JP4031734B2 - 軸流圧縮機及びそのスラストバランスディスクへの抽気方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料ガス圧縮機などの軸流圧縮機と、そのスラストバランスディスクへの抽気方法とに関し、特に、スラストバランスディスクの過度の昇温による破損を防止することができる軸流圧縮機と、その抽気方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の軸流圧縮機の一例として、図5に示す燃料ガス圧縮機を参照して以下に説明を行う。なお、同図は、燃料ガスを圧縮する圧縮部1の最下流位置を含む部分を示す部分断面図である。
同図に示すように、燃料ガス圧縮機の圧縮部1には、ケース2側の各ケースリング2a内に固定された複数枚の静翼3と、各ロータディスク4の周囲に同軸に取り付けられた複数枚の動翼5とが備えられており、これら静翼3及び動翼5が、各ロータディスク4の回転軸線方向に交互に配置され、各ロータディスク4の回転によって矢印方向に燃料ガスf1を圧送する構成となっている。
【0003】
このとき、燃料ガスf1の圧送に伴う反力としてのスラスト力が各ロータディスク4に対して加わり、これらロータディスク4を含む軸体を、燃料ガスf1の流れ方向と逆方向(すなわち、紙面左方向)に向かって動かそうとする。この大きなスラスト力を軸受のみで保持しようとすると、大型の軸受が必要になってしまうため、これを避けるためにスラストバランスディスク6が、前記各ロータディスク4と同軸に複数枚設けられている。これらスラストバランスディスク6は、圧縮部1で圧縮された燃料ガスf1の一部を抽気f2として取り入れることで、前記スラスト力に対向する反スラスト力を発生させるものであり、前記スラスト力を減じることが可能となっている。
【0004】
これらスラストバランスディスク6の周囲には、ケース2の内部に取り付けられた他のケースリング2bが配置されており、該ケースリング2bの内周面との間には、抽気f2の漏れ量を低減させるラビリンスシール7が複数設けられている。ケースリング2bの上流側(紙面左側)には、主流である燃料ガスf1と、抽気f2との間を仕切る仕切壁2b1が形成されており、該仕切壁2b1を間として、内周側に抽気流路8が形成され、外周側にディフューザ9が形成されている。
【0005】
ディフューザ9は、その上流側から下流側に向かって流路断面積が大きくなる流路であり、圧縮部1から圧送された燃料ガスf1を減速させて圧力回復させるものとなっている。そして、ディフューザ9から出た燃料ガスf1は、ケース2の外部に向かって吐出されていく。
一方、抽気流路8内を流れる抽気f2は、各スラストバランスディスク6に向かい、これらスラストバランスディスク6及び各ロータディスク4を紙面右方向に向かって押し付ける反スラスト力を発生させる。さらに、この抽気f2は、各スラストバランスディスク6の外周と、各ラビリンスシール7との間を流れるシールガスとなり、回収されていく。
なお、この種の燃料ガス圧縮機の抽気構造の例としては、下記特許文献1,2にも開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−284687号公報
【特許文献2】
特開2000−356139号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来の燃料ガス圧縮機は、以下に説明する問題を有していた。すなわち、各スラストバランスディスク6は、抽気f2を受けて反スラスト力を発生させる関係上、十分な機械強度を保有していることを必須とするが、抽気f2が、抽気流路8を通る際の風損と、各ラビリンスシール7を通過する際の風損とにより高温化するため、各スラストバランスディスク6を加熱してその機械強度を低下させる恐れがあるという問題である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、抽気からの過度の加熱によるスラストバランスディスクの機械強度低下を防止することが可能な軸流圧縮機と、そのスラストバランスディスクへの抽気方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1に記載の軸流圧縮機は、被圧縮ガスを圧縮する圧縮部と、上流側から下流側に向かって流路断面積が拡大され、前記圧縮部からの前記被圧縮ガスを減速させて圧力回復させて、少なくとも圧縮部を収容するケースの外部に向かって前記被圧縮ガスを吐出させるディフューザと、前記圧縮部を経た後の前記被圧縮ガスの一部を抽気として受け、前記圧縮部が前記被圧縮ガスの圧送による反力として受けるスラスト力に対向する、反スラスト力を発生させるスラストバランスディスクとを備えた軸流圧縮機において、前記ディフューザを経た後の前記被圧縮ガスの一部を、前記ディフューザの出口における前記被圧縮ガスの吐出方向に対して相反する方向に流れる前記抽気として前記スラストバランスディスクに導く抽気流路が設けられていることを特徴とする。
上記請求項1に記載の軸流圧縮機によれば、抽気によりスラストバランスディスクを効果的に冷却することができるようになる。すなわち、従来では、圧縮部を経た直後の不均一温度分布を有する被圧縮ガスの一部を、ディフューザを介さずに直接、スラストバランスディスクに導入する構成であったため、スラストバランスディスクに到達するまでに抽気が風損により昇温してしまい、スラストバランスディスクを加熱してしまう恐れがあった。これに対し、本発明では、ディフューザを経て十分に混合することで温度分布が均一化され、なおかつ従来のような風損を伴わないディフューザ出口から抽気を取り出す構成であるため、従来よりも比較的低い温度の抽気をスラストディスクに供給することができるようになる。
【0010】
請求項2に記載の軸流圧縮機は、請求項1に記載の軸流圧縮機において、前記抽気が、前記スラストバランスディスクに対して、その回転方向と同一の周方向に向かって流れるように供給されることを特徴とする。
上記請求項2に記載の軸流圧縮機によれば、従来のように、高速回転するスラストバランスディスクに対して、相対速度の遅い抽気を直接供給してしまうと、抽気が風損を生じて昇温するため、スラストディスクを過度に加熱してしまう恐れがある。これに対し、本発明では、スラストバランスディスクと同一回転方向に向かって沿わせるように抽気を供給するものであるため、抽気とスラストバランスディスクとの間の相対速度差を小さく抑えることができるようになる。このときのスラストバランスディスクが感じる(受ける)抽気温度は、静温であり、全温から動温を差し引いた分だけ温度が低いので、効果的にスラストバランスディスクを冷却することができるようになる。また、同一の周方向に流れる抽気の力を受けることにより、圧縮部を駆動するのに要する動力を減らすこともできるようになる。
【0011】
請求項3に記載の軸流圧縮機は、請求項2に記載の軸流圧縮機において、前記抽気が、TOBIノズル(Tangential OnBoard Injection Nozzle)を介して供給されることを特徴とする。
上記請求項3に記載の軸流圧縮機によれば、スラストバランスディスクに対してより確実に沿わせるように抽気を供給することができるようになる。
【0012】
請求項4に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法は、被圧縮ガスを圧縮する圧縮部と、上流側から下流側に向かって流路断面積が拡大され、前記圧縮部からの前記被圧縮ガスを減速させて圧力回復させて、圧縮部を収容したケースの外部に向かって前記被圧縮ガスを吐出させるディフューザと、前記圧縮部を経た後の前記被圧縮ガスの一部を抽気として受け、前記圧縮部が前記被圧縮ガスの圧送による反力として受けるスラスト力に対向する、反スラスト力を発生させるスラストバランスディスクとを備えた軸流圧縮機の、前記スラストバランスディスクに対して前記抽気を供給する方法において、前記ディフューザを経た後の被圧縮ガスの一部を、前記ディフューザの出口における前記被圧縮ガスの吐出方向に対して相反する方向に流れる前記抽気として前記スラストバランスディスクに導くことを特徴とする。
上記請求項4に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法によれば、請求項1と同様に、抽気によってスラストバランスディスクを効果的に冷却することができるようになる。
【0013】
請求項5に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法は、請求項4に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法において、前記抽気を、前記スラストバランスディスクに対して、その回転方向と同一の周方向に向かって流すように供給することを特徴とする。
