JP4029993B2 - 投球機の球供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野球練習用の打者の打撃域(ストライクゾーン)等に球を投球可能とする投球機本体に対し、球を一つづつ供給可能とする投球機の球供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
架台に支持されて球を投球する投球機本体に対し、同上架台に支持された球貯留タンクから球を一つづつ供給可能とする投球機の球供給装置には、従来、実開平1‐180273号公報で示されたものがある。
【0003】
これによれば、上記球貯留タンクの底部から投球機本体に向って傾斜下方に延び上記球貯留タンクから排出されてきた球を転動させながら上記投球機本体に案内する案内通路が設けられている。また、上記球貯留タンクの内底部に軸心が垂直である回動体が設けられており、この回動体の周方向の一部には、上下方向に貫通して上記球を一つづつ通過可能とさせる貫通孔が形成されている。
【0004】
そして、上記回動体の回動に伴い上記貫通孔を上記球貯留タンク内の球が一つづつ通過させられ、このように通過させられた球は、上記案内通路を通って上記投球機本体に一つづつ供給され、これが同上投球機本体によって投球されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、球貯留タンク内に回動体が設けられているため、その分、球を溜めるための球貯留タンクの容量が小さくなるという問題がある。
【0006】
また、上記したように、回動体は球貯留タンクの内底部に位置していて、多数の球に埋もれているため、上記回動体の作動状態をみることはできず、よって、球供給装置の保守、点検がしにくいという問題もある。
【0007】
更に、上記回動体は球貯留タンク内のほぼ全ての球の重量を受けながら、回動させられるため、十分の強度が要求され、よって、球供給装置の構成が複雑になりがちである。
【0008】
また、上記したように、回動体が回動するとき、これに伴って上記球貯留タンク内の各球が移動させられるが、この際、いずれかの球が、他の球を介するなどして上記球貯留タンクの内周面と回動体との間に挟み付けられるおそれがあり、もって、この挟み付けによる反力によって、上記球供給装置に無用の負荷が与えられるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、球貯留タンクにおける球を溜めるための容量が十分に確保されるようにし、かつ、球供給装置の保守、点検が容易にできるようにし、更に、球供給装置の構成を簡単にさせることを課題とする。
【0010】
また、上記球供給装置の駆動中に、この球供給装置に無用の負荷が与えられないようにして、球供給装置による円滑な球の供給が確保されるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の投球機の球供給装置は、次の如くである。
【0012】
請求項1の発明は、架台16に支持されて球2を投球する投球機本体5に対し、この投球機本体5の投球動作に連動して同上架台16に支持された球貯留タンク6から球2を一つづつ供給可能とする投球機の球供給装置7であって、
【0013】
上記球貯留タンク6の底部側から上記投球機本体5に向って傾斜下方Bに延び上記球貯留タンク6から排出されてきた球2を一列に整列させてこれらを転動させながら上記投球機本体5に案内する案内通路54と、この案内通路54の上部側通路55と下部側通路57との間の中途部に形成されて上記上部側通路55から下部側通路57への球2の転動を阻止するストッパ60と、このストッパ60よりも上記上部側通路55寄りで昇降自在とされる昇降体63と、この昇降体63を上記投球機本体5に連動連結させる連動手段64とを備え、上昇した上記昇降体63が上記上部側通路55の長手方向での下端部に位置する球2を上記ストッパ60を越えさせて上記下部側通路57に移載可能とさせる一方、下降した上記昇降体63が上記球2に後続して上記上部側通路55の長手方向での下端部に位置する他の球2の下側にまで移動可能となるようにし、
【0014】
上記球貯留タンク6の底部側から上記下部側通路57の長手方向での上端部に向って傾斜下方Bに延びる案内パイプ56を設け、この案内パイプ56の内部空間を上記上部側通路55とし、上記案内パイプ56の長手方向の下端部における上部に切り欠き78を形成し、上記上部側通路55の長手方向での下端部に位置させられた球2を上記切り欠き78を通し上方移動可能にすると共に、この切り欠き78の少なくとも一部を閉じてこの切り欠き78を通しての上記球2の上方移動を弾性的に規制するばね79を設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0016】
図2、3において、符号1はアーム式の野球練習用の投球機で、矢印Frはこの投球機1による球2の投球方向の前方を示し、下記する左右とは上記前方に向っての水平方向をいうものとする。
【0017】
上記投球機1は、野球練習用のグランドである地面3上の被投球部に向って、つまり、前方に向って球2を投球する投球機本体5と、この投球機本体5によって投球される球2を多数貯留可能にする球貯留タンク6と、この球貯留タンク6の球2を一つづつ上記投球機本体5に供給する球供給装置7と、これら投球機本体5、球貯留タンク6、および球供給装置7を支持して上記地面3上に載置されこの地面3上の任意位置にまで移動自在とされる台車10とを備えている。
【0018】
上記台車10は上記投球機本体5を支持する基台11と、この基台11を上記地面3上に支持させるそれぞれ左右一対の弾性の前、後車輪12とを有している。また、上記台車10を上記地面3上の任意位置に解除可能に固定させる不図示の固定具が設けられている。
【0019】
上記投球機本体5は、上記台車10の基台11上に前部緩衝体14と後部緩衝体15とを介して支持される架台16を有している。上記前部緩衝体14はゴム製で左右一対設けられ、上記基台11の前部に上記架台16の前部を枢支させており、つまり、上記前部緩衝体14は、その弾性変形により、この前部緩衝体14を中心として上記架台16の後部側が上下に回動自在となるようこの架台16を枢支させている。
【0020】
上記後部緩衝体15は、枢支軸18により前後に回動自在となるよう上記基台11の後部に枢支された支持バー19と、この支持バー19の回動端に上記架台16の後部側を支持させるねじジャッキ20と、これら架台16の後部側とねじジャッキ20との間に介設されたスプリング製の緩衝体本体21とを備えている。上記ねじジャッキ20をねじ回し操作すれば、上記架台16は上記前部緩衝体14を中心として上下の所望位置まで回動させることが可能であり、これにより、側面視における上記投球機本体5の水平面に対する傾斜角度、つまり、球2による投球角度が調整可能とされている。
【0021】
上記投球機本体5は、軸心23が左右に水平に延びる回動軸24を有し、この回動軸24はその軸心23回りに回動自在となるよう上記架台16の前部に左右一対の軸受25,25により支承されている。
【0022】
上記回動軸24の一端部(右側端部)に投球アーム26の一端部が固着され、この投球アーム26の他端部側は上記回動軸24の径方向の外方に突出してその突出端部が球受部27とされている。上記投球アーム26が上記回動軸24からその後方に向ってほぼ水平に突出する姿勢(以下、これを「球載置姿勢」という)とさせたとき(各図中二点鎖線)、上記球受部27は、その上面がほぼ水平に前後方向に延びて、この上面に球2が載置可能とされている。
【0023】
上記回動軸24の他端部(左側端部)に付勢アーム29の一端部が固着され、この付勢アーム29の他端部側は上記回動軸24の径方向の外方に突出している。一端部が上記付勢アーム29の突出端に枢支ピン31により枢支され他端部が同上回動軸24のほぼ径方向外方である回動軸24の後方に延出するコイルスプリング状のばね34が設けられ、このばね34の他端部は上記架台16の後部である一部33に連結されている。そして、このばね34によって、上記付勢アーム29の突出端が上記架台16の一部33に向って引張されている。
【0024】
図2、3中実線で示すように、上記回動軸24が上記付勢アーム29を介し上記ばね34で付勢されているだけであって、外力を受けていない上記回動軸24の自由状態では、上記ばね34の引張力で、上記回動軸24に取り付けられた付勢アーム29の突出端が上記架台16の一部33に向って引張される。この場合、上記回動軸24の軸心23に沿った視線でみて(図2で示す投球機1の投球機本体5の側面視で)、この回動軸24の軸心23、枢支ピン31の軸心、およびばね34の長手方向に向って延びる軸心の長手方向がこの順序でほぼ一直線上に並び、この状態で安定した静止状態とされる。この静止状態で、上記投球アーム26は回動軸24の軸心23側から前下方に向って突出する姿勢とされている。このように、図2、3中実線で示した回動軸24、投球アーム26、およびばね34の状態を、以下、「初期状態」という。
【0025】
上記「初期状態」から、上記回動軸24周りの全周のうちの一部の角度範囲αで、上記ばね34の引張力に抗して上記回動軸24を投球アーム26と共に上記回動軸24の軸心23回りの一方向(各図中矢印A)に回動させる駆動手段40が設けられている。この際、上記投球アーム26は上記回動軸24の軸心23の下側を通り後上方に向って低速回動させられる。
【0026】
上記一部の角度範囲αは具体的にはほぼ180°で、上記回動軸24が上記「初期状態」から一部の角度範囲αだけ上記一方向に半回動させられたときには(図2中一点鎖線)、枢支ピン31の軸心、回動軸24の軸心23、およびばね34の軸心の長手方向がこの順序でほぼ一直線上に並ぶこととなる。そして、このときには、上記ばね34は回動軸24をその軸心23回りのいずれの方向にも回動させないが、ばね34は最大伸長状態となり、つまり、ばね34には引張力による最大の弾性エネルギーが蓄えられることとなる。
【0027】
上記状態では、回動軸24がわずかでもいずれかに回動すれば、その方向に上記回動軸24が上記ばね34によって弾性的に回動させられるという不安定な静止状態となっている。上記状態で、投球アーム26は回動軸24から後上方に向って突出し、この投球アーム26は、上記回動軸24の周方向で、上記「初期状態」のものとは180°偏位している。このような回動軸24、投球アーム26、およびばね34の状態を、以下「中立状態」という。
【0028】
上記「中立状態」から、上記回動軸24周りの全周のうちの他部の角度範囲βであるほぼ180°の範囲では、上記ばね34に蓄えられた弾性エネルギーによる引張力で、上記回動軸24が投球アーム26と共に上記軸心23の上側を通り同上一方向(各図中矢印A)である前下方に向って高速で半回動させられる。この際、上記投球アーム26は上記回動軸24の軸心23の上側を通り前下方に向って高速回動させられる。
【0029】
前記駆動手段40は、上記架台16に支持される減速機付電動機41を有し、この電動機41の出力軸に駆動鎖車43が取り付けられ、一方、上記回動軸24に従動鎖車44が取り付けられ、この従動鎖車44は上記駆動鎖車43に伝動チェーン45によって連動連結されている。
【0030】
上記投球アーム26の基部にピン状の被係合部47が突設され、一方、上記駆動鎖車43にローラ状の係合部48が突設されている。上記電動機41が駆動すれば、駆動鎖車43と伝動チェーン45を介して上記従動鎖車44と共に係合部48が図中矢印Aの方向に回動させられる。すると、上記従動鎖車44と共に回動する上記係合部48が、上記ばね34に抗し上記回動軸24の軸心23回りに被係合部47を押動して、上記投球アーム26を、上記した一部の角度範囲αで回動軸24と共に同上矢印Aの方向に回動させる。
【0031】
図2中二点鎖線で示すように、上記一部の角度範囲αの途中で、上記投球アーム26が上記回動軸24からその後方に向ってほぼ水平に突出する前記「球載置姿勢」になったとき、上記投球アーム26の球受部27に前記球供給装置から一つの球2が供給されて載置される。
【0032】
上記投球アーム26の「球載置姿勢」の後、更に、上記駆動手段40の駆動により、上記「中立状態」に達し、かつ、これを越えたときには、前記したように、他部の角度範囲βで、ばね34により回動軸24と投球アーム26とが一方向に高速に回動させられ、この際、上記係合部48から被係合部47が離反して、上記回動軸24と投球アーム26に対する駆動手段40の連動状態が解除されて、上記球2が前方に向って投球され、このようなばね34による上記回動軸24と投球アーム26の回動後は、これら24,26,34は上記「初期状態」に戻ることとなる。
【0033】
上記の後は、上記投球動作が繰り返されて、上記した投球アーム26の「球載置姿勢」、「中立状態」、および「初期状態」が順次実行され、もって、被投球部に向って球2が一つづつ次々と投球される。
【0034】
前記球供給装置7は、上記投球機本体5の投球動作に同期するよう連動して、上記投球機本体5において「球載置姿勢」とされた投球アーム26の球受部27に対し、上記球貯留タンク6から球2を一つづつ供給可能とするものである。
【0035】
上記球供給装置7は、上記球貯留タンク6の底部側から上記「球載置姿勢」とされた投球機本体5の投球アーム26の球受部27に向って漸次傾斜下方(図1,4,5中、矢印B)に延びる案内通路54を備えている。
【0036】
上記案内通路54はその長手方向の上部を構成する上部側通路55を備え、この上部側通路55はコイルばねで形成された断面円形の案内パイプ56の内部空間で形成され、この案内パイプ56はその上端部が上記球貯留タンク6に支持され、下端部が上記架台16に支持されている。また、上記案内通路54はその長手方向の下部を構成する下部側通路57を備え、この下部側通路57は傾斜台58に沿った上面側で形成され、この傾斜台58も上記架台16に支持されている。上記上部側通路55の長手方向での下端部は、上記下部側通路57の長手方向での上端部に向って延び、この下部側通路57の長手方向での下端部は上記「球載置姿勢」の投球機本体5の投球アーム26の球受部27に向って延びている。
【0037】
そして、図1,5中、矢印Cで示すように、上記球貯留タンク6の内底部から次々と排出されてきた球2は、その各々の自重で、上記案内通路54の内底面を転動させられ、上記した「球載置姿勢」の球受部27に案内されるようになっている。
【0038】
また、上記球供給装置7は、上記案内通路54の上部側通路55と下部側通路57との間の中途部に形成されて上記上部側通路55から下部側通路57への球2の転動を阻止するストッパ60を備えている。この場合、上記球貯留タンク6から排出されてきた球2は、上記上部側通路55に沿って一つづつ一列に整列させられ、かつ、互いに隣り合う球2,2同士は互いに当接させられる。
【0039】
上記上部側通路55の長手方向での下端部と、上記下部側通路57の長手方向での上端部とは、その幅方向の各中心線61が平面視でほぼ一致しており、かつ、水平面に対する傾斜角もほぼ同じとされている。上記傾斜下方Bに沿った方向で、上記上部側通路55の下端部と、下部側通路57の上端部とは互いに対向し、かつ、離されていて、これら上部側通路55の下端部と、下部側通路57の上端部との間に空間62が形成されている。
【0040】
上記空間62の上記傾斜下方Bに沿った方向における寸法は上記球2の直径よりも小さくされており、このため、上記上部側通路55を転動してきた一つの球2の下部だけが上記空間62に嵌脱自在に嵌入させられるようになっている。この場合、球2は上記上部側通路55の下端部と、下部側通路57の上端部の各端縁に跨るように当接して、上部側通路55から下部側通路57への転動が阻止されるようになっており、つまり、上記下部側通路57の上端部の端縁が上記上部側通路55から下部側通路57への転動を阻止するストッパ60とされている。
【0041】
また、上記空間62に嵌入されて、上記ストッパ60によりそれ以上の転動が阻止された球2に、上記したように、上部側通路55を転動してきた各球2が順次当接して、上記下部側通路57側への転動がそれぞれ阻止されるようになっている。
【0042】
また、上記球供給装置7は、上記ストッパ60よりも上記上部側通路55寄りである上記空間62で昇降自在とされる昇降体63と、この昇降体63の昇降動作を上記投球機本体5に連動連結させる連動手段64とを備えている。上記昇降体63の上面は球2を載置可能とさせる載置面とされ、この載置面は、上記傾斜下方Bに沿って延びる傾斜面となっている。
【0043】
上記連動手段64は、上記架台16に枢支軸65により上下に揺動自在に枢支された揺動レバー66を備えている。この揺動レバー66の揺動端に上記昇降体63が取り付けられ、上記揺動レバー66の揺動に伴い上記昇降体63が昇降自在とされている(図1,4中、矢印D)。
【0044】
