JP4035395B2 - 流体圧ジャッキ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体圧ジャッキに関し、詳しくは、手動により駆動されるポンプを備えた流体圧ジャッキの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の物品の製造・修理作業において使用される油圧や水圧等の流体圧を利用した流体圧ジャッキとしては、従来から種々のものが案出されている。ここで、作業現場においては、流体圧ジャッキを駆動させるための動力源を確保し難い場合や、流体圧ジャッキを移動して使用する場合があり、手動にて駆動され、しかも、小型軽量で持ち運びが容易な流体圧ジャッキが望まれる。
【0003】
そこで、本願発明者等は、図5及び図6に示すような流体圧ジャッキを新規に案出した(特願2002−136525)。この流体圧ジャッキ100は、シリンダ室23を有するシリンダ体20と、ピストン部31を有するピストン体30とを備え、内蔵された手動式のポンプ40によってシリンダ室23に油等の流体を送り、流体圧によってシリンダ室23内のピストン部31を摺動させて、シリンダ体20に対してピストン体30を進退させるものである。ここで、シリンダ室23は、ピストン部31によって第1圧力室21と第2圧力室22とに区画されており、第1圧力室21に流体が送られると、シリンダ体20に対してピストン体30が前進し、第2圧力室22に流体が送られると、シリンダ体20に対してピストン体30が後退する。よって、この流体圧ジャッキ100は、手動により駆動される使い勝手に優れたものであるばかりでなく、シリンダ体20に対してピストン体30が前進する押し側の作動と、シリンダ体20に対してピストン体30が後退する引き側の作動との押し引き両方向の作動を得ることができる利便性に優れたものである。また、手動により駆動されるポンプ40、及び、押し引きの作動を切り換えるための切換弁151,152がシリンダ体20にコンパクトに納められており、小型軽量で持ち運びが容易なものである。なお、上記切換弁151,152は、第1圧力室21、第2圧力室22、流体を送出するポンプ40の送出口41及び流体を供給するポンプ40の供給口42の間に形成された流路の連通状態を切り換えるものであり、具体的な構成は以下の通りである。
【0004】
切換弁151は、第1圧力室21に接続された第1流路R1と連通する流路を、ポンプ40の送出口41に接続された供給流路K、または、ポンプ40の供給口42に接続された排出流路H、のいずれかに切り換えるものであり、切換弁152は、第2圧力室22に接続された第2流路R2と連通する流路を、ポンプ40の送出口41に接続された供給流路K、または、ポンプ40の供給口42に接続された排出流路H、のいずれかに切り換えるものである。そして、各切換弁151,152を夫々個別に操作して、図5に示すように、第1流路R1と供給流路Kとが連通し、第2流路R2と排出路Hとが連通した状態として、ポンプ40を駆動すると、ポンプ40から第1圧力室21へと流体が送られる一方で、第2圧力室22からポンプ40へと流体が戻される。これにより、シリンダ体20に対してピストン体30が前進して、流体圧ジャッキ100は押し方向に作動する。また逆に、図6に示すように、第2流路R2と供給流路Kとが連通し、第1流路R1と排出流路Hとが連通した状態として、ポンプ40を駆動すると、ポンプ40から第2圧力室22へと流体が送られる一方で、第1圧力室21からポンプ40へと流体が戻される。これにより、シリンダ体20に対してピストン体30が後退して、流体圧ジャッキ100は引き方向に作動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の流体圧ジャッキは、小型軽量で利便性に優れたものであるが、以下の点で、さらに改良の余地があった。
【0006】
上述の流体圧ジャッキ100では、二つの切換弁151,152を個別に操作して、流路の連通状態を切り換え、これにより、作動方向を押し方向または引き方向に切り換えなければならない。よって、操作が煩雑となる虞があり、この点に関し、操作性を向上させることができる余地があった。
【0007】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、小型軽量で利便性に優れるばかりでなく、さらに、操作性にも優れた流体圧ジャッキを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明に係る流体圧ジャッキは、
