JP4037160B2 - 吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、地下空洞で石油やLPGを貯蔵する地下タンクの建設等において、露出した地山面へ吹付ける、さらには、地下水等の影響を受けやすい環境下で耐久性に優れた吹付け材料及びそれを用いた吹付け工法に関する。
なお、本発明のセメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称するものである。
また、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準である。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために急結剤をコンクリートに配合した急結コンクリートの吹付け工法が行われている(特公昭60−4149号公報)。
この工法は、通常、掘削工事現場に設置した、セメント、骨材、及び水の計量混合プラントで吹付けコンクリートを調製し、アジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結剤と混合し、急結性吹付けコンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹付ける工法である。
【0003】
一方、海面下の石油やLPGの地下タンクにおいて石油やLPGは、水封方式によって封じ込めているが、地下水が吹付けコンクリートを通過して、岩盤側からタンク内に流れ込む場合があり、この際、セメントコンクリートより溶出した水酸化カルシウム中のカルシウムが空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムを生成し、石油やLPG搬出の際に、ポンプの羽根や配管に付着して故障の原因となるなどの課題があり、水酸化カルシウム生成量の少ないセメントコンクリートが要求されている。
【0004】
また、従来より吹付け材料として使用されている急結剤としては、カルシウムアルミネート、アルカリ金属アルミン酸塩とアルカリ炭酸塩等との混合物、並びに、カルシウムアルミネート、アルカリ金属アルミン酸塩、及びアルカリ炭酸塩等の混合物や、カルシウムアルミネートと3CaO・SiO2との混合物等が知られている(特開昭64−051351号公報、特公昭56−27457号公報、特開昭61−026538号公報、及び特開昭63−210050号公報参照)。
【0005】
これらの急結剤は、セメントの凝結を促進させる働きがあり、いずれもセメントコンクリートと混合して地山面に吹付けられる。
そして、これらの急結剤の添加方法は、通常、空気輸送による粉体混合のために、粉塵量が多くなる方法であった。
そのため、吹付け時には保護眼鏡や防塵マスクなどを着用して作業するなど作業性が低下する場合があり、特に地下空洞の建設工事では粉塵量のより少ない工法が求められていた。
【0006】
粉塵発生量が少ない工法として、急結剤をスラリー化してセメントコンクリートに添加混合した後、さらに、アルカリ金属アルミン酸塩の溶液を別途圧送し、混合し、吹付け施工する方法が提案されている(特開平 5−139804号公報参照)。
しかしながら、この方法は、高アルカリの液体を使用するため、取り扱いにくく、吹付け時には保護眼鏡や手袋等が必要となり、作業性が低下するという課題があった。
【0007】
これに対して、急結剤をスラリー化し、かつ、セメントコンクリートにミョウバン類を配合することにより、作業性を向上する急結施工方法が提案されている(特開平05−097491号公報参照)。
しかしながら、近年、作業性をさらに良くし、工期短縮の面で、急結性や強度発現性をより向上することが求められるようになった。
【0008】
本発明者は、前記課題や要求を種々検討した結果、特定の吹付け材料を使用して吹付け施工を行うことにより、前記課題が解決できるという知見を得て本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、セメントとフライアッシュを配合してなるセメントコンクリートと、アルミニウム元素、イオウ元素、フッ素元素、アルカノールアミン、及び4A族元素を含有してなる液体急結剤とを含有してなる吹付け材料であり、セメントコンクリートが、セメント100部に対して、10〜100部のフライアッシュを配合してなる該吹付け材料であり、該セメントコンクリートと該液体急結剤とを個別に圧送し、合流混合して吹付ける吹付け工法であり、地下空洞を建設するにあたり、該吹付け材料を使用する吹付け工法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明で使用するセメントとは、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、高炉セメントや石灰石セメントの混合セメントなどが挙げられ、これらを微粉末化して使用することも可能である。
【0012】
本発明では、セメントコンクリートからの水酸化カルシウムの生成量を減少させるために、セメントとフライアッシュを併用する。
【0013】
