JP4039179B2 - 自動変速機の油圧供給装置 - Google Patents
自動変速機の油圧供給装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4039179B2 JP4039179B2 JP2002244759A JP2002244759A JP4039179B2 JP 4039179 B2 JP4039179 B2 JP 4039179B2 JP 2002244759 A JP2002244759 A JP 2002244759A JP 2002244759 A JP2002244759 A JP 2002244759A JP 4039179 B2 JP4039179 B2 JP 4039179B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil pump
- hydraulic
- electric oil
- automatic transmission
- engine
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドルストップ制御が行われるエンジンに連結される自動変速機の油圧供給装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の油圧供給装置としては、例えば、特開2002−47962号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、エンジンにより駆動され、エンジン駆動により自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給するメインオイルポンプと、モーターにより駆動され、モータ駆動により自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプと、エンジンの停止/再始動を制御するアイドルストップ制御手段と、エンジンを停止しているアイドルストップ中は前記モーターを駆動し、電動オイルポンプにて自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプ制御手段と、を備えた装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自動変速機の油圧供給装置にあっては、アイドルストップ開始により電動オイルポンプを作動し、アイドルストップ停止により電動オイルポンプを停止するというように、アイドルストップ中にのみサブポンプである電動オイルポンプを作動するものであるため、長時間放置等で電動オイルポンプの配管に作動油が充填できていない場合、電動オイルポンプを作動しても作動油を吸入するのに長時間を要してしまい、油圧の立ち上がりが遅れてしまうという問題がある。
【0005】
この結果、アイドルストップが開始されてから電動オイルポンプでの油圧が十分に立ち上がっていない領域でアイドルストップを解除し、エンジンを始動すると、発進締結要素の締結油圧が不足することによりエンジンの回転上昇を許すのに対し、エンジンの回転数上昇に遅れて発進締結要素が締結されることで、締結ショックが発生してしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、イグニッションスイッチ投入後の最初のアイドルストップにより電動オイルポンプを作動させた際、油圧の立ち上がり応答性を確保することで締結ショックを招く油圧不足状態の発生を防止することができる自動変速機の油圧供給装置を提供することを第1の課題とする。
【0007】
また、走行モード中のアイドルストップにより電動オイルポンプを作動させた際、常に油圧の立ち上がり応答性を確保することで締結ショックを招く油圧不足状態の発生を防止することができる自動変速機の油圧供給装置を提供することを第2の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題を解決するため、第1の発明では、エンジンを停止しているアイドルストップ中はモーターを駆動し、電動オイルポンプにて自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプ制御手段を備えた自動変速機の油圧供給装置において、エンジンを始動するイグニッションスイッチの投入を検出するスイッチ投入検出手段を設け、前記電動オイルポンプ制御手段に、イグニッションスイッチの投入が検出された場合、前記モーターに対し駆動指令を出力し、その後、作動油を前記電動オイルポンプと前記油圧制御ユニットとの間の管路内に充填するのに必要な時間が経過したとき、前記モーターに対し停止指令を出力する第1作動油充填制御部を設けた。
【0009】
上記第2の課題を解決するため、第2の発明では、エンジンを停止しているアイドルストップ中はモーターを駆動し、電動オイルポンプにて自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプ制御手段を備えた自動変速機の油圧供給装置において、走行中に電動オイルポンプが継続して非作動である時間を測定するポンプ非作動時間測定手段を設け、前記電動オイルポンプ制御手段に、走行中に測定されたポンプ非作動時間が非作動許容時間を超えた場合、前記モーターに対し駆動指令を出力し、その後、作動油を前記電動オイルポンプと前記油圧制御ユニットとの間の管路内に充填するのに必要な時間が経過したとき、前記モーターに対し停止指令を出力する第2作動油充填制御部を設けた。
【0010】
【発明の効果】
第1の発明にあっては、電動オイルポンプ制御手段の第1作動油充填制御部において、イグニッションスイッチ投入後、作動油を電動オイルポンプと油圧制御ユニットとの間の管路内に充填するのに必要な時間が経過するまで電動オイルポンプを作動させることにより、長時間放置されていた電動オイルポンプの配管に作動油が予め充填されるため、イグニッションスイッチ投入後の最初のアイドルストップにより電動オイルポンプを作動させた際、油圧の立ち上がり応答性が確保される。この結果、イグニッションスイッチ投入後の最初のアイドルストップ時に締結ショックを招く油圧不足状態の発生を防止することができる。
【0011】
第2の発明にあっては、電動オイルポンプ制御手段の第2作動油充填制御部において、走行中に電動オイルポンプの非作動状態が非作動許容時間を超えると、作動油を電動オイルポンプと油圧制御ユニットとの間の管路内に充填するのに必要な時間が経過するまで電動オイルポンプを作動させることにより、放置されていた電動オイルポンプの配管に作動油が予め充填されるため、走行モード中のアイドルストップにより電動オイルポンプを作動させた際、常に油圧の立ち上がり応答性が確保される。この結果、走行モード中のアイドルストップ時に締結ショックを招く油圧不足状態の発生を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動変速機の油圧供給装置を実現する実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0013】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の自動変速機の油圧供給装置を示す全体システム図である。図1において、1はエンジン、2は自動変速機、3は油圧制御ユニット、4はメインオイルポンプ、5はモーター、6は電動オイルポンプ、7はエンジン始動モーター、8はアイドルストップ制御コントローラ(アイドルストップ制御手段)、9は自動変速機制御コントローラ(電動オイルポンプ制御手段)、10はモーター制御コントローラ、11はバッテリ、12はイグニッションスイッチである。
【0014】
前記メインオイルポンプ4は、エンジン1により駆動され、エンジン駆動により自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給する。
【0015】
前記電動オイルポンプ6は、モーター5により駆動され、モーター駆動により自動変速機2の油圧制御ユニット3に配管6a,6aを介して油圧を供給する。
【0016】
前記アイドルストップ制御コントローラ8は、エンジン1の停止/再始動を制御する。つまり、停車率の高い市街地走行時等での燃費向上を目的とし、信号待ち等で車両が停止したときにはエンジン1を自動停止し、車両発進時にはエンジン1を再始動させるアイドルストップ制御を行う。
【0017】
そして、アイドルストップ制御コントローラ8は、自動変速機制御コントローラ9からアイドルストップ禁止フラグを入力した場合、前記アイドルストップ制御を禁止する。
【0018】
前記自動変速機制御コントローラ9は、アイドルストップ制御コントローラ8からのアイドルストップ開始信号=1を入力した場合、モーター制御コントローラ10に対しモーター駆動指令を出力し、アイドルストップ開始信号=0を入力した場合、モーター制御コントローラ10に対しモーター停止指令を出力する。つまり、エンジン1を停止しているアイドルストップ中は前記モーター5を駆動し、電動オイルポンプ6にて自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給するという基本制御が行われる。
【0019】
そして、この自動変速機制御コントローラ9には、イグニッションスイッチ12からのスイッチ信号が入力され、エンジン1の始動域にて一時的に電動オイルポンプ6を作動させる作動油充填制御と、走行中に電動オイルポンプ6の非作動時間が一定時間に達すると一時的に電動オイルポンプ6を作動させる作動油充填制御とが行われる。この作動油充填制御が行われている間は、アイドルストップ制御コントローラ8に対し、アイドルストップ禁止フラグが出力される。
【0020】
前記モーター制御コントローラ10は、自動変速機制御コントローラ9からモーター駆動指令を受けてモーター5に対しモーター駆動電圧を印加する。また、自動変速機制御コントローラ9からモーター停止指令を受けてモーター5に対するモーター駆動電圧の印加を解除する。
【0021】
次に、作用を説明する。
【0022】
[電動オイルポンプ制御処理]
図2は自動変速機制御コントローラ9で実行される電動オイルポンプ制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(第1作動油充填制御部および第2作動油充填制御部)。
【0023】
ステップS1では、flagX(=電動ポンプ駆動必要フラグ)が0か否かが判断され、flagX=0の場合はステップS2へ移行し、flagX=1の場合はステップS6へ移行する。なお、イグニッションスイッチ12が投入された時のflagXの初期値は、flagX=1とされる(スイッチ投入検出手段)。
【0024】
