JP4032171B2 - エチレン/α−オレフィン共重合体 - Google Patents

エチレン/α−オレフィン共重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期クリープ性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合体に関する。さらに詳しくは、剛性と長期クリープ性のバランスに優れ、かつ成形加工性にも優れたエチレン/α−オレフィン共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン樹脂は、剛性、耐衝撃性、ESCR、伸び特性などの機械的性質に優れ、また、耐薬品性、耐腐食性、電気的性質にも優れるため、射出成形品、フィルム、シート、パイプ、ブロー容器などの分野で広く使用されている。
【0003】
しかしながら、最近は環境問題への配慮や取り扱い易さの観点から、製品の薄肉軽量化の要望が高く、肉厚を薄くしても充分な強度が得られ、かつ、ESCRなどの長期クリープ性にも優れたポリエチレン樹脂が望まれている。また、製品の生産性の観点からは、成形加工時の負荷が少なく、生産速度を高めることが可能であり、外観不良などの発生も少ない成形加工性に優れたポリエチレン樹脂が望まれている。
【0004】
一般に、肉厚を薄くして製品強度を維持するためには、剛性(即ちポリエチレンの密度)を高くすることが必要であるが、長期クリープ性は密度と相反する関係にあり、薄肉化に対応するためにポリエチレンの密度を高くするとESCRなどの長期クリープ性が不足する問題が生じる。また、成形加工性を向上させるには、基本的に分子量を低下させることが必要であるが、この場合も長期クリープ性が低下する。したがって、従来の技術では、剛性、成形加工性、長期クリープ性のすべてを満足するポリエチレン樹脂を得ることは困難であった。
【0005】
近年、低分子量成分と高分子量成分を別々に製造し、高分子量成分にのみコモノマーを導入することで、剛性、成形加工性、長期クリープ性のバランスが改良されたポリエチレン樹脂が開発されている。しかし、このような工夫を施した場合でも、高い剛性が要求される用途では、ESCRなどの長期クリープ性が不足し、長期クリープ性向上のために分子量を高くすることにより成形加工性が低下する問題が依然存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、従来のポリエチレンに比べて剛性、成形加工性、長期クリープ性のバランスに優れた、新規なエチレン/α−オレフィン共重合体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、実質的に1つの成分からなる分子量分布を有するエチレン/α−オレフィン共重合体の長期クリープ性は、該エチレン/α−オレフィン共重合体の密度および融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の分子量を有する成分が全分子量成分中に占める割合に依存することを見出した。
【0008】
さらに本発明では、特定のチーグラー・ナッタ触媒を使用して重合されたエチレン/α−オレフィン共重合体は、前記タイ分子が形成可能な分子量成分の割合が同じであっても、従来の樹脂に比べて長期クリープ性が優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、(1)MFRが0.01〜20g/10minであり、(2)密度が0.910〜0.960g/cm3であり、(3)繰り返し引張り疲労試験により、測定温度80℃、印加応力6MPaで測定した場合の破断に至るまでの繰り返し回数(N)と、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量−溶出量の関係において、密度と融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が
logN≧17.0Pc−1.00
Pc=(タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量)/全溶出量
なる関係を満足することを特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体であり、さらには、前記タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が0.150以上であることを特徴とする長期クリープ性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合体であり、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、特定のチーグラー・ナッタ触媒を用いたスラリー重合により得ることができる。
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明におけるエチレン/α−オレフィン共重合体に用いる炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等があげられ、これらを1種あるいは2種以上組合わせて使用することができる。これらのα−オレフィンのうち、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。
