JP4040020B2 - ボイラ - Google Patents
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Description
そのボイラ本体の上部の排気口から排出される前記バーナの燃焼ガスを煙突に導く排気路とが設けられたボイラに関する。
又、このようなボイラでは、蒸気消費量が少なくなって負荷が小さくなるとバーナの燃焼を停止させるようにして、負荷に応じてバーナを間欠的に燃焼させて運転する場合がある。
そして、ドラフトが発生すると、送風機の吸い込み口から吸い込まれて、内部燃焼ガス通流経路、排気路、煙突を通って流れる外気により、貯留加熱対象水の保有熱や内部燃焼ガス通流経路を形成する部材の保有熱等のボイラ本体の保有熱が放熱されることになるので、放熱損失が大きくなる。
そのボイラ本体の上部の排気口から排出される前記バーナの燃焼ガスを煙突に導く排気路とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記排気路に、その内部に外気を導入するための外気導入口が設けられ、
排気路内の圧力が排気路外の圧力と同圧以上のときは前記外気導入口を閉じ且つバーナの燃焼が停止されてドラフトが発生し始めて前記排気路内の圧力が前記排気路外の圧力よりも低くなると前記外気導入口を開くように構成された外気導入ダンパが設けられている点を特徴とする。
つまり、排気口から排出される燃焼ガスを排気路、煙突を通して外部に排出するに当たっては、それら排気路及び煙突は、排気路における排気口付近の圧力をゼロ圧(大気圧)又は略ゼロ圧になるようにして、煙突のドラフト作用により燃焼ガスを大気中に排出するように設計することになる。
そして、バーナが燃焼されている間は、燃焼ガスの通流により排気路内は大気圧以上になっていて、外気導入ダンパにより外気導入口が閉じられて、その外気導入口を通じての排気路内への外気の導入が阻止されるので、燃焼ガスが排気路、煙突を通して適切に排出される。
バーナの燃焼が停止されて、ドラフトが発生し始めると、排気路内の圧力が低下して排気路外の圧力よりも低くなることにより、外気導入ダンパにより外気導入口が開かれて、その外気導入口を通じて外気が排気路内に導入され、そのように導入された外気が煙突に向かって流れることになる。そして、そのような外気流により、燃焼ガスや、送風手段の吸い込み口から吸い込まれて内部燃焼ガス通流経路を流れてきた外気が排気路に流れ込むのが抑制されると共に、排気路及び煙突が冷却されるので、ドラフトの発生を抑制することが可能となり、放熱損失を低減することが可能となる。
従って、放熱損失を低減し得るボイラを提供することができるようになった。
そのボイラ本体の上部の排気口から排出される前記バーナの燃焼ガスを煙突に導く排気路とが設けられたものであって、
第2特徴構成は、
前記排気路が、燃焼ガスを下向きに通流させる下向き流路部分を備えるように構成され、
前記送風手段が、押し込み式の送風機にて構成され、
前記排気路の前記下向き流路部分と前記煙突とを連通接続する高さが、前記送風機の吸い込み口と同高さ又はその吸い込み口よりも低い位置に設定されている点を特徴とする。
つまり、バーナが燃焼されている間は、ドラフト力が大きい高温の燃焼ガスが排気路を流れるので、燃焼ガスは、排気路の下向き流路部分もスムーズに流れて、排気路、煙突を通して適切に排出される。
バーナの燃焼が停止されて、ドラフトが発生し始めると、温度が低下した燃焼ガス、又は、送風手段の吸い込み口から吸い込まれた温度の低い外気が排気路に流れ込んでくることになるが、そのような温度が低い燃焼ガス又は外気はドラフト力が小さくて、排気路の下向き流路部分を流れ難いので、ドラフトの発生が抑制されるのである。
従って、放熱損失を低減し得るボイラを提供することができるようになった。
前記ボイラ本体が炉筒煙管型に構成されている点を特徴とする。
そして、このような炉筒煙管型のボイラ本体を備えた炉筒煙管型ボイラでは、水貯留部に多量の加熱対象水を貯留することが可能であって、水貯留部に貯留されている加熱対象水の温度変動が起こり難いことから、バーナを間欠的に燃焼させて運転する運転形態を採用し易く、そのような運転形態を採用することにより、制御構成を簡略化して低廉化を図ることが可能となる。しかしながら、バーナを間欠的に燃焼させるので、ドラフトによる放熱損失が大きくなるという欠点があった。
そこで、このような炉筒煙管型ボイラにおいて本発明を実施することにより、バーナを間欠的に燃焼させて運転する運転形態を採用しても、ドラフトの発生を抑制することが可能となって、放熱損失を低減することが可能になるのである。
要するに、低廉化を図りながらも放熱損失を抑制し得る炉筒煙管型ボイラを提供することができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明を炉筒煙管型ボイラに適用した場合の第1実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、炉筒煙管型ボイラは、ガス燃料を燃焼させるバーナ1を備えたボイラ本体Bと、そのバーナ1に外気を燃焼用空気として供給する押し込み式の送風機2(送風手段に相当する)と、ボイラ本体Bの上部の排気口3から排出されるバーナ1の燃焼ガスを導く排気路としての排気ダクト4と、その排気ダクト4にて導かれる燃焼ガスを大気中に排出する煙突5等を備えて構成してある。
