JP4034715B2 - スラストリバーサのための保全および阻止プレート - Google Patents

Description

本発明は、バイパスターボジェットのためのスラストリバーサの一般的な分野に関する。より具体的には、本発明は、具体的にはスラストリバーサについて保全作業を実施するときに、スラストリバーサを電気的および／または機械的に阻止することを可能にする保全プレートに関する。

バイパスターボジェットに取り付けられるスラストリバーサは、航空学の分野ではよく知られている。スラストリバーサは、着陸中に制動力を提供することによって航空機の安全性を増大するのに役立つ。スラストリバーサは、一般に、スライドドアなど、ターボジェットポッドの１つまたは複数の移動部分の形態であり、推力を反転するように動作している最中に、ターボジェットから出る気体の一部を偏向させるように、制御アクチュエータから駆動されて移動するのに適している。スラストリバーサが開放位置にあるとき、スラストリバーサのドアは、航空機に反転推力を伝達するように、気体の流れを前方に向け直すように作用する。

保全作業中、スラストリバーサの一部が故障しているかどうかを検査することが必要であるとき、時宜を得ずにスラストリバーサを展開させることを回避するために、スラストリバーサを電気的に阻止することが知られている。そのような状況下では、保全作業担当オペレータは、ドアを手動で駆動することを可能にするアクチュエータ駆動テークオフによって、スラストリバーサのドアのある種の移動を手動で制御することができる。残念ながら、そのような作業は、オペレータにとって危険である。しばしば、スラストリバーサがそのような作業中に作動し続けることによる、多くの事故が観測されている。したがって、保全オペレータの安全性を保証するために、リバーサのドアを時宜を得ずに駆動するあらゆる危険性を回避する必要がある。同様に、航空機の離陸前のパイロットの決定の結果など、スラストリバーサを機械的にロックすることも必要であることがある。スラストリバーサのそのような機械的なロックまたは阻止は、一般にスラストリバーサのドアを直接ターボジェットのポッドにねじ込むことによって、扱い難い方法で達成されている。

したがって、本発明は、具体的にはスラストリバーサについて保全作業が実施されている最中に、スラストリバーサを電気的および／または機械的に阻止することができる手段を装備している、ターボジェットのためのスラストリバーサを提供することによって、そのような欠点を軽減することを追及する。

この目的のために、本発明は、推力を反転するように動作しているとき、フローを偏向させるための障害物を構成するように、少なくとも１つの制御アクチュエータから駆動されて変位するのに適切である少なくとも１つの移動部分と、制御アクチュエータに結合された移動部分を手動で駆動することを可能にする駆動テークオフを含んでいる少なくとも１つの手動制御ユニットと、制御アクチュエータを電気で駆動するための電気制御システムとを備える、バイパスターボジェットのためのスラストリバーサを提供する。このスラストリバーサは、各手動制御ユニットが、保全プレートに結合され、保全プレートは、
保全プレートが、結合される手動制御ユニットを手動で駆動することを防止し、一方、手動制御ユニットを電気で駆動することを可能にする、第１または「通常動作」位置と、
保全プレートが、結合される手動制御ユニットを手動で駆動することを可能にし、一方、手動制御ユニットを電気で駆動することを防止する、第２または「保全」位置との少なくとも２つの位置の間で旋回可能であることを特徴とする。

その結果、保全プレートが存在することにより、保全作業の実施中に、スラストリバーサのあらゆる時宜を得ない展開を回避することが可能になる。保全プレートの１つが、オペレータによって保全位置に移動されたとき、スラストリバーサは、電気的に自動的に阻止される。この電気阻止も、感電のあらゆる危険から保全オペレータを保護するという利点を有する。

各保全プレートが、第１位置および第２位置とは異なる、第３または「ロッキング」位置に旋回可能であることが有利である。この位置において、プレートは、結合される手動制御ユニットを手動で駆動することを防止し、さらに、手動制御ユニットを電気で駆動することをも防止する。保全プレートの１つがロッキング位置に移動されたとき、リバーサは、電気的および機械的の両方について阻止される。したがって、保全プレートは、２つの阻止機能（電気的および機械的）を実施する。

スラストリバーサは、電気制御システムに接続された保全プレートの位置を検出するための検出器手段をさらに含むことが好ましい。検出器手段により、保全プレートのいずれか１つが保全位置またはロッキング位置にあるときはいつでも、リバーサの電気的駆動を阻止することが可能になる。

各保全プレートは、プレートがロッキング位置にあるとき、結合される手動制御ユニットの駆動テークオフと協働して、移動部分を適所でロッキングするためのラッチを含むことが可能である。ラッチは、正方形または六角形とすることが可能であり、また、プレートがロッキング位置にあるとき、駆動テークオフと係合するように成形することが可能である。