上記請求項5に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法によれば、請求項2と同様に、効果的にスラストバランスディスクを冷却することができるようになるとともに、圧縮部を駆動するのに要する動力を減らすこともできるようになる。
【0014】
請求項6に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法は、請求項5に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法において、前記抽気を、TOBIノズルを介して供給することを特徴とする。
上記請求項6に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法によれば、請求項3と同様に、スラストバランスディスクに対してより確実に沿わせるように抽気を供給することができるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の軸流圧縮機、及び、そのスラストバランスディスクへの抽気方法の一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないことは勿論である。ここで、図1は、本実施形態の軸流圧縮機を示す図であって、圧縮部の最下流位置を含む要部を、回転軸線を含む断面で見た場合の部分断面図である。また、図2は、同軸流圧縮機の同要部の一部を示す図であって、図1のA部拡大断面図である。また、図3は、同軸流圧縮機の同要部を示す図であって、図1のB−B断面図である。また、図4は、同軸流圧縮機の同要部を示す図であって、図1のC−C断面図である。
なお、本実施形態の説明においては、本発明の軸流圧縮機が、燃料ガスを圧送する燃料ガス圧縮機である場合を例に説明を行うものとする。
【0016】
図1に示すように本実施形態の燃料ガス圧縮機には、燃料ガスF(被圧縮ガス)を圧縮する圧縮部10と、該圧縮部10からの燃料ガスFを減速させて圧力回復させるディフューザ20と、圧縮部10を経た後の燃料ガスFの一部を抽気cとして受け、圧縮部10が燃料ガスFの圧送による反力として受けるスラスト力TFに対向する、反スラスト力BFを発生させる複数枚のスラストバランスディスク30と、これらを内部に収容するケース40とが備えられている。
なお、以下の説明においては、燃料ガスFの流れ方向上流側(図1の紙面左側)を「上流側」とし、燃料ガスFの流れ方向下流側(図1の紙面右側)を「下流側」として説明を行うものとする。また、圧縮部10及び各スラストバランスディスク30の回転軸線方向(図1の紙面左右方向)を「軸線方向」として説明を行うものとする。
【0017】
圧縮部10には、複数枚のロータディスク11と、これらロータディスク11の周囲に同軸に取り付けられた複数枚の動翼12と、前記ケース40側の各ケースリング40a内に固定された複数枚の静翼13とが備えられており、これら静翼12及び動翼13が、各ロータディスク11の回転軸線方向に交互に配置され、各ロータディスク11の回転によって矢印方向に燃料ガスFを圧送する構成となっている。
【0018】
各ロータディスク11の外周と各ケースリング40aの内周との間に形成される圧縮流路14の形状は、上流側から下流側に向かって徐々に狭くなる形状となっている。
各静翼13は、各ケースリング40aそれぞれの内周面に対して、前記軸線を中心とする周方向に並んで固定されており、なおかつ、軸線方向で見た場合に、前記各動翼12と交互に配置されるようになっている。
そして、各ロータディスク11が回転することによって各動翼12も回転するため、圧縮流路14内の燃料ガスFを下流側に向かって圧送する流れ(主流)を生じせしめるものとなっている。
【0019】
ディフューザ20は、その上流側から下流側に向かって流路断面積が大きくなる流路であり、圧縮部10から圧送された燃料ガスFを減速させて圧力回復させるものとなっている。そして、ディフューザ20から出た燃料ガスFは、ケース40の外部に向かって吐出されていく。
【0020】
各スラストバランスディスク30は、圧縮部10で圧縮された燃料ガスFの一部を抽気cとして取り入れることで、前記スラスト力TFに対向する反スラスト力BFを発生させるものであり、スラスト力TFを減じることが可能となっている。
