JP4031229B2 - 表示装置の信号処理方法及び表示装置の駆動方法及び表示装置 - Google Patents

表示装置の信号処理方法及び表示装置の駆動方法及び表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色順次表示方式の表示装置における表示制御技術に関し、色割れを低減する場合において好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤または緑または青の映像を表示し、それに連動してそれぞれの色に応じた照明を任意の順序で照明してカラー表示を行う色順次表示方式(フィールドシーケンシャルカラー方式)の液晶表示装置において、動画表示時の色割れ対策として、SID2001 L−4(400頁〜403頁)のように、画像の動き方向と動き量を検出し、前記検出した動き方向及び動き量に基づいて緑、または青の映像を動いた方向へずらして表示するようにしていた。また特開平8−101672号公報では、RGB信号(ここで、Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)から演算された無彩色信号を生成し、赤、緑、青、白の4つの映像信号を表示するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、SID2001 L−4にて提案されている方法では、移動方向と移動量の検出に失敗した場合や、複数の物体が動いているようなパターンで観測者がどの物体に注目しているかまでは検出することが難しい場合、逆に色割れがひどくなることもあるという問題があった。
【0004】
また、無彩色信号を生成して利用するという特開平8−101672号の方法では、完全な無彩色部分に対しては効果が認められるが、若干でも色の付いた部分に対してはそれほど効果がないばかりか、生成した白色映像とその他の色の映像とが新たな色割れを起こし、かえって映像表示品位が低下してしまう場合もあるという問題があった。
【0005】
また従来は、色割れが起きる画素を検出し、その画素あるいはその周辺画素に対して色割れを低減する処理を行うということは、なされていなかった。そのため、画面全体に対して無条件に信号処理が行われることになり、色割れが起きず信号処理が不要な画素についても信号処理されていたため、画質が全体的に低下するという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この問題を解決するために、本願第1の発明では、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という判定条件を満たしている画素を、比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素及びその周辺画素に対して信号処理を行う様にしたものである。
【0007】
また本願第2の発明では、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、「任意の画素において、任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きい」という判定条件を満たしている画素を、比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素及びその周辺画素に対して信号処理を行う様にしたものである。
【0008】
また本願第3の発明では、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という判定条件を満たしている画素を、比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素及びその周辺画素に対して信号処理を行う様にしたものである。
【0009】
また本願第4の発明では、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段を備え、
「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という第1の判定条件と、「任意の画素において、任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きい」という第2の判定条件と、「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という第3の判定条件のうち、少なくとも1つを満たしている画素を比較手段及び前記記憶手段により検出し、その後前記検出した映像信号に前記処理手段によって信号処理を施し、前記駆動手段により、前記信号処理後の映像信号に応じて表示装置を駆動する様にしたものである。
【0010】
また本願第5の発明では、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、複数の閾値を記憶しておくための複数の記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段を備え、前記比較手段により映像信号を前記複数の閾値と比較し、任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さいか、あるいは、任意の画素において、任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きいか、あるいは、任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する場合に、前記該当する画素の映像信号に対して前記処理手段によって信号処理を施し、前記駆動手段により、前記信号処理した映像信号に応じて表示する表示装置を実現したものである。
【0011】
また本願第6の発明では、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、複数の閾値を記憶しておくための複数の記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段と、画像の動き検出手段を備え、前記比較手段により映像信号を前記複数の閾値と比較し、任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さいか、あるいは、任意の画素において任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きいか、あるいは、任意の画素においてその周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する場合で、かつ前記動き検出手段により動きが検出された場合において、前記該当する画素の映像信号に対して前記処理手段によって信号処理を施し、さらに前記駆動手段により、前記信号処理した映像信号に応じて表示する表示装置を実現したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図15を用いて説明する。また、発光順序は赤、緑、青の順である場合を例にあげて説明する。また、映像信号は最大が256階調である場合を例に挙げて説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではないことも付け加えておく。
【0013】
(本願第1〜本願第4の発明の実施形態)
色割れは目が動画を追従する際に、R、G、Bの発光タイミングの時間的ズレが空間的なズレとして知覚される現象であり、観測者に違和感を与える。
【0014】
色割れはR、G、Bのいずれか2色以上が混じった部分において発生するため、Rのみや、Gのみなど、単色の映像であれば当然ながら色割れは起きない。よって、R、G、Bのうちいずれか2色以上が混じった部分に対してのみ、色割れ低減処理を行えばよい。本発明は、前記理論に基づいて色割れが起こる部分を検出し、その部分の映像を空間的に分散して色割れを低減するものである。
【0015】
まず、本願第1の発明である、前記色割れが生ずる部分の検出方法について説明する。
【0016】
色割れは前述の通りRGBのうち2色以上が混じった画素において発生する。さらに、2色の輝度が同程度である画素が、観測者に色割れとして認識されやすい。なぜなら、片方の色の輝度がもう片方の色の輝度よりも著しく大きければ、色割れが生じても輝度の大きい方の色が支配的となり、観測者には色割れとして認識されにくいためである。よって、2色の色が混じった画素で、かつ前記2色の輝度が近い画素が色割れが起きる可能性のある画素であると言える。
【0017】
今、任意の画素nにおける任意の2色の階調がそれぞれ、Xn,Ynであるとする。この画素が色割れの起きる画素かどうかを判断するには、図1に示すようにXnとYnの差の絶対値(|Xn−Yn|)が、あらかじめ設定しておいた任意の閾値Aよりも小さいかどうかを判断すればよい。つまり図1に示すように条件式1
{|Xn−Yn|<閾値A} (条件式1)
に当てはまっているかどうかを判定するのである。
【0018】
この条件式に当てはまっていれば、閾値Aをある程度小さい値に設定しておくと、その画素における任意の2色の輝度も同程度の輝度であるということになるので、その画素は色割れが生ずる画素であると判定することができる。発明者の検討結果では、閾値Aは最大階調の30%以下に設定するのが適している。そして判定した画素に対して後述の色割れ低減処理を行えば、必要な部分にのみ色割れ低減処理を施すことができる。
【0019】
ところで、色割れは輝度が急激に変化している部分において目立つので、周囲に輝度の近い画素がある場合は、色割れが起きても観測者に認識されにくい。そこで図2に示すように、Xnとの階調差が閾値Cよりも大きい画素が周囲にないかどうかを判定するようにすればよい。すなわち、図2に示すように条件式2
{|Xn−Xm|>閾値C} (条件式2)
にあてはまるかどうかを判定すればよい。ここで、Xmは画素n周辺の任意の画素mのXnと同一の色の階調である。
【0020】
画素mは画素nの周辺であれば、どの画素であってもよく、また画素nに隣接していても隣接していなくてもよい。この様子を図9に示した。図9において、901が任意の画素n、斜線で示した902が画素mである。画素mは画素nからの距離が20画素以内の範囲にある画素であればよい。また任意の閾値Cをある程度大きい値に設定すればよい。発明者の行った検討結果では、閾値Cを最大階調の50%以上とすればよいことが分かっている。
【0021】
これにより、任意の2色が同程度の輝度を有しており、なおかつ、その画素の周囲に階調差が大きい画素が存在する画素のみが、色割れが起きる画素として検出対象となるので、より効果的に色割れが起きる画素を検出することができる。
【0022】
あるいは、色割れが観測者に認識されるのはある程度輝度が高い画素であり、逆に暗い画素においては、たとえ色割れが起きても観測者には認識されにくい。そこで図3に示すように、階調の大きさが任意の閾値Bよりも大きいかどうかを、判断するようにすればよい。すなわち、図3に示すように条件式3
{Xn>閾値B} (条件式3)
に当てはまっているかどうかを判定すればよい。ここで閾値Bをある程度大きい値、例えば最大階調の50%に設定しておけば、ある程度大きい輝度の画素のみを検出することができる。
【0023】
すると、その画素における任意の2色の輝度が同程度であり、なおかつある程度輝度が高い画素のみを、色割れが生ずる画素であるとして判定することができる。
【0024】
あるいは、前記判定条件のいずれか2つ以上を組み合わせてもよい。すなわち(条件式4)、(条件式5)、(条件式6)、または(条件式7)のいずれか1つにあてはまるかどうかを判定すればよい。
【0025】
{|Xn−Yn|<閾値A} かつ {Xn−Xm>閾値C}(条件式4)
{|Xn−Yn|<閾値A} かつ {Xn>閾値B} (条件式5)
{|Xn−Xm|>閾値C} かつ {Xn>閾値B} (条件式6)
{|Xn−Yn|<閾値A} かつ {Xn>閾値B} かつ {|Xn−Xm|>閾値C}(条件式7)
これにより、前記条件式1または条件式2または条件式3のうち少なくとも2つ以上を満たした画素のみが、色割れの起きる画素として検出することができるので、より精度よく色割れの起きる画素を検出することが可能となる。
【0026】
次に、色割れを低減する信号処理の方法について説明する。色割れを低減するには、色割れが起きる画素の階調を周囲の画素の階調と平均化して、空間的に分散すればよい。
【0027】
周囲の画素の階調との平均化処理方法は、以下の通りである。任意の隣接する画素n−2、画素n−1、画素n、画素n+1、画素n+2において、任意の色の映像信号の階調がそれぞれXn−2、Xn−1、Xn、Xn+1、Xn+2であるとする。もし任意の画素nが色割れの起きる可能性のある画素であると判断されたとすると、以下の式(5)のように画素nのRの階調を周囲の画素の階調と平均化すればよい。
【0028】
Xn'={(Xn−2)+(Xn−1)+(Xn)+(Xn+1)+(Xn+2)}/5 (5)
ここで、Xn’は平均化を行った後の画素nの任意の色の階調である。
【0029】
あるいは、式(6)のように、注目している画素との距離に応じて、周辺画素の階調に重みつけを行ってもよい。
【0030】
Xn'={(Xn−2)×0.6+(Xn−1)×0.8+(Xn)×1+(Xn+1)×0.8+(Xn+2)×0.6}/3.8 (6)
なお、ここでは周辺2画素分までの平均化処理について述べたが、本発明はこれに限定するものではなく、何画素分の平均をとってもよい。また、上下、左右のいずれの方向へ輝度傾斜を付けてもよい。
【0031】
例えば図5(a)に示すような任意の色の四角パターンを考えるとする。103は直線ST上の輝度分布を表したものであり、四角パターン内は均一の輝度分布となっている。今、図5(b)に示すように、101の部分が色割れが起こる可能性があると検出されたとすると、前記101の部分に対して周囲の画素の階調と平均化し、空間的に分散する。その処理を行った結果の輝度分布を102に示した。102は直線S’T’上における輝度分布を表したものである。このように、101の部分の映像を空間的に分散することにより、輝度変化が急激であった部分をなめらかにして、かつ空間的にも膨張させることができ、観測者には元の映像との違和感を与えることなく、色割れも低減することができる。
【0032】
あるいは具体的な値を用いた場合を例に挙げると、図6に示すとおりである。601〜608は原画の映像信号、611〜618が式(5)を用いて信号処理した結果である。このように周囲の映像信号を用いて平均化することにより、階調変化を滑らかにし、また空間的に分散することができ、色割れを低減することができる。なお、図5においては、左右それぞれ2つの画素については、元の映像信号がないために計算ができない。この場合、原画の映像信号をそのまま出力するか(特に、「色割れ」が表示装置の周囲で生じる場合にはこうするしかない)、さらに左右2つの画素に関する映像信号を仮想的に加えて計算することになる。後者について例を挙げて説明すると、601の左側に35、22という信号があったとすると(この場合、元の映像信号は、35、22、11、37、33、29、15、10、19、34ということになる)、611は、(35+22+11+37+33)÷5=27.6となる。
【0033】
さらなる例として、図11にある映像の階調とそれを(式5)により信号処理した結果を示した。横軸が位置を表し、縦軸が階調の大きさをあらわす。また実線が元の映像信号、点線が信号処理した結果である。そして、矢印で示した部分が色割れが起きる部分である。
【0034】
111で示した点線円内に注目すると、ここの画素の階調は周囲の画素よりも大きくなっている。そのため信号処理によって若干階調を小さくする。これにより、輝度も若干低下させるとこができて、色割れを低減することができる。輝度が低下したままであるので色合いが変化するので、点線円内112に示したように、階調が大きく変化している部分の階調の変化率を信号処理によって小さくする。これにより、輝度変化もなめらかになり、また原画よりも空間的に膨張させることができて、色合いの変化も抑制することができるのである。
【0035】
以上述べたように、本願第1〜第4の発明によって、色割れの起きる画素を検出することが可能となり、また本願第5の発明によって、前記色割れの起きる画素に対して色割れを低減することが可能となるのである。
【0036】
また、前記色割れの起きる画素の検出方法と、前記色割れを低減する信号処理方法と、色順次表示方式の表示装置の駆動方法を組み合わせれば、色順次表示方式でありながら色割れが目立たない表示を行うことが可能となる。
【0037】
(本願第5または本願第6の発明の実施形態)
次に、本願第5または本願第6の発明の実施形態を図7を用いて説明する。
【0038】
701は映像信号入力端子、710は映像信号を記憶できる映像信号記憶手段、702は信号処理を行う信号処理手段、703は階調の比較を行う比較手段、704は任意の閾値A,B,Cを記憶しておくための閾値記憶手段、705は液晶表示装置の制御を行うコントローラ、706は液晶表示装置のソースを駆動するソースドライバ、707は液晶表示装置のゲートを駆動するゲートドライバ、708は液晶パネル、709はバックライトである。
【0039】
701より入力された映像信号は、一旦710に蓄積される。そして比較手段703が710より任意の画素nの映像信号を読み出す。
【0040】
比較手段703は、色割れが起きる可能性のある画素かどうかを条件式1にて判定する場合は前記条件式1に従って、前記画素nにおける任意の2色の階調差と704に記憶されている閾値Aとの大小関係を比較する。比較結果が条件式1を満たす場合は信号処理手段702に信号処理するように指示し、満たさない場合は信号処理手段702に信号処理しない様に指示する。
【0041】
あるいは、条件式2にて判定する場合は、前記条件式2に従って、前記画素nにおける任意の2色の階調差と704に記憶されている閾値Aとの大小関係を比較する。また前記画素nにおける任意の色の階調と704に記憶されている閾値Bとの大小関係を比較する。その結果が条件式2を満たす場合は、信号処理手段702に信号処理するように指示し、満たさない場合は信号処理しない様に指示する。
【0042】
同様に、条件式3〜条件式7にて判定する場合も、比較結果に応じて信号処理手段702に信号処理を行うかどうかの指示をする。
【0043】
信号処理手段702は、比較手段703から信号処理をするように指示を受けると、比較手段703からの情報に基づいて、映像信号記憶手段710から色割れの起きる可能性があると判定された任意の画素nおよびその周辺画素の映像信号を読み出して、周囲の画素と平均化処理し、前記処理結果を映像信号記憶手段710に書きこむ。平均化処理の方法については、式(5)あるいは式(6)の式に示したとおりである。ここで、一旦ガンマ処理1を行ってから平均化処理を行い、さらにガンマ処理2を行ってもよい。
【0044】
一方、比較手段703から信号処理をしないように指示を受けると、信号処理手段702は何も処理しない。すなわち、映像信号記憶手段710に記憶されている映像信号も元のままである。このようにして、色割れが起きる可能性があると判断された画素およびその周辺画素についてのみ、710によって信号処理される。
【0045】
コントローラ705は映像信号記憶手段710に記憶された映像信号を赤、緑、青の順に読み出してソースドライバに送る。ソースドライバには、映像信号の他にクロック信号、ラッチパルス、スタートパルスなどの制御信号も送る。また、ゲートドライバへも走査に必要な制御信号を送る。この様子を図10に示した。図10において、1601が赤のバックライトの制御信号、1602が緑のバックライトの制御信号、1603が青のバックライトの制御信号、1604、1605、1606はそれぞれ液晶に電圧を書きこむ期間、液晶が書きこまれた電圧に応答する期間、バックライトを点灯して映像を表示する期間である。ここで例として赤の映像信号を書きこむ場合の動作について説明する。まず書きこみ期間1604にて液晶パネルに赤の映像信号を書きこむ。その後、液晶が書きこまれた電圧に応答するまでの期間1605を経て、バックライト照射期間1606のタイミングで赤のバックライトを照射する。同様にして、緑、青の映像信号も処理する。このようにして、各色ごとに順次表示して、カラー表示を行う。
【0046】
また、図8に示すように、710と703の間に動き検出手段801を設けてもよい。
【0047】
あるいは、図12に示す様に、まず703によって色割れが起きる可能性のある画素を検出してから、前記検出結果を801動き検出手段に入力して、色割れが起きる画素についての動き検出を行ってもよい。動き検出の方法として、複数のフレーム間の映像信号を比較し、両者に差がある場合に「動きあり」と検出する従来の方法を用いればよい。
【0048】
いずれの場合においても、動き検出手段によって画像が動いていると判断された場合にのみ、703は前記条件式1〜条件式7に従って、色割れが起きるかどうかを判断すればよい。これにより、動きのある画素またはその周辺画素にのみ色割れ対策処理が行われることになるので、より原画に近い状態を保ったまま色割れも低減することが可能となり、さらに動きのある画素またはその周辺画素についてのみ信号処理が施されるので、無駄な処理をする必要がなくなり、低消費電力化にも貢献することができる。
【0049】
