JP4033123B2 - ステーブパイプの破損検知方法及び装置 - Google Patents

ステーブパイプの破損検知方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステーブパイプの破損検知方法及び装置に関するものであり、具体的には、高炉等の冶金炉の炉壁の内部近傍に配置されて鉄皮等を冷却するステーブクーラのステーブパイプに生じる破損を、冶金炉の内部を極度に冷却することなく、短時間で高信頼性でさらには安全に検知するためのステーブパイプの破損検知方法及び装置に関する。
製鉄用の高炉等といった冶金炉(以降の説明は「高炉」を例にとって行う)の炉体を冷却して保護するための手段の一つとして、ステーブクーラと呼ばれる冷却体を炉壁の内部近傍に設置することが広く行われている。ステーブクーラは、耐火物と鉄皮とからなる高炉の炉壁の鉄皮の内部に設置され、高炉の炉内の熱負荷から鉄皮を保護する。
図6は、高炉の炉壁の内部近傍に設置されたステーブクーラ6aの縦断面図である。
図6に示すように、ステーブクーラ6aは、鋳鉄又は銅製の冷却板6bをステーブ本体として備えており、この冷却板6bに冷却水路をなすステーブパイプ6c及び耐火煉瓦6dが埋設されている。
しかしながら、ステーブクーラ6aは、操業中に発生する高炉の炉内の熱変動によって熱負荷を受け、この熱負荷の変動による繰り返し熱応力が作用する。このため、ステーブクーラ6aの冷却板6bの炉内側(図6においては耐火煉瓦6dが装着されている側)にクラックが発生し、このクラックが伝播してステーブパイプ6cにより構成される冷却水路が破損することがある。冷却水路が破損すると、冷却媒体(冷却水)の炉内への漏洩を招き、炉内を冷却して高炉操業にとって深刻な障害となる。
このため、漏水を早期に止めるべく、これまでにも、破損したステーブパイプの漏水位置を早期に検知するための発明が多数開示されている。
例えば特許文献1には、高炉の操業中に、ステーブパイプの破損部から冷却水に混入した炉内ガス中のCOガスを冷却水循環経路の途中に設けたガス捕集器により捕集し、サンプリングラインを介してCOガス分析器によりCOガス濃度を検知して破損部位を徐々に絞り込んで特定する発明が開示されている。
また、特許文献2には、高炉の操業中に、調査する冷却水循環系の冷却水圧を炉内圧よりも低く設定して、破損部から冷却水の中へのCOガスの混入を促進することにより、特許文献1に記載された発明よりもCOガス濃度の検知範囲及び検知精度をいずれも改善する発明が開示されている。
また、特許文献3には、高炉の操業中に、冷却水循環経路毎に取り付けた圧力計により各冷却水循環経路の圧力の変動を監視し、変動を確認した場合には炉内ガスの静圧及び冷却水の静水圧の関係から破損位置の高さを検知する発明が開示されている。
また、この特許文献3には、高炉の操業中に、冷却水循環経路毎に取り付けた圧力計により冷却水の圧力の変動を監視し、変動を確認した場合には休風を行って、冷却水の静水圧から破損位置の高さを検知する発明も開示されている。
また、高炉の操業中に、操業時に冷却水に混入したCOガスの分析等から、予め破損する可能性が高い冷却水循環経路を絞り込み、休風が開始された後に絞り込まれた冷却水循環経路の耐圧検査を行うことにより破損部位を検知する発明(「従来技術1」という)も知られている。
さらに、高炉において冷却水が炉内へ漏水すると炉内熱により分解して水素を生じることから、冷却水循環経路毎に止水してその後の炉内ガス中の水素濃度の変化を監視することにより、破損した冷却水循環経路を特定する発明(「従来技術2」という)も知られている。
高炉では、操業中にステーブパイプから多少程度漏水しても、鉄鉱石と羽口から吹き込まれる熱風との反応熱によって炉内温度の低下は抑制されるため、炉内が極度に冷却されることは稀である。しかし、休風中にステーブパイプから漏水すると極度に炉内が冷却されて、高炉の操業上甚大な被害がもたらされることになる。
