JP4033407B1 - 容器詰コーヒー飲料の製造方法 - Google Patents
容器詰コーヒー飲料の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4033407B1 JP4033407B1 JP2006267812A JP2006267812A JP4033407B1 JP 4033407 B1 JP4033407 B1 JP 4033407B1 JP 2006267812 A JP2006267812 A JP 2006267812A JP 2006267812 A JP2006267812 A JP 2006267812A JP 4033407 B1 JP4033407 B1 JP 4033407B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coffee
- methylbutanal
- container
- filling
- coffee beverage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Tea And Coffee (AREA)
Abstract
【解決手段】コーヒー飲料の液温を10〜70℃の範囲内で容器に充填することにより、香気成分である2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールの経時的な減少を防ぎ、もって呈味や香味の劣化が抑制された容器詰コーヒー飲料の製造方法を提供する。使用する容器は、PETボトル、アルミニウムやスチール等の缶、紙、レトルトポウチ、ガラス等の瓶などが挙げられる。
【選択図】なし
Description
(1)ブレンドされたコーヒー豆から抽出されたコーヒー飲料を液温10〜50℃の範囲内で容器に充填することにより、2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の香気成分の経時劣化を抑制する方法に関する。
(調合)
ブラジル産コーヒー豆(L=18.0)100%からなる抽出用コーヒー豆(以下、単品)と、ブラジル産コーヒー豆(L=18.0)80%とブラジル産コーヒー豆(L=31.5)20%とをブレンドした抽出用コーヒー豆(以下、ブレンド品)とをそれぞれ用意した。前記抽出用コーヒー豆400gをそれぞれ90℃にてコーヒー豆重量の9倍にあたる3600mlの脱気水を加水しつつドリップ抽出して、コーヒー豆重量の7倍にあたる2800mlのコーヒー抽出液を得た。その後、それぞれのコーヒー抽出液を30℃になるまで冷却し、コーヒー抽出液中のコーヒー固形分量が1.5%になるようにさらに脱気水を加水し、重炭酸ナトリウムを0.05重量%添加し調合して、それぞれのコーヒー調合液を得た。
前記で得られたそれぞれのコーヒー調合液を10℃、30℃、50℃、70℃及び90℃に冷却若しくは加温して、各温度に達温後、5分間保持してから缶容器(190ml容量)に充填し、巻締めしてそれぞれの容器詰コーヒー飲料を得た。
上記で得られたそれぞれの容器詰コーヒー飲料をさらに15分間保持した後、121℃で10分間レトルト殺菌した。また、レトルト殺菌後常温まで冷却して、それぞれの製品のpH、Brix、溶存酸素量を測定した(表1)。また、それぞれの製品の香気成分を以下記載の分析方法に従って分析した(表2、表3)。なお「通常品」とは経時試験を開始する前のそれぞれの容器詰コーヒー飲料である。
実施例1で得たそれぞれの容器詰コーヒー飲料(単品、ブレンド品)を用いて、保管期間を7日間とする経時劣化試験を行った。また、それぞれの香気成分を以下記載の分析方法に従って分析した(表4、表5、表6、表7)。経時試験時の保管温度は、5℃と60℃に設定した。「経時劣化60℃」のサンプルは、熱劣化を与えるために設定したものであり、「経時劣化5℃」のサンプルは、熱劣化を与えないように設定したものである。
香気成分の残存量は、SPME法により算出した。SPME法は、20mlのヘッドスペース用バイアル瓶にサンプル10mlをとり、内部標準物質として0.1%シクロヘキサノール5μlを添加して35℃、10分間へッドスペース中の香気成分をSPMEファイバーに吸着させ、香気成分量を測定した。詳細条件は次の通りである。
SPMEファイバー:スペルコ社 DVB/Carboxen/PDMS
分析装置:Agilent社製 5973N GC/MSシステム
カラム:Agilent社製 DB-WAX 60m×0.25 mmID×0.25μm、35〜240℃、5℃/min
抽入口:スプリットレス
−50℃〜240℃、12℃/s
ガス流量:ヘリウム 0.9 ml/min
MS:スキャンモード(29〜250amu)
「経時劣化5℃」のサンプル(単品)における香気成分である2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールの減少度合は、充填時の液温90℃のピークエリア面積を基準(1.00)として比較した場合、充填の液温10℃、30℃、50℃、70℃のピークエリア面積の相対値は0.97〜1.27の範囲内であった。一方、2,5−ジメチルピラジン(2,5-dimethylpyrazine)や2,6−ジメチルピラジン(2,6-dimethylpyrazine)について同様に測定すると、充填の液温10℃、30℃、50℃、70℃のピークエリア面積の相対値は0.87〜0.89の範囲内であり、2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールについて得られた相対値と比較して低かった。これは、香気成分が10〜70℃で充填すると必然的に残るということではないことを示している。すなわち、2,5−ジメチルピラジンや2,6−ジメチルピラジンについては、10〜70℃でコーヒー飲料を充填すると充填温度90℃のコーヒー飲料と比較して減少度合が大きいが、2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールについては、10〜70℃でコーヒー飲料を充填すると充填温度が90℃である場合と比較して殆んど変わらないか、多く残存することが明らかになった。
「経時劣化60℃」のサンプル(単品)における香気成分である2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールの減少度合は、充填時の液温90℃のピークエリア面積を基準(1.00)として比較した場合、充填時の液温10℃、30℃、50℃、70℃のピークエリア面積の相対値は1.11〜1.51の範囲内であり、充填温度が90℃である場合と比較して香気成分は相対的により多く残存していた。一方、2,5−ジメチルピラジンや2,6−ジメチルピラジンについて同様に測定すると、充填時の液温10℃、30℃、50℃、70℃のピークエリア面積の相対値は0.98〜1.05の範囲内であり、充填温度が90℃である場合と比較して香気成分の相対的残存率は殆んど変わらなかった。
以上から、「経時劣化5℃」と比較して、「経時劣化60℃」では、充填温度が90℃である場合と比較して、充填温度が10℃、30℃、50℃、70℃であるときは、香気成分である2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールが減少せずに多く残存していた。一方、香気成分である2,5−ジメチルピラジンや2,6−ジメチルピラジンについては、充填温度が90℃である場合と比較して、充填温度が10℃、30℃、50℃、70℃であるときは、残存量に殆んど違いはなかった。
5名の専門パネラーが、上記のサンプル(単品)について(1)トップの香り、(2)後味のキレ、及び(3)総合評価の3項目につき経時劣化を評価した(表8、表9)。「経時劣化5℃」の総合評価は全て「非常に良好」であった。しかし、「経時劣化60℃」のサンプル(単品)では、70℃充填と90℃充填の容器詰コーヒー飲料の総合評価が「不満」であったが、10℃、30℃及び50℃充填の容器詰コーヒー飲料の総合評価は、「可」であった。また、後味のキレについても同様の結果が得られた。なお、トップの香りについては、10℃及び30℃充填の「良好」を除き後味のキレと同様の結果が得られた。
Claims (1)
- ブレンドされたコーヒー豆から抽出されたコーヒー飲料を液温10〜50℃の範囲内で容器に充填することにより、2−メチルフラン、2−メチルブタナール及び3−メチルブタナールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の香気成分の経時劣化を抑制する方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006267812A JP4033407B1 (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 容器詰コーヒー飲料の製造方法 |
US12/310,160 US20100003389A1 (en) | 2006-09-15 | 2007-09-14 | Coffee Drink Packed In Container And Method Of Producing The Same |
PCT/JP2007/001004 WO2008032452A1 (fr) | 2006-09-15 | 2007-09-14 | Boisson au café conditionnée dans un récipient et procédé de production de celle-ci |
EP07805858A EP2062479A4 (en) | 2006-09-15 | 2007-09-14 | COFFEE BEVERAGE CONDITIONED IN A CONTAINER AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME |
CA002660059A CA2660059A1 (en) | 2006-09-15 | 2007-09-14 | Coffee drink packed in container and method of producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006267812A JP4033407B1 (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 容器詰コーヒー飲料の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007198254A Division JP2008086308A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | 容器詰コーヒー飲料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP4033407B1 true JP4033407B1 (ja) | 2008-01-16 |
JP2008086210A JP2008086210A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39078259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006267812A Active JP4033407B1 (ja) | 2006-09-15 | 2006-09-29 | 容器詰コーヒー飲料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4033407B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019146526A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | アサヒ飲料株式会社 | コーヒー飲料 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101119319B1 (ko) * | 2009-05-27 | 2012-03-15 | 남양유업 주식회사 | 산소 탈기수와 질소를 이용하여 이중으로 산소를 차단한 고품질 액상 조제커피의 제조방법 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006267812A patent/JP4033407B1/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019146526A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | アサヒ飲料株式会社 | コーヒー飲料 |
JP7158158B2 (ja) | 2018-02-27 | 2022-10-21 | アサヒ飲料株式会社 | コーヒー飲料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008086210A (ja) | 2008-04-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6828684B2 (ja) | インスタント発酵茶飲料用組成物及びその製造方法 | |
JP6585857B2 (ja) | フルフリルメチルスルフィドを含む容器詰めコーヒー飲料 | |
JP2008086308A (ja) | 容器詰コーヒー飲料の製造方法 | |
US20100003389A1 (en) | Coffee Drink Packed In Container And Method Of Producing The Same | |
JP2018072210A (ja) | 飲食品特有の残り香成分の探索方法 | |
JP5398929B1 (ja) | コーヒー飲料及びその製造方法、並びにコーヒー飲料の酸味抑制方法及びロースト感向上方法 | |
JP5534268B1 (ja) | コーヒー飲料組成物及びこれを含有するコーヒー飲料、並びに容器詰コーヒー飲料の製造方法及び容器詰コーヒー飲料の呈味改善方法。 | |
JP4011097B1 (ja) | 容器詰コーヒー飲料 | |
JP2021119762A (ja) | 飲料および飲料の乳臭さの抑制方法 | |
JP5358742B1 (ja) | コーヒー飲料及び容器詰コーヒー飲料、並びに容器詰コーヒー飲料の製造方法及び容器詰コーヒー飲料の呈味改善方法 | |
JP2008067692A (ja) | 容器詰コーヒー飲料 | |
JP4033407B1 (ja) | 容器詰コーヒー飲料の製造方法 | |
JP5647744B1 (ja) | 容器詰ミルク入りコーヒー飲料及びその製造方法、並びに容器詰ミルク入りコーヒー飲料の性状安定方法、及びベタつき感抑制方法 | |
JP2003204755A (ja) | 容器詰コーヒー飲料 | |
JP6392966B1 (ja) | フルフリルメチルスルフィドを含む容器詰めコーヒー飲料 | |
JP5438232B1 (ja) | コーヒー飲料及びその製造方法、並びにコーヒー飲料の香味劣化抑制方法 | |
Ikeda et al. | Effects of processing conditions during manufacture on retronasal‐aroma compounds from a milk coffee drink | |
US20090304895A1 (en) | Process for preparing a tea beverage | |
JP6948212B2 (ja) | クロロゲン酸ラクトン類を含む容器詰めコーヒー飲料 | |
JP2021185869A (ja) | コーヒー飲料 | |
JP6767748B2 (ja) | 容器詰めコーヒー飲料およびその製造方法 | |
JP6316599B2 (ja) | 容器詰乳入りコーヒー飲料 | |
JP6918260B1 (ja) | 乳固形分含有透明容器詰めコーヒー飲料 | |
JP5358741B1 (ja) | コーヒー飲料、並びに容器詰コーヒー飲料及びその製造方法、並びに容器詰コーヒー飲料の加温劣化防止方法 | |
JP2022104540A (ja) | 常温飲用時の香味が改善された容器詰めコーヒー飲料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071019 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071019 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4033407 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |