JP4039337B2 - 温水暖房装置 - Google Patents

Description

本発明は、温水を用いて暖房を行う温水暖房装置の制御装置に関するものである。

従来この種の温水暖房装置は、温水温度と操作部によって設定された設定温度とを比較してフィードバック制御を行い、燃焼量を調整し、所定の条件、例えば温水温度に応じて燃焼量の変化速度を調整し、更には燃焼のON/OFFを行って、温水を所定の温度に保持し、温水の沸騰や過昇を防止していた（例えば特許文献1参照）。
特開平１１−１４１８９６号公報

しかしながら上記従来の温水暖房装置は、温水温度を検出する湯温検出部の故障や、温水配管の詰まりなどの不具合により、温水が異常に上昇して過熱防止装置が作動する場合と、停電等で燃焼が停止し温水循環手段が駆動しないことに起因してオーバーシュートにより局所的に温水温度が上昇し過熱防止装置が作動する場合の区別がつかないため、停電復帰時に過熱防止装置が作動している状態を部品故障による不具合と判断して部品交換等の処理を行うケースがある。そして、交換後も同様の現象が発生し、何度も部品交換を行うという事態が発生する。

本発明は上記問題を解決するもので、過熱防止装置の作動が部品故障等によるものか、停電等に起因するものかを区別して表示することで、過熱防止装置の作動原因を明確にすることを目的としたものである。

上記目的を達成するため本発明の温水暖房装置は、温水熱交換器を循環する循環水の温水温度が所定温度以上になると作動する湯温過昇検知器と、この湯温過昇検知器が作動したことを検出する湯温異常検出部を設け、前記湯温異常検出部には、電源投入時の湯温過昇検知器の状態をチェックして、電源投入時に既に温水温度が所定温度以上になっているかどうかを判定する初期湯温異常判定部を有する構成としてある。

上記発明によれば、初期湯温異常判定部により電源投入時の湯温過昇検知器の状態をチェックすることで、湯温過昇検知器の作動が部品故障等によるものか、停電等に起因するものかを容易に区別することができる。

以上のように本発明によれば、湯温過昇検知装置により、湯温検出部の不具合や、温水配管の詰まりなどの温水システムの不具合により温水の過熱が発生したことを検出すると共に、初期湯温異常判定部によって、停電が原因の温水の過熱とを区別することが出来る。

また、エラー表示指示部によって、湯温検出部の不具合や、温水配管の詰まりなどの温水システムの不具合により温水の過熱と、停電が原因の温水の過熱とを区別し、異常表示と停電表示との異なった表示を行い、機器の状態を使用者に伝えることが出来る。

また、通常は各部の入力を確認することのできない電源ＯＦＦ期間中の湯温過昇検知装置の状態を推測し、電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知装置が作動した時のみ表示部に停電復帰表示を行うことができる。

また、コンデンサ放電等を利用したＯＦＦ期間計測部によって、湯温過昇が起こり得ない長期間の電源ＯＦＦを区別することが出来、湯温過昇が起こり得ない長期間の電源ＯＦＦの場合は、停電復帰表示を行わず、湯温異常で燃焼が停止したことを示すエラー表示を行い、より厳密に停電復帰による温度異常を区別することができる。

また、湯温過昇時にできるだけ速く温水循環手段を駆動して、敏速に温水温度を低下させることができる。

請求項１記載の温水暖房装置は、運転指示手段からの指示を受けて運転制御を行う運転制御部と、バーナ部と、このバーナ部の燃焼により温水を加熱する温水熱交換器と、温水を循環する温水循環手段と、温水温度を検出する湯温検出部と、温水温度が所定温度以上になると作動する湯温過昇検知器と、この湯温過昇検知器が作動したことを検出する湯温異常検出部と、この湯温異常検出部からの指示で燃焼を停止する燃焼制御部とを備え、前記湯温異常検出部には、電源投入時の湯温過昇検知器の状態をチェックして、電源投入時に既に温水温度が所定温度以上になっているかどうかを判定する初期湯温異常判定部を有したことを特徴とするものである。

そして、湯温過昇検知器により、湯温検出部の不具合や、温水配管の詰まりなどの温水システムの不具合により温水の過熱が発生したことを検出すると共に、初期湯温異常判定部によって、停電が原因の温水の過熱とを区別することが出来る。

請求項２記載の温水暖房装置は、表示部を備え、湯温異常検出部からの指示で燃焼を停止した場合、前記表示部に湯温異常の表示を行い、初期湯温異常判定部が電源投入時に既に湯温過昇検知器が作動していたと判定した場合は、前記湯温異常の表示指示から停電復帰表示指示に変更するエラー表示指示部を備えたことを特徴とするものである。

そして、湯温検出部の不具合や、温水配管の詰まりなどの温水システムの不具合により温水の過熱と、停電が原因の温水の過熱とを区別し、異常表示と停電表示との異なった表示を行うことができ、原因の特定が容易になる。

請求項３記載の温水暖房装置は、初期湯温異常判定部は、湯温過昇検知器の作動状態を記憶する記憶部を備え、この記憶情報と電源投入時の湯温過昇検知器の状態を比較し、電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動したかどうかを判定し、電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動した時のみ、表示部に停電復帰表示を行うように指示するエラー表示指示部を備えたことを特徴とするものである。

そして、停電復帰後に起こっている温水の過熱の要因が、停電であるのか、停電以前に既に発生していたのかの区別を行うことが出来る。

請求項４記載の温水暖房装置は、初期湯温異常判定部は、電源ＯＦＦ期間を計測するＯＦＦ期間計測部を備え、所定時間以下の電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動したかどうかを判定し、所定時間以下の電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動した時のみ、表示部に停電復帰表示を行うように指示するエラー表示指示部を備えたことを特徴とするものである。

そして、電源ＯＦＦ期間を計測することによって、停電復帰時に湯温過昇検知装置が作動していた場合であっても、湯温過昇が起こり得ない長期間の電源ＯＦＦを区別することが出来、湯温過昇が起こり得ない長期間の電源ＯＦＦの場合は、停電復帰表示を行わず、湯温異常で燃焼が停止したことを示すエラー表示を行い、より厳密に停電復帰による温度異常を区別することができる。

請求項５記載の温水暖房装置では、湯温異常検出部は、湯温過昇検知装置が作動したことを検出すると、温水循環手段の回転数を制御する温水循環制御部に対して、所定回転数で温水循環手段を駆動するように指示を行うように構成されている。

そして、湯温過昇時にできるだけ速く温水循環手段を駆動して、敏速に温水温度を低下させることができる。

以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。

（実施例１）
まず、図１は本発明の一実施例の温水暖房装置の構成図である。図において、１は温水を加熱するための熱源機で、バーナ部２と熱交換器３と温水を循環する為の温水循環手段などで構成されている。温水経路は温水パイプ６ａを介して温水循環手段５に送られてこの熱交換器３で熱交換され、湯温検出部４と湯温過昇検出装置８と温水パイプ６ｂを介して放熱機７へ送られる。また熱源機１は、リモコン９内の運転指示手段１０からの指示により運転の開始・停止を行っている。燃焼制御部１２は、湯温検出部４で検出された温水温度とリモコン９内の湯温設定部２２で設定された目標温度を、湯温比較部１２で比較し燃焼制御を行う。

また、湯温過昇検出装置８は、温水温度が所定温度１以上になると作動し、所定温度２以下になると復帰する温度検出装置で、湯温異常検出部１６は、この湯温過昇検出装置８が作動したことを検出し、燃焼制御部１２へ燃焼停止指示を行う。また、初期湯温異常判定部１７は、電源投入直後に湯温異常検出部１６が異常検知していた場合、電源ＯＦＦ直前の湯温異常検出部１６の状態を記憶している記憶部１８の状態と電源ＯＦＦ期間を計測しているＯＦＦ期間計測部１９を参照し、エラー表示指示を行うか停電復帰処理を行うかを判断し、エラー表示指示部２０から表示部２１へ表示指示を行う。

図２は本実施例における動作を示すフローチャートで、上記構成を、この図２を参照しながら詳細な説明を行う。

電源オンすると、まずはＳｔｅｐ３０において、湯温異常検出部１６を参照し、湯温過昇検知装置が作動中かどうかを判断し、作動中であればＳｔｅｐ３１へそうでなければＳｔｅｐ３８へ進む。Ｓｔｅｐ３１では、初期湯温異常判定部１７内の記憶部１８を参照し、電源ＯＦＦ直前に湯温過昇検知装置が既に作動していたかどうかを判断し、作動済みであればＳｔｅｐ３４へ進み、作動していない（電源ＯＦＦ中に作動したということ）場合は、Ｓｔｅｐ３２へ進む。Ｓｔｅｐ３２では、初期湯温異常判定部１７内のＯＦＦ期間計測部１９を参照し、コンデンサの放電時間等で判断する電源ＯＦＦ時間が所定時間以下であるかどうかを判断し、所定時間以下の電源ＯＦＦであればＳｔｅｐ３３へ進み、エラー表示指示部２０から表示部２１へ、停電復帰表示を行う指示を行い、所定時間より長い電源ＯＦＦ時間であればＳｔｅｐ３４へ進み、エラー表示指示部２０から表示部２１へ、湯温過昇装置作動したエラーであることを示すエラー表示指示を行い、Ｓｔｅｐ３５へ進む。Ｓｔｅｐ３５では、記憶部１８に対して湯温異常検出部１６の状態を記憶させるリフレッシュ処理を行い、Ｓｔｅｐ３６へ進み、燃焼制御部１２に燃焼停止指示を行う。そして、Ｓｔｅｐ３７へ進み、湯温異常検出部１６を参照し、湯温過昇検知装置８が復帰しているかどうかを判断し、復帰していればＳｔｅｐ４０へ、復帰していなければＳｔｅｐ３５へ進む。Ｓｔｅｐ３８では、記憶部１８に対して湯温異常検出部１６の状態を記憶させるリフレッシュ処理を行い、Ｓｔｅｐ３９へ進み、湯温異常検出部１６を参照し、湯温過昇検知装置８が作動しているかどうかを判断し、作動していなければＳｔｅｐ４０へ進み、作動していればＳｔｅｐ４４へ進み、エラー表示指示部２０から表示部２１へ、湯温過昇装置作動したエラーであることを示すエラー表示指示を行い、Ｓｔｅｐ４３へ進む。Ｓｔｅｐ４０では、リモコン９からの燃焼開始指示があったかどうかを判断し燃焼開始指示があればＳｔｅｐ４１へ進み燃焼制御部１２へ燃焼開始指示を行いＳｔｅｐ３８へ戻り、燃焼開始指示がなければＳｔｅｐ４２へ進む。そして、Ｓｔｅｐ４２ではリモコン９からの燃焼停止指示があったかどうかを判断し燃焼停止指示があればＳｔｅｐ４３へ進み燃焼制御部１２へ燃焼停止指示を行いＳｔｅｐ３８へ戻る。

本発明の一実施例の温水暖房装置の構成図 同温水暖房装置の動作を表すフローチャート

符号の説明

２ バーナ部
３ 温水熱交換器
４ 湯温検出部
５ 温水循環手段
８ 湯温過昇検出装置
１０ 運転指示手段
１２ 燃焼制御部
１５ 温水循環制御部
１６ 湯温異常検出部
１７ 初期湯温異常判定部
１８ 記憶部
１９ ＯＦＦ期間計測部
２０ エラー表示指示部
２１ 表示部
２２ 運転制御部

Claims (5)

1. 運転指示手段からの指示を受けて運転制御を行う運転制御部と、バーナ部と、このバーナ部の燃焼により温水を加熱する温水熱交換器と、温水を循環する温水循環手段と、温水温度を検出する湯温検出部と、温水温度が所定温度以上になると作動する湯温過昇検知器と、この湯温過昇検知器が作動したことを検出する湯温異常検出部と、この湯温異常検出部からの指示で燃焼を停止する燃焼制御部とを備え、前記湯温異常検出部には、電源投入時の湯温過昇検知器の状態をチェックして、電源投入時に既に温水温度が所定温度以上になっているかどうかを判定する初期湯温異常判定部を有したことを特徴とする温水暖房装置。
2. 表示部を備え、湯温異常検出部からの指示で燃焼を停止した場合、前記表示部に湯温異常の表示を行い、初期湯温異常判定部が電源投入時に既に湯温過昇検知器が作動していたと判定した場合は、前記湯温異常の表示指示から停電復帰表示指示に変更するエラー表示指示部を備えた請求項１記載の温水暖房装置。
3. 初期湯温異常判定部は、湯温過昇検知器の作動状態を記憶する記憶部を備え、この記憶情報と電源投入時の湯温過昇検知器の状態を比較し、電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動したかどうかを判定し、電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動した時のみ、表示部に停電復帰表示を行うように指示するエラー表示指示部を備えた請求項２記載の温水暖房装置。
4. 初期湯温異常判定部は、電源ＯＦＦ期間を計測するＯＦＦ期間計測部を備え、所定時間以下の電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動したかどうかを判定し、所定時間以下の電源ＯＦＦ中に湯温過昇検知器が作動した時のみ、表示部に停電復帰表示を行うように指示するエラー表示指示部を備えた請求項３記載の温水暖房装置。
5. 湯温異常検出部は、湯温過昇検知器が作動したことを検出すると温水循環手段の回転数を制御する温水循環制御部に対して、所定回転数で温水循環手段を駆動するように指示するようにした請求項１〜４のいずれか１項記載の温水暖房装置。

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