JP4030706B2 - 脱調検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、誤動作防止機能を備えた脱調検出装置およびそれに必要となる欠相検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
距離継電装置や方向比較継電装置は、脱調や過酷な電力動揺時に誤動作することがある。従って、これら継電装置の出力に基づいて脱調発生を判定する脱調検出装置には、この誤動作による脱調誤検出を防ぐための対策が採用されている。
図14は例えば特開昭55−74313号公報に示された従来の脱調検出の原理を示す図である。図14において、1はモー特性継電器、2はモー特性継電器1の動作領域を完全に含むオフセットモー特性継電器、3は脱調時の継電器の見るインピーダンスの軌跡、Aはモー特性継電器1の動作領域、Bはオフセットモー特性継電器2の動作領域である。
また図15は脱調検出回路の動作ロジックを示した図である。図15において、4は逆相(零相)過電流要素の動作判定結果、5は脱調検出要素の動作判定結果、6は脱調検出確定確認タイマー、7は脱調検出回路の動作判定結果である。
【0003】
次に動作について説明する。電力系統が脱調した場合、継電器の見るインピーダンスは図14の軌跡3のように、まず軌跡がオフセットモー特性継電器2の動作領域Bの内部に入り、続いてモー特性継電器1の動作領域Aの内部へと移動する。この時オフセットモー特性継電器2の動作からモー特性継電器1の動作までの時間が、ある一定時間(脱調検出時間)以上であった場合に脱調と判断して脱調検出信号を出力し、遮断器の引き外し信号をロックする。
また、アーク事故の場合、負荷潮流の影響により継電器の見るインピーダンスはF1点となることがある。更に、背後事故時の継電器の見るインピーダンスはF2点となる。従ってインピーダンスがモー特性継電器1とオフセットモー特性継電器2で囲まれた領域で脱調検出時間以上存在することになり、脱調と誤判断してしまう。これを防ぐために図15のように逆相(零相)過電流要素4が不平衡電流を検出しているときは脱調検出回路をロックする仕組みとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の脱調検出装置は以上のように構成されているので、以下に示すような問題点があった。
即ち、例えば、電力系統において1線地絡事故が発生し、1相欠相となった場合、線路の2相は生きているので脱調現象は生じ得るにもかかわらず、ここでは零相(逆相)電流が流れ、図15において逆相(零相)過電流検出要素4の出力がHレベルとなって脱調検出要素5の出力を常に阻止するため、結果としてこの場合に発生した脱調現象を正しく検出することができなくなる。
【0005】
また、背後3相事故時は、逆相(零相)電流は流れないが脱調現象は生じ得ない。従って、この場合、誤動作防止回路が機能せず、誤った脱調検出信号を出力する可能性がある。
【0006】
この発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、電力系統において実際に発生した脱調現象をより確実に検出することができ、また、誤検出の可能性を極力抑制した脱調検出装置を得ることを目的とする。
また、この脱調検出装置に有用な欠相検出装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき、脱調発生を検出する脱調検出要素および逆相または零相電流が所定値以上となったことを検出する不平衡電流検出要素と、上記脱調検出要素の出力有りを受けて脱調検出信号を出力する脱調検出回路と、上記不平衡電流検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する阻止手段とを備えた脱調検出装置において、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出要素を備え、上記欠相検出要素の出力有りを受けて上記阻止手段の阻止動作を解除するようにしたものである。
【0008】
また、この発明の請求項2に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき脱調発生を検出する脱調検出要素と、上記脱調検出要素の出力有りを受けて脱調検出信号を出力する脱調検出回路とを備えた脱調検出装置において、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき背後事故の発生を検出する背後事故検出要素を備え、
上記背後事故検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する阻止手段を備え、
更に、上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき逆相または零相電流が所定値以上となったことを検出する不平衡電流検出要素を備え、上記不平衡電流検出要素の出力有りを受けて脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する第2の阻止手段を備え、
更に、上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出要素を備え、上記欠相検出要素の出力有りを受けて第2の阻止手段の阻止動作を解除するようにしたものである。
【0009】
また、この発明の請求項3に係る脱調検出装置は、その欠相検出要素として自端欠相検出器と相手端欠相検出器とを備え、上記欠相検出器のいずれかの出力が有ると上記欠相検出要素の出力有りとするものである。
【0010】
また、この発明の請求項4に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
上記電圧と電流の位相角演算から充電電流の方向を検出する電流方向検出要素およびインピーダンス演算から遠方負荷を検出する距離検出要素を備え、上記両検出要素が共に出力有りの条件成立で相手端欠相を検出する欠相検出装置を欠相検出要素に適用したものである。
【0011】
また、この発明の請求項5に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
線路側に設けられた電圧検出器からの電圧値の所定量の低下を検出する不足電圧検出要素および上記電流値の所定量の上昇を検出する過電流検出要素を備え、いずれかの相において、上記不足電圧検出要素が出力有りでかつ上記過電流検出要素が出力無しの条件成立で自端欠相を検出する欠相検出装置を欠相検出要素に適用したものである。
【0012】
また、この発明の請求項6に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
上記電流値の所定量の低下を検出する不足電流検出要素を備え、いずれかの相において、上記不足電流検出要素が出力有りの条件成立で欠相を検出する欠相検出装置を欠相検出要素に適用したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の主たる目的は、系統欠相時に発生した脱調現象を確実に検出することができる脱調検出装置を実現することであるが、この実施の形態1では、その前段で必要となる新規な欠相検出装置について説明する。
図1は相手端欠相検出要素の特性を示す図である。図1において、8はX≦(tan75゜)Rの特性を有するブラインダー要素、9はX≦−(tan75゜)Rの特性を有するブラインダー要素、10は原点を中心とするインピーダンス要素、Cは前記インピーダンス要素10の動作領域、Dは前記ブラインダー要素8、9、インピーダンス要素10によって作られる相手端欠相検出要素の動作領域である。
【0014】
次に前記相手端欠相検出要素の動作について説明する。相手端のみが欠相した場合、その欠相相には充電電流が流れる。この充電電流は電圧に対して90度進みの位相関係を持っている。また、インピーダンス的には、図1の領域D内に見る。従って前記ブラインダー要素8、9の角度±75゜は一例であって、90゜進みの充電電流を検出できる角度であれば±75゜の前後で適宜設定可である。ここで、インピーダンスが領域C内でないという条件を付加することにより、至近端背後事故において不要に欠相検出要素が動作することを防いでいる。
この方式により充電電流を計測して遠方の欠相を検出するには、送電線長が比較的長く、検出に十分な充電電流が流れていることが必要であるが、この検出方式は、相手端欠相の時のみ動作するので、安定した動作が期待でき使い易いという利点がある。
なお、図1に示す特性の欠相検出装置を適用した脱調検出装置については、後段の各実施の形態で説明する。
【0015】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。この脱調検出装置は、自端欠相中に脱調が発生した場合にも確実に脱調検出を可能とするものである。
図2において、11は自端欠相検出器で、自端遮断器の補助接点の動作判定結果である。脱調現象は通常、3相平衡であるので逆相(零相)分を検出した場合は脱調検出回路をロックすれば系統事故での脱調検出回路の誤動作は防ぐことができる。しかし、自端が欠相している場合は逆相(零相)分が発生するので、この時に脱調が発生すると、脱調検出ができない。これを防ぐために、自端遮断器が開いているときは、逆相(零相)過電流要素4をロックすることにより脱調検出を可能としている。
【0016】
即ち、図2において、自端欠相がなく(自端遮断器オープン11の出力L)、不平衡電流検出要素である逆相(零相)過電流検出要素4の出力がHレベルになると阻止手段としてのAND1の阻止機能が有効に動作し、脱調検出要素5が誤検出Hを出力してもAND1はLレベルを保持して脱調検出信号が出力されることはない。しかし、自端欠相が検出されると(自端遮断器オープン11の出力H)、AND2の出力がLレベルとなりAND1の阻止機能を解除して脱調検出要素5による脱調検出動作出力が有効となる。
【0017】
なお、この自端遮断器の補助接点を利用した欠相検出方式は、当該接点情報を取り込むことができれば構成が簡便安価となる利点があるが、この接点情報は遮断器の開閉動作に追従したものであるので、後述するような、電圧、電流の検出値から直接検出する欠相検出方式に比較して検出の応答が遅くなるのは止むを得ない。
【0018】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。この実施の形態3も形態2と同様、自端欠相の検出により、逆相(零相)過電流検出要素4の出力による脱調検出信号出力阻止機能を解除するものである。但し、ここでは、自端欠相を自端遮断器の補助接点からではなく、過電流検出要素12と不足電圧検出要素13とから検出している。
【0019】