平面視(図5)で、上記揺動レバー66の下側でこの揺動レバー66にほぼ直行するように延びるカム軸68が設けられ、このカム軸68は上記架台16に支承されてその軸心回りに回動自在とされ(図4中、矢印E)、上記カム軸68は上記揺動レバー66にカム係合することとされている。
【0045】
上記カム軸68に駆動鎖車70が取り付けられ、上記投球機本体5の回動軸24に従動鎖車71が取り付けられ、上記駆動鎖車70と従動鎖車71とに伝動チェーン72が巻き掛けられている。上記駆動鎖車70と従動鎖車71とは互いに同径であり、このため、上記カム軸68は上記回動軸24に同期するよう連動させられ、つまり、この回動軸24と共に回動する投球アーム26と球受部27とに同期するよう連動させられて回動させられる。そして、上記カム軸68に上記揺動レバー66がカム係合して上下に揺動し、この揺動レバー66と共に上記昇降体63が昇降することとされている。
【0046】
上記傾斜下方Bに沿った方向で、上記下部側通路57の長手方向の下端部に少し離れて対向する他のストッパ74が設けられ、この他のストッパ74は上記架台16に支持されている。上記下部側通路57の下端部と他のストッパ74との間の空間75には、その上方から、上記下部側通路57上を転動してきた球2が嵌合して、上記下部側通路57の下端部と他のストッパ74との間に跨るように載置可能とされている。また、上記一部の角度範囲αで、上記回動軸24と共に回動する投球アーム26の球受部27が上記空間75を通過することとされている。
【0047】
各図中実線で示すように、上記昇降体63が下降させられたとき、この昇降体63は上記上部側通路55の長手方向の下端部に載置された状態で位置させられる球2の下側に位置させられている。つまり、上記昇降体63は上記空間62に嵌合している球2の下側に位置させられている。
【0048】
次に、上記回動軸24と投球アーム26とに上記連動手段64を介し連動して上記昇降体63が上昇すると、この上昇した昇降体63の上面に、上記上部側通路55の長手方向での下端部に載置された状態で位置させられていた球2が押し上げられる(図1,4中二点鎖線)。更に、上記球2が上記ストッパ60を越えるまで上記昇降体63が上昇すると(図1,4中一点鎖線)、上記球2は上記昇降体63の上面を転動し、ストッパ60を越えて上記下部側通路57に移載可能とされている。
【0049】
図1中、矢印Fで示すように、下部側通路57に移載された球2は上記下部側通路57上を転動し、上記一部の角度範囲αを回動してきた投球アーム26の球受部27が上記空間75に達する直前に、この空間75に嵌合して、上記下部側通路57の下端部と他のストッパ74とに跨って載置される(図1,3,5中二点鎖線)。
【0050】
そして、上記空間75に上記投球アーム26の球受部27が達すると、この球受部27上に上記空間75における球2が載置され、その後、上記投球アーム26が他部の角度範囲βで高速回動することにより、前方に向って投球される(図2中、矢印G)。
【0051】
上記したように昇降体63が上昇したとき、上記のように下部側通路57に移載された球2に後続する上部側通路55上の球2は、上記下部側通路57に向うよう転動することは上記昇降体63の後面に当接することによって阻止される(図1中一点鎖線)。
【0052】
上記したように昇降体63が上昇した後、上記連動手段64を介し上記回動軸24と投球アーム26とに連動して、上記昇降体63が再び下降させられる。この下降した昇降体63は、前記した元の位置に戻される(各図中、実線)。
【0053】
即ち、上記球供給装置7によれば、上記投球機本体5の投球動作に連動手段64を介し連動する昇降体63の昇降動作によって、上記球貯留タンク6から球2が一つづつ上記投球機本体5における「球載置姿勢」の投球アーム26の球受部27に供給されて、この投球機本体5により投球がなされることとなる。
【0054】
上記案内パイプ56の長手方向の下端部における上部に切り欠き78が形成されている。上記上部側通路55の下端部に位置させられた球2が上記切り欠き78を通し上方移動可能とされている。また、この切り欠き78の少なくとも一部を閉じてこの切り欠き78を通しての上記球2の上方移動を弾性的に規制するばね79が設けられている。
【0055】
上記構成によれば、昇降体63が上記上部側通路55の長手方向での下端部に位置させられた球2を上記ストッパ60を越えさせて上記下部側通路57に移載させようとした場合、何らかの事情により、上昇する上記昇降体63と、上記案内パイプ56の長手方向における下端部の上部との間に球2が挟み付けられようとしても、この球2は上記ばね79を弾性変形させながら上記切り欠き78を通って、案内通路54の外方への移動させられて排除されることとなる。
【0056】
よって、投球機本体5への球2の供給は一時的に中断されるが、上記球2を挟み付けることによる反力が上記昇降体63に与えられるということが防止され、つまり、球供給装置7に無用の負荷が与えられるということが防止される。
【0057】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0058】
請求項1の発明は、架台に支持されて球を投球する投球機本体に対し、この投球機本体の投球動作に連動して同上架台に支持された球貯留タンクから球を一つづつ供給可能とする投球機の球供給装置であって、
【0059】
上記球貯留タンクの底部側から上記投球機本体に向って傾斜下方に延び上記球貯留タンクから排出されてきた球を一列に整列させてこれらを転動させながら上記投球機本体に案内する案内通路と、この案内通路の上部側通路と下部側通路との間の中途部に形成されて上記上部側通路から下部側通路への球の転動を阻止するストッパと、このストッパよりも上記上部側通路寄りで昇降自在とされる昇降体と、この昇降体を上記投球機本体に連動連結させる連動手段とを備え、上昇した上記昇降体が上記上部側通路の長手方向での下端部に位置する球を上記ストッパを越えさせて上記下部側通路に移載可能とさせる一方、下降した上記昇降体が上記球に後続して上記上部側通路の長手方向での下端部に位置する他の球の下側にまで移動可能となるようにしてある。
【0060】
このため、上記球供給装置によれば、上記投球機本体の投球動作に連動手段を介し連動する昇降体の昇降動作によって、上記球貯留タンクから球が一つづつ上記投球機本体に供給されて、この投球機本体により投球がなされることとなる。
【0061】
そして、上記球供給装置は、従来のように球貯留タンクの内部に設けられたものではないため、球を溜めるための球貯留タンクの容量は十分に確保される。
【0062】
また、上記球供給装置は、球貯留タンクから投球機本体に至る案内通路の中途部に設けられるものであるため、外観上、容易にみることができ、よって、球供給装置の保守、点検は容易にできる。
【0063】
しかも、上記球供給装置は、その昇降体が上部側通路の長手方向での下端部に載置された一つの球を上記ストッパを越えさせて上記下部側通路に移載可能とさせるだけのものであって、従来のように、球貯留タンク内のほぼ全ての球の重量を受けるものではない。よって、上記昇降体には大きい強度は要求されないことから、球供給装置の構成は簡単になり、かつ、軽量にできる。
【0064】
また、上記球貯留タンクの底部側から上記下部側通路の長手方向での上端部に向って傾斜下方に延びる案内パイプを設け、この案内パイプの内部空間を上記上部側通路とし、上記案内パイプの長手方向の下端部における上部に切り欠きを形成し、上記上部側通路の長手方向での下端部に位置させられた球を上記切り欠きを通し上方移動可能にすると共に、この切り欠きの少なくとも一部を閉じてこの切り欠きを通しての上記球の上方移動を弾性的に規制するばねを設けてある。
【0065】
このため、上記昇降体が上記上部側通路の長手方向での下端部に位置させられた球を上記ストッパを越えさせて上記下部側通路に移載させようとした場合、何らかの事情により、上昇する上記昇降体と、上記案内パイプの長手方向における下端部の上部との間に球が挟み付けられようとしても、この球は上記ばねを弾性変形させながら上記切り欠きを通って、案内通路の外方への移動させられて排除されることとなる。
【0066】
よって、投球機本体への球の供給は一時的に中断されるが、上記球を挟み付けることによる反力が上記昇降体に与えられるということが防止され、つまり、球供給装置に無用の負荷が与えられるということが防止されて、球供給装置による円滑な球の供給が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の部分拡大断面図である。
【図2】投球機の側面図である。
【図3】投球機の正面図である。
【図4】図1の4‐4線矢視断面図である。
【図5】図1で示したものの平面図である。
【符号の説明】
1 投球機
2 球
3 地面
5 投球機本体
6 球貯留タンク
7 球供給装置
16 架台
23 軸心
24 回動軸
26 投球アーム
27 球受部
34 ばね
54 案内通路
55 上部側通路
56 案内パイプ
57 下部側通路
60 ストッパ
62 空間
63 昇降体
α 一部の角度範囲
β 他部の角度範囲
B 傾斜下方
Claims (1)
- 架台に支持されて球を投球する投球機本体に対し、この投球機本体の投球動作に連動して同上架台に支持された球貯留タンクから球を一つづつ供給可能とする投球機の球供給装置であって、
上記球貯留タンクの底部側から上記投球機本体に向って傾斜下方に延び上記球貯留タンクから排出されてきた球を一列に整列させてこれらを転動させながら上記投球機本体に案内する案内通路と、この案内通路の上部側通路と下部側通路との間の中途部に形成されて上記上部側通路から下部側通路への球の転動を阻止するストッパと、このストッパよりも上記上部側通路寄りで昇降自在とされる昇降体と、この昇降体を上記投球機本体に連動連結させる連動手段とを備え、上昇した上記昇降体が上記上部側通路の長手方向での下端部に位置する球を上記ストッパを越えさせて上記下部側通路に移載可能とさせる一方、下降した上記昇降体が上記球に後続して上記上部側通路の長手方向での下端部に位置する他の球の下側にまで移動可能となるようにし、
上記球貯留タンクの底部側から上記下部側通路の長手方向での上端部に向って傾斜下方に延びる案内パイプを設け、この案内パイプの内部空間を上記上部側通路とし、上記案内パイプの長手方向の下端部における上部に切り欠きを形成し、上記上部側通路の長手方向での下端部に位置させられた球を上記切り欠きを通し上方移動可能にすると共に、この切り欠きの少なくとも一部を閉じてこの切り欠きを通しての上記球の上方移動を弾性的に規制するばねを設けた投球機の球供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13721598A JP4029993B2 (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 投球機の球供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13721598A JP4029993B2 (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 投球機の球供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11319181A JPH11319181A (ja) | 1999-11-24 |
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Family
ID=15193488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13721598A Expired - Lifetime JP4029993B2 (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 投球機の球供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4029993B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6579526B2 (ja) * | 2017-11-09 | 2019-09-25 | 神戸電気工業株式会社 | ボール供給装置 |
-
1998
- 1998-05-19 JP JP13721598A patent/JP4029993B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11319181A (ja) | 1999-11-24 |
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