JP4036069B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字あるいは図形等の印刷データを印刷面に印刷する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PC(Personal Computer)等の情報処理装置において処理されたデータを印刷する際、印刷装置が用いられている。
【0003】
この際に用いられる印刷装置は、主として据え置いて使用することを目的とし、印刷用紙を給紙するローディング機構を備えたものであって、情報処理装置においてレイアウト処理された紙面のレイアウトに従って、ページ全体を印刷する形式のもの(以下、「固定型プリンタ」と言う。)が一般的である。
【0004】
ところが、このような固定型プリンタは、ローディング機構を備えていることから、装置が大型化し、持ち運ぶことが困難であった。そのため、プリンタを携帯し、任意の場所で使用するような使用形態には適していなかった。
【0005】
そこで、持ち運ぶことが容易な印刷装置として、例えば、特許文献1のようないわゆるハンディプリンタ装置が提案されている。ハンディプリンタ装置は、給紙装置を備えることなく、ユーザによって一定方向に手動で移動されることにより、目的の印刷データを印刷面に印刷する機能を有している。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−187460号公報
【0007】
このようなハンディプリンタ装置は、固定型プリンタに比べ、装置が小型、軽量であり、携帯して任意の場所で使用するといった使用形態に適している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のハンディプリンタ装置は、ユーザがハンディプリンタ装置を把持し、印刷面上を一定方向に、一定速度で移動させつつ、印刷データを印刷する必要があった。そのため、ハンディプリンタ装置を一度の移動で適切に移動させないと印刷結果が歪む場合があり、適切な印刷結果を得るためには熟練を要する等の理由から、広く普及するには至っていなかった。
【0009】
本発明の課題は、容易かつ適切に印刷を行うことが可能な携帯型の印刷装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
印刷面上を移動させることにより印刷データを該印刷面に印刷可能な印刷装置であって、印刷面上における自装置の存在位置に関する情報を検出可能な検出手段(例えば、図1の移動センサ170)と、画素を単位とする印刷が可能な画素印刷手段(例えば、図1のプリンタヘッド140に備えられたドットヘッド)が所定の配列に並べられた印刷手段(例えば、図1のプリンタヘッド140)と、前記印刷データの印刷において、印刷面における印刷位置の相対的な基準となる印刷基準位置(例えば、印刷が開始された位置等)と、前記検出手段によって検出された存在位置に関する情報(例えば、図1の移動センサ170が検出する印刷装置1の平行移動および回転)とに基づいて、前記画素印刷手段それぞれの存在位置を算出し、前記画素印刷手段に該存在位置に対応する所定の画素を印刷させる制御手段とを備え、印刷面上を任意の方向に移動させることに対応して、印刷データの印刷が可能であることを特徴としている。
【0011】
即ち、印刷装置をほぼ一定方向に移動させながら、やや移動方向がずれてしまった場合(2〜3°ずれた場合等)や、いわゆるこすりだしのように、ランダムな方向に移動させた場合にも、所定の位置に応じた画素が印刷される。
【0012】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、前記印刷基準位置に対して前記印刷データに含まれる各画素の印刷が予定される位置である印刷予定画素位置(例えば、図2の格子点である印刷予定の画素位置)を算出し、前記印刷予定画素位置に基づく所定位置範囲(例えば、図2の近傍領域)に、前記画素印刷手段のいずれかが位置している場合に、該画素印刷手段に前記印刷予定画素位置に対応する画素を印刷させることを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、
請求項2記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、前記印刷予定画素位置に対応する画素の印刷が行われた画素について、印刷が終了した旨を記憶していき、以後、該印刷予定画素位置に基づく所定位置範囲に、前記画素印刷手段のいずれかが位置した場合に、該印刷予定画素位置に対応する画素の印刷を行わないことを特徴としている。
