JP4038647B2 - 液化ガス供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化ガス供給装置に係り、特に、通常の液化ガスの供給圧力よりも高い圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の液化ガスの供給圧力、例えば2.5〜3.5kPa程度の圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置では、液化ガスを収容する容器と、この容器内の気相部に連通するガス管路とを備えたものが用いられている。そして、屋外または屋内に設置された容器に収容された液相の液化ガスは、容器周囲の外気からの熱によって気化され、生じた気相の液化ガスは、容器内の気相部に連通するガス管路を介して気相の液化ガスを使用する機器や装置類へ供給される。しかし、このような通常の液化ガスの供給圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置では、容器周囲の外気からの熱によって液相の液化ガスを気化して気相の液化ガスを供給するため、通常の液化ガスの供給圧力よりも高い圧力、例えば0.3MPa以上といったような供給圧力を維持して気相の液化ガスを供給することは難しい。
【0003】
これに対して、本願の発明者らは、通常の液化ガスの供給圧力よりも高い圧力で気相の液化ガスを供給するための液化ガス供給装置として、液化ガスが収容される容器、この容器内の気相部に連通するガス管路、このガス管路に設けられてこのガス管路内を通流するガスの圧力を調整する圧力調整手段、この容器内またはガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検出する圧力検出手段、容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段、そして、容器の温度または液化ガス加熱手段の温度を検出する温度検出手段などを備えた構成の液化ガス供給装置を考えている。
【0004】
このような液化ガス供給装置では、容器内の圧力、またはガス管路の気相の液化ガスの流れに対して圧力調整手段よりも上流側の圧力に応じて容器内の液化ガスを加熱することで気相の液化ガスを要求される圧力以上に維持している。そして、要求される圧力以上となった気相の液化ガスを圧力調整手段によって要求される圧力に調整することで、通常の液化ガスの供給圧力よりも高い圧力を要求する機器や装置類などに、その要求する圧力で気相の液化ガスを供給している。また、容器の温度、または液化ガス加熱手段の容器の加熱温度を検知する温度検出手段で検出した温度が設定した温度以上になると、液化ガス加熱手段による容器内の液化ガスの加熱を停止することにより、容器内の液化ガスの温度が必要以上に上昇し過ぎるのを防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガスを供給する機器では、一般的に、ガス管路などからのガス漏れといった異常の発生に対処するため、ガス漏れの発生を検知してガスの供給を遮断する機器などが設けられている。しかし、現在入手可能なガス漏れを検出する機器は、通常の液化ガスの供給圧力に対応したものであるため、本願の発明者らが考えているような通常の液化ガスの供給圧力よりも高い圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置に用いることができない。さらに、本願の発明者らが考えている液化ガス供給装置では、熱源機や加熱器などからなる液化ガス加熱手段により容器を加熱することで供給する気相の液化ガスを通常よりも高い圧力にしているが、この液化ガス加熱手段の不具合などにより要求される圧力で気相の液化ガスを供給できなくなるといった異常を検知することも保安の面から必要になる。このように、本願の発明者らが考えている液化ガス供給装置では、通常の液化ガスの供給圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置とは異なる対応により安全性を向上する必要がある。
