JP4034522B2 - アンドロゲン受容体複合体関連タンパク質 - Google Patents
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Description
【発明の背景】
健康な細胞と比較して腫瘍細胞に過剰発現される様々な遺伝子が同定された。このような遺伝子の同定は、抗腫瘍薬の開発、および癌の診断をターゲットとした薬を提供するであろう。肝腫瘍細胞内のステロイド受容体(たとえばアンドロゲン受容体)数は、それらに隣接する健康な肝細胞と比較して、増加していることが明らかである。
【0002】
ステロイドホルモンは、一般にその特異的な核受容体に結合し、複合体を形成することによって生理的効果を及ぼし、次に転写因子として働く。前記複合体は、ステロイド応答遺伝子のプロモーター内にある特異的なヌクレオチド配列(ステロイド応答エレメント)に結合し、その遺伝子の転写を容易にする。
【0003】
【発明の概要】
本発明は、肝癌患者において、正常な隣接組織と比較して肝癌細胞に過剰発現されているヒトタンパク質の発見に基づく。また、このヒトタンパク質はアンドロゲン受容体と結合して、アンドロゲン受容体が持つアンドロゲン応答遺伝子をトランスアクチベートする能力を増大することも発見された。こうして、本発明に関するヒトタンパク質は、アンドロゲン受容体複合体関連タンパク質またはARCAPと名付けられた。全長ヒトARCAPのcDNAは、開始コドンおよび終止コドンに下線を引き、以下に示す。
【0004】
【化1−1】
【0005】
【化1−2】
ヒトARCAPタンパク質をコードするヌクレオチド配列(配列番号3の開始コドンATGの直前から終止コドン)は、配列番号1に示される。上記cDNAによってコードされるARCAPのアミノ酸配列を以下に示す。
【0006】
【化2−1】
【0007】
【化2−2】
従って、本発明は、配列番号2と少なくとも70%(たとえば少なくとも75、80、90、95、98、または100%)一致するアミノ酸配列を含む、実質上純粋なポリペプチドまたはタンパク質を特徴とする。もし、このポリペプチドが配列番号2と100%一致する配列を含むならば、該ポリペプチドは、保存的なアミノ酸の置換を30個まで含むことができる。本発明は、配列番号1から成る配列のプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によってコードされる純粋なポリペプチドも含む。以下の例に示すように、このポリペプチドはアンドロゲン受容体と結合し、アンドロゲン受容体がもつアンドロゲン応答遺伝子をトランスアクチベートする能力を増加する。
【0008】
本発明は、さらに本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸、本発明の核酸を含むベクター、および本発明の核酸を含む培養宿主細胞を特徴とする。本発明の核酸の例には、配列番号1または配列番号1の相補的配列からなる一本鎖プローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする一本鎖を持つ単離された核酸が含まれる。このような核酸は、少なくとも15(たとえば、少なくとも30、50、100、200、500、または1000)ヌクレオチドの長さであってよい。
【0009】
さらに、本発明は、本発明の培養宿主細胞を培養液中で培養し、培養した宿主細胞内で上記ポリペプチドを発現し、培養液から上記ポリペプチドを単離することによって、上記ポリペプチドを生産する方法を特徴とする。
【0010】
本発明は、候補化合物の存在下で、本発明のポリペプチドとアンドロゲン受容体を含むタンパク質複合体とを接触することにより、アンドロゲン受容体を介したトランスアクチベーションを減少する化合物をスクリーニングする方法であって:前記ポリペプチドと前記タンパク質複合体との間の結合の程度を測定し、;前記結合の程度が、前記候補組成物の非存在下における前記ポリペプチドと前記タンパク質複合体との結合程度より弱いかどうかを決定する方法を特徴とする。候補化合物の存在下における結合の程度が、候補化合物の非存在下における結合の程度より弱いということは、候補化合物癌ドロゲン受容体を介したトランスアクチベーションを減少することを示す。
【0011】
与えられたポリペプチドに関してここで使用される「実質上純粋」の用語は、ポリペプチドが、他の生物学的高分子を実質上含まないことを意味する。実質上純粋なポリペプチドは、乾燥重量で少なくとも75%(たとえば、少なくとも80、85、95、または99%)の純度である。純度は、適切な標準的方法のいずれによって測定してもよく、たとえば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、またはHPLC解析でよい。
【0012】
「保存的なアミノ酸の置換」は、あるアミノ酸残基が、化学的に類似した側鎖を持つ他の残基と入れ代わることである。類似した側鎖を持つアミノ酸残基のファミリーは、当該技術において定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖(たとえばリジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(たとえばアスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷を持たない側鎖(たとえばグリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(たとえばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(たとえばスレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(たとえばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。
【0013】
「ストリンジェントな条件」下のハイブリダイゼーションは、65℃、0.5×SSCでハイブリダイゼーションした後、45℃、0.1×SSCで洗うことを意味する。
【0014】
二つのアミノ酸配列または二つの核酸配列の「一致性パーセント」は、KarlinとAltschlのアルゴリズム(Proc. Natl. Acad.Sci. USA 87:2264−2268,1990)、KarlinとAltschl改変(Proc. Natl. Acad. Sci. USA90:5873−5877,1993)を使用して決定される。このようなアルゴリズムは、Altschuら(J, Mol, Biol, 215:403−410,1990)のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組込まれている。BLASTのヌクレオチド検索は、NBLASTプログラムの、スコア=50、文字数=3、で行われる。二残基離れたギャップが存在する場合、Altschuら(Nucleic Acid Res.25:3389−3402,1997)に記載されたようにGapped BLASTが利用される。BLASTおよびGapped BLASTプログラムが利用される際、それぞれのプログラム(たとえば、XBLASTおよびNBLAST)では、デフォルトのパラメーターが使用される。http://www.ncbi.nlm.nih.gov.を参照されたい。
【0015】
「単離された核酸」は、自然に生じるあらゆる核酸と、または自然に生じる三つ以上の別々の遺伝子にわたるゲノム核酸のあらゆる断片と一致しない構造の核酸である。それゆえ、前記用語は、たとえば、(a)自然に生じたゲノムDNA分子の一部の配列を持つDNAであるが、該DNA分子が自然に生じる生物のゲノム内では当該分子の一部の両端に隣接して存在するコード配列の両者ともが隣接位置に存在しないDNA。;(b)選られる分子が自然に生じるあらゆるベクターもしくはゲノムDNAと一致しないような方法で、原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA、またはベクターに組み込まれた核酸;(c)cDNAのような独立した分子、ゲノム断片、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって作られる断片、または制限断片;および(d)ハイブリッド遺伝子の一部である組換え核酸配列、すなわち融合タンパク質をコードする遺伝子をカバーする。即ち、この定義から除かれるものは、様々な(1)DNA分子、(2)形質導入細胞、または(3)クローン細胞の混合物中に存在する核酸、たとえばcDNAのようなDNAライブラリーもしくはゲノムDNAライブラリーに生じるものである。
【0016】
本発明のポリペプチドは、ARCAPタンパク質と特異的に結合する抗体(モノクローナルまたはポリクローナルのどちらでも)を産生するために使用することができる。これらの抗体は、その後、組織内および細胞画分におけるARCAPの存在および分布を検出するために有用である。たとえば、このような抗体は、組織内にARCAPタンパク質が発現または過剰発現しているかどうかを測定することによって、肝癌組織を診断するために使用することができる。同様に、本発明の核酸は、ARCAP mRNAが、組織または細胞に発現または過剰発現しているかどうかを判定することによって、肝癌を診断するために使用できる。前記核酸は、PCRに基づいた検出方法のプライマーとして、または核酸ブロット(たとえばノーザンブロット)のラベルされたプローブとして使用することができる。
【0017】
本発明のその他の特徴または利点は、次の詳細の記述から、または特許請求の範囲からも明らかとなるであろう。
【0018】
【詳細な記述】
本発明は、正常肝細胞と比較して、肝細胞癌の細胞内に過剰発現される新規ARCAPタンパク質、およびそれらをコードする核酸に関する。特異的発現に加えて、ARCAPは、アンドロゲン受容体に結合してそのトランスアクチベーション活性を増大することが見出された。これらの観察、およびその他の以下の記述では、ARCAPは、アンドロゲン受容体複合体を介して、アンドロゲン応答性のマイトジェン遺伝子を活性化する(すなわち、前記遺伝子のプロモーターはアンドロゲン応答性要素を含む)こと、ARCAPの過剰発現は、アンドロゲン応答性マイトジェン遺伝子のトランスアクチベーションを容易にすることによって癌を引き起こすこと、およびARCAPの発現または活性の阻害は、これらのアンドロゲン応答性マイトジェン遺伝子の発現を減少し、癌細胞をより正常な表原型に戻すであろうことを示唆する。従ってARCAPは、新規抗癌剤のターゲットとなる。
【0019】
使用
前記核酸分子、タンパク質、タンパク質類似体、およびここで記載された抗体は、次の一以上の方法に使用することができる。:a)スクリーニングアッセイ;b)予測性医薬(たとえば、診断試験、予後試験、臨床試験のモニター、および遺伝子診断);c)治療方法(たとえば、治療薬および予防薬)
本発明の単離された核酸分子は、たとえばARCAPタンパク質の発現(たとえば、遺伝子治療に応用するための宿主細胞内の組換え発現ベクターを介して)のために、ARCAP mRNA(たとえば生物学的サンプル中の)またはARCAP遺伝子の遺伝子改変を検出するために、およびARCAP活性を調節するために使用することができる。ARCAPタンパク質は、ARCAPの基質またはARCAP阻害剤産生の不十分なまたは過度の産生によって特徴づけられる疾患を治療するために使用することができる。さらに、ARCAPタンパク質は、自然に生じるARCAPの基質をスクリーニングするために、ARCAPの活性を調節する薬剤または組成物をスクリーニングするために、同様にARCAPのタンパク質の不十分なまたは過度の産生、または野生型ARCAPタンパク質と比較して、減少した、異常な、もしくは望ましくない活性を持つ型のARCAPタンパク質の産生(たとえば肝癌において)によって特徴づけられる疾患を治療するために使用することができる。さらに、本発明の抗ARCAP抗体は、ARCAPタンパク質を検出および単離するため、ARCAPタンパク質の生物的有用性を調節するため、およびARCAP活性を調節するために使用することができる。
【0020】
被検ARCAPポリペプチドと相互作用(たとえば結合)できる化合物を評価する方法が提供される。この方法には、:化合物と被検ARCAPポリペプチドとを接触させること;および前記化合物が被検ARCAPポリペプチドと相互作用する能力、たとえば結合または複合体を形成する能力を評価することを含む。
この方法は、インビトロ、たとえば無細胞系において、またはインビボで、たとえばツーハイブリット相互作用トラップアッセイで行うことができる。この方法は、自然に生じた、被検ARCAPポリペプチドと相互作用する分子を同定するために使用できる。この方法は、被検ARCAPポリペプチドの天然または合成の阻害剤を見つけるために使用することもできる。
【0021】
スクリーニングアッセイ
本発明は、モジュレーター、すなわちARCAPタンパク質と結合する候補化合物もしくはテスト化合物、または試薬(たとえばタンパク質、ペプチド、ペプチド類似体、ペプトイド、低分子物、またはその他の薬物)であって、たとえばARCAPの発現、もしくはARCAP活性を刺激または阻害する効果を持ち、またはたとえばARCAPの基質の発現もしくは活性を刺激または阻害する効果を持つモジュレーターを同定するための方法(ここでは「スクリーニングアッセイ」とも言う)を提供する。このように同定された化合物は、標的遺伝子産物(たとえばARCAP遺伝子)活性を調節するために、治療用プロトコールに従って、標的遺伝子産物の生物学的機能を高めるために、または正常な標的遺伝子の相互作用を妨害する化合物を同定するために、使用できる。
【0022】
一つの態様において、本発明は、ARCAPタンパク質もしくはポリペプチドもしくは生物学的に活性なその一部の基質である候補物質、またはテスト化合物をスクリーニングするための試験を提供する。もう一つの態様において、本発明は、ARCAPタンパク質もしくはポリペプチドもしくは生物学的に活性なその一部と結合、またはその活性を調節する候補物質もしくはテスト化合物をスクリーニングするための試験を提供する。
【0023】
本発明のテスト化合物は、当業者に公知であるコンビナトリアルライブラリー:生物学的ライブラリー;ペプトイドライブラリー(ペプチドの機能性を有するが、酵素による分解に耐性の新規な非ペプチド骨格を有し、それでも生物活性が残っている分子のライブラリーである;たとえばZukermann,R.N.et al.(1994)J.Med.Chem.37:2678−85参照);空間的にアドレス可能な平行固相または液相ライブラリー(spatially addressable parallel sollid phaseor solution phase);逆重畳(deconvolution)を必要とする合成ライブラリー法;1ビーズ1化合物ライブラリー法(the one−bead one−compound library method);およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用した合成ライブラリー法を含む、多くの手法のいずれを使用しても得ることができる。生物学的ライブラリーおよびペプトイドライブラリーの手法はペプチドライブラリーに限定されるのに対して、他の四つの手法は、ペプチド、非ペプチドオリゴマー、または低分子ライブラリーの化合物に適用できる。(Lam,K.S.(1997)Anticancer Drug Des.12:145)。
【0024】
分子ライブラリーの合成方法の例は、当該技術、たとえばDeWitt etal.(1993)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.90:6909;Erb et al.(1994)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.91:112422;Zukkermann et al.(1994).J. Med. Chem. 37:2678;Cho et al.(1993)Science 261:1303;Carrel etal.(1994)Angew. Chem. Int.Ed. Engl.33:2059;Carell et al.(1994)Angew. Chem. Int. Ed. Engl.33:2061;and in Gallop et al.(1994)J. Med. Chem.37:1233、に見られる。
【0025】
化合物のライブラリーは、溶液中(たとえば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412−421)、ビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82−84)、チップ(Fodor(1993)Nature 364:555−556)、細菌(Lander,USP 5,223,409)、胞子(Lander,USP 409)、プラスミド(Cull et al.(1992)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.89:1865−1869)またはファージ内(Scottand Smith‘1990)Science 249:386−390;Devlin(1990)Science 249:404−4−6;Cwirla et al.(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.87:6378−6382;Felici(1991)J. Med. Chem.222:301−310;Lander supra)に存在してもよい。
【0026】
一つの態様において、アッセイは細胞に基づくアッセイであって、ARCAPタンパク質または生物学的に活性なその断片を発現している細胞が、テスト化合物と接触し、ARCAP活性を調節する能力を持つテスト化合物を判定するアッセイである。ARCAP活性を調節する能力を持つテスト化合物の判定は、たとえば細胞周期で調節される細胞内局在をモニターすることによって達成できる。前記細胞は、たとえばほ乳類起源、たとえばヒトであってよい。
【0027】
試験化合物が、ARCAPと化合物(たとえばアンドロゲン受容体複合体)との結合を調節する能力、またはARCAPと結合する能力も評価することができる。これは、たとえば、放射線同位体もしくは酵素のラベルを化合物(たとえば基質)に結合することにより、複合体内の化合物(たとえば基質)とARCAPの結合を、ラベルされた化合物(たとえば基質)を検出することによって測定できるようにすることによって達成される。あるいは、ARCAPに放射線同位体または酵素のラベルを結合すれば、複合体内でARCAPの基質に結合するARCAPを調節するためのテスト化合物の能力をモニターすることもできるであろう。たとえば、化合物(たとえばARCAPの基質)を125I、35S、14C、または3Hによって直接または間接的にそれぞれラベルし、これらの放射線同位体を、放射線放射を直接カウントするか、シンチレーションカウントすることによって検出することができる。あるいは、化合物を酵素、たとえばヤギペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、またはルシフェラーゼでラベルすることができ、この酵素ラベルは適切な基質から生成物への転換を測定することによって検出することができる。
【0028】
相互作用物質がラベルされ、またはラベルされていないいずれの場合も、ARCAPと相互作用する化合物の能力を評価することができる。たとえば、マイクロフィジオメーターは、化合物もしくはARCAPのどちらもラベルすることなく、ARCAPと化合物の相互作用を検出するために使用することができる。McConnell,H.M.et al.(1992)Science 257:1906−1912。ここで使用される「マイクロフィジオメーター」(たとえばサイトセンサー)は、光処理可能な電位差センサー(LAPS)を用いて、細胞がその環境を酸性化する割合を測定する解析装置である。この酸性化の割合の変化は、化合物とARCAPの相互作用の指標として使用することができる。
【0029】
さらにもう一つの態様として、ARCAPタンパク質またはその生物学的に活性な一部がテスト化合物と接触され、テスト化合物がARCAPタンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合する能力が評価される、無細胞系アッセイを提供する。本発明のアッセイに使用されるARCAPタンパク質の好ましい生物学的に活性な断片は、非ARCAPタンパク質との相互作用に関与する断片、たとえば表面可能性スコア(surface probability score)の高い断片を含む。
【0030】
可溶型、および/または膜結合型の単離されたタンパク質(たとえばARCAPタンパク質またはその生物学的に活性な断片)は、本発明の無細胞系アッセイに使用することができる。膜結合型のタンパク質が使用されるときには、可溶化試薬を利用することが望ましいであろう。このような可溶化試薬の例には、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、トライトンX―100、トライトンX―114、セシト(Thesit)、イソトリデシポリ(エチレングリコシルエーテル)n、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオ]―1−プロパンスルフォネート(CHAPS)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミニオ]―2−ハイドロキシ−1―プロパンスルフォネート(CAPSO)、またはN−ドデシル−N、N−ジメチル−3−アモニオ−1−プロパンスルフォネートのような、非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0031】
無細胞系アッセイには、標的遺伝子タンパク質とテスト化合物の反応混合液を、二つの化合物が相互作用して結合するために十分可能な条件下、および時間で調製して、除去および/または検出できる複合体を形成することが含まれる。
【0032】
二分子間の相互作用は、たとえば蛍光エネルギー移転(FET)を使用して検出することができる(たとえばLakowicz et al.,U.S.特許番号5,631,169;Stavianopoulos,et al.U.S.特許番号4,868,103を参照)。第一の「ドナー」分子上のフルオロフォアーラベルが選ばれ、その放射された蛍光エネルギーは第2の「アクセプター」タンパク質分子によって吸収され、次にその吸収したエネルギーによって該第二の分子は蛍光を発することができる。あるいは「ドナー」タンパク質分子は、単に天然のトリプトファン残基の蛍光エネルギーを利用するだけでもよい。「アクセプター」分子のラベルが「ドナー」のラベルから識別され得るように、ラベルは異なる波長の光を放射するものが選ばれる。ラベル間の転移エネルギー効率は、分子間の距離に比例するので、分子間の距離関係を見積もることができる。分子間で結合が起こっている場合、アッセイ系におけるラベルされた「アクセプター」分子の蛍光放出が最大となるはずである。FET結合は、当業者に周知の標準的な蛍光検出方法(たとえば蛍光メーターを使用して)を用いて簡単に測定することができる。
【0033】
もう一つの態様として、ARCAPタンパク質が標的分子に結合するための能力を測定することは、リアルタイムのバイオモレキュラー相互作用解析(BIA)を使用して達成することができる(Sjoander, S. and Urbaniczky, C.(1991)Anal.Chem. 63:2338−2345、およびSzabo et al.(1995)Curr. Opin. Struct. Biol. 5:699−705を参照)。「表面プラズモン共鳴」または「BIA」は、いかなる相互作用物質のラベルも伴わずに、リアルタイムで生物特異的な相互作用を検出する(たとえばBIAcore)。結合表面の分子量が変化すると(結合したことを表示)、表面に近い光の屈折率に変化(表面プラズモン共鳴の目に見える現象(SPR))をもたらし、検出可能な信号となり、これは生物学的な分子間の反応をリアルタイムに表示するために使用することができる。
【0034】
一つの態様として、標的遺伝子産物またはテスト基質は、固相に固定される。固相に固定された標的遺伝子産物/テスト化合物の複合体は、反応の最後に検出できる。好ましくは、標的遺伝子産物は固体表面に固定され、テスト化合物(これは固定されていない)は、ここで論じられた検出可能な蛍光で、直接または間接的にラベルできる。
【0035】
ARCAP、抗ARCAP抗体またはその標的分子の何れかを固相化して、複合体を形成していない一方もしくは両方のタンパク質から複合体を分離することを容易にし、同様にアッセイの自動化を容易にすることが望ましいであろう。テスト化合物とARCAPタンパク質の結合、またはARCAPタンパク質と標的分子の相互作用は、候補化合物の存在下および非存在下において、反応物質を含むあらゆる適切な容器内で達成することができる。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、テストチューブ、およびマイクロ遠心チューブを含む。一つの態様として、一方または両方のタンパク質がマトリックスに結合することを可能にする領域を付加する融合タンパク質を提供することができる。たとえば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/ARCAP融合タンパク質、またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical,St.Louis,MO)、またはグルタチオン誘導マイクロプレートに吸着させることができ、次いで、これをテスト化合物、またはテスト化合物および非吸着性標的タンパク質もしくはARCAPタンパク質のいずれかと組み合わせ、この混合物を、複合体形成条件下(たとえば生理的条件の塩およびpH)でインキュベートした。インキュベーションの後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗い、結合していない化合物および固相化されたマトリックス(ビーズの場合)を除去する。複合体は、直接または間接的に、たとえば上記のようにして測定する。あるいは、複合体はマトリックスから分離し、標準的な技術を使用してARCAPの結合または活性のレベルを測定することができる。
【0036】
ARCAPタンパク質または標的分子のいずれかをマトリックス上に固相化するための他の技術には、ビオチンとストレプトアビジンの結合を使用することが含まれる。ビオチン化されたARCAPタンパク質または標的分子は、当業者に公知の技術(たとえば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals, Rockford,IL)を使用して、ビオチン−NHS(N−ハイドロキシ−スクシニミド)から調製し、ストレプトアビジンでコートされた96穴ウェルに固相化することができる(Pierce Chemicals)。
【0037】
アッセイを行うために、固定された化合物を含むコート面に、固相化されていない化合物を加えた。反応完了後、形成されたあらゆる複合体が固相表面に固相化されたままの条件下で、未反応の化合物を取り除いた(たとえば洗うことにより)。固相表面に固定された複合体の検出は、多くの方法によって行うことができる。あらかじめ固定化されていない化合物にラベルがされた場合、表面に固相化されたラベルが検出されることは、複合体が形成されたことを示す。あらかじめ固定化されていない化合物にラベルがされない場合は、表面に固定された複合体を検出するために間接的ラベルを使用できる。たとえば、固相化された化合物に特異的なラベル済みの抗体を使用する(次に、抗体を直接ラベルまたは間接的にラベルすることができる。たとえば抗Ig抗体によって)。
【0038】
一つの態様において、このアッセイは、ARCAPタンパク質または標的分子と反応するが、ARCAPタンパク質とその標的分子の結合を妨害しない抗体を利用して行われる。このような抗体は、プレートのウェルに送達でき、抗体の結合によって、結合しない標的またはARCAPタンパク質をウェルにトラップした。このような複合体を検出する方法は、これら上記されたGSTで固相化された複合体のための他に、ARCAPタンパク質または標的分子と反応する抗体を使用した複合体の免疫検出、同様にARCAPタンパク質または標的分子と結合した酵素活性の検出に依存した酵素結合アッセイに関する。
【0039】
あるいは、無細胞系アッセイは液相で行うことができる。このようなアッセイでは、反応産物は多くの標準的な技術のいずれかによって未反応の化合物から分離され、このような標準的技術には遠心(たとえばRIvas, G., and Minton, A.P.、(1993)Trends Biochem Sci 18:284−7を参照);クロマトグラフィー(ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー);電気泳動(たとえば、Ausubel, F. et al., eds. Current Protocolsin Molecular Biology 1999, J. Wiley:New York.を参照);および免疫沈降(たとえば、Ausubel,F. et al., eds. Current Protocols in Molecular Biology 1999, J. Wiley:New York.を参照)が含まれるが、これらに限定されない。このような樹脂およびクロマトグラフィー技術は、当業者に公知である(Heegaard,N.H.,(1998)J Mol Recognit 11:141−8;Hage,D.S., and Tweed, S.A.(1997)J Chromatogr B Biomed Sci Appl. 699:499−525)。さらに、ここで説明するように、溶液から複合体をさらに精製することなく結合を検出するために、蛍光エネルギー転移も好適に利用されるであろう。
【0040】
好ましい態様として、前記アッセイには、ARCAPタンパク質または生化学的に活性なその一部を、ARCAPと結合してアッセイ混合物を形成する公知の化合物(たとえばアンドロゲン受容体)に接触させること、前記アッセイ混合物をテスト化合物と接触させること、テスト化合物がARCAPタンパク質と相互作用する能力を測定することを含み、前記テスト化合物がもつARCAPタンパク質と相互作用する能力の測定には、公知の化合物と比較して、好ましくはテスト化合物がARCAPタンパク質もしくはその生化学的に活性なタンパク質と結合し、または標的分子の活性を調節する能力を測定することを含む。
【0041】
本発明の標的遺伝子産物は、インビボにおいて、一以上の細胞または細胞外高分子、たとえばタンパク質と相互作用することができる。この議論の目的として、このような細胞および細胞外高分子とは、ここでは「結合相手」をいう。このような相互作用を妨害する化合物は、標的遺伝子産物の活性を調節するのに有用であろう。このような化合物には、たとえば抗体、ペプチド、および低分子物を含むがこの分子に限定されない。この態様での使用に好ましい標的遺伝子/産物は、ここで同定したARCAP遺伝子である。異なった態様として、本発明は、テスト化合物がARCAP標的分子の下流にあるエフェクターの活性を調節し、ARCAPタンパク質の活性を調節する能力を測定するための方法を提供する。たとえば、以前に記述されているように、適切な標的のエフェクター分子活性を測定でき、または適切な標的とエフェクターの結合を測定できる。
【0042】
標的遺伝子産物と、その細胞内または細胞外の結合相手との相互作用を妨害する化合物を同定するために、標的遺伝子産物と結合相手を含む反応混合物を、二つの産物が複合体を形成することが可能な条件下および可能な時間で調整する。阻害試薬をテストするために、テスト化合物の存在下および非存在下において、反応混合物を調整する。テスト化合物は、初めから反応混合物に含むことができるし、標的遺伝子とその細胞内または細胞外の結合相手を加えた後に加えることもできる。コントロールの反応混合物を、テスト化合物なしまたは偽薬と共にインキュベートした。そして、標的遺伝子産物と、その細胞内または細胞外の結合相手のあらゆる複合体の形成が検出される。コントロール反応では複合体が形成されるが、テスト化合物を含有する反応混合物中では複合体が形成されないことは、化合物が標的遺伝子産物と相互作用する結合相手との相互作用を妨害することを示す。
【0043】
さらに、テスト化合物および正常な標的遺伝子産物を含む反応混合物での複合体形成を、テスト化合物および変異型の標的遺伝子産物を含む反応混合物内の複合体形成と比較することもできる。この比較は、変異型の相互作用は妨害するが、正常標的遺伝子産物ではしない化合物を同定するような場合に重要であろう。
【0044】
これらのアッセイは、不均一または均一な系において行うことができる。不均一系でのアッセイは、標的遺伝子産物、または結合相手を固相に固定することを必要とし、反応終了後には、固相に固定された複合体を検出する。均一系のアッセイでは、全ての反応は、液相で実行される。どちらの手法においても、テストする化合物について様々な情報を得るために、反応物を加える順序は、変更することができる。たとえば、標的遺伝子産物と結合相手との相互作用を妨害(たとえば競合的に)するテスト化合物は、テスト基質の存在下で反応を行うことによって同定できる。あるいは、形成された複合体を破壊するテスト化合物、たとえば複合体から構成物質の一方を置換するような高い結合定数の化合物は、複合体が形成された後に、反応混合物にテスト化合物を加えることによってテストできる。様々な方式を以下に簡潔に記載する。
【0045】
不均一なアッセイ系では、標的遺伝子産物または相互作用する細胞内または細胞外の結合相手は、どちらも固相表面に固定され(たとえばマイクロタイタープレートに)、一方、固定されない種は直接または間接的にラベルされる。固定される種類は、非共有結合または共有結合で固相化することができる。あるいは、固定すべき種に特異的な抗体を固相化したものは、その種を固相表面に固定化するために使用できる。
【0046】
アッセイを行うためには、固相化された種の相手を、テスト化合物の存在下または非存在下において、コートした表面にさらす。反応完了後、未反応化合物は(洗うことによって)取り除かれ、形成されたいずれの複合体も、固相表面に固相化されたままであろう。固相化されない種が前ラベルされている場合、表面に固相化されたラベルの検出によって、複合体の形成が示される。固相化されない種が前ラベルされない場合、表面に固定された複合体を検出するために間接ラベルが使用され、たとえば初めに固相化されていない種に特異的なラベル抗体を使用する。次に、抗体は直接または間接的に、たとえばラベルされた抗−Ig抗体でラベルすることができる。反応成分を加える順序に依存して、複合体形成を阻害、または形成された複合体を破壊するテスト化合物を検出できる。
【0047】
あるいは、テスト化合物の存在下または非存在下において、反応を液層中でおこない、反応産物を未反応化合物から分離し、例えば、溶液内で形成されたあらゆる複合体を固定するための結合性成分の一方に特異的な固相化抗体、および固定された複合体を検出するために他方の相手に特異的なラベル抗体を使用して複合体を検出することができる。ここでも、液層に反応成分を加える順序に依存して、複合体形成を阻害、または形成された複合体を破壊するテスト化合物を同定できる。
【0048】
別の態様では、均一系でのアッセイが使用できる。たとえば、標的遺伝子産物またはその結合相手のいずれかがラベルされるが、ラベルによって生じるシグナルが複合体形成によって抑えられるように、標的遺伝子産物と相互作用する細胞性または細胞外の結合相手産物との複合体を調整する(たとえば、この手法を免疫アッセイに利用したU.S.特許番号4,109,496を参照)。形成された複合体の一種類と競合して置き換わるテスト基質の添加は、バックグランドよりも高いシグナルを生じるであろう。この方法により、標的遺伝子産物と結合相手との相互作用を崩壊させるテスト基質を同定できる。
【0049】
さらに他の側面として、ARCAPと結合または相互作用し、ARCAP活性に関与する他のタンパク質(「ARCAP結合タンパク質」または「ARCAP―bp」)を同定するために、ARCAPタンパク質は、ツーハイブリットアッセイまたはスリーハイブリットアッセイにおける「罠タンパク質」として使用できる(たとえばU.S.特許番号5,283,317;Zevos et al.(1993)。このようなARCAP−bpsは、ARCAPタンパク質またはARCAPの標的によるシグナル、たとえばARCAPを介したシグナル経路の下流の要素を活性化または阻害することができる。
【0050】
ツーハイブリットシステムは、分離可能なDNA結合領域と活性化領域からなる、ほとんどの転写因子のモジュールとしての性質に基づいている。簡単に言えば、このアッセイには、二つの異なったDNA構築物が利用される。一方の構築物では、ARCAPタンパク質をコードする遺伝子が、公知の転写因子(たとえばGAL−4)のDNA結合領域をコードする遺伝子と融合される。もう一つの構築物では、未同定タンパク質(「プレイ(餌)」または「サンプル」)をコードするDNA配列のライブラリー由来のDNA配列が、公知の転写因子の活性化領域をコードする遺伝子と融合される。(あるいは、ARCAPタンパク質を活性化領域と結合することができる)。もし、「罠」および「餌」タンパク質がインビボで相互作用することができれば、ARCAP依存的に複合体が形成され、転写因子のDNA結合領域および活性化領域が近接させられることになる。このような近接により、転写因子に応答する転写制御部位に動作可能に結合されたレポーター遺伝子(たとえばlacZ)の転写が可能になる。レポーター遺伝子の発現を検出することができ、また機能的な転写因子を含む細胞コロニーを単離して、ARCAPタンパク質と相互作用するタンパク質をコードするクローン化された遺伝子を得るために使用できる。
【0051】
他の態様では、ARCAP発現のモジュレーターが同定される。たとえば、細胞混合物または無細胞混合物を候補化合物と接触させ、ARCAP mRNAまたはタンパク質の発現を、候補化合物の非存在下におけるARCAP mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較して評価する。候補化合物の存在下におけるARCAP mRNAまたはタンパク質の発現が、非存在下での発現よりも多いとき、候補化合物は、ARCAP mRNAまたはタンパク質の発現の刺激因子として同定される。逆に、候補化合物の存在下におけるARCAP mRNAまたはタンパク質の発現が、非存在下での発現よりも少ないとき、候補化合物は、ARCAP mRNAまたはタンパク質の発現の阻害因子として同定される。ARCAP mRNAまたはタンパク質の発現レベルは、ここで記載されているARCAP mRNAまたはタンパク質を検出する方法によって測定できる。
【0052】
その他の側面において、本発明は、ここに記載された二以上の組み合わせに関する。たとえば、細胞または無細胞系を基にしたアッセイを使用して、調節剤を同定することができ、ARCAPタンパク質の活性を調節する薬剤の能力を、インビボで、たとえば肝細胞癌腫のモデル動物のような動物内で確認することができる。
【0053】
本発明は、さらに上記のスクリーニングアッセイによって同定された新規薬剤に関する。従って、このような薬剤の処置による効果、毒性、副作用、または作動機構を測定するために、ここに記載されたようにして同定された薬剤(たとえば、ARCAP調節試薬、アンチセンスARCAP核酸分子、ARCAP特異的抗体、またはARCAPの結合相手)を、適切な動物モデルでさらに使用することは本発明の範囲内である。さらに、上記のスクリーニングアッセイによって同定された新規試薬は、癌、たとえば肝癌の治療に使用できる。
【0054】
ARCAP分子の代理マーカーとしての使用。
【0055】
本発明のARCAP分子は、疾患または疾患の状態のマーカーとして、病気の状態の前駆マーカーとして、疾病素因のマーカーとして、薬の活性のマーカーとして、または患者の薬理遺伝学的プロフィールのマーカーとしても使用できる。ここに記載された方法を使用して、本発明のARCAPタンパクの存在、非存在、および/または量を検出してもよく、インビボにおける一以上の生化学的状態に関連させてもよい。たとえば、本発明のARCAP分子は、一以上の疾患もしくは病気の状態、または病状の進行状況の代理マーカーとして役に立つであろう。ここで使用される、「代理マーカー」とは、病気もしくは疾患の存在もしくは非存在に関連した、または病気もしくは疾患の進行に関連した生化学的マーカーをいう(たとえば肝腫瘍の存在または非存在について)。このようなマーカーの存在または量は、疾患とは独立している。それゆえ、これらのマーカーは、特殊な治療方法が、病状または病気の減少に効果的であるかどうかを示すために役立つことができる。病状もしくは病気の存在または範囲を標準的な方法論で評価することが難しいとき(たとえば、腫瘍の初期段階)、または危険な臨床段階に達する前に病気の進行の評価が必要とされるとき(たとえば、心臓血管疾患の評価には、コレステロールレベルが代理マーカーとして用いられるであろうし、HIV感染には、HIVのRNAレベルが代理マーカーとして用いられるであろうし、心筋感染または完全に進行したAIDSという望まれない臨床結果に、より用いられる。)に、代理マーカーは特に使用される。代理マーカーの、当業者による使用例には、Koomaen et al.(2000)J.Mass.Spectrom. 35:258−264;およびJames(1994)AIDS Treatment News Arshive 209、に記載されたものが含まれる。
【0056】
本発明のARCAP分子は、薬力学的マーカーとしても有用である。ここで使用される、「薬力学的マーカー」は、特に薬効に関する客観的な生化学的マーカーである。薬力学的マーカーの存在またはその量は、薬が投薬される病状または病気には関与しない。;それゆえ、マーカーの存在または量は、患者における薬の存在または活性を示すものである。たとえば、薬力学的マーカーは、生物学的組織内では薬のレベルに関連してマーカーが発現もしくは転写されたか、または発現もしくは転写されないかのどちらかである点において、生物学的組織における薬の濃度を示すであろう。この機能において、薬の分布または取り込みは、薬力学的マーカーによってモニターされるであろう。同様に、薬力学的マーカーの存在または量は、薬の代謝産物の存在または量に比例する結果、マーカーの存在または量は、インビボでの相対的な破壊割合を示すことができる。薬力学的マーカーは、特に薬の投与量が少ないときに、薬効の検出の感度を上げるために使用される。少量の薬でも、マーカー(たとえば、ARCAPマーカー)の転写または発現を複数回活性化するのに十分であろうから、増幅されたマーカーは、薬それ自身よりもさらに素早く検出されるであろう。また、マーカーは、マーカー自身の性質によって、さらに容易に検出され得るであろう。;たとえば、ここに記載された方法を使用することにより、抗ARCAP抗体は、ARCAPタンパク質マーカーの免疫的検出系に使用してもよく、またはARCAP特異的に放射ラベルされたプローブは、ARCAP mRNAマーカーを検出するために使用してよい。さらに、薬力学的マーカーの使用は、直接測定可能な範囲を超えた薬の処置による危険の機構的予測を提案する。当業者による薬力学的マーカーの使用例は、Matsuda et al.US6,033,862;Hattis et al.(1991)Env. Health Perspect. 90:229−238;Schentag(1999)Am. J. Health−Syst. Pharm. 56 Suppl. 3:S21−S24;およびNicolau(1999)Am. J. Health−Syst. Pharm. 56 Suppl. 3:S16−S20、に記載されている。
【0057】
本発明のARCAP分子は、薬理ゲノミクス的マーカーとしても有用である。ここで使用される「薬理ゲノミクス的マーカー」は、患者での、特殊な臨床薬に対する応答または感受性に関する客観的な生化学的マーカーである(McLead et al.(1999)Eur. J. Cancer 35:1650−1652)。薬理ゲノミクス的マーカーの存在またはその量は、薬が投与される前に、患者で予想される、特殊薬または薬の種類に対する応答に関系する。患者で、一以上の薬理ゲノミクス的マーカーの存在または量を評価することによって、患者にもっとも適切な治療薬、またはかなりの割合で成功が予想される治療薬が選択されるであろう。たとえば、特異的腫瘍マーカーとして、患者のRNAもしくはタンパク質(たとえばARCAPタンパク質またはRNA)の存在または量に基づいて、患者に存在しそうな特異的腫瘍の治療に最適化された処置薬または処置方針は、を選択できる。同様に、ARCAP DNAにおける特異的な配列変異の存在または非存在は、ARCAP薬の応答に関係するであろう。それゆえ、薬理ゲノミクス的マーカーの使用は、各患者に対し治療を施すことなく、最も適切な治療を適用可能にする。
【0058】
薬理ゲノミクス
ここで記載されたスクリーニングによって同定された、本発明のARCAP分子、並びにARCAP活性に対し、刺激効果または阻害効果を持つ試薬、またはモジュレーター(たとえば、ARCAP遺伝子の発現)は、異常な、または望ましくないARCAP活性が関与するARCAP関連疾患(たとえば、肝癌)の治療のために(予防的または治療的に)、個体に投与することができる。このような治療に関して、薬理ゲノミクス(特に、個人の遺伝子型と外来化合物または薬に対する個人の応答の関係に関する研究)が検討されるであろう。治療上の代謝の差異は、薬理学的に活性な薬の投与量と血中濃度との関係を変えることにより、重大な毒性または治療の失敗を引き起こすであろう。従って、医師および臨床医は、ARCAP分子もしくはARCAPモジュレーターを投与するかどうかの決定、並びにARCAP分子もしくはARCAPモジュレーターの投薬もしくは治療法を適合させることにおいて、薬理ゲノミクス的研究に関して得られた知識を用いることを考慮するであろう。
【0059】
薬理ゲノミクスは、変化した薬の性質および患者における異常な作用に起因した、薬に対する応答における臨床的に重要な遺伝的変化を扱う。たとえば、Eichelbaum, M. et al.(1996)Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 23:983−985、およびLindert, M.W. et al.(1997)Clin. Chem. 43:254−266、を参照。一般に、薬理ゲノミクスを二つのタイプに分けることができる。単一の因子として遺伝された遺伝的条件は、体内で薬が作用する方法を変化させるか(変化した薬の作用)か、または単一の因子として遺伝された遺伝的条件は、体が薬に作用する方法を変化させる(変化した薬物代謝)。これらの薬理ゲノミクスの条件は、まれにある遺伝的欠損、または自然に生じる多型のどちらとしても生じうる。たとえば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ欠損(G6PD)は、普通に遺伝される酵素病であって、主要な臨床的合併症は、酸化性薬物(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取後およびソラマメの消費後の赤血球溶解である。
【0060】
薬の応答を予測する遺伝子を同定するための薬理ゲノミクス的手法の一つは、「ゲノム−ワイド・アソシエーション」として知られており、これは主に、既知の遺伝子関連マーカー(たとえば、60,000−100,000のヒト遺伝子の多型または変異部位からなる「二倍体対立遺伝子」遺伝子マーカー地図であり、どちらも二つの変異を持つ)からなるヒト遺伝子の高解像度マップに依存する。このような、高解像度遺伝子地図は、特に薬の反応または副作用で観察される関連マーカーを同定するために、フェーズII/III薬の試験に貢献している統計的に有意な人数の患者の各ゲノム地図と比較できる。あるいは、このような高解像度地図は、公知の1000000個のヒトゲノム一塩基多型(SNPs)をいくつか組み合わせて作成することができる。ここで使用される「SNPs」は、ある範囲のDNAにおいて一塩基に生じる通常の変化である。たとえば、DNAの1000塩基にひとつは、SNPが生じるであろう。SNPは、病気の発生に関与するが、ほとんど大多数は病気に関与しないであろう。このように生じたSNPsに基づいた遺伝子地図を与えられると、個体は、そのゲノムのSNPsに特有のパターンによって遺伝的な分類ごとに分けることができる。このような方法で、遺伝的に似通った個体のグループごとに、遺伝的に似通った個体間に共通であろう特性を考慮して、適合した治療法が作成される。
【0061】
あるいは、「候補遺伝子手法(candidate gene approach)」という方法が、薬の反応を予測する遺伝子を同定するために利用できる。この方法により、もし薬の標的(たとえば本発明のARCAPタンパク質)をコードする遺伝子が公知であれば、その遺伝子に共通な全ての変形を個体群からかなり容易に同定でき、前記遺伝子の一つのバージョンとともう一つのバージョンをを比較して、その遺伝子が特定の薬の応答に関連があるかどうかを決定できる。
【0062】
あるいは、「遺伝子発現プロファイリング」という方法は、薬の反応を予測する遺伝子を同定するために利用できる。たとえば、薬(例えば本発明のARCAP分子またはARCAPモジュレータ)が投与された動物の遺伝子発現は、毒性に関与する遺伝子経路が刺激されたかどうかの指標を提供することができる。
【0063】
上記の一以上の薬理ゲノミクス的手法から生じた情報は、個人の多型または治療上の処置ごとに、適切な投与量または治療レジメを決定するために使用できる。投薬または薬の選択に適用する場合、この知識により、ここに例として記載したスクリーニングアッセイにより同定された分子のような、ARCAP分子またはARCAPモジュレーターを用いて患者を治療したときに、不利な反応または治療の失敗を回避して、治療または予防効果を増強できる。
【0064】
本発明はさらに、新規な薬剤または組合せを提供する。これらは、本発明のARCAP遺伝子の一以上によってコードされる一以上の遺伝子産物(これらの産物は、治療剤に対する細胞の耐性に関与するであろう)の活性を調節する薬剤の同定に基づいている。即ち、本発明のARCAP遺伝子によってコードされるタンパク質の活性は、薬剤耐性を克服する薬剤を同定するための基礎として使用できる。一以上の耐性タンパク質の活性を阻害することによって、標的細胞、たとえばヒト細胞は、未処置の標的細胞では耐性である薬剤での治療に対して感受性となるであろう。
【0065】
ARCAPタンパク質の発現または活性に対する物質(たとえば薬剤)の影響をモニターするために、臨床試験が行われる。たとえば、ここに記載したスクリーニングアッセイによって、ARCAP遺伝子の発現、タンパク質レベル、またはARCAP活性を増加すると決定された薬剤の効果は、ARCAP遺伝子の発現、タンパク質レベル、またはARCAP活性の減少を示す患者の臨床試験においてモニターすることができる。あるいは、対するスクリーニングアッセイによってARCAP遺伝子の発現、タンパク質レベル、またはARCAP活性を減少すると判定された薬剤の効果は、ARCAP遺伝子の発現、タンパク質レベル、またはARCAP活性の増加を示す患者の臨床試験においてモニターすることができる。このような臨床試験において、ARCAP遺伝子、および好ましくは、たとえばARCAP関連病に関与することが示唆されたその他の遺伝子の発現または活性は、特定の細胞の表現型の「読み出し(read out)」またはマーカーとして使用できる。
【0066】
当業者は、上記明細書および以下の例を基に、さらなる苦労を伴わず、本発明をその最大範囲で利用することができると思われる。以下の例は、当業者がどのように本発明のポリペプチドおよび核酸を単離、並びに使用することができるかの単なる説明として解釈され、残りの開示内容をいかなる方法によっても限定しない。ここで引用された全ての刊行物は、本明細書に援用される。
【0067】
【実施例】
試薬および方法
患者サンプル
台湾、台北の退役軍人総合病院の外科病棟から、肝細胞癌の患者が本研究のために集められた。血腫の診断は、ソノグラフィー、血管造影法、コンピューター断層撮影法、および/または磁気共鳴イメージングによってなされた。患者の年齢、性別、血清中のαフェトタンパク質レベル、肝機能、肝腫瘍サイズ、腫瘍部位、病状の段階、病気でなかった期間、再発回数、および腫瘍再発の部位を含む、各患者の臨床的情報を記録した。各患者からは、インフォームドコンセントを得た。各肝癌患者では、腫瘍組織から、同様に腫瘍に隣接した正常肝組織からも組織を回収した。
【0068】
RNA抽出および相補的DNAへの逆転写。
【0069】
組織標本は、外科的に切除後に直ちに凍結し、−80℃に保存した。RNAは、Chomczynski et al.(1987)Anal. Biochem. 162:156−159、に記載のように酸性グアニジンチオシアネートおよびフェノール/クロロホルム抽出を使用して抽出した。約0.5gの凍結組織を、4mlのRNAzolB(Biotex Laboratories、Houston Texas)で、ポリトロンを使用してホモジナイズした。DNAは、タイプBの乳棒のDouncerを使用して分けた。0.4mlのクロロホルムを添加した後、激しくボルテックスし、氷中に5分間立て、12000g、4℃で15分間遠心して、混合物を分離した。総RNAを含む、上の水層を等量のイソプロパノールで沈殿した。
【0070】
相補DNAは、1μgの総RNAから合成した。逆転写は、RNAおよび1×ファーストストランドバッファー(10mM DTT、500μl dNTPs、50ng/ml oligo−dT、および100units MMLV逆転写酵素)、を含む30μl量で、37℃、1時間(life Technologies)行った。サンプルを95℃で5分間変性させた。
【0071】
PCR増幅
0.8μlのプライマー、50μlの各dNTP(Takara)、1×PCRバッファー、および1.25unit Taqポリメラーゼ(Pharmacia)、を含む25μ量で、cDNA(1μl)をPCRで増幅した。cDNAの質のコントロールとして、ヒトトランスフェリン遺伝子のプライマーTref8(GGAACATTTTGGCAAAGACA(配列番号4);トランスフェリンcDNAの971から990由来核酸)およびTref9(ATTCATGATCTT(C/T)GCGATG(配列番号5);トランスフェリンcDNAの1307−1288由来核酸)を使用してテストPCRを行った。これらのプライマー配列は、ヒトトランスフェリン遺伝子の第8および第9エクソンからそれぞれ選択した。PCRは、最初の変性を、94℃で10分間行い、次に;94℃で1分、55℃で1分、および72℃で1分;を30サイクル、そして最後に72℃で10分伸長した。PCRが成功すると、336bpの産物を得られたことから、cDNAのテンプレートは、ポリ(A)エンド(nt2362)から少なくとも1.4kbである。
【0072】
ステロイドスーパーファミリーのクローンは、ステロイド受容体の非常に保存されたDNA結合領域のジンクフンガーモチーフ配列をコードする縮重プライマーを使用して、アミノ酸ベースのホモロジーPCRによって作成した。プライマーは、DYSTGYHY(配列番号6)、CKXFFKR(配列番号7)およびCPAQCRFXKC(配列番号8)、のアミノ酸配列をコードしており、これら全ては、Matskymowych et al(1992)Receptor 2:225−240に記載されている。順向きおよび逆向きのプライマー配列は、RCAYTTIIIIARICKRCAIKMNKGRCA(配列番号11)、およびGAYRARKCIWCIGGIWRICAYT(配列番号12)であった。PCRは、低いストリンジェンシーのアニーリング/伸長条件で(42℃/65℃)で5サイクル行い、増幅前のテンプレートでは、高いストリンジェンシーで、(55℃/72℃)、行った。PCR産物はTAベクター(Invitrogen)にサブクローン化し、そのプラスミドを、DH5α細胞を形質転換するために使用した。クローンをランダムに拾い、ジンクフィンガーと長さと一致する、約170kbのインサートのサイズをチェックした。クローンは、高頻度で適切なサイズのインサートを含んでいた(85−90%)
新規ARCAPのDNA配列解析。
【0073】
ポジティブクローンを拾い、Applied Biosystems model 377DNAシーケンサーを使用してシーケンスした。クローン化された配列は、BLASTNプログラムを使用して解析した。ステロイド受容体スーパーファミリーの一員と似ている配列を示すcDNAクローンの一部を、次のさらなる研究のために選択した。これらのクローンで、ARCAPと名付けた一つのクローンは、ここに記載したように特徴付けされ、全長をクローン化した。
【0074】
全長クローンの単離。
【0075】
ARCAPの完全なオープンリーディングフレームを得るために、商業的なG2肝癌細胞系(Clontech)のcDNAライブラリーを、ARCAP部分クローンのプローブとした。さらに、傷害で死亡した男性患者により提供された肝癌腫瘍、および正常肝組織の両者から単離されたRNAから、肝癌cDNAライブラリーを構築した。ほぼ5μgのmRNAを逆転写に使用した。cDNAライブラリーは、ラムダZAP II系(Stratagene)を使用して調整した。ライブラリーは、1.1×106PFUの初期組換えクローンから増幅した。平均サイズは1.2kbであった。95%以上のクローンが組換えであった。
【0076】
cDNAライブラリーから新規クローンを単離するするために、32PラベルされたdCTPを補ったPCR反応を使用し、放射ラベルされたプローブを調整した。特に、1×バッファー(1.5μM MgCl2、0.5μl Taqポリメラーゼ(25unit/ml)、各200μMのdGTP、dTTP、およびdATP、並びに25−50μM dCTP)、および5μlの32PαdCTPを含む、100μlの反応でラベルした。ラベルされたプローブを作成するためのPCRの条件は、上記したようなステロイド受容体クローンに基にした保存領域を増幅する場合と本質的に同様である。
【0077】
cDNAライブラリーは、穏やかな濃度(16,000PFU/150mmプレート)でスクリーニングした。最初に20プレートをクリーニングした。プレハイブリダイゼーションを、5×SSC、2×Denhardt’s、100mg/ml一本鎖サケ精子DNA、および0.1%SDS中、55℃で行った。ハイブリダイゼーションは、1×107cpm/mlの変性されたラベルPCRプローブ溶液を補い、同じ溶液内で行った。55℃で20分培養後、2×SSC、0.1%SDSを使用して、室温で60分、低いストリンジェンシーでの洗浄を行った。コダックX−ARフィルムおよび増強スクリーンを使用したオートラジオグラフィー(24時間露出)でブロットを可視化した。
【0078】
5’RACEおよび3’RACE。
【0079】
公知の内部部位と5’または3’端どちらかと未知なる配列間のcDNAテンプレートを増幅するための方法である。本研究で行った基本的プロトコールは、クローンテックのRACEキット付属の刊行物に記載されていた。
【0080】
GSP1(TCTGGTGGTTGCACTGAGCT;配列番号13)およびGSP2(ACAATGTCAGCTCAGGCTC;配列番号14)プライマーは、自前で、ARCAPの配列に基づいてデザインした。ヒト肝癌細胞G2のmRNAを、第一鎖のcDNA合成のためのテンプレートとして使用した。3’RACEでは、3’―CDS(AAGCAGTGGTAACAACGCAGAGTACT30NN;配列番号15)または5’RACEでは、Smart−oligo(T25NN;配列番号16)と5’―CDS(AAGCAGTGGTAACAACGCAGAGTACTACGCGGG;配列番号17)を使用してこの合成を行った。
【0081】
第一鎖のcDNAの合成後、5’RACEには、SmartとGSP1プライマーを使用してPCRを行った。3’RACEには、GBP2と3’CDSプライマーを使用して行った。どちらのPCR断片も、pGEM―easyベクター(Promega)にクローン化した。スクリーニング後、正しいクローンを拾い、プラスミドDNAを精製した。ARCAPの全長cDNA配列はこのようにして得られた。
【0082】
ARCAP抗体の産生。
【0083】
ARCAPクローンは、EcoRIで消化し、ARCAP―GST発現プラスミドを産生するためにpGEX2T(Pharmacia)に挿入した。このプラスミドは、BL21細菌を形質転換するために使用し、融合タンパク質の発現のためにIPTGを使用して誘導した。融合タンパク質は、グルタチオンセファロース4Bアフィニティークロマトグラフィーを使用して、細菌溶解液から精製した。ARCAPタンパク質は、抗GST抗体を使用して、ウエスタンブロッティングによって検出した。ARCAP抗血清を生じさせるために、20μgの融合タンパク質をBalb/cマウスに接種した。
【0084】
ARCAP発現解析
ARCAPのmRNA発現パターンを測定するために、組織および細胞株から調整したRNAを、ノーザンブロットによって解析した。肝臓、胎児脳、肝臓由来の4つの細胞株(HepG2、Hep3B、VGH/22T、VGH/59T)、血液細胞株(K562、U937、Ramos、Jurkat)、およびHela細胞から、それぞれ20μgの総RNAをホルムアルデヒドゲルで分離し、フィルター膜に転写した。フィルターハイブリダイゼーションは、ラベルしたプローブで、5×SSC、5×Denhardt’s、5mg/ml変性サケ精子DNA、50%ホルムアミド、および0.1%SDS中において、42℃で、30分行った。
【0085】
室温で、30分間、5×SSC/0.1%SDS中で一度洗い、その後、42℃で、30分間、2×SSC/0.1%SDS中で洗い、最後に55℃で、30分間、2×SSC/0.1%SDS中で洗った。オートラジオグラフィーフィルムには、増強スクリーンを一つ使用して72時間露出した。
【0086】
インサイチュウハイブリダイゼーションのためには、上記患者のサンプルから肝癌組織切片を得た。ARCAPのリボプローブは、部分ARCAPクローン、およびビオチンラベルキット(NEN)を使用して調整した。ハイブリダイゼーションと洗浄は、確立されたプロトコールに従って行った。ARCAPタンパク質の発現のために、ここで記載したGST−ARCAP融合発現ベクターを使用して抗体を生じさせた。そしてこの抗体は、ARCAPタンパク質の存在を同定するために、さまざまな組織切片で使用した。
【0087】
ARCAPによるアンドロゲン受容体遺伝子のトランスアクチベーション
デキストランでコートされた活性炭処理することによりステロイドを取り除いた10%ウシ胎児血清を補ったダルベッコ修正イーグル培地(Life Technologies,Inc.)中で、形質導入前に少なくとも48時間、COS−1細胞を培養した。細胞を60―80%コンフルエントまで増殖させ、洗い、取り除き、新しい培地の入った35mmウェルマイクロタイター組織培養プレート(Corning)に5×104細胞/ウェルの濃度でまいた。20時間後、細胞を無血清培地で一度洗い、製造者の指示に従って、Fugene6(Roche)を使用して形質導入した。その10時間後、細胞を適切な培地で洗い、ステロイドまたは単体を含む2mlの培地で培養した。48時間後、細胞を回収し、製造者の指示(Promega)に従ってルシフェラーゼ活性を測定した。
【0088】
ルシフェラーゼ活性は、比例した活性を与えるような、対応するβガラクトシダーゼ活性に修正した。βガラクトシダーゼアッセイは、96穴のプレート中で以下のように行った。:10μlのサンプル抽出物を、80μlのバッファーZと10μlのo−nirophenyl−β―D−ガラクトシダーゼ(4mg/ml)と、30℃で2時間培養した。50μlの1M Na2CO3を添加して反応を止めた。A420値をMR500プレートリーダーを使用して測定し、ここに記載のように活性を見積もった。三回トランスフェクションを行い、少なくとも三回繰り返した。
【0089】
肝癌A2細胞を、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地中(Life Technologies,Inc.)で前培養した。形質導入前に少なくとも24時間、35mmウェルに1×105細胞/ウェルの濃度でまいた。ARとARCAP−1の相互作用を調べる研究のために、細胞をデキストランでコートされた活性炭と10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地中で培養した。細胞には、Fugene6を使用して8時間形質導入し、洗浄し、担体またはステロイドを含む培地中で培養した。形質導入から48時間後に細胞を回収し、上記のように解析した。
【0090】
ヒトαフェトタンパク質プロモーターのATGから始まるコード部位由来の4385bpの一部であるヒトアンドロゲン応答エレメントを含む450塩基の断片(TGGGTACATTTTGTTC;配列番号9)は、トランスアクチベーション応答の能力を持つことがわかった。遺伝子がクローン化されたとき、この断片を、ヒトゲノムDNAの(Clonetech)PCRによって増幅した。TGGTAGGTTTTGTCTC配列(配列番号10)を含むアンドロゲン応答エレメントは、部位直接的突然変異によって作成した。変異したヌクレオチドを下線で示した。この産物は、pGEM−easyベクター(Promega)にクローン化し、エレメントの配列はシーケンスで確かめた。挿入されたDNAは、ルシフェラーゼレポータープラスミドpGl3basic(Promega)内の適切な部位にクローン化した。
【0091】
ARおよびARCAPを、PEGFP−N1内のEcoRI部位を使用して、増強されたGFPのアミノ末端とインフレームで融合した。このプラスミドは、大腸菌(DH5)を形質転換するために使用した。ミニプラスミド調整および制限酵素解析を使用して、ポジティブクローンを同定した。選んだ構築物を、シーケンスによって確認した。COS7およびA2細胞は、10%牛胎児血清、ペニシリン・ストレプトマイシン(100μg/ml)、およびL−グルタミン(2mM)を含むDMEM内で培養した。サブコンフルエントな単層には、10μgのARまたはARCAPのcDNAを、リン酸カルシウムによって形質導入した。30時間後、DHT(10nM)を補った新しい培地を取り替えた。蛍光顕微鏡(Nicon)を使用して細胞を観察した。
【0092】
免疫沈降
アンドロゲン受容体、ARA70、およびARCAP−HAまたはARCAP−Xpress抗原の融合タンパク質は、EcoRIを使用してpCDNAIII(Invitorogen)で作製した。COS7細胞に形質導入後、35S−メチオニンを取り込ませるために、タンパク質には、インビトロカップル転写翻訳キット,T7−TNT(Promega)を使用してラベルした。形質導入から48時間後、培養液に10nM DHTを補った。細胞を溶解し、溶解液を1mlの免疫沈降バッファー(50mM、Tris pH7.5、150mM なCl、0.2mM Na3VO4、0.5% Noident P−40、1mM フェニルメチルスルホニル化フッ素、1mM ジチオスレイトール、25μg/ml ロイペプチン、25μg/ml アプロチニン、25μg/mlペプスタイン)と培養した。そして培養液を混合し、AR、HAまたはXpress抗体と60分間培養し、その後、10μlのプロテインA―セファロースビーズを添加した。免疫沈降は、絶えず混合しながら4℃で16時間培養した。4℃で10分間、2000回転で遠心する事により、免疫沈降複合体を回収した。ペレットになったビーズを三回洗い、SDSサンプルバッファーと混合した。サンプルは、200Vで45分間、8%ポリアクリルアミドゲル中で分離した。ゲルを10%プロパノール、および10%酢酸中で30分間固定し、Amplify(Amersham Pharmacia Biotech)に30分間浸し、真空中で乾燥し、70℃でX線フィルムに4〜24時間露出した。
【0093】
酵母ツーハイブリット解析
ARCAPの独立したクローニングのために、アンドロゲン受容体は、マッチメーカー酵母ツーハイブリットライブラリー(Clontech)をスクリーニングのベイトとして使用した。簡単には、アンドロゲン受容体の全長インサートをpS2−1(clontech)にクローン化し、生じた構築物は、pACT2(Clontech)中に構築した酵母ツーハイブリット精巣ライブラリーをスクリーニングするために使用し、Y187宿主酵母を使用して、製造者のプロとコールに従って使用した。20万個の形質転換細胞を、1μM ジヒドロテストステロン(DHT)トリプトファン、ロイシン、およびアデニン欠損培地のプレートにまいた。アデニンポジティブ、LacZポジティブ、ヒスチジンポジティブ、クローンを単離し、そこからプラスミドDNAを得た。プラスミドを大腸菌に形質転換した。
【0094】
cDNAを含むpACT2プラスミドは、pACT2に存在するLEU2遺伝子に特異的なプライマーを使用したコロニーPCRによって同定した。ヒトアンドロゲン受容体(hAR)との相互作用の特異性は、GAS4DBD:hAR融合タンパク質の存在下のcDNAクローンの液体Lacz活性とGAL4DBDだけが存在するときに得られる活性を調べることにより測定した。シーケンス後、GenBankデータベースを調査し、興味のあるクローンの一つは、ARCAPをコードしていると確定された。
【0095】
酵母ツーハイブリット系は、ARCAPとhARの相互作用を確認するためにも、積極的に使用した。pAS2構築物は、pACT2−ARCAPまたはpACT2単独で、Y187酵母宿主に製造者(Clonteck)のプロトコールに従って形質導入した。トリプトファンポジティブ、ロイシンポジティブのクローンを、三回選択培地に植え付け、1μM DHTの存在下または非存在下において、30℃一晩増殖させた。A600が0.2になるように、サンプルを希釈し、A600が0.6〜0.8になるまで再増殖させた。1mlの容器3つに、サンプルをそれぞれ分配した。14000rpmで5分間遠心して細胞を回収し、bufferZ(0.1M リン酸ナトリウム、pH7.0、10mM KCl、および10mM MgSO4)で一度洗い、21μlの2−メルカプトエタノールを含むbufferZ800μlに再縣濁した。そして、10μlの0.1%SDSを添加し、次に50μlのクロロホルムを添加した。サンプルを1分間ボルッテクスし、30℃で培養し、そして200μlのo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ(bufferZ中に4mg/ml)を添加した。明白に黄色が観察されるか、または500μlの1MNa2CO3を添加してから一時間後に反応の時間を測って終結した。サンプルのA420を測定し、活性を次のように見積もった。:(A420×1000)/(A600×時間)。すべての試験は、三回行い、少なくとも三回繰り返した。
【0096】
結果
ARCAPの全長cDNA、およびそれがコードするタンパク質は、上記されている。ARCAPのmRNAレベルは、正常ヒト組織、および肝癌細胞を含む様々な細胞株でノーザンブロッティングを使用して評価した。ARCAPは、正常ヒト心臓および骨格筋組織のみで検出された。ARCAP高レベルの発現は、3B、22T、Huh7、G2またはA2を含む肝細胞で検出された。
【0097】
肝腫瘍と腫瘍に隣接する正常組織の組は、40人の肝癌患者から単離した。ノーザンブロッティングを使用して、ARCAP mRNAは一般に腫瘍で高発現されているが、隣接する正常肝組織には非常に少し、または全く発現していないことを発見した。ARCAP特異的抗体を使用して、腫瘍組織内のARCAPタンパク質の存在、および隣接正常組織内にARCAPが通常は存在しないことを確認した。ヒト肝癌組織におけるARCAP mRNAのインサイチューハイブリダイゼーションでは、ARCAP mRNAは、腫瘍内に豊富であるが、正常細胞内にはまれであることを示された。ARCAP mRNAおよびタンパク質の発現プロフィールを考慮すると、これらのデータは、ARCAPの発現が肝癌のマーカーであることを示した。
【0098】
ARCAPタンパク質の細胞内局在を測定するために、ARCAPのコード領域と発現ベクターのGFPと融合し、ヒト肝癌細胞A2に形質導入した。融合タンパク質が核に局在しており、ARCAPは核タンパク質であることを示している。
【0099】
酵母ツーハイブリット系を、ARCAP癌ドロゲン受容体と結合するかどうかを判定するために使用した。アンドロゲン受容体の全長をGAL4 DNA結合領域に隣接してクローン化し、ヒトマッチメーカー肝臓ライブラリーからHis3ポジティブクローンをスクリーンのベイトとして使用した。インビボにおけるARとARCAPの相互作用が、この研究によって確かめられた。ARCAP癌ドロゲン受容体に結合することをさらに確認するために、ARCAPとアンドロゲン受容体を融合タンパク質として共発現させた。アンドロゲン受容体の免疫沈降は、ARCAPの単離を引き起こし、ARCAPの免疫沈降は、アンドロゲン受容体の単離を引き起こしたことから、ARCAPとアンドロゲン受容体の生理的相互作用が確認された。
【0100】
アンドロゲン受容体とARCAPタンパク質の生理的結合が生化学的に重要であるかどうかを判定するために、α−フェトタンパク質(AFP)遺伝子を遺伝子発現の発生コントロール研究のモデル系とする。AFPは、胎児肝臓に高レベルに発現されるが、出生後その転写は急速に弱まり、成人では検出が困難である。しかし、AFP遺伝子は、肝癌または奇形の発達時には、しばしば高レベルに再び活性化される(Shulman et al.(1995)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:8288−8292)。AFPプロモーターのエンハンサー領域は、アンドロゲン応答エレメント(ARE)を含む。変異AREを含む同系コントロールルシエラーゼレポーターは、AREがどんな生化学的効果を介して応答するかを測定する研究にも使用される。
【0101】
G2細胞には、野生型またはコントロールレポーター、および(1)mockDNA、(2)アンドロゲン受容体をコードするDNA、(3)ARCAPをコードするDNA、または(4)アンドロゲン受容体とコードするDNAとARCAPをコードするDNAを形質導入した。コントロールレポーターを使用した場合、ルシフェラーゼ活性の小さな変化が観測された。しかし、野生型レポーターを使用してアンドロゲン受容体を発現させた場合、ルシフェラーゼ活性は、少なくとも2倍(コントロールレポーターと比較して)に増加した。驚くべきことに、アンドロゲン受容体とARCAPを同時に発現させると、変異AREを含むコントロールレポーターと比較して、ルシフェラーゼ活性が3〜4倍となった。この結果は、ARCAPが、AFPプロモーター上のアンドロゲン受容体に対するトランスアクチベーション活性を増強することを示す。
【0102】
上記AFPレポーターの実験は、テストステロンの存在下において行われた。この効果が、テストステロン/アンドロゲン受容体の複合体の形成に依存しているのかを確かめるために、野生型レポーターを(1)mockDNA、(2)アンドロゲン受容体をコードするDNA、(3)ARCAPをコードするDNA、(4)アンドロゲン受容体をコードするDNAとARCAPをコードするDNAと、テストステロンの存在下または非存在下で形質導入した。この結果は、ARCAPによるアンドロゲン受容体からのトランスアクチベーション活性の増加は、テストステロンに依存的であることを明白に示した。
【0103】
その他の態様
本発明は、その詳細の記述を活用して記載されたが、その後の記載は、説明を意図するのであって、添付された請求項の範囲によって限定された本発明を限定しない。その他の側面として、有利な側面および修飾は、本発明の範囲に含まれる。
Claims (1)
- アンドロゲン受容体を介したトランスアクチベーションを減少させる化合物をスクリーニングする方法であって:
候補組成物の存在下において、配列番号2のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを、アンドロゲン受容体を含む複合タンパク質と接触させることと;
前記ポリペプチドと前記タンパク質複合体との結合の程度を測定することと;
前記結合の程度が、前記候補化合物の非存在下における前記ポリペプチドとタンパク質複合体との結合の程度よりも弱いかどうかを決定することを含み、
前記化合物の存在下での結合の程度が前記化合物の非存在下での結合の程度よりも弱いことによって、前記候補化合物はアンドロゲン受容体を介したトランスアクチベーションを減少することが示される方法。
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