【0014】
即ち、印刷装置を印刷面上で複数回移動させた場合に、既に印刷が行われている画素には印刷が行われず、未だ印刷が行われていない画素のみが順次印刷されていくこととなる。
【0015】
請求項4記載の発明は、
請求項1記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、前記印刷基準位置に対して前記印刷データに含まれる各画素の印刷が予定される位置である印刷予定画素位置を算出し、前記画素印刷手段が任意の位置に存在している場合に、該画素印刷手段の位置を囲む所定画素の印刷データに基づいて、該画素印刷手段の位置における仮想画素(例えば、図5の補完画素)の印刷データを生成し、該画素印刷手段の位置に、生成した仮想画素を印刷可能であることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
印刷面における絶対位置を検出するための基準となる座標基準位置(例えば、印刷面である紙面の右上の角等)に、自装置を位置させるための指示手段(例えば、図6のLED)をさらに備えることを特徴としている。
【0017】
請求項6記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記画素印刷手段は、所定間隔で一列に並べられていることを特徴としている。
【0018】
請求項7記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記画素印刷手段は、所定間隔で一列に並べられた列の複数が、列方向に互いに所定距離だけずらして配列されていることを特徴としている。
【0019】
請求項8記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記画素印刷手段は、無作為な間隔で並べられていることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、
請求項1〜8のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、印刷のための処理に要する遅延時間を算出し、該遅延時間と前記検出手段によって検出された位置に関する情報とに基づいて、該遅延時間後における前記画素印刷手段の予測位置を算出し、該予測位置に対応する画素を印刷可能であることを特徴としている。
【0020】
請求項10記載の発明は、
請求項1〜8のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷手段は、自装置の移動に対応して、前記画素印刷手段が印刷面の一定位置を追従可能とする追従手段をさらに備え、印刷のための処理に要する遅延時間に、自装置が移動することによって生ずる印刷位置のずれを防止可能であることを特徴としている。
【0021】
請求項11記載の発明は、
請求項1〜10のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷面に備えられた、前記印刷面の絶対位置を検出するための目安となる案内手段(例えば、発明の実施の形態中の位置校正用のガイド板等)の位置を検出することにより、自装置が認識する前記絶対位置を校正可能であることを特徴としている。
【0022】
請求項12記載の発明は、
請求項1〜11のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷面における位置を示す指標を、不顕性インク(例えば、紫外蛍光インク等)によって該印刷面に印刷可能な位置指標印刷手段と、前記位置指標印刷手段によって印刷された指標を読み取り可能な指標読み取り手段をさらに備え、前記位置指標印刷手段は、前記画素印刷手段によって印刷データを印刷することに併せて、前記指標を印刷し、前記指標読み取り手段が、印刷された指標を読み取ることにより、従前に印刷が行われた位置を検出可能であることを特徴としている。
【0023】
即ち、従前に印刷が行われた位置を検出し、その位置に基づいて、相対位置を修正することにより、相対位置の誤差が生ずることを防止することができ、印刷装置を複数回移動させることにより、1つの印刷データを印刷していく場合にも、適切な印刷結果を得ることができる。
【0024】
請求項13記載の発明は、
請求項1〜12のいずれかに記載の印刷装置であって、
自装置が移動されることに基づくエネルギーを利用して電力を発生させる発電手段をさらに備え、発生させた電力を利用して、自装置を駆動可能であることを特徴としている。