各保全プレートは、結合される手動制御ユニットの駆動テークオフの軸にほぼ垂直な面に配置され、テークオフ軸にほぼ平行な旋回軸の回りに旋回可能であることが有利である。さらに、保全プレートは、ほぼ矩形またはほぼＬ型とすることが可能である。

本発明の他の特徴および利点は、非限定的な特徴を有する実施形態を示す添付の図面を参照している以下の記述から明らかになる。

まず、グリッドスラストリバーサを含んでいるバイパスターボジェットポッド１０の図である図１および２を参照する。この場合、スラストリバーサは、非作動位置または閉鎖位置において、ポッド１０の外部ケーシングの一部を構成する移動部分１２によって構成される。ターボジェットは、パイロン１６によって航空機のウィング１４の下において担持される。ポッドの移動部分１２は、外部ケーシングの一部の上をスライドするように取り付けられる。リバーサの保全を容易にするために、アクセスハッチ１８をポッドの外部ケーシングに含むことができる。外部ケーシングの上流側部分は、アクチュエータ２２によって構成される手段など、ポッドの移動部分１２の変位に関する手段のための担体として作用するフロントフレーム２０を含む。

図３に示すように、制御アクチュエータ２２は、従来のタイプの電気制御システム２４にも接続される。例として、制御システムは、電気モータと電力制御システムとを備えることが可能である。当然、本発明は、液圧タイプまたは気体圧タイプのスラストリバーサにも適用される。制御システムは、全機能エンジン制御（Ｆｕｌｌ Ａｕｔｈｏｒｉｔｙ Ｄｉｇｉｔａｌ Ｅｎｇｉｎｅ Ｃｏｎｔｒｏｌ、ＦＡＤＥＣ）ユニットに接続することが可能である。図３に示す例では、ポッドの移動部分１２の変位を制御するために、単一のアクチュエータ制御システムが使用される。この場合、知られているタイプの柔軟伝動軸２６が、制御アクチュエータ２２を制御システムに接続する。

リバーサは、保全オペレータが、ハンドルを使用することによって、手動でポッドの移動部分１２をスライドさせることを可能にする、少なくとも１つの手動制御ユニット２８をも備える。手動制御ユニット２８（１つのみが図３に示されている）は、それが機械的に永続的に接続される制御アクチュエータ２２の１つに隣接して固定される。このために、各制御ユニットは、保全オペレータが、各制御ユニットが固定されているアクチュエータと、他の制御アクチュエータとの両方を伝動軸２６を介して駆動することを可能にする、駆動テークオフ２８ａ（図４Ａから４Ｃおよび５Ａから５Ｃ）を含む。その結果、保全オペレータは、スラストリバーサを手動で作動させることができる。

本発明では、各手動制御ユニット２８は、保全プレート３０に結合される。保全プレートの配置は、角度テークオフを含む可能性がある手動制御ユニットの構成に応じる。図３では、保全プレートは、手動制御ユニットが結合される制御アクチュエータの軸にほぼ平行な面に配置され、アクチュエータの軸にほぼ垂直な対応する旋回軸３２の回りに旋回可能である。さらに、各保全プレート３０は、
保全プレート３０が、結合される手動制御ユニットのテークオフ２８ａへのアクセスを覆い、それにより、ポッドの移動部分１２を手動で駆動するのを防止し、したがって、スラストリバーサを手動で駆動するのを防止し、一方、それにもかかわらずスラストリバーサを電気で駆動するのを可能にする、第１または「通常動作」位置と、
手動制御ユニットのテークオフ２８ａへのアクセスが解放され、それにより、ポッドの移動部分１２、したがってスラストリバーサを手動で駆動することが可能にし、一方、スラストリバーサを電気で駆動することを防止する、旋回軸３２の回りにプレートを旋回させることによって獲得される、第２または「保全」位置との、少なくとも２つの位置の間で保全オペレータによって動かすことができる。ポッドの移動部分は、手動制御ユニットのテークオフと協働する末端部を有するハンドルを使用することによって、従来の方法で手動で旋回される。

さらに、本発明のスラストリバーサは、各保全プレート３０の位置を検出するための検出器手段３４を含む。各保全プレートに結合されたこれらの検出器手段３４は、電気制御システム２４に接続され、保全プレートのいずれか１つが保全位置に移動したとき、リバーサの電気制御を阻止することを可能にする。これを実施するために、検出器手段は、たとえば、従来のタイプの近接検出器の形態で実装されることが可能である（たとえば、光学、磁気、または実際に機械接触子を含んでいるタイプなど）。そのような状況下では、保全プレート３０のいずれか１つが保全位置に移動したとき、前記プレートに結合された近接検出器は、もはやプレートの存在を検出せず、制御システム２４によって、リバーサを電気的に遮断することを可能にする。

