JP4037171B2 - 記録情報再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体から記録情報の再生を行う記録情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高密度記録してある記録媒体から高精度に記録情報の読み取りを行うには、読み取り対象となるトラックの片側もしくは両側に隣接しているトラックからのクロストークの影響を排除する必要がある。
クロストークを除去するには、先ず、読取対象となるトラック(以下、メイントラックと称する)と共に、その片側もしくは両側に隣接するトラック各々(以下、サブトラックと称する)からも同時に記録情報の読み取りを行って個別に読取信号を得る。次に、メイントラックから読み取られた読取信号(以下、メイン読取信号と称する)と、サブトラックから読み取られた読取信号(以下、サブ読取信号と称する)とのレベル相関により、隣接トラックからのクロストーク成分を検出する。そして、メイン読取信号からこのクロストーク成分を減算することにより、クロストークの排除された読取信号を得るのである。
【0003】
ここで、再生対象となる記録媒体が例えばCD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWの如き書込可能な記録ディスクであると、このディスク内に、情報データが書き込まれている記録済み領域と、未だ書込が為されていない未記録領域とが混在する場合がある。すると、ピックアップが記録済み領域内における最外周(又は最内周)をトレースしている際には、サブトラックが未記録領域内に存在することになる。この際、サブトラックには情報データが一切記録されていないので、メイントラックから読み取られたメイン読取信号と、サブトラックから読み取られたサブ読取信号との相関を検出することが出来なくなる。更に、サブトラックに情報データが記録されていないと、サブ読取信号中に漏れ込んだ微少なメイン読取信号成分の影響により、メイン読取信号とサブ読取信号との相関が大になる。つまり、メイントラックからサブトラックへの漏れ込みにより自己相関がとられてしまう為、相関が大となるような状況ではないにも拘わらず大なる相関が検出される。よって、この自己相関の影響を受けたクロストーク検出によって、誤ったクロストーク除去が為されてしまうという問題が発生した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、情報データの記録されている記録済み領域と未記録領域とが存在する記録媒体からでも、隣接トラックからのクロストークを正しく除去することが可能な記録情報再生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴による記録情報再生装置は、記録媒体に記録されている記録情報を再生する記録情報再生装置であって、前記記録媒体の記録トラックにメイン読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてメイン読取信号を得るメイン読取手段と、前記メイン読取ビーム光の照射された前記記録トラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてサブ読取信号を得るサブ読取手段と、前記メイン読取信号と前記サブ読取信号とのレベル相関に基づいて前記メイン読取信号に重畳されている隣接トラックからのクロストーク成分を検出するクロストーク検出手段と、前記クロストーク成分を前記メイン読取信号から減算することによりクロストークの除去された読取信号を得る減算手段と、からなり、前記クロストーク検出手段は、前記サブ読取信号及び前記メイン読取信号間の相対位相をシフトさせた後に前記サブ読取信号と前記メイン読取信号とのレベル相関に供する位相シフト手段を含む。
【0006】
又、本発明の第2の特徴による記録情報再生装置は、記録媒体に記録されている記録情報を再生する記録情報再生装置であって、前記記録媒体の記録トラックにメイン読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてメイン読取信号を得るメイン読取手段と、前記メイン読取ビーム光の照射された前記記録トラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてサブ読取信号を得るサブ読取手段と、前記メイン読取信号と前記サブ読取信号とのレベル相関に対応した相関値から、前記記録トラックから前記隣接トラックへの漏れ込みによる自己相関分に対応した所定のオフセット値を減算して得られた補正相関値に基づいて前記メイン読取信号に重畳されている隣接トラックからのクロストーク成分を検出するクロストーク検出手段と、前記クロストーク成分を前記メイン読取信号から減算することによりクロストークの除去された読取信号を得る減算手段と、を含む。
【0007】
又、本発明の第3の特徴による記録情報再生装置は、記録媒体に記録されている記録情報を再生する記録情報再生装置であって、前記記録媒体の記録トラックにメイン読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてメイン読取信号を得るメイン読取手段と、前記メイン読取ビーム光の照射された前記記録トラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてサブ読取信号を得るサブ読取手段と、前記メイン読取信号と前記サブ読取信号とのレベル相関に基づいて前記メイン読取信号に重畳されている隣接トラックからのクロストーク成分を検出するクロストーク検出手段と、前記クロストーク成分を前記メイン読取信号から減算することによりクロストークの除去された読取信号を得る減算手段と、からなり、前記クロストーク検出手段は、前記サブ読取信号の絶対値が所定値よりも小なる場合には前記サブ読取信号のレベルを低減させた後に前記メイン読取信号とのレベル相関に供するレベル変換手段を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明によるクロストーク除去回路を備えた記録情報再生装置の構成を示す図である。
