JP4037784B2 - 過酸化水素/硫酸系エッチング液による銅張回路基板のエッチング方法 - Google Patents

過酸化水素/硫酸系エッチング液による銅張回路基板のエッチング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を実装するプリント配線板製造用の銅箔と電気絶縁体とより製造された銅箔張積層板、銅張フィルム、銅張シートなどの銅箔張回路基板の銅箔を、過酸化水素/硫酸系エッチング液によりエッチングし、所望厚みとするためのエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
過酸化水素/硫酸系銅エッチング液による処理は、プリント配線板製造工程のいろいろなところで広く行われている処理方法である。このようなエッチング処理に用いられるエッチング装置はスプレー式エッチング装置であって、銅箔張回路基板を水平の状態あるいは特許第2876779号公報にあるように基板を立てた状態で一定の搬送速度で搬送し、装置内に設けられたタンクに貯められたエッチング液を、被エッチング基板である銅箔張回路基板の両側に配置されたスプレーノズルから噴霧し、エッチングを行う方法が一般的である。
【0003】
銅エッチングが適用される例を挙げると、第一に、プリント配線板製造工程黒化処理、無電解あるいは電解メッキの前処理として銅箔表面の活性清浄化のための、いわゆるソフトエッチングがある。第二に、プリント配線板の回路形成のために不要な銅を除去するための、いわゆるハードエッチングがある。第三に、薄銅箔張回路基板製造のためのエッチングがある。
【0004】
過酸化水素/硫酸系銅エッチングに用いるエッチング液は、過酸化水素、硫酸及び銅イオンを主成分とするもので、これに少量の添加剤を含んだものが多く、例えば、特許第2947415号公報記載のものがある。エッチング反応による生成物が水と硫酸銅であるため、エッチングに悪影響を及ぼす不純物の蓄積が無く、エッチング液が長寿命であることが特長である。一方、過酸化水素が自然に分解しやすいこと、エッチング液の条件によって過酸化水素の有効的な消費率が変化することにより、一定のエッチング速度を維持することが困難であるという問題点がある。
【特許文献1】
特許第2876779号公報
【特許文献2】
特許第2947415号公報
【0005】
現在、広く用いられている過酸化水素/硫酸系エッチング液の管理方法は自動分析管理装置を用いて行うもので、既に幾つかの自動分析管理装置が市販されている。これらの装置はエッチング液を定期的にサンプリングし、液中の過酸化水素濃度、硫酸濃度、銅イオン濃度を電位差滴定法、あるいは電位差滴定法と吸光光度法を併用した分析方法で分析し、薬液の不足分を自動的に補充するというものである。補充には過酸化水素水と硫酸水溶液を別々に補充する方法、又はエッチング液より高濃度の過酸化水素と硫酸で予め計算して調整した水溶液を用いて補充する方法がとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。プリント配線板回路の微細化、高密度化の流れの中においては、エッチング後の銅箔厚みの均一性がその成否を左右する。しかし、前記従来技術による過酸化水素/硫酸系エッチング液を用いた銅箔のエッチングでは、エッチング速度を長時間の処理にわたって一定の範囲内に維持することが困難であった。つまり、40分から1時間かかる分析間隔と比較して銅溶解速度が大きいため、薬液濃度の変動に補給が追随できないという問題があった。
【0007】
