JP4034183B2 - 把持補助具及び折り畳み手段を備えた開閉可能な組立物 - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、包装体又は他の構造体上に取付けることができる開閉可能な組立物に関する。この開閉可能な組立物は、好ましくは、装置の開放及び／又は閉鎖を容易にする少なくとも１つの把持補助具を包含する。幾つかの実施形態においては、折り畳んだ形状又は他の望ましい形状の包装体を固定するために、この把持補助具を使用することもできる。
【０００２】
（発明の背景）
多様なタイプの開閉可能な包装体が、包装分野において周知である。多くの場合、開ける時に包装体自体を引き裂いたり、又は破壊しなくてもよいように、包装体が開放機構を包含することが望ましい。更に、ユーザが包装体を何度も開閉できるように、再閉鎖可能な開放機構を有するのが望ましいこともある。かかる再閉鎖可能な開放機構としては、ジッパー、フックとループのクロージャ、及びジップロック（ZIP-LOCK）（商標）タイプのスライド式クロージャが挙げられる。典型的なスライド式ジッパーが、米国特許第５，００７，１４３号、第５，００８，９７１号、第５，１３１，１２１号及び第５，６６４，２９９号に開示されている。開けることはできるが、一般には再び閉めることができないパーフォレーションもまた当該技術分野において周知であり、その一例が、米国特許第４，８７７，１３９号に記載されている。
【０００３】
ジッパーをスライドさせる行為、又は、パーフォレーション又はフックとループのクロージャを開ける行為は、比較的単純な手による動作であり、これらの装置を用いて大きな開放域を迅速及び容易に閉鎖することができる。しかしながら、手の力や器用さが十分に発達していない障害者、高齢者及び若齢の子供などの人々は、開放及び／又は閉鎖すべき物体を扱う／把持する際に、付加的な補助具から利点を得ることができる。
【０００４】
従って、把持し易いクロージャシステムを提供することが望ましい。また、開放時及び／又は閉鎖時にユーザが装置を操作するのを助ける把持補助具を有するクロージャ組立物を提供することも望ましい。更に、小さな子供、高齢者又は肉体的に障害などのあるユーザが、使用中にクロージャ組立物を把持し、及び操作するのを助ける把持補助具を有するクロージャ組立物を包装体に設けることが望ましい。
【０００５】
（発明の概要）
開閉可能なクロージャ組立物は、２つの端部、第一の長手方向側部及び第二の長手方向側部を有する基部と、第一部分及び第二部分を含み、該長手方向側部に隣接すると共にそこから離間して該基部上に取付けられるクロージャ機構と、該開放機構の少なくとも１つの端部に接合された少なくとも１つの把持補助具とを備える。
【０００６】
一実施形態において、本発明は、クロージャ機構がジッパーであり、把持補助具がクロージャ組立物の各端に配置される開閉可能な組立物を提供する。かかる実施形態は、シート状物品を収容するのに特に有用である両面ポーチや四面包装体などの形状をなす再利用可能な包装体を提供し得る。
【０００７】
他の実施形態において、本発明は、パーフォレーションなどのクロージャ組立物を含む使い捨て包装体を提供することができ、及び／又は任意数の異なる物品を収容することができる。
【０００８】
（詳細な説明）
本発明は、組立物の開放及び／又は閉鎖を容易にする把持補助具を備えた開閉可能なクロージャ組立物に関する。本発明のクロージャ組立物は、単独で、又は他の構造を有する任意のタイプの包装体と組み合わせて使用可能である。図１に示すような一実施形態において、クロージャ組立物５は、包装体１０と結合可能である。包装体１０は、いかなるタイプ、大きさ及び形状のものでもよく、ポリエステル、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルム、並びに／又は、コーティングした布帛及びコーティングしていない布帛などの任意の好適な物質から製造されてもよい。包装体１０は、耐久性（即ち、再利用可能）であっても、使い捨てであっても（即ち、使用後に廃棄することを意図する）よい。更に、包装体１０は、いかなるタイプの収容物も包含してもよいし、空でもよい。好ましい実施形態において、包装体１０は、拭きシート又は使い捨ての洗い布などの複数のシート状物質を貯蔵するのに好適であり得る。複数のシート状物質７０を包含するかかる包装体の一例を、図５に示す。
【０００９】
本発明の開閉可能なクロージャ組立物５は、好ましくは、第一部分５２及び第二部分５４を有するクロージャ機構を包含する。第一部分５２及び第二部分５４は、相互に作用しあって、図１及び図２に示すように、クロージャ組立物を閉鎖状態にする。第一部分５２と第二部分５４の相互作用は、特定の包装体に対して所望の閉鎖特性を付与する機械的相互作用、化学的相互作用、磁気的相互作用、静電気的相互作用、接着的相互作用、摩擦的相互作用、又は他のタイプの相互作用であり得る。一実施形態において、クロージャ組立物５の第一部分及び第二部分は、ジッパーの歯であってもよい。別の例示的実施形態において、第一部分はループであってもよく、第二部分はこのループと係合可能なフックであり得る。更に別の実施形態において、第一部分及び第二部分は、接着性の締結具、ジップロック（ZIP-LOCK）（商標）タイプのクロージャ要素、又は本明細書中で述べるもの及びその他当該技術分野で既知のものなどの既知のクロージャ要素の組み合わせであり得る。更に別の実施形態において、第一部分５２及び第二部分５４は同一の物質から成ってもよく、パーフォレーション又は脆弱線だけは別の物質から成ってもよい。クロージャ組立物５の第一部分及び第二部分が相互に作用しない場合、クロージャ組立物は、図５及び図６に示すように、開いた状態にあると考えられる。
【００１０】
クロージャ組立物５の第一部分５２及び／又は第二部分５４は、開閉可能なクロージャ組立物５が設けられている包装体又は構造体に直接接合されてもよいし、基部構造に接合してから、次に包装体又は構造体に接合してもよい。
【００１１】
基部５０は、クロージャ組立物の第一部分及び第二部分と、クロージャ組立物５が装着される包装体又は構造体との間の推移領域となる。第一部分及び／又は第二部分が、クロージャ組立物５が接合される包装体又は構造体の残部と一般に不適合である状態において、この推移領域は、物品とクロージャ組立物とをより容易に接合させることができる。例えば、ジッパーの歯は、しばしば、細長片の物質、即ち基部に接合され、これが、クロージャ装置を実施する物品に接合される。基部５０は、いかなる好適な物質から製造されてもよく、いかなる好適な大きさのものでもよい。基部５０はまた、強度、色、通気性などの他の構造的利点、又は美的利点を物品に付与することもできる。いかなる場合でも、基部５０は、クロージャ組立物５の第一部分５２、第二部分５４又はその他の部分を取付けることができる都合のよい構造を備えている。
【００１２】
本発明のクロージャ組立物５はまた、好ましくは、少なくとも１つの把持補助具６０を包含する。把持補助具６０は、物品のユーザに、クロージャ組立物５の開放及び／又は閉鎖を補助し得る、都合がよくて把持し易い構造体を付与する。把持補助具６０は、クロージャ組立物５の機能によってユーザを助けるような構造であれば、どのようなものでもよい。例えば、図１に示すように、把持補助具６０は、クロージャ組立物５の一端に接合されたほぼ球形の部材であり得る。他の実施形態において、把持補助具は、他の形状又は大きさのものであり得る。いずれの実施形態においても、把持補助具６０は、ユーザがクロージャ装置を把持するのを補助する接着力、摩擦力、吸引力、又は他の力を包含し得る。かかる１つの実施形態において、把持補助具６０は、皮膚にやさしく、ユーザがクロージャ組立物５の一部を把持するのを補助する感圧接着剤でコーティングされたタブを包含してもよい。
【００１３】
把持補助具６０は、それがない場合よりも、クロージャ組立物をより把持し易く、保持し易くするのに十分な大きさ、形状又は他の特性（例えば、接着性）を有するべきである。１つの好ましい実施形態において、把持補助具６０は、球形、半球形又は立方体形という一般的な形状であってもよい。把持補助具６０の大きさは重要ではないが、少なくとも約１／２インチ（約１．２５ｃｍ）の直径又は幅を有する形状が、一般に好ましいことが分かった。幾つかの実施形態においては、約１／２インチ（１．２５ｃｍ）〜約１０インチ（約２５．４ｃｍ）のはるかに大きい直径及び幅が十分である、並びに／又は望ましいことが分かった。更に、幾つかの実施形態においては、約１／４インチ（約０．６３５ｃｍ）〜約１／２インチ（約１．２５ｃｍ）より小さい直径及び幅が十分であることも分かった。
【００１４】
図１〜図８に示すように、本発明の好ましい一実施形態は、クロージャ組立物５の少なくとも一端に隣接して配置された少なくとも１つの把持補助具６０を含むクロージャ組立物５を包含する。しかしながら、図４及び図７に示すように、クロージャ組立物は、それぞれがクロージャ組立物５の各端に隣接する少なくとも２つの把持補助具６０を備えることが望ましいこともある。クロージャ組立物５の１つ以上の端に隣接して配置された把持補助具６０により、ユーザは、組立物を開ける又は閉める際にクロージャ組立物５のその部分を都合よく握持することができる。これは、ユーザがクロージャ機構の一端を握持し、もう１つの部品をその端に向かって、又はその端から離れるようにスライドさせなければならないジッパー及びジップロック（ZIP-ROCK）（商標）タイプの締結具などのスライドタイプのクロージャ組立物の場合に特に有用である。把持補助具６０は、ユーザがクロージャ組立物５の一端を固定するのを助けるので、開閉動作がスムーズになる。この機能は、典型的なスライド式クロージャシステムを操作するのに必要な器用さ又は肉体的能力を持たない子供、高齢者又は肉体的に障害のあるユーザが開け閉めすることを想定した包装体及び他の装置に特に有用である。
【００１５】
一実施形態において、本発明は、子供、高齢者又は肉体的に障害のあるユーザに特に有用であり、クリーニングワイプ又はシート状物品を収容する包装体１０の形状を取ってもよい。図５に示すように、包装体１０の内部にシート７０を互いに上に積み重ねてもよいが、他の構成も使用できる。包装体１０は、接合されると共に開口部５３を形成する第一パネル３０及び第二パネル３１を包含してもよい。クロージャ組立物５の基部５０は、開口部５３周辺で包装体に接合される。クロージャ機構の第一部分５２及び第二部分５４は、基部５０に接合される。この実施形態において、クロージャ組立物５は、それぞれがクロージャ組立物５の各端上にある２つの把持補助具６０を包含する。これらの把持補助具６０は、伸張したほぼ球形の要素の形状であることが分かる。図７に示すように、クロージャ組立物５は、包装体１０の開口部を超えて延在する。把持補助具６０は、クロージャ組立物５の各端において、開口部５３の外側に配置されていることが分かる。この構成によれば、ユーザは、ジッパー又は他のスライド式機構が開口部の障害になることなく完全に包装体１０を開け閉めできるので、この構成は、ジッパー及びジップロック（ZIP-LOCK）（商標）タイプのクロージャに特に有用である。
【００１６】
本発明の幾つかの実施形態において、把持補助具６０はまた、クロージャ組立物５の開閉を容易にすること以外にも、更なる利点をユーザに付与することができる。例えば、特定形状の包装体の一部分を保持するのに把持補助具を使用できる。一実施形態においては、図１及び図４に示すように、折り畳んだ形状の包装体１０の一部分を保持するのに把持補助具６０を使用できる。これは、余計な包装を必要とせずに、より出荷し易く、取り扱い易くすることができるので、不規則な形状の包装体に特に有用である。しかしながら、他の構成においては、包装体１０を開けたまま保持したり、複数の包装体又は他の構造体などを互いに装着させるのに把持補助具を使用することができる。
【００１７】
把持補助具６０に関して上述した更なる利点は、把持補助具６０と相互作用する既知の構造体によって得ることができる。一実施形態において、包装体１０は、以下に固定ループ６６と称するループを包含してもよく、このループは、把持補助具６０が挿入され得る包装体１０上に接合される。幾つかの実施形態においては弾性ループが好ましいが、ループ以外の他の素材又は他のタイプの構造体も想定される。
【００１８】
本発明の特定の実施形態、並びに／又は個別の機構を例示し記述しているが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変化と変形が可能であることは、当業者にとって明白である。更に、このような実施形態及び機構の全ての組み合わせが可能であり、これにより本発明を好ましく実施できることも明らかである。従って、付随する請求項は、本発明の範囲内にある全てのこのような変化及び変形を包括するように意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 閉じた位置における開閉可能なクロージャ組立物の一実施形態を包含する包装体の正面斜視図である。
【図２】 図１の包装体の側面図である。
【図３】 図１の包装体の上面図である。
【図４】 図１の包装体の立面図である。
【図５】 開いた形状をなす図１の包装体の前側斜視図である。
【図６】 図５の包装体の側面図である。
【図７】 空であり、平坦に折り畳まれた図１の包装体の斜視図である。
【図８】 図７の包装体の右側面図である。

Claims (12)

1. 手の力や器用さが十分に発達していないユーザによるシート状物質の使用を容易にするための用具において、
   ａ）複数のシート状物質、及び
   ｂ）開口部を有し、前記複数のシート状物質を収容する包装体であって、
   i) 第一及び第二の長手方向端部を有する第一パネル、及び、第一及び第二の長手方向端部を有する第二パネル、
   ii) 第一端部及び第二端部を有し、開放及び閉鎖状態を持つ開閉可能なクロージャ組立物であって、第一部分及び第二部分を含むクロージャ機構を有し、前記クロージャ機構の前記第一部分は前記第一パネルの前記第一の長手方向端部に接合され、前記クロージャ機構の前記第二部分は前記第二パネルの前記第一の長手方向端部に接合されている、クロージャ組立物、及び
   iii) 把持動作を容易にする球形状又は立方体形状から成る立体的な把持補助具であって、前記クロージャ組立物の前記第一端部及び前記第二端部の少なくとも一方に接合された把持補助具、
   を有する包装体、を備え、
   前記包装体は更に、前記把持補助具との相互作用によって前記包装体を固定形状に維持することを補助する固定用ループをその基部に有し、
   前記クロージャ機構が前記開放状態にあるとき、前記ユーザは前記開口部を介して前記シート状物質にアクセス可能であり、前記クロージャ機構が前記閉鎖状態にあるとき、前記ユーザは前記シート状物質にアクセス不可能である、
   ことを特徴とする用具。
2. 前記シート状物質は拭きシートを含む請求項１記載の用具。
3. 前記シート状物質は使い捨て洗い布を含む請求項１記載の用具。
4. 前記包装体は更に、第一及び第二端部を持つ底部パネルを有し、前記第一パネルの前記第二端部が前記底部パネルの前記第一端部に接合され、前記第二パネルの前記第二端部が前記底部パネルの前記第二端部に接合されている請求項１記載の用具。
5. 前記クロージャ機構が、ジッパー、フックとループのクロージャ、接着性締結具、及びパーフォレーションから成る群から選択される請求項１記載の用具。
6. 前記把持補助具は感圧接着剤でコーティングされている請求項１記載の用具。
7. 前記包装体は使い捨てである請求項１記載の用具。
8. 前記包装体は再利用可能である請求項１記載の用具。
9. 前記第一部分及び前記第二部分の各々の長さが等しく、前記第一パネルの前記第一端部及び前記第二パネルの前記第一端部の各々の長さが等しく、前記第一部分及び前記第二部分の前記長さが、前記第一パネルの前記第一端部及び前記第二パネルの前記第一端部の前記長さよりも長く、このため、前記第一部分及び前記第二部分が前記第一パネル及び前記第二パネルを越えて延びており、これにより、前記クロージャ組立物の前記第一端部及び前記第二端部の少なくとも一方が前記開口部の外側に配置されている請求項１記載の用具。
10. 前記相互作用が前記包装体を折り畳み形状に維持する請求項１記載の用具。
11. 前記包装体の前記折り畳み形状が実質的に平行六面体である請求項１０記載の用具。
12. 手の力や器用さが十分に発達していないユーザによるシート状物質の使用を容易にするための用具において、
    ａ）複数の使い捨て洗い布、及び
    ｂ）開口部を有し、前記複数の使い捨て洗い布を収容する包装体であって、
    i) 第一及び第二の長手方向端部を有する第一パネル、及び、第一及び第二の長手方向端部を有する第二パネル、
    ii) 第一端部及び第二端部を有し、開放及び閉鎖状態を持つ開閉可能なクロージャ組立物であって、第一部分及び第二部分を含むクロージャ機構を有し、前記クロージャ機構の前記第一部分は前記第一パネルの前記第一の長手方向端部に接合され、前記クロージャ機構の前記第二部分は前記第二パネルの前記第一の長手方向端部に接合されている、クロージャ組立物、
    iii) 第一及び第二端部を持つ底部パネルであって、前記第一パネルの前記第二端部が前記底部パネルの前記第一端部に接合され、前記第二パネルの前記第二端部が前記底部パネルの前記第二端部に接合されている、底部パネル、及び
    iv) 把持動作を容易にする球形状又は立方体形状から成る立体的な把持補助具であって、前記クロージャ組立物の前記第一端部及び前記第二端部の少なくとも一方に接合された把持補助具、
    を有する包装体、を備え、
    前記包装体は更に、前記把持補助具との相互作用によって前記包装体を固定形状に維持することを補助する固定用ループをその基部に有し、
    前記クロージャ機構が前記開放状態にあるとき、前記ユーザは前記開口部を介して前記使い捨て洗い布にアクセス可能であり、前記クロージャ機構が前記閉鎖状態にあるとき、前記ユーザは前記使い捨て洗い布にアクセス不可能である、
    ことを特徴とする用具。

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