これらスラストバランスディスク30の周囲には、ケース40の内部に取り付けられた他のケースリング(圧縮部10の下流側に配置された環状部品であり、前記各ケースリング40aと区別するために、符号40bを与えて以下に説明を行う)が配置されており、該ケースリング40bの内周面との間には、抽気cの漏れ量を低減させるラビリンスシール31が複数設けられている。ケースリング40bの上流側(紙面左側)には、主流である燃料ガスFと、抽気cとの間を仕切る仕切壁40b1が形成されており、該仕切壁40b1の外周面と、前記ケースリング40aの内周面との間に、前記ディフューザ20が形成されている。
【0021】
そして、本実施形態の燃料ガス圧縮機では、ディフューザ20を経た後の燃料ガスFの一部を、前記抽気cとして各スラストバランスディスク30に導く抽気流路50を設けた点が、特に特徴的となっている。
この抽気流路50によれば、抽気cにより各スラストバランスディスク30を効果的に冷却することができるようになっている。すなわち、従来では、前記圧縮部1を経た直後の、前記軸線方向を中心とする径方向に不均一温度分布を有する燃料ガスf1の一部を、ディフューザ9を介さずに直接、各スラストバランスディスク6に導入する構成であったため、各スラストバランスディスク6に到達するまでに抽気cが風損により昇温してしまい、各スラストバランスディスク6を加熱してしまう恐れがあった。これに対し、本実施形態では、ディフューザ20を経て十分に混合することで温度分布が均一化され、なおかつ従来のような風損を伴わないディフューザ20の出口から抽気cを取り出す構成であるため、従来よりも比較的低い温度の抽気cを各スラストディスク30に供給することができるようになる。
【0022】
抽気流路50は、図2に示すように、前記ケースリング40bに形成された貫通孔51と、該貫通孔51内に固定されたTOBIノズル(Tangential OnBoard Injection Nozzle)52とにより構成されている。なお、この抽気流路50は、各スラストバランスディスク30の軸線を中心とした周方向に、互いに等角度間隔をおいて配置されている。
【0023】
各貫通孔51は、前記軸線を中心とする半径方向に形成された孔であり、その入口部分には、抽気cが取り込みやすいようにアール加工が施されている。そして、これら貫通孔51の出口側には、TOBIノズル52がそれぞれ挿通された状態で溶接固定されている。
各TOBIノズル52は、図3に示すように、略J字形をなす配管部品であり、溶接52aによって固定された側と反対側の吐出口52bが、先細りに絞られた流路形状となっている。これにより、貫通孔51から導入された抽気cが、一定断面積の流路内を流れながらTOBIノズル52内に導入され、略直角に向きを変えながら吐出口52bに向かい、該吐出口52bでその流路が絞られることによって加速し、TOBIノズル52の外部に吐出されるものとなっている。
【0024】
また、各TOBIノズル52の吐出口52bの向きは、図3及び図4に示すように、各スラストバランスディスク30の回転方向と同一の周方向に向かって抽気cを流すように配置されている。各スラストバランスディスク30への抽気方法をこの様にすることで、抽気cと各スラストバランスディスク30との間の相対速度差を小さく抑えることができるようになる。このときの各スラストバランスディスク30が感じる(受ける)抽気温度は、静温であり、全温から動温を差し引いた分だけ温度が低いので、効果的に各スラストバランスディスク30を冷却することができるようになる。
【0025】
さらには、各スラストバランスディスク30は、同一の周方向に流れる抽気cの力を受けることにより、圧縮部10を駆動するのに要する動力を減らすこともできるようになっている。すなわち、回転する各スラストバランスディスク30に対し、これらの回転をアシストするように抽気cが吹き付けられるので、これらスラストバランスディスク30と同軸をなす前記各ロータディスク11を回転させるのに要する動力が少なくて済むようになる。
【0026】
以上説明の構成を有する本実施形態の燃料圧縮機における抽気cの一連の流れについて、以下に説明する。
まず、各ロータディスク11及び各スラストバランスディスク30からなる回転体を、その軸線回りに回転させると、燃料ガスFが圧縮流路14内において圧縮作用を受けながらそのままディフューザ20内へと導入されていく。この時の燃料ガスFは、前記回転体を上流側に向かって押し退けるようなスラスト力TFを発生させる。
【0027】
ディフューザ20から吐出された燃料ガスFは、そのままケース40の外部に吐出されるが、そのうちの一部が、抽気cとして抽気流路50内に取り込まれる。抽気流路50内を流れる抽気cは、TOBIノズル52によってその流れの向きが軌道修正され、各スラストバランスディスク30に対して、その回転に沿うように吹き付けられる。そして、抽気cは、各スラストバランスディスク30の冷却及び回転のアシストを行いながら、各スラストバランスディスク30の外周と、各ラビリンスシール31との間を流れるシールガスとなり、回収されていく。
【0028】
以上説明の本実施形態の燃料圧縮機、及び、その各スラストバランスディスク30への抽気方法の効果を以下にまとめる。
すなわち、本実施形態の燃料圧縮機は、ディフューザ20を経た後の燃料ガスFの一部を、抽気cとして各スラストバランスディスク30に導く構成/方法を採用した。これによれば、ディフューザ20を経た後の比較的低い温度の燃料ガスFを、抽気cとして各スラストバランスディスク30に供給するので、効果的に各スラストバランスディスク30を冷却することができ、抽気cからの過度の加熱によるスラストバランスディスク30の機械強度低下を防止することが可能となる。
【0029】
また、本実施形態の燃料圧縮機は、抽気cを、各スラストバランスディスク30の回転方向と同一の周方向に向かって流す構成/方法を採用した。これによれば、各スラストバランスディスク30が受ける抽気温度は、抽気cが持つ全温のうちの動温を除いた静温のみであるため、より効果的に各スラストバランスディスク30を冷却することが可能となる。また、同一の周方向に流れる抽気cの力を受けることにより、圧縮部10を駆動させるのに要する動力を減らすことができるので、動力回収を行うことも可能となる。
【0030】
なお、本実施形態の説明においては、本発明を燃料ガス圧縮機に適用した場合を例として説明したが、これに限らず、その他の被圧縮ガスを圧縮する軸流圧縮機に適用してもよいことは勿論である。
また、本実施形態では、各スラストバランスディスク30の回転方向と同一の周方向に向かって抽気cを流す手段として、TOBIノズル30を採用したが、これに限らず、その他の構成を採用しても良い。すなわち、例えばケースリング40bに対して、直接、ノズルを加工しても良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の軸流圧縮機は、ディフューザを経た後の被圧縮ガスの一部を、抽気としてスラストバランスディスクに導く抽気流路を備えている構成を採用した。この構成によれば、ディフューザを経た後の比較的低い温度のガスを、抽気としてスラストバランスディスクに供給するので、効果的にスラストバランスディスクを冷却することができ、抽気からの過度の加熱によるスラストバランスディスクの機械強度低下を防止することが可能となる。
【0032】
また、請求項2に記載の軸流圧縮機は、請求項1に記載の軸流圧縮機において、抽気を、スラストバランスディスクの回転方向と同一の周方向に向かって流す構成を採用した。この構成によれば、スラストバランスディスクが受ける抽気温度は、抽気が持つ全温のうちの動温を除いた静温のみであるため、より効果的にスラストバランスディスクを冷却することが可能となる。また、同一の周方向に流れる抽気の力を受けることにより、圧縮部を駆動させるのに要する動力を減らすことができるので、動力回収を行うことも可能となる。
【0033】
また、請求項3に記載の軸流圧縮機は、請求項2に記載の軸流圧縮機において、TOBIノズルを介して抽気を供給する構成を採用した。この構成によれば、スラストバランスディスクに対してより確実に沿わせるように抽気を供給することが可能となる。
【0034】
また、請求項4に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法は、ディフューザを経た後の被圧縮ガスの一部を、スラストバランスディスクに導く方法を採用した。この方法によれば、請求項1と同様に、抽気からの過度の加熱によるスラストバランスディスクの機械強度低下を防止することが可能となる。
【0035】
また、請求項5に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法は、請求項4に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法において、抽気を、スラストバランスディスクの回転方向と同一の周方向に向かって流すように供給する方法を採用した。この方法によれば、請求項2と同様に、より効果的にスラストバランスディスクを冷却することが可能になるとともに、圧縮部を駆動するのに要する動力を減らして動力回収することも可能となる。
【0036】
また、請求項6に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法は、請求項5に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法において、TOBIノズルを介して抽気を供給する方法を採用した。この方法によれば、請求項3と同様に、スラストバランスディスクに対してより確実に沿わせるように抽気を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軸流圧縮機の一実施形態を示す図であって、圧縮部の最下流位置を含む要部を、回転軸線を含む断面で見た場合の部分断面図である。
【図2】 同軸流圧縮機の同要部の一部を示す図であって、図1のA部拡大断面図である。
【図3】 同軸流圧縮機の同要部を示す図であって、図1のB−B断面図である。
【図4】 同軸流圧縮機の同要部を示す図であって、図1のC−C断面図である。
【図5】 従来の軸流圧縮機の一例を示す図であって、圧縮部の最下流位置を含む要部を、回転軸線を含む断面で見た場合の部分断面図である。
【符号の説明】
10・・・圧縮部
20・・・ディフューザ
30・・・スラストバランスディスク
50・・・抽気流路
52・・・TOBIノズル
BF・・・反スラスト力
c・・・抽気
F・・・燃料ガス(被圧縮ガス)
TF・・・スラスト力
Claims (6)
- 被圧縮ガスを圧縮する圧縮部と、上流側から下流側に向かって流路断面積が拡大され、前記圧縮部からの前記被圧縮ガスを減速させて圧力回復させて、圧縮部を収容したケースの外部に向かって前記被圧縮ガスを吐出させるディフューザと、前記圧縮部を経た後の前記被圧縮ガスの一部を抽気として受け、前記圧縮部が前記被圧縮ガスの圧送による反力として受けるスラスト力に対向する、反スラスト力を発生させるスラストバランスディスクとを備えた軸流圧縮機において、
前記ディフューザを経た後の前記被圧縮ガスの一部を、前記ディフューザの出口における前記被圧縮ガスの吐出方向に対して相反する方向に流れる前記抽気として前記スラストバランスディスクに導く抽気流路が設けられていることを特徴とする軸流圧縮機。 - 請求項1に記載の軸流圧縮機において、前記抽気は、前記スラストバランスディスクに対して、その回転方向と同一の周方向に向かって流れるように供給されることを特徴とする軸流圧縮機。
- 請求項2に記載の軸流圧縮機において、前記抽気は、TOBIノズルを介して供給されることを特徴とする軸流圧縮機。
- 被圧縮ガスを圧縮する圧縮部と、上流側から下流側に向かって流路断面積が拡大され、前記圧縮部からの前記被圧縮ガスを減速させて圧力回復させて、圧縮部を収容したケースの外部に向かって前記被圧縮ガスを吐出させるディフューザと、前記圧縮部を経た後の前記被圧縮ガスの一部を抽気として受け、前記圧縮部が前記被圧縮ガスの圧送による反力として受けるスラスト力に対向する、反スラスト力を発生させるスラストバランスディスクとを備えた軸流圧縮機の、前記スラストバランスディスクに対して前記抽気を供給する方法において、前記ディフューザを経た後の被圧縮ガスの一部を、前記ディフューザの出口における前記被圧縮ガスの吐出方向に対して相反する方向に流れる前記抽気として前記スラストバランスディスクに導くことを特徴とする軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法。
- 請求項4に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法において、前記抽気を、前記スラストバランスディスクに対して、その回転方向と同一の周方向に向かって流すように供給することを特徴とする軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法。
- 請求項5に記載の軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法において、前記抽気を、TOBIノズルを介して供給することを特徴とする軸流圧縮機のスラストバランスディスクへの抽気方法。
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