シリンダ室を有するシリンダ体と、
前記シリンダ室を第1圧力室と第2圧力室とに区画するピストン部を有するピストン体と、
流体の供給口及び送出口を有し、前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵されると共に手動により駆動され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室に流体を送出するポンプと、
単一の操作部を介して手動により操作され、前記送出口に接続された供給流路、前記供給口に接続された排出流路、前記第1圧力室に接続された第1流路、及び、前記第2圧力室に接続された第2流路の各流路間の連通状態を、前記供給流路と前記第1流路とが連通し、前記第2流路と前記排出流路とが連通する状態、または、前記供給流路と前記第2流路とが連通し、前記第1流路と前記排出流路とが連通する状態、に切り換える切換弁と
を備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、供給流路、排出流路、第1流路及び第2流路の各流路間の連通状態を、供給流路と第1流路とが連通し、第2流路と排出流路とが連通する状態、または、供給流路と第2流路とが連通し、第1流路と排出流路とが連通する状態、に切り換える切換弁を具備するのであるが、この切換弁は、単一の操作部を介して操作される。よって、単一の操作部の操作によって、流体圧ジャッキの作動方向を押し方向または引き方向に切り換えることができ、操作性が向上する。
【0010】
また、本発明に係る流体圧ジャッキでは、
記切換弁
前記供給流路が接続された供給領域と前記排出流路が接続された排出領域とを有する主室、前記第1流路が接続された第1室、及び、前記第2流路が接続された第2室と、
前記主室の供給領域と前記第1室との間に設けられた第1弁口、及び、前記主室の供給領域と前記第2室との間に設けられ、前記第1弁口に対向する第2弁口と、
前記第1弁口を開閉する第1弁部及び前記第2弁口を開閉する第2弁部を有し、前記第1弁口と前記第2弁口との対向方向に移動自在に設けられると共に、前記第1弁口を閉塞する方向に付勢され、前記主室を前記供給領域と前記排出領域とに区画する主弁体と、
前記主弁体の内部に設けられ、前記第1室側に開口する第1室側弁口及び前記第2室側に開口する第2室側弁口を形成すると共に、前記第1室、前記第2室及び前記排出領域の間を連絡する連絡路と、
前記第1室内に設けられると共に前記操作部により進退操作され、前進することにより、前記第1室側弁口を閉塞すると共に、前記第2弁口を閉塞する方向に前記主弁体を移動させる第1弁体と、
前記第2室内に設けられると共に、前記第2室側弁口を閉塞する方向に付勢され、前進する前記第1弁体により押動されて前記第2室側弁口を開放する第2弁体と
を具備するものとして構成されている。
【0011】
単一の操作部を介して、複数の流路、具体的には、供給流路、排出流路、第1流路及び第2流路の4つの流路について、各流路間の連通状態を、供給流路と第1流路とが連通し、第2流路と排出流路とが連通する状態、または、供給流路と第2流路とが連通し、第1流路と排出流路とが連通する状態、に切り換える切換弁としては、例えばスプール方式の弁機構を採用したもの等、種々の構造の切換弁を適用することができる。しかしながら、スプール方式の弁機構を採用したものでは、弁体と弁座とが摺接する構造であるため、流体が高圧である場合には漏れが生じ易く、例えば10MPa以上の高圧の流体の流路を切り換える切り換え弁としては不適である。
【0012】
これに対して、本発明では、一つの切換弁を構成する複数の弁機構、具体的には、第1弁口を開閉する第1弁部、第2弁口を開閉する第2弁部、第1室側弁口を開閉する第1弁体、及び、第2室側弁口を開閉する第2弁体といった複数の弁機構の全てが、弁口に対して進退して弁口を開閉する所謂「リフト方式」の弁機構である。よって、流体が高圧であっても、漏れが生じ難く、作動が確実であり、高圧の流体により高出力を得る流体圧ジャッキとして良好に適用することができる。
【0013】
請求項に記載の流体圧ジャッキは、請求項に記載の発明に係る流体圧ジャッキにおいて、前記第1弁体は、前記操作部に、進退方向に遊動自在に取着されていることを特徴とするものである。
【0014】
第1弁体は、操作部によって進退し、第1室側弁口を開閉するものであるが、第1室側弁口を閉塞させる場合には、操作部を操作して第1弁体を十分に前進させ、第1室側弁口を堅固に閉塞させなければならない。よって、第1弁体を前進させて第1室側弁口を閉塞する際に、大きな操作力が必要となり、これにより、操作性に支障を来す虞がある。
【0015】
これに対し、本発明では、第1弁体が操作部に、進退方向に遊動自在に取着されているため、操作部によって第1弁体を十分に前進させて第1室側弁口を堅固に閉塞していない状態であっても、第1弁体によって第1室側弁口を閉塞して流体圧ジャッキを作動させる際、すなわち、供給流路と第1流路とを連通させて流体圧ジャッキを作動させる際には、第1室内に負荷された流体圧によって、第1弁体が第1室側弁口に押圧される。よって、多大な操作力を必要とせず、第1弁体によって第1室側弁口を確実に閉塞することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る流体圧ジャッキの実施形態としての一例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、流体圧ジャッキ10は、押し引きの動作がなされる一方の部材Aに取着されるアタッチメント25が装着されたシリンダ体20と、同様に押し引きの動作がなされる他方の部材Bに取着されるアタッチメント35が装着され、シリンダ体20に進退自在に組み付けられたピストン体30とを備えている。
【0018】
ここで、この流体圧ジャッキ10では、レバー等の操作部44により駆動されるポンプ40がシリンダ体20に内蔵されており、操作部44を操作することで、ポンプ40が手動にて駆動される。
【0019】
次に、この流体圧ジャッキ10の詳細な構造を説明する。図2に示すように、シリンダ体20の上部の外周面には、シリンダ室23が凹設されており、このシリンダ室23を覆うように、シリンダ体20の上部にピストン体30が進退自在に外嵌されている。ここで、ピストン体30は、内周面からシリンダ室23に延出するピストン部31を備えており、このピストン部31によってシリンダ室23が第1圧力室21と第2圧力室22とに区画されている。そして、第1圧力室21と第2圧力室22とは、夫々シリンダ体20の軸部24が貫通されて、略同一断面積に形成されている。
【0020】
シリンダ体20には、流体の供給口42及び送出口41を有し、供給口42から供給される流体を送出口41から送出するポンプ40と、ポンプ40の送出口41に接続された供給流路Kと、ポンプ40の供給口42に接続された排出流路Hと、第1圧力室21に接続された第1流路R1と、第2圧力室22に接続された第2流路R2と、供給流路K、排出流路H、第1流路R1及び第2流路R2の連通状態を切り換える切換弁50とが設けられている。ここで、切換弁50は、供給流路Kと第1流路R1とを連通させると共に第2流路R2と排出流路Hとを連通させた状態(図示実線)、または、供給流路Kと第2流路R2とを連通させると共に第1流路R1と排出流路Hとを連通させた状態(図示破線)に切り換えるものである。
【0021】
なお、切換弁50は、シリンダ体20から突設された操作軸(図示省略)と、この操作軸に取着されたハンドル(図示省略)等とから構成された単一の操作部を備え、操作部を手動で回動することにより操作されるものである。また、操作部のハンドルとしては、丸型のハンドルが採用されており、回動操作がし易くなっている。なお、ハンドルとして、ループさせた鋼線材や平板等によって操作軸に比して幅広に形成され、しかも、操作軸に対して折り畳み可能とされたものを採用してもよい。このようなハンドルを採用すると、非操作時にハンドルを、折り畳みによりコンパクトに納めることができる。
【0022】
また、供給流路Kには、切換弁50側への方向を順方向とした逆止弁70が設けられており、排出流路Hには、ポンプ40側への方向を順方向とした逆止弁70が設けられている。そして、本例では、ポンプ40が、送出ピストン43の進退動によって供給口42から供給される流体を送出口41から送出するものとして構成されている。
【0023】
さらに、本例では、排出流路Hにタンク60が接続されており、このタンク60に流体を貯留させることにより、流路内における流体の変動量が補償されている。ここで、タンク60は、貯留する流体の量に応じて移動する封止体62を備えており、この封止体62によって、タンク60に貯留された流体が封止されている。また、封止体62には、ネジ操作等によって適宜の空気圧が加圧されている。よって、流体圧ジャッキ10の姿勢に応じてタンク60の姿勢を変更しなくても、貯留された流体から排出口61が露呈されることはない。これにより、流体圧ジャッキ10がどのような姿勢であっても、流体圧ジャッキ10を確実に作動させることができる。
【0024】