【0025】
請求項14記載の発明は、
請求項1〜13のいずれかに記載の印刷装置であって、
外部装置から印刷データを受信するための受信部をさらに備え、自装置の形状と整合し、該外部装置から印刷データを送信する送信装置の機能を有する台座部に置かれることにより、該台座部から印刷データを受信可能であることを特徴としている。
【0026】
請求項15記載の発明は、
請求項1〜14のいずれかに記載の印刷装置であって、
手で把持し易い形状および大きさを有し、手動で印刷面上を移動させることにより、該印刷面に印刷データを印刷することを特徴としている。
【0027】
即ち、請求項15に係る印刷装置は、いわゆるハンディプリンタ装置の一種であり、ユーザが手で把持し易い形状(例えば、握った場合の手の形状に合わせた曲線形状)および大きさ(例えば、一般に印刷が行われるA4形等の用紙より小さい大きさ)を有することにより、手動で移動するのに適したものである。
【0028】
本発明によれば、印刷データを情報処理装置等から印刷装置に送信し、ユーザが印刷面上で印刷装置を移動させることにより、印刷装置が通過した範囲に印刷データが印刷される。具体的には、ユーザが、印刷装置を印刷面上で移動させると、画素印刷装置が通過した領域のうち、画素印刷装置の位置に応じて所定の画素が印刷される。
【0029】
したがって、給紙装置を備えていない印刷装置によって、容易かつ適切に印刷データを印刷することができる。つまり、印刷面上で印刷装置を手動によって移動させる場合であっても、画素印刷装置の位置に応じて、所定の条件に適合する画素(適切な位置に印刷可能な画素あるいは周囲の画素から補完された画素等)が印刷されるため、印刷装置が厳密に一定方向および一定速度で移動されない場合にも、印刷結果が歪むことがなく、容易に適切な印刷を行うことができる。
【0030】
なお、印刷装置が移動された領域において、画素印刷装置が通過していない位置の画素や、移動速度が速いために印刷が行えなかった画素の印刷を保留し、印刷装置が再度移動された際に印刷することとすると、印刷装置を複数回移動させることにより、徐々に印刷結果が完成されていき、いわゆる「こすりだし」の要領で印刷が行える。この要領での印刷は、ユーザが印刷にかける時間とその印刷品質との按分を、ユーザ自らが目視で確認しながら調整できる。本発明では、この際、一度印刷された画素に重ねて印刷が行われないようにでき、印刷の斑が発生することを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明に係る印刷装置の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、本発明を適用した印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。図1において、印刷装置1は、ユーザが手で把持し易い形状の筐体内に、制御部100と、データメモリ110と、プログラムメモリ120と、ヘッド駆動回路130と、プリンタヘッド140と、インターフェース部150と、無線通信部160と、移動センサ170とを備えている。なお、制御部100と、データメモリ110と、プログラムメモリ120と、インターフェース部150とは、バス180によって接続されている。
【0032】
制御部100は、印刷装置1全体を制御するもので、インターフェース部150から入力される各種の指示信号に従って、プログラムメモリ120に記憶された各種処理に関するプログラムを読み出して実行したり、印刷の実行指示信号に従って、ヘッド駆動回路130を駆動し、プリンタヘッド140に印刷を実行させたりする。
【0033】
また、制御部100は、移動センサ170からプリンタヘッド140の移動を示す信号を受信し、その位置に応じた印刷データをプリンタヘッド140に印刷させる。なお、制御部100がプリンタヘッド140に印刷データを印刷させる際の印刷方法については、後述する。
【0034】
データメモリ110は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリによって構成され、インターフェース部150を介して受信した印刷データを一時的に格納する。
【0035】
プログラムメモリ120は、例えばフラッシュROM等の不揮発性のメモリによって構成され、インターフェース部150を介して受信した印刷データをプリンタヘッド140に印刷させるためのプログラムや、印刷装置1を制御するための種々のプログラムを記憶している。
【0036】