図1において、情報読取手段としてのピックアップ100に搭載されているレーザ発振器103から発せられたレーザビームは、グレーティング104を介してメイン読取ビーム及び2本のサブ読取ビームに分割される。これら3本の読取ビームは、ハーフミラー105及び対物レンズ106を介して記録ディスク3に照射される。
【0009】
図2は、上記メイン読取ビーム及び2本のサブ読取ビームにより記録ディスク3の記録面に照射されたビームスポットを示す図である。
図2に示されるように、メイン読取ビームの照射によりトラックT上にメインビームスポットMBが形成される。この際、その隣接トラック(T+1)には第1のサブ読取ビームの照射によるサブビームスポットSB1が形成される。更に、トラックTの隣接トラック(T−1)には第2のサブ読取ビームの照射によるサブビームスポットSB2が形成される。これらメインビームスポットMB、サブビームスポットSB1及びSB2各々からの反射光は、対物レンズ106及びハーフミラー105を介して光検出器107に照射される。光検出器107は、夫々独立した光検出器107a〜107cからなる。
【0010】
光検出器107aは、上記ハーフミラー105を介して供給されたサブビームスポットSB1からの反射光を光電変換して得られた読取信号をA/D変換器5aに供給する。光検出器107bは、上記ハーフミラー105を介して供給されたメインビームスポットMBからの反射光を光電変換して得られた読取信号をA/D変換器5bに供給する。光検出器107cは、上記ハーフミラー105を介して供給されたサブビームスポットSB2からの反射光を光電変換して得られた読取信号をA/D変換器5cに供給する。
【0011】
尚、図2に示されるように、サブビームスポットSB1及びメインビームスポットMBは互いにその読取方向において距離LABだけ離間して形成されている。又、メインビームスポットMB及びサブビームスポットSB2は互いに距離LBCだけ離間して形成されている。
A/D変換器5aは、光検出器107aから供給された読取信号をサンプリングして得た読取サンプル値系列を、サブ読取サンプル値系列SS1としてクロストーク除去回路40に供給する。A/D変換器5bは、光検出器107bから供給された読取信号をサンプリングして得た読取サンプル値系列を遅延回路7に供給する。遅延回路7は、A/D変換器5bから供給された読取サンプル値系列を下記の如き第1遅延時間だけ遅延させたものをメイン読取サンプル値系列MSとしてクロストーク除去回路40に供給する。
【0012】
第1遅延時間=LAB/V
LAB:サブビームスポットSB1及びメインビームスポットMB間の距離
V:記録ディスク3に対するピックアップ100の読取線速度
A/D変換器5cは、光検出器107cから供給された読取信号をサンプリングして得た読取サンプル値系列を遅延回路8に供給する。遅延回路8は、A/D変換器5cから供給された読取サンプル値系列を下記の如き第2遅延時間だけ遅延させたサブ読取サンプル値系列SS2をクロストーク除去回路40に供給する。
【0013】
第2遅延時間=(LAB+LBC)/V
LAB:サブビームスポットSB1及びメインビームスポットMB間の距離
LBC:メインビームスポットMB及びサブビームスポットSB2間の距離
V:記録ディスク3に対するピックアップ100の読取線速度
すなわち、図2に示す如きトラック(T+1)の位置Q1から読み取られたサブ読取サンプル値系列SS1がクロストーク除去回路40に供給された時、これと同時に、トラックTの位置Q2から読み取られたメイン読取サンプル値系列MSがクロストーク除去回路40に供給される。更に、トラック(T−1)の位置Q3から読み取られたサブ読取サンプル値系列SS2が同時にクロストーク除去回路40に供給される。尚、上記位置Q1〜Q3各々は、図2に示されるように、トラックの直交方向に沿ったライン上に存在するものである。従って、クロストーク除去回路40には、互いに隣接する3つのトラックの各々上において互いに隣接した位置から読み取られた3つの読取サンプル値系列(MS、SS1及びSS2)が同時に供給されることになるのである。
【0014】
クロストーク除去回路40は、上記サブ読取サンプル値系列SS1及びSS2に基づき、メイン読取サンプル値系列MSに重畳している隣接トラック(T+1)及び(T−1)からのクロストーク成分を除去した読取サンプル値系列Pを得る。2値判定回路9は、かかる読取サンプル値系列Pに基づいて2値の再生データを求めて出力する。
【0015】
図3は、上記クロストーク除去回路40の内部構成を示す図である。
図3に示すように、クロストーク除去回路40は、バッファメモリ30〜32、ランダム位相シフト制御回路33及び34、トランスバーサルフィルタ41及び51、フィルタ係数演算回路42及び52、相関演算回路43及び53、及び減算器50を備えている。
【0016】
バッファメモリ30は、上記メイン読取サンプル値系列MSにおける各サンプル値を順次書き込み、これを書き込んだ順に読み出して減算器50に供給する。
バッファメモリ31は、上記サブ読取サンプル値系列SS1における各サンプル値を順次書き込み、これをランダム位相シフト制御回路33から供給された読出信号に応じて、書き込んだ順に読み出す。ランダム位相シフト制御回路33は、バッファメモリ30における読み出しタイミングよりも所定時間だけ進んだタイミングで読み出すべき読出信号、及び遅れたタイミングで読み出すべき読出信号をランダムなタイミングにて交互に発生し、これをバッファメモリ31に供給する。これにより、バッファメモリ31は、バッファメモリ30から読み出されたメイン読取サンプル値系列MSに対し、その位相のシフト方向(進み方向/遅れ方向)をランダムなタイミングで変更しつつ所定の微量だけシフトさせたサブ読取サンプル値系列SS1'を出力する。バッファメモリ31は、かかるサブ読取サンプル値系列SS1'をトランスバーサルフィルタ41及び相関演算回路43各々に供給する。
【0017】
バッファメモリ32は、上記サブ読取サンプル値系列SS2における各サンプル値を順次書き込み、これをランダム位相シフト制御回路34から供給された読出信号に応じて、書き込んだ順に読み出す。ランダム位相シフト制御回路34は、上記バッファメモリ30における読み出しタイミングよりも所定時間だけ進んだタイミングで読み出すべき読出信号、及び遅れたタイミングで読み出すべき読出信号をランダムなタイミングにて交互に発生し、これをバッファメモリ32に供給する。これにより、バッファメモリ32は、バッファメモリ30から読み出されたメイン読取サンプル値系列MSに対し、その位相のシフト方向(進み方向/遅れ方向)をランダムなタイミングで変更しつつ所定の微量だけシフトさせたサブ読取サンプル値系列SS2'を出力する。バッファメモリ32は、かかるサブ読取サンプル値系列SS2'をトランスバーサルフィルタ51及び相関演算回路53に供給する。
【0018】
トランスバーサルフィルタ41及び51の各々は、例えば図4に示す如き構成を有する。
図4において、直列n段のDフリップフロップD1〜Dnは、上記サブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')を順次シフトしつつ取り込む。係数乗算器M0は、サブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')における各サンプル値に、フィルタ係数演算回路42(52)から供給されたフィルタ係数C0を乗算する。係数乗算器M1〜Mnの各々はDフリップフロップD1〜Dnの各出力に、フィルタ係数演算回路42(52)から供給されたフィルタ係数C1〜Cnを夫々乗算する。加算器AD1は、係数乗算器M0〜Mn各々の乗算結果を全て加算したものをクロストークサンプル値系列CR1(CR2)として出力する。
【0019】
かかる構成によりトランスバーサルフィルタ41は、上記サブ読取サンプル値系列SS1'に対してフィルタ係数演算回路42から供給されたフィルタ係数C0〜Cnに応じたフィルタリング処理を施すことにより、隣接トラック(T+1)からのクロストークに対応したクロストークサンプル値系列CR1を求める。又、トランスバーサルフィルタ51は、上記サブ読取サンプル値系列SS2'に対してフィルタ係数演算回路52から供給されたフィルタ係数C0〜Cnに応じたフィルタリング処理を施すことにより、隣接トラック(T−1)からのクロストーク成分に対応したクロストークサンプル値系列CR2を求める。
【0020】
減算器50は、バッファメモリ30から供給されたメイン読取サンプル値系列MSから上記クロストークサンプル値系列CR1及びCR2を夫々減算することにより、クロストークの除去された上記読取サンプル値系列Pを得て、これを相関演算回路43及び53の各々に供給する。
相関演算回路43は、先ず、上記読取サンプル値系列P中の連続する2つのサンプル値においてその値が正から負、又は負から正へと推移した時に絶対値の小なる方を抽出し、その系列をゼロクロスサンプル値系列として得る。そして、相関演算回路43は、かかるゼロクロスサンプル値系列と上記サブ読取サンプル値系列SS1'との乗算結果に基づき、両者のレベル相関を表す論理レベル0及び1からなる系列の相関信号CLを得て、これをフィルタ係数演算回路42に供給する。フィルタ係数演算回路42は、(n+1)の連続したサンプリングタイミングの各々で得られた上記相関信号CL各々の積分結果を、夫々フィルタ係数C0〜Cnとしてトランスバーサルフィルタ41に供給する。
【0021】
相関演算回路53は、先ず、上記読取サンプル値系列P中の連続する2つのサンプル値においてその値が正から負、又は負から正へと推移した時に絶対値の小なる方を抽出し、その系列をゼロクロスサンプル値系列として得る。そして、相関演算回路53は、かかるゼロクロスサンプル値系列と上記サブ読取サンプル値系列SS2'との乗算結果に基づき、両者のレベル相関を表す論理レベル0及び1からなる系列の相関信号CLを得て、これをフィルタ係数演算回路52に供給する。フィルタ係数演算回路52は、(n+1)の連続したサンプリングタイミング各々で得られた上記相関信号CL各々の積分結果を夫々フィルタ係数C0〜Cnとしてトランスバーサルフィルタ51に供給する。
【0022】
以下に、図3に示すクロストーク除去回路40の動作について、メイントラック及びサブトラックが共に記録済み領域内にある場合と、メイントラックが記録済み領域内にあり、かつサブトラックが未記録領域内にある場合とに分けて、図5を参照しつつ説明する。
(1)メイントラック及びサブトラックが共に記録済み領域内にある場合
この際、図5(a)の破線にて示す如きサブ読取サンプル値系列SS1(SS2)が、進み方向に位相シフトされた場合には実線、遅れ方向に位相シフトされた場合には一点鎖線にて示す如き形態となる。ここで、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値が図5に示す如きゼロクロスサンプル値Q1〜Q6である際に、ランダム位相シフト制御回路33(34)及びバッファメモリ31(32)によって、
ゼロクロスサンプル値Q1の時点:進み方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q2の時点:遅れ方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q3の時点:進み方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q4の時点:進み方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q5の時点:遅れ方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q6の時点:進み方向位相シフト