本発明で使用するフライアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラーからの廃ガス中に含まれている灰の微粒子を集塵機等で捕集したもので、人工ポゾラン物質の一種である。
フライアッシュの粒度は特に限定されるものではないが、ブレーン比表面積で2000cm2/g以上が好ましい。2000cm2/g未満では、ポゾラン反応性が乏しく、強度発現性や水酸化カルシウムの生成量を抑制する効果が低くなる場合がある。
フライアッシュの使用量は、セメント100部に対して、10〜100部であり、20〜80部が好ましい。10部未満では強度向上が得られず、水酸化カルシウムの生成量を抑制する効果が得られない場合があり、100部を超えるとセメントコンクリートの粘性が上がり、作業性が低下する場合がある。
【0014】
本発明では必要に応じて、セメントコンクリートに、凝結遅延剤、AE剤、減水剤、流動化剤、増粘剤、保水剤、防水剤、発泡剤、気泡剤、メチルセルロースなどの水中不分離防止剤、防錆剤、高分子エマルジョン、及びシリカフュームなどの混和材、並びに、有機繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、及び鋼繊維等の繊維状物質等の添加剤の一種又は二種以上を本発明の目的を阻害しない範囲で併用することが可能である。
【0015】
本発明で使用するセメントコンクリートはセメントと骨材とを含有するものである。
ここで、骨材としては、吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましい。
骨材の最大寸法は吹付けできれば特に限定されるものではない。
細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用可能であり、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用可能である。
【0016】
セメントコンクリートに使用する水の量は、強度発現性の面からセメント100部に対して、35部以上が好ましく、40〜60部がより好ましい。35部未満ではセメントコンクリートを充分混練できない場合がある。
【0017】
本発明では、セメントコンクリートを含有してなる吹付けセメントコンクリートに液体急結剤を混合して急結性吹付けセメントコンクリートを調製する。
【0018】
本発明で使用する液体急結剤は、アルミニウム元素、イオウ元素、フッ素元素、及びアルカノールアミンを含有するものである。
【0019】
アルミニウム元素の供給原料は特に限定されるものではないが、アルミニウムの硫酸塩、アルミン酸塩、及びその他の無機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物、並びに、アルミニウム錯体等が挙げられる。
アルミニウムの硫酸塩としては、ナトリウム明礬、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ヒドロキシ硫酸アルミニウム、及び硫酸アルミニウムなどが挙げられ、アルミン酸塩としては、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム、及びアルミン酸マグネシウムなどが挙げられ、その他の無機アルミニウム化合物としては、ボーキサイト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、フッ化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、炭酸水酸化アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、及びメタケイ酸アルミニウムなどが挙げられる。
本発明では、これらのアルミニウム元素の供給原料のうちの一種又は二種以上が使用可能であり、本発明では、イオウ元素の供給原料ともなるアルミニウムの硫酸塩の使用が好ましい。
【0020】
また、イオウ元素の供給原料は特に限定されるものではないが、イオウやイオウ華等の元素状態のイオウの他に、硫化物、硫酸又はその塩、亜硫酸又はその塩、チオ硫酸又はその塩、及び有機イオウ化合物等が挙げられる。
硫化物としては、硫化マグネシウム、硫化カルシウム、硫化鉄、及び五硫化リンなどが挙げられ、硫酸塩としては、硫酸アニリン、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ナトリウム明礬、カリウム明礬、アンモニウム明礬、及び硫酸ヒドロキシルアミンなどが挙げられ、亜硫酸塩としては、亜硫酸水素アンモニウムや亜硫酸カルシウムなどが挙げられ、チオ硫酸塩としては、チオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸バリウムなどが挙げられる。
本発明では、これらのイオウ元素の供給原料のうちの一種又は二種以上が使用可能であり、水への溶解性が高く、製造コストが安く、かつ、凝結性状が優れる面から、硫酸又はその塩の使用が好ましく、アンモニウム明礬の使用がより好ましい。
【0021】
また、フッ素元素の供給原料は特に限定されるものではないが、例えば、有機フッ素化合物、フッ化塩、ケイフッ化塩、フッ化ホウ素塩、及びヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。
有機フッ素化合物としては、フロリナートやフロン類等が挙げられ、フッ化塩としては、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、及びフッ化カルシウムなどが挙げられ、ケイフッ化塩としては、ケイフッ化アンモニウムやケイフッ化マグネシウムなどが挙げられ、フッ化ホウ素塩としては、フッ化ホウ素酸、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素モノエチルアミンコンプレックス、三フッ化ホウ素酢酸コンプレックス、ホウフッ化第一鉄、及びホウフッ化アンモニウムなどが挙げられ、ヘキサフルオロリン酸塩としては、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロリン酸の塩、及びヘキサフルオロリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
本発明では、これらフッ素元素の供給原料のうちの一種又は二種以上が使用可能であり、安全性が高く、製造コストが安く、かつ、凝結性状が優れる面から、フッ化塩、ケイフッ化塩、及びホウフッ化塩の使用が好ましい。
【0022】
本発明のアルカノールアミンは、構造式N-R-OH構造を有する有機化合物である。ここで、Rは、通常、アルキル基又はアリル基と呼ばれる原子団であり、例えば、メチレン基、エチレン基、及びn-プロピレン基等の直鎖型のアルキル基、イソプロピル基等の枝分かれ構造を有するアルキル基、並びに、フェニル基やベンジル基等の芳香族環を有するアリル基等が挙げられる。
Rは窒素原子と2箇所以上で結合していてもよく、Rの一部又は全部が環状構造であってもよい。また、Rは複数の水酸基と結合していてもよく、アルキル基の一部に炭素や水素以外の元素、例えば、イオウ、フッ素、塩素、及び酸素等が含まれていてもよい。
このようなアルカノールアミンの例としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N-(2-アミノエチル)エタノールアミン、三フッ化ホウ素トリエタノールアミン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
本発明では、これらアルカノールアミンのうちの一種又は二種以上を使用することができ、そのうち、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、及びそれらの混合物の使用が好ましく、ジエタノールアミンとN,N-ジメチルエタノールアミンの混合物の使用がより好ましい。
【0023】
液体急結剤中のアルミニウム元素、イオウ元素、フッ素元素、及びアルカノールアミンの割合は、SO3換算のイオウ100部に対して、アルミニウム元素がAl2O3換算で25〜110部、フッ素元素が元素換算で2.5〜50部、及びアルカノールアミンが1〜50部が好ましい。この範囲外では、急結性が著しく低下する場合や、液の粘性が高くポンプ圧送が困難になる場合がある。
【0024】
本発明では、アルミニウム元素、イオウ元素、フッ素元素、及びアルカノールアミンに、さらに、4A族元素を含有する液体急結剤を使用することは、低温環境下での急結性吹付けセメントコンクリートの付着性状が向上する面から好ましい。
【0025】
ここで、4A族元素とは、チタニウム、ジルコニウム、及びハフニウムなどであり、これらの供給原料は特に限定されるものではないが、チタニウム、ジルコニウム、及びハフニウムなどの4A族元素の水溶性化合物を一種以上含むことが好ましい。
チタニウムの水溶性化合物の供給原料としては、硫酸チタニウム、硫酸チタニル、塩化チタニウム、水酸化チタニウム、炭酸チタニウム、フッ化チタニウム、臭化チタニウム、ヨウ化チタニウム、ホウ酸チタニウム、アルコキシチタン類、及びチタンアシレート類等のチタニウム化合物等が挙げられる。
また、ジルコニウムの水溶性化合物の供給原料としては、硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、二塩化酸化ジルコニウム、及びホウ酸ジルコニウムなどのジルコニウム化合物が挙げられる。
さらに、ハフニウムの水溶性化合物の供給原料としては、二塩化酸化ハフニウムやフッ化ハフニウムなどのハフニウム化合物等が挙げられる。
本発明では、これらの4A族元素化合物のうちの一種又は二種以上が使用可能である。
また、本発明の4A族元素化合物は、水と反応する化合物であっても、反応後に水中に高分子ゲル状又はコロイド状で分散するものは使用可能である。
これらのうち、入手が容易であり、水に対する溶解性が良く、かつ、経済的である、チタン及び/又はジルコニウムを含有する化合物が好ましく、硫酸チタン及び硫酸チタニルが最も好ましい。
【0026】
本発明の液体急結剤は、アルミニウム元素、イオウ元素、フッ素元素、及びアルカノールアミン、及び4A族元素以外に、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどのアルカリ金属元素、並びに、ケイ素からなる群から選ばれた一種又は二種以上の元素を含有するものも使用可能である。
また、液体急結剤は、40℃以上に加熱してセメントコンクリートに混和することにより急結性を向上することが可能である。
【0027】
液体急結剤の使用量は、セメント100部に対して、5〜15部が好ましく、7〜10部がより好ましい。5部未満では、セメントコンクリートと液体急結剤が混合した急結性吹付けセメントコンクリートの初期凝結を促進しにくい場合があり、15部を超えると強度発現性は良好になるが経済的に好ましくない。
【0028】
本発明の液体急結剤を用いた吹付け工法においては、従来使用の吹付け設備等が使用可能である。
具体的には、例えば、吹付けセメントコンクリートの圧送には空気圧送式としてアリバー社製商品名「アリバー285」などが、また、ポンプ圧送式にはシンテック社製ピストンポンプなどが、そして、液体急結剤の圧送にはピストンポンプ、フランジャーポンプ、ギヤポンプ、及びスクイズポンプなどがそれぞれ使用可能である。
【0029】
また、本発明のセメントコンクリートと液体急結剤とを用いた吹付け工法としては、要求される物性、経済性、及び施工性等に応じた種々の吹付け工法が可能である。
本発明の吹付け工法としては、湿式吹付け工法、乾式吹付け工法のどちらも使用可能であるが、粉塵低減の面から、液体急結剤を混合する前にあらかじめ水をセメントコンクリート側に加えて混練した湿式吹付け工法を使用することが好ましい。
湿式吹付け工法の場合、コンクリートのコンシステンシーは、コンクリートポンプにて圧送する場合には、スランプコーンを引き抜いた際のフロー値で20〜70cm程度が好ましく、アリバー285のような空気圧送方式の場合には、スランプで5cm以上が好ましい。
湿式吹付け工法としては、例えば、セメント、細骨材、粗骨材、及び水を加えて混練し、空気圧送し、途中に設けたY字管の一方から急結剤供給装置により圧送した液体急結剤を合流混合して急結性吹付けセメントコンクリートとしたものを吹付ける方法等が挙げられる。
【0030】
本発明の液体急結剤を用いた吹付け工法においては、通常、吹付け圧力は0.2〜0.5MPaが好ましく、吹付け速度は4〜20m3/hが好ましい。
【0031】
また、液体急結剤を圧送する圧送空気の圧力は、セメントコンクリートが液体急結剤の圧送管内に混入したときに圧送管内が閉塞しないようにセメントコンクリートの圧送圧力より0.01〜0.3MPa 大きいことが好ましい。
【0032】
本発明の液体急結剤を用いた吹付け工法において、液体急結剤を吹付けセメントコンクリートと混合してから急結性吹付けセメントコンクリートが吐出されるまでの時間は5秒以内が好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実験例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0034】
実験例1
表1に示す量のセメント、フライアッシュ、及びW/Cを用い、フライアッシュは細骨材率60%における細骨材に内割で使用し、さらに、セメント100部に対して、減水剤を1部配合してコンクリートを調製し、セメント100部に対して、10部の割合で液体急結剤Aを混合し、材齢28日の圧縮強度を測定した。試験の環境温度は20℃であった。結果を表1に併記する。
また、細骨材と粗骨材を除いて同様に液体急結剤Aを混合したセメントペーストの材齢28日の水酸化カルシウムを定量した。結果を表1に併記する。
【0035】
<使用材料>
セメントa:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,200cm2/g、密度3.16
セメントb:高炉セメントB種、市販品、ブレーン値3,700cm2/g、密度3.04
フライアッシュ:市販品、ブレーン値5,500cm2/g、密度2.40
細骨材 :新潟県糸魚川市姫川産川砂、表乾、密度2.62
粗骨材 :新潟県糸魚川市姫川産砕石、表乾、密度2.64、最大寸法13mm
減水剤 :高性能減水剤、市販品、ポリエチレングリコール系
液体急結剤A:水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム八水塩、硫酸、フッ化カルシウム、及びトリエタノールアミン(TEA)を用いて、Al2O312%、SO320%、フッ素4%、及びTEA2%含有する液体急結剤
【0036】
<測定方法>
圧縮強度 :JIS A 1132、JIS A 1108に準拠して測定
水酸化カルシウム:JIS R 5201に準じてセメントペーストを混練りし、ビニール袋で密閉して材齢28日間養生後、アセトンで水和停止して乾燥し、微粉砕して熱分析装置(TG-DTA)で430℃近辺の脱水ピークから定量
【0037】
【表1】
【0038】
実験例2
セメントb360kg/m3、細骨材1,000kg/m3、及びW/C=55.6%の配合を用い、細骨材の内割としてフライアッシュ108kg/m3を配合して、モルタルを調製した。
