JP4031879B2 - 銅の電解精製方法 - Google Patents
銅の電解精製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4031879B2 JP4031879B2 JP32794598A JP32794598A JP4031879B2 JP 4031879 B2 JP4031879 B2 JP 4031879B2 JP 32794598 A JP32794598 A JP 32794598A JP 32794598 A JP32794598 A JP 32794598A JP 4031879 B2 JP4031879 B2 JP 4031879B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- current density
- copper
- time
- current
- positive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Landscapes
- Electrolytic Production Of Metals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅の電解精製方法に関し、とくに、周期的反転電流(periodic-reverse current)を通電して銅を電解精製する方法に関する。
なお、以下では適宜、「周期的反転」を「PR」と略称する。
【0002】
【従来の技術】
銅などの非鉄金属の電解精製工程では、生産性を向上させるために高電流密度操業が指向される。
通常の直流電解法では、300A/m2 程度以上に電流密度を上げるとアノード側で不働態化が生じて溶出が抑制され、またカソードへの析出が不均一になって電気銅(電析製品)表面に皺や瘤が発生し不純物がトラップされて銅品位が低下するなどの不具合が顕著になるため、工業的に使用可能な電流密度は300A/m2 程度までが限度である。これに対し、PR電解法によれば、アノード側の不働態化を防止でき、さらに一段と高い電流密度で電解することができるといわれており、このPR電解法を銅電解精製に適用して高電流密度操業を行うことが試みられている。なお、一般にPR電解の電流反転時間は1回当たり数分の1秒〜数秒であり、例えば東北大学選研イ報第25巻第2号 155頁には4秒で行った例が示されている。
【0003】
しかし、漫然とPR電解を行うのでは、電気銅の外観品質が直流電解の場合に比べて劣化する傾向があり、これを防止するためのPR通電条件が近年提案されている。
例えば、特開平10−88381 号公報には、15分〜1時間に1回の割合で電流を反転させ、逆方向の通電電流密度(反転電流密度)を正方向の通電電流密度(正電流密度)よりも高く(好適範囲:450 〜500 A/m2)維持し、逆方向から正方向に切り替わる間に一定の通電停止時間(好適範囲:30秒以上 100秒未満)を設けることを特徴とする銅電解精製方法が提案され、正電流密度を 360A/m2に高めた実施例が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平10−88381 号公報の方法では、正電流密度を 360A/m2よりもさらに高くすると電気銅表面の皺や瘤の発生を抑制できなくなる。また、この方法では、正極復帰時に長時間の停電期間を設ける必要があるため稼働率が低下する。また、周期的にカソードからの溶出を促進する反転電流密度を正電流密度よりも高くする必要があるため電流の有効利用および設備コストの面で不利である。
【0005】
これらの問題点に鑑み、本発明は、PR電解の正電流密度を360A/m2 超としても電気銅に皺や瘤を発生させず、しかも正極復帰時に停電期間を設ける必要がなく、また、反転電流密度を正電流密度以下として生産性を向上させて操業できる銅の電解精製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅を周期的反転電流により電解精製するにあたり、正電流密度を 360A/m 2 超とし、反転電流密度を正電流密度の 0.5 〜 1.0 倍とし、反転電流の通電時間を60秒以上/回とし、正極復帰時に停電期間を設けず、正電流の通電時間を1200〜3000秒/回として通電することを特徴とする銅の電解精製方法である。
【0007】
なお、本発明では、アノードに正電圧、カソードに負電圧を印加して通電する電流を正電流、その逆を反転電流という。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では、銅のPR電解において、反転電流の通電時間を60秒以上/回、正電流の通電時間を1200〜3000秒/回に規制する。正電流密度は 360A/m 2 超とする。
反転電流を1回あたり60秒未満の時間通電しても皺や瘤の発生が十分抑制されないが、60秒以上通電すれば皺や瘤さらには縁部の粒の発生が顕著に抑制される。しかも極性切り替えの際に停電時間を設けない。このため反転電流の通電時間を60秒以上/回に制限した。
【0009】
反転電流の通電時間を60秒以上/回とすることで電気銅の表面性状が改善される理由は、正電流通電時に電極表面近傍で不均一に形成される電解液の電解質濃度勾配(アノード近傍でのCuイオン過剰とカソード近傍でのCuイオン欠乏)が、反転電流を60秒以上通電し続けることにより打ち消され、電解質濃度が均一になるためと考えられる。また、この60秒以上という時間は、電解槽中のアノード〜カソード間にある電解液の自然対流(アノード側は下降流、カソード側は上昇流)を観察してみると、この自然対流がほぼ停止する時間に対応する。したがって電解の操業条件を変えた場合には、この自然対流の状況をみて反転電流の通電時間を決めてやればよい。
【0010】
また、本発明では1回当たりの反転電流の通電時間が長いため、カソード表面の皺や瘤といった凸部からの銅の優先的溶出が進むことで元の平坦な表面形状に復帰し、電気銅表面の皺や瘤の生成を抑制していると考えられる。とはいえ、反転電流の通電時間は、これを無制限に長くするのは生産性を低下させるので、120 秒程度以下/回とするのが好ましい。
【0011】
一方、正電流の通電時間を上記のように規制する理由は、これが1回当たり1200秒未満ではカソードへの電着量が不足して生産性が低下し、一方、3000秒を超えるとカソードへの電着不均一傾向が増大して反転電流通電によっても元の平坦な表面状態への復帰が困難で、皺や瘤をなくすことが難しくなるとともに、とくに縁部に粒が多発して電気銅の形状が悪化するためである。
【0012】
反転電流密度は、正電流密度の1.0 倍以下で十分である。1.0 倍超えとしても皺や瘤の発生抑制効果は飽和し、電力の浪費となるだけである。ただし、反転電流密度が正電流密度の0.5 倍を下回る範囲では、反転電流密度の低下に伴って前記効果が次第に弱まってくる。このため、本発明では、反転電流密度を正電流密度の0.5 〜1.0 倍とする。
【0013】
【実施例】
精製鋳造アノード47枚と銅カソード46枚を電解槽に装入し、PR通電条件を種々変更して1通電条件につき合計210 時間のPR電解精製を行い、各PR通電条件で得られた電気銅について、目視観察により、皺や瘤の発生がなかった平滑部分の面積率と縁部での粒発生状況(重度、中度、軽度の3段階評価)を調査した。
【0014】
電極と電解槽のサイズ、各PR通電条件に共通の電解条件を表1に示す。同表に示すように、このPR電解精製では正電流密度(DK+ )450A/m2 の高電流密度操業を行った。また、正電流通電時間(T+ )、反転電流通電時間(T- )の組合せ、および反転電流密度(DK- )は、表2に示すように各条件毎に変更した。また、停電期間は設けていない。
【0015】