の如き位相シフトが為されたとする。すると、これらゼロクロスサンプル値Q1〜Q6各々の時点にて得られるサブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')の各サンプル値は、図5(a)に示す如きサンプル値A1〜A6となる。従って、微量な位相シフトが為された後でも、ゼロクロスサンプル値Q1〜Q6によって表されるクロストーク成分は、サブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')のサンプル値A1〜A6として反映される。よって、ゼロクロスサンプル値Q1〜Q6及び上記サンプル値A1〜A6の相関検出により、隣接トラックからのクロストーク成分を取得することが出来る。
【0023】
(2)メイントラックが記録済み領域内、かつサブトラックが未記録領域内にある場合
この際、メイントラックからサブトラックへの漏れ込みがあると、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)の波形は図5(b)の破線にて示す如く、メイン読取サンプル値系列MSとほぼ同一となる。そして、かかるサブ読取サンプル値系列SS1(SS2)が進み方向に位相シフトされた場合には図5(b)の実線、遅れ方向に位相シフトされた場合には図5(b)の一点鎖線にて示す如き形態となる。ここで、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値Q1〜Q6各々の時点において、ランダム位相シフト制御回路33(34)及びバッファメモリ31(32)によって、
ゼロクロスサンプル値Q1の時点:進み方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q2の時点:遅れ方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q3の時点:進み方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q4の時点:進み方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q5の時点:遅れ方向位相シフト
ゼロクロスサンプル値Q6の時点:進み方向位相シフト
の如き位相シフトが為されたとする。すると、これらゼロクロスサンプル値Q1〜Q6各々の時点にて得られるサブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')の各サンプル値は、図5(b)に示す如きサンプル値B1〜B6となる。この際、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値Q1〜Q6なる系列と、サブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')中のサンプル値B1〜B6なる系列との相関は小である。
【0024】
従って、メイントラックが記録済み領域内、サブトラックが未記録領域内にある際にメイントラックからサブトラックへの漏れ込みが生じていても、この漏れ込みによる自己相関を略0にすることが出来る。よって、自己相関による誤ったクロストーク検出が防止されるのである。
以上の如く、図3に示すクロストーク除去回路は、サブトラックが記録済み領域にある場合にはサブ読取サンプル値系列の位相を微量にシフトさせてもサンプル値は大きく変化しないが、未記録領域にある場合には位相を僅かにシフトさせただけでサンプル値が大きく変化する点に着目して為されたものである。つまり、サブトラックが未記録領域にある場合にはサブ読取サンプル値系列中の各サンプル値自体がゼロ付近の値となるので、サブ読取サンプル値系列の位相を僅かにシフトさせただけで、メイン読取サンプル値系列との相関が小なる系列に推移させることができる。そこで、かかる着眼点に基づき図3に示すクロストーク除去回路では、バッファメモリ31(32)及びランダム位相シフト制御回路33(34)からなるランダム位相シフト回路により、サブ読取サンプル値系列の位相をメイン読取サンプル値系列MSに対して強制的に微量にシフトさせているのである。これにより、メイントラックからサブトラックへの漏れ込みの影響による自己相関分のみを排除しているのである。
【0025】
尚、図3においては、バッファメモリ31(32)及びランダム位相シフト制御回路33(34)によりランダム位相シフト回路を構成しているが、サブ読取サンプル値系列の位相を、その位相シフト方向を変更しつつシフト出来るものであれば、如何なる回路構成であっても良い。又、このような位相シフト機能を有するランダム位相シフト回路を、図3に示す如き相関演算回路43(53)の前段F1又はF2の位置に設けるようにしても良い。又、サブ読取サンプル値系列に対する位相シフトを実行するにあたり、一定期間おきに位相シフト方向を反転させるようにしても良く、更に、各タイミング毎に位相シフトする量及び方向を変更するようにしても良い。
【0026】
又、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)に対する位相シフトを実施する代わりに、相関演算回路43(53)にて得られた相関信号CLから、メイントラックからサブトラックへの漏れ込みによる自己相関値を常時、減算しておくようにしても良い。
図6は、かかる点に鑑みて為された本発明の他の実施例によるクロストーク除去回路40の構成を示す図である。
【0027】
図6に示すクロストーク除去回路40は、トランスバーサルフィルタ41及び51、フィルタ係数演算回路42及び52、相関オフセット回路45及び55、相関演算回路43及び53、及び減算器50を備えている。
