JP4030810B2 - 抜柱用路面切断機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面に立設された円柱と略同心の円形状に路面を切断することができる抜柱用路面切断機に関し、詳しくは、機体を円柱に連結することなく、機体の凹部に設けられたガイド部を円柱に当接するのみで、円柱と略同心で且つ比較的に小径の円形状に路面を切断することができる抜柱用路面切断機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の円柱状に形成された電柱の周囲の路面を同心状の円形状に切断する路面切断装置として、図5に示すように、電柱aの外周面にバンドbを装着し、このバンドbに対して周回自在に摺接させた外輪cと、路面切断車dとを回動アームeによって連結して、路面切断車dを電柱aの周囲を移動させることにより、路面切断車dに搭載された円盤状ブレードfで電柱aの周囲の路面を同心状の円形状に切断するものが知られている(特開昭59−4705号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の路面切断装置においては、路面の切断作業にあたって、電柱aに外輪cを取り付け、外輪cと路面切断車dとを回動アームeによって連結しなければならず、また、路面の切断作業終了後には、外輪c及び回動アームeを取り外さなければならず、路面の切断作業に際して、外輪c及び回動アームeという連結具を要するばかりでなく、これら連結具の取り付け取り外しの面倒な作業が付随するという不都合があった。
【0004】
また、路面切断車dは電柱aに取り付けられた外輪cと回動アームeによって連結されているものであるから、路面切断車dの円盤状ブレードfにより路面が切断される円形状は、回動アームeの長さと路面切断車dの車幅により規制され、電柱aに対して小径の円形状を切断することが困難であり、しかも、切断する円形状を可能な限り小径にすべく、円盤状ブレードfを路面切断車dの電柱a寄りに配設しても、電柱aから路面切断車dの距離に変化はなく、電柱aを中心として回動アームeの長さに路面切断車dの車幅を加えた範囲内に縁石等の障害物がある場所では、路面の切断作業が不可能であるという不都合があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における問題点を解決するもので、機体を円柱に連結することなく、機体の凹部に設けられたガイド部を円柱に当接させるのみで、円柱と略同心で且つ比較的に小径の円形状に路面を切断することができる抜柱用路面切断機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、下部に複数のキャスタを有する機体と、機体に取付けられた手押しハンドルと、機体に搭載された昇降装置により昇降する回転刃とを備えた抜柱用路面切断機であって、機体の一側部には路面に立設された円柱を受け入れる凹部が形成されていると共に、該凹部には前記円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部が設けられ、前記円柱の外周面にガイド部を当接して機体を移動させることにより、円柱と略同心の円形状に路面を切断するものである。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、手押しハンドルを押してキャスタにより機体を移動させると共に、回転刃を降下させて路面を回転刃により切断するのであるが、機体の一側部には路面に立設された円柱を受け入れる凹部が形成されていると共に、該凹部には前記円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部が設けられているから、路面に立設された円柱の周囲の路面を切断する抜柱作業においては、機体の一側部に形成されている凹部に円柱を受け入れ、凹部に設けられているガイド部を円柱の外周面に当接させて、ガイド部により円柱の外周面に沿って機体を案内しながら機体を移動させることができるので、路面を円柱と略同心の円形状に切断することができ、また、円柱を機体の凹部に受け入れて機体内に位置させることにより、円柱と切断刃との距離を縮小させることができるので、円柱に対して路面を比較的に小径の円形状に切断することができ、しかも、凹部に設けられているガイド部を円柱の外周面に当接させるのみで、機体を円柱に連結しないため、連結具の取り付け取り外しの面倒な作業が付随することがなく、抜柱作業の能率アップに寄与することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載された発明において、回転刃は、機体の一側部に形成されている前記凹部に対して機体の他側部に配設されているものである。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、機体に搭載された昇降装置により昇降する回転刃は、機体の一側部に形成されている凹部に対して機体の他側部に配設されているから、円柱を機体の一側部に形成されている凹部に受け入れて機体内に位置させることと相俟って、機体の他側部に凹部に対して配設されている回転刃の移動軌跡円を比較的に小径にすることができると共に、回転刃の移動軌跡円を機体外郭部の移動軌跡円と略同程度に設定することができるので、円柱の近傍に縁石等の障害物がある場所でも、機体が邪魔になることなく、障害物に接近した路面を円柱と略同心の円形状に切断することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載された発明において、ガイド部は、前記円柱の周方向に間隔を置いて当接される一対のガイドローラにより構成されているものである。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、凹部に設けられて円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部は、円柱の周方向に間隔を置いて当接される一対のガイドローラにより構成されているから、機体は一対のガイドローラにより円柱の外周面に対して2点で当接するので、機体を径の異なる円柱に案内することができ、しかも、ガイドローラによる回転を伴う当接により、機体を円柱に滑らかに案内することができるので、路面を円柱と略同心の円形状に精度よく切断することができる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載された発明において、ガイド部は、前記円柱の周方向に間隔を置いて当接される前記凹部に対設されたガイド傾斜面により構成されているものである。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、凹部に設けられて円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部は、円柱の周方向に間隔を置いて当接される凹部に対設されたガイド傾斜面により構成されているから、機体は凹部に対設されたガイド傾斜面により円柱の径に対応した2点で当接するので、機体を径の異なる円柱に対して同一当接条件により案内することができ、しかも、凹部に対設されたガイド傾斜面を機体の隅角に対向して一体に構成することができるので、対設されたガイド傾斜面により機体を補強することもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明するが、本発明は、機体の一側部に形成された凹部へ路面に立設された円柱を受け入れ機体を移動させる移動手段と、該移動手段により機体を移動させながら円柱の周囲の路面を切断する切断手段とを備えた抜柱用路面切断機であり、この抜柱用路面切断機で路面を円柱と略同心で且つ比較的に小径の円形状に切断して抜柱作業を行うものである。図1及び図2は、抜柱用路面切断機における前記凹部に設けられている円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部の1例を示す第一実施例であり、また、図4は、同じく抜柱用路面切断機における凹部に設けられている円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部の他例を示す第二実施例であり、したがって、抜柱用路面切断機における凹部に設けられている円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部以外の構成である、機体を移動させる前記移動手段と路面を切断する前記切断手段とは、第一実施例と第二実施例とにおいて共通の構成を有するものである。
【0015】
先ず、図1,図2及び図3を参照しながら、抜柱用路面切断機の機体を移動させる移動手段について説明する。1は抜柱用路面切断機の機体であり、機体1は外郭が略四角形に形成されており、機体本体11の一側部に路面に立設された円柱Tを受け入れるための凹部12が形成され、平面視で略コ字状に形成されている。この機体1の外郭における四隅には下部にキャスタ13が設けられ、該各キャスタ13は、凹部12に円柱Tを受け入れた際に円柱Tを包囲するように配設されている。また、機体1の前部側における機体本体11の近傍部には手押しハンドル14が取付けられていると共に、該手押しハンドル14は機体1の後部側に傾斜している。さらに、機体1の後部側における機体本体11の近傍部にはペダル15が固定されている。
【0016】
抜柱用路面切断機の機体1を移動させる移動手段は上記のように構成されており、作業者は、機体1の後方から手押しハンドル14で機体1の移動方向を操縦しながらペダル15を足で押してキャスタ13により機体1を自在に移動させることができる。
【0017】
次に、図1,図2及び図3を参照しながら、上記した移動手段により機体1を移動させつつ円柱Tの周囲の路面を切断する切断手段について説明する。切断手段は、機体1における機体本体11の前後方向の略中央部に搭載されている昇降装置2と、昇降装置2により昇降される回転刃3とからなり、昇降装置2は、昇降装置本体21に回動自在に立設された昇降ハンドル22を有する回動ねじ23と、回動ねじ23に昇降ねじ24により螺着され且つ昇降装置本体21に案内されて昇降する傾斜取付台25とからなり、回転刃3は、皿状に形成されていると共に、駆動源であるモータ31により駆動され、モータ31は取付けブラケット32及び取付けバンド33により傾斜取付台25に取付けられている。また、傾斜取付台25は、機体本体11の一側部に形成されている凹部12に対して機体本体11の他側部に配設されていると共に、傾斜取付台25の取付面は外方へ下降傾斜する傾斜面に形成されている。さらに、モータ31を傾斜取付台25に取付けるにあたっては、皿状に形成されている回転刃3の凸面が機体1に対して外方に位置し、且つ回転刃3の縦断面形状における下半部が略垂直状を呈するように取付けられる。なお、符号34は回転刃3の周辺部を包囲する防塵カバーであり、符号35は集塵機であり、防塵カバー34と集塵機35とを図示しないフレキシブルホースで連通することにより、回転刃3による切断粉塵の飛散を防止するものである。
【0018】
抜柱用路面切断機の機体1を移動させながら円柱Tの周囲の路面を切断する切断手段は上記のように構成されており、作業者は、モータ31により回転刃3を駆動させた状態で、昇降ハンドル22を回動させることにより回転刃3を降下させて路面を切断するのであるが、と同時に、手押しハンドル14で操縦をしながらペダル15を足で押して機体1を移動させると、皿状に形成されている回転刃3は、凸面が機体1に対して外方に位置し、且つ回転刃3の縦断面形状における下半部が略垂直状を呈するように取付けられているから、回転刃3により路面を略垂直状に切断することができると共に、回転刃3は皿状に形成されている凸面により摺接抵抗を受け、この回転刃3の摺接抵抗により機体1を回転刃3の凸面と反対側へ回動指向させながら、路面を円弧状に切断することができる。
【0019】
次に、図1及び図2を参照しながら、抜柱用路面切断機における凹部12に設けられている円柱Tの外周面に沿って機体1を案内するガイド部の第一実施例について説明する。ガイド部は、円柱Tの周方向に間隔を置いて当接される一対のガイドローラ4,4により構成されており、一対のガイドローラ4,4は、機体本体11の凹部12側の側面に機体1の移動方向に間隔を置いて取付けブラケット41により取り付けられている。これにより、機体1は一対のガイドローラ4,4により円柱Tの外周面に2点で当接するので、機体1を径の異なる円柱Tに案内することができ、しかも、ガイドローラ4による回転を伴う当接により、機体1を円柱Tに滑らかに案内することができるので、路面を円柱Tと略同心の円形状に精度よく切断することができる。
【0020】
次に、図4を参照しながら、抜柱用路面切断機における凹部12に設けられている円柱Tの外周面に沿って機体1を案内するガイド部の第二実施例について説明する。ガイド部は、円柱Tの外周面に間隔を置いて当接する凹部12に対設されたガイド傾斜面5,5により構成されている。これにより、機体1は凹部12に対設されたガイド傾斜面5,5により円柱Tの径に対応した2点で当接するので、機体1を径の異なる円柱Tに対して同一当接条件により案内することができ、しかも、凹部12に対設されたガイド傾斜面5,5を機体1の隅角に対向して一体に構成することができるので、対設されたガイド傾斜面5,5により機体1を補強することもできる。
【0021】
また、本発明においては、機体1に搭載された昇降装置2により昇降する回転刃3は、機体1の一側部に形成されている凹部12に対して機体1の他側部に配設されている。これにより、円柱Tを機体1の一側部に形成されている凹部12に受け入れて機体1内に位置させることと相俟って、機体1の他側部に凹部12に対して配設されている回転刃3の移動軌跡円を比較的に小径にすることができると共に、回転刃3の移動軌跡円を機体1外郭部の移動軌跡円と略同程度に設定することができるので、円柱Tの近傍に縁石等の障害物がある場所でも、機体1が邪魔になることなく、障害物に接近した路面を円柱Tと略同心の円形状に切断することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明によると、路面に立設された円柱の周囲の路面を切断する抜柱作業においては、機体の一側部に形成されている凹部に円柱を受け入れ、凹部に設けられているガイド部を円柱の外周面に当接させて、ガイド部により円柱の外周面に沿って機体を案内しながら機体を移動させることができるので、路面を円柱と略同心の円形状に切断することができ、また、円柱を機体の凹部に受け入れて機体内に位置させることにより、円柱と切断刃との距離を縮小させることができるので、円柱に対して路面を小径の円形状に切断することができ、しかも、凹部に設けられているガイド部を円柱の外周面に当接させるのみで、機体を円柱に連結しないため、連結具の取り付け取り外しの面倒な作業が付随することがなく、抜柱作業の能率アップに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抜柱用路面切断機の第一実施例の背面図である。
【図2】本発明に係る抜柱用路面切断機の第一実施例の平面図である。
【図3】本発明に係る抜柱用路面切断機の第一実施例の側面図である。
【図4】本発明に係る抜柱用路面切断機における機体の第二実施例の平面図である。
【図5】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 …機体
12…凹部
13…キャスタ
14…手押しハンドル
2 …昇降装置
3 …回転刃
4 …ガイド部としてのガイドローラ
5 …ガイド部としてのガイド傾斜面
T …円柱
Claims (4)
- 下部に複数のキャスタを有する機体と、機体に取付けられた手押しハンドルと、機体に搭載された昇降装置により昇降する回転刃とを備えた抜柱用路面切断機であって、
機体の一側部には路面に立設された円柱を受け入れる凹部が形成されていると共に、該凹部には前記円柱の外周面に沿って機体を案内するガイド部が設けられ、前記円柱の外周面にガイド部を当接して機体を移動させることにより、円柱と略同心の円形状に路面を切断することを特徴とする抜柱用路面切断機。 - 前記回転刃は、機体の一側部に形成されている前記凹部に対して機体の他側部に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の抜柱用路面切断機。
- 前記ガイド部は、前記円柱の周方向に間隔を置いて当接される一対のガイドローラにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の抜柱用路面切断機。
- 前記ガイド部は、前記円柱の周方向に間隔を置いて当接される前記凹部に対設されたガイド傾斜面により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の抜柱用路面切断機。
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