JP4038668B2 - ゲートアンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)システムにおいて使用されるリーダ/ライタ用アンテナに関し、特に、アンテナの外周にGNDループを備えるゲートアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICチップを備えたタグとリーダ/ライタ(又はリーダ)との間でデータの交信を行うRFIDシステムが普及している。このRFIDシステムは、タグ及びリーダ/ライタの各々に備えたアンテナを用いてデータの交信を行うため、タグをリーダ/ライタから数cm乃至数十cm離しても通信可能であり、また、汚れや静電気等に強いという長所から、工場の生産管理、物流の管理、入退室管理等の様々な分野に利用されるようになってきている。
【0003】
このRFIDシステムでは電磁誘導又は電磁結合を利用してデータの交信を行うため、リーダ/ライタアンテナで発生する磁界を大きくする必要があるが、一方、RFIDシステムを使用するためには、測定対象から3m離れた位置で測定される電界強度又はアンテナ利得とアンテナへの供給(空中線)電力を電波法により定められた値にする必要がある。
【0004】
アンテナ近傍の磁界を弱めることなく遠方における電界を弱める方法として、8字型のアンテナ(又は双ループアンテナ)を用いる方法がある。この8字型アンテナは、図7に示すように、2つのループアンテナを直列又は並列に接続し、それらを同一の高周波電源で駆動するものであり、8字型アンテナ5では、8字を構成する2つのループ(8字型アンテナ上部5a及び8字型アンテナ下部5b)により各々発生する磁束が互いに反対向きであり、遠方ではこれらが相殺して見えるために、遠方の電界強度を弱める効果があり、通常の単ループアンテナと比べると、同利得でサイズの大きなアンテナを作製することが出来るという利点がある。
【0005】
しかしながら、8字型アンテナ5では、8字を構成する2つのループの中心部でアンテナ軸方向の磁界成分が0になるという問題がある。そこで、この問題を解決するために、図8に示すように、8字型アンテナ5の中心部に、給電しない別の単ループのアンテナ(中央ループアンテナ6)を配置する構造が知られている(米国特許第6166706号明細書等参照)。この中央ループアンテナ6により、経時的に磁界分布を変化させ、通常の8字型アンテナ5の持つ欠点である磁界成分が0となる点を無くすことができる。
【0006】
このような構成のアンテナを入退室管理用のゲートアンテナとして用いる場合、ゲートアンテナは床面(GND面)に設置されることになるが、GND面との相互作用によりループアンテナのインダクタンスが変化し、共振周波数がずれてタグとの交信に支障が生じる場合がある。このような不具合を防止するために、図9に示すように、複数のループ(8字型アンテナ5及び中央ループアンテナ6)の外周にワイヤ状の外周ループ15を設ける方法がある。そして、複数のループアンテナ及び外周ループ15の位置関係を制御することにより複雑な磁界分布を形成し、ゲートアンテナ間を通過するタグとの通信状態を良好に保つことができる。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第6166706号(第1−6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような給電ループに無給電ループを組み合わせたアンテナでは、それぞれの相対位置に精度が要求されるため、アンテナ保持筐体は通常、電波に影響を与えないように樹脂を使用して形成されるが、ゲートアンテナ等の大型のアンテナの場合、樹脂で形成されるアンテナ保持筐体の撓みや歪みにより特性が安定せず、樹脂で強度を向上させると重量増につながってしまう。また、金属部材からなる筐体を用いて強度を上げる方法もあるが、筐体として金属を使用するとアンテナ特性に影響を与えてしまう。
【0009】