ヘッド駆動回路130は、制御部100の指示に従って、プリンタヘッド140に制御電圧を加え、インクの噴射口であるヘッド列から、インクを噴射させる。
プリンタヘッド140は、印刷装置1の下面(移動センサ170が備えられ、印刷時に印刷面に当接される面)に設けられ、微小な点に印刷可能な噴射口を所定の配列で複数備えている。なお、プリンタヘッド140として、微少なインクの粒子を噴射することにより印刷を行う方式や、ドットインパクトにより印刷を行う方式あるいは熱転写により印刷を行う方式等、種々の形式のものが採用可能であるが、ここでは、微少なインクの粒子を噴射する方式であることとして説明する。
【0037】
インターフェース部150は、印刷データを提供する情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション等)と有線あるいは無線通信によって通信を行うためのインターフェースであり、例えば、IrDA(Infrared Data Association)やブルートゥース(Bluetooth)あるいはケーブル等による通信インターフェースである。
【0038】
無線通信部160は、情報処理装置によって提供される印刷データを印刷装置1に送信するための所定のインターフェース(図1の情報処置装置側の無線通信部)と無線通信によって通信を行うためのインターフェースであり、例えば、光、ブルートゥースあるいはIrDA等による無線通信インターフェースである。この無線通信部160については、例えば、情報処理装置側の無線通信部が印刷装置1を置く台座となっており、印刷装置1が台座に置かれた場合に、印刷データを台座である無線通信部から受信するといった形態が可能である。
【0039】
移動センサ170は、印刷時に、印刷装置1の移動を制御部100に逐次出力する。具体的には、移動センサ170は、印刷装置1の下面の2箇所に設けられ、印刷装置1が印刷面上を摺動されることによる平行移動および回転を検出し、検出した移動を示す信号を制御部100に出力する。
【0040】
なお、移動を検出する手段としては、下面に備えられたボールの回転によって移動を検出する方法や、2次元センサによって印刷面の拡大画像を定期的に検出し、画像処理によって移動ベクトルを算出するといった方法が可能である。このように下面の2箇所における移動を検出することにより、印刷装置1の印刷面上における平行移動および回転が検出可能である。
【0041】
また、移動センサ170を下面に2箇所設ける場合の他、1箇所に設けておき、その移動センサ170が印刷装置1の平行移動および回転の両方を検出することも可能である。これは、上記の2次元センサを用いた画像処理による方法でも検出できるほか、別にジャイロスコープ等を用いてもよい。
【0042】
上述の構成の下、印刷装置1の下面(プリンタヘッド140の設けられた面)が印刷面に当接され、印刷面上を印刷装置1が任意に摺動されると、プリンタヘッド140が、その位置に応じた画像の印刷を行う。このとき、印刷装置1は、印刷面上を摺動される向き、速度あるいは位置等に応じて、例えば、その摺動動作において、プリンタヘッド140のドットヘッドが通過する既定の画素位置にのみ印刷を行うこと(第1の方法)や、プリンタヘッド140のドットヘッドが既定の画素位置を通過しない場合には、近傍の画素のデータによって補完された画素を所定位置に印刷すること(第2の方法)等が可能である。
【0043】
以下、第1の方法および第2の方法について説明する。
プリンタヘッド140のヘッド列は、図2に示すように、インクの粒子を噴射するドットヘッドが所定の配列で備えられている。したがって、印刷装置1が手動で摺動された場合、印刷面上の印刷予定の画素位置を正確に通過しない可能性がある。したがって、以下のような方法で、各画素の印刷が行われる。
【0044】
第1の方法においては、印刷予定の画素位置を中心とした所定半径の領域(以下、「近傍領域」と言う。)を定めておき、ドットヘッドが近傍領域を通過する際に、近傍領域内に、中心である画素のデータを印刷するものとする。また、ドットヘッドが近傍領域を通過しない画素については、その摺動動作においては印刷を行わない。そして、一度の摺動動作において印刷が行われていない画素については、再度、印刷装置1が印刷面上を摺動された際に、逐次補完しながら印刷データを印刷していく。その結果、図3に示すように、印刷装置1が印刷面上を摺動された回数、速さ等に応じた画質の画像が印刷される。
【0045】
なお、プリンタヘッド140のヘッド列の構成として、ドットヘッドを所定間隔で一列に配列する場合(図2参照)の他、図4に示すように、複数列とし、ドットヘッドが摺動方向に対して他の列と重ならないように配列する場合が可能である。
