JP4039696B2 - イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を組み合わせて使用する生物汚染の制御方法および制御用組成物 - Google Patents

イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を組み合わせて使用する生物汚染の制御方法および制御用組成物 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の技術分野
本発明は、浸水性表面あるいは浸水した表面、特に水性システムにおけるこれらの浸水性または浸水した表面にバクテリアが付着するの防止するために、イオネンポリマー(ionene polymer)およびドデシルアミン塩を組み合わせて使用する方法に関する。本発明はまた、生物汚染を制御するための方法および組成物に関する。
従来技術
微生物は各種の表面に付着し、特に水性流体が接触する表面において、微生物が成長しやすい環境を提供するために付着しやすくなっている。例えば、微生物が、船体、海洋構造物、歯、医療用埋設物、冷却塔、熱交換器等に付着することが知られている。このように浸水した表面や浸水性表面に微生物が付着すると、微生物が表面を汚染し、劣化させることになる。
例えば、哺乳類(例えば、人間、家畜、ペット等)に微生物が付着すると、健康障害を引き起こす場合がある。また、例えば、微生物に由来して、歯垢が歯の表面に付着しやすくなる。さらに、所望しない微生物が医療用埋設物の表面に付着すると、しばしば医療用埋設物が動作しなくなり(硬化してしまい)、取り替えなければならなくなる。
科学的研究によると、水性システムの生物汚染の第一段階は、一般的に浸水した表面や浸水性表面、すなわち、水に対して露出した面に薄いバイオフイルムが形成されるものである。バクテリアのような微生物が、浸水した表面に付着したり、寄生したりすると、一般的には、水性システムおよび浸水した表面において生物体がより複雑な形態で成長し、進んだ生物汚染が可能となるように表面にバイオフイルムを形成し、表面を変性するものと考えられている。このような生物汚染の初期段階における機構の一般的見解やバイオフイルムの機能の説明が、C.A.ケントによりなされており、「生物汚染:基本的科学およびモデル(Biological Fouling:Basic Science and Models)」(メロー、L.F.,ボット,T.R.,ベルナルド,C.A.(eds.),汚染科学および技術(Fouling Science and Technology),NATO ASI シリーズ,シリーズE,応用科学:No145,クルーワー アカッド、発行者ドルドレシェト,オランダ,1988年)によりなされている。他の文献としては、M.フレッチャーおよびG.I.ロエベ,応用環境微生物(Appl. Environ, Microbiol)37(1979年)67−72;M.ハンプライエスら,FEMS 微生物エコロジー(Microbiology Ecology)38(1986年)299−308;M.ハンプライエスら,FEMS 微生物刊行物(Microbiology Letters)42(1987年)91−101が挙げられる。
生物汚染あるいは生物学的汚染は、各種水性システムにおいて根強い問題あるいは解決すべき課題である。生物汚染は、微生物汚染あるいは大型生物的汚染であり、微生物、大型の生物体、細胞外物質、およびバイオマスに捕らわれる汚れや残さによって引き起こされる現象である。生物体には、バクテリア、真菌類、イースト菌、藻類、珪藻類、原生動物等の微生物や、大型藻類、大型貝類、アジアチッククラム(Asiatic clams)やゼブラムッセル(Zebra Mussels)のような微小軟体動物等の大型有機体が含まれる。
他の水性システム、特に水性工業プロセス流体において生じ、防止すべき問題となる生物汚染は、スライム(水あか)形成である。スライムは、真水、半塩水、あるいは塩水性システムにおいて形成される。そして、このようなスライムは、微生物、繊維、および残さのマット状堆積物から形成されている。したがって、スライムは、糸状、ペースト状、ゴム状、タピオカ状、あるいは硬化した状態であり、スライムが形成された水性システム本来のものとは異なる特性や不快な臭いを有している。スライム中に含まれる微生物は、胞子形成バクテリアや胞子非形成バクテリアとは基本的に異なっており、特に、細胞を包んだり、ケーシングするゼラチン物質を分泌するバクテリアの封止形態とは異なっている。スライムにおける微生物には、また、フィラメント状のバクテリア、フィラメント状の真菌類のモールドタイプ、イースト菌、およびイースト菌様の生物体が含まれる。
生物汚染は、水性システムをしばしば破壊してしまい、ひいては各種問題、例えば、粘度増加、ガス発生、不快臭、pH値の減少、変色、ゲル化等の問題を拡大して引き起こす場合がある。さらに、水性システムの破壊は、関連する水処理システムの破壊を引き起こす場合がある。このような関連破壊には、例えば、冷却塔、ポンプ、熱交換器、パイプライン、加熱システム、洗浄システム、および他の類似のシステムが含まれる。
生物汚染が工業プロセス水、例えば、冷却水、金属処理流体、あるいは、製紙工業やテキスタイル工業(繊維工業)で使用されるリサイクル水性システムにおいて生じると、直接的な経済的衝撃が大きくなる。すなわち、このような生物汚染を制御できないと、プロセス操作に影響し、プロセス効率を低下させ、エネルギーを無駄に消費し、水取り扱いシステムを目づまりさせ、および製品品質を低下させることになる。
したがって、例えば、電力プラント、石油精製、化学プラント、空気調整システムおよび他の工業操作において使用される冷却水性システムにおいて、生物汚染はしばしば問題となる。冷却塔で発生する生物体や、システム水において発生する生物体は、一般的に水性システムを汚染することになる。このようなシステムの水は、一般的にこれらの微生物の大変良い温床である。嫌気性および向日性生物は塔中で繁茂する。その他の生物は塔の水溜、パイプライン、熱交換器等のような領域内で生長し、転移する。もし制御されない場合、もたらされた生物汚染はスライムの層やその他の生物学的マット状物で塔を詰まらせ、パイプラインを塞ぎ、熱交換器の表面を覆う。これは適切な操業を妨げ、冷却能率を下げ、そして多分より重要なことは全プロセスの経費を増加させることである。
生物汚染が問題となる工業プロセスには、製紙業、パルプ産業、紙、板紙の製造、テキスタイル業、特に水置き不織布テキスタイル(繊維)が含まれる。これらの工業では、多量の水を循環しており、汚染微生物の成長に好ましい状態となっている。
例えば、製紙業は、「白水システム」と呼ばれる極めて多量の水を循環させている。製紙機械への供給時に、典型的には、約0.5%の繊維および非繊維である製紙用固形物を含んでおり、これは、ヘッドボックスからの供給水約200トン当たりに、1トンの紙を含んでいることを意味している。そして、この水のほとんどが白水システムにおいて循環されることになる、すなわち、白水システムは、微生物汚染の大変適した温床を与えることになる。したがって、ヘッドボックス、水ライン、および製紙装置において、スライムおよび他の堆積物が生成しやすくなる。このような生物汚染は、水や保存流体を阻害するばかりでなく、紙製品におけるスポット、穴、悪臭を発生させたり、製紙操作における経済価値までも破壊してしまうのである。
プールや温泉(制限されるものではないが、湯桶やジャグジー風呂を含む。)におけるレクレーション用水や、池や泉の観賞用水の生物汚染は、人々の観賞用気分を害することになる。例えば、かかる生物汚染は、不快な臭いを発生することになる。また、より重要な点は、特にレクレーション用水において、生物汚染が水の品質を劣化させ、使用に耐えられなくなるばかりか、さらに劣化が進むと健康的に問題を生じることになる。
工業プロセス用水やレクレーション用水のように、衛生用水もまた、生物汚染により劣化しやすく、問題となりやすい。このような衛生水としては、トイレ用水,水槽用水,腐敗水,汚水処理水等が含まれる。衛生用水に含まれる廃物の性格上、これらの水性システムは特に生物汚染されやすいという問題がある。
このような生物汚染を制御するために、伝統的に、化学物質(殺生剤)による、生物汚染を引き起こす微生物を殺したり、あるいは成長を阻害するような濃度において、水性システムを処理することが行われてきた。この点につき、例えば、米国特許公報4,293,559号や4,295,932号を参照できる。例えば、塩素ガスや、塩素ガスから作られた次亜塩素酸塩溶液が、バクテリア、真菌類、藻類、および他の問題となる生物体を殺したりあるいはその成長を阻害するために、水性システムに添加されてきた。しかしながら、塩素化合物は、水性システムを構成するのに使用されている材料を劣化するばかりか、有機物と反応して好ましくない物質、例えば発癌性のクロルメタンや塩素化ダイオキシンを流出物中に形成する場合があった。ある種の有機化合物、例えば、メチレンビスチオシアネート、ジチオカーボネート、ハロゲン化有機物、第4級アンモニウム界面活性剤もまた広く使用されてきた。これらの化合物のうち多くのものは、微生物を殺したり、成長を阻害するのに有効であるが、これらはまた、人体、動物、あるいは他の対象でない生物(有機体)に対しても毒性があり、有害であるという問題が見られた。