【0011】
なお、エチレン/α−オレフィン共重合体中に含まれる炭素数3〜20のα−オレフィン含量は、8wt%以下であることが好ましい。
【0012】
エチレン/α−オレフィン共重合体のMFRは、0.01〜20g/10minの範囲にある。MFRが0.01g/10min未満の場合は成形加工時における流動性が低下するとともに、未溶融ゲルを生じ易い、一方、MFRが20g/10minを越える場合は、機械的強度が低下するとともに、優れた長期クリープ性が得られない。エチレン/α−オレフィン共重合体のMFRの好ましい範囲は0.03〜10g/10minであり、さらに好ましくは0.05〜5g/10minである。
【0013】
エチレン/α−オレフィン共重合体の密度は、0.910〜0.960g/cm3の範囲にあることが必要である。密度が0.910g/cm3未満の場合は、本発明の目的とする剛性の高いエチレン/α−オレフィン共重合体が得られない。一方、密度が0.960g/cm3を越える場合は、長期クリープ性が不十分となる。エチレン/α−オレフィン共重合体の密度の好ましい範囲は0.915〜0.955g/cm3であり、さらに好ましくは0.920〜0.950g/cm3である。
【0014】
本発明におけるエチレン/α−オレフィン共重合体は、後に述べる金属マグネシウム、アルコール、チタンアルコキサイドから得られる均一溶液、酸素含有有機化合物およびハロゲン化有機アルミニウムを原料として調製されたチーグラー・ナッタ触媒を用いてスラリー重合法により製造することができる。
【0015】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、繰り返し引張り疲労試験により、測定温度80℃、印加応力6MPaで測定した場合の破断に至るまでの繰り返し回数(N)と、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量−溶出量の関係において、密度と融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が
logN≧17.0Pc−1.00
Pc=(タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量)/全溶出量
なる関係を満足することが必要である。
【0016】
ここで、繰り返し引張り疲労試験による破断に至るまでの繰り返し回数(N)は、実施例に示す試験方法により、全周にノッチを入れた試験片に80℃の温度条件下で、印加応力6MPa、周波数0.5Hzの矩形波により繰り返し負荷を加えることにより求めることができる。
【0017】
また、前述したタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)は、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体のGPC測定により得られる分子量−溶出量の関係において、Mc以上の溶出面積と全溶出面積の比から算出することができる。ここで、タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)は、J.Polym.Sci.,Polym.Phys.Ed.,29,129(1991)に記載されたタイ分子形成の考え方を参考として以下の方法により算出した。以下にその詳細を説明する。タイ分子は、溶融状態での分子鎖の広がり(分子末端間の平均距離:r)が、固体状態での結晶、非晶から成る臨界厚み(2Lc+La)より大きい場合に形成されるため、タイ分子が形成される臨界条件は次式(I)で表わせる。
【0018】
r=(2Lc+La) (I)
(式中、Lcは結晶厚みであり、Laは非晶厚みである。)
ポリエチレンの場合、rは分子量(M)との間に次式(II)の関係にある。
【0019】
r=1.066M0.5 (II)
式(II)を式(I)に代入すると式(III)が得られ、LcとLaをの値を求めることにより、式(III)からタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)を計算することができる。
【0020】
Mc=0.88(2Lc+La)2 (III)
また、LcはDSC測定により求められるエチレン/α−オレフィン共重合体の融点(Tm)から次式(IV)により算出できる。
【0021】
Lc=(6.26×414)/(414−Tm) (IV)
(ここで、Tmの単位は[K]である。)
LaはLcと結晶化度(Xc)から次式(V)により算出できる。
【0022】
La=(Lc(1−Xc))/Xc (V)
Xcは密度勾配管により測定されたエチレン/α−オレフィン共重合体の密度(d)から次式(VI)により算出できる。
【0023】
Xc=(d−0.86)/0.14d (VI)