このため、実際の高炉の操業では、休風を開始した後にステーブパイプに破損の疑いが発生すると、まず従来技術2のように冷却水循環経路毎に止水してその後の炉内ガス中の水素濃度の変化を監視することにより破損した冷却水循環経路を特定し、次に、特許文献3や従来技術1のように、特定された冷却水循環経路に対して静水圧を確認したり、あるいは耐圧検査を行うことにより破損部位を特定することが、一般的に行われている。
一方、上述した手段とは異なり、休風を開始した後にステーブパイプに破損の疑いが発生すると、操業を再開し、特許文献1〜3に記載された発明に基づいて操業中にステーブパイプの破損位置を特定することもある。
特開平5−320728号公報 特開平6−347361号公報 特開平9−196803号公報
しかし、休風を開始した後に冷却水循環経路毎に止水して炉内ガス中の水素濃度の変化を監視することにより破損した冷却水循環経路を特定してから、特定された冷却水循環経路に対して静水圧確認等を行って破損部位を特定する手段では、冷却水循環系統を止水してから炉内ガス中の水素濃度の変化が現れるまでに相当の時間を要する。したがって、破損している冷却水循環経路を特定するまでに長時間を要してしまう。この間に破損している部位が止水されていないと炉内への漏水が継続して生じるため、極度に炉内を冷却してしまう。
また、この手段では、特定された冷却水循環経路に対して静水圧を確認したり、あるいは耐圧検査を行う際、休風中とはいってもステーブ本体の蓄熱や炉内の熱負荷は零ではないため、検査媒体に水や空気のどちらを用いたとして、熱による体積膨張が不可避的に発生する。このため、ステーブパイプの破損部が小さいとともにステーブ本体の蓄熱等の熱が大きい場合には、系外へ逃げる熱量よりも熱膨張に用いられる量が大きくなり、しばしば、ステーブパイプに破損はないと誤診したり、あるいは静水圧確認作業時や耐圧検査時に熱気が噴出することがあり、信頼性及び安全性の両面で問題があった。
一方、休風を開始した後に操業を再開して操業中にステーブパイプの破損位置を特定する手段では、その休風の際の実施が計画されていた他の補修作業を中止せざるを得ず、前後の製造プロセスとの間で工程調整を行わなければならなくなるために多大な労力をロスすることになる。そもそも、破損位置の特定についての信頼性が低ければ、操業中においても破損部位を特定することは難しく、再度休風に入ること自体で被害を招いてしまうことが懸念される。
本発明の目的は、高炉等の冶金炉の炉壁の内部近傍に配置されて鉄皮等を冷却するステーブクーラのステーブパイプに生じる破損を、この冶金炉の内部を極度に冷却することなく、短時間で高信頼性でさらには安全に検知するためのステーブパイプの破損検知方法及び装置を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、高炉等の冶金炉の炉内の極度な冷却を防止するために冷却水循環系を止水してから、
(1)ステーブパイプの内部をファンによって吸引することにより負圧とし、ステーブパイプの内部と炉内との差圧を高めてステーブパイプの破損部位からの炉内のCOガスの浸入を促進した後にCOガスの濃度を分析することによって、ステーブパイプの破損部位を迅速に特定できること、又は
(2)ステーブパイプの吸引側と反対側の位置に大気吸込バルブを配置し、大気をキャリアガスとしてステーブパイプの内部に吹き込むことによって、ステーブパイプの破損部位の特定精度を高めることができるとともに特定時間を短縮できること
によって、短時間及び高信頼性でさらには安全に、ステーブパイプの破損部位を特定できることを知見して、本発明を完成した。
本発明は、冶金炉の休風時に、この冶金炉の内部に配置されたステーブクーラのステーブパイプの内部の冷却水を抜き取ってから、このステーブパイプの内部を吸引して負圧にすることによってこのステーブパイプの破損部から冶金炉の内部のCOガスを浸入させ、望ましくはステーブパイプの内部を吸引した側と反対側からキャリアガスを吹き込んでから、浸入したCOガスの濃度を分析することを特徴とするステーブパイプの破損検知方法である。
別の観点からは、本発明は、冶金炉の休風時に、この冶金炉の内部に配置されたステーブクーラのステーブパイプの内部の冷却水を抜き取るための冷却水抜取り装置と、ステーブパイプの内部を吸引して負圧にすることによってステーブパイプの破損部から冶金炉の内部のCOガスを浸入させるためのステーブパイプ吸引装置と、望ましくはステーブパイプの内部を吸引した側と反対側からキャリアガスを吹き込むためのキャリアガス吹込装置と、ステーブパイプ吸引装置によってステーブパイプの内部に浸入したCOガスの濃度を分析するためのガス濃度分析装置とを備えることを特徴とするステーブパイプの破損検知装置である。
本発明に係るステーブパイプの破損検知方法及び装置によれば、冶金炉の炉内の極度な冷却を防止するために冷却水循環系を止水した上で、短時間、高い信頼性さらには高い安全性で、ステーブパイプの破損部位を特定することができる。
このため、本発明に係るステーブパイプの破損検知方法及び装置によれば、ステーブクーラからの漏水を早期に止めることができる。
以下、本発明に係る冶金炉用ステーブパイプの破損検知方法及び装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では冶金炉が高炉である場合を例にとるが、本発明は高炉以外の他の冶金炉に対して同様に適用可能である。
図1は、本発明に係る高炉用ステーブパイプの破損検知装置の実施の形態を示す説明図である。
同図に示すように、本実施の形態のステーブパイプ1eの破損検知装置1は、冷却水抜取り装置及びキャリアガス吹込装置という二つの装置として機能する支管水抜き弁1cと、ステーブパイプ吸引装置として機能する吸引ファン1Bと、ガス濃度分析装置として機能するCOガス検知器1Aとを備える。そこで、破損検知装置1のこれらの構成要素について順次説明する。
[支管水抜き弁1c]
まず初めに、ステーブクーラの冷却水循環系を図1を参照しながら簡単に説明する。同図において、図示しない高炉の炉内に上下方向に多段(図示例では10段)に設置された各ステーブ本体1dにはステーブパイプ1eがそれぞれ埋設されている。上下方向に隣接するステーブ本体1d、1dのステーブパイプ1e、1eは、接続パイプ1iにより接続されている。
最下方に位置するステーブ本体1dのステーブパイプ1eには、ステーブ給水支管弁1bを介してステーブ給水ヘッダ管1aから冷却水が供給される。一方、最上方に位置するステーブ本体1dのステーブパイプ1eから排出される冷却水は、ステーブ排水弁1gを介してステーブ排水ヘッダ管1hへ供給される。
ステーブ給水ヘッダ管1aから供給される冷却水は、最下方に位置するステーブ本体1dのステーブパイプ1eを流通することによりステーブ本体1dを冷却し、接続パイプ1iを介して、すぐ上方に配置されたステーブ本体1dのステーブパイプ1eを流通する。これにより、冷却水は、ステーブ本体1dを冷却し、接続パイプ1iを介して、すぐ上方に配置されたステーブ本体1dのステーブパイプ1eに供給される。
以降これを繰り返し、冷却水は、最終的に最上方に位置するステーブ本体1dのステーブパイプ1eへ供給された後に、ステーブ排水弁1gを介してステーブ排水ヘッダ管1hへ供給される。
ステーブ給水ヘッダ管1a、ステーブ給水支管弁1b、ステーブ本体1d、ステーブパイプ1e、ステーブ排水弁1g及びステーブ排水ヘッダ管1hの構成は、高炉に設置されるこの種のステーブクーラの構成としては慣用されるものであり、当業者にとっては周知のものであるため、これ以上の説明は省略する。
本実施の形態では、ステーブ給水支管弁1bと最下方に位置するステーブ本体1dとを接続する接続パイプ1iの途中に、支管水抜き弁1cが設けられている。
この支管水抜き弁1cは、高炉の操業時には閉じた状態で使用され、高炉の休風時にステーブ給水支管弁1bを閉じた状態で、開くことにより、高炉の内部に配置されたステーブ本体1dのステーブパイプ1eの内部の冷却水を抜き取るためのものであり、冷却水抜取り装置として機能する。
なお、支管水抜き弁1cを開くことにより排出された冷却水は、図示しない配管を介して、しかるべき場所へ捨てられる。
また、本実施の形態では、この支管水抜き弁1cは、大気をキャリアガスとしてステーブパイプの内部に吹き込むことによってステーブパイプの破損部位の特定精度を高めるとともに特定時間を短縮するためのキャリアガス吹込装置としても機能する。この説明は、本実施の形態の破損検知装置1の動作を説明する際にあわせて行うため、ここでは省略する。
本実施の形態では、冷却水抜取り装置及びキャリアガス吹込装置という二つの装置として機能する支管水抜き弁1cは、以上のように構成される。
[吸引ファン1B]
図1に示すように、本実施の形態のステーブパイプ1eの破損検知装置1は、最上方に位置するステーブ本体1dのステーブパイプ1eとステーブ排水弁1gとの間にステーブ排水ブロー弁1fが設けられており、この排水ブロー弁1fにドレンボトル1Cを介して、後述するCOガス検知器1Aと、吸引ファン1Bとが設けられる。
吸引ファン1Bは、高炉の休風時であってステーブ本体1dのステーブパイプ1eの内部の冷却水が排水された後に、ステーブ給水支管弁1b、支管水抜き弁1c及びステーブ排水弁1gを閉じるとともにステーブ排水ブロー弁1fを開いて運転されることにより、ステーブ本体1dのステーブパイプ1eの内部を吸引して負圧にする。
これにより、吸引ファン1Bは、負圧となったステーブパイプ1eの内部へ、ステーブパイプ1eの破損部から高炉の内部のCOガスを浸入させて充満させるものであり、ステーブパイプ吸引装置として機能する。
本実施の形態では、ステーブパイプ吸引装置である吸引ファン1Bは、以上のように構成される。
[COガス検知器1A]
上述したように、吸引ファン1Bによりステーブパイプ1eの内部へ浸入して充満されたCOガスの濃度は、吸引ファン1Bとドレンボトル1Cとの間に配置されたCOガス検知器1Aにより分析及び検知される。このように、COガス検知器1Aは、ガス濃度分析装置として機能する。
本実施の形態では、COガス検知器1Aは、以上のように構成される。
支管水抜き弁1c、吸引ファン1B及びCOガス検知器1Aを備える本実施の形態のステーブパイプ1eの破損検知装置1は、以上のように構成される。次に、このステーブパイプ1eの破損検知装置1を作動させて、ステーブパイプ1eに発生した破損を検知する方法を説明する。
まず、本実施の形態のステーブパイプ1eの破損検知装置1は、高炉の休風時に使用される。このため、高炉の操業時には、ステーブ給水支管弁1b及びステーブ排水弁1gが開かれるとともに、支管水抜き弁1c及びステーブ排水ブロー弁1fが閉じられることにより、各ステーブパイプ1eの内部を冷却水が流通して各ステーブ本体1dを冷却するのであり、ステーブパイプ1eの破損検知装置1は停止している。
一方、高炉の休風時には、初めに、ステーブ給水支管弁1b及びステーブ排水弁1gが閉じられるとともに、支管水抜き弁1c及びステーブ排水ブロー弁1gが開かれる。これにより、各ステーブ本体1dのステーブパイプ1eの内部に残存していた冷却水は全て支管水抜き弁1cから排出され、ステーブパイプ1e内は大気で満たされている状態となる。
次に、支管水抜き弁1cを閉じるとともにステーブ排水ブロー弁1fに吸引ファン1Bを接続するとともに運転を開始する。これにより、各ステーブ本体1dのステーブパイプ1eの内部は吸引されて炉内の圧力よりも低圧(負圧)となる。
このため、ステーブパイプ1eの破損部が存在すると、この破損部から高炉の内部のCOガスがステーブパイプ1eの内部へ浸入する。
図2は、吸引ファン1Bの運転によりステーブパイプ1eの破損部の有無を検知できることを示すための基礎試験に用いた試験装置5を示す説明図である。
本試験装置5には、破損したステーブパイプを模擬したパイプ5bと、炉内を模擬したCOガスタンク5dが設けられている。そして、パイプ5bとCOガスタンク5dとは破損部を模擬するためのオリフィス5cにより接続されている。また、COガスタンク5dには20%濃度のCOガスが封入されている。
また、パイプ5bの一端には、パイプ5bの一端からパイプ5bの内部のCOガスを吸引するための吸引ファン5Bが設置されており、パイプ5bと吸引ファン5Bとの間にはCOガス検知器5Aが接続され、COガス濃度の連続測定値を記録できるように構成されている。
また、パイプ5bの他端には、キャリアガス(大気)をパイプ5bの内部へ吹き込むことができるようにキャリアガスバルブ5aが設置されている。
このように構成された試験装置5を用いて、破損系列のみでオリフィス5cの径を、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm及び5mmの5水準で変更して吸引ファン5Bを運転し、パイプ5bの内部のCOガス濃度を測定した。測定結果を図3にグラフで示す。
図3にグラフで示すように、オリフィス5cの径が5〜1mm程度であれば比較的短時間でCOガス濃度の測定値は上昇して安定するため、パイプ5bの内部のCOガスを測定できることがわかる。すなわち、パイプ5bの破損部の孔径が5〜1mm程度の場合には、吸引ファン5Bによりパイプ5bを吸引すれば、パイプ5bの破損を検知できることがわかる。
一方、図3にグラフで示すように、オリフィス5cの径が0.5mmと小さくなると、長時間を経ても、COガス濃度の測定値は上昇せず、パイプ5bの内部のCOガスを殆ど検知できないことがわかる。
そこで、オリフィス5cの径が0.5mmである場合で1分間程度吸引してから、キャリアガスバルブ5aを開いてパイプ5bの内部にキャリアガスを吹き込みながら、同様の測定を行った。測定結果を図4にグラフで示す。
図4にグラフで示すように、吸引ファン5Bにより数十秒間程度吸引してからパイプ5bの内部にキャリアガスを吹き込むと、キャリアガスを吹き込んでから瞬時にCOガス濃度が大幅に上昇し、しかも、2秒間程度の短時間でパイプ5bの内部のCOガス濃度を測定できたことがわかる。
このようにすればオリフィス5cの径が0.5mmである場合であってもCOガス濃度を測定することができる理由を、パイプ5bの内部の圧力推移の一例を示すグラフである図5を参照しながら、推定して説明する。
パイプ5bの破損部の径が0.5mm程度と極小さい場合には、パイプ5bの内部を吸引して負圧状態にするため、COガスはパイプ5b内に拡散するものの、COガス検知器5Aへのガス流れは十分でないためにそのままでは、図5のグラフのA点からB点で示すようにパイプ5bの内部は負圧化するだけで、COガス濃度を検知することはできない。
しかし、図5のグラフのC点においてキャリアガスバルブ5aを開いてパイプ5bの破損部よりも上流側から大気をキャリアガスとして吹き込むと、パイプ5b内からCOガス検知器5Aへの流れができ、しかもパイプ5b内に十分に拡散したCOガスが極短時間でCOガス検知器5Aを通過するために、図5のグラフのC点において瞬間的に高濃度を示すため、COガス濃度を検知することができるようになるものと推定される。
本実施の形態では、このような検知作業を複数回(例えば3〜5回程度)繰り返し行った後にもなお10ppm以上のCOガス濃度が検知された場合に「破損あり」と判断する。経験的に、1回目に10ppm程度を検知した場合には2回目以降にはCOガス濃度は殆ど0となって検知されないとともに、実際に破損が生じた場合には1回目に数百ppm程度を検知し、2回目以降は徐々にCOガス濃度の検知値は低下するものの、複数回(3〜5回程度)繰り返し測定した後にも10ppm以上のCOガス濃度が検知されるからである。
以上のように、吸引ファン1Bを運転すること、望ましくはさらにキャリアガス弁5aからキャリアガスを流すことにより、パイプ5bの破損部の有無を検知できることがわかる。
そこで、本実施の形態では、吸引ファン1Bを一定時間運転してから支管水抜き弁1cを開いて、この支管水抜き弁1cをキャリアガス吹込装置として用いて大気(キャリアガス)をステーブパイプ1eの内部に吹き込んで、COガス検知器1Aによりステーブパイプ1eのCOガス濃度を検知することが望ましい。これにより、ステーブパイプ1eの破損部位の特定精度を高めることができるとともに特定時間を短縮することができる。
このように、本実施の形態では、吸引ファン1Bの運転によりステーブパイプ1eの破損部を検知できる。このため、高炉炉の休風中に炉内の極度な冷却を防止するため冷却水循環系を止水した上で、極短時間で、高い信頼性、安全性でステーブパイプ1eの破損部位を検知して特定することができる。
本発明に係る冶金炉用ステーブパイプの破損検知装置の実施の形態を示す説明図である。 吸引ファンの運転によりステーブパイプの破損部の有無を検知できることを示すための基礎試験に用いた試験装置を示す説明図である。 試験装置を用いてオリフィスの径を、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm及び5mmの5水準で変更して吸引ファンを運転し、パイプの内部のCOガス濃度を測定した結果を示すグラフである。 オリフィスの径が0.5mmで1分間程度吸引した後にキャリアガスバルブを開いてCOガス濃度を測定した結果を示すグラフである。 パイプの内部の圧力推移の一例を示すグラフである。 高炉の炉壁の内部近傍に設置されたステーブクーラの縦断面図である。
符号の説明
1 破損検知装置
1a ステーブ給水ヘッダ管
1b ステーブ給水支管弁
1c 支管水抜き弁水抜き
1d ステーブ本体
1e ステーブパイプ
1f ステーブ排水ブロー弁
1g ステーブ排水
1h ステーブ排水ヘッダ管
1A COガス検知器
1B 吸引ファン
1C ドレンボトル
5 実験装置
5a キャリアガス弁
5b ステーブパイプの模擬パイプ
5c 破損部を模擬したオリフィス
5d COガスタンク
5A COガス検知器
5B 吸引ファン
6a ステーブ
6b ステーブ本体
6c ステーブパイプ
6d 煉瓦

Claims (4)

  1. 冶金炉の休風時に、該冶金炉の内部に配置されたステーブクーラのステーブパイプの内部の冷却水を抜き取ってから、該ステーブパイプの内部を吸引して負圧にすることによって該ステーブパイプの破損部から前記冶金炉の内部のCOガスを浸入させ、浸入したCOガスの濃度を分析することを特徴とするステーブパイプの破損検知方法。
  2. 前記COガスを浸入させた後に、前記ステーブパイプの内部を吸引した側と反対側からキャリアガスを吹き込んでから、前記浸入したCOガスの濃度を分析する請求項1に記載されたステーブパイプの破損検知方法。
  3. 冶金炉の休風時に、該冶金炉の内部に配置されたステーブクーラのステーブパイプの内部の冷却水を抜き取るための冷却水抜取り装置と、
    該ステーブパイプの内部を吸引して負圧にすることによって該ステーブパイプの破損部から前記冶金炉の内部のCOガスを浸入させるためのステーブパイプ吸引装置と、
    該ステーブパイプ吸引装置によって該ステーブパイプの内部に浸入したCOガスの濃度を分析するためのガス濃度分析装置と
    を備えることを特徴とするステーブパイプの破損検知装置。
  4. さらに、前記ステーブパイプの内部を吸引した側と反対側からキャリアガスを吹き込むためのキャリアガス吹込装置を備える請求項3に記載されたステーブパイプの破損検知装置。
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