前記複数の煙管9は、炉筒8と缶体6との間で且つ炉筒8の底部よりも上方の位置に位置させて、缶体6を貫通するように設けてある。
炉筒8のバーナ設置側とは反対側の開口と複数の煙管9のバーナ設置側とは反対側の開口とを煙室11にて連通接続し、前記煙道10は、複数の煙管9のバーナ設置側の開口に連通する状態で、垂直に立設し、その煙道10の上端開口を前記排気口3とするように構成してある。
又、この第1実施形態においては、前記煙道10を通流する燃焼ガスと前記給気ダクト12を通流する燃焼用空気とを熱交換させて、燃焼用空気を予熱する空気予熱器13を設けてある。
その空気予熱器13は、ヒートパイプ式の熱交換器にて構成してあり、そのヒートパイプ式の熱交換器は周知であるので説明を省略する。
そして、バーナ1により、燃料供給路14を通じて供給されるガス燃料を給気ダクト12を通じて供給される燃焼用空気により前記燃焼室7にて燃焼させ、その燃焼ガスを、図1及び図2において実線矢印にて示すように、燃焼室7、前記煙室11、前記複数の煙管9、前記煙道10を順に通流させて、前記排気口3から排出させる。
そして、燃焼室7、複数の煙管9を通流する燃焼ガスにて、前記缶体6内に貯留される加熱対象水を加熱して、その加熱により蒸発した蒸気が缶体6の上部の蒸気送出口15を通じて蒸気需要部(図示せず)に供給されるのである。
排気ダクト4における煙突5との接続側とは反対側の開口端の横向きの開口を、排気ダクト内に外気を導入する外気導入口16として機能させるように構成し、その外気導入口16に、排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力と同圧以上のときは外気導入口16を閉じ且つ排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力よりも低くなると外気導入口16を開くように構成して外気導入ダンパDを設けてある。
外気導入ダンパDは、図1及び図3に示すように、矩形状の外気導入口16の上縁部に沿う水平向きの揺動軸17にて、矩形状のダンパ板18を揺動自在に吊り下げ支持して構成してある。
更に、外気導入口16の下縁部には、ダンパ板18を鉛直方向に対して排気ダクト内方側に設定傾斜角度θ持ち上げた状態で受け止め支持するように受け止め部19を設けてあり、その受け止め部19にてダンパ板18が受け止め支持された状態で、そのダンパ板18により外気導入口16が閉じられるように構成してある。
そして、前記設定傾斜角度θは、排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力に対して設定圧力P低くなると、ダンパ板18が排気ダクト内外の圧力差により排気ダクト4の内方側に押されて、前記外気導入口16を開くように構成してある。
図3に示すように、前記ダンパ板18の大きさをL×L(m)とし、重さをm(kg)として、回転モーメントのバランスにて式を立てると、下記の数1のようになる。
つまり、排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力と同圧以上のときは、ダンパ板18が自重にて垂れ下がって前記受け止め部19にて受け止め支持される状態となって、前記外気導入口16が閉じられ、排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力に対して設定圧力P低くなると、ダンパ板18が排気ダクト内外の圧力差により持ち上げられて、外気導入口16が開かれる。
しかも、外気導入ダンパDは、前記受け止め部19にて前記ダンパ板18を排気ダクト内方側に鉛直方向に対して設定傾斜角度θ持ち上げ支持した状態で、外気導入口16を閉じるように構成してあるので、排気路内の圧力が排気路外の圧力と同圧以上のときは、ダンパ板18をその自重にて受け止め部19に当接させるようにして、確実に外気導入口16が閉じられるように構成してある。
本発明では、上述のようにドラフトが発生し始めて、排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力よりも設定圧力P低くなると、前記外気導入ダンパDが開かれて、前記外気導入口16を通して外気が排気ダクト内に流入して煙突5の方に向かって流れるようになり、その外気流により、内部燃焼ガス通流経路を流れてきた空気が排気口3から排気ダクト4に流入するのが抑制されると共に、排気ダクト4及び煙突5が冷却されるので、前述の如きドラフトの発生が抑制されることになる。
従って、そのドラフトによる放熱損失を抑制することができるのである。
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる構成を説明する。