関連する浸水した表面を含めて水性システムの生物汚染を制御する一つの可能性は、水性システム内で、浸水した表面に対するバクテリアの付着を防止したり、阻害することである。もちろん、殺生剤を用いることにより達成することができるが、しかしながら、上述したような問題点を含んでいる。したがって、その他の方法として、本発明は、浸水性表面および浸水した表面に対するバクテリアの付着を実質的に防止する方法や組成物を提供することを目的としている。すなわち、本発明は、従来の方法における問題点を解決することを目的としている。また、本発明の他の利点や長所については、明細書や請求の範囲の記載から明らかになるであろう。
本発明の要約
本発明は、浸水性表面にバクテリアが付着するの防止する方法に関する。すなわち、この方法によれば、浸水性表面と、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩とを組み合わせて、浸水性表面にバクテリアが付着するの防止するための有効量において、接触させることを特徴としている。
また、本発明は、水性システムにおける生物汚染を制御する方法に関する。すなわち、この方法によれば、水性システムに、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩とを、水性システム内の浸水した表面にバクテリアが付着するの防止するための組み合わせ有効量において添加することを特徴としている。したがって、この制御方法によれば、バクテリアを実質的に殺すことなく、生物汚染を効果的に制御することができる。
さらにまた、本発明は、水性システムにおける生物汚染を制御する組成物に関する。すなわち、この組成物によれば、浸水性表面または水性システム内の浸水した表面において、バクテリアが付着するの防止するための組み合わせ有効量において、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩とを含有することを特徴としている。
本発明の詳細な記述
本発明の一態様によれば、浸水性表面におけるバクテリアの付着防止方法に関する。この浸水性表面とは、少なくとも部分的に、水や他の水性流体等の液体により覆われたり、溢れたり、あるいは湿らせられたりする表面をいう。したがって、この浸水性表面は、間断的に、あるいは連続的に液体と接触されることになる。このような浸水性表面は、上述したように、船体ボート船体、海洋構造物、歯表面、医療埋設物表面、あるいは水性システムにおける表面、例えば、ポンプ、パイプ、冷却塔あるいは熱交換器の内面等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。また、浸水性表面は、疎水性材料、親水性材料あるいは金属材料から構成されている。好都合なことに、本発明によるイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩との組み合わせにより、疎水性材料、親水性材料あるいは金属材料から構成されている浸水性表面あるいは浸水した表面において、バクテリアが付着するのを効率的に防止することができるものである。
すなわち、本発明は、このように浸水性表面において、バクテリアが付着するのを防止するために、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩とをこの浸水性表面に接触させる方法である。イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩との混合物は、表面にバクテリアが付着するの防止するための組み合わせ有効量において使用される。このイオネンポリマー/ドデシルアミン塩とを組み合わせて、一般的方法により、浸水性表面に適用して、使用される。例えば、後述するように、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩は、それぞれ別個に、あるいは共に、スプレー法、コーティング法、浸漬法等によりイオネンポリマーおよび/またはドデシルアミン塩を含む液状物として、適用することができる。その他には、イオネンポリマーおよび/またはドデシルアミン塩組み合わせ物を含むペースト状物として、浸水性表面に対して塗り拡げたり、はけ塗りして適用することができる。したがって、イオネンポリマーおよび/またはドデシルアミン塩の組み合わせを、特定の浸水性表面に対して一般的に使用することができる組成物や構成物の成分とするのが有利である。
浸水性表面に対して「バクテリアが付着するの防止する」とは、一定期間、バクテリアがわずかな量、あるいは、問題となるような量まで付着しないことを意味している。もちろん、好ましくは、本質的にバクテリアが付着しないようにすることであり、より好ましくは、それを防止することである。したがって、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせ量を、付着するバクテリアがわずかな量、あるいは、問題となるような量まで付着しないものとすべきであり、このような量は、一般的測定手法により決定することができる。好ましくは、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせ量を、浸水性表面に対して、少なくともこれら組成物の単分子層が形成可能な量とすることである。このような単分子層は、好ましくは、浸水性表面の全面を覆うものである。
また、本発明の方法によるイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを、浸水性表面に対して接触させる前に、表面に付着するのを防止するための前処理を施すことも好ましい。したがって、このような組み合わせを浸水性表面に接触させて、次いで、水性システムに浸漬することができる。
本発明は、また、水性システムにおける生物汚染の制御方法である。この水性システムには、水性流体あるいはシステム間に流れる液状物のみならず、当該水性システムに関する浸水した表面をも含んでいる。この浸水した表面は、水性流体や液状物と接触する表面のことである。上述した浸水性表面と同様に、浸水した表面には、パイプやポンプの内面、冷却塔やヘッドボックスの壁、熱交換器、スクリーン等が挙げられるが、これに限られるものではない。短的に言えば、水性流体や液状物と接触する表面は、浸水した表面であり、水性システムの一部と考えられる。
本発明の制御方法は、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを、水性システム内で浸水した表面にバクテリアが付着しないように効果的に防止することができる量で、水性システム内に添加するものである。本発明の制御方法によれば、使用濃度において、バクテリアを実質的に殺すことなく、水性システムの生物汚染を有効に制御する。
水性システムにおいて「生物汚染を制御する」とは、特定の水性システムに対して、所定時間、所定程度あるいはそれ以下に、生物汚染量を制御するか、あるいは、生物汚染程度を制御するものである。したがって、生物汚染を水性システムから除去したり、所望程度に生物汚染を減少させたり、所望程度かそれ以上に、生物汚染を防止するものである。
本発明において、水性システム内の浸水した表面に対する「バクテリアの付着を防止する」とは、特定の水性システムに対して、所定時間、バクテリアの付着程度を乏しいものとするか、あるいは不十分なものとすることである。好ましくは、バクテリアの付着を実質的に生じさせないことであり、さらに好ましくは、バクテリアの付着を防止することである。本発明のイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせによれば、多くの場合、バクテリア以外の他の付着微生物についても分解し、減少させて、長期間検出限界以下とすることができる。
ある種のイオネンポリマーおよびある種のドデシルアミン塩は、一定の閾値以上の濃度において、それぞれ殺生物活性を示す一方、本発明のイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせによれば、このような良く知られた閾値以下の濃度において、効果的にバクテリアの付着防止効果を示すことができる。したがって、本発明のイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせによれば、バクテリアを実質的に殺すことなく、バクテリアの付着防止効果を示すことができる。すなわち、本発明におけるイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせの有効添加量において、殺生剤の特性を示すものの、各毒性を示す閾値未満の値となる。例えば、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせの有効添加量は、毒性を示す閾値の10数倍以下の値である。また、好ましくは、組み合わせ量を、水性システムにおいて存在する、殺生剤の対象としない生物に対しては、有害とならない量とすることである。
また、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせは、上述したような各種水性システムにおいて、生物汚染を制御するのに使用することができる。これらの水性システムには、工業用水性システム、衛生用水性システム、レクリエーション用水性システムが挙げられるが、これに限定されるものではない。既に議論したように、工業用水性システムの例としては、金属処理流体、冷却用水(入口冷却用水、出口冷却用水、リサイクル用冷却用水等)、製紙工業やテキスタイル工業において使用される他のリサイクル水性システムが挙げられる。
また、衛生用水性システムの例としては、排水システム(工業排水、民間排水、市営排水等)、トイレ排水、水処理システム(汚水処理システム等)等が挙げられる。さらに、レクリエーション用水性システムには、水泳用プール、泉、観賞用プール、装飾用プール、池、小川等が挙げられる。
また、特定システムにおいて、浸水した表面におけるバクテリアの付着防止のためのイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせ有効添加量は、防止すべき水性システムの種類、微生物の成長状態、生物汚染の発生程度、所望の制御程度に拠っている。特定の用途において、選択される量は、影響される系全体の処理前における種々の添加量による一般試験により決定することができる。一般的に、水性システムにおいて使用される組み合わせ量は、水性システムの約1〜約500ppmの範囲内であり、より好ましくは、約20〜100ppmの範囲内である。
イオネンポリマー
イオネンポリマーあるいはポリメリック第4級アンモニウム化合物(ポリクオッツと称する場合がある。)は、すなわち、ポリマー骨格内に第4級窒素原子を含むカチオン性ポリマー(ポリメリッククオッツまたはポリクオッツとしても知られている。)であり、良く知られた化合物の分類に含まれている。この種のポリマーの生物活性もまた知られたものである。例えば、レンバーム、「イオネンポリマーの生物活性(Biological Activity of Ionene Polymers)」,応用ポリマーシンポジウム,No22,299−317(1973年)およびO.メイ,「殺菌、消毒、および保存に関するポリマー抗微生物剤(Disinfection, Sterilization, and Preservation in“Polymeric Antimicrobial Agents”)」,S.ブロック刊行,322−333(リー アンド フェビガー,フィラデルフィア,1991年)に記載されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。また、イオネンポリマーは、水性システムにおける各種用途、例えば微生物殺性剤、バクテリア殺性剤、藻類殺性剤に使用されており、また、バイオフイルムの生成やスライム発生を制御したり、防止したりするのにも使用されている。さらに、これらのイオネンポリマーや、その製造方法あるいはその使用法に関しては、米国特許公報3,874,870号、3,931,319号、4,027,020号、4,089,977号、4,111,679号、4,506,081号,4,581,058号、4,778,813号、4,970,211号、5,051,124号,5,093,078号,5,142,002号,5,128,100号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。
これらのいずれかのイオネンポリマーやその混合物を、本発明を実施するために使用することができる。また、イオネンポリマーは、ポリマー中の繰り返し単位に拠って分類することができる。この繰り返し単位は、イオネンポリマーを作るのに使用される反応物に由来するものである。
好ましい第1のタイプのイオネンポリマーとしては、下式Iの繰り返し単位を含むものである。
式I
Figure 0004039696
この式において、R1,R2,R3およびR4は、それぞれ同一でも、異なっていても良く、水素(H)、少なくとも一つの水酸基で置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基、およびベンゼン環に少なくとも一つの炭素数1〜20のアルキル基で置換されていても良いベンジル基から選択される基である。より好ましいR1,R2,R3およびR4は、それぞれすべてメチル基あるいはエチル基である。
記号Aで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、対称あるいは非対称のジ−炭素数1〜10のアルキレンエーテル基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基等から選択される二価の基である。より好ましくは、記号Aで表される基は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルケニレン基、炭素数2〜5のヒドロキシアルキレン基、あるいは対称のジ−炭素数2〜5のアルキレンエーテル基である。最も好ましい記号Aで表される基は、−CH2CH2CH2−,−CH2CH(OH)CH2−,あるいは−CH2CH2OCH2CH2−である。
また、記号Bで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基等から選択される二価の基である。より好ましくは、記号Bで表される基は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルケニレン基、炭素数2〜5のヒドロキシアルキレン基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜5のアルキレン基あるいは炭素数1〜5のアルキレンアリール基−炭素数1〜5のアルキレン基である。最も好ましい記号Bで表される基は、−CH2CH2−,−CH2CH2CH2−,−CH2CH2CH2CH2−あるいは−CH2(CH24CH2−である。
対イオンのX2-は、ニ価の対イオン、二つの一価の対イオン、あるいは、イオネンポリマー骨格を形成する繰り返し単位におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部である。好ましいX2-は、ハロゲン化物アニオンおよびトリハロゲン化物アニオンから選択される二つの一価の対イオンであり、より好ましいX2-は、塩化物アニオンおよび臭化物アニオンから選択される二つの一価の対イオンである。なお、トリハロゲン化物アニオンを対イオンとして含むイオネンポリマーは、米国特許公報3,778,476号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。
式Iの繰り返し単位を含むイオネンポリマーは、公知の種々の方法により得ることができる。一つの製法は、式R12N−B−NR34で表されるジアミン化合物と、式X−A−Xで表されるジハロゲン化物と反応させることである。この繰り返し単位を含むイオネンポリマーや、その製法は、例えば、米国特許公報3,874,870号、3,931,319号、4,025,627号、4,027,020号、4,506,081号および5,093,078号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。なお、式Iの繰り返し単位を含むイオネンポリマーの生物活性もまた、これらの特許公報に開示されている。
式Iの繰り返し単位を含むイオネンポリマーの中で、特に好ましいイオネンポリマーは、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]である。この式Iの繰り返し単位を含むイオネンポリマーにおいて、R1,R2,R3およびR4は、それぞれメチル基であり、記号Aで表される基は、−CH2CH2OCH2CH2−であり、記号Bで表される基は、−CH2CH2−であり、X2-は、二つのCl-であり、平均分子量は、1000−5000の範囲内の値である。このようなイオネンポリマーは、バックマン ラボラトリー社(テネシー州、メンフィス在)から、ブサン77(BUSAN,登録商標)やWSCP(登録商標)製品として入手することができる。これらのブサン77(BUSAN,登録商標)やWSCP(登録商標)のイオネンポリマーは、それぞれ60%濃度の水分散液であり、主として金属処理流体を含む水溶系において、微生物制御のために使用されている殺生剤である。
また、別の特に好ましい式Iの繰り返し単位を含むイオネンポリマーは、R1,R2,R3およびR4が、それぞれメチル基であり、記号Aで表される基が、−CH2CH(OH)CH2−であり、記号Bで表される基が、−CH2CH2−であり、X2-が、二つのCl-であるものである。そして、このイオネンポリマーは、N,N,N',N'−テトラメチル−1,2−エタンジアミンと、(クロロメチル)−オキシランとの反応物であり、その平均分子量は、1000−5000の範囲内の値である。このようなイオネンポリマーは、バックマン ラボラトリー社から、ブサン79(BUSAN,登録商標)やWSCPII(登録商標)製品として入手することができる。これらのブサン79(BUSAN,登録商標)やWSCPII(登録商標)のイオネンポリマーの製品は、それぞれ60%濃度の水分散液である。
好ましい第2のタイプのイオネンポリマーとしては、下式IIの繰り返し単位を含むものである。
式II
Figure 0004039696
この式IIにおいて、R1,R2およびAの定義は、式Iで定義された内容と同様である。X-は、一価の対イオン、ニ価の対イオンの半分、あるいは、イオネンポリマー骨格を形成する繰り返し単位におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部である。例えばX-は、ハロゲン化物アニオンあるいはトリハロゲン化物アニオンであり、より好ましくは、X-は、塩化物アニオンおよび臭化物アニオンである。
式IIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーは、公知の種々の方法により得ることができる。一つの製法は、式R12NHで表されるアミン化合物と、ハロゲン化エポキシ化合物、例えば、エピクロルヒドリンと反応させることである。この式IIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーや、その製法は、例えば、米国特許公報4,111,679号や5,051,124号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。なお、式IIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーの生物活性もまた、これらの特許公報に開示されている。
式IIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーの中で、特に好ましいイオネンポリマーは、R1およびR2が、それぞれメチル基であり、記号Aで表される基は、−CH2CH(OH)CH2−であり、X-は、Cl-である。そして、このイオネンポリマーは、N−ジメチルアミンと、(クロロメチル)オキシランとの反応物であり、その平均分子量は、2,000−10,000の範囲内の値である。このようなイオネンポリマーは、バックマン ラボラトリー社から、ブサン1055'(BUSAN,登録商標)製品であり、50%濃度の水分散液として入手することができる。
また、別の好ましい式IIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーは、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンとの反応物であり、R1およびR2が、それぞれメチル基であり、記号Aで表される基が、−CH2CH(OH)CH2−であり、X-が、Cl-である。そして、このイオネンポリマーの平均分子量は、5,000−10,000の範囲内の値である。このようなイオネンポリマーは、バックマン ラボラトリー社から、ブサン1055(BUSAN,登録商標)製品であり,50%濃度の水分散液として入手することができる。
好ましい第3のタイプのイオネンポリマーとしては、下式IIIの繰り返し単位を含むものである。
式III
Figure 0004039696
記号Qで表される基は、−(CHR')p−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−O−CH2−CH2−,−CH2−CH(OH)−CH2−,または−(CHR')n−NH−C(O)−NH(CHR')n−である。また、記号B'で表される基は、{−[CH2−CH(OH)−CH2−N+R'2−(CHR')n−NH−C(O)−NH]−,X-}または{−[(CHR')n−N+R'2−CH2−CH(OH)−CH2]−,X-}である。変数nおよびpは、それぞれ独立であり、2〜12の数である。また、記号R'で表される基は、それぞれ独立であり、水素または炭素数1〜20のアルキル基である。X2-はニ価の対イオン、ニつの一価の対イオン、あるいは、R基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部である。X-は一価の対イオン、ニ価の対イオンの半分、あるいは、B'基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部である。好ましくは、記号R'で表される基は、水素または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは2〜6の数であり、pは2〜6の数である。最も好ましくは、記号R'で表される基は、水素またはメチル基であり、nは3であり、pは2である。好ましい対イオンX2-およびX-は、式IおよびIIで説明した内容と同様である。
式IIIで表されるポリマーは、ユリアジアミンとしても知られたビス−(ジアルキルアミノアルキル)ユリアから、公知の製法により得ることができる。式IIIのイオネンポリマー、その製法およびその生物活性については、米国特許公報4,506,081号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。
式IIIで表される繰り返し単位を含む好ましいイオネンポリマーは、Rがユリアジアミンであり、B'がCH2CH(OH)CH2であり、X-がCl-である。このようなイオネンポリマーは、バックマン ラボラトリー社から、ASTATやブサン1090(BUSAN,登録商標)製品の50%濃度の水分散液として入手することができる。そして、このイオネンポリマーは、N,N'−ビス−[1−(3−(ジメチルアミノ)−プロピル)]ユリアと、エピクロルヒドリンとの反応物であり、その平均分子量は、2,000−15,000の範囲内の値であり、より好ましくは、3,000−7,000の範囲内の値である。
式I,II,およびIIIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーは、第1級アミン、第2級アミンあるいは他の多価アミン等の公知技術を用いて、架橋することが好ましい。また、このようなイオネンポリマーは、ポリマー骨格あるいは側鎖に付いている第4級窒素原子あるいは他の機能基を利用して架橋することも可能である。
共反応性架橋剤を用いて製造された架橋されたイオネンポリマーが、米国特許公報3,738,945号や米国再発行特許公報28,808号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。再発行特許公報は、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンとの反応で得られたイオネンポリマーの架橋について開示している。共反応性架橋剤として、アンモニア、第一級アミン、アルキレンジアミン、ポリグリコールアミン、ピペラジン、ヘテロ芳香族ジアミン、および芳香族ジアミンが挙げられている。
米国特許公報5,051,124号に、ジメチルアミンと、多官能性アミンと、エピクロルヒドリンとの反応で得られた架橋イオネンポリマーについて開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。また、米国特許公報5,051,124号には、このような架橋イオネンポリマーを用いて微生物の成長を防止する方法についても開示されている。その他の架橋イオネンポリマー例や特性について、米国特許公報3,894,946号、3,894,947号、3,930,877号,4,104,161号、4,164,521号、4,147,627号,4,166,041号,4,606,773号、4,769,155号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。
好ましい架橋イオネンポリマーは、式IIの繰り返し単位を有し、R1およびR2は、それぞれメチル基であり、Aは、−CH2CH(OH)CH2−であり、X-がCl-である。このイオネンポリマーは、アンモニアによって架橋されている。このような架橋イオネンポリマーは、平均分子量として、約100,000−500,000の範囲内の値を有しており、バックマン ラボラトリー社から、BL1155(登録商標)製品として販売されている50%濃度の水分散液として入手することができる。
また、バックマン ラボラトリー社から販売されている、ブサン1099(BUSAN,登録商標)やBUBOND65(登録商標)の製品は、式IIの繰り返し単位を有し、R1およびR2が、それぞれメチル基であり、Aが、−CH2CH(OH)CH2−であり、X-がCl-であり、架橋剤がモノメチルアミンである架橋イオネンポリマーの25%濃度の水分散液である。この好ましい架橋イオネンポリマーは、平均分子量として、約10,000−100,000の範囲内の値を有している。
また、式I,II,およびIIIの繰り返し単位を含むイオネンポリマーは、封止されていても良く、すなわち、特定の末端基を有していても良い。このような封止は、公知の方法で行うことができる。例えば、イオネンポリマーを作る際に、反応物のいずれかを過剰に添加しておくことにより、末端基を導入することができる。その他の方法としては、一官能のターシャリーアミンや一官能の置換あるいは非置換のアルキルハロゲン化物を、イオネンポリマーと定量的に反応させることにより末端封止することができる。このようなイオネンポリマーは、片末端が封止されていても良く、あるいは両末端が封止されていても良い。末端封止イオネンポリマーや微生物特性については、米国特許公報3,931,319号や5,093,078号に開示されており、本発明でもかかる開示された内容を採用することができる。
ドデシルアミン塩
本発明において使用するのに好ましいドデシルアミン塩は、次のような一般式で表される。
1225NH3 +-