【0046】
このような配列とすることにより、一度の摺動動作において、各画素の近傍領域を通過するドットヘッドの数が増加し、印刷効率が向上する。また、図4に示すような配列の他、ドットヘッドをランダムな配列とすることや、複数列の各列におけるドットヘッドの間隔を列毎に異ならせる配列とすることが可能である。ドットヘッドをランダムな配列とした場合、モアレパターンやビートの発生を防止することができる。
【0047】
第2の方法においては、印刷装置1が摺動される際、ドットヘッドの位置に、周囲の印刷予定画素の印刷データに基づいて補完画素を適宜生成し、各ドットヘッドは、所定距離間隔等で、常に印刷予定画素あるいは補完画素のいずれかを印刷していくものとする。例えば、図5に示すようにドットヘッドD1の位置に、画素P1〜P4の印刷データから補完画素を生成して印刷するものとする。
【0048】
このとき、補完画素の生成方法としては、印刷データが2値の場合には、最も近接する印刷予定画素の印刷データをそのまま用いることや、より近接する奇数の印刷予定画素を選択し、それらにおける多数決方式によって、補完画素を生成すること等が可能である。
【0049】
また、印刷データが、例えば、噴射するインクの粒子の大きさを変化させて階調を形成するもの等、多値を採るものである場合には、より近接する所定数の画素の印刷データにおいて、距離に応じた加重平均を算出し、補完画素を生成すること等が可能である。このように補完画素を生成して印刷を行うことにより、より正確な補完画素を生成することができ、画質の低下を防止することができる。次に、印刷装置1によって印刷データを印刷する際に、印刷面における印刷位置を設定する方法について説明する。
【0050】
印刷装置1は、印刷面の任意の位置に印刷を行うことが可能であるが、例えば、印刷用紙が方形である場合には、印刷用紙に対して一定の向きおよび位置に印刷を行う必要が生ずる場合もある。したがって、印刷用紙等の印刷面に対し、印刷装置1の位置合わせを行う手段が必要となる。
【0051】
図6は、長方形の印刷用紙に対して、印刷装置1の位置合わせを行う方法を示す図である。図6において、印刷装置1は、上面の四隅にLED(Light Emitting Diode)を備え、所定のLEDを点灯させることにより、ユーザに対し、その一隅を印刷用紙の所定の角に重ね合わせるよう指示することが可能である。
【0052】
そして、その一隅が印刷用紙の所定の角に重ね合わせられると、印刷装置1に備えられた移動センサ170が、その状態を基準の状態として認識する。そして、印刷装置1が移動された場合にも、基準の状態に対する相対的な変化(平行移動および回転の量)が認識されていることから、印刷用紙に対して一定の向きおよび位置に印刷を行うことができる。
【0053】
なお、印刷用紙に対して、印刷装置1の位置合わせを行う場合、図6のように、LED等によって視覚的に基準の状態を指示する方法の他、音声等によって聴覚的に基準の状態を指示する方法が可能である。
次に、動作を説明する。
図7は、印刷装置1の制御部100が行う印刷処理を示すフローチャートである。印刷処理は、ユーザが情報処理装置から印刷装置1に印刷データを送信することによって起動される。なお、図7に示すフローチャートは、図2に示すプリンタヘッド140のヘッド列の場合であって、既に印刷された画素には、以後、プリンタヘッド140が通過する場合にも印刷が行われない処理の例を示している。
【0054】
図7において、情報処理装置から印刷データが送信されることにより、印刷処理が起動されると、制御部100は、印刷データをデータメモリ110に記憶し(ステップS1)、印刷装置1の印刷用紙に対する基準の状態を指示し、ユーザによって印刷装置1が基準の状態とされることに対応して、初期位置の認識を行う(ステップS2)。
【0055】
次に、制御部100は、印刷装置1の位置に応じた印刷を行うことが可能な状態とし(ステップS3)、印刷装置1が摺動されることに対応して、移動センサ170からの出力信号を受け付ける(ステップS4)。
【0056】
そして、制御部100は、移動センサ170からの信号に基づいて、各ドットヘッドについて基準の状態(印刷が開始された位置等)に対する相対位置を算出し(ステップS5)、各ドットヘッドについて、その位置における処理が全て終了したか否かの判定を行う(ステップS6)。
【0057】
ステップS6において、各ドットヘッドについて、その位置における処理が全て終了していないと判定した場合、制御部100は、いずれかのドットヘッドがいずれかの印刷予定の画素の近傍領域に位置しているか否かの判定を行う(ステップS7)。
【0058】
ステップS7において、いずれのドットヘッドもいずれの印刷予定の画素の近傍領域に位置していないと判定した場合、制御部100は、ステップS6の処理に移行し、一方、いずれかのドットヘッドがいずれかの印刷予定の画素の近傍領域に位置していると判定した場合、制御部100は、その近傍領域に対応する印刷予定の画素は、まだ印刷されていないか否かの判定を行う(ステップS8)。ステップS8において、その近傍領域に対応する印刷予定の画素が既に印刷されていると判定した場合、制御部100は、ステップS6の処理に移行し、一方、その近傍領域に対応する印刷予定の画素が、まだ印刷されていないと判定した場合、制御部100は、その近傍領域に位置するドットヘッドを駆動し、その印刷予定の画素をその近傍領域内に印刷させる(ステップS9)。
【0059】
また、ステップS6において、各ドットヘッドについて、その位置における処理が全て終了したと判定した場合、制御部100は、全ての印刷データの印刷が終了したか否かの判定を行い(ステップS10)、全ての印刷データの印刷が終了していないと判定した場合、所定時間毎(ステップS11)に、ステップS4からの処理を繰り返す。なお、ステップS4からの繰返し処理については、印刷装置1が前回の検出位置から移動するのを待って行うようにしてもよい。このためには、ステップS5において相対位置が前回と同じ場合にはステップS4に戻るようにする方法や、ステップS4またはステップS11において、移動センサ170からの出力変化が検出されるのを待つようにするなどの方法が考えられる。
【0060】
一方、ステップS10において、全ての印刷データの印刷が終了したと判定した場合、制御部100は、印刷処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係る印刷装置1は、印刷データを情報処理装置から印刷装置1に送信し、ユーザが印刷面上で印刷装置1を摺動させることにより、印刷装置1が通過した範囲に印刷データが印刷される。具体的には、ユーザが、印刷装置1を印刷面上で摺動させると、ドットヘッドが通過した領域のうち、ドットヘッドの位置に応じて所定の画素が印刷される。
【0061】
したがって、給紙装置を備えていない印刷装置1によって、容易かつ適切に印刷データを印刷することができる。つまり、印刷面上で印刷装置1を手動によって移動させる場合であっても、ドットヘッドの位置に応じて、所定の条件に適合する画素(適切な位置に印刷可能な画素あるいは周囲の画素から補完された画素等)が印刷されるため、印刷装置1が厳密に一定方向および一定速度で移動されない場合にも、印刷結果が歪むことがなく、容易に適切な印刷を行うことができる。
【0062】
なお、印刷装置1が移動された領域において、ドットヘッドが通過していない位置の画素や、移動速度が速いために処理が間に合わずにドットヘッドが通り過ぎてしまい印刷が行えなかった画素の印刷は保留されることになるが、印刷装置1が再度移動された際に印刷することとすると、印刷装置1を複数回移動させることにより、徐々に印刷結果が完成されていき、いわゆる「こすりだし」の要領で印刷が行える。この際、印刷が行われた画素について記憶する構成の場合には、一度印刷された画素に重ねて印刷が行われることがないため、印刷の斑が発生することを防止できる。このような「こすりだし」の要領による印刷方法では、例えば、概略の印刷結果で良いから短時間で印刷したいとか、時間はかかっても良いから綺麗な印刷結果が欲しいというような、その時々のユーザの要求に応じて、ユーザ自らが任意に印刷結果を調整することができるという利点がある。
【0063】
さらに、印刷装置1は、移動される速度に応じて、印刷する画素を補正することが可能である。即ち、移動センサ170によって検出された位置に、対応する画素を印刷する場合、印刷のための処理時間だけ遅延が生じ、実際の印刷位置と印刷が予定される位置とがずれる事態が生ずる。そのため、以下のような方法によって、印刷結果のずれを補正することが可能である。
【0064】
第1に、移動センサ170によって検出された印刷装置1の移動速度を微分することにより、処理時間が経過した時点でのヘッド列の位置を予測し、予め処理時間分遅れた位置の画素について印刷処理を行って適切な位置に印刷を行う方法が挙げられる。この方法によれば、演算処理のみによって、印刷結果のずれを防止することができる。
【0065】