また、過酸化水素/硫酸系エッチング液を使用するエッチング速度はエッチング液の過酸化水素濃度と銅濃度の2つの変動因子に敏感に影響されるが、前記の自動分析管理装置では、過酸化水素濃度を一定に保つことはできるものの、銅イオン濃度に関してはそれを制御することができず、結果的に過酸化水素濃度は一定であっても、エッチング速度が変化してしまうことがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような実情を鑑み、エッチング液のエッチング速度を容易かつ長時間にわたり一定に保ち、エッチング量を所望の範囲とするようなエッチング方法について鋭意検討した。その結果、エッチング速度rをエッチング液の過酸化水素濃度xで割った値がエッチング液の銅イオン濃度zの一次関数で近似的に表せることと、過酸化水素の消費速度が銅イオン濃度にほとんど依存せず、一次の速度式で近似的に表せることを見出し、更に、エッチング速度を一定に保つ補給速度を算出するための演算式を導出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、連続的に銅箔張回路基板を一定の搬送速度で搬送する手段、エッチング液槽からエッチング液を取出してスプレーエッチングする手段、エッチング液槽に補給液を供給する手段及びエッチング液槽から過剰のエッチング液を排出する手段を備えたエッチング装置を使用して、銅箔と電気絶縁体とから構成された銅箔張回路基板を、0.5〜1.5mol/Lの過酸化水素、過酸化水素に対して1〜2倍モル濃度の硫酸及び20〜50g/Lの銅イオンを主成分とする水溶液からなるエッチング液を用いてスプレーエッチングする際、エッチング液よりも1.2〜3倍高濃度の過酸化水素及びこの過酸化水素に対して1〜2倍モル濃度の硫酸を含有する補給液を、下記数式(1)の演算によって求められる補給速度w(L/分)に従って補給を行い、補給量と同量のエッチング液を排出することでエッチング速度のばらつきを±5%以内に維持することを特徴とする銅張回路基板のエッチング方法である。
【数3】
Figure 0004037784
但し、x(g/L)は初期エッチング液の過酸化水素濃度、z(g/L)は初期エッチング液の銅イオン濃度、f(g/L)は補給液の過酸化水素濃度、s(m2)はエッチング液と銅箔の接触面積、v(L)はエッチング液の液量、r(μm/分)は事前に初期濃度のエッチング液を用いて決められたエッチング条件でエッチング試験することにより求められるエッチング速度、d(g/cm3)は銅の密度である。aとbはzに対してr/xをプロットして、これを一次関数で近似したときに得られるy切片と傾きである。cはw=0としてエッチングしたとき、時間t(分)に対してln(xt)/ln(x0)をプロットし、これを一次関数で近似したときに得られる傾きをエッチング液と銅箔の接触面積sで除した値である。なお、ln(xt)は補給液を加えずに事前に決められたエッチング条件で、エッチングを行ったときの時間t(分)での過酸化水素濃度の自然対数、ln(x0)はエッチング開始時の過酸化水素濃度の自然対数である。なお、銅イオンは過酸化水素が存在するエッチング液中では2価の銅イオンとして存在する。
【0010】
また、本発明は、連続的に銅箔張回路基板を一定の搬送速度で搬送する手段、エッチング液槽からエッチング液を取出してスプレーエッチングする手段、エッチング液槽に補給液を供給する手段及びエッチング液槽から過剰のエッチング液を排出する手段を備えたエッチング装置を使用して、銅箔と電気絶縁体とから構成された銅箔張回路基板を、0.5〜1.5mol/Lの過酸化水素、過酸化水素に対して1〜2倍モル濃度の硫酸及び20〜50g/Lの銅イオンを主成分とする水溶液からなるエッチング液を用いてスプレーエッチングする際、上記数式(1)から求められる補給速度w(L/分)の±5%以内の範囲で、上記エッチング液より過酸化水素及び硫酸濃度が高濃度の補給液を、補給するように初期設定することを特徴とする銅張回路基板のエッチング方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でエッチング処理する銅箔と電気絶縁体とから構成された銅箔張回路基板は、特に制限はなく、電子、電気材料用として用いられている片面あるいは両面銅張のフィルム、シート、繊維強化樹脂積層板、メタルコア積層板、内層にプリント配線網を形成した多層シールド板などがある。電気絶縁体層は、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムやシート、熱硬化性樹脂や耐熱性熱可塑性樹脂とガラスの組合わせなどからなる。好ましい銅箔張回路基板の例としては、樹脂フィルム層の両面又は片面に10μm以上の厚みを有する銅箔層を有するものがある。
【0012】
本発明の方法で使用するエッチング装置は、連続的に銅箔張回路基板を一定の搬送速度で搬送する手段、エッチング液槽からエッチング液を取出してスプレーエッチングする手段、エッチング液槽に補給液を供給する手段及びエッチング液槽から過剰のエッチング液を排出する手段を備えている。スプレーエッチングする方法としては、銅箔張回路基板を垂直に立てて行う方法、あるいは水平の状態で行う方法等があるが、これらに限定されない。スプレーエッチングに使用されたエッチング液はエッチング液槽に還流し、再度ポンプで抜き出されてエッチングに使用されるが、エッチング液槽には補給液を供給すると共に、エッチング液槽からそれに見合ったエッチング液を排出することにより、エッチング速度を一定に保持する。
【0013】
これを図面で説明すると、銅箔張回路基板1はロール2から連続的に巻き出され、ロール3に巻き取られることにより、一定速度でエッチングチャンバー4を通過する。エッチングチャンバー4は、エッチング液をスプレーするスプレーノズル5及び6が銅箔張回路基板1の両面側に複数配置されている構造となっている。この複数のスプレーノズルへはエッチング液槽7からのエッチング液がエッチングスプレー用ポンプ11から連続的に供給され、エッチング液のスプレーが行われる。スプレーされたエッチング液はエッチング液槽7に流下する。一方、薬液タンク8には所定濃度に調製した薬液を入れておき、エッチング操作中は連続的又は間欠的に薬液補給用ポンプ9で薬液をエッチング液槽7に補給する。エッチング液槽7をオーバーフローしたエッチング液は廃液タンク10に排出される。薬液の補給速度と廃液タンク10への排出速度は、定常状態では均衡する。
【0014】
エッチング液槽の液量v(L)はエッチング液と銅箔の接触面積s(m2)との比v/sが300以上となることが望ましい。例えば、2.5m2の面積に対しては750L以上のエッチング液槽が望ましい。これ以下であると、銅の溶解によるエッチング液の濃度変化が大きくなり、エッチング速度の維持が困難になる。
エッチング液のスプレーは基板に対してエッチング液が均一にあたるよう配置されたスプレーノズルによってなされ、スプレーノズルは首振り機能を有しているものが望ましい。また、単位時間単位面積あたりのスプレー量は100〜300L・min-1・m-2であることが望ましい。
【0015】
本発明の方法に用いられるエッチング液は、前記特許文献1や2等で公知の過酸化水素/硫酸系エッチング液が使用できる。かかるエッチング液は、過酸化水素、硫酸及び銅イオンを主成分とし、必要により安定剤、光沢化剤等を含む水溶液である。過酸化水素及び硫酸の濃度範囲は、過酸化水素0.5〜1.5mol/L、硫酸0.5〜2mol/Lであり、硫酸濃度は過酸化水素に対して1〜2倍、好ましくは1〜1.5倍モル濃度の範囲である。銅イオンの濃度は20〜50g/Lの範囲であることが望ましい。なお、エッチング液の温度は25〜45℃の範囲が好ましい。通常、1バッチのエッチング時間は数時間の範囲であるので、その範囲でエッチング速度を所定の範囲内のばらつきに制御する。
【0016】
エッチング液を、銅箔張回路基板にスプレーすると、銅箔がエッチングされると同時に、エッチング液中の銅イオン濃度が増加するが、過酸化水素及び硫酸の濃度は減少する。したがって、エッチング中は、過酸化水素及び硫酸の供給と銅イオンの排出が行われ、エッチング速度が一定範囲となるようなエッチング液組成が保持される。
【0017】
本発明の第一の態様では、エッチング液よりも高濃度の過酸化水素を含有する補給液を予め準備し、上記数式(1)の演算によって求められる補給速度w(L/分)に従って定量補給を行う。補給液中の過酸化水素及び硫酸の濃度はエッチング液よりも高濃度とする必要があるが、補給液中の過酸化水素の濃度はエッチング液中の濃度の1.2倍以上、好ましくは1.5〜3倍程度とし、硫酸の濃度はその過酸化水素の濃度の1〜2倍モル濃度とする。別の観点からは、エッチング液中の硫酸濃度の1.2〜2.5倍程度とすることがよい。必要な補給液量はエッチングする銅箔回路基板の処理量、補給液の濃度、エッチング液の液量などにより変化するので、予め計算によって求められた量の液を準備する。
