JP4034472B2 - 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び固形製剤 - Google Patents

低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及び固形製剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濡れ性を改善することができ、従来同様の添加量、配合組成においても固形製剤の崩壊時間を有意に短縮することができる低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びこれを含む固形製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、医薬品添加剤として多くの公定書に収載され、崩壊剤として汎用されるものの一つである。これらの崩壊剤は、錠剤、顆粒剤、カプセル剤などの固形製剤の崩壊時間を短縮させる目的で添加される。
【0003】
錠剤の崩壊は、薬物のBioavailabilityを規定する重要な因子の一つである。消化管からの薬物の吸収は、錠剤の崩壊、薬物の消化管液への溶解に引き続いて起こるとされている。近年、薬物の有効利用及び同等性の評価の観点から、錠剤などの固形製剤の溶出試験が見直されており、溶出の速い製剤は、有効性あるいは同等性が担保されているとの考え方がとられている。従って、錠剤に関して言えばより速く崩壊するものが求められている。
【0004】
崩壊剤としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、カルボキシメチルスターチナトリウム、部分α化デンプンなどのデンプン誘導体、架橋ポリビニルピロピドンなどの合成高分子が広く使用されている。
これら崩壊剤の選択は、個々の崩壊剤の崩壊力(膨潤力)、成型性、吸湿性、着色安定性及び適用する薬物との配合適性により判断される。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、非イオン性で吸湿性が低く、着色安定性安定性に優れ、多くの薬剤に対して配合適性に優れるなどの利点を有しているが、薬剤の種類、処方によっては、他の添加剤と比較して、崩壊時間が目的とする時間まで短縮できないケースもあり、その改善が求められてきた。
【0005】
粉末粒子から構成されている錠剤の崩壊機構は、消化管液などの液体(水)が錠剤内部へ毛細管を通じて進入し、次いで水溶性物質が溶解したり、崩壊剤など水に濡れることで膨潤する粒子の効果により、構成粒子に分散することで達成される。従って、錠剤内部への水の進入が、錠剤の崩壊の第一段階となる。この錠剤内部への水の進入速度は、下記のWashburn式に示されるように、錠剤に関する要因(R)、試験液に関する要因(γ、η)、両者に関する要因(θ)が複雑に関連している(製剤設計法(1)、知人書館、P507、1971)。
2={(Rγcosθ)/(2η)}t
(式中、Lは時間tで濡れた毛細管の長さ、Rは毛細管半径、γは液の表面張力、ηは液の粘度、θは固-液界面の接触角を示す。)
【0006】
錠剤の崩壊時間は、薬剤の種類、配合量などにより左右されるが、目的とする錠剤サイズ、薬剤配合量などの制約下、目的とする崩壊時間を達成することが困難な製剤も少なくない。錠剤を速やかに崩壊させる一般的手法としては、崩壊剤の添加量を増加、あるいは、錠剤内部の空隙率を増加などが考えられる。しかしながら、崩壊剤の添加量を増やす方法は、錠剤が大きくなってしまうため改善効果に限りがある一方、空隙率を増やす方法は、粉末を圧縮し錠剤に成形する時の成形圧を低下させればよいが、錠剤硬度が低下してしまうなどの問題点がある。
【0007】
錠剤の崩壊時間は、錠剤組成、崩壊剤の配合量などが同一、即ち、錠剤内部の空隙(毛細管半径)が同一で、その環境(試験液)が同一であれば、前述のWashburn式より、濡れ性(固―液界面の接触角)に支配されることがわかる。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、Gissingerらの報告(Drug Dev. Ind. Pharm, 6(5), 511-536,1980)に見られるように、他の添加剤に比べて濡れ性が低い(接触角が高い)。例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースでは50°であるのに対して、錠剤などの成型性を高める目的で添加される微結晶セルロースでは約20°、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムでは0°、カルボキシメチルスターチナトリウムでは0°、部分α化デンプンでは0°、架橋ポリビニルピロピドンでは34°と濡れ性に劣っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、濡れ性を改善することができ、従来同様の添加量、配合組成においても固形製剤の崩壊時間を有意に短縮することができる低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びこれを含む固形製剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題点を解決するために鋭意検討した結果、界面活性剤又は湿潤剤で処理することを特徴とする低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びこれを含む固形製剤が、濡れ性を改善することができ、従来同様の添加量、配合組成においても固形製剤の崩壊時間を有意に短縮することができることを見出し本発明をなすに至ったものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、特開昭48―38858号公報、特開昭57―53100号公報に開示されるような公知の方法によって合成することができる。