また、従来のアンテナでは、8字型アンテナ5に高周波を供給するための給電点は、8字型アンテナ5の中央に設けられているため、給電点の位置がずれると電位分布が乱れ、電流の分布が崩れることから周囲への放射電界強度が上昇してしまうという問題もある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、軽量性を維持したまま、簡単な構造でアンテナの強度を向上させ、かつ、磁界分布の乱れを防止し周囲への放射電界強度を低減することができるリーダ/ライタ用アンテナ、特にゲートアンテナを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のアンテナは、高周波電源により駆動される2つのループアンテナと、前記2つのループアンテナの外周に配置され、GNDに接続される外周ループとを少なくとも備えるアンテナにおいて、前記2つのループアンテナは略等しいサイズの矩形状であり、双方のループアンテナが線対称となるように絶縁物に固定され、前記外周ループは、前記2つのループアンテナの周囲を一定の間隔で取り囲むように、前記絶縁物周囲を保持する金属フレームとして形成され、前記2つのループアンテナの給電点は、前記外周ループの外側に設けられ、前記アンテナの電位バランスの対称性が維持されるものである。
【0012】
また、本発明のアンテナは、高周波電源により駆動される2つのループアンテナと、前記2つのループアンテナの外周に配置され、GNDに接続される外周ループとを少なくとも備えるアンテナにおいて、前記2つのループアンテナは略等しいサイズの矩形状であり、双方のループアンテナが線対称となるように絶縁物に固定され、前記外周ループは、前記2つのループアンテナの周囲を一定の間隔で取り囲み、その断面形状が前記絶縁物周囲を保持可能な形状の金属部材で形成され、前記外周ループにより、前記アンテナの機械的強度が維持されると共に、前記2つのループアンテナとGNDとの距離が一定に保たれ、前記2つのループアンテナの給電点は、前記外周ループの外側に設けられ、前記アンテナの電位バランスの対称性が維持されるものである。
【0013】
本発明においては、前記2つのループアンテナの間に、前記2つのループアンテナの一方に鎖交する中央ループアンテナを備える構成とすることができ、また、前記外周ループは、該外周ループ近傍の前記2つのループアンテナのアンテナ線を外周側から中心側に向かって包囲するように形成され、前記外周ループで前記アンテナ線を囲むことにより、近傍磁界を減少させることなく遠方電界が低減される構成とすることができる。
【0015】
また、本発明においては、前記外周ループの断面形状は、コの字型、矩形、円形のいずれかとすることが好ましい。
【0017】
また、本発明においては、前記ループアンテナに、平衡−不平衡変換を行う整合回路が接続され、前記外周ループは前記整合回路の信号GNDに接続される構成とすることもできる。
【0018】
また、本発明のRFIDシステムは、上記アンテナをゲートアンテナとして用いることを特徴とする。
【0019】
このように、本発明によれば、外周ループをフレームとして用いることにより、アンテナの構造を単純にしながら硬度を向上させることができると共に、外周ループをGND(例えば、整合回路の信号GND)に接続することによりアンテナ線とGNDとの距離を精度良く均一に保ち磁界分布の乱れを防止することができる。また、外周ループでアンテナ線の少なくとも一部を覆う構成では、放射電界強度を低減し、アンテナ周囲の金属の影響によるインピーダンスの変化を抑えることができる。更に、アンテナ線の給電点を外周ループの外側に設けることにより、給電点の位置のずれによる電位分布の乱れを防止し、放射電界強度を低減することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアンテナは、その好ましい一実施の形態において、アクリル板等の絶縁物に固定された双ループアンテナ8及び中央ループアンテナ6等の複数のループアンテナと、絶縁物の周端を保持、固定する金属フレームとしての機能を兼ね備えたGND外周ループとを備え、ループアンテナの給電点を外周ループの外側に設けたものであり、外周ループを、断面形状がコの字型、T字型、L字型、矩形、円形又はそれらに類似する形状の金属フレームで構成し、外周ループで絶縁物を保持することにより、アンテナを単純かつ強固な構造にすることができる。また、ループアンテナとGND間の距離は絶縁物により一定に保たれるため、大型のアンテナであっても歪みによる磁界分布の乱れを防止することができる。また、ループアンテナを外周ループすなわちGNDで取り囲むことにより放射電界強度を低減し、周囲の金属の影響によるインピーダンスの変化を抑制することができる。更に、ループアンテナの給電点を外周ループの外側に設けることによりアンテナ全体の電位バランスの対称性を維持し、これによっても放射電界強度を低減することができる。
【0021】
【実施例】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係るRFIDシステムの全体構成を示す図であり、図2は、ゲートアンテナの構造、図3はA−A′線における断面構造を示す図である。また、図4は、本発明の効果を説明するための図であり、図5及び図6はゲートアンテナ(外周ループ)の他の構造を示す図である。なお、本実施例では、本発明の構造をゲートアンテナに適用する場合について記載するが、本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、RFIDシステムに用いられる任意のアンテナに適用することができる。
【0022】
図7の従来例で示したように、8字型アンテナ5では、8字を構成する2つのループ(8字型アンテナ上部5a及び8字型アンテナ下部5b)により各々発生する磁束が互いに反対向きであり、遠方ではこれらが相殺して見えるために、遠方の電界強度を弱める効果があるが、8字型アンテナ5は、同時に8字型アンテナ5中心部でアンテナ軸方向の磁界成分が0になるという欠点を持っている。この欠点を解決するために、図8に示すように、8字型アンテナ5の中心部に、給電しない別の単ループのアンテナ(中央ループアンテナ6)を配置することにより、経時的に磁界分布を変化させ、通常の8字型アンテナ5の持つ欠点である磁界成分が0となる点を無くすことができる。
【0023】
また、大型のアンテナを対向して設置するゲートアンテナは、通常、床面(GND面)に設置されるが、この場合、ゲートアンテナを構成する8字型アンテナ5とGND面との相互作用により8字型アンテナ5のインダクタンスが変化し、共振周波数がずれてしまう。そこで、8字型アンテナ5及び中央ループアンテナ6の周囲にワイヤ状の外周ループ15を設けることにより、8字型アンテナ5と床面や金属体との間隔の違いによるインダクタンスのずれを解消することができる。
【0024】
このような複数のループで構成されるアンテナでは、8字型アンテナ5及び中央ループアンテナ6と外周ループ15との位置関係が正確であることが前提であり、これらの位置関係がずれてしまうと磁界分布を制御することができなくなってしまう。特に、大型のゲートアンテナでの場合は、アンテナ保持筐体が樹脂で形成されるために撓みや歪みを抑えきれず、所望の磁界分布が得られなくなってしまう。
【0025】
そこで、本願発明者は、ゲートアンテナの外周ループ7を所定の断面形状の金属で構成し、8字型アンテナ5及び中央ループアンテナ6を保持する部材を補強するフレームとして使用することにより、構造を複雑化することなくアンテナの強度を高め、かつ、外周ループ7をGNDに接続することによりループアンテナとGNDとの距離を一定に保ち、上記問題の解決を図っている。以下、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施例のRFIDシステム1は、内部にアンテナ及びICを備えるタグ4と、タグ4への電力供給と信号を送受信するためのゲートアンテナ2と、タグ4からの信号を処理するリーダ/ライタ3とからなり、リーダ/ライタ3は、各々のゲートアンテナ2に供給する電力の位相を制御する位相制御部3aと、高周波電源部3bと、送受信信号を変換するための通信回路部3cと、送受信信号をデコードするための演算処理部3dとから構成される。この位相制御部3aには、各々のゲートアンテナ2に供給する電力の位相を同期させる同期手段と、一方のゲートアンテナの位相を遅延させる遅延手段とが含まれている。
【0027】
また、ゲートアンテナ2は、図2(a)に示すように、上下のループで双ループアンテナ8(本実施例では給電点13を側面に設けており8字形状ではないため双ループアンテナと呼ぶ。)を構成し、上下のループの間に双ループアンテナ8の一方に鎖交する中央ループアンテナ6を設け、双ループアンテナ8と中央ループアンテナ6の周囲にこれらを一定の間隔で取り囲む外周ループ7を設けている。また、双ループアンテナ8の給電点13を外周ループ7の側面に引き出し、インピーダンス整合を行うための整合回路14に接続している。
【0028】
ここで、大型のループアンテナを駆動する高周波電源は、一般的に給電点13において平衡給電される。すなわち、リーダ/ライタ3から整合回路14への電力供給は不平衡であるため、バランを使って平衡状態に変換している。また、リーダ/ライタ3から整合回路14への不平衡状態では、通常、50Ωの同軸ケーブル(信号−GND)を使用し、ケーブルは延長が可能となる。そこで、本実施例では、例えば、図2(b)に示すように整合回路14を構成し、整合回路14においてこの平衡−不平衡変換を行い、かつ、外周ループのGNDは、整合回路14の不平衡のGND(つまり、同軸ケーブルのGNDであり、信号GND)に接続している。
【0029】
なお、双ループアンテナ8、中央ループアンテナ6及び外周ループ7は図の形状に限定されず、高周波駆動されるアンテナの周囲に一定の間隔で外周ループ7が形成され、アンテナの給電点13が外周ループ7の外側に配置される限りにおいてどのような形状、配置、構成であってもよい。また、中央ループアンテナ6は必ずしも必要ではなく、また、双ループアンテナ8に代えて単ループアンテナを用いても良い。
【0030】
また、図2のA−A′線断面を表す図3(a)に示すように、双ループアンテナ8及び中央ループアンテナ6のアンテナ線10は、アクリル板等の絶縁性の樹脂板11上に固定され、樹脂板11の外周には、アルミチャネルのような断面形状がコの字型の金属フレーム9aが固定されている。なお、樹脂板11と金属フレーム9aとの固定方法は任意であり、樹脂板11の外寸と金属フレーム9aの内寸とを略等しく設定することにより両者を固定してもよく、また、接着剤等を用いて固定しても良い。
【0031】
このアンテナ線10、樹脂板11及び金属フレームの寸法、形状、位置関係は図の構成に限定されず、アンテナ線10を金属フレーム内部の所定の位置に固定できる構成であればよく、アンテナ線10が絶縁性の外皮で覆われたリード線を金属フレームで固定する構造であってもよい。また、金属フレーム9aと樹脂板11の固定を容易にするために、金属フレーム9a内壁や樹脂板11に突起や窪みを設けることもできる。また、樹脂板11の材料はアクリル板に限らず、絶縁性の材料で容易に変形しないものであればよい。
【0032】
このように外周ループ7を、アンテナ線10が固定される樹脂板11を保持、固定する機能を備えたコの字型の金属フレーム9aで構成とすることにより、双ループアンテナ8、中央ループアンテナ6及び外周ループ7を別々に保持する場合に比べて簡単な構造でゲートアンテナ2全体の強度を上げることができ、アンテナモジュールとして様々な筐体に固定することができる。又、樹脂板11にアンテナ線10を固定し、樹脂板11の周端をGNDに接続される金属フレーム9aに当接させることにより、アンテナ線10と外周ループ7との位置関係を正確に規定し、磁界分布の乱れを防止することができる。更に、アンテナ線10を金属フレーム9aの3辺で覆うことにより、放射電界強度を低減することができると共に、外部の金属部材の影響によるインピーダンスの変化を抑制し、ゲートアンテナ2を任意の場所に設置することが可能となる。
【0033】
また、金属フレームの形状として、コの字型の断面形状に代えて、図3(b)に示すようなT字型とすることもできる。この場合もアンテナ線10が固定された樹脂板11をT字型の金属フレーム9bに当接させることにより、簡単な構造でゲートアンテナ全体の強度を上げることができ、又、アンテナ線10と外周ループ7との位置関係を正確に規定し、磁界分布の乱れを防止することができる。
【0034】
外周ループ7を上記構造のコの字型の金属フレームとすることによる効果を確認するために、図4に示すゲートアンテナ2の各点(A〜E)において、タグ4をZ方向に移動した時のタグ4の動作距離及びZ方向に3m離れた地点における電界強度を測定した。また、比較のために、ワイヤで外周ループ15を形成した従来構造についても同様に測定した。その結果を表1に示す。なお、コの字型、ワイヤ共にシグナルGNDに接続した状態で測定を行った。
【0035】
【表1】
Figure 0004038668
【0036】
表1より、コの字型の金属フレーム9aの場合のタグの動作距離は45〜51cmの範囲であり、近傍磁界強度に関しては、ワイヤで外周ループを形成した従来構造と同等であり、一方、3m離れた地点における電界強度に関しては従来構造に比べて5dB小さくなっていることがわかる。すなわち、アンテナ線10をGND接続した金属で囲むことによって、近傍磁界強度を弱めることなく、放射電界強度を低減できることが確認された。
【0037】
なお、以上の説明では、外周ループ7(金属フレーム)の断面形状として、コの字型又はT字型を例にして説明したが、本発明は上記実施例に限定されずアンテナの強度を保つことができる形状であれば良く、例えば、図5(a)に示すように金属フレームをL字型とすることもできる。また、図5(b)に示すように、アンテナ線10と外周ループ7との距離を正確に規定するために、樹脂板11に予め溝11aを設け、この溝11aにアンテナ線10を装着する構成とすることもできる。