なお、ソースドライバ及びゲートドライバの制御は従来の液晶表示装置と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本願第1の発明によれば、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という判定条件を満たしている画素を、比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素及びその周辺画素に対して信号処理を行う様にすることで、色割れが起きる画素、特に色が分離する画素を検出することができ、前記検出した画素またはその周辺画素対してのみ信号処理を行うことが可能となり、画質低下を最小限にしながら色割れも低減することが可能となる。
【0051】
また本願第2の発明によれば、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、「任意の画素において、任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きい」という判定条件を満たしている画素を、比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素及びその周辺画素に対して信号処理を行う様にすることで、色割れが起きる画素、特に輝度が高い部分と低い部分の境界に相当する画素を検出することができ、前記検出した画素またはその周辺画素対してのみ信号処理を行うことが可能となり、画質低下を最小限にしながら色割れも低減することが可能となる。
【0052】
また本願第3の発明によれば、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という判定条件を満たしている画素を、比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素及びその周辺画素に対して信号処理を行う様にすることで、色割れが起きる画素、特に輝度の高い画素の検出が可能となり、前記検出した画素またはその周辺画素対してのみ信号処理を行うことが可能となり、画質低下を最小限にしながら色割れも低減することが可能となる。
【0053】
また本願第4の発明によれば、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段を備え、
「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という第1の判定条件と、「任意の画素において、任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きい」という第2の判定条件と、「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という第3の判定条件のうち、少なくとも2つを同時に満たしている画素を比較手段及び前記記憶手段により検出することで、前記本願第1の発明から本願第3の発明を単独で用いた場合よりも、より精度よく色割れが起きる画素を検出することが可能となり、色割れを低減する信号処理によって生ずる原画との相違を最小限に抑えることが可能となる。
【0054】
また本願第5の発明によれば、映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段を備え、
「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という第1の判定条件と、「任意の画素において、任意の色の階調が任意の閾値Bよりも大きい」という第2の判定条件と、「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という第3の判定条件のうち、少なくとも2つを同時に満たしている画素を比較手段及び前記記憶手段により検出することで、前記本願第1の発明から本願第3の発明を単独で用いた場合よりも、より精度よく色割れが起きる画素を検出することが可能となり、色割れを低減する信号処理によって生ずる原画との相違を最小限に抑えることが可能な色順次表示方式の表示装置を実現することができる。
【0055】
また本願第6の発明によれば、本願第5の発明に加え、動きのある画素またはその周辺画素にのみ色割れ対策処理が行われることになるので、より原画に近い状態を保ったまま色割れも低減することが可能であり、さらに動きのある画素またはその周辺画素についてのみ信号処理が施されるので、無駄な処理をする必要がなくなり、低消費電力化も可能な色順次表示方式の表示装置を実現することができる。
【0056】
なお、本願第1から本願第6の発明を用いれば、色順次表示方式でも色割れのない表示装置を得ることができるため、従来よりも消費電力を小さくすることが可能な色順次表示方式表示装置の普及に貢献することができ、地球環境、宇宙環境に優しいこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1による色割れの起きる可能性のある画素の検出方法の説明図
【図2】本発明第2による色割れの起きる可能性のある画素の検出方法の説明図
【図3】本発明第3による色割れの起きる可能性のある画素の検出方法の説明図
【図4】本発明第4による色割れの起きる可能性のある画素の検出方法の説明図
【図5】本願第1又は本願第2又は本願第3又は本願第4の発明による信号処理の方法の説明図
【図6】本願第1又は本願第2又は本願第3又は本願第4の発明による平均化処理の方法の説明図
【図7】本願第5の発明による色順次表示方式の表示装置のブロック図
【図8】本願第6の発明による色順次表示方式の表示装置のブロック図
【図9】任意の画素nとその周辺画素mの説明図
【図10】本願第5の発明または本願第6の発明による色順次表示方式の表示装置のコントローラとバックライトの動作の説明図
【図11】本願第5の発明または本願第6の発明による信号処理を行う前と後の映像信号の説明図
【図12】本願第6の発明による色順次表示方式の表示装置のブロック図
【符号の説明】
701 映像信号入力端子
702 信号処理手段
703 比較手段
704 閾値記憶手段
705 コントローラ
706 ソースドライバ
707 ゲートドライバ
708 液晶パネル
709 バックライト
710 映像信号記憶手段

Claims (8)

  1. 映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、
    「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という判定条件を満たしている画素を、前記比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素の階調及びその周辺画素の階調に関して、階調を平均化する信号処理を行うことを特徴とする色順次表示方式の表示装置の信号処理方法。
  2. 映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段を有し、
    「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という判定条件を満たしている画素を、前記比較手段及び前記記憶手段により検出し、前記検出した画素の階調及びその周辺画素の階調に関して、階調を平均化する信号処理を行うことを特徴とする色順次表示方式の表示装置の信号処理方法。
  3. 映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、閾値を記憶しておくための記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段を備え、
    「任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さい」という第1の判定条件と、
    「任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する」という第2の判定条件のうち、少なくとも1つを満たしている画素を前記比較手段及び前記記憶手段により検出し、
    前記検出した画素の映像信号の階調及びその周辺画素の階調に関して、階調を平均化する信号処理を、前記処理手段によって施し、前記信号処理後の映像信号に応じて表示装置を駆動することを特徴とする色順次表示方式の表示装置の駆動方法。
  4. 動き検出手段も備え、前記動き検出手段により動きが検出された画素およびその周辺画素に対して、前記信号処理を行うことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の表示装置の駆動方法。
  5. 映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、複数の閾値を記憶しておくための複数の記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段を備え、前記比較手段により映像信号を前記複数の閾値と比較し、
    任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さいか、
    あるいは、任意の画素において、その周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する場合に、前記該当する画素の映像信号の階調及びその周辺画素の階調に関して、階調を平均化する信号処理を、前記処理手段によって施し、さらに前記映像信号に応じて表示することを特徴とする色順次表示方式の表示装置。
  6. 前記画素はバックライトを照射される液晶であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
  7. 映像信号の階調の大小関係を比較するための比較手段と、複数の閾値を記憶しておくための複数の記憶手段と、映像信号を信号処理する処理手段と、画像の動き検出手段を備え、前記比較手段により映像信号を前記複数の閾値と比較し、
    任意の画素において、赤又は緑又は青の映像信号のうち、任意の2色の映像信号の階調差が任意の閾値Aよりも小さいか、
    あるいは、任意の画素においてその周辺に前記任意の画素との階調差が任意の閾値Cよりも大きい画素が存在する場合で、かつ前記動き検出手段により動きが検出された場合において、前記該当する画素の映像信号の階調及びその周辺画素の階調に関して、階調を平均化する信号処理を、前記処理手段によって施し、さらに前記映像信号に応じて表示することを特徴とする色順次表示方式の表示装置。
  8. 前記画素はバックライトを照射される液晶であることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
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