JP4032707B2 - Pwm駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動機を駆動制御するPWM駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
インバータ制御装置によって生成されたサージ電圧がケーブル中を伝播し、機器とインバータ制御装置との間で反射を繰返しながら過電圧を発生させること、およびサージ電圧が機器内部を伝播する時に不平衡な電位分布を持ちコイル間やコイル内の各ターン間で過大な電位差が生じる可能性があることが知られている(電気学会技術報告第739号(ISSN0919−919)「インバータサージの絶縁システムへの影響」1999年8月、12頁〜20頁に記載)。
【0004】
図8は従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムの構成を示す図である。図において、30はインバータ制御装置、31はコンバータ部、32はコンデンサ、33はスイッチング素子41〜46をブリッジ接続したインバータ部、34はインバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフする制御信号を出力する制御部である。また、35はU相,V相,W相の電線3本またはアース線を含む4本を同一の絶縁物で束ねたもので、インバータ制御装置30と電動機36とを接続するケーブルである。また、51は三角波信号を出力する三角波発生器、52,53,54は各々3相指令値U,V,Wと三角波信号とを比較する比較器、55,56,57は極性を反転させるNOT回路である。
【0005】
従来のインバータ制御装置30の動作について説明する。
コンバータ部31は交流電力(R,S,T)を直流電力に変換し、変換した直流電力をコンデンサ32にて平滑して、直流中間回路電圧となる直流電圧VBを得る。
また、制御部34は、三角波発生器51から出力される三角波信号と3相指令値U,V,Wとを比較して、インバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフする制御信号を出力する。3相指令値U,V,Wと比較する三角波信号の周波数(以後、キャリア周波数と記す)fTは、3相指令値U,V,Wの周波数に比べてはるかに高い周波数であり、例えば、出力周波数foが0〜50Hzまたは0〜60Hzの場合、キャリア周波数fTは2〜15kHzを使用している。
インバータ部33は、制御部34から出力される制御信号に基づきスイッチング素子41〜46をオン/オフ制御することにより、直流電圧VBから3相交流電圧を作成する。
インバータ制御装置30は、インバータ部33で変換した3相交流電圧を端子U1,V1,W1から出力し、ケーブル35を経由して電動機36の端子U2,V2,W2に供給し、電動機36を駆動制御する。
【0006】
また、ケーブル35の長さは、配線距離(電動機36とインバータ制御装置30の設置位置)によって異なり、数mから数百mにもなる。また、ケーブル35は各線間が近接した状態であり、かつ長さがあるため、分布常数線路として作用し、その特性インピーダンスは一般に約50Ω程度である。
一方、電動機36の端子U2,V2,W2間のインダクタンスは1mH〜数mHであり、高い周波数においては非常に高い値のインピーダンスとなる。
【0007】
すなわち、従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムは、インバータ制御装置30の出力に分布常数線路として作用するケーブル35を接続し、負荷として高周波においてインピーダンスの高い電動機36を接続したものである。
【0008】
図9は従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムにおいて、長さ300mのケーブル35を使用した時のインバータ制御装置30および電動機36の端子電圧波形を示す図で、(a)は電動機36の端子U2,W2間の電圧波形、(b)はインバータ制御装置30の出力端子U1,W1間の電圧波形である。図において、Tdはケーブルの伝送時間、Vsg11はサージ電圧のピーク値である。
【0009】
インバータ制御装置30から出力される交流電圧は、約300Vの直流電圧からインバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフ制御することにより作成される。
インバータ部33に使用するスイッチング素子41〜46は、IGBTやMOSFET等の高速スイッチング素子であり、立ち上がり、立ち下がりは非常に速いため、インバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形は図9(b)に示すような波形となる。
また、電動機36の端子U2,W2間の電圧波形は図9(a)に示すように、インバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形の電圧の立ち上がり(図9(b))に対し、ケーブルの伝送時間Td(約1.8μs)遅れて立ち上がり、ピークの電圧が約580Vとスイッチング電圧(U1,W1間の電圧)の約2倍弱となるサージ電圧Vsg11が発生する。
電動機36の端子U2,W2間の電圧波形は、サージ電圧Vsg11から数回の減衰振動を経て、インバータ制御装置30の出力電圧に収束する電圧波形となる。この時のサージ電圧の周波数は約116kHzである。
【0010】