即ち、自端が欠相すると、線路側に設けられた電圧検出器PTからの電圧は低下し不足電圧検出要素13が動作(Hレベル)する。そして、通常の他の故障時には電圧低下相の電流が増大するが、欠相事故の場合は欠相相の電流検出器CTからの電流が低下するので過電流検出要素12がLレベルとなる。従って、両者の上記動作の成立をAND3で判別して自端欠相検出出力をAND2へ送出する。以降の動作は実施の形態2と同一であるので説明は省略する。
【0020】
この自端欠相検出方式は、高速検出が可能であるが、図4(a)に示すように、電圧情報を線路側に設けられたPTから入手する必要があり、同図(b)に示すように、母線側に設けられたPTからの電圧情報は欠相によっても変化しないので欠相検出はできない。
なお、この場合、過電流検出要素12のしきい値としては、例えば、定格値の5〜10%程度、また、不足電圧検出要素13のしきい値としては、例えば、定格値の70〜80%程度に設定するのが望ましい。
更に、この過電流検出要素12と不足電圧検出要素13とを組み合わせた自端欠相検出装置は、他の用途の欠相検出にも適用できることは言うまでもない。
【0021】
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。ここでは、実施の形態2で説明した、自端遮断器オープンで判別する自端欠相検出要素11と例えば実施の形態1で説明した相手端欠相検出要素14との両欠相検出要素を備え、これらをそれぞれAND21およびAND22の入力とすることにより、自端欠相または相手端欠相の少なくとも一方が検出されると、逆相(零相)過電流検出要素4の出力による脱調検出信号出力阻止機能を解除する。
【0022】
実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。先の実施の形態4と異なるのは、自端欠相検出を実施の形態3で説明した過電流検出要素12と不足電圧検出要素13とを使用した方式に替えたのみであるので、動作の説明は省略するが、実施の形態4に比較して高速度の欠相検出が実現する。
【0023】
実施の形態6.
図7はこの発明の実施の形態6における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。ここでは、相手端欠相検出装置として各相不足電流検出要素15を採用している。各相不足電流検出要素15はいずれか少なくとも1相で電流検出値が所定のしきい値以下となる不足電流を検出すると相手端欠相と判別する。
この欠相検出方式はアルゴリズムが単純なので動作検証が簡単にできるという利点がある。但し、系統によって、不足電流要素の動作値を変える必要がある。例えば、長距離系統では充電電流が大きいので、しきい値を高く設定する必要がある。もっとも、整定で可変に設定できるようにすれば、問題はない。
【0024】
脱調検出装置としての動作は、先の実施の形態4の場合と変わりはないので説明は省略する。
また、この各相不足電流検出要素15は自端欠相検出装置としても使用でき、この場合、図7において、自端遮断器オープン11およびAND21を使用せず、欠相を各相不足電流検出要素15のみで検出することで、脱調検出信号出力阻止機能を解除するようにしてもよい。また、当然ながら、この各相不足電流検出要素15は他の用途の欠相検出にも適用することができる。
【0025】
実施の形態7.
図8はこの発明の実施の形態7における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。先の実施の形態6における自端遮断器オープンを利用した方式に替わって過電流検出要素12と不足電圧検出要素13とを組み合わせた自端欠相検出方式を採用した以外に異なるところはなく、動作の説明は省略するが、高速の欠相検出が可能となる。
【0026】
実施の形態8.
図9はこの発明の実施の形態8における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。以上の各実施の形態では、いずれも背後事故については考慮していない。背後3相事故時は脱調現象は起こり得ないので、脱調検出要素5が誤って出力するとこれを阻止する必要があるが、背後3相事故時には不平衡電流が生じず、従って逆相(零相)過電流検出要素4は動作せず、以上の実施の形態のものでは、誤脱調検出を防止できない。
この実施の形態8では、背後3相事故を検出する背後事故検出要素16を設け、不平衡電流が検出されなくても背後事故検出要素16の出力がHレベルになると、これをAND4で判別し、AND11により脱調検出要素5の出力を阻止する構成としている。これにより、背後3相事故での誤脱調検出を防ぐことが可能となり、背後3相事故から内部へ事故が進展した場合でも、遅延なく遮断器の引外し信号を出力することができる。
【0027】
なお、背後事故の検出方法には幾つかあるが、例えば、図10に示すような特性を持たせることにより検出が可能である。つまり、背後事故点F3を含む動作領域Eを持つ距離継電器17に負荷潮流で動作しないようにブラインダー要素18を付加すればよい。
【0028】
図9では、自端、相手端欠相検出要素11、14を設け、欠相が検出されたときは、逆相(零相)過電流検出要素4の出力による脱調検出信号出力阻止機能を解除する、先の形態例と同様の構成も採用しているが、例えば、背後事故のみを考慮すれば足りるという場合には、背後事故検出要素16の出力有り(Hレベル)で脱調検出要素5からの脱調検出信号の出力を阻止する回路のみを採用する構成としてもよい。
逆に、先の各形態例では、いずれも背後事故を考慮していないが、実際の系統事故は通例、不平衡事故が大半であるので、実用上はほとんど問題ない。
【0029】
実施の形態9.
図11はこの発明の実施の形態9における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。実施の形態8と異なるのは、自端欠相検出装置として、自端遮断器オープンを利用した方式に替わり、過電流検出要素12と不足電圧検出要素13とを組み合わせた高速検出可能の自端欠相検出装置を採用した点のみで、他は同様であるので動作の説明は省略する。
【0030】
実施の形態10.
図12はこの発明の実施の形態10における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。先の実施の形態8と異なるのは、相手端欠相検出装置として各相不足電流検出要素15を採用している点のみで、他は同様であるので、動作の説明は省略する。
【0031】
実施の形態11.
図13はこの発明の実施の形態11における脱調検出装置の動作ロジックを示す図である。実施の形態10と異なるのは、自端遮断器オープンを利用した方式に替わり、過電流検出要素12と不足電圧検出要素13とを組み合わせた高速検出可能な自端欠相検出装置を採用した点のみで、他は同様であるので動作の説明は省略する。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき、脱調発生を検出する脱調検出要素および逆相または零相電流が所定値以上となったことを検出する不平衡電流検出要素と、上記脱調検出要素の出力有りを受けて脱調検出信号を出力する脱調検出回路と、上記不平衡電流検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する阻止手段とを備えた脱調検出装置において、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出要素を備え、上記欠相検出要素の出力有りを受けて上記阻止手段の阻止動作を解除するようにしたので、欠相中に発生した脱調現象も検出可能となる。
【0033】
また、この発明の請求項2に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき脱調発生を検出する脱調検出要素と、上記脱調検出要素の出力有りを受けて脱調検出信号を出力する脱調検出回路とを備えた脱調検出装置において、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき背後事故の発生を検出する背後事故検出要素を備え、
上記背後事故検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する阻止手段を備えたので、背後事故時の誤脱調検出を防ぐことが可能となり、背後事故から内部へ事故が進展した場合でも、遅延なく保護動作がなされる。
更に、上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき逆相または零相電流が所定値以上となったことを検出する不平衡電流検出要素を備え、上記不平衡電流検出要素の出力有りを受けて脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する第2の阻止手段を備えたので、不平衡事故時、背後事故時のいずれにおいても誤脱調検出を防ぐことが可能となる。
更に、上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出要素を備え、上記欠相検出要素の出力有りを受けて第2の阻止手段の阻止動作を解除するようにしたので、欠相中に発生した脱調現象の検出が可能となる。
【0034】
また、この発明の請求項3に係る脱調検出装置は、その欠相検出要素として自端欠相検出器と相手端欠相検出器とを備え、上記欠相検出器のいずれかの出力が有ると上記欠相検出要素の出力有りとするので、欠相の検出がより確実になされる。
【0035】
また、この発明の請求項4に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
上記電圧と電流の位相角演算から充電電流の方向を検出する電流方向検出要素およびインピーダンス演算から遠方負荷を検出する距離検出要素を備え、上記両検出要素が共に出力有りの条件成立で相手端欠相を検出する欠相検出装置を欠相検出要素に適用するので、比較的長距離の送電系統において、相手端欠相を他と識別して確実に検出することができる。
【0036】
また、この発明の請求項5に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
線路側に設けられた電圧検出器からの電圧値の所定量の低下を検出する不足電圧検出要素および上記電流値の所定量の上昇を検出する過電流検出要素を備え、いずれかの相において、上記不足電圧検出要素が出力有りでかつ上記過電流検出要素が出力無しの条件成立で自端欠相を検出する欠相検出装置を欠相検出要素に適用するので、自端欠相を高速確実に検出することができる。
【0037】
また、この発明の請求項6に係る脱調検出装置は、電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
上記電流値の所定量の低下を検出する不足電流検出要素を備え、いずれかの相において、上記不足電流検出要素が出力有りの条件成立で欠相を検出する欠相検出装置を欠相検出要素に適用するので、簡便なアルゴリズム構成で欠相を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の、相手端欠相検出装置の特性図を示す。
【図2】 この発明の実施の形態2を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図4】 図3の過電流検出要素12および不足電圧検出要素13への電流、電圧検出器CT、PTの設置要領を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態4を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図6】 この発明の実施の形態5を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図7】 この発明の実施の形態6を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図8】 この発明の実施の形態7を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図9】 この発明の実施の形態8を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図10】 背後事故検出要素の特性の一例を示す。
【図11】 この発明の実施の形態9を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図12】 この発明の実施の形態10を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図13】 この発明の実施の形態11を示す脱調検出装置の動作ロジック図である。
【図14】 脱調検出の原理を説明するための継電器特性図を示す。
【図15】 従来の脱調検出装置の動作ロジック図を示す。
【符号の説明】
4 逆相(零相)過電流検出要素、5 脱調検出要素、
6 脱調検出確定確認タイマー、7 脱調検出回路、11 自端遮断器オープン情報、
12 過電流検出要素、13 不足電圧検出要素、14 相手端欠相検出要素、
15 各相不足電流検出要素、16 背後事故検出要素。
Claims (6)
- 電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき、脱調発生を検出する脱調検出要素および逆相または零相電流が所定値以上となったことを検出する不平衡電流検出要素と、上記脱調検出要素の出力有りを受けて脱調検出信号を出力する脱調検出回路と、上記不平衡電流検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する阻止手段とを備えた脱調検出装置において、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出要素を備え、上記欠相検出要素の出力有りを受けて上記阻止手段の阻止動作を解除するようにしたことを特徴とする脱調検出装置。 - 電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき脱調発生を検出する脱調検出要素と、上記脱調検出要素の出力有りを受けて脱調検出信号を出力する脱調検出回路とを備えた脱調検出装置において、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき背後事故の発生を検出する背後事故検出要素を備え、
上記背後事故検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から脱調検出回路への出力を阻止する阻止手段を備え、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき逆相または零相電流が所定値以上となったことを検出する不平衡電流検出要素を備え、上記不平衡電流検出要素の出力有りを受けて上記脱調検出要素から上記脱調検出回路への出力を阻止する第2の阻止手段を備え、
上記電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出要素を備え、上記欠相検出要素の出力有りを受けて上記第2の阻止手段の阻止動作を解除するようにしたことを特徴とする脱調検出装置。 - 欠相検出要素として自端欠相検出器と相手端欠相検出器とを備え、上記欠相検出器のいずれかの出力が有ると上記欠相検出要素の出力有りとすることを特徴とする請求項1または2に記載の脱調検出装置。
- 電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
上記電圧と電流の位相角演算から充電電流の方向を検出する電流方向検出要素およびインピーダンス演算から遠方負荷を検出する距離検出要素を備え、上記両検出要素が共に出力有りの条件成立で相手端欠相を検出する欠相検出装置を、請求項1ないし3のいずれかに記載の欠相検出要素に適用したことを特徴とする脱調検出装置。 - 電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
線路側に設けられた電圧検出器からの電圧値の所定量の低下を検出する不足電圧検出要素および上記電流値の所定量の上昇を検出する過電流検出要素を備え、いずれかの相において、上記不足電圧検出要素が出力有りでかつ上記過電流検出要素が出力無しの条件成立で自端欠相を検出する欠相検出装置を、請求項1ないし3のいずれかに記載の欠相検出要素に適用したことを特徴とする脱調検出装置。 - 電力系統の各相電圧または電流の検出情報に基づき欠相の発生を検出する欠相検出装置であって、
上記電流値の所定量の低下を検出する不足電流検出要素を備え、いずれかの相において、上記不足電流検出要素が出力有りの条件成立で欠相を検出する欠相検出装置を、請求項1ないし3のいずれかに記載の欠相検出要素に適用したことを特徴とする脱調検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2000197941A JP4030706B2 (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 脱調検出装置 |
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JP2002017039A JP2002017039A (ja) | 2002-01-18 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016127657A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 株式会社日立製作所 | 脱調検出リレーシステム |
-
2000
- 2000-06-30 JP JP2000197941A patent/JP4030706B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016127657A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 株式会社日立製作所 | 脱調検出リレーシステム |
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