並びに多層構造の樹脂部材のうちの外層Poであって、圧縮部1cにて薄く形成された部分のみとなり、特に、中間層Bの最外側Bkが圧縮部1cの外側に位置するように構成されており、流路が狭くなっているので、燃料の透過を確実に防止することができる。加えて、圧縮部1cの底面は圧縮によって面粗度が向上し滑らかな面となっているので良好なシール性を確保することができる。
【0028】
図9は、上記の開口部構造を有する燃料タンクの製造に供する金型の作動を説明するもので、金型D1は図9の上下方向に移動可能に支持され、金型D2は図9の左右方向に移動可能に支持されている。金型D1の内側には凸部D1pが形成され、金型D2の内側には凹部D2rが形成されている。凸部D1pは図2に示す圧縮部1cを形成し得る形状に形成され、凹部D2rは環状部材2の螺子部2sを収容し得る形状に形成されている。尚、図9においては、燃料タンク本体1の開口部構造は成形後の状態を示している。
【0029】
図10及び図11は、上記開口部構造の製造工程の一例を説明するもので、先ず図10の成形工程において、環状部材2が金型D2の凹部D2r内に配置された後に、前述の多層構造(本実施形態では三層)の樹脂部材で構成された多層パリソンPTが金型D1,D2内に配置される。そして、別途、連通管(図示せず)を介して、多層パリソンPTの内側に空気圧又は液圧が付与される。
【0030】
而して、多層パリソンPT内に空気圧又は液圧が付与されつつ、金型D1が金型D2に対して摺動し、図10に白抜き矢印で示すように環状部材2方向に駆動される。この結果、図10に示すように多層パリソンPTが膨出すると共に、環状部材2に当接する部分の膨出が抑制されて筒状部1eが形成される。このとき、環状部材2に形成された凹部2f内に樹脂部材が導入されるので、環状部材2が筒状部1eに対して一体的に結合される。尚、凹部2f内の空気は図9に破線で示す連通孔2hを介して排出される。
【0031】
更に、図9及び図11に示すように、折曲部1b及び重合部1dが良好な形状精度で形成される。同時に、金型D1の凸部D1pによって重合部1dが圧縮されて圧縮部1cが形成されると共に、立壁部1kが延出形成される。尚、このとき蓋部1gも形成されるが、これは後に除去される。而して、燃料タンクの開口部が図9に示すように形成されると共に、環状部材2が筒状部1eに対し確実に一体的に結合された状態となる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の燃料タンクの開口部構造においては、請求項1に記載のように、開口部にて燃料タンク本体外方に延出する筒状部と、その先端から開口部を拡径する方向に折曲部が延出し開口部の開口面に平行な外面を有する重合部と、その少くとも一部を開口面に垂直な方向に圧縮した圧縮部を備えると共に、開口部を囲繞し、少くとも圧縮部の下面に対し上面が当接する段部を内側に形成すると共に、段部から径方向内側に突出する肩部を延出形成して下方部分を外周側に後退させ、且つ段部の上面に対して下方側で開口する凹部を形成し、この凹部に、開口部を構成する樹脂部材の一部を導入して開口部に一体的に結合して成る環状部材を備えることとしたものであるので、開口部において樹脂部材を介して燃料が透過するのを確実に防止することができる。しかも、段部の凹部に樹脂部材の一部が導入されて環状部材が開口部に一体的に結合されるので、重合部が適切に支持されて剛性が増大し、良好なシール性を確保することができる。
【0033】
また、請求項2に記載の燃料タンクの開口部構造においては、環状部材が、段部の下方側に延出する複数のリブを備えたものであるので、環状部材の変形を防止しつつ、燃料タンクの開口部に対し一層確実に結合することができる。
【0034】
また、本発明の燃料タンクの製造方法は、請求項3に記載のように、環状部材を、開口部を形成すべき部分を囲繞するように配置した状態でブロー成形を行ない、環状部材の内側に筒状部を形成し、該筒状部の環状部材に囲繞されない先端部を径方向外側に膨出させた後、膨出部を圧縮して開口部の径方向外側で折曲する折曲部を形成し、開口部の開口面に平行な外面を有する重合部を形成すると共に、重合部の少くとも一部を段部上で圧縮して圧縮部を形成し、且つ開口部を構成する樹脂部材の一部を環状部材の凹部に導入して環状部材を開口部に一体的に結合することとしているので、圧縮部に平滑な面が形成されるだけでなく、圧縮部における樹脂部材の厚さが薄く形成されるので、開口部において樹脂部材を介して燃料が透過するのを確実に防止し、良好なシール性を有する開口部構造とすることができる。しかも、環状部材を開口部に確実に一体的に結合することができるので、良好なシール性を有し、燃料の透過防止を適切且つ確実に行ない得る開口部構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料タンクの開口部構造の一実施形態の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る燃料タンクの開口部構造の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る燃料タンクの開口部構造の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の燃料タンクに供する環状部材の一部を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態の燃料タンクに供する環状部材の一部の断面図で、図4のB−B線断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の燃料タンクに供する環状部材の一部の断面図で、図4のC−C線断面図である。
【図7】本発明の一実施形態の燃料タンクに供する環状部材の一部の断面図で、図4のD−D線断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の燃料タンクに供する環状部材の一部の断面図で、図4のE−E線断面図である。
【図9】本発明の製造方法の一実施形態における燃料タンクの製造に供する金型の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】本発明の製造方法の一実施形態における燃料タンクの開口部の膨出工程を説明する断面図である。
【図11】本発明の製造方法の一実施形態における燃料タンクの開口部の圧縮工程を説明する断面図である。
【図12】燃料タンクの開口部構造の比較例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク本体, 1b 折曲部, 1c 圧縮部, 1d 重合部,1e 筒状部, 1k 立壁部, 2 環状部材, 2f,2r 凹部,2d 段部, 2b,2t リブ, 2h 連通孔,3 シール部材, 4 蓋体, 5 固定部材, Po 外層,Pi 内層, B 中間層, PT 多層パリソン, D1,D2 金型
Claims (3)
- 複数の層を有する樹脂部材で形成する燃料タンク本体に開口部を一体的に形成して成る燃料タンクの開口部構造において、前記開口部にて前記燃料タンク本体外方に延出する筒状部と、該筒状部の先端から前記開口部を拡径する方向に折曲部が延出し前記開口部の開口面に平行な外面を有する重合部と、該重合部の少くとも一部を前記開口面に垂直な方向に圧縮した圧縮部を備えると共に、前記開口部を囲繞し、少くとも前記圧縮部の下面に対し上面が当接する段部を内側に形成すると共に、該段部から径方向内側に突出する肩部を延出形成して下方部分を外周側に後退させ、当該段部の上面に対して下方側で開口する凹部を形成し、該凹部に、前記開口部を構成する樹脂部材の一部を導入して前記開口部に一体的に結合して成る環状部材を備えたことを特徴とする燃料タンクの開口部構造。
- 前記環状部材が、前記環状部材の全周に亘って、前記凹部に隣接して前記段部の下方側に延出する複数のリブを備えたことを特徴とする請求項1記載の燃料タンクの開口部構造。
- 複数の層を有する樹脂部材をブロー成形して燃料タンク本体を形成すると共に、開口部を一体的に形成する燃料タンクの製造方法において、段部を内側に形成すると共に、該段部から径方向内側に突出する肩部を延出形成して下方部分を外周側に後退させ、当該段部の上面に対して下方側で開口する凹部を形成して成る環状部材を、前記開口部を形成すべき部分を囲繞するように配置した状態でブロー成形を行ない、前記環状部材の内側に筒状部を形成し、該筒状部の前記環状部材に囲繞されない先端部を径方向外側に膨出させた後、膨出部を圧縮して前記開口部の径方向外側で折曲する折曲部を形成し、前記開口部の開口面に平行な外面を有する重合部を形成すると共に、該重合部の少くとも一部を前記段部上で圧縮して圧縮部を形成し、且つ前記開口部を構成する樹脂部材の一部を前記環状部材の前記凹部に導入して前記環状部材を前記開口部に一体的に結合することを特徴とする燃料タンクの製造方法。
Priority Applications (2)
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