トランスバーサルフィルタ41は、遅延回路8から供給されたサブ読取サンプル値系列SS1に対してフィルタ係数演算回路42から供給されたフィルタ係数C0〜Cnに応じたフィルタリング処理を施す。かかるフィルタリング処理により、トランスバーサルフィルタ41は、隣接トラック(T+1)からのクロストークに対応したクロストークサンプル値系列CR1を求める。トランスバーサルフィルタ51は、A/D変換器5aから供給されたサブ読取サンプル値系列SS2に対してフィルタ係数演算回路52から供給されたフィルタ係数C0〜Cnに応じたフィルタリング処理を施す。かかるフィルタリング処理により、トランスバーサルフィルタ51は、隣接トラック(T−1)からのクロストーク成分に対応したクロストークサンプル値系列CR2を求める。尚、トランスバーサルフィルタ41及び51は、例えば図4に示す如き、直列n段のDフリップフロップD1〜Dn、係数乗算器M0〜Mn、及び加算器AD1から構成される。
【0028】
減算器50は、上記メイン読取サンプル値系列MSから上記クロストークサンプル値系列CR1及びCR2を夫々減算することにより、クロストークの除去された上記読取サンプル値系列Pを得て、これを相関演算回路43及び53の各々に供給する。
相関演算回路43は、先ず、上記読取サンプル値系列P中の連続する2つのサンプル値においてその値が正から負、又は負から正へと推移した時に絶対値の小なる方を抽出し、その系列をゼロクロスサンプル値系列として得る。そして、相関演算回路43は、かかるゼロクロスサンプル値系列と上記サブ読取サンプル値系列SS1との乗算結果に基づき、両者のレベル相関を表す論理レベル0及び1からなる系列の相関信号CLを得て、これを相関オフセット回路45に供給する。
【0029】
相関オフセット回路45は、相関信号CLから所定のオフセット値OFを減算したものを補正相関信号CCLとしてフィルタ係数演算回路42に供給する。フィルタ係数演算回路42は、(n+1)の連続したサンプリングタイミングの各々で得られた上記補正相関信号CCL各々の積分結果を、夫々フィルタ係数C0〜Cnとしてトランスバーサルフィルタ41に供給する。
【0030】
相関演算回路53は、先ず、上記読取サンプル値系列P中の連続する2つのサンプル値においてその値が正から負、又は負から正へと推移した時に絶対値の小なる方を抽出し、その系列をゼロクロスサンプル値系列として得る。そして、相関演算回路53は、かかるゼロクロスサンプル値系列と上記サブ読取サンプル値系列SS2との乗算結果に基づき、両者のレベル相関を表す論理レベル0及び1からなる系列の相関信号CLを得て、これを相関オフセット回路55に供給する。
【0031】
相関オフセット回路55は、上記相関信号CLから所定のオフセット値OFを減算したものを補正相関信号CCLとしてフィルタ係数演算回路52に供給する。フィルタ係数演算回路52は、(n+1)の連続したサンプリングタイミングの各々で得られた上記補正相関信号CCL各々の積分結果を、夫々フィルタ係数C0〜Cnとしてトランスバーサルフィルタ51に供給する。
【0032】
図7は、サブ読取ビームの各々をメイントラックと隣接トラック各々との間に夫々照射した際に、フィルタ係数演算回路42及び52にて得られるフィルタ係数C(n/2)、つまりセンタータップ係数と、オフセット値OFとの対応関係を示す図である。尚、ピックアップ100に搭載されている対物レンズ106の開口数NA=0.85、読取ビームの波長λ=405[nm]であり、かつ記録ディスク3がトラックピッチ=0.32[μm]、データビット長=0.112[μm/bit]の相変化型の書換可能ディスクである。更に、メイントラックのディスク内周側に隣接したトラックは未記録領域内にあり、ディスク外周側に隣接したトラックは記録済み領域内にあるものとする。
【0033】
図7の破線は、記録済み領域内にある隣接トラックとメイントラックとの間の領域から読み取られたサブ読取サンプル値系列SS2に基づいて得られるセンタータップ係数を示す図である。一方、図7の実線は、未記録領域にある隣接トラックとメイントラックとの間の領域から読み取られたサブ読取サンプル値系列SS1に基づいて得られるセンタータップ係数を示す図である。この際、未記録領域から読み取られたサブ読取サンプル値系列SS1に基づいて得られるセンタータップ係数は本来0にならなければならないが、オフセット値OFが1×10-7よりも小なる場合には自己相関の影響により0以外の数値になってしまう。そこで、センタータップ係数を0に近づけるように、オフセット値OFを1×10-7よりも大なる値に設定する。ところが、オフセット値OFを大きくし過ぎると図7の一点鎖線にて示すようにジッタが増加してしまう。従って、オフセット値としては、図7に示すように1×10-7〜2×10-6なる値が好ましい。
【0034】
以上の如く、図6に示すクロストーク除去回路40では、上記相関信号CLから自己相関分に相当するオフセット値OFを常時、減算しておくことにより自己相関の排除を図るのである。この際、自己相関の値はクロストークによる相関値に比して小なる値になる可能性が高いので、これを常に相関信号CLから減算してしまってもクロストーク検出に弊害を与えるものではない。
【0035】
尚、図6においては、自己相関分に相当するオフセット値OFを相関信号CLから減算するようにしたが、フィルタ係数C0〜Cn各々から、上記オフセット値OFに対応した値を減算した新たなフィルタ係数C0〜Cnをトランスバーサルフィルタ41(51)に供給するようにしても良い。
図8は、本発明の他の実施例によるクロストーク除去回路40の内部構成を示す図である。
【0036】
図8に示されるクロストーク除去回路40は、トランスバーサルフィルタ41及び51、フィルタ係数演算回路42及び52、相関演算回路43及び53、レベル変換回路44及び54、並びに減算器50を備えている。
トランスバーサルフィルタ41は、遅延回路8から供給されたサブ読取サンプル値系列SS1に対してフィルタ係数演算回路42から供給されたフィルタ係数C0〜Cnに応じたフィルタリング処理を施す。かかるフィルタリング処理により、トランスバーサルフィルタ41は、隣接トラック(T+1)からのクロストークに対応したクロストークサンプル値系列CR1を求める。トランスバーサルフィルタ51は、A/D変換器5aから供給されたサブ読取サンプル値系列SS2に対してフィルタ係数演算回路52から供給されたフィルタ係数C0〜Cnに応じたフィルタリング処理を施す。かかるフィルタリング処理により、トランスバーサルフィルタ51は、隣接トラック(T−1)からのクロストーク成分に対応したクロストークサンプル値系列CR2を求める。尚、トランスバーサルフィルタ41及び51は、例えば図4に示す如き、直列n段のDフリップフロップD1〜Dn、係数乗算器M0〜Mn、及び加算器AD1から構成される。