一般に、ヒドロキシプロピルセルロースにおけるグルコースユニット(C6105)当たりヒドロキシプロポキシル基の平均置換モル数が2.0〜4.2のものをいい、平均置換モル数が0.11〜0.39のものは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースという。
一方、本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースにおけるヒドロキシプロポキシル基の平均置換モル数は、グルコースユニット当たり0.04〜0.4の範囲が好ましい。ヒドロキシプロポキシル基の平均置換モル数が、グルコースユニット当たり0.04未満だと、崩壊剤としての膨潤力が不足して崩壊時間が延長する。一方、0.4を超えると、ヒドロキシプロピルセルロースのような高置換度部分である水溶性の成分が増加して、水の固形製剤内部への浸透を妨げるため崩壊時間が延長することとなる。グルコースユニット当たりの平均置換モル数は、日本薬局方の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの定量法に従い、ヒドロキシプロポキシル基の置換%を求め、これを換算することにより求められる。
【0011】
本発明において、界面活性剤又は湿潤剤で処理することを特徴とする低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを得る方法としては、得られた粒子の表面が界面活性剤又は湿潤剤で覆われるか、若しくは得られた粒子の表面に界面活性剤又は湿潤剤を付着させる方法であれば、どのような手段であっても差し支えない。例えば、合成工程の洗浄後の脱水ケーキに界面活性剤又は湿潤剤を添加した後、乾燥、粉砕する方法や、界面活性剤又は湿潤剤を混和し、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが溶解しないエタノール、ジエチルエーテル、二酸化炭素などの溶剤に溶解し、次いで低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを浸漬し、その後、溶剤を除去する方法などがある。
【0012】
本発明に用いる界面活性剤又は湿潤剤は、医薬用に使用することができるものであればよく、例えば、非イオン性の界面活性剤、陰イオン界面活性剤などが好適である。具体的には、非イオン性の界面活性剤としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレン(160)、ポリオキシプロピレン(30)グリコールなどのポリオキシエチレン誘導体、ポリソルベート80、ソルビタンセスキオレエートなどのソルビタン誘導体などが挙げられる。また、陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソジウム、ジオクチルソジウムスルフォサクシネートなど硫酸エステル類が挙げられる。
湿潤剤は、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、ショ糖、ソルビトールなどの糖類及び糖アルコール類から選択される
【0013】
界面活性剤又は湿潤剤の添加量は、概ね低置換度ヒドロキシプロピルセルロースに対して、好ましくは0.1〜4重量%、より好ましくは0.3〜3重量%である。。0.1重量%未満だと、濡れ性改善の効果が不足する一方、4重量%を超えると、消化管への刺激を引き起こす。従って、界面活性剤又は湿潤剤の添加量はできるだけ少ない方が好ましい。
【0014】
なお、界面活性剤は、薬物が難溶性でその溶解性の改善の目的で、溶解補助剤として添加されることがある。また、L.S.C.Wanらの報告(Pharm. Acta Helv.,61,Nr.5-6,157-163, 1986)にあるように、固形製剤の崩壊性及び溶出性を改善する目的で、界面活性剤を0.2〜1.0重量%の割合で錠剤中に配合する(含有させる)などの方法が知られている。界面活性剤の配合は、製剤の安定性が低下したり、消化管への刺激性を考慮するとできるだけ少ない配合量が望ましい。通例、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの崩壊剤の錠剤組成への配合量は、2〜5重量%程度であり、溶解補助剤として界面活性剤を添加する場合には、その添加量は錠剤組成中1〜5重量%となるが、本発明の場合には、錠剤組成中、界面活性剤は概ね、0.05重量%以下となり、界面活性剤の配合量を大きく削減することが可能となり、製剤の安定性の向上が期待できる。これは、溶解補助剤として界面活性剤を添加する場合には、界面活性剤が薬物とともに錠剤全体に分布するのに対して、本発明のように界面活性剤などで処理することにより、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの表面に界面活性剤が被覆される結果、界面活性剤の添加量が少なくても十分な崩壊性及び溶出性を示すためである。
【0015】
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが適用される対象は、崩壊時間の短縮が求められているものであれば、いずれのものでも適用される。例えば、錠剤の製造においては、打錠末の造粒に添加するか、造粒後の打錠末に混合することができる。また、顆粒剤の製造においては、造粒組成に添加することが、カプセル剤の製造においては、カプセル充填末に混合配合することができる。
【0016】
固形製剤は、本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのほか、例えば、主薬、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、コーンスターチや乳糖などの賦形剤、他の崩壊剤や結合剤など含んでもよい。即ち、本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いて、従来と同様の配合組成を用いることができる。
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、造粒に用いる場合は、乾燥後の造粒粉に対して3〜15重量%添加することが好ましく、造粒後の打錠末又はカプセル充填末に混合する場合には、当該打錠末等に対して3〜10重量%添加することが好ましく、賦形剤として用いる場合は、当該打錠末等に対して30重量%以上添加することが好ましい。即ち、従来と同様の配合量の範囲で用いることができる。
以上のように製造された固形製剤は、製剤学上許容される手法、例えば、フィルムコーティング、あるいは腸溶コーティングなどを施すことができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に限定されるものではない。
実施例1
(湿潤時間の測定)
試料500mgを蒸留水50mlを入れた100mlのビーカーに投入し、試料が水面で湿潤するまでの時間を測定した。
(表面処理)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-11、信越化学工業社製)100gに、ジオクチルソジウムスルフォサクシネート(OTP-100、日光ケミカルズ社製)0.5gをジメチルエーテル250gに溶解した溶液を加え、よく混合する。その後、一夜放置後、60℃送風オーブン中で4時間乾燥し、粉末を得た。得られた粉末は、処理の前後で粉体物性の変化は見られなかった。
【0018】
(打錠末の調製)
アセトアミノフェン(微粉、山本化学工業社製)400g、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC-5E、信越化学工業社製)20gを精製水265gに溶解して水溶液とし、小型流動層造粒装置(Multiplex MP-01、パウレックス社製)を用いて常法に従ってスプレーすることで造粒末を調製した。
(錠剤の調製)
上記アセトアミノフェン造粒末 285gと表面処理を施した低置換度ヒドロキシプロピルセルロース15gをよく混合し、その後、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(SM-1000、堺化学工業社製)6gを混合し打錠末とした。打錠は、ロータリー式打錠機(RT-S15K-T35、菊水製作所製)で、直径9mm、12mmRの杵を用い、打錠圧157MPaで、1錠306mgとなるよう打錠した。
(物性の評価)
得られた錠剤は、日本薬局方の崩壊試験法に準じ、試験液として精製水を用い、ディスクを使用しない条件で崩壊時間を測定した。湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0019】
実施例2
(表面処理)
実施例1と同一の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-11、信越化学工業社製)100gに、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(Pluronic F-68、旭電化工業社製)1.0gを無水エタノール250gに溶解した溶液を加え、よく混合する。その後、一夜放置後、60℃送風オーブン中で4時間乾燥し、粉末を得た。得られた粉末は、処理の前後で粉体物性の変化は見られなかった。
(錠剤の調製)
実施例1で調製したアセトアミノフェン造粒末を用い、実施例1と同一の組成、同一の打錠条件で打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0020】
実施例3
(表面処理)
実施例1と同一の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-11、信越化学工業社製)100gに、ポリソルベート80(ポリソルベート80、日光ケミカルズ社製) 1.0gを無水エタノール250gに溶解した溶液を加え、よく混合する。その後、一夜放置後、60℃送風オーブン中で4時間乾燥し、粉末を得た。得られた粉末は、処理の前後で粉体物性の変化は見られなかった。
(錠剤の調製)
実施例1で調製したアセトアミノフェン造粒末を用い、実施例1と同一の組成、同一の打錠条件で打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0021】
実施例4
(表面処理)
実施例1と同一の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-11、信越化学工業社製)100gに、ポリエチレングリコール(マクロゴール6000、日本油脂社製) 2.0gを無水エタノール250gに溶解した溶液を加え、よく混合する。その後、一夜放置後、60℃送風オーブン中で4時間乾燥し、粉末を得た。得られた粉末は、処理の前後で粉体物性の変化は見られなかった。
(錠剤の調製)
実施例1で調製したアセトアミノフェン造粒末を用い、実施例1と同一の組成、同一の打錠条件で打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0022】
実施例5
(表面処理)
実施例1と同一の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-11、信越化学工業社製)100gに、プロピレングリコール(PG(P)、旭電化工業社製) 2.5gをジメチルエーテル250gに溶解した溶液を加え、よく混合する。その後、一夜放置後、60℃送風オーブン中で4時間乾燥し、粉末を得た。得られた粉末は、処理の前後で粉体物性の変化は見られなかった。
(錠剤の調製)
実施例1で調製したアセトアミノフェン造粒末を用い、実施例1と同一の組成、同一の打錠条件で打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0023】
実施例6
(錠剤の調製)
実施例1で調製した表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロース90gとカッコン湯エキス末(カッコン湯乾燥エキス末F、アルプス薬品工業社製) 210gをよく混合し、その後、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(SM-1000、堺化学工業社製)3gを混合し打錠末とした。打錠は、ロータリー式打錠機(RT-S15K-T35、菊水製作所製)で、直径9mm、12mmの杵を用い、打錠圧 142MPaで、1錠303mgとなるよう打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0024】
実施例7
(錠剤の調製)
実施例3で調製した表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用い、実施例6と同様に打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0025】
実施例8
(表面処理)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの合成工程で、乾燥前の洗浄ケーキに、プロピレングリコールを添加し、通常の条件で、乾燥、粉砕した。得られた粉末は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースに対して3.5重量%のプロピレングリコールを含有していた。また、このものの粉体物性は、実施例1で用いた低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと同等であった。
(錠剤の調製)
実施例1で調製したアセトアミノフェン造粒末を用い、実施例1と同一の組成、同一の打錠条件で打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0026】
実施例9
(錠剤の調製)
実施例8で調製した表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用い、実施例6のカッコン湯エキス末を用い、実施例6と同一の組成、同一の打錠条件で打錠した。得られた表面処理が施された低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの湿潤時間と錠剤の崩壊時間を表1に示す。
【0027】
比較例1〜2
表面処理を施していない低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH-11、信越化学工業社製)を用いて、実施例1と同様に錠剤を調製し(比較例1)、または実施例6と同様に錠剤を調製し(比較例2)、湿潤時間と錠剤の崩壊時間を測定した結果を表1に示す。
【0028】
実施例で示されるように、本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、既存の製品(比較例1)に比べ有意に濡れ性が改善され、錠剤としたときの崩壊時間も有意に短縮された。
【0029】
【発明の効果】
本発明の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びこれを含む固形製剤は、濡れ性を改善することができ、従来同様の添加量、配合組成においても固形製剤の崩壊時間を有意に短縮することができる。
【0030】
【表1】
Figure 0004034472

Claims (2)

  1. 界面活性剤又は湿潤剤によって表面処理することを特徴とする低置換度ヒドロキシプロピルセルロースであって、上記湿潤剤が、多価アルコール、糖類又は糖アルコール類である低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
  2. 請求項1に記載の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことを特徴とする固形製剤。
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