JP4037717B2 - 系統切換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷の運転中に2つの交流電源系統の切り換えを行う系統切換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ装置等の重要負荷に対しては、常時安定した電源を供給しなければならず、その間は一瞬たりとも停電状態の発生により負荷の運転が停止することは許されない。そのため、このような重要負荷に対しては、通常、2つの交流電源系統から電力供給を行うことができるようにしておき、負荷に対して現在電力供給を行っている系統(本明細書では「稼働系統」と呼ぶ)に異常が発生した場合には、直ちに他方の系統から電力供給が行われるように系統切換を行なうこととしている。系統切換装置は、このような場合の系統切換動作を行うものであり、系統切換方式の相違により半導体スイッチ形とハイブリッド形とに大別される。
【0003】
半導体スイッチ方式とは、系統切換の手段として半導体スイッチのみを用いる方式であり、この方式では瞬間的な電源遮断状態の発生が避けられないのが特徴である。一方、ハイブリッド方式とは、系統切換の手段として半導体スイッチ及び機械式スイッチの双方を併用する方式であり、この方式では無瞬断での系統切換を行うことができるのが特徴である(例えば特開平4−165930号公報)。以下、半導体スイッチ方式に係る従来の系統切換装置、及びハイブリッド方式に係る従来の系統切換装置のそれぞれにつき説明する。
【0004】
図8は、半導体スイッチ方式により系統切換動作を行う従来装置の構成図である。系統切換装置1は、第1の交流電源2A又は第2の交流電源2Bの何れか一方を稼働系統として選択し、その選択した側の系統からの交流電力を負荷6に対して供給するようになっている。系統切換装置1は第1の半導体スイッチ4A及び第2の半導体スイッチ4Bを有している。この第1の半導体スイッチ4A及び第2の半導体スイッチ4Bは、その入力側がそれぞれ入力遮断器3A,3Bを介して第1の交流電源2A及び第2の交流電源2Bに接続されており、また、出力側が共通接続点P及び出力遮断器5を介して負荷6に接続されている。
【0005】
次に、図8の動作を説明する。図9は、稼働系統をA系(第1の交流電源2A、入力遮断器3A、第1の半導体スイッチ4A、共通接続点P、及び出力遮断器5を通って負荷6に至る系統)からB系(第2の交流電源2B、入力遮断器3B、第2の半導体スイッチ4B、共通接続点P、及び出力遮断器5を通って負荷6に至る系統)に切り換える場合についてのタイムチャートである。
【0006】
まず、負荷6の運転中は入力遮断器3A,3B及び出力遮断器5は常時オンになっている。そして、稼働系統がA系に選択されているときには第1の半導体スイッチ4Aがオン、第2の半導体スイッチ4Bがオフになっているので、負荷6には第1の交流電源2Aからの交流電力が入力遮断器3A、第1の半導体スイッチ4A、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して供給される。この状態で、稼働系統をA系からB系に切り換えるべく、それまでオン状態であった第1の半導体スイッチ4Aが時刻t1にオフとなる。したがって、この時点で第1の交流電源2Aから負荷6に対する交流電力の供給が瞬時の間遮断されるが、時刻t2に第2の半導体スイッチ4Bがオンとなるので、負荷6には第2の交流電源2Bからの交流電力が入力遮断器3B、第2の半導体スイッチ4B、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して供給されることになる。
【0007】
このような半導体スイッチ方式の系統切換では、限流要素がないために切換時点で両系統をラップさせることができず、常に瞬断切換となる。また、この方式では給電経路に常時半導体スイッチが入ることになるため大きな電力損失が発生し、更に半導体スイッチを構成するスイッチング素子は長時間の使用に耐えるものを用いなければならない、などの短所を有している。しかし、この方式では、系統間に横流が発生しないので、上位系統のシステムに関係なく適用することが可能であるという長所を有している。
【0008】
図10は、ハイブリッド方式により系統切換動作を行う従来装置の構成図である。この系統切換装置7も、図8の場合と同様に、第1の交流電源2A又は第2の交流電源2Bの何れか一方を稼働系統として選択し、その選択した側の系統からの交流電力を負荷6に対して供給するものである。系統切換装置7は第1の半導体スイッチ8A及び第2の半導体スイッチ8Bを有している。この第1の半導体スイッチ8A及び第2の半導体スイッチ8Bは、その入力側がそれぞれ入力遮断器3A,3Bを介して第1の交流電源2A及び第2の交流電源2Bに接続されており、出力側がそれぞれ第1の電流制限用リアクトル9A及び第2の電流制限用リアクトル9Bを介して共通接続点Pに接続されている。そして、この共通接続点Pが出力遮断器5を介して負荷6に接続されている。
【0009】
また、半導体スイッチ8A,8Bの入力側の点PA,PBと、共通接続点Pとの間には双投式の切換スイッチ10が接続されている。なお、このハイブリッド方式で用いられる半導体スイッチ8A,8Bは、半導体スイッチ方式で用いられる半導体スイッチ4A,4Bと異なり、系統切換の際の短時間の間のみ使用することを前提として作られたものである。
【0010】
次に、図10の動作を説明する。図11は、稼働系統をA系(第1の交流電源2A、入力遮断器3A、点PA、切換スイッチ10、共通接続点P、及び出力遮断器5を通って負荷6に至る系統)からB系(第2の交流電源2B、入力遮断器3B、点PB、切換スイッチ10、共通接続点P、及び出力遮断器5を通って負荷6に至る系統)に切り換える場合についてのタイムチャートである。
【0011】