結果を表2に示す。なお、表2には同一PR条件の複数枚のうちの最低値を示している。同表に示すように、T+ とT- とを本発明範囲内に維持した実施例あるいは参考例では電気銅表面全体の88%以上が平滑面になり、粒発生程度も軽度であった。一方、T+ とT- とを本発明範囲外とした比較例では、電気銅表面全体の高々84%までしか平滑にならず、粒発生程度も中度より良くはならなかった。
【0016】
また、実施例あるいは参考例の中での比較では、反転電流密度と正電流密度の比(DK- /DK+ )が0.5 以上のものの方が0.5 未満のものよりも良好であり、DK- /DK+ が1.0 を超えても1.0 以下に比べて有意差がなかった。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、銅の電解精製において高電流密度で操業しても外観品質を悪化させずに電気銅を生産できるようになるという優れた効果を奏する。
また、表面状態が従来よりも一段と良好になるため、カソード析出を滑らかにするための添加剤量も減らすことができ、それにより電圧が下がることから、電力原単位も削減することができる。
【0020】
さらに、正電流の通電時間が長くて反転電流密度が正電流密度の0.5 〜1.0 倍であり、また電流の停止時間も不要なことから、生産性も向上させることができる。
Claims (1)
- 銅を周期的反転電流により電解精製するにあたり、正電流密度を 360A/m 2 超とし、反転電流密度を正電流密度の 0.5 〜 1.0 倍とし、反転電流の通電時間を60秒以上/回とし、正極復帰時に停電期間を設けず、正電流の通電時間を1200〜3000秒/回として通電することを特徴とする銅の電解精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32794598A JP4031879B2 (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 銅の電解精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32794598A JP4031879B2 (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 銅の電解精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000144473A JP2000144473A (ja) | 2000-05-26 |
JP4031879B2 true JP4031879B2 (ja) | 2008-01-09 |
Family
ID=18204776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32794598A Expired - Fee Related JP4031879B2 (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 銅の電解精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4031879B2 (ja) |
-
1998
- 1998-11-18 JP JP32794598A patent/JP4031879B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000144473A (ja) | 2000-05-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4140596A (en) | Process for the electrolytic refining of copper | |
JP4031879B2 (ja) | 銅の電解精製方法 | |
JP5669995B1 (ja) | Au含有ヨウ素系エッチング液の処理方法、および処理装置 | |
JPS61290669A (ja) | 亜鉛―ハロゲン二次電池の運転方法 | |
JP3097824B2 (ja) | 銅電解精製における長周期パルス電解操業方法 | |
US2923671A (en) | Copper electrodeposition process and anode for use in same | |
JP5747441B2 (ja) | 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP3761074B2 (ja) | 銅の電解精製方法 | |
JP3063636B2 (ja) | 銅電解精製方法 | |
JP2778664B2 (ja) | 印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
CA1174199A (en) | Bipolar refining of lead | |
JPS5913097A (ja) | 電気メツキ用不溶性陽極材料 | |
JP3256105B2 (ja) | 印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
US4746409A (en) | Process for stopping and restarting an electrolytic refining installation | |
JP2006002225A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔および電解コンデンサ | |
JP2778661B2 (ja) | 印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JPH1112777A (ja) | 銅電解精製法 | |
JP2009102723A (ja) | 非鉄電解精製方法 | |
JP4832779B2 (ja) | 平版印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JPH10223485A (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 | |
JPH09217190A (ja) | 電解精製における通電方法 | |
JPH07316867A (ja) | 銅電解精製時の種板作製用母板の表面処理方法 | |
JPH09213585A (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 | |
JP2778666B2 (ja) | 印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 | |
JP2777349B2 (ja) | 印刷版用アルミニウム合金板及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050104 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050707 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070220 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070419 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071016 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071022 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |