JP4037461B6 - エチル3―(n―ブチルアセトアミノ)プロピオン酸の安定な水性調合物 - Google Patents

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Description

本発明は、物質エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオンネートの安定な水性調合物に関する。
公知のように、物質エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートは昆虫忌避作用を有しており、したがってこの役割で使用される。昆虫忌避剤は、市場では例えばMerck KGaA, Darmstadtから得ることができる。
人々にとって、昆虫は多くの点で厄介ものであり、あるいは脅威でさえある。ある種の昆虫によって引き起こされる損害(例えば収穫の全滅)のみならず、人々も多くの動物も多種類の昆虫によってあれやこれらで悩まされ、苦しまされ、さもなければ煩わされる。これは感染病と危険な病気の伝染の原因となり得る。
殺虫剤の使用とそれによる毒性の様相は必ずしも問題がなくはないけれども、昆虫に対する戦いでの主な武器は殺虫剤である。しかし、直接に厄介ものを防止するための昆虫撲滅剤の使用のような対策は、必ずしも必要ではない。
現今では環境保護が最優先とされるため、予防的な対策を用いる方が好ましい。
したがって現今では、昆虫をコントロールするのには殺虫剤よりも昆虫忌避剤の方が選ばれるようである。というのは、忌避剤は昆虫がその宿主に住みつくのを単に防止しようとするものであるからである。
昆虫忌避剤に対する必要条件は高度かつさまざまである。なかんずく、昆虫に対して皮膚の効果的な保護が保証されねばならない。気候的に不都合な条件の下でも長時間にわたって忌避性が持続することが重要である。忌避剤は可能な限り広い活性範囲をもつ必要がある。
他の必要条件は、皮膚の滲透があってはならないけれども、毒性、アレルギー性または感作性がなく、皮膚及び粘膜融和性が最も大きいことである。
加えて、この物質は化学的安定性が高いこと(すなわち、加水分解または(光)酸化を受けてはならぬこと)、熱安定性が高いこと、汗抵抗性が高いことが必要である。
さらに、昆虫忌避剤は、普通の化粧調合物や薬剤調合物のベースと容易に調和でき、混和できるものでなければならない。
昆虫忌避剤エチル3(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートはこの多様な必要条件を満たしている。
しかしながら、この物質は貯蔵期間中に水性調合物中で分解することが確証されている。この分解(劣化)は高温の影響でスピードアップする。10℃の温度上昇でも分解速度が2倍になることができる。
当該昆虫忌避剤調合物は、その製造及び販売後に長年にわたって貯蔵されるか、または長期間の間に時々しか使われない場合が多いので、上記の点は不利であると考えねばならない。さらに、夏期特に南の国では化粧調合物の貯蔵中には、高温(50℃または50℃以上)にしばしば遭遇する。したがって、昆虫忌避剤が既に著しく分解してしまってその効果がかなり減っているということもあり得る。
それ故、高温でも長期間にわたってエチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの含量が変わらない、安定性の向上した水性または含水の調合物を提供することが望ましいと思われる。
驚いたことに、高いpHを有する調合物、好ましくは緩衝液を使用すると、エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートを含む水性調合物の安定性をずいぶんと向上させ得ることがわかった。
化粧または薬剤用製剤のためのベース調合物は、しばしば水性アルコール溶液をベースとして調製される。そのような調合物はまた、昆虫忌避剤のエチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオーネトに関して、知られている。しかしながら、高いpHを有する調合物、特に緩衝調合物が安定性向上のために使用されているという指摘は、文献中には全く見当たらない。
本発明は、安定化のために高pHの溶液、好ましくは緩衝溶液を使用することを特徴とする、昆虫忌避剤エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの安定な水性調合物を提供する。
これら溶液のpHは3.0より大、好ましくは3.5〜7.9のpH範囲にある。pHの調整には、酸や塩基の他に、例えばクエン酸または苛性ソーダ溶液、緩衝液も使用できる。
適当な緩衝系としては、このpH範囲内にある公知のいかなる緩衝溶液も含まれる。そのような緩衝液は一般に当業者には公知であり、したがってここのでさらに説明する必要はない。
本発明によれば、以下の緩衝系の群から選ばれる緩衝液が望ましい。このグループの緩衝系は単に例として挙げているもので、本発明による調合物について決して限定するものではない。これらの緩衝系は以下のとおりである:
クエン酸/リン酸水素二ナトリウム、pH範囲2.2−7.8で有効(好ましくは0.1Mクエン酸/0.2M NaHPO4);
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HCl、pH範囲約7.2−9.0で有効(好ましくは0.2M/0.1M);クエン酸ジナトリウム/HCl、pH範囲1.2−5.0で有効(好ましくは0.1M/0.1M);
フタル酸水素カリウム/NaOH、pH範囲4.2−6.2で有効(好ましくは0.1M/0.1M);クエン酸ジナトリウム/NaOH、pH範囲5.2−6.6で有効(好ましくは0.1M/0.1M);
リン酸二水素カリウム/リン酸水素ジナトリウム、pH範囲5.0−8.0で有効(好ましくはともに1/15モル/l);あるいはまたトリエタノールアミン+Titriplex III/HCl、pH範囲7.0−8.8で有効(好ましくは0.5モル/l/0.05モル/l)である。
本発明はまた、昆虫忌避剤エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの含水調合物を安定化させるために、例えばクエン酸または苛性ソーダ溶液を使用して調整した溶液または緩衝液となした溶液の使用を提供する。
適当な含水調合物の例としては、なかんづく、ローション、クリームまたはミルク(W/OまたはO/W)のようなエマルジョン、ゲルがあり、それに固形棒もある。
他の添加剤に加えて、UVフィルターをこれらの含水調合物中に混入することもでき、それにより皮膚、もし希望なら髪にも使用できる陽光遮蔽用またはUV保護用調合物が得られる。
市場で得られる適当なUVフィルターの例は、なかんづく、Eusolex 6300(商標)、Eusolex 4300(商標)、Eusolex 9020(商標)、Eusolex 232(商標)、Eusolex 2292(商標)、Eusolex OCR(商標)、Eusolex HMS(商標)、Eusolex 6007(商標)、PABAおよびUvinul T 150(商標)である。UVフィルターは、本発明の調合物中に個々にまたは他物質と組み合わせて0.5−10重量%の濃度で混入することができる。
昆虫忌避剤クリームまたはミルクの形での本発明のエマルジョンは、溶液中または適当な緩衝剤を有する溶液中の昆虫忌避物質エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの他に、さらに例えば以下の物質を含むことができる:
脂肪アルコール類、脂肪酸エステル類、脂肪酸類、ラノリン、天然または合成の油またはワックス類及び水存在下での乳化剤。
本発明によるローションは、なかでも、天然または合成の油またはワックス類、ラノリン、脂肪酸エステル類、低分子量のアルコールまたはポリオール類を含む。
ほとんどのゲルは、さらに例えばシリカなどの増粘剤を含む。
固形棒は、本発明にしたがう添加剤の他に、天然または合成のワックスまたは油、脂肪アルコール類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類及びラノリンからなる。
本発明の調合物はエアロゾルの形態をとることもできる。その場合は、通例、アルカン類、フルオロアルカン類、フルオロクロロアルカン類などの通常のプロペラント(propellants)が使用される。
このような含水調合物の組成ならびに製造については、一般に当業者にとって公知であり、ここでさらに説明する必要はない。
別の望ましい実施態様では、本発明調合物のpHは4.5−8.0の範囲にあり、特に強力な安定化効果はpHが6.5−7.9の範囲の調合物によって発揮される。
本発明の調合物中のエチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの含有量は1−50重量%、好ましくは10−30重量%である。
本発明の調合物は、撹拌しながら各成分を混合することにより簡単に調製される。
本発明の調合物の提供により、エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの含有量が長期間にわたって変化しない、この物質の水性または含水の調合物が利用できるようになる。30℃から40℃以上の高い貯蔵温度でも、望ましい高いpH値によって事実上、分解しない。
さらに詳しく述べるまでもなく、当業者は上記の説明を最大限に利用できるものと考えられる。それ故、上記の望ましい実施態様は、単に説明的な開示として理解さるべきであって、決してこれに限定するものではない。
上記及び下記に引用の出願特許、特許、刊行書のすべての全開示内容を引例として明細書に編入する。
明白な説明のため、本発明の請求範囲内にある実施例を下記に示すが、本発明をこれらの実施例に限定しようとする積りはない。
実施例1
0.1Mクエン酸/0.2M硫酸ソーダの緩衝系を用いて、各成分を撹拌しながら単に混合することによってpHがそれぞれ3.5、4.5、6.5の溶液を作製した。このようにしてこの緩衝系は広いpH範囲にわたって効果を発揮できるようになった。
a)以下の組成(重量%で)を有するpH3.5の溶液を調製した:
エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネート(1) 10.0%
(アート(Art)番号 111887)
96%エタノール(アート番号 100971) (1) 15.0%
緩衝液 pH3.0 ad 100.0%
b)以下の組成(重量%で)を有するpH4.4の溶液を調製した:
エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネート(1) 10.0%
(アート番号 111887)
6%エタノール(アート番号 100971) 15.0%
緩衝液 pH4.0 ad 100.0%
c)以下の組成(重量%で)を有するpH6.5の溶液を調製した:
エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネート(1) 10.0%
(アート番号 111887)
96%エタノール(アート番号 100971) (1) 15.0%
緩衝液 pH6.0 ad 100.0%
供給源: (1)Merck KGaA, Drmastadt
実施例2
緩衝系0.2Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/0.1M HClを用いて、以下の成分を撹拌混合してpH7.9の溶液(量は重量%)を調製した:
エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネート(1) 10.0%
(アート番号 111887)
96%エタノール(アート番号 100971) (1) 15.0%
緩衝液 pH8.0 ad 100.0%
供給源: (1)Merck KGaA, Drmastadt
実施例A
エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの安定性を、緩衝溶液中pHの凾数としてテストした。実施例1及び2で調製した本発明の水性調合物を、室温と40℃の両温度で12ケ月間の貯蔵テストにかけた。
その結果を表1と表2に示す。
Figure 0004037461
Figure 0004037461
実施例B
この実施例では、エチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの水溶液を40℃でpHの凾数として貯蔵テストを行った。該当する水溶液は以下の組成からなる:
溶液1(pH4.5)
Figure 0004037461
溶液2(pH6)
組成は溶液1と同じ;苛性ソーダ溶液でpH6にpH調整。
溶液3(pH8)
組成は溶液1に同じ;苛性ソーダ溶液でpH8に調整。
供給源: Merck KGaA, Drmastadt
上記異なる溶液の貯蔵テスト結果を表3にまとめた。
Figure 0004037461
表2と表3の比較から、本発明の緩衝調合物中の昆虫忌避剤はかなり安定であり、特に高いpHで分解が著しく遅くなることがはっきりわかる。

Claims (10)

  1. 昆虫忌避剤であるエチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの安定な水性調合物であって、
    前記水性調合物の安定化のための緩衝系により緩衝されたpHが3.0より大きい緩衝水溶液であり、
    前記緩衝系が、クエン酸/硫酸ナトリウム、またはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HClであることを特微とする水性調合物。
  2. 前記pHが3.5から7.9までの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の水性調合物。
  3. 前記昆虫忌避剤が、1〜50重量%の濃度で存在する、請求項1または2に記載の水性調合物。
  4. 前記昆虫忌避剤が、10〜30重量%の濃度で存在する、請求項1または2に記載の水性調合物。
  5. 1種以上のUVフィルターを組み合わせて0.5〜10重量%濃度で含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の水性調合物。
  6. pHが3.0より大きく、クエン酸/硫酸ナトリウムまたはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HClの緩衝系で緩衝された緩衝水溶液の、昆虫忌避剤であるエチル3−(N−ブチルアセトアミノ)プロピオネートの水性調合物を安定化するための使用。
  7. 前記pHが3.5から7.9までの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の使用。
  8. 前記昆虫忌避剤が、1〜50重量%の濃度で存在する、請求項6または7に記載の使用。
  9. 前記昆虫忌避剤が、10〜30重量%の濃度で存在する、請求項6または7に記載の使用。
  10. 請求項1ないし5のいずれかに記載の水性調合物の、ローション、エマルジョン、クリームまたはミルク、ゲルまたは固形棒の形の調合物製造への使用。
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