以上のように構成された本例の流体圧ジャッキ10では、切換弁50を操作して、供給流路Kと第1流路R1とを連通させると共に第2流路R2と排出流路Hとを連通させた状態(図示実線)としてポンプ40を駆動させると、第1圧力室21に流体が送られて第1圧力室21の容積が増加すると共に第2圧力室22から流体が排出されて第2圧力室22の容積が減少し、シリンダ体20に対してピストン体30が前進して、押し側にて作動する。一方、供給流路Kと第2流路R2とを連通させる共に第1流路R1と排出流路Hとを連通させた状態(図示破線)としてポンプ40を駆動させると、第2圧力室22に流体が送られて第2圧力室22の容積が増加すると共に第1圧力室21から流体が排出されて第1圧力室21の容積が減少し、シリンダ体20に対してピストン体30が後退して、引き側にて作動する。ここで、第1圧力室21と第2圧力室22とは略同一断面積であるため、押し側及び引き側にて得られる出力は、略同一となる。
【0025】
次に、図3及び図4に基づいて、切換弁50について詳細に説明する。なお、図3は、供給流路Kと第1流路R1とを連通させると共に第2流路R2と排出流路Hとを連通させた状態を示すものであり、図4は、供給流路Kと第2流路R2とを連通させると共に第1流路R1と排出流路Hとを連通させた状態を示すものである。
【0026】
シリンダ体20には、貫通孔が設けられており、この貫通孔の中央部分にて主室53が構成されている。そして、この主室53には、供給流路K及び排出流路Hが接続されている。ここで、供給流路Kは、2つの供給流路K1,K2に分岐されており、分岐された各供給流路K1,K2が主室53の両側に接続され、排出流路Hは、各供給流路K1,K2の間にて主室53に接続されている。そして、主室53内において、各供給流路K1,K2が接続された部分にて供給領域53aが構成され、排出流路Hが接続された部分にて排出領域53bが構成されている。
【0027】
上記貫通孔の一端側には、キャップC1が取着されており、このキャップC1の内部空間によって第1室51が構成され、この第1室51には、第1流路R1が接続されている。また、キャップC1の端部によって、主室53の供給領域53aと第1室51との間に設けられた第1弁口51aが構成されている。一方、上記貫通孔の他端側には、キャップC2が取着されており、このキャップC2の内部空間によって第2室52が構成され、この第2室52には、第2流路R2が接続されている。また、キャップC2の端部によって、主室53の供給領域53aと第2室52との間に設けられた第2弁口52aが構成されている。ここで、第2弁口52aは、上記第1弁口51aに対向するように配置されている。
【0028】
主室53には、第1弁口51aと第2弁口52aとの間を移動自在に主弁体80が組みこまれており、この主弁体80によって、主室53の供給領域53aと排出領域53bとが区画されている。ここで、主弁体80は、キャップC2の内部空間に装着されたバネ83によって、第1弁口51a側に付勢されている。また、主弁体80は、第1弁口51aを開閉する第1弁部81aを有する第1体81と、第2弁口52aを開閉する第2弁部82aを有し、第1体81とは個別に形成されると共に第1体81に一体化された第2体82とを備えてなるものとして構成されている。ここで、第1弁部81a及び第2弁部82aは、夫々、略円形状に形成された第1弁口51a及び第2弁口52aに挿入されて、第1弁口51a及び第2弁口52aを閉塞するものである。
【0029】
また、主弁体80の内部には、第1室51側で開口する第1室側弁口85aと、第2室52側で開口する第2室側弁口85bとを有する連絡路85が貫通状に設けられている。この連絡路85は、主弁体80の周面にも開口するものであり、主室53の排出領域53bに連通して、第1室51、第2室52及び排出領域53bの間を連絡するものである。
【0030】
キャップC1の内部空間によって形成された第1室51には、操作部95に取着されて、この操作部95によって進退駆動される第1弁体91が組み込まれている。ここで、第1弁体91は、その端部が操作部95にピン96を介して連結されており、第1弁体91におけるピン96の挿通孔、または、操作部95におけるピン96の挿通孔の少なくとも一方が、ピン96の外径よりも第1弁体91の進退方向に大きく形成されている。これにより、操作部95に取着された第1弁体91は、進退方向に遊動自在となっている。なお、操作部95は、キャップC1に螺合されており、この操作部95の回動操作によって、ピン96を介して、第1弁体91が進退操作される。また、第1弁体91における操作部95とは反対側の部位には、主弁体80の連絡路85に挿入された挿入部94が設けられている。
【0031】
主弁体80の第2室52側の端部には、収容部84が凹設されており、連絡路85の第2室側弁口85bは、この収容部84内にて開口されている。ここで、収容部84は、キャップC2の内部空間と共に第2室52を構成するものである。そして、収容部84には、第2室側弁口85bを開閉する球状の第2弁体92が収容されており、この第2弁体92は、バネ受けBを介して収容部84内に装着されたバネ93によって、第2室側弁口85bを閉塞する方向に付勢されている。
【0032】
次に、この切換弁50の作動態様を説明する。操作部95を回動操作して第1弁体91を前進させると、図3に示すように、主弁体80の第1室51側端部にて開口する第1室側弁口85aが第1弁体91によって閉塞される。また、主弁体80の連絡路85内に挿入された第1弁体91の挿入部94によって、バネ93の付勢力に抗して第2弁体92が押動され、第2室側弁口85bが開放される。そして、さらに第1弁体91を前進させると、この第1弁体91によって、バネ83の付勢力に抗して主弁体80が押動され、主弁体80は、閉塞していた第1弁口51aを開放し、第2弁口52aを閉塞する。この状態では、供給流路Kと第1流路R1とが連通し、且つ、第2流路R2と排出流路Hとが連通する状態となり、流体圧ジャッキ10が押し側で作動する状態となる。また、この状態では、第1室51内の流体の圧力によって、第1弁体91は第1室側弁口85aに押圧され、これに伴い、主弁体80の第2弁部82aは第2弁口52aに押圧される。よって、第2弁口52a及び第1室側弁口85aは、確実且つ堅固に閉塞された状態となる。
【0033】
ところで、主弁体80が第1弁口51aを閉塞した状態で第2室52に流体による高圧力が付加されていると、第1弁口51aを開放する側に主弁体80を移動させるために、多大な操作力を必要とする。しかしながら、本例の切換弁50では、第1弁口51aを開放する側に主弁体80を移動させる前の段階にて、第2弁体92が押動されて第2室側弁口85bが開放されるため、第2室52の流体圧力は、主弁体80の連絡路85を通じて排出流路Hに抜ける。よって、第1弁口51aを開放する側に主弁体80を移動させるために、多大な操作力を必要としない。なお、第2弁体92が第2室側弁口85bを閉塞している状態では、この第2弁体92に第2室52の流体圧力が付加されるのであるが、第2弁体92は主弁体80に比して小さく、受圧面積が少ないため、この第2弁体92に加わる応力は微小である。よって、小さな操作力によって第2弁体92を押動することができ、何らの支障もなく、第2室側弁口85bを開放させることができる。
【0034】
図3に示す状態から、操作部95を回動操作して第1弁体91を後退させると、図4に示すように、主弁体80がバネ83の付勢力によって第1弁口51a側に移動し、これにより、第2弁口52aが開放されると共に第1弁口51aが閉塞される。そして、さらに第1弁体91を後退させると、第1弁体91により閉塞されていた第1室側弁口85aが開放されると共に、バネ93の付勢力により第2弁体92が移動して、この第2弁体92によって第2室側弁口85bが閉塞される。この状態では、供給流路Kと第2流路R2とが連通し、且つ、第1流路R1と排出流路Hとが連通する状態となり、流体圧ジャッキ10が引き側で作動する状態となる。また、この状態では、主弁体80に、バネ83の付勢力に加えて第2室52の流体圧力が付加され、第1弁口51aを堅固に閉塞した状態で維持される。また、第2弁体92にも、バネ93の付勢力に加えて第2室52の流体圧力が付加され、第2室側弁口85bを堅固に閉塞した状態で維持される。
【0035】
以上、本発明に係る流体圧ジャッキの一例を説明したが、本発明はこれに限らず、次のように、種々の変形が可能である。
【0036】
本発明に係る流体圧ジャッキ10に採用する切換弁50としては、複数の弁機構の全てをリフト方式としたものに限らず、全ての弁機構をスプール方式としたもの、スプール方式やリフト方式等の種々の方式の弁機構を適宜組み合わせたもの等、他の構造のものを採用してもよい。また、シリンダ体20のシリンダ室23をピストン体30のピストン部31によって、略同一面積の第1圧力室21と第2圧力室22とに区画するに限らず、第1圧力室21と第2圧力室22とを、夫々異なる面積のものとしてもよい。さらに、シリンダ室23は、シリンダ体20の外周面に凹設されたものに限らず、シリンダ体20の内部に凹設されたものとし、このシリンダ室23にピストン体30のピストン部31を内嵌する構造としてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