第2に、プリンタヘッド140のヘッド列をアクチュエータによって移動可能な構成としておき、移動センサ170によって検出された印刷装置1の移動速度を微分することにより、印刷装置1の移動を予測して、ヘッド列が印刷面上の一定の位置を追従する方法が挙げられる。この方法によれば、印刷装置1が種々の速度で移動された場合にも、処理時間分の位置のずれを生ずることなく、印刷が予定された画素位置に、適切な画素を印刷することが可能となる。
【0066】
また、印刷装置1について、上述の実施の形態における機能の他、以下のような機能を付加することが可能である。
即ち、印刷装置1が印刷面上において検出する相対位置の誤差を低減するために、印刷面の周囲に、位置校正用のガイド板等(印刷装置1の基準位置を特定できる部材等)を必要に応じて取り付ける。そして、印刷装置1を移動させる際に、そのガイド板の位置に印刷装置1を適宜移動させて位置を確認させることにより、印刷の際に相対位置の誤差が発生することを防止することができる。
【0067】
また、他の方法として、印刷装置1が、印刷データを印刷するのに併せて、紫外蛍光インク等の不顕性のインクによって基準となる格子点を描いておき、複数回の摺動動作によって印刷データの印刷を行う場合にも、その格子点を検出することにより、従前の印刷における印刷位置を検出可能とすることができる。これによって、相対位置の誤差を低減することができる。
【0068】
さらに、印刷装置1は、ユーザによって手動で印刷面上を摺動されることから、その摺動動作によって発電を行い、印刷装置1を駆動するための電力として利用することが可能である。
なお、印刷装置1にメモリカード等の記録媒体を読み取る読取装置を備えることも可能である。そして、使用頻度の高い定型の印刷データ(たとえば、住所、氏名あるいは熨斗の文面等の印刷データ等)を記録した記録媒体を適宜読み取らせて印刷することにより、情報処理装置を介在させることなく、手軽に印刷データを印刷することが可能になる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷データを情報処理装置等から印刷装置1に送信し、ユーザが印刷面上で印刷装置を移動させることにより、印刷装置が通過した範囲に印刷データが印刷される。具体的には、ユーザが、印刷装置を印刷面上で移動させると、画素印刷装置が通過した領域のうち、画素印刷装置の位置に応じて所定の画素が印刷される。
【0070】
したがって、給紙装置を備えていない印刷装置によって、容易かつ適切に印刷データを印刷することができる。つまり、印刷面上で印刷装置を手動によって移動させる場合であっても、画素印刷装置の位置に応じて、所定の条件に適合する画素(適切な位置に印刷可能な画素あるいは周囲の画素から補完された画素等)が印刷されるため、印刷装置が厳密に一定方向および一定速度で移動されない場合にも、印刷結果が歪むことがなく、容易に適切な印刷を行うことができる。
【0071】
なお、印刷装置が移動された領域において、画素印刷装置が通過していない位置の画素や、移動速度が速いために印刷が行えなかった画素の印刷を保留し、印刷装置が再度移動された際に印刷することとすると、印刷装置を複数回移動させることにより、徐々に印刷結果が完成されていき、いわゆる「こすりだし」の要領で印刷が行える。この要領での印刷は、ユーザが印刷にかける時間とその印刷品質との按分を、ユーザ自らが目視で確認しながら調整できる。本発明では、この際、一度印刷された画素に重ねて印刷が行われないようにでき、印刷の斑が発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 ドットヘッドと印刷予定画素位置との位置関係を示す図である。
【図3】 印刷装置1が摺動されることにより、印刷データが印刷されていく様子を示す図である。
【図4】 ドットヘッドの配列の一例を示す図である。
【図5】 補完画素が生成される概念を示す図である。
【図6】 長方形の印刷用紙に対して、印刷装置1の位置合わせを行う方法を示す図である。
【図7】 印刷装置1の制御部100が行う印刷処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 印刷装置,100 制御部,110 データメモリ,120 プログラムメモリ,130 ヘッド駆動回路,140 プリンタヘッド,150 インターフェース部,160 無線通信部,170 移動センサ,180 バス
Claims (12)