【0018】
数式(1)において、x及びzはエッチング液過酸化水素濃度及び銅イオン濃度であるが、これは初期濃度として事前に測定することができる。fは補給液の過酸化水素濃度であるが、これはxより1.5〜3倍程度高い濃度に保持される。s及びvはエッチング液と銅箔の接触面積及びエッチング液の液量であるが、これは事前にエッチング条件を決めることにより求められる。rはエッチング速度であるが、これは事前に初期濃度のエッチング液を用いて決められたエッチング条件でエッチング試験することにより求められる。aとbはzに対してr/xをプロットして、これを一次関数で近似したときに得られるy切片と傾きである。cはw=0としてエッチングしたとき、時間t(分)に対してln(xt)/ln(x0)をプロットし、これを一次関数で近似したときに得られる傾きをエッチング液と銅箔の接触面積sで除した値である。なお、ln(xt) は時間t(分)での過酸化水素濃度の自然対数、ln(x0)はエッチング開始時の過酸化水素濃度の自然対数である。
【0019】
数式(1)中の係数a及びbは、事前に求めておく。すなわち、同様の基板を使い、同様のエッチング条件(エッチング液の温度、スプレー圧力、基板のサイズ)で、過酸化水素濃度x(g/L)と銅イオン濃度z(g/L)を変えてエッチング速度r (μm/分)を実測する。zに対してr/xをプロットし、これを一次関数で近似し、そのy切片をaとし、傾きに-1を掛けた値をbとする。
【0020】
数式(1)中の係数cもまた、事前に求めておく。すなわち、同様の基板を使い、同様のエッチング条件(エッチング液の温度、スプレー圧力、基板のサイズ)で、補給液を加えずにエッチングを行う。その間、一定時間おきに過酸化水素濃度x(g/L)を分析する。エッチング時間t(分)に対して過酸化水素濃度xの自然対数を過酸化水素初期濃度x0の自然対数で除した値をプロットする。これを一次関数で近似し、傾きをエッチング液と銅箔の接触面積sで除し、-1を掛けた値をcとする。
【0021】
本発明の第一の態様では、上記数式(1)を使って補給液の補給速度を制御するものである。しかし、この数式を使用する限り、数式から計算される補給速度を多少変化させてもエッチング速度のばらつきが±5%以内に納まれば本発明の範囲である。本発明の第二の態様では、すなわち請求項2に記載の発明では、上記数式(1)を使うことは必須ではなく、補給液の補給速度を上記数式(1)から求められるW(数式(1)を変形した他の数式から求めたものであってもよい)の±5%以内の範囲とすればよく、上記数式(1)から求められるWは単なる基準値にとどまる。なお、エッチング速度のばらつきは、エッチングの初期、中期、終期を含むいくつかの時点でのエッチング後の銅箔層の厚みを数点測定し、エッチングされた銅箔層の平均厚みを求め、初期、中期、終期において、その平均値のばらつきを計算することなどにより求める。また、本発明の第二の態様補給液の好ましい成分や濃度は本発明の第一の態様と同じである。
【0022】
数式(1)を変形した他の数式については、例えば、一方の数値に対し無視できる程度の数値である場合、それを無視した近似式とする場合や、無視できる程度の数値であっても、無視せずに計算する場合がある。数式(1)は近似させた部分や近似させなかった部分があるが、これらは計算値において±5%以内の近似値が得られば、変形させることが可能である。例えば、1分間当たりの補給量は補給速度w(L/分)×1(分)であるが、この数字は通常v(エッチング液の量)の数百分の1なので、v+w≒vと近似できる。そこで、数式(1)はこれを採用しているが、近似式を採用せず、厳密な式に変形してもよいことは当然である。
逆に、数式(1)を更に近似し、より簡単な式とすることも可能である。例えば、数式(1)の分母のr・s・d/vは、vは大きい値なので、0と近似することが可能である。すると、数式(1)は下記数式(2)で表される近似式とすることができる。
【数4】
Figure 0004037784
かかる近似式のような数学的に変形可能な数式を採用することも、本発明の範囲内である。
【0023】