まず、負荷6の運転中は入力遮断器3A,3B及び出力遮断器5は常時オンになっている。そして、稼働系統がA系に選択されているときには、切換スイッチ10の接点はPA側に位置しており、半導体スイッチ8A,8Bはオフになっているので、負荷6には上記のA系を経由して交流電力が供給されている。
【0012】
そして、この状態から稼働系統をA系からB系に切り換えるべく、時刻t1で第2の半導体スイッチ8Bをオンにし、続いて時刻t2で切換スイッチ10のPA側からPB側への切換動作を開始する。切換スイッチ10のこの切換動作は時刻t3で完了し、その後時刻t4で第2の半導体スイッチ8Bがオフになる。切換スイッチ10は半導体スイッチに比べて切換速度が非常に遅い機械式スイッチであり、時刻t2〜t3までの期間がかなり長いものとなる。そのため、もし切換スイッチ10のみで切り換えを行った場合には、この期間における負荷6に対する電力供給が遮断されることになり、負荷6側ではシステムダウン等の事故が発生する虞がある。
【0013】
しかし、この図10の構成では、時刻t2〜t3の期間をカバーする時刻t1〜t4の期間において第2の半導体スイッチ8Bがオンになっているので、第2の交流電源2Bからの交流電力が第2の半導体スイッチ8B及び第2の電流制限用リアクトル9Bを介して負荷6に対して供給される。したがって、A系からB系への切換動作を無瞬断で行うことができ、負荷6側に切換動作の際の悪影響が及ぶのを防止することができる。
【0014】
このように、ハイブリッド方式は、A系からの電力供給とB系からの電力供給とがラップする期間が設けられているため系統の切換動作を無瞬断で行うことができ、負荷6に対する影響の観点からは半導体スイッチ方式よりも好ましい方式であるということができる。また、機械式スイッチの切換動作完了後は半導体スイッチがオフするために電力損失を小さくすることもできる。
【0015】
しかし、時刻t1で第2の半導体スイッチ8Bをオンにした直後はA系から負荷6への電力供給が行われているため、この第2の半導体スイッチ8Bから出力される電流がA系側へ横流として流入しようとする。この横流は第2の電流制限用リアクトル9Bによって抑制されるようになっているが、負荷6の運転状況によっては過大な電流レベル(このときの電流レベルの大きさは、オペレータの操作に基づく手動切換の場合にあっては両系統の電源電圧の差及び位相差によって決定され、また、異常事故発生に基づく自動切換の場合にあっては各系統の負荷量に依存するようになっている)となることがある。そして、過大な横流が発生した場合には、系統切換装置自体が故障したり、交流電源側に悪影響が及んだり、あるいは負荷6側の電圧が変動したりするなどの異常が発生する虞がある。したがって、系統切換方式としてハイブリッド方式を採用する場合は、その採用の可否についてシステムの詳細を充分に検討する必要がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、半導体スイッチ方式による系統切換は、系統間で横流が発生することはなく、また、電力損失を小さくできるという長所を有する反面、瞬間的な電源遮断状態の発生を避けることができず負荷に対して悪影響を及ぼす虞があるという短所を有している。一方、ハイブリッド方式による系統切換は、無瞬断で系統切換を行うことができるという長所を有する反面、系統間で過大な横流が発生する虞があるという短所を有している。したがって、系統切換装置として半導体スイッチ形、ハイブリッド形のいずれを採用するかについては、種々の条件を考慮して慎重に決定する必要がある。
【0017】
しかし、一旦、系統切換の方式を決定した後で、システムの改修等を行った場合にはその都度、異なる切換方式の系統切換装置を設置し直さなければならず、あるいは負荷量が大きく変動する負荷の場合には運転期間中においても適用すべき切換方式が随時変化することがある。ところが、従来の系統切換装置は、いずれか一方の方式でしか切換動作を行うことができないため、このような運転条件の変更に迅速且つ容易に対処することができなかった。
【0018】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、運転条件の変更に迅速且つ容易に対処することが可能な系統切換装置を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、第1の交流電源系統又は第2の交流電源系統のうち稼働系統として選択したいずれか一方の系統からの交流電力を負荷に対して供給し、更にこの負荷の運転中に稼働系統を他方の系統に切り換えることが可能な系統切換装置において、入力側が前記第1の交流電源系統に接続された第1の半導体スイッチと、一端側が前記第1の半導体スイッチの出力側に接続され、他端側が前記負荷に接続された第1の電流制限用リアクトルと、入力側が前記第2の交流電源系統に接続された第2の半導体スイッチと、一端側が前記第2の半導体スイッチの出力側に接続され、他端側が前記第1の電流制限用リアクトルの他端と共に前記負荷に接続された第2の電流制限用リアクトルと、前記第1及び第2の半導体スイッチ並びに前記第1及び第2の電流制限用リアクトルのそれぞれをバイパスした電力供給経路又はバイパスしない電力供給経路を形成し、前記負荷の運転中での稼働系統の切り換えを半導体スイッチ方式又はハイブリッド方式のいずれかの方式で行うことを可能にする複数の機械式スイッチと、を備え、前記半導体スイッチ方式で系統切換を行う場合は、前記第1及び第2の電流制限用リアクトルのみをバイパスした電力供給経路を前記複数の機械式スイッチが形成した状態にしておき、この状態で前記一方の系統に接続されている側の半導体スイッチをオンからオフに切り換え、その直後に、前記他方の系統に接続されている側の半導体スイッチをオフからオンに切り換えるようにし、前記ハイブリッド方式で系統切換を行う場合は、前記一方の系統に接続された側の半導体スイッチをオフ状態にしておき、この状態で前記複数の機械式スイッチは、前記一方の系統に接続されている側の半導体スイッチ及び電流制限用リアクトルをバイパスするように形成されていた電力供給経路の遮断動作を開始すると共に、前記他方の系統に接続されている側の半導体スイッチ及び電流制限用リアクトルをバイパスする電力供給経路の形成動作を開始し、前記一方の系統に接続された側の半導体スイッチをバイパスするように形成されていた電力供給経路の前記遮断動作開始直前から前記他方の系統に接続された側の半導体スイッチをバイパスする電力供給経路の前記形成動作終了直後までの期間のみは、前記他方の系統に接続された側の半導体スイッチをオンにしておく、ことを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数の機械式スイッチは、前記第1の半導体スイッチに並列接続された第1の機械式スイッチ、前記第1の電流制限用リアクトルに並列接続された第2の機械式スイッチ、前記第2の半導体スイッチに並列接続された第3の機械式スイッチ、及び前記第2の電流制限用リアクトルに並列接続された第4の機械式スイッチであり、前記半導体スイッチ方式で系統切換を行う場合は、前記第1及び第3の機械式スイッチをオフ状態にすると共に前記第2及び第4の機械式スイッチをオン状態にしておき、この状態で前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)をオンからオフに切り換え、その直後に、前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオフからオンに切り換えるようにし、前記ハイブリッド方式で系統切換を行う場合は、前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)をオフ状態にしておき、この状態で前記第1及び第2の機械式スイッチ(又は第3及び第4の機械式スイッチ)のオンからオフへの切換動作を開始すると共に、前記第3及び第4の機械式スイッチ(又は第1及び第2の機械式スイッチ)のオフからオンへの切換動作を開始し、少なくとも前記第1の機械式スイッチ(又は第3の機械式スイッチ)のオンからオフへの切換動作開始直前から前記第3の機械式スイッチ(又は第1の機械式スイッチ)のオフからオンへの切換動作終了直後までの期間は、前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオンにしておく、ことを特徴とする。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記複数の機械式スイッチは、前記第1の交流電源系統からの交流電力を前記第1の半導体スイッチを介して前記負荷に供給する電力供給経路、又は前記第2の交流電源系統からの交流電力を前記負荷に直接供給する電力供給経路を形成する第1の切換スイッチ、及び前記第2の交流電源系統からの交流電力を前記第2の半導体スイッチを介して前記負荷に供給する電力供給経路、又は前記第1の交流電源系統からの交流電力を前記負荷に直接供給する電力供給経路を形成する第2の切換スイッチであり、前記半導体スイッチ方式で系統切換を行う場合は、前記第1の切換スイッチが前記第1の半導体スイッチを介した第1の交流電源系統の電力供給経路を形成すると共に、前記第2の切換スイッチが前記第2の半導体スイッチを介した第2の交流電源系統の電力供給経路を形成した状態にしておき、この状態で前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)をオンからオフに切り換え、その直後に、前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオフからオンに切り換えるようにし、前記ハイブリッド方式で系統切換を行う場合は、前記第1及び第2の半導体スイッチをオフ状態にしておき、この状態で前記第1の切換スイッチ(又は第2の切換スイッチ)に対して前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)を介した第1の交流電源系統(又は第2の交流電源系統)の電力供給経路から前記第2の交流電源系統(又は第1の交流電源系統)の直接の電力供給経路への経路切換動作を開始させると共に、第2の切換スイッチ(又は第1の切換スイッチ)に対して前記第1の交流電源系統(又は第2の交流電源系統)の直接の電力供給経路から前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)を介した第2の交流電源系統(又は第1の交流電源系統)の電力供給経路への経路切換動作を開始させ、前記第1及び第2の切換スイッチの経路切換動作開始直前から経路切換動作終了直後までの期間は前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオンにしておく、ことを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記第1の交流電源系統から第1の無停電電源装置を介して交流電力を入力する場合に、この第1の無停電電源装置の負荷電流検出値が設定値より小さく且つこの第1の無停電電源装置が正常運転状態であることを条件に、第1の交流電源系統側から第2の交流電源系統へのハイブリッド方式による稼働系統の切り換えを許可する第1のハイブリッド切換許可回路と、前記第2の交流電源系統から第2の無停電電源装置を介して交流電力を入力する場合に、この第2の無停電電源装置の負荷電流検出値が設定値より小さく且つこの第2の無停電電源装置が正常運転状態であることを条件に、第2の交流電源系統側から第1の交流電源系統へのハイブリッド方式による稼働系統の切り換えを許可する第2のハイブリッド切換許可回路と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記第1の交流電源系統及び第2の交流電源系統間で稼働系統の切り換えを行ったときに発生する横流を、この第1の交流電源系統と第2の交流電源系統との間の電圧差及び位相差に基づき演算する横流予測手段と、前記横流予測手段による予測結果と、前記第1の交流電源系統側又は第2の交流電源系統側の負荷供給電流の検出に基づき求められた横流許容量とから、前記ハイブリッド方式による稼働系統への切り換えを手動操作で行うことを許可する手動時ハイブリッド切換許可回路と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態の構成図である。系統切換装置11は、従来装置と同様に、第1の交流電源2A又は第2の交流電源2Bの何れか一方を稼働系統として選択し、その選択した側の系統からの交流電力を負荷6に対して供給するようになっている。この系統切換装置11は、図8又は図10において示したのと同様の構成要素と、本図において新たに追加された構成要素とを有している。