【0037】
減算器50は、上記メイン読取サンプル値系列MSから上記クロストークサンプル値系列CR1及びCR2を夫々減算することにより、クロストークの除去された上記読取サンプル値系列Pを得て、これを相関演算回路43及び53の各々に供給する。
レベル変換回路44は、例えば図9に示す如き非線形特性にてサブ読取サンプル値系列SS1における各読取サンプルの値を変換し、これをサブ読取サンプル値系列SS1'として相関演算回路43に供給する。レベル変換回路54は、図9に示す如き非線形特性にてサブ読取サンプル値系列SS2における各読取サンプルの値を変換し、これをサブ読取サンプル値系列SS2'として相関演算回路53に供給する。すなわち、レベル変換回路44(54)は、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)における各読取サンプル値の絶対値が所定値Vtよりも小なる場合には、これを「0」に変換する。又、レベル変換回路44(54)は、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)における各読取サンプル値が所定値Vtよりも大なる場合にはこれを「1」に変換し、所定値−Vtよりも小なる場合にはこれを「−1」に変換するのである。
【0038】
相関演算回路43は、先ず、上記読取サンプル値系列P中の連続する2つのサンプル値においてその値が正から負、又は負から正へと推移した時に絶対値の小なる方を抽出し、その系列をゼロクロスサンプル値系列として得る。そして、相関演算回路43は、かかるゼロクロスサンプル値系列と上記サブ読取サンプル値系列SS1'との乗算結果に基づき、両者のレベル相関を表す論理レベル0及び1からなる系列の相関信号CLを得て、これをフィルタ係数演算回路42に供給する。フィルタ係数演算回路42は、(n+1)の連続したサンプリングタイミングの各々で得られた上記相関信号CL各々の積分結果を、夫々フィルタ係数C0〜Cnとしてトランスバーサルフィルタ41に供給する。
【0039】
相関演算回路53は、先ず、上記読取サンプル値系列P中の連続する2つのサンプル値においてその値が正から負、又は負から正へと推移した時に絶対値の小なる方を抽出し、その系列をゼロクロスサンプル値系列として得る。そして、相関演算回路53は、かかるゼロクロスサンプル値系列と上記サブ読取サンプル値系列SS2'との乗算結果に基づき、両者のレベル相関を表す論理レベル0及び1からなる系列の相関信号CLを得て、これをフィルタ係数演算回路52に供給する。フィルタ係数演算回路52は、(n+1)の連続したサンプリングタイミングの各々で得られた上記相関信号CL各々の積分結果を、夫々フィルタ係数C0〜Cnとしてトランスバーサルフィルタ51に供給する。
【0040】
次に、かかる構成からなるクロストーク除去回路40の動作についてを、メイントラック及びサブトラックが共に記録済み領域内にある場合と、メイントラックが記録済み領域内にありかつサブトラックが未記録領域内にある場合とに分けて、図10を参照しつつ説明する。
(1)メイントラック及びサブトラックが共に記録済み領域内にある場合
メイン読取サンプル値系列MS中の連続する2サンプル間において、サンプル値が正から負(又は0)、あるいは負から正(又は0)へと推移した場合、その絶対値の小なる方、つまりゼロクロスサンプル値は本来「0」になる。ところが、クロストークが生じていると、メイン読取サンプル値系列MS中において本来「0」となるべきゼロクロスサンプル値が「0」以外の値となる。すなわち、隣接トラックからのクロストーク成分がメイン読取サンプル値系列MSに混入して、メイン読取サンプル値系列MSの各サンプル値がクロストークの分だけレベルシフトする為、これがメイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値に表れてしまうのである。そこで、相関演算回路43(53)は、図10(a)に示す如き、上記ゼロクロスサンプル値各々を取得した時点でのサブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')の各サンプル値(白丸にて示す)と読取サンプル値系列P中のゼロクロスサンプル値(黒丸にて示す)との乗算により両者の相関値を求める。フィルタ係数演算回路42(52)は、両者の相関値を「0」、つまり、読取サンプル値系列P中のゼロクロスサンプル値を「0」にすべく、トランスバーサルフィルタ41(51)に供給するフィルタ係数C0〜Cnを徐々に更新して行く。これら相関演算回路43(53)、フィルタ演算回路42(52)、トランスバーサルフィルタ41(51)、及び減算器50によるフィードバック制御により、隣接トラックからのクロストーク成分の除去された読取サンプル値系列Pが得られる。
【0041】
(2)メイントラックが記録済み領域内、かつサブトラックが未記録領域内にある場合
この際、メイントラックからサブトラックへの漏れ込みがあると、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)の波形は図10(b)の破線に示すように、メイン読取サンプル値系列MSとほぼ同一となる。従って、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値(黒丸にて示す)各々を取得した時点でのサブ読取サンプル値系列SS1(SS2)の各サンプル値(白三角にて示す)は、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値各々と略同一となる。つまり、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)が未記録領域から読み取られたものであるにも拘わらず、メイントラックから取られたメイン読取サンプル値系列MSとの相関が大になってしまう。このように、メイントラックが記録済み領域内、かつサブトラックが未記録領域内にある際にメイントラックからサブトラックへの漏れ込みが生じると自己相関がとられてしまい、本来、小であるべき相関が大となってしまうのである。
【0042】
そこで、図8に示すクロストーク除去回路においては、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)を図9に示す変換特性に従って変換したサブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')を用いて、メイン読取サンプル値系列MSとの相関を求めるようにしている。図9に示す如き変換特性によれば、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)の絶対値が小なる場合には、サブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')の各サンプル値は図10(b)の実線に示すように「0」になる。よって、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値(黒丸にて示す)各々を取得した時点でのサブ読取サンプル値系列SS1'(SS2')の各サンプル値(黒三角にて示す)と、メイン読取サンプル値系列MS中のゼロクロスサンプル値各々との相関が小になる。
【0043】
従って、メイントラックが記録済み領域内、サブトラックが未記録領域内にある際にメイントラックからサブトラックへの漏れ込みが生じていても、この漏れ込みによる自己相関を略0にすることが出来る。よって、自己相関による誤ったクロストーク検出が防止されるのである。
尚、上記レベル変換回路44(54)の変換特性としては、図9に示すものに限定されるものではなく、例えば図11(a)又は図11(b)に示す如き非線形特性を採用しても良い。要するに、レベル変換回路44(54)の変換特性としては、サブ読取サンプル値系列SS1(SS2)の各サンプル値の絶対値が小なる場合には、メイン読取サンプル値系列MSとの相関を強制的に小にするような非線形特性であれば良いのである。
【0044】
このように、図8に示すクロストーク除去回路40では、クロストークによる相関はサブ読取サンプル値系列の絶対値が比較的大なるときに検出されるが、上記自己相関はサブ読取サンプル値系列の絶対値が小なる時に検出されることに着目して、この自己相関のみを排除する機能を搭載したものである。つまり、サブ読取サンプル値系列の絶対値が小なる場合にはこれをメイントラックからサブトラックへの漏れ込み成分であると捉え、この漏れ込み成分をレベル変換回路44(54)によって強制的に低下させることにより自己相関分を排除したのである。
【0045】
尚、上記実施例においては、図2に示すように、メイントラックTの隣接トラック(T+1)及び(T−2)上に夫々サブ読取ビームを照射するようにしているが、これらサブ読取ビームを、メイントラックから隣接トラックまでの間に形成されている鏡面部に照射するようにしても良い。要するに、メイントラック及び隣接トラック間におけるメイントラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射すれば良いのである。この際、かかるサブ読取ビーム光の照射による反射光に基づいて得られたサブ読取サンプル値系列によっても、自己相関による誤ったクロストーク検出を防止しつつ、隣接トラックからのクロストークを除去することが出来る。
【0046】
又、図3、図6及び図8に夫々搭載されているランダム位相シフト回路、相関オフセット回路及びレベル変換回路を全てクロストーク除去回路40に搭載するようにしても良い。例えば、ランダム位相シフト回路のみを搭載した場合には、自己相関の低減効果は、図4に示す如きトランスバーサルフィルタのセンタータップ(DフリップフロップD(2/n)からの出力値)付近に対しては高いが、サイドタップに対しては低くなる。そこで、図6に示す相関オフセット回路45(55)、及び図8に示すレベル変換回路44(54)を図3に示すクロストーク除去回路内に搭載することにより、全てのタップに対してより効果的に自己相関の低減を図ることが可能になる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明においては、記録媒体の記録トラックから読み取られたメイン読取信号と隣接トラックから読み取られたサブ読取信号とのレベル相関に基づいてクロストークを検出する際に、この記録トラックから隣接トラックへの漏れ込みの影響による自己相関分を排除するようにしている。
【0048】
よって、読取対象となっている記録トラックに隣接するトラックが未記録領域にあっても、又はサブ読取ビームが記録トラックと隣接トラックとの間にある鏡面部に照射されていても、又はこの隣接トラックが未記録領域から記録済み領域に移動した際にも安定したクロストーク除去を実施させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録情報再生装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示される記録情報再生装置のピックアップ100によって記録ディスク3に照射されたビームスポットと、記録ディスク3上の各トラックとの位置関係を示す図である。
【図3】図1に示される記録情報再生装置におけるクロストーク除去回路40の構成の一例を示す図である。
【図4】クロストーク除去回路40に搭載されているトランスバーサルフィルタ41(51)の内部構成を示す図である。
【図5】図3に示すクロストーク除去回路40の動作を説明する為の図である。
【図6】図1に示される記録情報再生装置におけるクロストーク除去回路40の構成の他の一例を示す図である。
【図7】図6に示される相関オフセット回路45(55)におけるオフセット値OFの最適値の一例を示す図である。
【図8】クロストーク除去回路40の他の一例を示す図である。
【図9】図8に示すクロストーク除去回路40に搭載されているレベル変換回路44(54)における変換特性の一例を示す図である。
【図10】図8に示すクロストーク除去回路40の動作を説明する為の図である。
【図11】図8に示すクロストーク除去回路40に搭載されているレベル変換回路44(54)における変換特性の他の一例を示す図である。
【主要部分の符号の説明】
3 記録ディスク
31,32 バッファメモリ
33,34 ランダム位相シフト制御回路
40 クロストーク除去回路
44,54 レベル変換回路
45,55 相関オフセット回路
100 ピックアップ
Claims (8)
- 記録媒体に記録されている記録情報を再生する記録情報再生装置であって、前記記録媒体の記録トラックにメイン読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてメイン読取信号を得るメイン読取手段と、前記メイン読取ビーム光の照射された前記記録トラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてサブ読取信号を得るサブ読取手段と、前記メイン読取信号と前記サブ読取信号とのレベル相関に基づいて前記メイン読取信号に重畳されている隣接トラックからのクロストーク成分を検出するクロストーク検出手段と、前記クロストーク成分を前記メイン読取信号から減算することによりクロストークの除去された読取信号を得る減算手段と、からなり、前記クロストーク検出手段は、前記サブ読取信号及び前記メイン読取信号間の相対位相をシフトさせた後に前記サブ読取信号と前記メイン読取信号とのレベル相関に供する位相シフト手段を含むことを特徴とする記録情報再生装置。
- 前記位相シフト手段は、前記相対位相のシフト方向をランダムなタイミングで変更する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の記録情報再生装置。
- 前記クロストーク検出手段は、前記位相シフト手段によって位相シフト処理の施された前記サブ読取信号と前記メイン読取信号との相関に対応した相関値を求める相関演算回路と、前記相関値を積分して得られた積分結果をフィルタ係数として求めるフィルタ係数演算回路と、前記サブ読取信号に対して前記フィルタ係数に応じたフィルタリング処理を施すことにより前記隣接トラックからの前記クロストーク成分を求めるトランスバーサルフィルタと、を有することを特徴とする請求項1記載の記録情報再生装置。
- 記録媒体に記録されている記録情報を再生する記録情報再生装置であって、前記記録媒体の記録トラックにメイン読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてメイン読取信号を得るメイン読取手段と、前記メイン読取ビーム光の照射された前記記録トラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてサブ読取信号を得るサブ読取手段と、前記メイン読取信号と前記サブ読取信号とのレベル相関に対応した相関値から、前記記録トラックから隣接トラックへの漏れ込みによる自己相関分に対応した所定のオフセット値を減算して得られた補正相関値に基づいて前記メイン読取信号に重畳されている隣接トラックからのクロストーク成分を検出するクロストーク検出手段と、前記クロストーク成分を前記メイン読取信号から減算することによりクロストークの除去された読取信号を得る減算手段と、を含むことを特徴とする記録情報再生装置。
- 前記クロストーク検出手段は、前記相関値を求める相関演算回路と、前記相関値から前記オフセット値を減算することにより前記補正相関値を求める相関オフセット手段と、前記補正相関値を積分して得られた積分結果をフィルタ係数として求めるフィルタ係数演算回路と、前記サブ読取信号に対して前記フィルタ係数に応じたフィルタリング処理を施すことにより前記隣接トラックからの前記クロストーク成分を求めるトランスバーサルフィルタと、を有することを特徴とする請求項4記載の記録情報再生装置。
- 記録媒体に記録されている記録情報を再生する記録情報再生装置であって、前記記録媒体の記録トラックにメイン読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてメイン読取信号を得るメイン読取手段と、前記メイン読取ビーム光の照射された前記記録トラックの近傍位置にサブ読取ビーム光を照射した際の反射光に基づいてサブ読取信号を得るサブ読取手段と、前記メイン読取信号と前記サブ読取信号とのレベル相関に基づいて前記メイン読取信号に重畳されている隣接トラックからのクロストーク成分を検出するクロストーク検出手段と、前記クロストーク成分を前記メイン読取信号から減算することによりクロストークの除去された読取信号を得る減算手段と、からなり、前記クロストーク検出手段は、前記サブ読取信号の絶対値が所定値よりも小なる場合には前記サブ読取信号のレベルを低減させた後に前記メイン読取信号とのレベル相関に供するレベル変換手段を含むことを特徴とする記録情報再生装置。
- 前記レベル変換手段は、前記サブ読取信号の絶対値が前記所定値よりも大なる場合には前記サブ読取信号のレベルを所定の高レベルに変換する手段を含むことを特徴とする請求項6記載の記録情報再生装置。
- 前記クロストーク検出手段は、前記レベル変換手段によってレベル変換処理の施された前記サブ読取信号と前記メイン読取信号とのレベル相関に対応した相関値を求める相関演算回路と、前記相関値を積分して得られた積分結果をフィルタ係数として求めるフィルタ係数演算回路と、前記サブ読取信号に対して前記フィルタ係数に応じたフィルタリング処理を施すことにより前記隣接トラックからの前記クロストーク成分を求めるトランスバーサルフィルタと、を有することを特徴とする請求項6記載の記録情報再生装置。
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