ステップS2では、電動オイルポンプ非作動時間t2が非作動許容時間Bを超えているか否かが判断され、t2>BのときにはステップS11へ移行し、t2≦BのときにはステップS3へ移行する。電動オイルポンプ非作動時間t2は、電動オイルポンプ6が非作動となったらタイマー値の積算を開始するタイマー(ポンプ非作動時間測定手段)により得る。このタイマーは、電動オイルポンプ6が作動となったらタイマー値をリセットする。
【0025】
ステップS3では、アイドルストップ制御コントローラ8からのアイドルストップ開始信号=1か否かが判断され、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はステップS5へ移行する。なお、アイドルストップ制御コントローラ8からは、アイドルストップ制御によりエンジン1を停止している間は、アイドルストップ開始信号=1を出力し、エンジン1を再始動すると次にエンジン1を停止するまでアイドルストップ開始信号=0を出力する。
【0026】
ステップS4では、モーター制御コントローラ10に対するモーター駆動指令の出力により、電動オイルポンプ6の駆動を開始する。
【0027】
ステップS5では、モーター制御コントローラ10に対するモーター停止指令の出力により、電動オイルポンプ6の駆動を停止する。
【0028】
ステップS6では、ステップS1にてflagX=1であると判断された場合、電動オイルポンプ6を駆動中であるか否かが判断され、電動オイルポンプ6を非駆動であるときにはステップS7へ移行し、電動オイルポンプ6を駆動であるときにはステップS8へ移行する。
【0029】
ステップS7では、モーター制御コントローラ10に対するモーター駆動指令の出力により、電動オイルポンプ6の駆動を開始する。
【0030】
ステップS8では、電動オイルポンプ6の駆動開始からの時間t1が駆動必要時間Aを超えているか否かが判断され、t1≦AのときにはRETURNへ移行し、t1>AのときにはステップS9へ移行する。
【0031】
ステップS9では、モーター制御コントローラ10に対するモーター停止指令の出力により、電動オイルポンプ6の駆動を停止する。
【0032】
ステップS10では、flagX=1がflagX=0へと書き換えられる。
【0033】
ステップS11では、flagX=0がflagX=1へと書き換えられ、ステップS6へ移行する。
【0034】
[アイドルストップ制御禁止処理]
図3は自動変速機制御コントローラ9で実行されるアイドルストップ制御禁止処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(アイドルストップ禁止部)。
【0035】
ステップS20では、電動ポンプ駆動必要フラグであるflagXが0か否かが判断され、flagX=0の場合はステップS21へ移行し、flagX=1の場合はステップS22へ移行する。
【0036】
ステップS21では、アイドルストップ禁止フラグがクリアされる。
【0037】
ステップS22では、アイドルストップ禁止フラグがセットされる。
【0038】
[電動オイルポンプ基本制御作用]
市街地走行等で、信号停車によりアイドルストップ制御が開始されると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、ステップS4では、電動オイルポンプ6の駆動が開始される。
【0039】
そして、車両発進操作によりアイドルストップ制御が終了すると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5へと進む流れとなり、ステップS5では、電動オイルポンプ6の駆動が停止される。
【0040】
すなわち、メインオイルポンプ4からの油圧供給が望めないアイドルストップ制御によるエンジン1の自動停止中に電動オイルポンプ6からの油圧供給が無い場合には、エンジン1の自動停止中に発進締結要素の締結圧が低下し、その後、エンジンを再始動して発進しようとすると、発進締結要素の解放により低負荷のエンジン側で回転数が上昇するのに対し、遅れて発進締結要素が締結され、このとき大きな締結ショックが生じる。
【0041】
これに対し、エンジン1の自動停止中には、上記のように、メインオイルポンプ4に代え電動オイルポンプ6から油圧を供給することにより、発進締結要素の締結圧を確保するようにしたため、エンジン1を再始動しての発進時に生じる締結ショックを防止することができる。
【0042】
[第1作動油充填制御作用]
イグニッションスイッチ12を投入してのエンジン始動時、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS6→ステップS7へと進む流れとなり、ステップS7では、電動オイルポンプ6の駆動が開始される。
【0043】
そして、電動オイルポンプ6の駆動開始からの時間t1が駆動必要時間Aとなるまでは、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS6→ステップS8→RETURNという流れが繰り返され、電動オイルポンプ6の駆動が維持される。
【0044】
そして、電動オイルポンプ6の駆動開始からの時間t1が駆動必要時間Aを超えると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS6→ステップS8→ステップS9という流れとなり、ステップS9では、電動オイルポンプ6の駆動が停止される。
【0045】
すなわち、エンジン始動前は、長時間ときには数日にわたって駐車場に車両が放置されているため、電動オイルポンプ6から油圧制御ユニット3への配管6a,6aには、作動油が充填できていない状態である場合が多い。
【0046】
この配管6a,6aに作動油が充填されないままの状態で走行を開始し、最初の信号停止等でのアイドルストップの開始に伴い電動オイルポンプ6の駆動が開始されると、図5(イ)に示すように、アイドルストップの開始と同時にメインオイルポンプ4からの油圧が低下するのに対し、電動オイルポンプ6の駆動が開始されても配管6a,6aに作動油が充填されるまでは油圧の立ち上がりが無く、遅れ時間dtを経過して電動オイルポンプ6からの油圧が立ち上がる。
【0047】
このため、図5(ロ)に示すように、2つのポンプ4,6による油圧を足し合わせたトータル圧が、油圧ユニット3の必要圧力以下となる領域があらわれ、この必要圧力以下の領域でアイドルストップを解除してエンジン1を始動すると、油圧不足により締結ショックが発生してしまう。
【0048】
これに対し、第1実施例装置では、上記のように、イグニッションスイッチ12が投入されると、必ずエンジン1の回転中に配管6a,6aに作動油を充填するのに必要な駆動必要時間Aだけ電動オイルポンプ6を駆動するようにしたため、図4(イ)に示すように、アイドルストップの開始と同時にメインオイルポンプ4からの油圧が低下するのに対し、電動オイルポンプ6の駆動が開始されると直ちに電動オイルポンプ6からの油圧が立ち上がる。
【0049】
このため、図4(ロ)に示すように、2つのポンプ4,6による油圧を足し合わせたトータル圧が、油圧ユニット3の必要圧力以上である状態が維持され、アイドルストップを解除してエンジン1を始動しても、油圧不足による締結ショックの発生を確実に防止することができる。
【0050】
[第2作動油充填制御作用]
電動オイルポンプ非作動時間t2が非作動許容時間Bを超えるような走行モード時には、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS11→ステップS6→ステップS7へと進む流れとなり、ステップS7では、電動オイルポンプ6の駆動が開始される。
【0051】
そして、電動オイルポンプ6の駆動開始からの時間t1が駆動必要時間Aとなるまでは、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS6→ステップS8→RETURNという流れが繰り返され、電動オイルポンプ6の駆動が維持される。
【0052】
そして、電動オイルポンプ6の駆動開始からの時間t1が駆動必要時間Aを超えると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS6→ステップS8→ステップS9という流れとなり、ステップS9では、電動オイルポンプ6の駆動が停止される。
【0053】
すなわち、高速道路走行等であって、長時間にわたってアイドルストップ制御が行われないような場合、長時間にわたって電動オイルポンプ6も停止状態となるため、電動オイルポンプ6から油圧制御ユニット3への配管6a,6aには、作動油が充填できていない状態となる場合がある。
【0054】
この配管6a,6aに作動油が充填されないままの状態でのアイドルストップの開始に伴い電動オイルポンプ6の駆動が開始されると、図5(イ)に示すように、アイドルストップの開始と同時にメインオイルポンプ4からの油圧が低下するのに対し、電動オイルポンプ6の駆動が開始されても配管6a,6aに作動油が充填されるまでは油圧の立ち上がりが無く、遅れ時間dtを経過して電動オイルポンプ6からの油圧が立ち上がる。このため、図5(ロ)に示すように、2つのポンプ4,6による油圧を足し合わせたトータル圧が、油圧ユニット3の必要圧力以下となる領域があらわれ、この必要圧力以下の領域でアイドルストップを解除してエンジン1を始動すると、油圧不足によりショックが発生してしまう。
【0055】
これに対し、第1実施例装置では、上記のように、電動オイルポンプ非作動時間t2が非作動許容時間Bを超えると、必ずエンジン1の回転中に配管6a,6aに作動油を充填するのに必要な駆動必要時間Aだけ電動オイルポンプ6を駆動するようにした。つまり、走行中に非アイドルストップ時間が長くなり、電動オイルポンプ6の管路6a,6a内の作動油が抜けてしまった場合でも、一定間隔で電動オイルポンプ6を駆動させることにより、常に管路6a,6a内に作動油を充填することが可能になる。
【0056】
この作動油充填により、図4(イ)に示すように、アイドルストップの開始と同時にメインオイルポンプ4からの油圧が低下するのに対し、電動オイルポンプ6の駆動が開始されると直ちに電動オイルポンプ6からの油圧が立ち上がるため、図4(ロ)に示すように、2つのポンプ4,6による油圧を足し合わせたトータル圧が、油圧ユニット3の必要圧力以上である状態が維持され、アイドルストップを解除してエンジン1を始動しても、油圧不足による締結ショックの発生を確実に防止することができる。
【0057】
[アイドルストップ制御禁止作用]
電動オイルポンプ6の駆動による作動油充填制御中は、図2のフローチャートにおいて、flag=1にセットされる。よって、図3のフローチャートにおいて、flag=1の場合は、ステップS20→ステップS22へ進み、アイドルストップ制御コントローラ8に対し、アイドルストップを禁止するアイドルストップ禁止フラグが出力される。
【0058】
このように、電動オイルポンプ6の駆動による作動油充填制御中は、アイドルストップ制御を禁止するようにしたため、アイドルストップ制御の開始前に確実に作動油充填を完了させることができる。
【0059】
すなわち、作動油充填制御中にもアイドルストップ制御を許可するようにした場合には、管路6a,6a内に作動油が十分に充填されていない時点で、アイドルストップ制御が開始された場合、作動油充填制御を行わない場合と同様に、油圧不足により締結ショックが発生を許してしまうことによる。
【0060】
次に、効果を説明する。
第1実施例の自動変速機の油圧供給装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0061】
(1) エンジン1により駆動され、エンジン駆動により自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給するメインオイルポンプ4と、モーター5により駆動され、モーター駆動により自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給する電動オイルポンプ6と、エンジン1の停止/再始動を制御するアイドルストップ制御コントローラ8と、エンジン1を停止しているアイドルストップ中は前記モーター5を駆動し、電動オイルポンプ6にて自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給する自動変速機制御コントローラ9と、を備えた自動変速機の油圧供給装置において、前記自動変速機制御コントローラ9に、エンジン始動域にて一時的に電動オイルポンプ6を作動させる第1作動油充填制御部を設けたため、エンジン始動後の最初のアイドルストップにより電動オイルポンプ6を作動させた際、油圧の立ち上がり応答性を確保することで締結ショックを招く油圧不足状態の発生を防止することができる。
【0062】
(2) エンジン1を始動するイグニッションスイッチ12の投入時にflagX=1に初期値設定し、前記第1作動油充填制御部を、イグニッションスイッチ12の投入開始時から少なくとも作動油を管路6a,6a内に充填するのに必要な駆動必要時間Aまで、モーター5に対し駆動指令を出力する制御部としたため、イグニッションスイッチ12の投入操作が行われると、最初のアイドルストップ開始に備えて確実に電動オイルポンプ6の管路6a,6a内に作動油を充填することができる。
【0063】
(3) エンジン1により駆動され、エンジン駆動により自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給するメインオイルポンプ4と、モーター5により駆動され、モーター駆動により自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給する電動オイルポンプ6と、エンジン1の停止/再始動を制御するアイドルストップ制御コントローラ8と、エンジン1を停止しているアイドルストップ中は前記モーター5を駆動し、電動オイルポンプ6にて自動変速機2の油圧制御ユニット3に油圧を供給する自動変速機制御コントローラ9と、を備えた自動変速機の油圧供給装置において、前記自動変速機制御コントローラ9に、走行中に電動オイルポンプ6の非作動状態が継続すると、一時的に電動オイルポンプ6を作動させる第2作動油充填制御部を設けたため、走行モード中のアイドルストップにより電動オイルポンプ6を作動させた際、常に油圧の立ち上がり応答性を確保することで締結ショックを招く油圧不足状態の発生を防止することができる。
【0064】
(4) 走行中に電動オイルポンプ6が継続して非作動である時間t2を測定し、前記第2作動油充填制御部を、測定されたポンプ非作動時間t2が非作動許容時間Bを超えると、非作動許容時間Bを超えた時点から少なくとも作動油を管路6a,6a内に充填するのに必要な駆動必要時間Aまで、モーター5に対し駆動指令を出力する制御部としたため、走行中にポンプ非作動時間t2が非作動許容時間Bを超える毎に、アイドルストップ開始に備えて確実に電動オイルポンプ6の管路6a,6a内に作動油を充填することができる。
【0065】
(5) 自動変速機制御コントローラ9に、電動オイルポンプ6の作動による作動油充填制御中、アイドルストップ制御コントローラ8に対し、アイドルストップを禁止するアイドルストップ禁止フラグを出力するアイドルストップ禁止部を設けたため、いかなる時にアイドルストップ制御が開始されようと、アイドルストップ制御の開始前に確実に作動油充填を完了させることができる。
【0066】
以上、本発明の自動変速機の油圧供給装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の自動変速機の油圧供給装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例の装置における自動変速機制御コントローラで実行される電動オイルポンプ制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1実施例装置における自動変速機制御コントローラで実行されるアイドルストップ制御禁止処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1実施例装置におけるアイドルストップ開始時のメインオイルポンプ油圧とサブオイルポンプ油圧のタイムチャートである。
【図5】従来装置におけるアイドルストップ開始時のメインオイルポンプ油圧とサブオイルポンプ油圧のタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 油圧制御ユニット
4 メインオイルポンプ
5 モーター
6 電動オイルポンプ
6a 配管
7 エンジン始動モータ
8 アイドルストップ制御コントローラ(アイドルストップ制御手段)
9 自動変速機制御コントローラ(電動オイルポンプ制御手段)
10 モータ制御コントローラ
11 バッテリ
12 イグニッションスイッチ
Claims (3)
- エンジンにより駆動され、エンジン駆動により自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給するメインオイルポンプと、
モーターにより駆動され、モーター駆動により自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプと、
エンジンの停止/再始動を制御するアイドルストップ制御手段と、
エンジンを停止しているアイドルストップ中は前記モーターを駆動し、電動オイルポンプにて自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプ制御手段と、
を備えた自動変速機の油圧供給装置において、
エンジンを始動するイグニッションスイッチの投入を検出するスイッチ投入検出手段を設け、
前記電動オイルポンプ制御手段に、イグニッションスイッチの投入が検出された場合、前記モーターに対し駆動指令を出力し、その後、作動油を前記電動オイルポンプと前記油圧制御ユニットとの間の管路内に充填するのに必要な時間が経過したとき、前記モーターに対し停止指令を出力する第1作動油充填制御部を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧供給装置。 - エンジンにより駆動され、エンジン駆動により自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給するメインオイルポンプと、
モーターにより駆動され、モーター駆動により自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプと、
エンジンの停止/再始動を制御するアイドルストップ制御手段と、
エンジンを停止しているアイドルストップ中は前記モーターを駆動し、電動オイルポンプにて自動変速機の油圧制御ユニットに油圧を供給する電動オイルポンプ制御手段と、
を備えた自動変速機の油圧供給装置において、
走行中に電動オイルポンプが継続して非作動である時間を測定するポンプ非作動時間測定手段を設け、
前記電動オイルポンプ制御手段に、走行中に測定されたポンプ非作動時間が非作動許容時間を超えた場合、前記モーターに対し駆動指令を出力し、その後、作動油を前記電動オイルポンプと前記油圧制御ユニットとの間の管路内に充填するのに必要な時間が経過したとき、前記モーターに対し停止指令を出力する第2作動油充填制御部を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧供給装置。 - 請求項1または請求項2に記載された自動変速機の油圧供給装置において、
前記電動オイルポンプ制御手段に、電動オイルポンプの作動による作動油充填制御中、前記アイドルストップ制御手段に対し、アイドルストップを禁止する指令を出力するアイドルストップ禁止部を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244759A JP4039179B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 自動変速機の油圧供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002244759A JP4039179B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 自動変速機の油圧供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004084742A JP2004084742A (ja) | 2004-03-18 |
JP4039179B2 true JP4039179B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=32053145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002244759A Expired - Fee Related JP4039179B2 (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 自動変速機の油圧供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4039179B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005098468A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Koyo Seiko Co Ltd | 車載用電動モータの運転方法 |
JP4609066B2 (ja) * | 2004-12-22 | 2011-01-12 | トヨタ自動車株式会社 | オイルポンプの制御装置 |
WO2012003148A2 (en) * | 2010-07-01 | 2012-01-05 | Lubrizol Advanced Materials, Inc. | Thermoformed ic trays of poly(phenylene ether) compositions |
KR101231327B1 (ko) | 2010-11-30 | 2013-02-07 | 기아자동차주식회사 | 자동변속기 아이에스지 차량의 전동식 오일펌프 제어방법 |
KR101199058B1 (ko) * | 2010-12-06 | 2012-11-07 | 기아자동차주식회사 | Isg시스템 및 그의 제어 방법 |
WO2014148235A1 (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-25 | ジヤトコ株式会社 | 車両制御装置及び車両制御方法 |
JP7538941B2 (ja) | 2021-03-05 | 2024-08-22 | ジヤトコ株式会社 | 車両の制御装置、車両の制御方法、及びプログラム |
CN116964359A (zh) * | 2021-03-05 | 2023-10-27 | 加特可株式会社 | 车辆的控制装置、车辆的控制方法及程序 |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002244759A patent/JP4039179B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004084742A (ja) | 2004-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3898879B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
CN101535617B (zh) | 发动机的自动停止启动装置 | |
JP3574121B2 (ja) | ハイブリッド車両のエンジン停止始動制御装置 | |
US8983731B2 (en) | Method for controlling a power steering device for a motor vehicle equipped with a stop and start system | |
JP2008232099A (ja) | 流体用ポンプ制御装置 | |
JP4039179B2 (ja) | 自動変速機の油圧供給装置 | |
US9688254B2 (en) | Stop control system for vehicle | |
US9463781B2 (en) | Stop control system for vehicle | |
JP5392147B2 (ja) | 油圧システム | |
JP2006153091A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP4552361B2 (ja) | 自動変速機のオイルポンプ制御装置 | |
JP6454884B2 (ja) | 車両のエンジン自動停止制御装置 | |
JP2006199095A (ja) | 圧縮空気供給装置、及び圧縮空気供給方法 | |
JP5395846B2 (ja) | アイドリングストップシステムおよびアイドリングストップの方法 | |
JP2011122525A (ja) | 内燃機関の自動停止始動制御装置 | |
WO2022185925A1 (ja) | 車両の制御装置、車両の制御方法、及びプログラム | |
JP2005098392A (ja) | トルクコンバータの油圧制御装置 | |
JP4010210B2 (ja) | アイドルストップ車両の制御装置 | |
KR20140035030A (ko) | 하이브리드 자동변속기의 전동식 오일펌프 제어방법 및 제어장치 | |
JP2005120878A (ja) | アイドルストップ車両 | |
US9821799B2 (en) | Vehicle pump condition response method and assembly | |
KR20110128013A (ko) | 차량의 전동오일펌프 제어방법 | |
JP4269885B2 (ja) | オイルポンプシステム | |
JP2009127859A (ja) | アイドルストップ付き車両の変速機に用いる再発進応答改善装置 | |
JP2011058640A (ja) | 車両の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050425 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20051116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070424 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070619 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070717 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070913 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071016 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071029 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |