JP4031409B2 - 光波長多重通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、光波長多重通信システムに関し、より詳細には、布設されたシングルモード光ファイバケーブル伝送路と短波長光源を活用する広波長域WDM(波長分割多重)通信システムに関するものである。
現在、シングルモード光ファイバの広い伝送波長帯域を利用して、波長の異なる複数の信号光を用いる光波長多重(WDM)通信方式について研究開発が進められている。また、垂直面発光レーザ(VCSEL;Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を中心に、1μm付近を発振波長とする短波長シングルモード光源の研究開発が進められている。さらに、市内中継系や加入者系への導入を目指してCoarse−WDM(CWDM)などのWDM通信方式の研究が進められている。
図1は、従来のCWDM通信システムの構成図で、図中符号1は送信器、2は受信器、3はSMF(シングルモード光ファイバ)ケーブル伝送路(λ<1.26μm)、11は複数の光源、12は光合波器、21は光分波器、22は複数の受信回路を示している。このCWDM通信システムは、1.27〜1.61μmの間の16波長を用いた市販のものである(製品化されているCWDM通信システムとしては、例えば、パナソニックモバイルコミュニケーションズ(株)の『波長多重伝送装置(CWDM)AD−F3000シリーズ』がある)。
このような従来のCWDM通信システムは、光源11から出力される波長の異なる信号光が光合波器12で合波され、SMFケーブル伝送路3を介して受信器2側に伝送され、さらに受信器2内の光分波器21で各波長ごとに分波された後、受光回路22で受光されて元の電気信号に変換される。このようなCWDMでは、1波長あたりの伝送速度をギガビット毎秒(Gbit/s)程度、適用距離を10km以上程度と想定しており、光源として温度制御を取り除いた分布帰還型レーザ(DFB−LD)が主に用いられる。
CWDMの伝送に用いられる波長グリッドは、ITU−Tによって1.27〜1.61μmの間に20nm(0.02μm)の間隔で定められている(G.694.2)。特に、伝送波長の下限は伝送路に用いられるITU−T規定の1.3μm零分散シングルモード光ファイバ(SMF(G.652))ケーブルの実効遮断波長(カットオフ波長;λ)によって制限される。つまり、多モード分散が伝送の制限要因となってシングルモード伝送が保証されないため、SMFの実効遮断波長の上限の規格値である1.26μmよりも短い波長の信号光を伝送に使うことはできない。
一方、1μm付近の波長を発振波長とする光源の開発が進められている。特に、VCSEL光源に関しては、例えば、非特許文献1に示されているような、1.1〜1.2μm帯を発振波長とするタイプがあり、0.8μm帯や1μm帯を発振波長とするタイプもある。また、0.8μm帯VCSEL光源はイーサネット(登録商標)などの高速LAN(ローカルエリアネットワーク)への適用が進められており、0.98μm(1μm帯)VCSEL光源については、例えば、非特許文献2に詳細に説明されている。このような短波長光源に対して、SMFを伝送路に用いると、多モード分散が問題となり信号伝送が阻害されてしまうので、例えば、0.8μm帯の伝送には通常マルチモード光ファイバが用いられている。
また、0.98μmや1.1〜1.2μm帯のVCSEL光源を用いて長距離・高速伝送を行う方法としては、
(1)使用する光源波長よりも短波長側にλを持つシングルモード光ファイバを用いる、
(2)シングルモード光ファイバを数cmの径にコイル巻きして作製したモードフィルタによって、1次の高次モードを取り除くという2つの提案がされている。
例えば、「IPRM2002,A3−3(2002)」では(1)の方法で、1.1〜1.2μm帯VCSELによって、1チャネルあたり2.5Gbit/sの伝送速度で5kmの4チャネルWDM伝送を達成している。
図2は、上述した(1)の方法を用いた短波長WDM通信システムの構成図で、図中符号4は送信器、5は受信器、6はSMF(シングルモード光ファイバ)ケーブル伝送路(λ<λmin)、41は複数の光源、42は光合波器、51は光分波器、52は複数の受信回路を示している。この場合、異なる波長λ1からλを入力するn個の光源41を用い、1.1μm<λ1(=λmin(最短波長),・・・λ<1.26μmの関係を有している。また、受信回路52も同様にn個有している。
また、(2)の方法で用いるモードフィルタでは、シングルモード光ファイバのλ付近で、1次の高次モードLP11の損失が基本伝搬モードLP01の損失よりも顕著に大きくなることを利用して、LP11モードを除去する。例えば、非特許文献3では、シングルモード光ファイバを外径17mmで5回巻き付けたという単純な構成でモードフィルタ機能を実現し、0.8μm帯の単一チャネルであるが、3Gbit/s−4.3kmの伝送を達成している。
なお、波長0.75μm以上1μm以下の短波長帯の光源及び受光回路を用いて1km以上の伝送距離を実現する光伝送システム、及びその短波長帯で用いる単一モード光ファイバについてはすでに提示されている(特許文献1参照)。
特開2002−277648号公報 2003年電子情報通信学会総合大会SC−6−4(小山二三夫 他2名「面発光レーザの多波長集積化技術」2003年3月) 「面発光レーザの基礎と応用」(共立出版(株)、伊賀健一、小山二三夫編著、1999年発行)、pp.97−113 Photonics Techonology Letters, vol.10, No.12, pp.1781-1783(1998) "光ファイバとファイバ型デバイス"(川上彰二郎 他2名共著 培風館 1996年発行,pp−41) 2003年電子情報通信学会総合大会SC−4−4(三宅和幸 他2名 「フォトニック結晶ファイバの開発」2003年3月) 三菱電線工業時報No.99,pp.1−9(藤田盛行 他5名 「フォトニック結晶ファイバ(1)―光学特性」2002年7月) 信学技報,OFT2002−18(吉田真人 他2名 「フォトニック結晶ファイバと従来ファイバの接続における巨大フレネル反射の観測とその低減方法」2002年8月) 昭和57年度電子通信学会総合大会1850(坂口幸弘 他3名 「プライマリーコート厚とシングルモードファイバの損失測定誤差」)
このように、1〜1.2μm帯、1.26μm〜1.6μm帯のそれぞれの波長領域を用いて、一地点から一地点(Point to Point)への伝送を行う高速WDM通信システムは実用されつつある。しかし、これらの波長領域の両方にまたがるWDM通信方式やシステム構成は、現在まで実用化されておらず、研究開発レベルにおいても提案されていない。
これは以下の理由によると考えられる。例えば、上述した(1)の方法(図2)は既に特定のルート間に既に布設されたSMFケーブルに対しては、そもそも行うことができない。また仮に、1〜1.2μm帯の光源の波長よりもλを短波長側に持つシングルモード光ファイバを選定して伝送に用いた場合も、曲げによる損失の増大が顕著になるため、接続点で曲げが多く加わる市内中継系や加入者系の布設条件下では、1.5μm帯以上の波長の信号伝送を行うことが困難になる。
また、上述した(2)の方法においても、モードフィルタの曲げの部分で同様に損失が増大してしまう。実際にモードフィールド径や実効遮断波長の異なるSMFを20mmの外径に巻き付けた時の曲げ損失(dB/m)の波長依存性を図3に示す。図中の黒丸、白丸、黒四角、白四角は、それぞれモードフィールド径と実効遮断波長の異なる4本のファイバの測定結果である。このように曲げ径20mmでのSMFの曲げ損失は、光ファイバによって異なるが、1.5μm帯で10〜100dB/m程度であり、長波長側ほど増大する。従って、モードフィルタとして20mmの外径に5回巻き付けることを想定すると、典型的には3〜10dB程度の曲げ損失が発生してしまう。また、選択するSMFによって曲げ損失値が大きく変化してしまうので、1.5μm帯以上を用いるWDM通信システム中の光部品として利用することは非常に難しい。
以上に述べたように、既設のルートに布設されたSMFケーブルを用いて、一地点から一地点(Point to Point)への伝送を行う場合、SMFの低損失でシングルモードとなる波長帯域が限られているため、1〜1.6μm帯に伝送波長域がまたがるようなWDM通信システムの導入は困難である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、1〜1.2μm帯、1.26μm〜1.6μm帯の両方に伝送波長域がまたがり、既設のルートに布設されたSMFケーブル伝送路を利用する高速の光波長多重通信システムを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、電気信号を光信号に変換して信号光を出力する複数の光源と、該光源からの波長の異なる複数の信号光を合波する光合波器とを備えた送信器と、該送信器内の前記光合波器により合波された信号光を伝搬するシングルモード光ファイバケーブル伝送路と、該シングルモード光ファイバケーブル伝送路により伝搬された信号光を分波する光分波器と、該光分波器により分波された波長の異なる複数の信号光を電気信号に変換する複数の受光回路とを備えた受信器と、前記送信器側の光合波器から前記受信器側の光分波器までの光学経路中に設けられたモードフィルタとからなり、前記送信器内の光源の最短波長が、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路の実効遮断波長以下であり、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路は、前記最短波長において基本伝搬モードと1次の高次モードの2モードで動作し、前記モードフィルタとして、前記最短波長において基本伝搬モードのみを伝搬するフォトニック結晶光ファイバを用いたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記モードフィルタが、前記光合波器の後段に設けられ、該光合波器からの信号光の1次の高次モードを除去するものであることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記モードフィルタが、前記光分波器の前段に設けられ、前記光合波器からの信号光の1次の高次モードを除去するものであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記モードフィルタが、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路の途中に設けられ、前記光合波器からの信号光の1次の高次モードを除去するものであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記モードフィルタが、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路の接続点に設けられたことを特徴とする。
つまり、本発明では、前記目的を達成するために、送信器内の光合波器の後段、受信器内の光分波器の前段又はシングルモード光ファイバ伝送路中に設置した短尺のフォトニック結晶光ファイバに、光源から発振された複数の波長の信号光を通し、その後に受信器内の受信回路で信号光を受信するようにしたものである。
送信器内、受信器内又は伝送路中にモードフィルタとして設置した短尺のフォトニック結晶光ファイバは、基本伝搬モードLP01のみを伝搬するので、複数の信号光の最短波長λminがシングルモード光ファイバケーブル伝送路の実効遮断波長λよりも小さい時に発生する一次の高次モードLP11を遮断する。
LP01とLP11のモード間結合(モード間での光パワーのやりとり)は、例えば、非特許文献4に示されているように小さいので、λminが、シングルモード光ファイバケーブル伝送路がLP01とLP11の2モードで動作する波長範囲内にあれば、フォトニック結晶光ファイバによってLP11モードを遮断し、基本伝搬モードLP01のみを受信して高速シングルモード伝送を行うことが可能になる。さらに、フォトニック結晶ファイバは、1.5μm帯以上の長波長帯でも損失が増大しないため、伝送波長が1〜1.6μm帯に及ぶような広波長域WDM通信システムを構築することができる。
以上説明したように、本発明によれば、送信器内の光合波器の後段、受信器内の光分波器の前段又はシングルモード光ファイバケーブル伝送路中に設置した短尺のフォトニック結晶光ファイバに、光源から発振された複数の波長の信号光を通し、その後に受信器中の受信回路で信号光を受信するようにしたので、布設されたSMFケーブルと、VCSELなどの短波長用光源が活用することができ、従来技術では困難であったSMFの実効遮断波長以下へのWDM伝送波長域の広帯域化が可能になる。
具体的には、基本伝搬モードLP01の損失が1dB程度のモードフィルタを用いて、1次の高次モードLP11を遮断し、伝送波長域が1μm帯から1.6μm帯に及び、距離10km以上、伝送速度がGbit/s程度の高速WDM伝送が実現できる。
また、本発明のモードフィルタは小型なので、装置内への実装や伝送路への接続が可能であり、ネットワークの形態に応じて柔軟なWDMシステム構成をとることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図4は、本発明の光波長多重通信システムの実施例1を説明するための構成図で、図中符号7は送信器、8は受信器、9はSMF(シングルモード光ファイバ)ケーブル伝送路、10はモードフィルタ、71は複数の光源、72は光合波器、81は光分波器、82は複数の受信回路を示している。
実施例1のWDM通信システムは、送信器7と受信器8と、両者を光学的に接続するSMFケーブル伝送路9とから構成されていて、送信器7は、電気信号を光信号に変換して信号光を出力する複数の光源71と、この光源71からの波長の異なる複数の信号光を合波する光合波器72とを備えている。また、SMFケーブル伝送路9は、送信器7の光合波器72により合波された信号光を受信器8に伝搬するものである。また、受信器8は、SMFケーブル伝送路9により伝搬された信号光を分波する光分波器81と、この光分波器81により分波された波長の異なる複数の信号光を電気信号に変換する複数の受光回路82とを備えている。
また、送信器7内の光合波器72の後段にモードフィルタ10が設けられていて、送信器7内の光源71の最短波長が、SMFケーブル伝送路9の実効遮断波長以下であり、モードフィルタ10として、最短波長において基本伝搬モードのみを伝搬するフォトニック結晶光ファイバが用いられている。
このように、実施例1において、送信器7は異なる波長を出力するN個の光源71と光合波器72とから構成され、合波されたN個の信号光は、SMFケーブル伝送路9を伝搬し、受信器8で受信される。短尺のフォトニック結晶光ファイバ(モードフィルタ)10は、送信器7内の光合波器72の後段に設けることができる。
複数の信号光の最短波長λminが、SMFケーブル伝送路9が2モードで(LP01とLP11)動作する波長範囲内であれば、モードフィルタ10によってLP11モードを遮断して、基本伝搬モードLP01のみを受信器8内の受信回路82で受信して、高速シングルモード伝送が実現できる。SMFケーブル伝送路9中のLP01とLP11のモード間結合は小さいので、後述するように、モードフィルタ10を送信器内以外にも、受信器内又は伝送路中のいずれかに一つ設置することが可能である。
図5は、本発明の光波長多重通信システムの実施例2を説明するための構成図で、図中の符号は図4の実施例1と同一の符号を付してある。上述した実施例1と異なる構成は、モードフィルタ10を受信器8内の光分波器81の前段に設けた点である。これにより、光合波器72からの信号光の1次の高次モードを除去するようにしたものである。
図6は、本発明の光波長多重通信システムの実施例3を説明するための構成図で、図中の符号は図4の実施例1と同一の符号を付してある。上述した実施例1と異なる構成は、モードフィルタ10をSMFケーブル伝送路9中に設けた点である。これにより、光合波器72からの信号光の1次の高次モードを除去するようにしたものである。具体的には、モードフィルタ10をSMFケーブル伝送路9の接続点に設けられている。
本発明のWDM通信システムでは、SMFケーブル伝送路9として、あらかじめ特定のルートに布設されたSMF(G.652)ケーブルを用いる。上述した非特許文献3に述べられているように、信号光の最短波長λminがSMFの2モード動作波長領域に含まれる条件は、波長λminにおいてSMFのV値が3.83以下となることである。
ステップ型の屈折率分布を持つ光ファイバのV値は、波長λ、コア半径をa、比屈折率差をΔ、コアの屈折率をn とすると、以下の(1)式で与えられる。
V=2πa/λ・n(2Δ)0.5 ・・・(1)
SMFではΔの典型的な値は約0.003(0.3%)であり、nは約1.45、コア径2aは約9.5μmである。従って、製造上の歩留まり幅を考慮しても、λminが0.98μmであれば、(1)式よりV値は3.83以下となり、SMFは2モードで動作する。従って、1〜1.2μm帯VCSELなどのシングルモード光源を本発明のWDM通信システム中に用いることができる。
モードフィルタ10として、例えば、非特許文献5及び非特許文献6に示されている。三角格子状空孔が配置されたフォトニック結晶光ファイバを使用できる。
この構造のフォトニック結晶光ファイバについては、上述した非特許文献をはじめ、既に多くの研究発表が報告されている。
図7は、三角格子状に空孔が配置されたフォトニック結晶光ファイバの基本構造を示す断面図で、図中符号91はクラッド、92はコア、93は空孔、Λは空孔93の間隔、dは空孔93の径を示している。コア径2aは2Λ−dとなる。材料としては一般に純石英ガラスが用いられる。上述した非特許文献6に述べられているように、フォトニック結晶光ファイバでは、構造パラメータd/Λが約0.4よりも小さくなると、伝送波長がどんなに短くなってもLP01モードのみを伝搬し、完全なシングルモードで動作する。従って、d/Λが0.4以下のフォトニック結晶光ファイバをモードフィルタに用いることができる。
また、上述したように、本発明のWDM通信システム中の光源の最短波長λminを0.98μmとすれば、モードフィルタはこの波長でシングルモードで動作すれば良い。つまり、使用するフォトニック結晶光ファイバのd/Λの条件はλminの値に応じて緩和することができ、λminにおいてLP01モードのみを伝搬するという条件下で、d/Λの値を適宜選択することができる。
図8は、本発明で用いるモードフィルタの構成図で、図中符号94は第1のSMF光コード、95はフォトニック結晶光ファイバ、96は第2のSMFコード、Aは融着接続点を示している。上述したd/Λの条件を満たす短尺のフォトニック結晶光ファイバ95の両端に、第1のSMF光コード94と第2のSMF光コード96とを融着接続点Aにおいて融着接続してモードフィルタを作製できる。フォトニック結晶光ファイバ95の長さとしては、クラッド部分を伝搬するクラッドモードを除去するために2m程度とすれば十分である。
図8に示すモードフィルタは、短尺なので光ファイバ部分の損失は無視できる。SMFとフォトニック結晶光ファイバとの融着接続損失は、非特許文献7に示されているように、1カ所あたり0.4dB程度の値が実現可能である。図8に示す構成では2カ所の接続点を有するので、1dB程度の低損失なモードフィルタが実現できる。
実際に図8に示す構成のモードフィルタを作製して、1.3μm帯〜1.6μm帯の損失を測定した結果を図9に示す。図中白丸はSMF(曲げ径20mm)、黒四角は図8に示したモードフィルタの場合を示している。図9より損失の波長依存性はほとんどなく、1dB以下の値である。図9にはSMFを約20mmの径に巻き付けたモードフィルタの損失の測定結果も示している。SMFによるモードフィルタでは、短波長側では損失は小さいが、1.5μm帯以上の長波長側で顕著に損失が増大してしまう。これに比べて、図8に示した構成では損失の波長依存性を顕著に抑制することができ、損失の絶対値も1dB以下と十分に低損失なので、本発明のWDM通信システム中の光部品として用いることができる。
上述したモードフィルタでは、通常の構造の光ファイバに対して効果が確認されている(A)曲げの付与、(B)屈折率整合剤の塗布、(C)被覆膜厚を厚くする、などの方法を用いてクラッドモードの伝搬を防ぐことができる。なお、フォトニック結晶光ファイバではSMFに比べて曲げ損失を顕著に低減できるので、(A)の方法を用いた場合も基本伝搬モードLP01の長波長域での損失増加を心配する必要はない。また(C)の方法については、非特許文献8に詳しく述べられている。従って、これらの方法を用いれば、図8に示した構成からさらに小型化することができる。
上述したように、図8に示した構造のモードフィルタは小型なので、図4及び図5のように、送受信器内に実装することができる。図4及び図5に示した構成(上述した実施例1,2)では、伝送路の構成は変化しないため、特定の一地点から一地点(Point to Point)の伝送区間に、既に他のシステムが導入されているような場合について、旧システムの送受信器を本発明の送受信器に取り替えることで容易にシステムの波長数の拡張を行うことができる。
図6に示した通信システム構成では伝送に用いるSMFケーブルが成端収容されている中間の局の収容架などで、該当するSMFにモードフィルタを接続すれば良い。図6に示した構成(上述した実施例3)では、装置中のモードフィルタが不要になるので、スター状のネットワーク構成で一地点から多地点(Point to Multi-Point)の伝送を行う場合に、伝送路の分岐点前にモードフィルタを設置することによって、その数を節約することができる。
通信システムの伝送波長域を1μm帯から1.6μm帯とし、許容損失を15dBと仮定すると、最も損失が大きい短波長側の0.98μmでSMFの損失は1dB/km程度である。従って、モードフィルタの損失を伝送路損失に加えたとしても、10km程度のWDM伝送が十分に可能である。また、モードフィルタは短尺なのでSMFケーブル伝送路の分散特性への影響は無視でき、各伝送波長1波あたりGbit/s程度の高速伝送が可能である。
本発明は、布設されたシングルモード光ファイバケーブル伝送路と短波長光源を活用する広波長域WDM(波長分割多重)通信システムに関し、1〜1.2μm帯、1.26μm〜1.6μm帯の両方に伝送波長域がまたがり、既設のルートに布設されたSMFケーブル伝送路を利用する高速の光波長多重通信システムを提供することができる。
従来のCWDM通信システムの構成図である。 従来の方法を用いた短波長WDM通信システムの構成図である。 SMFを20mmの外径に巻き付けた時の曲げ損失の波長依存性を示す図である。 本発明の光波長多重通信システムの実施例1を説明するための構成図である。 本発明の光波長多重通信システムの実施例2を説明するための構成図である。 本発明の光波長多重通信システムの実施例3を説明するための構成図である。 三角格子状に空孔が配置されたフォトニック結晶光ファイバの基本構造を示す断面図である。 本発明で用いるモードフィルタの構成図である。 本発明で用いるモードフィルタの損失特性例を示す図である。
符号の説明
1,4 送信器
2,5 受信器
3 SMF(シングルモード光ファイバ)伝送路ケーブル(λ<1.26μm)
6 SMF(シングルモード光ファイバ)伝送路ケーブル(λ<λmin
11,41 複数の光源
12,42 光合波器
21,51 光分波器
22,52 複数の受信回路
7 送信器
8 受信器
9 SMF(シングルモード光ファイバ)ケーブル伝送路
10 モードフィルタ
71 複数の光源
72 光合波器
81 光分波器
82 複数の受信回路
91 クラッド
92 コア
93 空孔
Λ 空孔93の間隔
d 空孔93の径
94 第1のSMF光コード
95 フォトニック結晶光ファイバ
96 第2のSMF光コード
A 融着接続点

Claims (5)

  1. 電気信号を光信号に変換して信号光を出力する複数の光源と、該光源からの波長の異なる複数の信号光を合波する光合波器とを備えた送信器と、
    該送信器内の前記光合波器により合波された信号光を伝搬するシングルモード光ファイバケーブル伝送路と、
    該シングルモード光ファイバケーブル伝送路により伝搬された信号光を分波する光分波器と、該光分波器により分波された波長の異なる複数の信号光を電気信号に変換する複数の受光回路とを備えた受信器と、
    前記送信器側の光合波器から前記受信器側の光分波器までの光学経路中に設けられたモードフィルタとからなり、
    前記送信器内の光源の最短波長が、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路の実効遮断波長以下であり、
    前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路は、前記最短波長において基本伝搬モードと1次の高次モードの2モードで動作し、
    前記モードフィルタとして、前記最短波長において基本伝搬モードのみを伝搬するフォトニック結晶光ファイバを用いたことを特徴とする光波長多重通信システム。
  2. 前記モードフィルタが、前記光合波器の後段に設けられ、該光合波器からの信号光の1次の高次モードを除去するものであることを特徴とする請求項1に記載の光波長多重通信システム。
  3. 前記モードフィルタが、前記光分波器の前段に設けられ、前記光合波器からの信号光の1次の高次モードを除去するものであることを特徴とする請求項1に記載の光波長多重通信システム。
  4. 前記モードフィルタが、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路の途中に設けられ、前記光合波器からの信号光の1次の高次モードを除去するものであることを特徴とする請求項1に記載の光波長多重通信システム。
  5. 前記モードフィルタが、前記シングルモード光ファイバケーブル伝送路の接続点に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光波長多重通信システム。
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