各保全プレート３０は、第３または「ロッキング」位置に旋回させることができることが有利である。この位置は、通常動作位置および保全位置とは異なり、この位置において、プレートは、スラストリバーサを手動で駆動することを防止し、さらに、スラストリバーサを電気で駆動することをも防止する。

これを実施するために、保全プレートがロッキング位置にあるとき、検出器手段３４は、リバーサを電気で駆動することを阻止するようにも作用する。ポッドの移動部分１２、したがってスラストリバーサを手動で駆動することを防止するために、保全プレートは、制御アクチュエータ１２によって作動されるポッドの移動部分１２をロックするように、プレートがロッキング位置にあるとき、手動制御ユニット２８のテークオフ２８ａと協働するためのラッチ（図４Ｃおよび５Ｃの３６）を呈する。ラッチ３６は、手動制御ユニットのテークオフ２８ａで受けるのに適している、正方形または六角形とすることが可能である（テークオフの形状に応じる）。そのような状況下では、正方形または六角形のラッチは、プレートがロッキング位置に旋回したとき、手動制御ユニットのテークオフ２８ａの軸３８上にある。

ここで、本発明の保全プレートの実施形態を示す図４Ａから４Ｃを参照する。これらの図では、保全プレート３０は、形状がほぼ矩形である。

図４Ａは、「通常動作」位置にある保全プレートを示す。この位置では、プレートの一端部は、手動制御ユニット２８のテークオフ２８ａへのアクセスを覆い、それにより、スラストリバーサを手動で駆動するのを防止する。検出器手段３４は、保全プレートが通常動作位置にあることを電気制御システム２４に通知する。これにより、電気制御システムは、スラストリバーサを電気で駆動することを可能にすることができる。プレートは、たとえばボルト（図示せず）によって、この通常動作位置に保持される。

図４Ｂでは、保全プレートは、通常動作位置から離れるように、保全オペレータによって手動で旋回されている（図では約９０°）。したがって、プレートは、保全位置にある。検出器手段３４は、プレートの存在をもはや検出せず、したがって、スラストリバーサを電気で駆動することは阻止される。保全オペレータは、時宜を得ない方法でリバーサを展開するあらゆる危険を冒さずに、また感電するあらゆる危険を冒さずに、手動制御ユニット２８のテークオフ２８ａへ直接アクセスする。

最後に、図４Ｃに示すように、保全プレートは、スラストリバーサをロッキングするための位置に旋回するのに適切であることができる。これを実施するために、保全オペレータは、その通常動作位置に対して上下反対にプレート３０を回転させ、それにより、テークオフ２８ａの軸３８上にあるラッチ３６は、手動制御ユニットのテークオフにおいて受けられ、したがってテークオフを機械的にロッキングする。さらに、検出器手段３４は、プレート３０の存在をもはや検出せず、したがって、スラストリバーサを電気で駆動することを阻止する。これにより、リバーサは、機械的または電気的に関係なく、もはや動作されることができない。パイロットは、たとえば航空機の離陸前に、そのようなスラストリバーサの完全阻止を要求する可能性がある。また、リバーサの完全阻止は、リバーサの保全中に使用される可能性もある。オペレータは、リバーサをある所望の位置に配置することができるように、保全プレートを保全位置に配置することによって、リバーサの電気的駆動を阻止することにより開始する。その後、オペレータは、適切な保全作業に取りかかる前に、リバーサの機械的駆動を阻止する。この解決方法は、保全オペレータの安全性をより高くするという利点を有する。

図５Ａから５Ｃは、本発明の保全プレートの他の実施形態を示す。これらの図では、保全プレート３０は、Ｌ型である。

図５Ａでは、保全プレートは、「通常動作」位置にある。プレートの一端部は、手動制御ユニットのテークオフ２８ａへのアクセスを覆い、それにより、スラストリバーサを手動で駆動することを防止し、一方、スラストリバーサを電気で駆動することを可能にする。図５Ｂでは、保全プレートは、通常動作位置から離れるように保全オペレータによって手動で旋回されている（図では約４５°）。したがって、プレートは、保全位置にあり、手動制御ユニットのテークオフ２８ａへのアクセスは自由にされる。検出器手段３４は、プレートの存在をもはや検出せず、したがって、スラストリバーサの電気的駆動は阻止される。図５Ｃでは、保全オペレータは、保全プレート３０を保全位置から離れるように、ほぼ別の４５°旋回させている。テークオフ２８ａの軸３８の上に位置するラッチ３６は、手動制御ユニットのテークオフで受けられ、したがって、テークオフを機械的にロッキングする。検出器手段３４は、プレート３０の存在の検出を続行せず、したがって、スラストリバーサの電気制御を引き続き阻止する。