【0006】
本発明の課題は、液化ガス供給装置の安全性を向上することにある。
【0007】
本発明の液化ガス供給装置は、液化ガスが収容される容器と、この容器内の気相部に連通させて設けられて気相の液化ガスを使用する機器又は装置に気相の液化ガスを供給するガス管路と、このガス管路内のガスの通流を遮断する遮断弁と、この遮断弁の下流側のガス管路に設けられて機器又は装置に供給する気相の液化ガスの圧力を調整する圧力調整手段と、この圧力調整手段の下流側のガス管路に設けられて気相の液化ガスの流量が設定された流量以上になるとガス管路内の気相の液化ガスの通流を遮断するガス放出防止器と、容器内又は前記ガス管路の圧力調整手段の上流側の圧力を検出する圧力検出手段と、容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段と、容器の温度又は前記液化ガス加熱手段の加熱温度を検出する温度検出手段と、圧力検出手段で検知した圧力に応じて液化ガス加熱手段が放出する熱量を調整し、温度検出手段で検出した温度が所定の温度以上になると液化ガス加熱手段による容器内の液化ガスの加熱を停止する制御手段とを備え、この制御手段は、遮断弁を開いて機器又は装置に気相の液化ガスの供給を開始するとき、ガス放出防止器が誤動作しないように遮断弁を徐々に開いて行くことにより、上記課題を解決する。
【0008】
このような構成とすることにより、ガス管路以降の気相の液化ガスの流路でガス漏れが発生するとガス管路内の気相の液化ガスの流量は、ガス漏れがない場合に比べて大きなものとなる。この場合、本発明によれば、ガス放出防止器を設けていることから、ガス管路に設定した流量以上の気相の液化ガスが流れると、ガス放出防止器によって液化ガスの通流が遮断されるので、液化ガス供給装置の安全性を向上することができる。しかし、通常の液化ガスの供給圧力よりも高い圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置では、遮断弁を開いて気相の液化ガスの供給を開始する前は、容器内の圧力と遮断弁よりも下流側のガス管路内の圧力との差が大きいから、遮断弁をいきなり開にすると、ガス放出防止器に設定した流量以上で気相の液化ガスが瞬時に流れてしまい、ガス放出防止器が誤動作して気相の液化ガスの通流を遮断してしまう場合がある。この点、本発明によれば、遮断弁を開いて液化ガスの供給を開始するとき、ガス放出防止器が誤動作しないように遮断弁を徐々に開いて行く構成としていることから、ガス放出防止器を設けて安全性を向上でき、ガス放出防止器の誤動作を防ぐことができる。
【0009】
また、ガス管路の前記圧力調整手段の下流側の圧力を検出する他の圧力検出手段を設け、この圧力検出手段の検出圧力が設定圧力以下なったとき制御手段により遮断弁を閉じる構成とすることができる。このような構成とすれば、ガス漏れや液化ガス加熱手段などの不具合などの異常によって生じるガス管路内の圧力低下によってガス管路内の圧力が設定された圧力以下になると、遮断弁を閉じてガス管路以降への気相の液化ガスの通流を止めることができるため、液化ガス供給装置の安全性を向上できる。
【0010】
さらに、遮断弁が圧力調整手段よりも気相の液化ガスの流れに対して上流側に設けられており、遮断弁を開いて気相の液化ガスの供給を開始する前に、遮断弁が閉じられガス管路に気相の液化ガスが封入された状態で上記他の圧力検知手段によってガス管路の圧力調整手段よりも気相の液化ガスの流れに対して下流側の圧力の変化を検出し、この検出した圧力の変化からガス漏れの有無を検知し、ガス漏れがなかったときに遮断弁を開く構成とする。このような構成とすれば、ガス管路以降の気相の液化ガスの流路でガス漏れが起こっているか否かを検知し、ガス漏れが起こっていなければ遮断弁を開けて気相の液化ガスを通流するようにできるため、液化ガス供給装置の安全性をより向上できる。
【0011】
また、容器の揺れを感知する感震器を有し、この感震器が設定された震度以上の揺れを感知すると遮断弁を閉じる構成とすれば、ガス管路などが破損するような震度の地震が発生した場合にガスの通流を遮断できるので、さらに安全性を向上できるので好ましい。