- 印刷面上を移動させることにより印刷データを該印刷面に印刷可能な印刷装置であって、印刷面上における自装置の存在位置に関する情報を検出可能な検出手段と、画素を単位とする印刷が可能な画素印刷手段が所定の配列に並べられた印刷手段と、前記印刷データの印刷において、印刷面における印刷位置の相対的な基準となる印刷基準位置と、前記検出手段によって検出された存在位置に関する情報とに基づいて、前記画素印刷手段それぞれの存在位置を算出し、前記画素印刷手段に該存在位置に対応する所定の画素を印刷させる制御手段と、を備え、印刷面上を任意の方向に移動させることに対応して、印刷データの印刷が可能であり、前記制御手段は、前記印刷基準位置に対して前記印刷データに含まれる各画素の印刷が予定される位置である印刷予定画素位置を算出し、前記印刷予定画素位置を中心とした所定半径の領域に、前記画素印刷手段のいずれかが位置している場合に、該画素印刷手段に前記印刷予定画素位置に対応する画素を印刷させ、前記印刷予定画素位置を中心とした所定半径の領域に前記画素印刷手段が位置していない場合には該画素印刷手段に印刷をさせないことを特徴とする印刷装置。
- 前記制御手段は、前記印刷予定画素位置に対応する画素の印刷が行われた画素について、印刷が終了した旨を記憶していき、以後、前記印刷予定画素位置を中心とした所定半径の領域に、前記画素印刷手段のいずれかが位置した場合に、該印刷予定画素位置に対応する画素の印刷を行わないことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 印刷面における絶対位置を検出するための基準となる座標基準位置に、自装置を位置させるための指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
- 前記画素印刷手段は、所定間隔で一列に並べられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記画素印刷手段は、所定間隔で一列に並べられた列の複数が、列方向に互いに所定距離だけずらして配列されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記画素印刷手段は、無作為な間隔で並べられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記制御手段は、印刷のための処理に要する遅延時間を算出し、該遅延時間と前記検出手段によって検出された位置に関する情報とに基づいて、該遅延時間後における前記画素印刷手段の予測位置を算出し、該予測位置に対応する画素を印刷可能であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記印刷手段は、自装置の移動に対応して、前記画素印刷手段が印刷面の一定位置を追従可能とする追従手段をさらに備え、印刷のための処理に要する遅延時間に、自装置が移動することによって生ずる印刷位置のずれを防止可能であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記印刷面に備えられた、前記印刷面の絶対位置を検出するための目安となる案内手段の位置を検出することにより、自装置が認識する前記絶対位置を校正可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の印刷装置。
- 前記印刷面における位置を示す指標を、不顕性インクによって該印刷面に印刷可能な位置指標印刷手段と、前記位置指標印刷手段によって印刷された指標を読み取り可能な指標読み取り手段をさらに備え、前記位置指標印刷手段は、前記画素印刷手段によって印刷データを印刷することに併せて、前記指標を印刷し、前記指標読み取り手段が、印刷された指標を読み取ることにより、従前に印刷が行われた位置を検出可能であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の印刷装置。
- 自装置が移動されることに基づくエネルギーを利用して電力を発生させる発電手段をさらに備え、発生させた電力を利用して、自装置を駆動可能であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の印刷装置。
- 外部装置から印刷データを受信するための受信部をさらに備え、自装置の形状と整合し、該外部装置から印刷データを送信する送信装置の機能を有する台座部に置かれることにより、該台座部から印刷データを受信可能であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の印刷装置。
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