図10は従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムにおいて、長さ100mのケーブル35を使用した時のインバータ制御装置30および電動機36の端子電圧波形を示す図で、(a)は電動機36の端子U2,W2間の電圧波形、(b)はインバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形である。図において、Tdはケーブルの伝送時間、Vsg12はサージ電圧のピーク値である。
【0011】
また、長さ100mのケーブル35を使用した時の電動機36の端子U2,W2間の電圧波形は、図10(a)に示すように、インバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形の電圧の立ち上がり(図10(b))に対し、ケーブルの伝送時間Td(約0.6μs)遅れて立ち上がり、ピークの電圧が約590Vとスイッチング電圧(U1,W1間の電圧)の約2倍弱となるサージ電圧Vsg12が発生する。この時のサージ電圧の周波数は約330kHzである。
【0012】
図9と図10とを比較すると、使用するケーブル35のケーブル長が短い方が、サージ電圧が若干高く、減衰する度合いが少ない。これは、サージ電圧の減衰は、主としてインバータ制御装置30の出力インピーダンスと電動機36のインピーダンスによるが、ケーブル35が長いと、ケーブルの伝送損失が増加するためと考えられる。ケーブルの種類も各種あるが、一般に使用されるビニール被覆の絶縁電線はほぼ同様の伝送損失がある。
【0013】
図11は従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムにおいて、インバータ制御装置の運転時におけるインバータ制御装置30および電動機36の端子電圧波形を示す図で、(a)は電動機36の端子U2,W2間の電圧波形、(b)はインバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形である。図において、Vsg13はサージ電圧のピーク値である。
また、図12は従来のインバータ制御装置の各種電圧波形を示す図で、(a)はインバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形、(b)はインバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧をPWM変調した正弦波と同等の波形、(c)は3相指令値である。図において、tsg13は線間電圧の極性が切り換わる時点である。
【0014】
図13は従来のインバータ制御装置の運転中におけるインバータ制御装置30および電動機36の各種電圧波形を示す図で、(a)は電動機35の端子U2,W2間の電圧波形、(b)はインバータ制御装置30の端子U1,W1間の電圧波形、(c)はインバータ制御装置30のU相出力電圧波形、(d)はインバータ制御装置30のV相出力電圧波形、(e)はインバータ制御装置30のW相出力電圧波形である。図において、tsg13は線間電圧の極性が切り換わる時点、Vsg13はサージ電圧のピーク値である。
【0015】
図11〜図13により、インバータ制御装置30の運転中において、線間電圧の極性が切り換わる時、例えばインバータ出力U1が所定時間立ち上がった直後にインバータ出力W1が所定時間立ち上がった時(図11(b))に発生するサージ電圧Vsg13について説明する。
【0016】
インバータ制御装置30が、図12(c)に示す3相指令値で運転している時、U1,W1間電圧は図12(b)の波形で示され、インバータ制御装置30の端子U1,W1間からは図12(a)に示す波形の電圧が出力される。図12(a)におけるtsg13が、線間電圧の極性が切り換わる時点である。
【0017】
インバータ制御装置の運転中、線間電圧の極性が切り換わる時点tsg13(図13(b)、図12(a)のtsg13に相当)において、電動機35の端子U2,W2間には、ピークの電圧が約960Vのサージ電圧Vsg13が発生する(図13(a))。
サージ電圧Vsg13は、線間電圧の極性が切り換わりとサージ電圧の振動の位相とが重なった時に発生する。図13(c)、図13(d)、図13(e)に示すように、tsg13においては、U1相パルスの直後、W1相パルスが発生しており、この時にはV1相は変化していない。
【0018】
図13(a)におけるVsg13以外のサージ電圧は、上述のサージ電圧Vsg11(図9)、サージ電圧Vsg12(図10)と同等のものであり、ピークの電圧が約600V以下のサージ電圧である。
サージ電圧Vsg13の発生は、上述のサージ電圧Vsg11(図9)、サージ電圧Vsg12(図10)の発生より頻度が少ないが、図12(a)および図11(a)に示すように約1000Vという高い電圧となる。
【0019】
図11〜図13に示したサージ電圧Vsg13は、理論的にはインバータ制御装置30のスイッチング電圧(図11(b)に示したU1,W1間の電圧、328V,336V)の4倍の1200V程度になるが、サージ電圧の振動の減衰により1000V程度の電圧となる。電動機36の巻線の耐絶縁電圧は、短時間においてはこの程度の電圧には耐えるように選定されてはいるが、継続してこのような電圧が加えられると劣化が進み、寿命が短くなる可能性がある。
【0020】
さらに、400V系のインバータ制御装置30においては、直流電圧VBは600Vになり、同様な電圧が発生すると、2000Vものサージ電圧がモータ端子間に発生することになり、このような高い電圧に耐える絶縁被覆を有する電線を使用して電動機36を構成すると、電動機のコストが高くなる。また、絶縁被覆の表面にコロナ放電が発生し、絶縁被覆の劣化を生じ、寿命が短くなる。
【0021】
