JP4030889B2 - 成形品の取出機及びその取出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形品を型から取り出す取出機及び成形品の取出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
成形品の取出機50は、成形品を繰り返し取出すため、取出しが高速で、効率よく行われることが求められている。その取出しの動きは、例えば、図8に示すように、取出機50の吸着装置51が、成形機52の上方となる位置であり、吸着装置51の上昇限界であって後退限界の位置Aと、成形機52から成形品54を取出す取出位置であり、吸着装置51の下降限界であって前進限界の吸着位置Bとをカーブを描く軌跡の往来である。
【0003】
従来、成形品54を吸着して取出す際には、吸着装置51が吸着位置Bに到達してから、吸着のための真空圧の発生を開始していた。しかし、成形品54を吸着するために必要な真空圧となるまでの間、吸着装置51が吸着位置Bに停止している必要がある。そこで、取出しを高速化するために、吸着位置Bに到達した時点で、必要な真空圧となり、なお且つ必要以上に真空圧を発生しないで済むように、吸着装置51が吸着位置Bに到達する前であって、最適なタイミングで、真空圧発生器を作動することが知られている。これによって、吸着装置51が吸着位置Bに到達してから成形品54を吸着するまでの応答時間を短縮するので吸着応答性が向上し、時間当たりに取出される成形品54の個数である取出効率がよくなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
真空圧発生器の作動のタイミングを最適化するには、準備動作として、取出し動作時の位置Aから吸着位置Bまでの所要時間、成形品54の吸着に必要な真空圧になるまでの所要時間等を測定する。そして、吸着装置51が位置Aから吸着位置Bまでの変位の間で、吸着位置Bまでの所要時間から必要な真空圧になるまでの所要時間を減じた値により、真空圧発生器を作動する最適なタイミングは、例えば途中位置Cのタイミングとなる。
【0005】
真空圧発生器の作動のタイミングが最適化された状態で、取出機50を作動させた場合の成形品54の取出機50の時間に対する吸着装置51の上下方向の変位量(以下、Z軸方向変位量とする)、吸着装置51の前後方向の変位量(以下、Y軸方向変位量とする)、空気圧発生器から正圧の空気圧(以下、単に「空気圧」という。)を真空圧発生器に供給しているか否かのON/OFF及び吸着パッドにおける真空圧変位を、図9のように、同じ時間軸でグラフに示す。図8に示す吸着装置51の位置A、B、Cを、Z軸方向変位量のグラフ内に記載すると、途中位置Cのタイミングで、空気圧の供給がOFFからONに切り替わるので、以降の真空圧が徐々に大きくなる。そして、吸着位置Bで停止している間に、吸着装置51の吸着パッド53が成形品54を吸着することで吸着パッド53内の真空圧が急激に上昇して成形品54を吸着する。成形品54を吸着して取出した後、成形品54を吸着したままで、吸着装置51は、下降時と逆の軌跡をたどり位置Aへと上昇し、その後、成形品54の解放位置へ変位する。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−145946公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、真空圧発生のタイミングを最適化して、吸着位置Bに到達する前から空気圧発生器を作動し、空気圧を送り出して真空圧発生器で真空圧を発生すると、吸着位置Bに到達する前に発生する真空圧は、直接には成形品54の吸着には利用されないので、無駄なエネルギー消費となる。また、真空圧発生のタイミングの最適化を制御をするための機器・システムが必要になり、タイミングの最適化のために吸着装置51の準備動作も必要となるという問題があった。
【0008】
本発明の出願人は、吸着位置Bに到達する前から真空圧を発生させた場合の、取出機50の空気圧のエネルギー効率に着目して、無駄なエネルギー消費を減らす検討を行ってきた。空気圧のエネルギーロスを減らすためには、空気圧回路の配管の圧損を考慮すると真空圧発生器を吸着装置の吸着パッドに極力接近させればよいが、それには限界がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、エアシリンダの排気を有効に活用して、真空圧を発生させるので、成形品の吸着応答性及び成形品の取出効率を下げることなく、エネルギー消費量を低減することができる成形品の取出機及びその取出方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の成形品の取出機は、以下の(1)(2)の手段を採った。
(1)真空圧を供給して成形品を吸着する吸着パッドを備えた吸着装置を昇降駆動装置により下降及び上昇させる際の、吸着装置を含む昇降部分の重量をバランスさせて打ち消すためのバランサ用エアシリンダを備えた成形品の取出機において、下降時にエアシリンダが排出する排気を、吸着パッドに供給する真空圧の発生に利用するように構成したことを特徴とする。
【0011】
(2)真空圧を供給して成形品を吸着する吸着パッドを備えた吸着装置を昇降駆動用エアシリンダにより下降及び上昇させる成形品の取出機において、下降時にエアシリンダが排出する排気を、吸着パッドに供給する真空圧の発生に利用するように構成したことを特徴とする。
【0012】
前記手段(1)(2)において、エアシリンダの排気ポートを真空圧発生器の空気源ポートに接続し、真空圧発生器の吸気ポートに吸着パッドを接続し、下降時の略初期又は途中期から略終期までの間、エアシリンダの排気を真空圧発生器に送ることにより真空圧を発生させて吸着パッドに供給し、もって吸着パッドが成形品に到達後、吸着パッドにより成形品を吸着する時間を短縮することができることが好ましい。ここで、「排気ポート」とは、エアシリンダから排気が排出されるポートを指し、「空気源ポート」とは、真空圧発生器に空気圧が供給されるポートを指し、「吸着ポート」とは、真空圧発生器で発生した真空圧が供給されるポートを指す。
【0013】
また、エアシリンダの排気は、排気の全てを真空圧の発生のために利用しても、排気の一部を真空圧の発生のために利用し、残部を他のことに利用してもよい。例えば、エアシリンダの下降時の略初期又は途中期から略終期までの間、エアシリンダの排気の所要部を真空圧発生器に送るとともに排気の残部を蓄圧タンクに蓄圧し、蓄圧された排気を、後で吸着パッドが成形品を解放するときの真空圧の急速解除用正圧として利用するようにすることを例示できる。切替弁とは、切替弁の両側の空気の連通と遮断を切り替える作用をするものを指し、切替弁としては、特に限定されないが、2ポートの2位置切替弁や3ポート以上を備える切替弁を例示できる。また、切替弁には、同一の電気信号が入力されるようになっていても、それぞれ異なる電気信号が入力できるようになっていてもよい。
【0014】
さらに、真空圧発生器の空気源ポートに空気圧発生器を切替弁を介して接続し、下降時の略終期から、空気圧発生器からの空気を真空圧発生器に送ることにより真空圧を発生させて吸着パッドに供給し、もって下降後も吸着パッドによる成形品の吸着を維持することができるようにすることが好ましい。
【0015】
次に、本発明の成形品の取出機の取出方法は、以下の(3)の手段を採った。(3)吸着パッドを備えた吸着装置を昇降駆動装置により下降及び上昇させる際に、バランサ用エアシリンダで吸着装置を含む昇降部分の重量をバランスさせて打ち消し、吸着パッドに真空圧を供給して成形品を吸着する成形品の取出機の取出方法において、下降時にエアシリンダが排出する排気を真空圧の発生に利用し、真空圧を前記吸着パッドに供給することを特徴とする。
【0016】
上記手段(1)(2)(3)において、エアシリンダの排気を真空圧の発生に利用する時期は、特に限定されないが、以下▲1▼▲2▼を例示できる。
▲1▼ エアシリンダから排出される排気をそのままリアルタイムに利用する。
▲2▼ エアシリンダから排出される排気を一旦蓄圧タンクに蓄えて、必要なときに利用する。
【0017】
ところで、エアシリンダの排気については、排気を大気に排出せず工場空気圧源に戻すことで、空気の消費量を減らし、さらに、空気内に含まれる装置内の微量のオイルによる周辺機器及び工場内空気の汚染を防止することが知られている(例えば、特開平08−126907号公報参照。)。しかし、本発明は、工場内空気の汚染を防止するためのエアシリンダの排気を利用するのではなく、従来は空気圧を制御して真空圧を発生していた部分で、空気圧の代わりに制御を必要としないエアシリンダの排気で真空圧を発生するのためにエアシリンダの排気を利用するので、利用の仕方が異なっている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図7に、本発明の実施形態である成形品の取出機1を示している。なお、各方向の見方は、図1において左奥から右手前に向かう方向をX軸方向、右奥から左手前に向かう方向をY軸方向、下から上に向かう方向をZ軸方向とする。また、本実施形態において以下に挙げる数値は例示であり、適宜変更できる。