一般的に、エッチング液量vが大きいほど、濃度変動が小さくなるので、エッチング速度の制御はしやすくなり、エッチング液量とエッチング液と銅箔の接触面積sの比、v/sが小さくなるほど制御が困難になる。したがって、v/sは300〜500程度が適当である。
薬液タンクに準備しておく薬液の容量は、一バッチでの処理する基板の長さをライン速度で割って求めた処理時間と補給速度で決まるが、この量はさまざまな因子によって変動する。通常、エッチング液槽の0.5〜2倍容量の範囲でよい。また、1hr当たりエッチング液槽の容量の10〜100倍程度の液がスプレーされることがよく、薬液タンクから補給される補給量はスプレーされるエッチング液容量の0.1〜10倍程度がよい。
【0024】
薬液の補給は、数式(1)によって求められた補給速度wで又はこれを指標として行うが、具体的には吐出量を可変できる定量ポンプによって常時所定量補給する方法、吐出量固定の定量ポンプとタイマースイッチを組み合わせ、ポンプの入と切の時間設定によって補給量を制御する方法の何れを選択してもよい。ただし、後者の場合は切の時間が5分以内となるようにスイッチの時間設定を行うことが望ましい。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1
銅箔張回路基板として幅250mm、全長200m、銅箔厚さ12μmのフレキシブル両面銅箔張回路基板を、エッチング装置としてスプレー式水平エッチング装置を用いた。エッチング液、補給液(薬液)及びエッチング条件は表1の通りとした。表1の数値を使い、前記数式(1)の演算により求められた補給速度は1.28(L/分)であったので、補給速度1.28(L/分)で補給液を行いながらエッチングした。
【0026】
エッチング後の銅箔張回路基板の銅箔厚みを25mおきに測定した。測定は四端子電気抵抗式銅膜厚計(フィッシャーインストルメンツ社製 MMS−PCB)を用いて、一ヶ所につき12点測定し、平均値を算出した。結果は表2に示す通り、250mにわたって銅箔厚みを一定範囲に維持することができた。
【0027】
実施例2
銅箔張回路基板として、幅500mm、全長100m、銅箔厚さ18μmのフレキシブル片面銅箔張回路基板を、エッチング装置として、スプレー式水平エッチング装置を用いた。銅エッチング液、補給液、及びエッチング条件は表1の通りとした。表1の数値を使い、数式(1)の演算により求められた補給速度は0.95(L/分)であったので、補給速度0.95(L/分)で補給液を行いながらエッチングした。
【0028】
エッチング後の銅箔張回路基板の銅箔厚み測定を実施例1と同様にして、一ヶ所につき24点測定し、平均値を算出した。結果は表3に示す通り、エッチング初期と終了時においてほぼ同じエッチング速度が得られた。
【0029】
【表1】
Figure 0004037784
【0030】
【表2】
Figure 0004037784
【0031】
【表3】
Figure 0004037784
【0032】
比較例
銅箔張回路基板として、幅250mm、全長250m、銅箔厚さ12μmのフレキシブル片面銅箔張回路基板を用い、エッチング装置として、スプレー式水平エッチング装置を用い、表4に示す銅エッチング液及びエッチング条件を使用して、エッチングした。エッチング中に過酸化水素濃度を10分毎に分析し、初期濃度を維持するように30wt%過酸化水素水を補充した。
【0033】
【表4】
Figure 0004037784
【0034】
エッチング後の銅箔張回路基板の銅箔厚み測定を実施例1と同様にして、一ヶ所につき12点に測定した。結果は表5に示す通り、エッチング初期に比べてエッチング終了時ではエッチング速度が8%も低下した。
【0035】
【表5】
Figure 0004037784
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、過酸化水素/硫酸系銅エッチング液のエッチング速度を容易かつ長時間にわたり維持でき、エッチング量のばらつきを所望の範囲とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エッチング装置の概略図
【符号の説明】
1 基板
2、3 ロール