ここで、Zは、アニオンまたはドデシルアミンにおいてカチオン電荷のバランスが取れる多価対イオンの部分である。好ましいZは、有機酸あるいは無機酸の共役塩基であり、すなわち、有機酸あるいは無機酸からイオネンプロトンを除いたものである。適当な有機酸を例示すると、モノ−カルボン酸またはジ−カルボン酸であり、適当な無機酸を例示すると、ハロゲン化水素酸であり、例えば塩酸である。
また、好ましいZは、非環式、環式、芳香族環のモノカルボン酸あるいはジカルボン酸である。ここで好ましいカルボン酸は、炭素数が10以下のものである。また、Zが、環式または芳香族環の場合、環中に、一つまたは二つ以上のヘテロ原子、例えば、N,OまたはSのような原子を含むことができる。
カルボン酸はまた、本発明の組成物の活性を低下させないような適当な置換基で置換することもできる。このような適当な置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アミノ基、オキソ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
好ましいカルボン酸の例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、シトラル基、ラクチル基、バレリル基、フタリル基、サクシニル基、オクタノイル基、ノナノイル基、ホルミル基、ソルビル基、オキサリル基、ラウリル基、およびベンゾイル基を含むものである。また、このようなカルボン酸例として、当業者が認識できる他の有機酸の基を含むものであっても良い。
また、ドデシルアミンのドデシル基は、分枝を有していても良く、あるいは分枝を有していない、すなわち、直鎖であっても良い。ただし、より好ましいドデシル基は、分枝を有していない基である。
また、かかるドデシル基は、非置換であるかまたは本発明の塩の活性を低下させないような適当な一つまたは二つ以上の置換基で置換することもできる。このような適当な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、オキソ基(ケトン基形成可能)、ハロゲン原子、酸基、これらの誘導体、例えば、エステル基やアミド基が挙げられる。ただし、より好ましくは、非置換のドデシル基である。
窒素原子に結合した一つまたは二つ以上の水素原子を適当な置換基で置き換えて、第2アミン、第3アミン、第4アミンのドデシルアミン塩とすることもできる。ただし、より好ましくは、第1アミンのドデシルアミン塩である。
本発明のドデシルアミンのカルボン酸塩として、より好ましいのは、ドデシルアミンアセテート,ドデシルアミンプロピオネート,ドデシルアミンブチレート,ドデシルアミンシトレート,ドデシルアミンラクテート,ドデシルアミンバレレート,ドデシルアミンフタレート,ドデシルアミンサクシネート,ドデシルアミンオクタノエート,ドデシルアミンノナエート,ドデシルアミンホルメート,ドデシルアミンソルベート,ドデシルアミンオキサレート,ドデシルアミンラウレート,ドデシルアミンベンゾエート,ドデシルアミン2−ヒドロキシベンゾエート,ドデシルアミン3−ヒドロキシベンゾエート,ドデシルアミン4−ヒドロキシベンゾエートである。これらの化合物のうち、さらに好ましいのは、ドデシルアミンアセテート,ドデシルアミンプロピオネート,ドデシルアミンブチレート,ドデシルアミンバレレート,ドデシルアミンフタレート,ドデシルアミンサクシネート,ドデシルアミンシトレート,ドデシルアミンラクテートである。さらにこれらの化合物のうち、最も好ましいのは、ドデシルアミンアセテートである。
ドデシルアミン塩は、好ましくは、ドデシルアミンと、好ましい酸とを、適当な溶剤中で反応させたものである。使用するのに適当な酸については、提供可能な研究所から商業的に入手可能であり、あるいは、公知の文献的方法により得ることができる。
アミン塩の合成は、一般的に、反応物の少なくとも一つを溶解できる溶剤であるが、より好ましくは、反応生成物も一般的に溶解可能な溶剤中で行うことができる。好ましい溶剤系は、無機酸、有機酸あるいはアルコールを含むものである。最も好ましい溶剤系は、酢酸である。
アミン塩を合成する際の反応温度は、使用する反応物によっており、当業者であれば容易に決定することができる。具体的に、好ましい反応温度は、40〜110℃あるいは110℃以上の範囲内の値であり、より好ましい反応温度は、70〜100℃の範囲内の値である。また、かかる反応は、完了するまで続けることができるが、例えば、pH計でそれを示すことができる(測定物が中和されたことをpH計が示すことにより、反応が完了したものとする。)。一般的には、反応は、30分〜2時間の間、攪拌することにより行うことができ、より好ましくは、1〜2時間の攪拌時間である。
反応完了後、公知の方法により、生成物からドデシルアミン塩を分離し、精製して、さらに完成させることができる。過剰の反応物や反応中に生成した固形物をフィルターで除去し、濾過物を蒸留して粗製物とすることができる。目的の塩化合物が固体状の場合には、反応生成物を適当な溶剤を用いて再結晶化して、より純粋な化合物とすることができる。しかしながら、ドデシルアミン塩を精製したものでも、粗製物でも、両方とも本発明の組成物や方法に使用することができる。この塩の調製法は、上述した方法そのものや工程に限られるものではない。したがって、所望の最終製品が得られるものであれば、いずれの公知の手法も採用することができる。
特定のイオネンポリマーやドデシルアミン塩について、これらの化合物と、浸水性表面や水性システムとの適合性に基づいて、選択することができる。
この適合性は、水性システムへの溶解性等の基準や、問題となる表面やシステムとの反応性の無さで判断することができる。したがって、適合性は、当業者であれば、イオネンポリマーやドデシルアミン塩を使用する材料や培地に添加することにより判断することができる。水性システムで使用される場合、イオネンポリマーおよび/またはドデシルアミン塩が、完全にこのシステムに溶解するのが好ましい。
上述したように、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩は、浸水性表面において、バクテリアが付着するのを防止できるだけの効果的な組み合わせ量で使用される。この量は、好ましくは、相乗作用をもたらす量である。イオネンポリマーのドデシルアミン塩に対する重量比は、水性システムの種類や適用される表面に拠って変化するが、当業者であれば、特定用途においてかかる適当な重量比を不当な試験することなく容易に決定することができる。好ましいイオネンポリマー対ドデシルアミン塩の重量比は、1:99〜99:1の範囲内であり、より好ましくは、1:30〜30:1の範囲内であり、最も好ましいのは、1:2〜2:1の範囲内である。
特定な用途によるが、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を含む組成物は、これら両方あるいはいずれか一方を水や有機溶媒に溶解して液状とすることもできるし、あるいは、適当な媒体に吸収させたり、タブレット状とすることにより固体状とすることもできる。あるいは、これらの組み合わせを、水の中に懸濁し、必要があれば界面活性剤をさらに添加することにより、懸濁液(エマルション)とすることもできる。
本発明による制御方法は、総括的な水処理システムの一部であっても良い。また、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせは、他の水処理剤といっしょに使用することも好ましく、特に好ましいのは、殺生物剤(例えば、藻類用殺生剤,真菌用殺生剤,バクテリア用殺生剤,軟体動物用殺生剤,酸化剤等)、汚れ落とし、清浄剤、凝固剤、凝集剤、あるいは他の水性システムで使用される化学物質等と組み合わせることである。例えば、浸水性表面に、バクテリアの付着防止のための前処理としてイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを接触させた後、微生物の成長を制御するために、微生物殺生剤を用いた水性システムで処理することができる。あるいは、ひどい生物汚染が生じている水性システムに、発生している生物汚染を停止するために、最初、適当な殺生剤を適用することも可能である。次いで、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを、水性システムを保持するために処理することも可能である。あるいは、水性システム内の浸水した表面にバクテリアが付着するのを防止するために、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを、殺生剤とともに使用することも可能である。この場合、殺生剤が水性システムの微生物の成長を制御するものであっても良い。このように構成すると、一般的に、使用する殺生剤量を減少させることができる。
水性システムにおいて、「微生物の成長を制御する」とは、特定のシステムに対し、所望の期間、所望のレベルになるように、あるいは所望のレベルにおいて、さらにはそれ以下のレベルに保持することである。したがって、このことは、水性システム中の微生物をなくしたり、あるいは、その成長を防止することを意味している。
本発明の制御方法において、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせは、固体状、あるいは液体状で使用することが可能である。したがって、本発明はまた、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを含む組成物でもある。かかる組成物は、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを、バクテリアが水性システム内の浸水性表面あるいは浸水した表面に付着するのを防止するのに有効な量で含んでいる。かかる組成物が、他の水処理化学物質、例えば殺生剤とともに使用される場合、このような他の化学物質を組成物に含むことができる。イオネンポリマー、ドデシルアミン塩および他の水処理化学物質をいっしょに組成した場合に、水性システムにおいて、効果が減少したり、あるいは消滅したりするような逆反応を生じさせるべきでない。したがって、このような逆反応が生じる場合には、イオネンポリマー、ドデシルアミン塩および他の水処理化学物質を別々の配合物にすることが好ましい。
使用方法によるが、本発明の組成物は、種々の形態に調製することができる。例えば、組成物を、溶液、分散液、エマルション、懸濁液、あるいはペースト状の液体状とすることができる。組成物を分散液、懸濁液、あるいはペースト状とする場合、溶剤を使用しなくても良い。また、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を、水、有機溶媒、水および/または溶剤の混合物に溶解させて溶液とすることも好ましい。適当な有機溶媒は、特に制限されるものではないが、アセトン、グリコール、アルコール、エーテル、他の水分散可能な溶剤等が挙げられる。ただし、一般的に、水性組成とするのが好ましい。
本発明の組成物は、また、特定用途前に、希釈して液状とする濃厚液としても好ましい。液体組成物あるいは液体システム、例えば水性組成物あるいは水性システムにおいて、イオネンポリマーとドデシルアミン塩と他の組成物との間の相溶性を向上させるために、界面活性剤、エマルション剤、分散剤等を使用することも好ましい。ただし、多くの場合、本発明の組成物は、簡単な攪拌により溶解することができる。また、トイレ用水等の適当な用途の場合、染料や香り成分を添加することも好ましい。
また、本発明の組成物の形態を固体状とするのも好ましい。例えば、イオネンポリマーおよび/またはドデシルアミン塩を、公知の方法により粉状態あるいはタブレット状態で製剤化することもできる。かかるタブレットの場合、タブレット分野で使用される種々の成分や添加剤、例えば、染料、その他の着色剤、香料、香り剤、あるいは、充填剤、バインダー、滑剤、潤滑剤、抗凝集剤等を添加することができる。後者の材料は、タブレットの特性および/またはタブレットプロセスにおいて向上させるために、使用されるものである。
実施例
以下に示す実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を制限するものではない。
実施例1
本発明の組成物を、10.00重量%の氷酢酸と、23.00重量%のドデシルアミンアセテートと、33.00重量%のプロピオン酸と、34.00重量%のイオネンポリマーであるWSCP(登録商標)製品とを合わせることにより調製した。すなわち、酢酸(氷酢酸)をジャケット型の反応容器内に装填し、攪拌し、これに溶融させたドデシルアミンアセテートを添加して混合物とし、約30分間攪拌を続けた。次いで、攪拌しながらプロピオン酸を添加して、さらに30分間攪拌を続けた。その後、中和反応の間に、過剰な熱を除去するため反応容器を冷却した。次いで、WSCP製品を添加し、この混合物をさらに1時間攪拌した。
実施例2
実施例1のイオネンポリマーであるWSCP製品の代わりに、ブサン1055(BUSAN,登録商標)を用いたほかは、実施例1と同様に、本発明の組成物を調製した。
実施例3
本発明の組成物を、19.00重量%の氷酢酸と、14.00重量%のドデシルアミンアセテートと、33.00重量%のプロピオン酸と、34.00重量%のイオネンポリマーであるWSCP(登録商標)製品とから調製した。すなわち、酢酸(氷酢酸)をジャケット型の反応容器内に装填し、攪拌し、これに溶融させたドデシルアミンアセテートを添加して混合物とし、約30分間攪拌を続けた。次いで、攪拌しながらプロピオン酸を添加して、さらに30分間攪拌を続けた。その後、中和反応の間に、過剰な熱を除去するため反応容器を冷却した。次いで、WSCP製品を添加し、この混合物をさらに1時間攪拌した。
バクテリア
試験方法
種々の表面に対するバクテリアの付着防止や、既存の付着微生物の形成攻撃における、化学組成物の特性を効果的に調べるために、次のような試験法を採用した。すなわち、約1インチ×3インチのスライド(ガラス,ステンレス,ポリスチレン)を端部に取りつけてなるバイオリアクターを構成した。このスライドの下端部(約2インチ)を、バイオリアクター内の、測定化学物質が既知濃度で含まれるバクテリア培地(pH7)に浸漬した。既知バクテリア種の接種後、測定液を連続的に3日間攪拌した。下記結果に特に示されない場合、バイオリアクター内の培地において、3日後には濁りが発生した。この濁りは、測定化学物質が存在しているにもかかわらず培地のバクテリアが繁殖したことを示している。また、この濁りの発生はまた、測定濃度においては、測定化学物質が殺生(バクテリア減菌)効果を示さないことも表している。この汚染方法は、次いで、スライド表面に付着したバクテリア量を決定するためにスライド上で使用された。
バイオリアクターの構成
バイオリアクターを、容量400mlのガラス製ビーカーと、それを覆う蓋(一般的な、直径9cmのガラス製ペトリ皿を覆うこと可能)とから構成した。蓋を取り除いた状態で、選択した材料からなるスライドを、マスキングテープを用いてバイオリアクターの端部に取りつけ、ビーカーの上部からバイオリアクター内に懸垂した。したがって、スライドを試験培地内に浸漬することができるようになっている。典型的には、6個のスライド(複製サンプル)を、均一な間隔で、バイオリアクターに沿って配置した。よって、下記評価点数は、6個の複製サンプルの平均値である。この構成ユニットの底部に磁性攪拌子をおき、蓋をした状態で、バイオリアクターをオートクレーブ処理した。また、ステンレス製,ガラス製およびポリスチレン製のそれぞれ材料の種類が異なるスライドが使用された。
バクテリア生長培地
バイオリアクター内に設けられる液状培地は、デラキスらによって、「ニュウトリエントストレスに対応したガラス表面のバイオフイルムからのシュードモナス フルオレッセンスの分離(Detachment Of Pseudomonas fluorescens From BiofilmsOn Glass Surface In Responce To Nutrient Stress)」,微生物エコロジー,18,199−210,1989年に既に開示されているものであった。培地の組成は、次のとおりである。
グルコース 1.0g
2HPO4 5.2g
KH2PO4 2.7g
NaCl 2.0g
NH4Cl 1.0g
MgSO4・7H2O 0.12g
トレース エレメント 1.0mL
脱イオン水 1.0L
トレース エレメント液
CaCl2 1.5g
FeSO4・7H2O 1.0g
MnSO4・2H2O 0.35g
NaMoO4 0.5g
脱イオン水 1.0L
培地は、オートクレーブ(高温、高圧)処理し、その後、冷却した。オートクレーブ処理した培地について、沈殿物が生成した場合、使用前に攪拌して、再び懸濁した。
バクテリア接種物の準備
バクテリア種のバシルス菌(Bacillus),フレイボバクテリア菌(flavobacterium)およびシュードモナス菌(Pseudomonas)を、ペーパーミルのスライム中から単離して、連続培養器に収容した。すなわち、試験微生物を計数用寒天平板上に、別々に画線接種し、30℃、24時間の条件でインキュベートした。滅菌綿を用いて、バクテリアの群落部分を取り出し、滅菌水中に懸濁させた。この懸濁液を均一に混合し、それぞれ、波長686nmにおける光学濃度を0.858(バシルス菌)、0.625(フレイボバクテリア菌)および0.775(プシュードモナス菌)に調整した。
バイオフイルム形成/化学測定
上述したように調製された滅菌培地200mlを、4つのバイオリアクターに添加した。評価測定される化学薬品を、はじめ、水性保存液として調製した。1.0mlごとに分配した水性保存液を、中程度の、連続磁性攪拌をしながらバイオリアクター内に添加した。試験化合物の初期濃度を100ppmに調整した。また、一つのバイオリアクターには、試験化合物を添加していない(コントロール)。3種のバクテリア懸濁液を0.5mlごとに分配し、各バイオリアクターに導入した。次いで、各バイオリアクターを、3日間攪拌し、バクテリア集団を増加させ、スライド表面上に細胞を付着させた。
結果の評価
上述した組成物につき、下記の評価を行った。
温度26〜28℃、48時間あるいは168時間(1週間)のインキュベートの後、バイオリアクターからスライドを取り出し、空気乾燥できるように、垂直方向に載置した。次いで染色法によりバクテリア菌の試験表面に対する付着度合いを推定した。すなわち、スライドを火で短時間あぶって、表面に細胞を固定し、次いで、グラムクリスタルバイオレット(DIFCO研究所,デトロイト,MI)の容器に2分間移動した。このスライドを流れる水道水により緩やかに洗浄し、注意深く吸い取って乾燥させた。バクテリア菌の試験表面に対する付着度合いを、定量的評価法により測定した。
バクテリア付着評価
一対のガラス製,ステンレス製,およびポリスチレン製のそれぞれ材料処理に対応したスライドを、10mLエタノール(研究技術用)とともに、ペトリ皿中に配置し、スライドに付着したグラムクリスタルバイオレットの染色細胞を取り除いた。各ペトリ皿中で得られた、1mLに小分けしたグラムクリスタルバイオレット/エタノール溶液を、脱イオン化滅菌水9mLとともに試験管に移した(1/10希釈)。また、1mLのエタノールと、脱イオン化滅菌水9mLとからなる溶液を、評価用光学装置のための検量線用ブランクとした。各溶液における吸収(AB)を、波長586nmにおけるスペクトル光メーター(Spectronic21、Bausch and Lomb社製)およびを用いて測定した。そして、付着したバクテリアの減少数(RBA)を算出した。
RBA(%)=100[ABコントロール−(AB処理−ABブランク)\ABコントロール]
RBA値90%以上=実質的にバクテリアの付着なし
RBA値89-70% =わずか
RBA値69-50% =中間的
RBA値49-30% =中間的
RBA値29%以下 =中間的
得られた結果を、下表に示す。
Figure 0004039696
藻類
試験方法
種々の表面に対する藻類の付着防止や、既存の付着微生物の形成攻撃における、化合物の特性を効果的に調べるために、次のような試験法を採用した。すなわち、約1インチ×3インチのスライド(ガラス,ステンレス)を端部に取りつけてなるバイオリアクターを構成した。このスライドの下端部(約2インチ)を、バイオリアクター内の、測定化学物質が既知濃度で含まれる藻類生長培地に浸漬した。既知藻類種の接種後、測定液を連続的に3日間攪拌した。下記結果に特に示されない場合、バイオリアクター内の培地において、3日後には濁りが発生した。この濁りは、測定化学物質が存在しているにもかかわらず培地の藻類が繁殖したことを示している。また、この濁りの発生はまた、測定濃度においては、測定化学物質が殺生(藻類滅菌)効果を示さないことも表している。染色試験方法が、次いで、スライド表面に付着した藻類量を決定するためにスライド上で使用された。
バイオリアクターの構成
バイオリアクターを、容量400mlのガラス製ビーカーと、それを覆う蓋(一般的な、直径9cmのガラス製ペトリ皿を覆うこと可能)とから構成した。蓋を取り除いた状態で、選択した材料からなるスライドを、マスキングテープを用いてバイオリアクターの端部に取りつけ、ビーカーの上部端からバイオリアクター内に懸垂した。したがって、スライドを試験培地内に浸漬することができるようになっている。典型的には、4個のスライド(複製サンプル)を、均一な間隔で、バイオリアクターに沿って配置した。よって、下記評価点数は、4個の複製サンプルの平均値である。この構成ユニットの底部に磁性攪拌子をおき、蓋をした状態で、バイオリアクターをオートクレーブ処理した。また、ステンレス製およびガラス製のそれぞれ材料の種類が異なる2つのスライドが使用された。
藻類生長培地
バイオリアクター内に設けられる液状培地は、リチャード C.スターおよびジェフリー A.ゼイカスによって、「UTEX−オースチン、テキサス大学による藻類の寄託(The culture collection of Algae at the University of Texas at Austin)」,ジャーナル オブ フィコロジー(J. of Phycology),Vol.23,p.36−37,1978年に既に開示されているAllen培地であった。培地の組成は、次のとおりである。
蒸留水 963mL
NaNO3 1.5g
に対して、以下の保存液を添加したものである。
Figure 0004039696
なお、培地のpHは、7.8であった。
藻類接種物
藻類種として以下を使用した。
クロレラ バルガリス(Chlorella vulgaris)
バイオフイルム形成/化学測定
上述したように調整された滅菌培地200mlを、4つのバイオリアクターに添加した。評価測定される化学薬品を、はじめ、水性保存液として調製した。1.0mlごとに分配した水性保存液を、中程度の、連続磁性攪拌をしながらバイオリアクター内に添加した。試験測定される化合物の初期濃度を100ppmに調整した。また、一つのバイオリアクターには、試験測定される化学組成物を添加していない(コントロール)。藻類懸濁液を0.5mlごとに分配し、各バイオリアクターに導入した。次いで、各バイオリアクターを、3日間攪拌し、藻類数を増加させ、スライド表面に細胞を付着させた。
結果の評価
上述した組成物につき、下記評価を行った。
温度26〜28℃、48時間あるいは168時間(1週間)のインキュベートの後、バイオリアクターからスライドを取り出し、空気乾燥できるように、垂直方向に載置した。次いで染色法により藻類の試験表面に対する付着度合いを推定した。すなわち、スライドを火で短時間あぶって、表面に細胞を固定し、次いで、グラムクリスタルバイオレット(DIFCO研究所,デトロイト,MI)の容器に2分間移動した。このスライドを流れる水道水により緩やかに洗浄し、注意深く吸い取って乾燥させた。藻類の試験表面に対する付着度合いを、定量的評価法により測定した。
藻類付着評価
一対のガラス製およびステンレス鋼製のそれぞれ材料処理に対応したスライドを、10mLエタノール(研究技術用)とともに、ペトリ皿中に配置し、スライドに付着したグラムクリスタルバイオレットの染色細胞を取り除いた。各ペトリ皿中で得られた、1mLに小分けしたグラムクリスタルバイオレット/エタノール溶液を、脱イオン化滅菌水9mLとともに試験管に移した(1/10希釈)。また、1mLのエタノールと、脱イオン化滅菌水9mLとからなる溶液を、評価用光学装置のための検量線用ブランクとした。各溶液における吸収(AB)を、波長586nmにおけるスペクトル光メーター(Spectronic21、Bausch and Lomb社製)およびを用いて測定した。そして、接触した藻類の減少数(RAA)を算出した。
RAA(%)=100[(ABコントロール−AB処理)\ABコントロール]
RAA値90%以上=実質的に藻類の付着なし
RAA値89-70% =わずか
RAA値69-50% =中間的
RAA値49-30% =中間的
RAA値29%以下 =中間的
得られた結果を、下表に示す。
Figure 0004039696

Claims (22)

  1. 浸水性表面に、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を、浸水性表面にバクテリアが付着するのを防止するための組み合わせ有効量で接触させる工程を含んでなる、バクテリアを殺すことなく浸水性表面にバクテリアが付着するのを防止する方法。
  2. 前記イオネンポリマーが、式I、II又はIII:
    Figure 0004039696
    であり、
    1,R2,R3およびR4は、それぞれ同一でも、異なっていても良く、H、少なくとも一つの水酸基で置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基、およびベンゼン環上で少なくとも一つの炭素数1〜20のアルキル基で置換されていても良いベンジル基から選択される基であり;
    記号Aで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、対称あるいは非対称のジ−炭素数1〜10のアルキレンエーテル基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基から選択される二価の基であり;
    記号Bで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基から選択される二価の基であり;
    記号B’で表される基は、{−[CH2−CH(OH)−CH2−N+R’2−(CHR’)n−NH−C(O)−NH]−,X-}または{−[(CHR’)n−N+R’2−CH2−CH(OH)−CH2]−,X-}であり;
    記号Qで表される基は、−(CHR’)p−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−O−CH2−CH2−,−CH2−CH(OH)−CH2−,または−(CHR’)n−NH−C(O)−NH(CHR’)n−であり;
    -は、一価の対イオン、二価の対イオンの半分、あるいは、イオネンポリマーを形成する繰り返し単位における又はB’基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部であり;
    2-は二価の対イオン、二つの一価の対イオン、あるいは、イオネンポリマーを形成する繰り返し単位における又はR基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部であり;
    R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基であり;
    変数nおよびpは、それぞれ独立に、2〜12の数である。]
    のものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記浸水性表面が、船体、ボート船体、海洋構造物、歯表面、医療用埋設物表面、あるいは水性システムにおける表面である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 水性システムに、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を、水性システム内の浸水した表面にバクテリアが付着するのを防止するための組み合わせ有効量で添加する工程を含んでなる、バクテリアを殺すことなく水性システムの生物汚染を制御する方法。
  5. 前記イオネンポリマーが、式I、II又はIII:
    Figure 0004039696
    であり、
    1,R2,R3およびR4は、それぞれ同一でも、異なっていても良く、H、少なくとも一つの水酸基で置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基、およびベンゼン環上で少なくとも一つの炭素数1〜20のアルキル基で置換されていても良いベンジル基から選択される基であり;
    記号Aで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、対称あるいは非対称のジ−炭素数1〜10のアルキレンエーテル基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基から選択される二価の基であり;
    記号Bで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基から選択される二価の基であり;
    記号B’で表される基は、{−[CH2−CH(OH)−CH2−N+R’2−(CHR’)n−NH−C(O)−NH]−,X-}または{−[(CHR’)n−N+R’2−CH2−CH(OH)−CH2]−,X-}であり;
    記号Qで表される基は、−(CHR’)p−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−O−CH2−CH2−,−CH2−CH(OH)−CH2−,または−(CHR’)n−NH−C(O)−NH(CHR’)n−であり;
    -は、一価の対イオン、二価の対イオンの半分、あるいは、イオネンポリマーを形成する繰り返し単位における又はB’基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部であり;
    2-は二価の対イオン、二つの一価の対イオン、あるいは、イオネンポリマーを形成する繰り返し単位における又はR基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部であり;
    R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基であり;
    変数nおよびpは、それぞれ独立に、2〜12の数である。]
    のものである、請求項4に記載の方法。
  6. 当該添加工程が、水性システム内に存在するあらゆる生物汚染を減少させるための組み合わせ充分量のイオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を水性システム内に添加することを含んでなる、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記水性システムが、工業用水性システムである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記工業用水性システムが、冷却水性システム、金属処理用流体システム、製紙用水性システム、およびテキスタイル製造用水性システムから選択されるものである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記水性システムが、レクリエーション用水性システムである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記レクリエーション用水性システムが、水泳用プール、温泉、泉、観賞用池、観賞用プールおよび観賞用小川から選択されるものである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記水性システムが、衛生用水性システムである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記衛生用水性システムが、トイレ用水性システム、水処理システム、下水処理システムから選択されるものである、請求項11に記載の方法。
  13. 水性システムにおける微生物の成長を制御するために、水性システムに有効量の殺生剤を添加する工程をさらに含んでなる、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  14. 水性システム内に存在するあらゆる生物汚染を実質的に減少させるために、前記イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を添加する前に、前記殺生剤を添加し、さらに生存する微生物が水性システム内の浸水した表面に付着するのを防止するために、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩の組み合わせを添加してなる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記殺生剤を、前記イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩と同時に添加してなる、請求項13に記載の方法。
  16. 前記微生物が、藻類、真菌類、バクテリアから選択されるものである、請求項13に記載の方法。
  17. 前記水性システムが、工業用水性システム、レクリエーション用水性システム、及び衛生用水性システムから選択されるものである、請求項13に記載の方法。
  18. 浸水性表面または水性システム内の浸水した表面にバクテリアが付着するのを防止するための組み合わせ有効量で、イオネンポリマーおよびドデシルアミン塩を含有してなる、バクテリアを殺すことなく水性システムにおける生物汚染を制御する組成物。
  19. 前記イオネンポリマーが、式I、II又はIII:
    Figure 0004039696
    であり、
    1,R2,R3およびR4は、それぞれ同一でも、異なっていても良く、H、少なくとも一つの水酸基で置換されていても良い炭素数1〜20のアルキル基、およびベンゼン環上で少なくとも一つの炭素数1〜20のアルキル基で置換されていても良いベンジル基から選択される基であり;
    記号Aで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、対称あるいは非対称のジ−炭素数1〜10のアルキレンエーテル基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基から選択される二価の基であり;
    記号Bで表される基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜10のアルケニレン基、炭素数2〜10のアルキニレン基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキレン基、アリーレン基、アリーレン基−炭素数1〜10のアルキレン基あるいは炭素数1〜10のアルキレンアリール基−炭素数1〜10のアルキレン基から選択される二価の基であり;
    記号B’で表される基は、{−[CH2−CH(OH)−CH2−N+R’2−(CHR’)n−NH−C(O)−NH]−,X-}または{−[(CHR’)n−N+R’2−CH2−CH(OH)−CH2]−,X-}であり;
    記号Qで表される基は、−(CHR’)p−,−CH2−CH=CH−CH2−,−CH2−CH2−O−CH2−CH2−,−CH2−CH(OH)−CH2−,または−(CHR’)n−NH−C(O)−NH(CHR’)n−であり;
    -は、一価の対イオン、二価の対イオンの半分、あるいは、イオネンポリマーを形成する繰り返し単位における又はB’基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部であり;
    2-は二価の対イオン、二つの一価の対イオン、あるいは、イオネンポリマーを形成する繰り返し単位における又はR基におけるカチオン電荷とバランスが取れる多価対イオンの一部であり;
    R’は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基であり;
    変数nおよびpは、それぞれ独立に、2〜12の数である。]
    のものである、請求項18に記載の組成物。
  20. 水性システムにおける微生物の成長を制御するための有効量の殺生剤をさらに含んでなる、請求項18又は19に記載の組成物。
  21. 前記組成物が液体形態である、請求項18又は19に記載の組成物。
  22. 前記組成物が固体形態である、請求項18又は19に記載の組成物。
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