【0038】
請求項1の発明によれば、単一の操作部の操作によって、流体圧ジャッキの作動方向を押し方向または引き方向に切り換えることができるため、小型軽量で利便性に優れるばかりでなく、さらに、操作性にも優れた流体圧ジャッキとすることができる。
【0039】
また、請求項の発明によれば、流体が高圧であっても、漏れが生じ難く、作動が確実な流体圧ジャッキとすることができる。
【0040】
請求項の発明によれば、多大な操作力を必要とせず、第1弁体によって第1室側弁口を確実に閉塞することができるため、操作性がより一層向上された流体圧ジャッキとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体圧ジャッキの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した流体圧ジャッキの構造を模式的に示す説明図である。
【図3】切換弁の構造を模式的に示す説明図である。
【図4】切換弁の構造を模式的に示す説明図である。
【図5】従来の流体圧ジャッキの構造を模式的に示す説明図である。
【図6】従来の流体圧ジャッキの構造を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
K(K1,K2) 供給流路
H 排出流路
R1 第1流路
R2 第2流路
10 流体圧ジャッキ
20 シリンダ体
21 第1圧力室
22 第2圧力室
23 シリンダ室
30 ピストン体
31 ピストン部
40 ポンプ
41 送出口
42 供給口
50 切換弁
51 第1室
51a 第1弁口
52 第2室
52a 第2弁口
53 主室
53a 供給領域
53b 排出領域
60 タンク
80 主弁体
81 第1体
81a 第1弁部
82 第2体
82a 第2弁部
84 収容部
85 連絡路
85a 第1室側弁口
85b 第2室側弁口
91 第1弁体
92 第2弁体
95 操作部

Claims (2)

  1. シリンダ室を有するシリンダ体と、
    前記シリンダ室を第1圧力室と第2圧力室とに区画するピストン部を有するピストン体と、
    流体の供給口及び送出口を有し、前記シリンダ体または前記ピストン体に内蔵されると共に手動により駆動され、前記第1圧力室及び前記第2圧力室に流体を送出するポンプと、
    単一の操作部を介して手動により操作され、前記送出口に接続された供給流路、前記供給口に接続された排出流路、前記第1圧力室に接続された第1流路、及び、前記第2圧力室に接続された第2流路の各流路間の連通状態を、前記供給流路と前記第1流路とが連通し、前記第2流路と前記排出流路とが連通する状態、または、前記供給流路と前記第2流路とが連通し、前記第1流路と前記排出流路とが連通する状態、に切り換える切換弁と
    備えた流体圧ジャッキであって、
    前記切換弁は、
    前記供給流路が接続された供給領域と前記排出流路が接続された排出領域とを有する主室、前記第1流路が接続された第1室、及び、前記第2流路が接続された第2室と、
    前記主室の供給領域と前記第1室との間に設けられた第1弁口、及び、前記主室の供給領域と前記第2室との間に設けられ、前記第1弁口に対向する第2弁口と、
    前記第1弁口を開閉する第1弁部及び前記第2弁口を開閉する第2弁部を有し、前記第1弁口と前記第2弁口との対向方向に移動自在に設けられると共に、前記第1弁口を閉塞する方向に付勢され、前記主室を前記供給領域と前記排出領域とに区画する主弁体と、
    前記主弁体の内部に設けられ、前記第1室側に開口する第1室側弁口及び前記第2室側に開口する第2室側弁口を形成すると共に、前記第1室、前記第2室及び前記排出領域の間を連絡する連絡路と、
    前記第1室内に設けられると共に前記操作部により進退操作され、前進することにより、前記第1室側弁口を閉塞すると共に、前記第2弁口を閉塞する方向に前記主弁体を移動させる第1弁体と、
    前記第2室内に設けられると共に、前記第2室側弁口を閉塞する方向に付勢され、前進する前記第1弁体により押動されて前記第2室側弁口を開放する第2弁体と
    を具備するものである
    ことを特徴とする流体圧ジャッキ。
  2. 前記第1弁体は、前記操作部に、進退方向に遊動自在に取着されていることを特徴とする請求項1に記載の流体圧ジャッキ。
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