4 エッチングチャンバー
5、6 スプレーノズル
7 エッチング液槽
8 薬液タンク
9 薬液補給用ポンプ
10 廃液タンク
11 エッチングスプレー用ポンプ

Claims (2)

  1. 連続的に銅箔張回路基板を一定の搬送速度で搬送する手段、エッチング液槽からエッチング液を取出してスプレーエッチングする手段、エッチング液槽に補給液を供給する手段及びエッチング液槽から過剰のエッチング液を排出する手段を備えたエッチング装置を使用して、銅箔と電気絶縁体とから構成された銅箔張回路基板を、0.5〜1.5mol/Lの過酸化水素、過酸化水素に対して1〜2倍モル濃度の硫酸及び20〜50g/Lの銅イオンを主成分とする水溶液からなるエッチング液を用いてスプレーエッチングする際、エッチング液よりも1.2〜3倍高濃度の過酸化水素及びこの過酸化水素に対して1〜2倍モル濃度の硫酸を含有する補給液を、下記数式(1)の演算によって求められる補給速度w(L/分)に従って補給を行い、補給量と同量のエッチング液を排出することでエッチング速度のばらつきを±5%以内に維持することを特徴とする銅張回路基板のエッチング方法。
    Figure 0004037784
    但し、x(g/L)は初期エッチング液の過酸化水素濃度、z(g/L)は初期エッチング液の銅イオン濃度、f(g/L)は補給液の過酸化水素濃度、s(m2)はエッチング液と銅箔の接触面積、v(L)はエッチング液の液量、r(μm/分)は事前に初期濃度のエッチング液を用いて決められたエッチング条件でエッチング試験することにより求められるエッチング速度、d(g/cm3)は銅の密度である。aとbはzに対してr/xをプロットして、これを一次関数で近似したときに得られるy切片と傾きである。cはw=0としてエッチングしたとき、時間t(分)に対してln(xt)/ln(x0)をプロットし、これを一次関数で近似したときに得られる傾きをエッチング液と銅箔の接触面積sで除した値である。なお、ln(xt)は補給液を加えずに事前に決められたエッチング条件で、エッチングを行ったときの時間t(分)での過酸化水素濃度の自然対数、ln(x0)はエッチング開始時の過酸化水素濃度の自然対数である。
  2. 連続的に銅箔張回路基板を一定の搬送速度で搬送する手段、エッチング液槽からエッチング液を取出してスプレーエッチングする手段、エッチング液槽に補給液を供給する手段及びエッチング液槽から過剰のエッチング液を排出する手段を備えたエッチング装置を使用して、銅箔と電気絶縁体とから構成された銅箔張回路基板を、0.5〜1.5mol/Lの過酸化水素、過酸化水素に対して1〜2倍モル濃度の硫酸及び20〜50g/Lの銅イオンを主成分とする水溶液からなるエッチング液を用いてスプレーエッチングする際、下記数式(1)から求められる補給速度w(L/分)の±5%以内の範囲で、上記エッチング液より過酸化水素及び硫酸濃度が高濃度の補給液を、補給するように初期設定し、その設定条件でエッチングすることを特徴とする銅張回路基板のエッチング方法。
    Figure 0004037784
    但し、x(g/L)は初期エッチング液の過酸化水素濃度、z(g/L)は初期エッチング液の銅イオン濃度、f(g/L)は補給液の過酸化水素濃度、s(m2)はエッチング液と銅箔の接触面積、v(L)はエッチング液の液量、r(μm/分)は事前に初期濃度のエッチング液を用いて決められたエッチング条件でエッチング試験することにより求められるエッチング速度、d(g/cm3)は銅の密度である。aとbはzに対してr/xをプロットして、これを一次関数で近似したときに得られるy切片と傾きである。cはw=0としてエッチングしたとき、時間t(分)に対してln(xt)/ln(x0)をプロットし、これを一次関数で近似したときに得られる傾きをエッチング液と銅箔の接触面積sで除した値である。なお、ln(xt)は補給液を加えずに事前に決められたエッチング条件で、エッチングを行ったときの時間t(分)での過酸化水素濃度の自然対数、ln(x0)はエッチング開始時の過酸化水素濃度の自然対数である。
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