【0015】
また、上記の場合において、圧力調整手段は、機器又は装置に供給する気相の液化ガスの圧力を0.3〜1.0MPaの範囲で調整するものとする。さらに、制御手段は、機器又は装置の駆動及び停止に対応して遮断弁を開及び閉する構成とすることができる。これによれば、液化ガスを供給する機器又は装置類が停止しているときにガス管路内に高圧の液化ガスが侵入するのを防ぐことができ、侵入した液化ガスが再液化する量を低減できるので好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる液化ガス供給装置の概略構成を示す模式図である。なお、本実施形態では、液化ガス供給装置がマイクロガスタービンのタービン駆動用燃料として気相の液化ガスを供給する場合の構成を一例として説明する。マイクロガスタービンは、従来のレシプロエンジン型の発電機などに比べ、発電規模に対する設備の大きさがコンパクトであり、また、燃焼排ガス温度が高温であるため、排熱からの熱回収率を向上できる。このようなマイクロガスタービンでは、通常の液化ガスの燃焼を行う機器類に比べて高圧、例えば0.3〜1.0MPaの圧力を維持して液化ガスを供給する必要がある。
【0017】
本実施形態の本実施形態の液化ガス供給装置は、図1に示すように、液化ガス、例えば液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)などを収容して貯蔵するための容器1、容器1内の図示していない気相部に連通するガス管路3、容器1の底部に設置された加熱器5、加熱器5に通流させる熱媒、例えば水を加熱するための熱源機7、加熱器5と熱源機7との間で熱媒を循環させるための熱媒管路9a、9b、熱媒管路9aと熱媒管路9bとをバイパスするバイパス管路9c、液化ガス供給装置の動作を制御する制御部11などで構成されている。
【0018】
容器1は、略円筒状の容器を横向きにした状態で脚部2により支持され、屋外に設置されたものであり、容器1の内部に収容されて図示していない液相部となる液相の液化ガスは、容器1が外気から受けた熱により気化する。このため、容器1内の上部の図示していない気相部には、気相の液化ガスが溜まった状態になっている。容器1には、容器1内の図示していない気相部の圧力を検出するため第1圧力検出器13が、容器1内の図示していない気相部に連通する圧力検出用管路15を介して設けられている。第1圧力検出器13は、圧力を表示するための圧力計17を有している。圧力検出用管路15には、開閉弁19が設けられている。
【0019】
ガス管路3は、一端が容器1内の図示していない気相部に挿入された状態で設置され、他端が気相の液化ガスを燃料として用いるマイクロガスタービン20の図示していない燃焼部に連結されている。ガス管路3の容器1からの出口部分には、開閉弁21が設けられている。ガス管路3の開閉弁21よりも液化ガスの流れに対して下流側の部分では、熱源機7へ気相の液化ガスを供給するための熱源機用ガス管路23が分岐している。ガス管路3の熱源機用ガス管路23との分岐部よりも下流側の部分には、遮断弁25、1次側圧力調整器27、ガス放出防止器29、そして第2圧力検出器31などが順次設けられている。
【0020】
遮断弁25は、ガス管路3内の気相の液化ガスの通流及び遮断を制御し、さらに、ガス管路3内を通流する気相の液化ガスの流量を制御するため、モータの駆動により弁の開度を連続的に変えることができる構成となっている。遮断弁25は、マイクロガスタービン20の図示していない制御部と配線33及び制御部11を介して電気的に接続されている。そして、マイクロガスタービン20が駆動しているときには遮断弁25が開、マイクロガスタービン20が停止ているときには遮断弁25が閉するように制御されている。これにより、マイクロガスタービン20が停止しているときに、容器1から気相の液化ガスがガス管路13に流入して気相の液化ガスが再液化するのを防止し、ガス管路13内での液化ガスの再液化量を低減している。
【0021】