示した例は、グリッドスラストリバーサに適用される。それにもかかわらず、保全プレートは、リバーサの移動部分の変位を制御するためのアクチュエータに関連して、下流側障害物（例えばドアまたはシェル）を使用するリバーサにおいても使用されることができる。

スライドドアを有する閉鎖位置にあるスラストリバーサを含んでいる、ターボジェットポッドの概略的な斜視図である。 図１のスラストリバーサの部分縦断面図である。 図１のスラストリバーサの部分横断面図である。 異なる位置において示された、本発明の一実施形態のスラストリバーサに取り付けられた保全プレートを示す図である。 異なる位置において示された、本発明の一実施形態のスラストリバーサに取り付けられた保全プレートを示す図である。 異なる位置において示された、本発明の一実施形態のスラストリバーサに取り付けられた保全プレートを示す図である。 同様に異なる位置において示された、本発明の他の実施形態の第１リバーサに取り付けられた保全プレートを示す図である。 同様に異なる位置において示された、本発明の他の実施形態の第１リバーサに取り付けられた保全プレートを示す図である。 同様に異なる位置において示された、本発明の他の実施形態の第１リバーサに取り付けられた保全プレートを示す図である。

符号の説明

１０ ポッド
１２ 移動部分
１４ ウィング
１６ パイロン
１８ アクセスハッチ
２０ フロントフレーム
２２ 制御アクチュエータ
２４ 電気制御システム
２６ 伝動軸
２８ 手動制御ユニット
２８ａ 駆動テークオフ
３０ 保全プレート
３２ 旋回軸
３４ 検出器手段
３６ ラッチ
３８ テークオフの軸

Claims (8)

1. バイパスターボジェットのためのスラストリバーサであって、
   推力を反転するように動作しているとき、フローを偏向させるための障害物を構成するように、少なくとも１つの制御アクチュエータ（２２）から駆動されて変位するのに適している少なくとも１つの移動部分（１２）と、
   前記制御アクチュエータに連結された前記移動部分（１２）を手動で駆動することを可能にする駆動テークオフ（２８ａ）を含んでいる、少なくとも１つの手動制御ユニット（２８）と、
   前記制御アクチュエータを電気で駆動するための電気制御システム（２４）とを備え、
   各手動制御ユニット（２８）には、少なくとも２つの位置の間で旋回可能である保全プレート（３０）が連結されており、該２つの位置は、
   前記保全プレートが、該保全プレートが連結されている前記手動制御ユニットを手動で駆動することを防止し、一方、前記制御アクチュエータを電気で駆動することを可能にする、第１または「通常動作」位置と、
   前記保全プレートが、該保全プレートが連結されている前記手動制御ユニットを手動で駆動することを可能にし、一方、前記制御アクチュエータを電気で駆動することを防止する、第２または「保全」位置とであることを特徴とするスラストリバーサ。
2. 各保全プレート（３０）は、前記保全プレートが、該保全プレートが連結されている前記手動制御ユニットを手動で駆動することを防止し、さらに、前記制御アクチュエータを電気で駆動することをも防止する、前記第１位置および前記第２位置とは異なる、第３または「ロッキング」位置に旋回可能であることを特徴とする、請求項１に記載のスラストリバーサ。
3. 前記電気制御システム（２４）に接続された前記保全プレートの位置を検出するための検出器手段（３４）をさらに含み、前記検出器手段により、前記保全プレートのいずれか１つが前記保全位置またはロッキング位置にあるときはいつでも、前記リバーサの電気的駆動を阻止することが可能になることを特徴とする、請求項２に記載のスラストリバーサ。
4. 各保全プレート（３０）が、前記プレートが前記ロッキング位置にあるとき、該保全プレートが連結されている前記手動制御ユニット（２８）の前記テークオフと協働して、前記移動部分（１２）を適所においてロッキングするためのラッチ（３６）を含むことを特徴とする、請求項２または３に記載のスラストリバーサ。
5. 前記ラッチが、正方形または六角形であり、前記プレートが前記ロッキング位置にあるとき、前記テークオフで受けられるように成形されることを特徴とする、請求項４に記載のリバーサ。
6. 各保全プレート（３０）が、該保全プレートが連結されている前記手動制御ユニット（２８）の前記テークオフ（２８ａ）の軸にほぼ垂直な面に配置され、かつ前記テークオフ軸にほぼ平行な旋回軸（３２）の回りに旋回可能であることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載のスラストリバーサ。
7. 前記保全プレート（３０）が、ほぼ矩形であることを特徴とする、請求項６に記載のスラストリバーサ。
8. 前記保全プレート（３０）が、ほぼＬ型であることを特徴とする、請求項６に記載のスラストリバーサ。

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