つまり、第2実施形態では、図4に示すように、前記給気ダクト12及び前記排気ダクト4の構成が第1実施形態と異なり、又、前記空気予熱器13を設けていない点でも第1実施形態と異なるので、以下、主として、給気ダクト12及び排気ダクト4の構成について説明する。
そして、前記給気ダクト12は、送風機2から吐出される燃焼用空気を斜め上向きに通流させて前記バーナ1に供給するように、斜め上向き状に設けてある。
そして、排気ダクト4の水平向き流路部分4hにおける下向き流路部分4dと反対側の開口端の横向き開口を、上記の第1実施形態と同様に、前記外気導入口16として機能させるように構成し、その外気導入口16に、第1実施形態と同様に、排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力と同圧以上のときは外気導入口16を閉じ且つ排気ダクト内の圧力が排気ダクト外の圧力よりも低くなると外気導入口16を開くように構成した外気導入ダンパDを設けてある。
つまり、前記排気ダクト4の下向き流路部分4dにてドラフトの発生を抑制することに加えて、前記外気導入ダンパDにてドラフトの発生を抑制することができるので、ドラフトの発生を一段と抑制することができ、ドラフトによる放熱損失を一段と抑制することができる。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 前記外気導入ダンパDの前記ダンパ板18を排気ダクト内方側に鉛直方向に対して設定傾斜角度θ持ち上げた状態で受け止め支持する受け止め部19を設けて、その受け止め部19にてダンパ板18を受け止め支持した状態で、外気導入ダンパDが閉じられるように構成する場合、前記設定傾斜角度θは種々に変更設定可能である。但し、ドラフトを効果的に抑制するためには、排気路内の圧力が排気路外の圧力より低くなる状態での排気流路内外の圧力差が極力小さい状態で外気導入ダンパDが開かれるようにする必要があるので、前記設定傾斜角度θは極力小さく設定するのが好ましい。
又、ダイヤフラムの作用により開閉するように構成しても良い。
ちなみに、外気導入ダンパDを、上述のようにバネにより閉じ状態に復帰付勢して構成したり、ダイヤフラムの作用により開閉するように構成する場合は、前記外気導入口16は必ずしも横向きに設ける必要がなく、下向きや上向きに設けることが可能である。
例えば、第1実施形態においては、外気導入口16を、前記排気路4の側壁を開口させることにより排気路4の側壁に設けても良い。
又、第2実施形態においては、外気導入口16を、排気路4の水平向き流路部分4hの側壁を開口させることにより水平向き流路部分4hの側壁に設けたり、下向き流路部分4dの側壁を開口させることにより下向き流路部分4dの側壁に設けても良い。
例えば、前記上向き流路部分4u及び前記水平向き部分4hを省略して、斜め下向きの下向き流路部分4dのみを備えた形態としても良い。この場合は、下向き流路部分4dの上側の開口端を前記排気口3に連通接続し、下側の開口端を前記煙突5に連通接続することになる。
あるいは、下向き流路部分4dを鉛直下向きにして、その両端夫々に水平向き流路部分4hを備えた形態としても良い。この場合は、下向き流路部分4dの上端に連設された水平向き流路部分4hの開口端を排気口3に連通接続し、鉛直下向き流路部分4dの下端に連設された水平向き流路部分4hの開口端を前記煙突5に連通接続することになる。
あるいは、上向き流路部分4uを省略しても良い。この場合は、水平向き流路部分4hの長手方向の中間部分にて前記排気口3に連通接続することになる。
2 送風手段
3 排気口
4 排気路
4d 下向き流路部分
5 煙突
16 外気導入口
B ボイラ本体
D 外気導入ダンパ
Claims (3)
- 送風手段にて供給される外気を燃焼用空気として燃料を燃焼させるバーナを備えたボイラ本体と、
そのボイラ本体の上部の排気口から排出される前記バーナの燃焼ガスを煙突に導く排気路とが設けられたボイラであって、
前記排気路に、その内部に外気を導入するための外気導入口が設けられ、
排気路内の圧力が排気路外の圧力と同圧以上のときは前記外気導入口を閉じ且つバーナの燃焼が停止されてドラフトが発生し始めて前記排気路内の圧力が前記排気路外の圧力よりも低くなると前記外気導入口を開くように構成された外気導入ダンパが設けられているボイラ。 - 送風手段にて供給される外気を燃焼用空気として燃料を燃焼させるバーナを備えたボイラ本体と、
そのボイラ本体の上部の排気口から排出される前記バーナの燃焼ガスを煙突に導く排気路とが設けられたボイラであって、
前記排気路が、燃焼ガスを下向きに通流させる下向き流路部分を備えるように構成され、
前記送風手段が、押し込み式の送風機にて構成され、
前記排気路の前記下向き流路部分と前記煙突とを連通接続する高さが、前記送風機の吸い込み口と同高さ又はその吸い込み口よりも低い位置に設定されているボイラ。 - 前記ボイラ本体が炉筒煙管型に構成されている請求項1又は2記載のボイラ。
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