【0038】
また、図5(c)に示すように、アンテナ線10を溝11aを設けた2枚の樹脂板11で挟み込んで固定し、この樹脂板11をコの字型の金属フレーム9aに嵌合させる構造とすることもできる。このような構成とすることにより、樹脂板11を金属フレームに取り付ける際にアンテナ線10の位置がずれたり、アンテナ線10を破損する恐れが無く、作業が容易となる。また、樹脂板11とコの字型の金属フレーム9aを嵌合させる構造とすることにより、コの字型金属フレーム9aの取り付け作業が容易になると共に、コの字型金属フレーム9aで2枚の樹脂板11を押さえ込むことにより、アンテナ線10の位置ずれを未然に防止することができる。
【0039】
また、図6(a)、(b)に示すように、金属フレームの断面を矩形又は円形としてその一部に切り欠きを設け、その切り欠きにアンテナ線10を挟み込んだ樹脂板11を挿入する構成とすることもできる。この構成の場合も、金属フレーム9d、9eの取り付け作業が容易になると共に、2枚の樹脂板11を押さえ込むことによりアンテナ線10の位置ずれを未然に防止することができると共に、アンテナ線10の周囲をGNDに接続された外周ループ7でほぼ完全に覆うことができるため、放射電界強度の低減効果を更に向上させることができる。
【0040】
なお、外周ループ7に使用する材料としてアルミを例にして説明したが、非磁性で導電性が高い材料であれば良く、銅等の他の金属でも可能である。どのような材料を使用するかは、ゲートアンテナ2の寸法、ゲートアンテナ2に求められる強度、加工の容易性、樹脂板11の保持性能、価格等を総合的に勘案して適宜設定すればよい。
【0041】
また、上記実施例では、ゲートアンテナ2をRFIDシステムのリーダ/ライタ用アンテナとして用いる場合について記載したが、本発明は、リーダ/ライタ用アンテナに限定されるものではなく、他の通信機器、通信装置で用いられるアンテナに適用することも可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゲートアンテナ及び該ゲートアンテナを用いたRFIDシステムによれば、下記記載の効果を奏する。
【0043】
本発明の第1の効果は、アンテナ保持機構の歪みによるアンテナの磁界分布の乱れを防止することができるということである。
【0044】
その理由は、複数のループで構成されるアンテナを囲む外周ループを、断面形状がコの字型、T字型、L字型、矩形、円形又はこれらに類似する形状の金属で形成し、アンテナ線を固定した樹脂板を保持、固定するためのフレームとして利用することにより、アンテナの機械的強度を向上させることができ、また、外周ループをGND(例えば、整合回路の信号GND)に接続することにより、アンテナ線とGNDとの距離を均一に保つことができ、これにより磁場の均一化が可能となるからである。
【0045】
また、本発明の第2の効果は、通常のワイヤ状の外周ループを用いた場合と比較して、放射電界強度を低減することができるということである。
【0046】
その理由は、外周ループの断面形状をコの字型等にすることによりアンテナ線を外周ループで取り囲むことができるからである。また、アンテナの給電点(整合回路基板部)を外周ループの外側に設置することにより、アンテナ全体の電位バランスの対称性を維持することができるからである。
【0047】
また、本発明の第3の効果は、アンテナの設置場所を自由に設定することができるということである。
【0048】
その理由は、アンテナ線の周囲がGNDに接続された外周ループで覆われているため、周囲に金属がある場合であっても、金属の影響によるアンテナのインピーダンスの変化を抑えることができるからである。
【0049】
また、本発明の第4の効果は、アンテナの製造プロセスの簡略化及び材料の省略化が可能となるということである。
【0050】