【0019】
本実施形態の取出機1は、取出機1のYフレームに沿って成形品を移動させて取り出すトラバースタイプの取出機1であり、射出成形機2の固定盤に取り付けられて射出成形機2のX軸方向に延出するXフレーム4が設けられている。Xフレーム4には、Xフレーム4に沿ってX軸方向に走行するとともに、射出成形機2に沿ってY軸方向に延出するYフレーム5が取付けられている。Yフレーム5には、Yフレーム5に沿ってY軸方向に走行する昇降駆動装置3が支持されている。
昇降駆動装置3は、昇降部分12を上下方向に駆動するサーボモータ6を含み、昇降駆動装置3の側壁に設けられたバランサ用エアシリンダ13と、昇降駆動装置3の下側に、サーボモータ6とバランサ用エアシリンダ13とに相対移動可能に接続された吸着装置10を含む昇降部分12とを備えている。吸着装置10は、供給された真空圧を利用して成形品を吸着する2つの吸着パッド11を備えている。バランサ用エアシリンダ13は、サーボモータ6により昇降部分12が駆動されて下降する際、バランサ用シリンダ13の背圧室内の空気が一定の圧力を蓄えつつ排出されることで、昇降部分12の重量をバランスさせ、サーボモータ6に対して無負荷状態としている。また、サーボモータ6により昇降部分12が駆動されて上昇する際、バランサ用シリンダ13の背圧室内に空気が一定の圧力を蓄えつつ供給されることで、昇降部分12の重量をバランスさせ、サーボモータ6に対して無負荷状態としている。
【0020】
この昇降駆動装置3は、図2に示すような空気回路を備えている。この空気回路は、空気圧を発生する空気圧発生器15と、吸着装置10の下降時に排気を発生するバランサ用エアシリンダ13を含むエアシリンダ16と、真空圧を発生させる真空圧発生器17と、シャトル弁26と、切替弁27と、蓄圧タンク30と、吸着パッド11とで構成される。
【0021】
空気圧発生器15は、空気圧(約0.7MPa)を発生する圧力源21と、空気中の異物を除去するフィルタ22と、空気圧を一定(約0.5MPa)にする減圧弁23と、圧力計とからなり、エアシリンダ16と真空圧発生器17とに枝分かれして接続されている。
【0022】
エアシリンダ16は排気ポート18を備えた減圧弁24とバランサ用エアシリンダ13とからなり、空気圧発生器15からの枝分かれの一方は、減圧弁24に接続されている。
【0023】
真空圧発生器17は、空気圧が供給される空気源ポート20と、吸気ポート19と、空気圧のアスピレータ33と、真空スイッチ36とからなる。吸気ポート19は、吸着パッド11が接続され真空圧発生器17内で発生した真空圧により吸気する。また、空気圧のアスピレータ33は、空気源ポート20から空気圧が供給され、吸気ポート19側の空気をフィルタを経由して真空圧にするように接続されている。真空スイッチ36は、空気圧のアスピレータ33と吸気ポート19との間に、この接続部分の真空圧の大きさによりON/OFF信号を取出機1に伝達する。空気圧のアスピレータ33を通過した空気圧が供給される部分には、真空度調整ニードル34に続き排気の際の音を小さくするための吸音器35が接続されている。
さらに、空気源ポート20と空気圧のアスピレータ33との間には、減圧弁37とそれに続く消音器が枝分かれして接続されている。これは、真空度調整により、真空度調整ニードル34を絞りすぎて、空気圧のアスピレータ33に供給される空気圧が高圧になりすぎたときに作動し、高圧になりすぎた空気圧を調整して放圧するためのリリーフ弁としての役割がある。
【0024】
高圧優先形のシャトル弁26は、2つの入口26a、26bと1つの出口26cとを持ち、2つの入口26a、26bから流入する空気のうち高い圧力の方を優先して、出口26cへ空気圧を供給する。シャトル弁26の出口26cは、枝分かれを経由して、一方は、真空圧発生器17の空気源ポート20に接続され、他方は、電磁弁の作用によってバルブが作動する急速排気弁31の供給口31a側に接続されている。
【0025】
切替弁27は、空気圧発生器15とシャトル弁26との間に接続され、2つのポート28a,28bを備えた1位置切替型の電磁弁で、入力される電気信号により一端部27a又は他端部27bのいずれかの状態に変化して、ポート28a,28b間の連通と遮断が切り替えられる。
蓄圧タンク30は、急速排気弁31の出口31c側に接続されている。
【0026】
以上のように構成された取出機1の吸着装置10は、図3に示すように、位置B、位置A、位置D及び位置Eとの間を連続的に変位する。また、この連続的な変位を、図4に示すように、吸着装置10のZ軸方向変位量及びY軸方向変位量と、バランサ用エアシリンダ13からの排気を真空圧発生器17に供給しているか否かのON/OFFと、空気圧発生器15から空気圧を真空圧発生器17に供給しているか否かであって切替弁の連通/遮断状態であるON/OFFと、吸着パッド11においての真空圧変位とを、同じ時間軸でグラフに示す。このグラフには、下記する動作のタイミングを▲1▼〜▲8▼として、関係するグラフの時間軸上に示す。以下、吸着装置10の動作順で(1)〜(5)に示す。
【0027】
(1)まず、吸着装置10が、成形品を吸着していない状態で、射出成形機2の上方である上昇限界であって後退限界の位置Aにあるタイミング▲1▼の直前は、Z軸方向は上昇限界位置であって、Y軸方向は後退限界位置にあり、バランサ用エアシリンダ13からの排気も空気圧発生器15からの空気圧もOFFであり、吸着パッド11には真空圧が供給されていない状態になっている。
(2)次に、タイミング▲1▼より、Z軸方向は、昇降駆動装置3による下降により、位置Aの上昇限界位置から直線的に下降限界位置まで下降変位し始め、下降変位途中のタイミング▲2▼で、Y軸方向は、昇降駆動装置3のYフレーム5の前進走行による位置Aの後退限界位置から直線的に前進限界位置である位置Bとなるタイミング▲6▼まで前進変位し始める。そして、射出成形機2から成形品を取出す位置であり、下降限界であって前進限界の位置Bへ向けてカーブを描く軌跡で変位する。
【0028】
吸着装置10が位置Aから位置Bまで下降時の略初期のタイミング▲1▼から、タイミング▲2▼を過ぎて位置Aから位置Bまで下降時の途中期であって、位置Bに到達していないタイミング▲3▼の直前までの空気の流れを図5に示す。この期間は、切替弁27は遮断状態なので、シャトル弁26の一方の入り口26aには、空気圧がかかっていない。また、Z軸方向に吸着装置10が下降するにつれてバランサ用エアシリンダ13の背圧室内の空気が排気されるので、エアシリンダ16の減圧弁24の排気口である排気ポート18からシャトル弁26の他方の入り口26bに、この排気による空気圧がかかる。そこで、シャトル弁26の出口26cには、エアシリンダ16の排気が供給され、エアシリンダ16の排気の所要部を真空圧発生器17の空気源ポート20に送るとともに排気の残部を蓄圧タンク30に蓄圧する。真空圧発生器17の空気源ポート20に送り込まれてきた空気圧は、アスピレータ33を通過することで、徐々に真空圧を発生し、発生した真空を吸着パッド11に供給する。しかし、吸着パッド11はまだ吸着すべき成形品に到達していないので、ただ空気を吸っているのみである。
【0029】
次に、タイミング▲3▼に、切替弁27が連通状態に切り替わり、図4のグラフに2点鎖線で示すように、シャトル弁26の一方の入り口26aに空気圧発生器15からの空気圧がかかるようになる。しかし、切替弁27の連通開始直後は、圧力源21からシャトル弁26までの配管内の空気があるので、シャトル弁26の一方の入り口26aにかかる空気圧は徐々にしか上昇しない。そのため、空気圧発生器15側の入り口26aにかかる空気圧より、シャトル弁26の他方の入り口26bにかかっている排気からの空気圧の方が、まだ高圧であり、バランサ用エアシリンダ13からの排気による空気圧がシャトル弁26の出口26cに供給されている。
【0030】
次に、図6に空気の流れを示すように、Z軸方向が下降限界位置となるタイミング▲4▼で、バランサ用エアシリンダ13からの排気による空気圧がなくなると、エアシリンダ16の減圧弁24内の回路が切り替わり空気圧発生器15側の空気圧がバランサ用エアシリンダ13に供給される。バランサ用エアシリンダ13は、空気は供給されるが昇降駆動装置3により下降状態を保ったままなので、供給された空気は、背圧室に蓄えられることになる。そして、シャトル弁26の入り口26aにかかる空気圧発生器15からの空気圧の方が、入り口26bにかかるバランサ用エアシリンダ13からの排気による空気圧より高圧になるタイミング▲5▼で、空気圧発生器15からの空気圧が出口26cに供給された状態に切り替わる。すると、エアシリンダ16からの排気と同様に、空気圧発生器15からの空気圧の所要部を真空圧発生器17に送るとともに空気圧の残部を蓄圧タンク30に蓄圧する。この際の吸着パッド11側の真空圧は、バランサ用エアシリンダ13からの排気で発生していた真空圧に引き続き、徐々に真空圧を発生する。そして、Z軸方向が下降限界位置であって、Y軸方向が前進限界位置となる位置Bに到達したタイミング▲6▼から、吸着パッド11に成形品が接し、吸着装置10の外の空気に対して閉となるので、吸着パッド11側が急速に真空圧となり、成形品を吸着し始める。
【0031】
(3)位置Bにおいて、吸着パッド11が成形品を吸着し、真空圧が上昇し一定の値(例えば、−50Kpa)となった際に、真空スイッチ36がON信号を発し、それにより取出機1が成形品を吸着したと判断し、吸着装置10が上昇し始める。そして、タイミング▲7▼から成形品を吸着した状態で上記(2)と同様であって逆方向の軌跡を経由して位置Aへ変位し始める。この際、エアシリンダ16には、空気圧発生器15からの空気圧が、減圧弁24を経由して、バランサ用エアシリンダ13の背圧室内に空気が供給されている。
(4)吸着装置10は、吸着パッド11が成形品を吸着した状態で、位置Aを経由して、昇降駆動装置3がYフレーム5と共にXフレーム4を走行し、位置Dに変位する。
(5)位置Dから、吸着パッド11は成形品を吸着した状態で、Z軸方向に下降して、位置Eに変位する。この位置Eに到達したタイミング▲8▼で、図7に空気回路図の空気の流れを示すように、切替弁27が遮断状態に切り替わる。すると、真空圧発生器17は停止するので、真空圧が急下降し一定の値(例えば、−50Kpa)以下となると、真空スイッチ36がOFF信号を発し、それにより蓄圧タンク30に取り付けられている急速排気弁31が排気口31bに切り替わる。そして、蓄圧タンク30に蓄えられてた空気圧が真空圧の急速解除用正圧として、真空破壊流量調節ニードル38を経由して、吸着パッド11側に供給されるので、吸着パッド11は成形品を解放する。
さらに、真空スイッチ36は、吸着パッド11で成形品を吸着し維持して移動している途中で、成形品を落下した場合に、真空圧が急降下するので真空スイッチ36がOFF信号を発し、それにより吸着装置10が成形品を落下したと判断し、アラーム信号を出す。この作用により、取出機1が、吸着装置10が成形品を吸着しているか、成形品を落下若しくは指示どおりに解放したかを判断することができる。
(6)成形品を解放した後、位置Eより、位置D、位置Aと順に逆方向の軌跡を経由して変位し、上記(1)の状態となる。
【0032】
本実施形態の成形品の取出機1及びその取出方法によれば、以下のような効果が得られる。
(イ)バランサ用エアシリンダ13の排気を有効に活用して、真空圧発生器17に供給し、真空圧を発生して、吸着パッド11が成形品に到達した時点で、吸着パッド11の真空圧を上昇させておくことができるので、成形品の吸着応答性及び成形品の取出効率を下げることなく、真空圧を発生させるエネルギー消費量を低減することができる。
(ロ)バランサ用エアシリンダ13の排気を利用して、吸着パッド11が成形品に到達する前に発生する真空圧なので、真空圧を発生するタイミングの最適化を細かく制御するための機器・システム等を必要としない。
【0033】
以下、本実施形態の変更例を示す。この変更例は、吸着装置が、昇降駆動用エアシリンダにより下降及び上昇される成形品の取出機であって、昇降駆動用エアシリンダの排気ポートが、真空圧発生器17の空気源ポートに接続されていることのみが本実施形態と異なっている。
本変更例によっても、実施形態と同様な効果が得られる。
【0034】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)吸着装置10の昇降が昇降駆動用エアシリンダで行われ、吸着装置10を含む昇降部分の重量をバランスさせて打ち消すためのバランサ用エアシリンダ13を備え、昇降駆動用エアシリンダ及びバランサ用エアシリンダ13の排気ポート18が、真空圧発生器17の空気源ポート20に接続されること。
(2)吸着装置10のZ軸方向の下降限界に到達する前に、シャトル弁26にかかる空気圧発生器15側からの空気圧が、バランサ用エアシリンダ13からの排気の空気圧より高圧になり、シャトル弁26が切り替わること。
(3)吸着装置10が、成形品を吸着して上昇した後、Z軸方向の変位はせず、X軸方向及びY軸方向の変位のみで、成形品の解放位置に到達し成形品を解放すること。
【0035】
【発明の効果】
本発明の成形品の取出機及びその取出方法によれば、エアシリンダの排気を有効に活用して、真空圧を発生させるので、成形品の吸着応答性及び成形品の取出効率を下げることなく、エネルギー消費量を低減することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る成形品の取出機の斜視図である。
【図2】同取出機の空気回路図である。
【図3】同取出機の吸着装置の成形機に対する変位の部分斜視図である。
【図4】同取出機の動作のタイミングを説明するためのグラフである。
【図5】同取出機の図4におけるタイミング▲1▼からタイミング▲4▼直前における空気の流れを示す空気回路図である。
【図6】同取出機の図4におけるタイミング▲4▼からタイミング▲8▼直前における空気の流れを示す空気回路図である。
【図7】同取出機の図4におけるタイミング▲8▼における空気の流れを示す空気回路図である。
【図8】従来例の成形品の取出機の吸着装置部分の部分斜視図である。
【図9】同取出機の動作のタイミングを説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 取出機
2 射出成形機
3 昇降駆動装置
4 Xフレーム
5 Yフレーム
10 吸着装置
11 吸着パッド
13 バランサ用エアシリンダ
15 空気圧発生器
16 エアシリンダ
17 真空圧発生器
18 排気ポート
20 空気源ポート
26 シャトル弁
27 切替弁
30 蓄圧タンク

Claims (6)

  1. 真空圧を供給して成形品を吸着する吸着パッドを備えた吸着装置を昇降駆動装置により下降及び上昇させる際の、前記吸着装置を含む昇降部分の重量をバランスさせて打ち消すためのバランサ用エアシリンダを備えた成形品の取出機において、前記下降時に前記エアシリンダが排出する排気を、前記吸着パッドに供給する真空圧の発生に利用するように構成したことを特徴とする成形品の取出機。
  2. 真空圧を供給して成形品を吸着する吸着パッドを備えた吸着装置を昇降駆動用エアシリンダにより下降及び上昇させる成形品の取出機において、前記下降時に前記エアシリンダが排出する排気を、前記吸着パッドに供給する真空圧の発生に利用するように構成したことを特徴とする成形品の取出機。
  3. 前記エアシリンダの排気ポートを真空圧発生器の空気源ポートに接続し、前記真空圧発生器の吸気ポートに前記吸着パッドを接続し、前記下降時の略初期又は途中期から略終期までの間、前記エアシリンダの排気を前記真空圧発生器に送ることにより前記真空圧を発生させて前記吸着パッドに供給し、もって前記吸着パッドが前記成形品に到達後、前記吸着パッドにより成形品を吸着する時間を短縮することができるようにした請求項1又は2記載の成形品の取出機。
  4. 前記下降時の略初期又は途中期から略終期までの間、前記エアシリンダの排気の所要部を前記真空圧発生器に送るとともに排気の残部を蓄圧タンクに蓄圧し、前記蓄圧された排気を、後で前記吸着パッドが成形品を解放するときの前記真空圧の急速解除用正圧として利用するようにした請求項3記載の成形品の取出機。
  5. 前記真空圧発生器の空気源ポートに空気圧発生器を切替弁を介して接続し、前記下降時の略終期から、前記空気圧発生器からの空気を前記真空圧発生器に送ることにより前記真空圧を発生させて前記吸着パッドに供給し、もって前記下降後も前記吸着パッドによる成形品の吸着を維持することができるようにした請求項3又は4記載の成形品の取出機。
  6. 吸着パッドを備えた吸着装置を昇降駆動装置により下降及び上昇させる際に、バランサ用エアシリンダで前記吸着装置を含む昇降部分の重量をバランスさせて打ち消し、吸着パッドに真空圧を供給して成形品を吸着する成形品の取出機の取出方法において、前記下降時に前記エアシリンダが排出する排気を真空圧の発生に利用し、前記真空圧を前記吸着パッドに供給することを特徴とする成形品の取出機の取出方法。
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