調製したモルタル中のセメント100部に対して、表2に示す液体急結剤を混合し、凝結始発時間の測定を行ったこと以外は実験例1と同様に行った。試験の環境温度は20℃であった。結果を表2に併記する。
【0039】
<使用材料>
液体急結剤B:水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム八水塩、硫酸、クリオライト、ジエタノールアミン、及び沈降性シリカを用いて、Al2O312%、SO320%、Na2O4%、フッ素4%、ケイ素2%、及びジエタノールアミン0.5%含有する液体急結剤
液体急結剤C:水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム八水塩、硫酸、ケイフッ化ナトリウム、モノエタノールアミン、沈降性シリカ、及び硫酸チタニルを用いて、Al2O312%、SO320%、Na2O4%、フッ素4%、ケイ素2%、チタン2%、及びモノエタノールアミン4%を含有する液体急結剤
【0040】
<測定方法>
凝結時間 :土木学会基準「吹付けコンクリート用急結剤品質規格(JSCED-102)」に準じて始発時間を測定
【0041】
【表2】
【0042】
実験例3
各材料の単位量を、セメントb450kg/m3、細骨材922kg/m3、粗骨材691kg/m3、水200kg/m3、及び減水剤5kg/m3とし、表3に示すフライアッシュを配合してコンクリートを調製し、このコンクリートをピストンポンプで、吹付け速度10m3/hの条件下で圧送し、吹付けノズル先端から後方3mに設置したY字管で空気を挿入し吹付け圧力0.4MPaで空気搬送した。
一方、液体急結剤を、セメントb100部に対して、10部になるように吹付けノズル先端から後方50cmの位置で混合した。
この液体急結剤を、Y字管のもう一方から圧送された吹付けコンクリートに混合し、急結性吹付けコンクリートとし、リバウンド率と粉塵量を測定した。試験の環境温度は20℃えだった。結果を表3に示す。
また、実験例1と同様に材令28日の吹付けコンクリートから細骨材と粗骨材を除いて水酸化カルシウムを定量した。結果を表3に併記する。
なお、比較のため、粉体急結剤をセメントb100部に対して、10部になるように混合して同様に実験を行った。結果を表3に併記する。
【0043】
<使用材料>
粉体急結剤:カルシウムアルミネート系急結剤、市販品
【0044】
<測定方法>
リバウンド率:急結性吹付けコンクリートを10m3/hの圧送速度で6分間、鉄板でアーチ状に作成した高さ4.5m、幅5.5mの模擬トンネルに吹付けた。その後、(リバウンド率)=(模擬トンネルに付着せずに落下した急結性吹付けコンクリートの質量)/(模擬トンネルに吹付けた急結性吹付けコンクリートの質量)×100(%)で算出
粉塵量 :急結性吹付けコンクリートを10m3/hの圧送速度で6分間、模擬トンネルに吹付け、その間、吹付け場所より3mの定位置で粉塵量を測定
【0045】
【表3】
【0046】
実験例4
各材料の単位量を、セメントb450kg/m3、フライアッシュ105kg/m3、細骨材922kg/m3、粗骨材691kg/m3、水200kg/m3、及び減水剤5kg/m3としてコンクリートを調製し、5℃の環境温度下で壁面に吹き付けた際の付着状況を確認した。
コンクリートポンプはスクイズポンプを使用し、吹付け速度4m3/hの条件下で圧送し、吹付けノズル先端から後方3mに設置したY字管で空気を挿入して吹付け圧力0.4MPaで空気搬送した。
一方、液体急結剤を、セメントb100部に対して、10部になるように吹付けノズル先端から後方50cmの位置で混合した。
使用した液体急結剤は液体急結剤Cのチタン含有量を変化させたものである。結果を表4に併記する。
【0047】
<測定方法>
低温での付着状況:模擬トンネルの壁面に吹付け施工後、目視で変形の有無を確認した。吹付け後変形が見られないものを◎、若干ダレがあるが実用上問題ないものを○、明らかにダレが発生し、吹付け材料として使用不能とされるものを△とした。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】
本発明の吹付け材料を用いることにより粉塵の発生量を少なくできる、また、急結性吹付けセメントコンクリートのリバウンドを低減できるために施工コストも削減できる、さらには、地下水等の影響を受けやすい環境下で耐久性に優れた急結性吹付けセメントコンクリートが得られるなどの効果を奏する。
Claims (4)
- セメントとフライアッシュを配合してなるセメントコンクリートと、アルミニウム元素、イオウ元素、フッ素元素、アルカノールアミン、及び4A族元素を含有してなる液体急結剤とを含有してなる吹付け材料。
- セメントコンクリートが、セメント100部に対して、10〜100部のフライアッシュを配合してなることを特徴とする請求項1に記載の吹付け材料。
- 請求項1又は請求項2に記載のセメントコンクリートと、請求項1に記載の液体急結剤とを個別に圧送し、合流混合して吹付けることを特徴とする吹付け工法。
- 地下空洞を建設するにあたり、請求項1又は請求項2に記載の吹付け材料を使用することを特徴とする吹付け工法。
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