その理由は、外周ループをフレームとして利用することにより、アンテナ保持構造を簡略化することができるからである。また、アンテナモジュールにすることにより、様々なデザインの筐体に容易にセットすることが可能となるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るRFIDシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施例に係るゲートアンテナの構造を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係るゲートアンテナ(外周ループ)の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の効果を説明するための図であり、タグの動作距離及び電界強度の測定点を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係るゲートアンテナ(外周ループ)の他の構造を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係るゲートアンテナ(外周ループ)の他の構造を示す断面図である。
【図7】従来のゲートアンテナの構造を示す図である。
【図8】従来のゲートアンテナの構造を示す図である。
【図9】従来のゲートアンテナの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 RFIDシステム
2 ゲートアンテナ
3 リーダ/ライタ
3a 位相制御部
3b 高周波電源部
3c 通信回路部
3d 演算処理部
4 タグ
5 8字型アンテナ
5a 8字型アンテナ上部
5b 8字型アンテナ下部
6 中央ループアンテナ
7 外周ループ
8 双ループアンテナ
9a 金属フレーム(コの字型)
9b 金属フレーム(T字型)
9c 金属フレーム(L字型)
9d 金属フレーム(矩形)
9e 金属フレーム(円形)
10 アンテナ線
11 樹脂板
11a 溝
12 GND
13 給電点
14 整合回路
15 外周ループ(従来構造)

Claims (7)

  1. 高周波電源により駆動される2つのループアンテナと、前記2つのループアンテナの外周に配置され、GNDに接続される外周ループとを少なくとも備えるアンテナにおいて、
    前記2つのループアンテナは略等しいサイズの矩形状であり、双方のループアンテナが線対称となるように絶縁物に固定され、
    前記外周ループは、前記2つのループアンテナの周囲を一定の間隔で取り囲むように、前記絶縁物周囲を保持する金属フレームとして形成され、
    前記2つのループアンテナの給電点は、前記外周ループの外側に設けられ、前記アンテナの電位バランスの対称性が維持されることを特徴とするアンテナ。
  2. 高周波電源により駆動される2つのループアンテナと、前記2つのループアンテナの外周に配置され、GNDに接続される外周ループとを少なくとも備えるアンテナにおいて、
    前記2つのループアンテナは略等しいサイズの矩形状であり、双方のループアンテナが線対称となるように絶縁物に固定され、
    前記外周ループは、前記2つのループアンテナの周囲を一定の間隔で取り囲み、その断面形状が前記絶縁物周囲を保持可能な形状の金属部材で形成され、前記外周ループにより、前記アンテナの機械的強度が維持されると共に、前記2つのループアンテナとGNDとの距離が一定に保たれ、
    前記2つのループアンテナの給電点は、前記外周ループの外側に設けられ、前記アンテナの電位バランスの対称性が維持されることを特徴とするアンテナ。
  3. 前記2つのループアンテナの間に、前記2つのループアンテナの一方に鎖交する中央ループアンテナを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ。
  4. 前記外周ループは、該外周ループ近傍の前記2つのループアンテナのアンテナ線を外周側から中心側に向かって包囲するように形成され、前記外周ループで前記アンテナ線を囲むことにより、近傍磁界を減少させることなく遠方電界が低減されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のアンテナ。
  5. 前記外周ループの断面形状は、コの字型、略矩形、略円形のいずれかであることを特徴とする請求項4記載のアンテナ。
  6. 前記ループアンテナに、平衡−不平衡変換を行う整合回路が接続され、前記外周ループは前記整合回路の信号GNDに接続されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のアンテナ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一に記載のアンテナをゲートアンテナとして用いることを特徴とするRFIDシステム。
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