【0028】
すなわち、系統切換装置11は、入力側が入力遮断器3Aを介して第1の交流電源2Aに接続された第1の半導体スイッチ4Aと、一端側が第1の半導体スイッチ4Aの出力側に接続され、他端側が共通接続点P及び出力遮断器5を介して負荷6に接続された第1の電流制限用リアクトル9Aと、入力側が入力遮断器3Bを介して第2の交流電源2Bに接続された第2の半導体スイッチ4Bと、一端側が第2の半導体スイッチ4Bの出力側に接続され、他端側が第1の電流制限用リアクトル9Aの他端と共に共通接続点Pにおいて接続された第2の電流制限用リアクトル9Bとを有している。
【0029】
そして、第1の半導体スイッチ4Aには第1の機械式スイッチ12が、第1の電流制限用リアクトル9Aには第2の機械式スイッチ13が、第2の半導体スイッチ4Bには第3の機械式スイッチ14が、第2の電流制限用リアクトル9Bには第4の機械式スイッチ15が、それぞれ並列接続されている。これらの機械式スイッチ12〜15は、図示を省略してある制御回路により、手動で(オペレータが制御盤を操作する)、あるいは異常発生の検出時には自動で、オン、オフが制御されるようになっている。
【0030】
系統切換装置11は、また、A系及びB系に沿って設けられたメインテナンス用バイパス路16,17を有しており、これらメインテナンス用バイパス路16,17には、それぞれバイパス路遮断器18,19が配設されている。これらは、入力遮断器3A又は3Bと、出力遮断器5とをオフした状態で各系統の構成機器についてメインテナンスを行っている期間においても、第1の交流電源2A又は第2の交流電源2Bからの交流電力を負荷6に対して供給できるようにするためのものである。
【0031】
上記のような構成を有する系統切換装置11によれば、第1の交流電源2A及び第2の交流電源2B間で系統切換を行う際の方式を迅速且つ容易に選択することができる。
【0032】
次に、図1の動作を図2のタイムチャートに基づき説明する。まず、半導体スイッチ方式により稼働系統をA系からB系に切り換える場合を図2(a)に基づき説明する。なお、通常運転中は入力遮断器3A,3B及び出力遮断器5はオン、バイパス路遮断器18,19はオフとなっている。
【0033】
半導体スイッチ方式で切換動作を行う場合、第1の機械式スイッチ12及び第3の機械式スイッチ14は常時オフであり、また、第2の機械式スイッチ13及び第4の機械式スイッチ15は常時オンになっている。したがって、この場合の系統切換装置11における回路構成は、図8の系統切換装置1における回路構成と等価になる。
【0034】
それ故、この場合の系統切換動作も図9に示した動作と実質的にほぼ同じものとなる。すなわち、稼働系統がA系に選択されているときには第1の半導体スイッチ4Aがオン、第2の半導体スイッチ4Bがオフになっているので、負荷6には第1の交流電源2Aからの交流電力が入力遮断器3A、第1の半導体スイッチ4A、第2の機械式スイッチ13、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して供給される。この状態で、稼働系統をA系からB系に切り換えるべく、それまでオン状態であった第1の半導体スイッチ4Aが時刻t1にオフとなる。したがって、この時点で第1の交流電源2Aから負荷6に対する交流電力の供給が瞬時の間遮断されるが、時刻t2に第2の半導体スイッチ4Bがオンとなるので、負荷6には第2の交流電源2Bからの交流電力が入力遮断器3B、第2の半導体スイッチ4B、第4の機械式スイッチ15、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して供給されることになる。
【0035】
次に、ハイブリッド方式により稼働系統をA系からB系に切り換える場合を図2(b)に基づき説明する。稼働系統がA系に選択されているときには第1の半導体スイッチ4Aがオフ、第1及び第2の機械式スイッチ12,13がオン、第2の半導体スイッチ4Bがオフ、第3及び第4の機械式スイッチ14,15がオフとなっているので、第1の交流電源2Aからの交流電力が入力遮断器3A、第1の機械式スイッチ12、第2の機械式スイッチ13、共通接続点P、出力遮断器5、を経由して負荷6に供給されている。
【0036】
そして、この状態で稼働系統をA系からB系に切り換えるべく、時刻t1で第2の半導体スイッチ4Bをオンにし、次いで時刻t2で第1の機械式スイッチ12のオフ動作を開始すると共に第3の機械式スイッチ14のオン動作を開始する。更に、時刻t3で第2の機械式スイッチ13のオフ動作を開始すると共に第4の機械式スイッチ15のオン動作を開始する。
【0037】
第2の半導体スイッチ4Bがオンになった時刻t1直後においては、まだ第1の機械式スイッチ12及び第2の機械式スイッチ13はオンになっているため、第2の半導体スイッチ4Bから出力される電流が横流となって、これらのスイッチ13,12、及び入力遮断器3Aを介して第1の交流電源2A側に流入しようとするが、このとき第4の機械式スイッチ15はオフとなっているので、この横流は第2の電流制限用リアクトル9Bにより抑制されることになる。
【0038】
そして、時刻t4の時点でスイッチ12が完全にオフになると共にスイッチ14が完全にオンになる。したがって、この時点では第1の交流電源2Aからの交流電力は完全に遮断され、一方、第2の交流電源2Bからの交流電力は第2の半導体スイッチ4B及び第3の機械式スイッチ14の双方を通って負荷6側に供給されている。
【0039】
次いで、時刻t5で第2の半導体スイッチ4Bがオフとなり、この時点で第2の交流電源2Bからの交流電力は第3の機械式スイッチ14のみを通って負荷6側に供給されることになる。この後、時刻t6で第2の機械式スイッチ13が完全にオフとなり、第4の機械式スイッチ15が完全にオンとなる。これにより、A系からB系への系統切換動作が完了する。なお、時刻t3〜t6で第2の機械式スイッチ13をオフにしているが、これはA系からB系への切り換えに必要なものではなく、この後B系からA系へ切り換えを行う場合に、A系からB系への横流を第1の電流制限用リアクトル9Aにより抑制するために必要なものである。
【0040】
上記のように、図1の構成によれば、半導体スイッチ4A,4B、及び機械式スイッチ12〜15のオンオフを制御することにより、半導体スイッチ方式、ハイブリッド方式のいずれの方式によっても系統切換動作を行うことができるようになり、運転条件の変更に迅速且つ容易に対処することが可能になる。
【0041】
図3は、本発明の第2の実施形態の構成図である。図3が図1と異なる点は、機械式スイッチ12〜15の代わりに双投式の第1の切換スイッチ21及び第2の切換スイッチ22を用いている点である。第1の切換スイッチ21の一方の側は点PA2,PB1に接続され、他方の側は共通接続点Pに接続されている。第2の切換スイッチ22の一方の側は点PA1,PB2に接続され、他方の側は共通接続点Pに接続されている。
【0042】
次に、図3の動作を図4のタイムチャートに基づき説明する。半導体スイッチ方式で稼働系統をA系からB系に切り換える場合の各スイッチのオンオフ状態についての変化は図4(a)に示すようになる。この図に示すように、第1の切換スイッチ21の接点はPA2側、第2の切換スイッチ22の接点はPB2側に常時位置している。したがって、第1の電流制限用リアクトル9A及び第2の電流制限用リアクトル9Bはこれらスイッチ21,22によりバイパスされた状態になっており、この状態の回路構成は図8と等価なものになっている。
【0043】
そして、稼働系統がA系に選択されているときには、第1の半導体スイッチ4Aがオン、第2の半導体スイッチ4Bがオフになっているので、負荷6には第1の交流電源2Aからの交流電力が入力遮断器3A、第1の半導体スイッチ4A、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して供給される。この状態で、稼働系統をA系からB系に切り換えるべく、それまでオン状態であった第1の半導体スイッチ4Aが時刻t1にオフとなる。したがって、この時点で第1の交流電源2Aから負荷6に対する交流電力の供給が瞬時の間遮断されるが、時刻t2に第2の半導体スイッチ4Bがオンとなるので、負荷6には第2の交流電源2Bからの交流電力が入力遮断器3B、第2の半導体スイッチ4B、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して供給されることになる。
【0044】
また、ハイブリッド方式で稼働系統をA系からB系に切り換える場合の各スイッチのオンオフ状態についての変化は図4(b)に示すようになる。すなわち、稼働系統がA系に選択されているときには、半導体スイッチ4A,4Bはオフ、切換スイッチ21はPA2側、切換スイッチ22はPA1側になっているので、第1の交流電源2Aからの交流電力が、入力遮断器3A、点PA1、第2の切換スイッチ22、共通接続点P、及び出力遮断器5を経由して負荷6に供給されている。
【0045】
そして、この状態で稼働系統をA系からB系に切り換えるべく、時刻t1で第2の半導体スイッチ4Bをオンにし、続いて時刻t2で第1の切換スイッチ21のPA2側からPB1側への切換動作を開始すると共に、第2の切換スイッチ22のPA1側からPB2側への切換動作を開始する。これら切換スイッチ21,22の切換動作は時刻t3で完了し、その後時刻t4で第2の半導体スイッチ4Bがオフになる。したがって、図10の場合と同様に、A系からB系への切換動作を無瞬断で行うことができ、負荷6側に切換動作の際の悪影響が及ぶのを防止することができる。
【0046】
この図3の第2の実施形態では、機械式スイッチとして双投形の切換スイッチ21,22を用いているので、図1の第1の実施形態に比べて機械式スイッチの数が削減された結果となっている。したがって、スイッチのオンオフ制御がより簡単化されると共に、スイッチ数の削減によりコストが低減化された結果となっている。
【0047】
図5は、本発明の第3の実施形態の構成を示すと共に、この実施形態を適用した電源供給システムの構成を示した説明図である。この実施形態に係る系統切換装置は、ハイブリッド方式による系統切換について許可又は禁止を与える機能を有するものであり、また、交流電源系統には無停電電源装置が含まれているものである。
【0048】
図5において、系統切換装置23は、図1の系統切換装置11とほぼ同様の構成であるが、第1のハイブリッド切換許可回路24及び第2のハイブリッド切換許可回路25を有する点が異なっている。この系統切換装置23には、第1の無停電電源装置26Aからの交流電力がA系入力として供給されると共に、第2の無停電電源装置26Bからの交流電力がB系入力として供給されるようになっている。これら無停電電源装置26A,26Bは、それぞれ負荷6A,6Bに対しても交流電力を出力している。
【0049】
すなわち、この図5の電源供給システムでは、通常運転時には、系統切換装置23及び無停電電源装置26A,26Bの3つの装置が常時出力を行っており、コンピュータ装置などの最も重要な負荷6が系統切換装置23からの交流電力の供給を受け、通常負荷6A,6Bが無停電電源装置26A,26Bからの交流電力の供給を受けるようになっている。したがって、系統切換装置23はA系又はB系の何れかの系統を稼働系統として切り換えることができるので、A系又はB系の何れか一方に異常が発生したとしても、負荷6,6A,6Bのうち少なくとも最重要負荷6についてだけは系統切換装置23の切換動作により継続して交流電力が供給されるようになっている。
【0050】
第1の無停電電源装置26Aは、入力遮断器27Aを介して第1の交流電源2Aからの交流電力を入力してこれを直流電力に変換するコンバータ28Aと、コンバータ28Aからの直流電力を交流電力に変換してこれを切換スイッチ30Aを介して負荷6Aに出力するインバータ29Aと、停電時にコンバータ28Aに代わって直流電力をインバータ29Aに供給するバッテリー31Aと、バイパス遮断器33Aが設けられているバイパス路32Aと、負荷6Aへ出力される負荷電流を検出する電流検出器34Aと、電流検出器34Aからの検出信号に基づきハイブリッド方式によるA系からB系への系統切換の可否を判定する判定回路35Aとを有している。第2の無停電電源装置26Bも上記の第1の無停電電源装置26Aと同様の構成となっている。
【0051】
図6は、図5の判定回路35Aについての論理構成図である。この図に示すように、判定回路35Aは、AND回路36Aを有しており、負荷電流が設定値よりも小さいという条件とUPS(無停電電源装置)が正常運転状態であるという条件の2つの条件が共に成立した場合に、ハイブリッド方式によるA系からB系への系統切換が可能である旨の判定信号を第1のハイブリッド切換許可回路24に出力するようになっている。
【0052】
次に、図5の動作につき説明する。いま、第1の無停電電源装置26A、系統切換装置23、及び第2の無停電電源装置26Bのいずれも正常な運転状態でそれぞれ負荷6A,6,6Bに交流電力を供給しており、系統切換装置23は、A系入力すなわち第1の無停電電源装置26Aからの入力に基づき負荷6に交流電力を供給しているものとする。この状態で、A系のいずれかの個所で異常が発生した場合、図示を省略している制御回路は、スイッチ4A,4B、及びスイッチ12〜15のオンオフ制御により系統切換装置23における稼働系統をA系からB系に切り換えようとする。
【0053】
このとき、判定回路35Aは図6にて説明した2つの条件が成立しているか否かに基づく判定を行い、その判定結果を第1のハイブリッド切換許可回路24に出力する。第1のハイブリッド切換許可回路24は、この判定結果を受けて、制御回路に対してハイブリッド方式による系統切換を許可する信号又は禁止する信号を出力する。
【0054】
ここで、ハイブリッド方式による系統切換が禁止される場合とは、例えば、負荷6Aへの負荷電流が設定値よりも大きな場合、あるいは切換スイッチ30Aがバイパス路32A側に切り換えられて第1の交流電源2Aからの直送給電が行われているような場合である。したがって、この場合には系統切換装置23はハイブリッド方式ではなく、半導体スイッチ方式により系統切換動作を行う。この場合の切換動作の内容については第1の実施形態において既述しているので重複した説明を省略する。
【0055】
また、ハイブリッド方式による系統切換が許可された場合、系統切換装置23はそのままハイブリッド方式による系統切換を実行するがこの場合の切換動作の内容についても第1の実施形態で既述しているので省略する。なお、図5の構成では、判定回路35A,35Bがそれぞれ無停電電源装置26A,26Bに設けられている場合を示したが、これら判定回路35A,35Bは系統切換装置23に設けることも可能である。
【0056】
このように、この第3の実施形態では系統切換装置23が、ハイブリッド方式による系統切換の可否をチェックする機能を備えているので、ハイブリッド方式による切換実行時に過大な横流の発生によってシステムに支障を及ぼすことを未然に防ぐことができる。
【0057】
図7は、本発明の第4の実施形態の構成を示すと共に、この実施形態を適用した電源供給システムの構成を示した説明図である。この実施形態は、オペレータが制御盤の手動操作でハイブリッド方式による系統切換を行おうとする場合に、この系統切換に伴って発生する横流の大きさを予測し、この予測結果に基づきハイブリッド方式による系統切換の可否をチェックする機能を備えたものである。
【0058】
図7の構成は、図5における第1の無停電電源装置26A、系統切換装置23、及び第2の無停電電源装置26Bをそれぞれ第1の無停電電源装置40A、系統切換装置37、及び第2の無停電電源装置40Bに置き換えたものである。系統切換装置37が系統切換装置23と異なる主な点は、横流予測手段38及び手動時ハイブリッド切換許可回路39を備えている点であり、無停電電源装置40A,40Bが無停電電源装置26A,26Bと異なる主な点は横流許容量演算回路41A,41Bを備えている点である。
【0059】
横流予測手段38はA系及びB系の電圧検出信号を入力しており、A系とB系との間の電圧差及び位相差に基づき、ハイブリッド方式による系統切換を行った場合に発生する横流Iを予測演算するようになっている。この予測演算は次のようにして行う。すなわち、A系入力電圧をVA、B系入力電圧をVB、位相差をθ、周波数をf、インダクタンスをLとすれば、系統間の差電圧ΔVは(1)式により求められ、この(1)式の結果を用いて横流Iを(2)式により求めることができる。ここで、入力電圧が無停電電源装置からのものである場合には、一般に、θ≒0となるため、sinθ≒θ、cosθ≒1とすることができるので、(2)式の代わりに(3)式を用いて横流Iを求めることができる。
【0060】
【数1】
Figure 0004037717
横流許容量演算回路41A,41Bは電流検出器34A,34Bの検出値に基づき横流許容量を演算する。この演算は、予め設定されている最大横流許容量から検出電流量を差し引く簡単なものである。系統切換装置37には減算器42A,42Bが設けられており、横流許容量演算回路41Aからの横流許容量と横流予測手段38からの予測量との偏差、及び横流許容量演算回路41Bからの横流許容量と横流予測手段38からの予測量との偏差が手動時ハイブリッド切換許可回路39に入力されるようになっている。手動時ハイブリッド切換許可回路39は、これらの入力に基づきオペレータが手動操作によって稼働系統をA系からB系に切り換える場合、あるいはB系からA系に切り換える場合にハイブリッド方式を採用することの可否についての許可信号又は禁止信号を制御回路に出力するようになっている。
【0061】
上記の第4の実施形態によれば、オペレータがハイブリッド方式による系統切換を手動操作で行おうとする場合に、負荷状態で決まる横流許容量と、予測演算した横流量との比較に基づき、その系統切換の可否を判定しているので、過大な横流に起因する異常事故の発生を未然に防ぎ、より安全な系統切換を実行することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、運転条件の変更に迅速且つ容易に対処することが可能な系統切換装置を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成図。
【図2】図1の動作を説明するためのタイムチャートであり、(a)は半導体スイッチ方式による切換動作の場合、(b)はハイブリッド方式による切換動作の場合を示している。
【図3】本発明の第2の実施形態の構成図。
【図4】図3の動作を説明するためのタイムチャートであり、(a)は半導体スイッチ方式による切換動作の場合、(b)はハイブリッド方式による切換動作の場合を示している。
【図5】本発明の第3の実施形態の構成を示すと共に、この実施形態を適用した電源供給システムの構成を示した説明図。
【図6】図5の判定回路35Aについての論理構成図。
【図7】本発明の第4の実施形態の構成を示すと共に、この実施形態を適用した電源供給システムの構成を示した説明図。
【図8】半導体スイッチ方式により系統切換動作を行う従来装置の構成図。
【図9】図8の動作を説明するためのタイムチャート。
【図10】ハイブリッド方式により系統切換動作を行う従来装置の構成図。
【図11】図10の動作を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
1 系統切換装置
2A 第1の交流電源
2B 第2の交流電源
3A,3B 入力遮断器
4A 第1の半導体スイッチ
4B 第2の半導体スイッチ
5 出力遮断器
6,6A,6B 負荷
7 系統切換装置
8A 第1の半導体スイッチ
8B 第2の半導体スイッチ
9A 第1の電流制限用リアクトル
9B 第2の電流制限用リアクトル
10 切換スイッチ
11 系統切換装置
12 第1の機械式スイッチ
13 第2の機械式スイッチ
14 第3の機械式スイッチ
15 第4の機械式スイッチ
16 メインテナンス用バイパス路
17 メインテナンス用バイパス路
18,19 バイパス路遮断器
20 系統切換装置
21 第1の切換スイッチ
22 第2の切換スイッチ
23 系統切換装置
24 第1のハイブリッド切換許可回路
25 第2のハイブリッド切換許可回路
26A 第1の無停電電源装置
26B 第2の無停電電源装置
27A,27B 入力遮断器
28A,28B コンバータ
29A,29B インバータ
30A,30B 切換スイッチ
31A,31B バッテリー
32A,32B バイパス路
33A,33B バイパス遮断器
34A,34B 電流検出器
35A,35B 判定回路
36A AND回路
37 系統切換装置
38 横流予測手段
39 手動時ハイブリッド切換許可回路
40A 第1の無停電電源装置
40B 第2の無停電電源装置
41A,41B 横流許容量演算回路
42A,42B 減算器

Claims (5)

  1. 第1の交流電源系統又は第2の交流電源系統のうち稼働系統として選択したいずれか一方の系統からの交流電力を負荷に対して供給し、更にこの負荷の運転中に稼働系統を他方の系統に切り換えることが可能な系統切換装置において、
    入力側が前記第1の交流電源系統に接続された第1の半導体スイッチと、
    一端側が前記第1の半導体スイッチの出力側に接続され、他端側が前記負荷に接続された第1の電流制限用リアクトルと、
    入力側が前記第2の交流電源系統に接続された第2の半導体スイッチと、
    一端側が前記第2の半導体スイッチの出力側に接続され、他端側が前記第1の電流制限用リアクトルの他端と共に前記負荷に接続された第2の電流制限用リアクトルと、
    前記第1及び第2の半導体スイッチ並びに前記第1及び第2の電流制限用リアクトルのそれぞれをバイパスした電力供給経路又はバイパスしない電力供給経路を形成し、前記負荷の運転中での稼働系統の切り換えを半導体スイッチ方式又はハイブリッド方式のいずれかの方式で行うことを可能にする複数の機械式スイッチと、
    を備え、
    前記半導体スイッチ方式で系統切換を行う場合は、前記第1及び第2の電流制限用リアクトルのみをバイパスした電力供給経路を前記複数の機械式スイッチが形成した状態にしておき、この状態で前記一方の系統に接続されている側の半導体スイッチをオンからオフに切り換え、その直後に、前記他方の系統に接続されている側の半導体スイッチをオフからオンに切り換えるようにし、
    前記ハイブリッド方式で系統切換を行う場合は、前記一方の系統に接続された側の半導体スイッチをオフ状態にしておき、この状態で前記複数の機械式スイッチは、前記一方の系統に接続されている側の半導体スイッチ及び電流制限用リアクトルをバイパスするように形成されていた電力供給経路の遮断動作を開始すると共に、前記他方の系統に接続されている側の半導体スイッチ及び電流制限用リアクトルをバイパスする電力供給経路の形成動作を開始し、前記一方の系統に接続された側の半導体スイッチをバイパスするように形成されていた電力供給経路の前記遮断動作開始直前から前記他方の系統に接続された側の半導体スイッチをバイパスする電力供給経路の前記形成動作終了直後までの期間のみは、前記他方の系統に接続された側の半導体スイッチをオンにしておく、
    ことを特徴とする系統切換装置。
  2. 前記複数の機械式スイッチは、
    前記第1の半導体スイッチに並列接続された第1の機械式スイッチ、前記第1の電流制限用リアクトルに並列接続された第2の機械式スイッチ、前記第2の半導体スイッチに並列接続された第3の機械式スイッチ、及び前記第2の電流制限用リアクトルに並列接続された第4の機械式スイッチであり、
    前記半導体スイッチ方式で系統切換を行う場合は、前記第1及び第3の機械式スイッチをオフ状態にすると共に前記第2及び第4の機械式スイッチをオン状態にしておき、この状態で前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)をオンからオフに切り換え、その直後に、前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオフからオンに切り換えるようにし、
    前記ハイブリッド方式で系統切換を行う場合は、前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)をオフ状態にしておき、この状態で前記第1及び第2の機械式スイッチ(又は第3及び第4の機械式スイッチ)のオンからオフへの切換動作を開始すると共に、前記第3及び第4の機械式スイッチ(又は第1及び第2の機械式スイッチ)のオフからオンへの切換動作を開始し、少なくとも前記第1の機械式スイッチ(又は第3の機械式スイッチ)のオンからオフへの切換動作開始直前から前記第3の機械式スイッチ(又は第1の機械式スイッチ)のオフからオンへの切換動作終了直後までの期間は、前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオンにしておく、
    ことを特徴とする請求項1記載の系統切換装置。
  3. 前記複数の機械式スイッチは、
    前記第1の交流電源系統からの交流電力を前記第1の半導体スイッチを介して前記負荷に供給する電力供給経路、又は前記第2の交流電源系統からの交流電力を前記負荷に直接供給する電力供給経路を形成する第1の切換スイッチ、
    及び前記第2の交流電源系統からの交流電力を前記第2の半導体スイッチを介して前記負荷に供給する電力供給経路、又は前記第1の交流電源系統からの交流電力を前記負荷に直接供給する電力供給経路を形成する第2の切換スイッチであり、
    前記半導体スイッチ方式で系統切換を行う場合は、前記第1の切換スイッチが前記第1の半導体スイッチを介した第1の交流電源系統の電力供給経路を形成すると共に、前記第2の切換スイッチが前記第2の半導体スイッチを介した第2の交流電源系統の電力供給経路を形成した状態にしておき、この状態で前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)をオンからオフに切り換え、その直後に、前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオフからオンに切り換えるようにし、
    前記ハイブリッド方式で系統切換を行う場合は、前記第1及び第2の半導体スイッチをオフ状態にしておき、この状態で前記第1の切換スイッチ(又は第2の切換スイッチ)に対して前記第1の半導体スイッチ(又は第2の半導体スイッチ)を介した第1の交流電源系統(又は第2の交流電源系統)の電力供給経路から前記第2の交流電源系統(又は第1の交流電源系統)の直接の電力供給経路への経路切換動作を開始させると共に、第2の切換スイッチ(又は第1の切換スイッチ)に対して前記第1の交流電源系統(又は第2の交流電源系統)の直接の電力供給経路から前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)を介した第2の交流電源系統(又は第1の交流電源系統)の電力供給経路への経路切換動作を開始させ、前記第1及び第2の切換スイッチの経路切換動作開始直前から経路切換動作終了直後までの期間は前記第2の半導体スイッチ(又は第1の半導体スイッチ)をオンにしておく、
    ことを特徴とする請求項1記載の系統切換装置。
  4. 前記第1の交流電源系統から第1の無停電電源装置を介して交流電力を入力する場合に、この第1の無停電電源装置の負荷電流検出値が設定値より小さく且つこの第1の無停電電源装置が正常運転状態であることを条件に、第1の交流電源系統側から第2の交流電源系統へのハイブリッド方式による稼働系統の切り換えを許可する第1のハイブリッド切換許可回路と、
    前記第2の交流電源系統から第2の無停電電源装置を介して交流電力を入力する場合に、この第2の無停電電源装置の負荷電流検出値が設定値より小さく且つこの第2の無停電電源装置が正常運転状態であることを条件に、第2の交流電源系統側から第1の交流電源系統へのハイブリッド方式による稼働系統の切り換えを許可する第2のハイブリッド切換許可回路と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の系統切換装置。
  5. 前記第1の交流電源系統及び第2の交流電源系統間で稼働系統の切り換えを行ったときに発生する横流を、この第1の交流電源系統と第2の交流電源系統との間の電圧差及び位相差に基づき演算する横流予測手段と、
    前記横流予測手段による予測結果と、前記第1の交流電源系統側又は第2の交流電源系統側の負荷供給電流の検出に基づき求められた横流許容量とから、前記ハイブリッド方式による稼働系統への切り換えを手動操作で行うことを許可する手動時ハイブリッド切換許可回路と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の系統切換装置。
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