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、繰り返し引張り疲労試験による破断に至るまでの繰り返し回数の対数(logN)が17.0Pc−1.00以上、好ましくは17.0Pc−0.80以上、さらに好ましくは17.0Pc−0.60以上である。該値が17.0Pc−1.00未満であると、長期クリープ性が不十分であり、剛性、成形加工性、長期クリープ性が高いレベルでバランスしたエチレン/α−オレフィン共重合体が得られない。
【0024】
また、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、前記タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が0.150以上、好ましくは0.200以上、さらに好ましくは0.225以上である。Pcが0.150未満の場合は、繰り返し引張り疲労試験による破断に至るまでの繰り返し回数が小さすぎて誤差が大きくなるとともに、本発明の目的とする長期クリープ性が不十分となる。
【0025】
次に、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体を得るための触媒および製造方法について説明する。本発明におけるエチレン/α−オレフィン共重合体は、後に述べる金属マグネシウム、アルコール、チタンアルコキサイドから得られる均一溶液、ジエーテル類およびハロゲン化有機アルミニウムを原料として調製されたチーグラー・ナッタ触媒を用いてスラリー重合法により製造することができる。
【0026】
ここで、本発明で好ましく用いられる金属マグネシウム、アルコール、チタンアルコキサイドから得られる均一溶液、ジエーテル類およびハロゲン化有機アルミニウムを原料として調製されるチーグラー・ナッタ触媒について、その調製例を説明する。
【0027】
本発明のチーグラー・ナッタ触媒の調製に用いる金属マグネシウム、アルコールとしては、以下のものがあげられる。
【0028】
まず、金属マグネシウムとしては各種の形状、すなわち粉末、粒子、箔またはリボンなど、いずれの形状のものも使用できる。
【0029】
アルコール類としては、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐鎖状の脂肪族アルコールまたは炭素数3〜18の脂環式アルコールが使用できる。例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、イソオクタノール、n−ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールなどがあげられる。
【0030】
これらのアルコールは、単独または2種類以上の混合物として使用される。単独で使用することはもちろんよいが、2種類以上の混合物として使用すると、重合体の粉体特性などに特異な効果を醸し出すことがある。
【0031】
加うるに、金属マグネシウムを使用して本発明で述べる均一溶液を得る場合、反応を促進する目的から、金属マグネシウムと反応したり、付加化合物を生成したりするような物質、例えばヨウ素、塩化第2水銀、ハロゲン化アルキル、有機酸エステルおよび有機酸などのような極性物質を、単独または2種類以上添加することが好ましい。
【0032】
チタンアルコキサイドとしては、好ましくは一般式[TiOa(OR1bmで表される化合物が使用される。ただし、該一般式においてR1は炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基などの炭化水素基を表わし、aとbとは、a≧0でb>0でチタンの原子価と相容れるような数を表わし、mは整数を表わす。特にaが0≦a≦1で、mが1≦m≦6であるようなチタンアルコキサイドを使用することが望ましい。
【0033】
具体的な例としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、ヘキサイソプロポキシジチタネートなどがあげられる。いくつかの異なる炭化水素基を有するチタンアルコキサイドの使用も本発明の範囲に入る。これらのチタンアルコキサイドは単独または2種類以上の混合物として使用される。
【0035】
エーテル類としては、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、ジメトキシブタン、ジエトキシエタン、ジエトキシプロパン、ジエトキシブタン、ジメトキシテトラヒドロフラン、ジメチルジメトキシプロパン、ジエチルジメトキシプロパン、ジブチルジメトキシプロパン、エチルブチルジメトキシプロパンがあげられる。
【0040】
重合反応中に溶媒への溶出割合が少なく、触媒の経時変化が少ないなどの理由から、好ましくは複数の酸素原子を含有するジエーテル類である。
【0041】
上記のジエーテル類は単独で用いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用することもできる。
【0042】
前記のハロゲン化有機アルミニウム化合物としては、一般式R2 zAlX3-zで示されるものが使用される。ただし、該一般式においてR2は炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、zは0<z<3の数、好ましくは0<z≦2の数を表わす。また、R2は直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、アリール基およびアルキルアリール基から選ばれることが好ましい。
【0043】
ハロゲン化有機アルミニウム化合物の具体例としては、例えばジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジプロピルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、イソブチルアルミニウムセスキクロライド、トリエチルアルミニウムと三塩化アルミニウムの混合物などがあげられる。
【0044】
上記ハロゲン化有機アルミニウム化合物は、単独または2種類以上の混合物として使用することができる。粉体性状をよくするためには2種類以上の混合物を用いることが好ましい。
【0045】
また、本発明のチーグラー・ナッタ触媒を調製する際に、触媒の粒子形状の制御、触媒活性の向上の目的で酸素含有ケイ素化合物を用いることもできる。
【0046】
酸素含有ケイ素化合物としては、ポリシロキサン類およびシラン類が用いられる。このうちポリシロキサンとしては、鎖状ポリシロキサンおよび環状ポリシロキサンがあげられる。
【0047】
具体的には、鎖状ポリシロキサンとしては、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサン、エチルヒドロポリシロキサン、ブチルヒドロポリシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、オクタフェニルトリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルヒドロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、1,5−ジクロロヘキサメチルトリシロキサン、1,7−ジクロロオクタメチルテトラシロキサン、ジメトキシポリシロキサン、ジエトキシポリシロキサン、ジフェノキシポリシロキサンなどがあげられる。
【0048】
また、環状ポリシロキサンとしては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラフェニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサンなどがあげられる。
【0049】
さらに、三次元構造を有するポリシロキサンとしては、例えば上記の鎖状または環状のポリシロキサンを加熱などにより架橋構造を持つようにしたものなどをあげることができる。
【0050】
これらのポリシロキサンは取扱上液状であることが望ましく、25℃における粘度が1〜10000センチトークス、さらに1〜1000センチトークスの範囲であることが望ましい。しかし、液状に限る必要はなく、シリコングリースと総括的に呼ばれるような固形物であってもさしつかえない。
【0051】
一方シラン類としては、具体的には、例えばトリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、テトラメチルジエトキシジシラン、ジメチルテトラエトキシジシランなどのアルコキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、ジクロロジフェニルシラン、トリブロモエトキシシランなどのハロアルコキシおよびフェノキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシランなどの脂肪酸残基を含むシラン化合物などがあげられる。このうちジメチルポリシロキサン、メチルヒドロポリシロキサンなどの鎖状ポリシロキサンや、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのアルコキシシランなどが好ましく用いられる。
【0052】
上記のケイ素化合物は単独で用いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用することもできる。
【0053】
本発明の均一溶液を製造する場合の金属マグネシウム、アルコールおよびチタンアルコキサイドの反応順序は、化学反応を生じる限り任意の順序で有り得る。例えば、金属マグネシウムとチタンアルコキサイドの混合物にアルコールを加える方法、金属マグネシウム、ジエーテル類、チタンアルコキサイドの存在下アルコールを加える方法、金属マグネシウム、アルコールの混合物にジエーテル類、チタンアルコキサイドを加える方法、金属マグネシウム、アルコールとジエーテル類の混合物に、チタンアルコキサイドを加える方法等があげられる。このような方法により上記の均一溶液を得ることができる。
【0054】
ここで、上記均一溶液とハロゲン化有機アルミニウムとの反応は、液体媒体中で行うことが好ましい。溶媒としては、当該技術分野で通常用いられるものはすべて使用できるが、脂肪族、脂環族もしくは芳香族炭化水素類、またはそれらのハロゲン誘導体、あるいはそれらの混合物があげられ、例えば、イソブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼンなどが好ましく用いられる。
【0055】
本発明で用いるマグネシウム、アルコール、チタンアルコキサイドの使用量は、金属マグネシウム(Mg)のグラム原子と前記チタンアルコキサイドのTiのグラム原子との原子比で、0.2≦Mg/Ti≦100、好ましくは1≦Mg/Ti≦30、特に好ましくは4<Mg/Ti≦20である。Mg/Tiが100を越えると、触媒調製の際に均一溶液を得ることが困難になったり、重合の際に触媒の活性が低くなるおそれがある。逆に0.2より小さすぎても触媒の活性が低くなる傾向があり、製品が着色するなどの問題を生ずることがある。
【0056】
前記ジエーテル類と前記Mgのモル比は、0.05≦Mg/ジエーテル類≦100、好ましくは0.1≦Mg/ジエーテル類≦10の範囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。Mg/ジエーテル類が100を越えると粉体特性の改良が十分なされないことがある。逆に0.05より小さすぎると触媒の活性が低くなるおそれがある。
【0057】
必要に応じて用いられる前記のケイ素化合物中のSiと前記Mgのモル比は、0.05≦Mg/Si≦100、好ましくは0.5≦Mg/Si≦10の範囲になるように使用量を選ぶことが好ましい。Mg/Siが100を越えると粉体特性の改良が十分なされないことがある。逆に0.05より小さすぎると触媒の活性が低くなるおそれがある。
【0058】
本発明の均一溶液とハロゲン化有機アルミニウムを反応させる場合、前記のハロゲン化有機アルミニウムの種類および使用量が適切に選択され、均一溶液から固体粒子を析出させる。特に反応初期に生成する結晶核の制御が適宜行なわれる必要がある。そのため、均一溶液とハロゲン化有機アルミニウム化合物の反応は好ましくは2段階に分けて行われる。2段階に分けて反応を行う場合、前段では結晶核となる固体粒子の析出反応を、後段では前段で析出した結晶核の成長反応を行う。このためには、前段と後段で用いるハロゲン化有機アルミニウム化合物の種類および使用量をそれぞれの段階に適したものとすることが必要である。より具体的には、前段の反応においてはハロゲン化有機アルミニウム化合物R2 zAlX3-zのZは1≦Z≦2、Mgに対する使用量(モル比)は0.5〜2.0、後段の反応においては各々0<Z<2、Mgに対する使用量(モル比)は1.0〜20とすることが好ましい。
【0059】
各段階の反応条件は特に限定的ではないが、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われる。
【0060】
前段と後段の反応は連続して行うことも、分断して前段の反応後に結晶析出を完結させるための熟成反応を実施することもできる。また、前段と後段での反応条件をそれぞれ変化させて行うこともできる。好ましくは前段の反応と後段の反応の間に熟成反応が行われる。
【0061】
ここで、熟成反応の条件は特に限定的ではないが、−50〜300℃、好ましくは0〜200℃なる範囲の温度で、0.5〜50時間、好ましくは1〜6時間、不活性ガス雰囲気中で常圧または加圧下で行われる。
【0062】
かくして得たチーグラー・ナッタ触媒は、残存する未反応物および副生成物を除去することなく、または濾過や傾斜法により除去してから用いることができる。
【0063】
上記チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合を実施する際には、通常、触媒活性の発現を促す目的で有機アルミニウム化合物を用いる。好ましくは直鎖もしくは分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を有する有機アルミニウム化合物があげられる。特に、直鎖もしくは分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウムの使用が好ましい。具体的には、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウムなどがあげられる。
【0064】
有機アルミニウム化合物としては、このほか炭素数1〜10のアルキル基を有するアルキル金属水素化物をあげることができる。このような化合物としては、具体的には、ジイソブチルアルミニウム水素化物などをあげることができる。また、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル金属ハライド、例えばエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドあるいはアルキル金属アルコキシド、例えばジエチルアルミニウムエトキシドなども使用できる。
【0065】
なお、炭素数1〜10のアルキル基を有するトリアルキルアルミニウムあるいはジアルキルアルミニウム水素化物と炭素数4〜20のジオレフィンとの反応により得られる有機アルミニウム化合物、例えばイソプレニルアルミニウムのような化合物を使用することもできる。
【0066】
上記の有機アルミニウム化合物は単独で用いてもよく、また2種以上を混合あるいは反応させて使用することもできる。
【0067】
また、分子量、分子量分布、組成分布を制御する目的で、電子供与性化合物を用いてもよい。
【0068】
電子供与性化合物を用いる場合、その化合物としては、エーテル化合物、有機酸エステル、ケイ素の酸素含有有機化合物、窒素含有有機化合物などが適当である。具体的には、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、ジメチルジメトキシプロパン、ジブチルジメトキシプロパン、安息香酸エチル、トルイル酸エチル、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルアミンなどがあげられる。
【0069】
本発明によるエチレン/α−オレフィン共重合体の製造は、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用いたスラリー法の一般的な反応条件で行うことができる。すなわち、連続式またはバッチ式で20〜110℃の温度で重合を行う。重合圧としては特に限定はないが、加圧下、特に0.15〜5MPaの使用が適している。重合を実施する際の溶媒としては、通常使用されているいかなるものも使用し得る。特に、炭素数3〜20のアルカンまたはシクロアルカン、例えばプロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどが適している。
【0070】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の重合に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどがあげられ、これらを1種あるいは2種以上組合わせて使用することができる。また、重合体中に二重結合を導入するために、α−オレフィンとブタジエン、イソプレンなどのジエン類との混合物を使用して共重合を行うこともできる。共重合に用いるα−オレフィンの使用量は、目的重合体の密度に合わせて選ぶことが必要である。
【0071】
本発明の実施にあたり、チーグラー・ナッタ触媒の使用量は、溶媒1l当たり、または反応器1l当たり、チタン原子0.001〜2.5ミリモルに相当する量で使用することが好ましく、条件により一層高い濃度で使用することもできる。
【0072】
有機アルミニウム化合物は、溶媒1l当たり、または反応器1l当たり、0.02〜50ミリモル、好ましくは0.2〜5ミリモルの濃度で使用される。
【0073】
本発明において生成するエチレン/α−オレフィン共重合体の分子量は、公知の手段、すなわち適当量の水素を反応系内に存在させるなどの方法により調節することができる。
【0074】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、得られた重合粉末を単軸あるいは多軸の押出機を用いて溶融混練する方法、あるいは、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの公知の混練装置を用いて溶融混練する方法が使用できる。
【0075】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、本発明で用いる触媒以外の触媒および製造法により得られたエチレン系重合体、例えば、本発明で用いる触媒以外のチーグラー・ナッタ触媒、シングルサイト系触媒、フィリップス型クロム系触媒により得られたエチレン系重合体、高圧ラジカル法により得られたエチレン系重合体などとブレンドして使用することもできる。
【0076】
さらに、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、必要に応じて各種添加剤、例えば、酸化防止剤、中和剤、滑剤、耐候剤、帯電防止剤、難燃剤、核剤、架橋剤(過酸化物等)、カーボンブラック、各種顔料およびタルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウムなどの各種無機フィラー、金属繊維のような導電性フィラーなどを配合することができる。
【0077】
本発明により得られるエチレン/α−オレフィン共重合体は、従来からポリエチレン樹脂の成形に用いられている公知の方法、例えば、押出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、射出成形、インフレーション成形、回転成形、真空成形などの方法によって成形することができる。
【0078】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。
【0079】
実施例および比較例中の各種測定方法を以下に示す。
【0080】
(1)繰り返し引張り疲労試験
(株)島津製作所製 商品名サーボパルサーEHF−ED10型を用いて、試験温度80℃、印加応力6MPaで周波数0.5Hzの矩形波(完全片振り状態)により試験片に繰り返し負荷を加えて、試験片が破壊するまでの繰り返し回数を測定した。測定試料は、融解温度190℃、成形温度60℃で圧縮成形により作製した厚み5mmの平板から、標線部の長さ20mm、幅5mmのダンベル状試験片を打ち抜き、試験片の中央部に深さ0.5mmのレザーノッチを全周に入れたものを使用した。
【0081】
(2)GPC
本発明におけるGPC測定は以下の条件で測定される。
[装置]東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HT
[測定条件]カラム:TSKgel GMHHR−H(20)HT×3本、溶離液:トリクロロベンゼン+酸化防止剤(BHT0.05%)、流速:1.0ml/分、試料濃度:1.0mg/ml、注入量:0.3ml、カラム温度:140℃、検出器:HLC−8121GPC/HT
(3)融点
[装置]セイコー電子工業(株)製 DSC200型
[測定条件]約5mgの試料を精秤し、230℃で5分間保持後、−10℃まで10℃/分で冷却した後、10℃/分で昇温した際に得られた吸熱ピークの極大値を融点とした。
【0082】
(4)密度
フード付きMI計を用いて、190℃、5kg荷重で押し出した試料を、フード内で5分間徐冷した後、23℃の密度勾配管により測定した。
【0083】
(5)ESCR
JIS K 6760に準拠して行った。試験液としては、日本油脂(株)製、商品名ノニオンNS−210の10wt%水溶液を使用した。
【0084】
以下に、実施例および比較例で用いた触媒の調製方法に関する説明をするが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。触媒調製例1は本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体を重合する際に好ましく用いられる触媒の調製例を示し、触媒調製例2は比較例に用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体を重合する際に用いた触媒の調製例を示す。
【0085】
触媒調製例1:チーグラー・ナッタ触媒(A)
攪拌装置を備えた10lのステンレス製オートクレーブに、2−エチル−1−ヘキサノール 385.5g(2.96モル)とn−ブタノール 219.4g(2.96モル)を入れ、これにヨウ素2.0g、金属マグネシウム粉末60g(2.47モル)およびチタンテトラブトキサイド166.8g(0.49モル)を加え、さらにヘキサン2.0lを加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で1時間攪拌した。引き続き120℃まで昇温して1時間反応を行い、MgとTiを含む均一溶液を得た。この均一溶液を45℃に冷却し、1,2−ジメトキシプロパン 51.0g(0.49モル)を加え、45℃で1時間熟成させた。オートクレーブの内温を45℃に保ち、イソブチルアルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液3063g(9.88モル)を2時間かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で1時間攪拌を行いTi含量6.6wt%のチーグラー・ナッタ触媒(A)を355.6g得た。得られた触媒(A)はヘキサンを用いて残存する未反応物および副生成物を除去した後、ヘキサンスラリーとして次の重合工程に用いた。
【0086】
触媒調製例2:チーグラー・ナッタ触媒(B)
攪拌装置を備えた10lのステンレス製オートクレーブに、イソプロパノール108.2g(1.80モル)とn−ブタノール 134.6g(1.82モル)を入れ、これにヨウ素2.0g、金属マグネシウム粉末40g(1.65モル)およびチタンテトラブトキサイド224.1g(0.66モル)を加え、さらにヘキサン2.0lを加えた後80℃まで昇温し、発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下で1時間攪拌した。引き続き120℃まで昇温して1時間反応を行い、MgとTiを含む均一溶液を得た。オートクレーブの内温を45℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロライドの30%ヘキサン溶液1.32kg(3.3モル)を1時間かけて加えた。すべてを加えた後、60℃で1時間攪拌した。45℃に冷却後、イソブチルアルミニウムジクロライドの50%ヘキサン溶液2.81kg(9.1モル)を2時間かけて加えた。すべてを加えた後、70℃で1時間攪拌を行いTi含量11wt%のチーグラー・ナッタ触媒(B)287.4gを得た。得られた触媒(B)はヘキサンを用いて残存する未反応物および副生成物を除去した後、ヘキサンスラリーとして次の重合工程に用いた。
【0087】
実施例1
内容積10lのステンレススチール製電磁撹拌式オートクレーブ内を十分窒素で置換し、ヘキサン6.0lを仕込み、内温を80℃に調節した。その後、トリイソブチルアルミニウム 1.15g(5.79ミリモル)および触媒調製例1の方法で得た触媒(A)50mgを含有するスラリーを順次添加した。オートクレーブ内圧を0.1MPaに調節した後、水素を0.4MPa加え、次いで1−ブテン 159gをエチレンで圧入し、オートクレーブ内圧が1.1MPaになるように、連続的にエチレンを加えながら1.5時間重合を行った。重合終了後冷却し、未反応ガスを追い出して重合体を取り出し、濾過により溶媒から分離して乾燥した。得られたエチレン/α−オレフィン共重合体のパウダーにイルガノックス1010(チバスペシャルティーケミカルズ社製:商品名)1000ppm、イルガフォス168(チバスペシャルティーケミカルズ社製:商品名)1000ppm、およびステアリン酸カルシウム1500ppmを配合して予備混合したのち、2軸押出機(ラボプラストミル、東洋精機(株)製)を用いて、スクリュー回転数20rpm、バレル設定温度220℃の条件で溶融混練を行い、エチレン/α−オレフィン共重合体のペレットを得た。得られたペレットのMFRは0.57g/10min、密度は0.9302g/cm3、融点は123.3℃であった。エチレン/α−オレフィン共重合体の特性値を表1に示す。
【0088】
比較例1
実施例1で用いた触媒に代えて、触媒調製例2の方法で得た触媒(B)50mgを含有するスラリーを順次添加した以外は実施例1と同様の方法によりエチレン/α−オレフィン共重合体ペレットを得た。得られたペレットのMFRは1.73g/10min、密度は0.9331g/cm3、融点は124.0℃であった。エチレン/α−オレフィン共重合体の特性値を表1に示す。
【0089】
実施例2
実施例1の1−ブテンの仕込み量を159gから39gに代えた以外は実施例1と同様の方法によりエチレン/α−オレフィン共重合体ペレットを得た。得られたペレットのMFRは2.46g/10min、密度は0.9317g/cm3、融点は124.4℃であった。エチレン/α−オレフィン共重合体の特性値を表1に示す。
【0090】
【表1】
Figure 0004032171
【発明の効果】
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体は、優れた長期クリープ性を有するため、従来のポリエチレンに比べて剛性、成形加工性と長期クリープ性のバランスを高度に改良することが可能であり、パイプ、シート、テープ、被覆材、産業資材などの押出成形用材料、洗剤容器、薬品容器、医療容器、食品容器、各種産業資材などの中空成形用材料、家電用部品、工業用部品、コンテナ、雑貨などの射出成形用材料、各種フィルム材料、各種繊維材料など幅広い用途の材料として好適である。

Claims (3)

  1. 金属マグネシウム、アルコール、一般式[TiO (OR (ただし、該一般式においてR は炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、aとbとは、a≧0でb>0でチタンの原子価と相容れるような数を表わし、mは整数を表わす。)で表わされるチタンアルコキサイドから得られる均一溶液に、ジメトキシエタン、ジメトキシプロパン、ジメトキシブタン、ジエトキシエタン、ジエトキシプロパン、ジエトキシブタン、ジメトキシテトラヒドロフラン、ジメチルジメトキシプロパン、ジエチルジメトキシプロパン、ジブチルジメトキシプロパン、エチルブチルジメトキシプロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種のジエーテル類および一般式R AlX 3−z (ただし、該一般式においてR は炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、zは0<z<3の数を表わす。)で表されるハロゲン化有機アルミニウムを反応させ調製されたチーグラー・ナッタ触媒を用いてスラリー重合法により製造され、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとからなり、(1)MFRが0.01〜20g/10minであり、(2)密度が0.910〜0.960g/cmであり、(3)繰り返し引張り疲労試験により、測定温度80℃、印加応力6MPaで測定した場合の破断に至るまでの繰り返し回数(N)と、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量−溶出量の関係において、密度と融点から算出されるタイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が
    logN≧17.0Pc−1.00
    Pc=(タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量)/全溶出量
    なる関係を満足することを特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体。
  2. タイ分子が形成可能な臨界分子量(Mc)以上の溶出量と全溶出量の比(Pc)が0.150以上であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体。
  3. α−オレフィンが、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体。
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