上述のように、図9、図10に示したようなスイッチング電圧の2倍のサージ電圧Vsg11、Vsg12が発生することには電動機36の絶縁は耐えることができるが、図11〜図13に示したようなスイッチング電圧の4倍のサージ電圧Vsg13が発生すると、絶縁劣化等の問題が発生する。図13(a)に示すように、Vsg13以外のサージ電圧は2倍のサージ電圧以下であり、スイッチング電圧の4倍のサージ電圧Vsg13を取り除けば電動機36の絶縁対策として有効である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のインバータ制御装置では、図11〜図13に示したように、線間電圧の極性の切り換え時に、大きさがスイッチング電圧の約4倍に相当する高いサージ電圧Vsg13が発生することがあり、モータの絶縁を劣化させるという問題点があった。
【0023】
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、運転中に大きさがスイッチング電圧の約4倍に相当するサージ電圧が発生しないPWM駆動装置を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明のPWM駆動装置は、スイッチング素子をブリッジ接続し、直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部と、3相指令値と三角波信号との比較演算により、前記インバータ部のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を出力する制御部と、を有し、電動機を駆動制御するPWM駆動装置において、
前記制御部は、前記3相指令値の内2相の指令値が同一値になる時点を中心に、前記三角波信号の1周期以内である所定時間、前記同一値となった2相に該当する前記スイッチング素子の制御信号を停止するようにしたものである。
【0025】
また、制御部は、前記PWM駆動装置と前記電動機とを接続するケーブルの長さを考慮した所定値を求め、前記3相指令値が最大値側にある場合は、前記三角波信号の最大値から前記所定値を減算して求めた第1の基準電圧と前記3相指令値と比較し、前記3相指令値が最小値側にある場合は、前記三角波信号の最小値から前記所定値を加算して求めた第2の基準電圧と前記3相指令値と比較することにより、前記スイッチング素子の制御信号を停止する時間を演算するようにしたものである。
【0026】
また、この発明のPWM駆動装置は、スイッチング素子をブリッジ接続し、直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部と、3相指令値と三角波信号との比較演算により、前記インバータ部のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を出力する制御部と、を有し、電動機を駆動制御するPWM駆動装置において、
前記制御部は、前記三角波信号の周波数を変更するとともに、前記3相指令値の内2相の指令値が振幅の最大側付近で同一値になる時点には前記三角波信号の振幅の最小値となるように、また前記3相指令値の内2相の指令値が振幅の最小側付近で同一電圧になる時点には前記三角波信号の振幅の最大値となるように、前記三角波信号の位相を制御するようにしたものである。
【0027】
さらに、制御部は、前記三角波信号の周波数をfT 、出力周波数をfo とした場合、下式により前記三角波信号の周波数を変更するようにしたものである。
fT = (6N+3)f o (ただし、Nは0又は正の整数)
【0028】
さらにまた、制御部は、出力周波数が、前記3相指令値の電圧が前記三角波信号の最大値または最小値に達する周波数以上となる場合に、前記三角波信号の周波数を変更するようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るPWM駆動装置としてのPWMインバータ制御装置の構成を示す図である。図において、31〜33、35、36、41〜46、51〜54は、図8と同様であり、その説明を省略する。
また、1aはPWM駆動装置としてのPWMインバータ制御装置、2aはインバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフする制御信号を出力する制御部である。
また、4〜6は3相指令値U、V、Wと後述の第1の基準電圧VHとを比較し、電圧が同一になる相との積により最大値側のパルス幅TXのパルスを出力する比較器、7〜9は3相指令値U、V、Wと後述の第2の基準電圧VLとを比較し、電圧が同一になる相との積により最小値側のパルス幅TXのパルスを出力する比較器である。
【0030】
また、11〜16は3相指令値U、V、Wの正側、負側の各2相(例えば、U相正側とV相正側、V相正側とW相正側、W相正側とU相正側、U相負側とV相負側、V相負側とW相負側、W相負側とU相負側)において、同時にパルス幅TXのパルスを出力する場合に、0を出力するNAND回路である。
また、21、23、25は同時にパルス幅TXのパルスを出力しているかを判断するNAND回路11、13、15の出力により、比較器52〜54の出力を停止するか否かの判断をするAND回路である。
また、22、24、26は同時にパルス幅TXのパルスを出力しているかを判断するNAND回路12、14、16の出力により、比較器52〜54の出力を停止するか否かの判断をするNAND回路である。
【0031】
図2はこの発明の実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置の各種電圧波形を示す図で、(a)は3相指令値U,V,Wと三角波信号との関係を示す図、(b)はU相のパルス波形、(c)はW相のパルス波形、(d)は電動機36の端子U2,W2間の電圧波形、(e)はパルス幅TXのパルス波形、(f)は電動機36の端子U2,W2間の電圧波形である。図において、VHはパルス幅TXを求める第1の基準電圧、VLはパルス幅TXを求める第2の基準電圧、Vaは第1の基準電圧VH、第2の基準電圧VLを求める設定値、tsg1は4Eのサージ電圧Vsg1が発生する時点である。また、PU1はU相のパルス、PW1はW相のパルス、Eはスイッチング電圧、Vsg1はピーク値が4Eとなるサージ電圧である。
【0032】
図2(a)のtsg1に示すように、3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時(図ではU相、W相)において、三角波信号の頂点が重なった場合、図2(b)、(c)に示すPU1 、PW1 といったような幅の狭いパルスが出力される。この幅の狭いパルスPU1 、PW1 が発生すると、図2(d)に示すように、電動機36の端子U2,W2間では、正のパルスに引き続いて負のパルスが出力され、4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が発生する。ただし、この幅の狭いパルスPU1 、PW1 の発生時であるtsg1において、4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が発生する以外は、2倍程度のサージ電圧である。
【0033】
3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時において、三角波信号の頂点が重なった場合tsg1(図2(a))に、図2(d)に示す4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が発生する原因となる幅の狭いパルスPU1、PW1が発生する期間(図2(b)、(c))を含むパルス幅TX(図2(e))だけ出力を停止することにより、図2(f)に示すような4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1を含まない電圧波形を得る。ただし、パルス幅TXは、3相指令値の電圧が一致した時点tsg1を中心として、ケーブルの伝送時間の10倍以上の値で、三角波信号の1周期以内の値とする。
【0034】
比較器4〜6の基準値である第1の基準電圧VH、第2の基準電圧VLを算出するために設定値Vaを、出力を停止するパルス幅TX(図2(e))を考慮して、図2(a)に示すように設定する。第1の基準電圧VHは三角波信号のピーク電圧の最大値より設定値Va低い値とし、第2の基準電圧VLは三角波信号のピーク電圧の最小値より設定値Va高い値となる。
【0035】
図1、図2により、実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置1aにおける制御部2aの動作について説明する。
【0036】
比較器52〜54では、従来同様、3相指令値U、V、Wと三角波発生器51から出力される三角波信号とを比較し、インバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフ制御する制御信号を作成する。
ただし、3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時(図ではU相、W相)において、三角波信号の頂点が重なった場合、図2(b)、(c)に示すPU1、PW1といったような幅の狭いパルスが出力されないようにするために、実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置においては、比較器4〜9、NAND回路11〜16、AND回路21、23、25およびNAND回路22、24、26により、同時にパルス幅TXのパルスを出力する場合には、比較器52〜54の出力を停止する。
【0037】
比較器4〜6で、3相指令値U、V、Wと第1の基準電圧VHとを比較し、電圧が同一になる相との積により最大値側のパルス幅TXのパルスを出力する。また、比較器7〜9で、3相指令値U、V、Wと後述の第2の基準電圧VLとを比較し、電圧が同一になる相との積により最小値側のパルス幅TXのパルスを出力する。
【0038】
続いて、NAND回路11は比較器4の出力と比較器6の出力とからU相正側、W相正側が同時に第1の基準電圧VH以上(パルス幅TXのパルス出力が必要となる)の場合に0を出力し、NAND回路12は比較器7の出力と比較器9の出力とからU相負側、W相負側が同時に第2の基準電圧VL以下(パルス幅TXのパルス出力が必要となる)の場合に0を出力する。また、NAND回路13は比較器4の出力と比較器5の出力とからU相正側、V相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合に0を出力し、NAND回路14は比較器8の出力と比較器7の出力とからU相負側、V相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合に0を出力する。また、NAND回路15は比較器6の出力と比較器5の出力とからW相正側、V相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合に0を出力し、NAND回路16は比較器9の出力と比較器5の出力とからW相負側、V相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合に0を出力する。
【0039】
続いて、AND回路21は、NAND回路11でU相正側、W相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合、またはNAND回路13でU相正側、V相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合には、比較器52からの制御信号がオンの指令であっても、スイッチング素子41をオフの指令とする。
また、AND回路23は、NAND回路13でU相正側、V相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合、またはNAND回路15でW相正側、V相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合には、比較器53からの制御信号がオンの指令であっても、スイッチング素子43をオフの指令とする。
また、AND回路25は、NAND回路11でU相正側、W相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合、またはNAND回路15でW相正側、V相正側が同時に第1の基準電圧VH以上の場合には、比較器54からの制御信号がオンの指令であっても、スイッチング素子45をオフの指令とする。
また、NAND回路22は、NAND回路12でU相負側、W相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合、またはNAND回路14でU相負側、V相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合には、比較器54からの制御信号がオンの指令であっても、スイッチング素子42をオフの指令とする。
また、NAND回路24は、NAND回路14でU相負側、V相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合、またはNAND回路16でW相負側、V相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合には、比較器53からの制御信号がオンの指令であっても、スイッチング素子44をオフの指令とする。
また、NAND回路26は、NAND回路12でU相負側、W相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合、またはNAND回路16でW相負側、V相負側が同時に第2の基準電圧VL以下の場合には、比較器54からの制御信号がオンの指令であっても、スイッチング素子46をオフの指令とする。
【0040】
上述のように、図2(e)に示すパルス幅TXのパルスにより、図2(b)、(c)に示した幅の狭いパルスPU1、PW1を消去することにより、電動機36の端子U2,W2間の電圧波形は図2(f)に示すようになる。
4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が発生する原因となるパルスPU1、PW1はパルス幅が狭いこと、またパルスPU1の電圧の極性とパルスPW1の電圧の極性とは逆であり、お互いに相殺して0になること、さらに、tsg1は出力電圧がゼロの部分であることから、パルスPU1、PW1の出力を停止することによる出力電圧の影響はほとんど無い。
【0041】
実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置においては、3相指令値が同一の電圧になる相のスイッチングパルスをパルス幅TXの間停止するので、スイッチング電圧の約4倍の大きさとなるサージ電圧が発生することを防止することができる。
【0042】
図3はこの発明の実施の形態1に係るインバータ制御装置の運転中における各種電圧波形を示す図で、電圧パルスの出力を停止する区間であるパルス幅TXと他の電圧波形との関係を示すものである。図において、(a)は電動機35の端子U2,W2間の電圧波形、(b)はインバータ制御装置1aの端子U1,W1間の電圧波形である。
【0043】
3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時において、三角波信号の頂点が重なった場合に発生する4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1は、ケーブルの伝送時間の10倍くらいでもかなり減衰しているが、サージ電圧がほぼ0に減衰する振動回数は数回であり、ケーブルの伝送時間の20倍程度に相当する。ただし、損失の少ないケーブルではケーブルの伝送時間の30倍くらい必要なものもある。ケーブルの伝送時間は、図9のケーブル長300mではTd=1.8μs、また図10のケーブル長100mではTd=0.6μsである。
3相指令値の内2相の指令値が同一値になる時点を中心に、同一値となった2相に該当するスイッチング素子の制御信号を停止する区間であるパルス幅TXは、三角波信号の1周期以内とし、かつ、4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が減衰する時間が必要となる。サージ電圧が減衰する時間は、長さ100mのケーブルの場合では18μs程度、また長さ300mのケーブルの場合では40μs程度であることから、パルス幅TXを80μsとすれば、長さ100m〜300mのケーブルの場合に対応できる。
【0044】
図4はこの発明の実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置において、3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時で、かつ三角波信号の頂点が重なった時tsg1に、パルス幅TXの区間だけ出力を停止する補正処理を実行した場合の各種電圧波形を示す図で、(a)はインバータ制御装置1aの出力端子U1,W1間の電圧波形、(b)は上記の出力電圧波形(a)のキャリア成分を取り除いた出力電圧の基本波成分、(c)はU、V、W各相の3相指令値である。
【0045】
また、従来例である図12においては、線間電圧の極性が変わる時点における他の1相の電圧指令値は最大値、最小値であったが、実施の形態1では図4(c)のC10、C11、C12、C21、C22、C31、C32に示すように、線間電圧の極性が変わる時点における他の1相の電圧指令値を、最大値、最小値から離れた値としたため、図2(b)、(c)に示した幅の狭いパルスPU1、PW1が出力されることは少なくなる。
【0046】
実施の形態1においては、3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時で、かつ三角波信号の頂点が重なった時tsg1に、tsg1を中心としたパルス幅TXの区間はU相のパルスおよびW相のパルスの出力を停止することにより、4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が発生しないようにしたものである。
【0047】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係るPWMインバータ制御装置としてのPWMインバータ制御装置の構成を示す図である。図において、4〜9、11〜16、21〜26、31〜33、35、36、41〜46、52〜54は、図1と同様であり、その説明を省略する。
また、1bはPWM駆動装置としてのPWMインバータ制御装置、2bはインバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフする制御信号を出力する制御部である。また、27は3相指令値U,V,Wを基にキャリア周波数fTを演算するキャリア周波数演算手段、28はキャリア周波数演算手段27から出力されたキャリア周波数fTの三角波信号を出力する三角波発生器である。
【0048】
図6はこの発明の実施の形態2に係るPWMインバータ制御装置の各種電圧波形を示す図で、(a)は3相指令値U,V,Wと三角波信号との関係を示す図、(b)はU相のパルス波形、(c)はW相のパルス波形、(d)は電動機35の端子U2,W2間の電圧波形である。図において、t1、t2は3相指令値U、V、Wのうち2相の指令値が同一電圧になる時点、t3は三角波信号の底辺間時間である。
【0049】
図5、図6により実施の形態2に係るPWMインバータ制御装置における制御部2bの動作について説明する。ただし、3相指令値U、V、Wと三角波発生器28から出力される三角波信号とを比較し、インバータ部33のスイッチング素子41〜46をオン/オフ制御する制御信号を作成する処理は従来例と同様であり、その説明を省略する。
【0050】
三角波信号の位相を、図6(a)のt1、t2に示すように、3相指令値U、Wが振幅の最大側付近で同一電圧になる時点t1には三角波信号の振幅の最小値となる(三角波信号の振幅の最大値が重ならない)ようにし、3相指令値U、Wが振幅の最小側付近で同一電圧になる時点t2には三角波信号の振幅の最大値となる(三角波信号の振幅の最小値が重ならない)ようにする。3相指令値U、V、Wの内の2相が同一電圧になる時点に、三角波信号の底辺の中心が一致する状態にすることにより、4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1の原因となる幅の狭いパルスPU1、PW1(図2(b)、(c))が発生しないようにする。
【0051】
3相指令値U、V、Wの内の2相が同一電圧になる時点に、三角波信号の底辺の中心が一致する状態にするためには、三角波信号と3相指令値U、V、Wの周波数の関係は式1でなければならない。
fT = (6N+3)f o ・・・・・(式1)
ここで、fTはキャリア周波数、Nは0又は正の整数、foは出力周波数である。
【0052】
一般のPWMインバータ制御装置において、使用されているキャリア周波数fTは2〜15kHzであり、fT=15kHzの周期は66.7μsとなるので、三角波信号の底辺間時間t3は66.7μs以上となる。
一方、サージ電圧の振動は、図9に示すようにケーブル長300mの場合は40μs、また図10に示すようにケーブル長100mの場合は20μsでほとんど減衰しているので、次のサージ電圧が発生するまでにこのサージ電圧は減衰していることになり、次のサージ電圧は2倍のサージ電圧を越えることはない。
最も高い周波数であるfT=15kHzにおいても、PWMインバータ制御装置で実用上使用する可能性のあるケーブル長500m以下ではサージ電圧の振動が減衰した後に次のサージ電圧が発生し、2倍のサージ電圧を越えることはないので、安心して使用できるPWMインバータ制御装置を提供できる。
【0053】
上述の実施の形態1では、図2(a)に示すように3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時で、三角波信号の頂点が重なる(tsg1)場合に、tsg1を中心としたパルス幅TXの区間はU相のパルスおよびW相のパルスの出力を停止することにより、4倍の高電圧となるサージ電圧Vsg1が発生しないようにしたものであるが、実施の形態2では、図6(a)に示すように3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時で、三角波信号の頂点が重ならない(t1,t2)ように、三角波信号の位相およびキャリア周波数を制御するようにしたものである。
【0054】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係るPWMインバータ制御装置における出力周波数foとキャリア周波数fTとの関係を示したものである。図において、f1は3相指令値U、V、Wの電圧が三角波信号の最大値、最小値に達する出力周波数で、図では40Hzの例を示した。また、f2、f3は式1の関係で制御されるキャリア周波数fTの直線である。
出力周波数が、3相指令値U、V、Wの電圧が三角波信号の最大値、最小値に達する出力周波数f1以下の周波数においては3相指令値U、V、Wの電圧は最大値に達しない。すなわち、3相指令値U、V、Wの内の2相が同一電圧になる点は、最大値または最小値から離れているために、図2(b)、(c)に示すような幅の狭いパルスPU1、PW1が発生することがなく、4倍のサージ電圧が出ることはない。
従って、出力周波数がf1以下(図7の斜線の部分)の場合は、キャリア周波数fTと出力周波数foを図6(a)のように同期させることなく、任意のキャリア周波数で、従来のインバータのPWM変調と同じように制御すれば良い。
【0055】
出力周波数が、3相指令値U、V、Wの電圧が三角波信号の最大値、最小値に達する周波数f1を越える場合、図2(b)、(c)に示すような幅の狭いパルスPU1、PW1が発生する可能性があり、式1の関係を保って同期させる制御を行う。
f2は式1においてN=41に設定した時の出力周波数foとキャリア周波数fTとの関係、f3は式1においてN=20に設定した時の出力周波数foとキャリア周波数fTとの関係であり、直線f2で出力周波数fo=60Hzの時はキャリア周波数fT=14,763Hz、直線f3で出力周波数fo=120Hzの時はキャリア周波数fT=14,403Hzとする。
また、直線f2で出力周波数fo=60Hzまで使用し、出力周波数fo=60Hzを越える時、直線f3に切り換えて出力周波数fo=120Hzまで使用するようにすることにより、出力周波数fo=120Hzまでキャリア周波数fTを7〜15kHzの間で制御が可能になる。
【0056】
ところで、上記説明では、U相,W相について述べたが、U相,V相またはV相,W相の場合も同様であり、その説明を省略する。
【0057】
また、上記説明では、ハードウエアで構成した回路構成による例で説明したが、等価的にソフトウエアによる演算によっても実現が可能である。
【0058】
また、上記説明ではPWM駆動装置としてPWMインバータ制御装置の例で説明したが、電動機を可変速制御するサーボ制御装置などにも使用できる。
【0059】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0060】
この発明のPWM駆動装置は、スイッチング素子をブリッジ接続し、直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部と、3相指令値と三角波信号との比較演算により、インバータ部のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を出力する制御部と、を有し、電動機を駆動制御するPWM駆動装置において、
制御部は、3相指令値の内2相の指令値が同一値になる時点を中心に、三角波信号の1周期以内である所定時間、同一値となった2相に該当するスイッチング素子の制御信号を停止するようにしたので、
運転中に大きさがスイッチング電圧の約4倍に相当するサージ電圧が発生しないPWM駆動装置を得ることができる。
【0061】
また、制御部は、PWM駆動装置と電動機とを接続するケーブルの長さを考慮した所定値を求め、3相指令値が最大値側にある場合は、三角波信号の最大値から所定値を減算して求めた第1の基準電圧と3相指令値と比較し、3相指令値が最小値側にある場合は、三角波信号の最小値から所定値を加算して求めた第2の基準電圧と3相指令値と比較することにより、スイッチング素子の制御信号を停止する時間を演算するようにしたので、
スイッチング素子の制御信号を停止する時間の変更が容易にできる。
【0062】
また、この発明のPWM駆動装置は、スイッチング素子をブリッジ接続し、直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部と、3相指令値と三角波信号との比較演算により、インバータ部のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を出力する制御部と、を有し、電動機を駆動制御するPWM駆動装置において、
制御部は、三角波信号の周波数を変更するとともに、3相指令値の内2相の指令値が振幅の最大側付近で同一値になる時点には三角波信号の振幅の最小値となるように、また3相指令値の内2相の指令値が振幅の最小側付近で同一電圧になる時点には三角波信号の振幅の最大値となるように、三角波信号の位相を制御するようにしたので、運転中に大きさがスイッチング電圧の約4倍に相当するサージ電圧が発生しないPWM駆動装置を得ることができる。
【0063】
さらに、制御部は、三角波信号の周波数をfT 、出力周波数をfo とした場合、下式により三角波信号の周波数を変更するようにしたので、三角波信号の周波数の所定の範囲内で、3相指令値の内2相の指令値が振幅の最大側付近で同一値になる時点には三角波信号の振幅の最小値となり、また3相指令値の内2相の指令値が振幅の最小側付近で同一電圧になる時点には三角波信号の振幅の最大値となる三角波信号を容易に得ることができる。
fT = (6N+3)f o (ただし、Nは0又は正の整数)
【0064】
さらにまた、制御部は、出力周波数が、3相指令値の電圧が三角波信号の最大値または最小値に達する周波数以上となる場合に、下式により三角波信号の周波数を変更するようにしたので、効率のよい制御ができる。
fT = (6N+3)f o (ただし、Nは0又は正の整数)
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るPWM駆動装置としてのPWMインバータ制御装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置の各種電圧波形を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るインバータ制御装置の運転中における各種電圧波形を示す図で、電圧パルスの出力を停止する区間であるパルス幅TX と他の電圧波形との関係を示すものである。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るPWMインバータ制御装置において、3相指令値の内2相の指令値電圧が一致した時で、かつ三角波信号の頂点が重なった時tsg1に、パルス幅TX の区間だけ出力を停止する補正処理を実行した場合の各種電圧波形を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係るPWMインバータ制御装置としてのPWMインバータ制御装置の構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に係るPWMインバータ制御装置の各種電圧波形を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態3に係るPWMインバータ制御装置における出力周波数foとキャリア周波数fTとの関係を示したものである。
【図8】 従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムの構成を示す図である。
【図9】 従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムにおいて、長さ300mのケーブル35を使用した時のインバータ制御装置30および電動機36の端子電圧波形を示す図である。
【図10】 従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムにおいて、長さ100mのケーブル35を使用した時のインバータ制御装置30および電動機36の端子電圧波形を示す図である。
【図11】 従来のインバータ制御装置による電動機駆動システムにおいて、インバータ制御装置の運転時におけるインバータ制御装置30および電動機36の端子電圧波形を示す図である。
【図12】 従来のインバータ制御装置の各種電圧波形を示す図である。
【図13】 従来のインバータ制御装置の運転中におけるインバータ制御装置30および電動機36の各種電圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1a、1b PWMインバータ制御装置、 2a、2b 制御部、 4〜6 比較器、 7〜9 比較器、 11〜16 NAND回路、 21、23、25AND回路、22、24、26 NAND回路、 27 キャリア周波数演算手段、 28 三角波発生器、 30 インバータ制御装置、 31 コンバータ部、 32 コンデンサ、 33 インバータ部、 34 制御部、 35 ケーブル、 36 電動機、 51 三角波発生器、 52,53,54 比較器、 55,56,57 NOT回路。
Claims (5)
- スイッチング素子をブリッジ接続し、直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部と、3相指令値と三角波信号との比較演算により、前記インバータ部のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を出力する制御部と、を有し、電動機を駆動制御するPWM駆動装置において、
前記制御部は、前記3相指令値の内2相の指令値が同一値になる時点を中心に、前記三角波信号の1周期以内である所定時間、前記同一値となった2相に該当する前記スイッチング素子の制御信号を停止するようにしたことを特徴とするPWM駆動装置。 - 前記制御部は、前記PWM駆動装置と前記電動機とを接続するケーブルの長さを考慮した所定値を求め、前記3相指令値が最大値側にある場合は、前記三角波信号の最大値から前記所定値を減算して求めた第1の基準電圧と前記3相指令値と比較し、前記3相指令値が最小値側にある場合は、前記三角波信号の最小値から前記所定値を加算して求めた第2の基準電圧と前記3相指令値と比較することにより、前記スイッチング素子の制御信号を停止する時間を演算するようにしたことを特徴とする請求項1記載のPWM駆動装置。
- スイッチング素子をブリッジ接続し、直流電力を可変周波数、可変電圧の交流電力に変換するインバータ部と、3相指令値と三角波信号との比較演算により、前記インバータ部のスイッチング素子をオン/オフ制御する制御信号を出力する制御部と、を有し、電動機を駆動制御するPWM駆動装置において、
前記制御部は、前記三角波信号の周波数を変更するとともに、
前記3相指令値の内2相の指令値が振幅の最大側付近で同一値になる時点には前記三角波信号の振幅の最小値となるように、また前記3相指令値の内2相の指令値が振幅の最小側付近で同一電圧になる時点には前記三角波信号の振幅の最大値となるように、前記三角波信号の位相を制御するようにしたことを特徴とするPWM駆動装置。 - 前記制御部は、前記三角波信号の周波数をfT 、出力周波数をfo とした場合、下式により前記三角波信号の周波数を変更するようにしたことを特徴とする請求項3記載のPWM駆動装置。
fT = (6N+3)f o (ただし、Nは0又は正の整数) - 前記制御部は、出力周波数が、前記3相指令値の電圧が前記三角波信号の最大値または最小値に達する周波数以上となる場合に、前記三角波信号の周波数を変更するようにしたことを特徴とする請求項3または請求項4記載のPWM駆動装置。
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