1次側圧力調整器27は、ガス管路3内を通流する気相の液化ガスの圧力をマイクロガスタービン20が要求する圧力、例えば0.3〜1.0MPaに調整するものである。ガス放出防止器29は、ガス管路3やマイクロガスタービン20の液化ガスの流路など、つまりガス管路3以降の気相の液化ガスの流路で多量のガスの漏洩が生じ、ガス管路3内の気相の液化ガス流量が予め設定された流量以上になった場合に、ガス管路3内の気相の液化ガスの通流を遮断して液化ガスの漏洩つまり液化ガスの外部への放出を防止するものである。第2圧力検出器31は、ガス管路3内の1次側圧力調整器27よりも下流側の部分の圧力を検出することでガスの漏洩を検知するためのものである。第2圧力検出器31は、配線33を介して制御部11と電気的に接続されている。また、第1圧力検出器13も配線33を介して制御部11と電気的に接続されている。
【0022】
熱源機用ガス管路23は、熱源機7の図示していないバーナーに連結されている。熱源機用ガス管路23のガス管路3からの分岐部よりも下流側の部分には、熱源機用ガス放出防止器35、単段圧力調整器37、そしてガスメータ39などが順次設けられている。熱源機用ガス放出防止器35は、ガスの漏洩が生じて熱源機用ガス管路23内を通流する気相の液化ガスの流量が設定された流量以上になった場合に、熱源機用ガス管路23内の液化ガスの通流を遮断して液化ガスの漏洩つまり液化ガスの外部への放出を防止するものである。単段圧力調整器37は、熱源機用ガス管路23を通流する気相の液化ガスの圧力を熱源機7が要求する圧力、例えば2.5〜3.5kPaに調整するものである。
【0023】
熱源機7は、図示していない熱媒が通流する流路、この流路に設けられた熱媒タンク、ポンプ、流路内の熱媒を加熱するバーナー、そしてポンプやバーナーの動作を制御する制御部などを一体的に筐体に納めたものである。熱源機7の図示していない制御部は、制御部11と連携して作動するものであり、制御部7と配線33を介して電気的に接続されている。また、熱源機用ガス管路23のガスメータ39よりも下流側の部分で、通常の液化ガスの供給圧力で気相の液化ガスを使用する熱源機7以外の燃焼機器40に気相の液化ガスを供給するための燃焼機器用ガス管路41が分岐している。
【0024】
熱媒管路9aは、一端が熱源機7の図示していない熱媒が通流する流路に、他端が加熱器5内の熱媒の流路42に連結されており、熱媒管路9aには、熱源機7で加熱された熱媒、例えば水などが通流する。熱媒管路9bは、一端が加熱器5内の熱媒の流路42に、他端が熱源機7の図示していない熱媒が通流する流路に連結されており、熱媒管路9bには、加熱器5で熱を放出した熱媒が通流する。熱媒管路9aの熱源機7からの熱媒の出口側部分と、熱媒管路9bの熱源機7への熱媒の入口側部分との間にバイパス管路9cが設けられている。バイパス管路9cには、バイパス管路9cへの熱媒の通流及び遮断を行うことで加熱器5へ通流させる熱媒の量を調整する熱媒量調整弁43が設けられている。熱媒量調整弁43は、制御部11と配線33を介して電気的に接続されている。なお、バイパス管路9cと熱媒量調整弁43は、配管抵抗が熱媒管路9aよりも少ないものを用いている。
【0025】
本実施形態の加熱器5は、加熱器5を形成する上面が開放された筐体内に熱媒が通流する流路42となる管路を設け、この管路と筐体及び容器との間に形成される空間に液体からなる熱媒、または熱伝導性を有する材料などを充填したものである。そして、加熱器5には、この熱媒または熱伝導性を有する材料などの温度を検出する温度検出器45を設けている。温度検出器45は、配線33を介して制御部11と電気的に接続されている。
【0026】
第1圧力検出器13、圧力検出用管路15、圧力検出用管路15の開閉弁19、ガス管路3の開閉弁21、遮断弁25、1次側圧力調整器27、ガス放出防止器29、第2圧力検出器31、熱源機用ガス管路23の熱源機用ガス放出防止器35、単段圧力調整器37、そしてこれら各々機器などが設けられたガス管路3の部分及び熱源機用ガス管路23の部分などは容器1の上部に取り付けられた箱状のカバー47に内包されている。さらに、カバー47内には、地震などによる容器1の揺れを感知するための感震器49が設けられており、感震器49は、予め設定した強度の揺れ、つまり震度以上の揺れを感知すると信号を制御部11に向けて発信する。このため、感震器49は、配線33を介して制御部11と電気的に接続されている。なお、制御部11は、図示していないネットワークコントロールユニット(以降NCUと略称する)に図示していない配線を介して電気的に接続されており、NCUに接続されている電話回線などを介して図示していない監視センターといった施設や監視装置などに情報を送信することができる。
【0027】
なお、制御部11、遮断弁25、ガス放出防止器29、第2圧力検出器31、そして感震器49などは、通常の圧力よりも高い圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置の保安機構を構成している。
【0028】
このような構成の液化ガス供給装置の動作と本発明の特徴部について説明する。まず、本実施形態の液化ガス供給装置での要求される圧力で気相の液化ガスを供給するための動作を説明する。制御部11が圧力検出器13で検出した容器1内の圧力に応じてバイパス管路9cに設けられた熱媒量調整弁43を開閉する。これにより、容器1の加熱が必要なときには、加熱器5に流れる熱媒量を増加させ、容器1の加熱が必要ないときには、加熱器1に流れる熱媒量を減少させることで、加熱器5から容器1に与えられる熱量を調整し、容器1内の圧力を所定の圧力、つまり本実施形態ではマイクロガスタービン20が要求する圧力よりも高い圧力に保持している。
【0029】
所定の圧力に保持された気相の液化ガスは、1次側圧力調整器27でマイクロガスタービン20が要求する圧力まで降圧され、ガス管路3を介してマイクロガスタービン20に供給される。一方、ガス管路23を通流する気相の液化ガスは、単段圧力調整器41で、熱源機7や燃焼機器40などが要求する圧力、つまり通常の液化ガスの供給圧力に降圧されて熱源機7や燃焼機器40などに供給される。なお、図1において実線の矢印は、液化ガスの通流方向を、そして破線の矢印は、熱媒の通流方向を示す。
【0030】
次に、本実施形態の液化ガス供給装置での保安にかかわる動作を説明する。制御部11は、温度検出器45により加熱器5の容器1の加熱温度を監視しており、温度検出器45で検出した温度が予め設定された温度、例えば40℃以上になると、熱源機7の熱媒を加熱するバーナー、そして熱媒を加熱器5に送るためのポンプなどを停止し、容器1の加熱を停止する。これにより容器1の温度が法律などに規定された温度を越えたり、危険な温度に上昇するのを防いでいる。
【0031】
一方、本実施形態の液化ガス供給装置が気相の液化ガスをマイクロガスタービン20に供給しているとき、制御部11は、第2圧力検出器31によりガス管路3内の圧力を監視している。制御部11は、ガス管路3内の圧力が予め設定した圧力以下になると、例えばマイクロガスタービン20に0.4MPaの圧力で気相の液化ガスを供給する場合、0.2MPa以下になると遮断弁25を閉じてガス管路3内の気相の液化ガスの通流を遮断し、マイクロガスタービン20への気相の液化ガスの供給を停止する。また、制御部11は、このような異常の発生を監視センターや監視装置などに知らせる。ガス管路3内の圧力の低下の原因は、ガス管路3以降の気相の液化ガスの流路でのガスの漏洩の発生や、加熱器5、熱媒管路9a、9b、熱源機7、そして熱媒量調整弁43などの故障などによって容器1を加熱できなくなったことによる容器1内の圧力の低下などが考えられる。したがって、これらの異常の発生に関する点検や修理などの対処を行う。
【0032】
このような異常の発生に関する点検や修理などの対処を行った後、気相の液化ガスの供給開始を指令すると、制御部11は、遮断弁25を閉じた状態で第2圧力検出器31によりガス管路3内の圧力を監視する。そして、予め設定した時間内でのガス管路3内の圧力の変化を検出し、ガス管路3内の圧力が低下していなければガスの漏洩がないものと判断し、遮断弁25を開く。なお、ガス漏れの検知において、ガス管路3内の温度を検出する温度検出器を設置してガス管路3内の温度を監視し、制御部11が、ガス管路3内の圧力の変化をガス管路3内の温度の変化で補償した上で、ガス管路3内の圧力が低下しているか否かを判断するようにすれば、より正確にガスの漏洩を検出できる。
【0033】
なお、第2圧力検出器31によるガス漏れの検知を行い、ガス漏れがない場合に遮断弁25を開く制御は、異常の発生により遮断した気相の液化ガスの供給を再開する場合に限らず、マイクロガスタービン20の起動時、つまり液化ガス供給装置の気相の液化ガスの供給開始時などにも行うことができる。このとき、もし、ガス管路3内が圧力の低下を検出できるだけの圧力にない場合には、一端遮断弁25を開けてガス管路3内に気相の液化ガスを流入させ、その後遮断弁25を閉じてガス漏れの検出を行う。
【0034】
制御部11は、感震器49で液化ガス供給装置が破損する可能性があるような強い揺れ、例えば震度5〜6以上の強い揺れを感知した場合には、遮断弁25を閉じる。これにより、ガス管路3などが破損した場合でも、気相の液化ガスが外部に流出するのを防いでいる。
【0035】
また、本実施形態の液化ガス供給装置では、ガス管路3にガス放出防止器29を設けているので、ガス管路3以降の気相の液化ガスの流路でのガスの漏洩が起こった場合は、ガス管路3内の気相の液化ガスの流量が増大することでもガスの漏洩を検知できる。すなわち、ガスの漏洩が生じ、ガス管路3内の気相の液化ガスの流量がガス放出防止器29に設定された流量以上になると、ガス放出防止器29が作動してガス管路3内の気相の液化ガスの通流を遮断する。これにより、液化ガスがガス管路3などの外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0036】
ところで、本実施形態の液化ガス供給装置では、通常の圧力よりも高い圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置であるため、通常の圧力で気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置に比べて遮断弁25よりも上流側つまり容器1内などと遮断弁25よりも下流側との圧力差が大きく、遮断弁25が瞬時に開かれると、ガス管路3の遮断弁25よりも下流側に気相の液化ガスが一気に流入し、ガス管路3内の気相の液化ガスの流量がガス放出防止器29に設定された流量以上になり、ガス放出防止器29が誤作動してガス管路3内の気相の液化ガスの通流を遮断してしまう場合がある。したがって、本実施形態の液化ガス供給装置は、ガス管路3にモータの駆動により弁の開度を連続的に変えることができる遮断弁25を設けており、制御部11は、マイクロガスタービン20からの駆動開始信号または気相の液化ガスの供給を指令する信号を受信すると、遮断弁25を徐々に開く。これにより、ガス管路3内に通流する気相の液化ガスの流量が放出防止弁29に設定された流量以上にならないようにし、気相の液化ガスの供給開始時に発生するガス放出防止器29の誤作動を防いでいる。
【0037】
このように本実施形態の液化ガス供給装置では、制御部11が第2圧力検出器によってガス管路3内の圧力を監視し、ガス管路3内の圧力の低下から、ガス漏れや、容器1を加熱できないなどの異常を検知して遮断弁25を閉じている。したがって、異常が発生した場合、気相の液化ガスの供給を停止することができるため、液化ガス供給装置の安全性を向上できる。
【0038】
さらに、本実施形態の液化ガス供給装置では、マイクロガスタービン20の起動時に気相の液化ガスの供給を開始するときや、異常の発生により気相の液化ガスの供給を停止した後に気相の液化ガスの供給を開始するときなど、遮断弁25を閉じてガス管路3に気相の液化ガスが封入された状態で第2圧力検出器31によって設定された時間内におけるガス管路3内の圧力の変化を検出することでガス漏れを検知し、ガス漏れが検知されなかったときに遮断弁を開いている。したがって、ガス漏れが起こっていない状態を確認した上で気相の液化ガスを通流させるため、液化ガス供給装置の安全性をより向上できる。加えて、容器1の揺れを感知する感震器49を設け、ガス管路3などが破損するような震度の地震が発生した場合に遮断弁25を閉じて気相の液化ガスの通流を遮断できるため、さらに安全性を向上できるので好ましい。
【0039】
また、本実施形態の液化ガス供給装置では、安全性を向上するためにガス管路3にガス放出防止器29を設けているが、通常の液化ガスの供給圧力よりも高い供給圧力で液化ガスを供給するため、遮断弁25を徐々に開いて行くことで液化ガスの供給を開始するときに発生するガス放出防止器29の誤動作を防いでいる。さらに、マイクロガスタービン20の駆動及び停止に対応して遮断弁25を開及び閉するため、マイクロガスタービン20が停止しているときにガス管路3内に新たな液化ガスが侵入するのを防ぎ、再液化する液化ガスの量を低減できる。
【0040】
また、本実施形態では、ガス放出防止器29と第2圧力検出器31との両方をガス管路3に設けているが、ガス漏れの検知を行う上では、いずれか一方のみを設けた構成にすることもできる。ただし、ガス放出防止器29と第2圧力検出器31との両方を設けた構成である方が安全性を一層向上することができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1圧力検出器13で容器1内の圧力を検出し、温度検出器45で加熱器5の温度を検出する構成としているが、第1圧力検出器は、ガス管路3の1次側圧力調整器27よりも上流側の部分の圧力を検出する構成にすることができ、また、温度検出器は、容器1の温度を検出する構成にすることもできる。
【0042】
また、本発明は、本実施形態の構成の液化ガス供給装置に限らず、容器を加熱することで通常の液化ガスの供給圧よりも高い圧力で液化ガスを供給する液化ガス供給装置、さらに、マイクロガスタービン20に限らず、通常の液化ガスの供給圧よりも高い様々な供給圧力を要求する装置や機器類に液化ガスを供給する液化ガス供給装置に適用できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、液化ガス供給装置の安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる液化ガス供給装置の一実施形態の概略構成と動作を示す模式図である。
【符号の説明】
1 容器
3 ガス管路
5 加熱器
7 熱源機
9a、9b、9c 熱媒管路
11 制御部
13 第1圧力検出器
25 遮断弁
27 一次側圧力調整器
31 第2圧力検出器
43 熱媒量調整弁
45 温度検出器
Claims (2)
- 液化ガスが収容される容器と、該容器内の気相部に連通させて設けられて気相の液化ガスを使用する機器又は装置に気相の液化ガスを供給するガス管路と、該ガス管路内のガスの通流を遮断する遮断弁と、該遮断弁の下流側の前記ガス管路に設けられて前記機器又は装置に供給する気相の液化ガスの圧力を調整する圧力調整手段と、該圧力調整手段の下流側の前記ガス管路に設けられて気相の液化ガスの流量が設定された流量以上になると前記ガス管路内の気相の液化ガスの通流を遮断するガス放出防止器と、前記容器内又は前記ガス管路の前記圧力調整手段の上流側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段と、前記容器の温度又は前記液化ガス加熱手段の加熱温度を検出する温度検出手段と、前記圧力検出手段で検知した圧力に応じて前記液化ガス加熱手段が放出する熱量を調整し、前記温度検出手段で検出した温度が所定の温度以上になると前記液化ガス加熱手段による前記容器内の液化ガスの加熱を停止する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記遮断弁を開いて前記機器又は装置に気相の液化ガスの供給を開始するとき、前記ガス放出防止器が誤動作しないように前記遮断弁を徐々に開いて行くことを特徴とする液化ガス供給装置。 - 請求項1に記載の液化ガス供給装置において、
前記圧力調整手段は、前記機器又は装置に供給する気相の液化ガスの圧力を0.3〜1.0MPaの範囲で調整するものであり、
前記制御手段は、前記機器又は装置の駆動及び停止に対応して前記遮断弁を開及び閉することを特徴とする液化ガス供給装置。
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