JP4029481B2 - 数値制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の停止位置で停止を必要とする数値制御軸の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、本願を示す図1に示すような1軸の移動テーブルにおいて、位置A(原点位置)から位置Gの7つの停止位置のうち、必要とする複数の停止位置で停止位置決めする場合、例えば、位置Aから移動を開始して位置C、位置G、位置E、位置Bと移動、停止するような場合に、この順序で一連のNCプログラムとして移動停止プログラムを作成すると、上記順序でしかテーブルを動かすことができず、他の順序でテーブルを移動させたい場合には、また、別に一連のNCプログラムを作成しなくてはならず、汎用性に欠ける問題がある。
そこで従来一般的には、数値制御装置に、各停止位置へ位置決めするプログラムを夫々別々にNCプログラムとして作成して記憶させておき、これらのプログラム番号を区別しておいて、位置決めしたいプログラム番号を1つずつ選択して数値制御装置で実行するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のものでは、前記別々に作成された位置決めNCプログラムは、1つのプログラム番号が選択されると、数値制御装置をスタート(起動)して、前記選択されたプログラムを実行し、プログラム終了時に数値制御装置にリセットをかけ、次に選択された1つのプログラム番号のNCプログラムの実行に備える、という手順を繰り返していた。そのため、一連の位置決め動作中における前記位置決め指定回数が多くなると、つまり、プログラム番号の指定が多くなると、前記スタート処理、及び、リセット処理の時間がかさんで、サイクルタイムが長くなる問題があった。
この発明の課題は、位置決め指定回数が多くても、サイクルタイムが長くなることを防止できる数値制御軸の数値制御方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のために、本願発明では、複数箇所の停止位置決めを行う数値制御軸を制御する数値制御方法において、数値制御装置に、複数箇所の停止位置決め制御を行うために、各停止位置ごとに各停止位置に停止位置決めするNCプログラムから成る複数の位置決めプログラムを夫々作成して予め記憶させると共に、前記位置決めプログラムを外部からの設定された順序の位置決め指令により選択的に実行させる管理プログラムと、その管理プログラムに対して設定された順序の一連の位置決め指令を与える位置決め制御プログラムを予め準備し、位置決め制御の際に、数値制御装置をスタート処理した後、管理プログラムが外部から位置決め制御プログラムによって順に与えられる各位置決め指令により数値制御装置の対応する位置決めプログラムを実行させ、その位置決めプログラムの実行が終わると外部からの次の位置決め指令を待つというサイクルを繰り返し、位置決め制御プログラムによる複数の位置決め指令による位置決め動作が全て終了すると、数値制御装置をリセット処理するようにしたことを特徴とする(請求項1)。管理プログラムは、マクロプログラムで記述されている(請求項2)。また、プログラマブルコントローラにより外部から一連の位置決め指令として位置情報が与えられる(請求項3)。
これによれば、数値制御装置のスタート処理とリセット処理は、複数の位置決めを含む一連の動作の最初と最後のみとなり、それらに要する時間を短縮でき、位置決め指定回数が多くても、サイクルタイムが長くなることを防止できる。
本願では、更に手動によるスイッチ指令でも位置決め指令可能となっている(請求項4)。これによれば、手動により位置決め指令を与えることで、管理プログラムが指令に対応したNCプログラムを実行させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1において、1は数値制御モータ、2は数値制御モータ1によって回転される送りネジ軸(数値制御軸)、3は送りネジ軸2に螺合される送りナット4を一体に備えている移動テーブルであり、移動テーブル3は、送りネジ軸2に沿って図示しないガイドレールに案内されていて、数値制御モータ1の回転により移動テーブル3が送りネジ軸2に沿う方向に前後移動するようになっている。
【0006】
制御装置10は、プログラマブルコントローラPCと、数値制御装置NCを備えている。数値制御装置NCには、前記移動テーブル3の移動方向において、移動テーブル3を予め設定された複数の停止位置A〜Gの夫々の位置に、移動、位置決めするための複数(ここでは7つ)の位置決めプログラム11a〜11gが所定の記憶エリアに記憶させてある。7つの位置決めプログラム11a〜11gは、NCプログラムによって記述されている。数値制御装置NCには、これらの位置決めプログラム11a〜11gを管理する管理プログラム12が記憶されている。管理プログラム12は、プログラマブルコントローラPCからの位置決め指令がどの位置への位置決め指令かを判別して、対応する位置決めプログラム11a〜11gの内から1つの位置決めプログラムを選択、実行させるもので、図3に示すように7つの判別手段12a〜12gを備えている。
【0007】
プログラマブルコントローラPCは、数値制御装置NCのスタート指令a、リセット指令bを出力し、また、管理プログラム12に、前記テーブル3の位置決め指令cを与えるための位置決め制御プログラム20が記憶されている。位置決め制御プログラム20は、ラダープログラムとして記述されており、例えば、原点位置(位置A)から位置C、位置G、位置E、位置Bと複数の位置にわたって移動、停止させるようにプログラムされている。位置決め制御プログラム20は、前記各位置の間の移動、位置決めであれば、プログラムの組み直しにより、別の移動、位置決め経路を設定できるものであることは言うまでもない。前記スタート指令は、図2に示すように、位置決め制御プログラム20が実行されるに先立って数値制御装置NCに伝えられて、前記数値制御装置NCをスタート(起動)させるものであり、また、リセット指令は、位置決め制御プログラム20が終了した時点で数値制御装置NCに入力されて数値制御装置NCを運転停止させるものである。
【0008】
また、動作モードを手動と自動とに切り替える動作モード切り替えスイッチ26が設けられると共に、手動の位置決めスイッチ25が設けてあり、手動モードを選択した状態で、手動位置決めスイッチ25により位置決め位置を選択すると、手動位置決めスイッチ25による対応した位置決め指令がプログラマブルコントローラPCを介して数値制御装置NCに伝えられるようになっている。
【0009】
動作モードを自動として自動運転を開始すると、プログラマブルコントローラPCからNCスタート指令aが数値制御装置NCに入力される(ステップS1)。これにより、数値制御装置NCがスタート(起動)され(ステップS2)、管理プログラム12がスタートする(ステップS3)。次いで、位置決め制御プログラム20が実行されると、まず、位置Cへの位置決め指令bとして位置決めプログラムの選択信号がプログラマブルコントローラPCから数値制御装置NCに伝えられる。この位置決め指令を受けた管理プログラム12では、図3の判別手段12a〜12gによって、位置決め選択信号が何かを判別し、この場合、位置Cへの位置決めであることから、位置Cへの位置決めプログラム11cを選択、実行させる。選択されたNCプログラム11cが実行され、移動テーブル3が位置Cに位置決めされると、数値制御装置NC内での制御は、再び管理プログラム12に戻る。次に、位置Gへの位置決め指令cがプログラマブルコントローラPCから数値制御装置NCに伝えられ、管理プログラム12が対応するNC位置決めプログラム11gを選択し、その位置決めプログラム11gが実行され、再び、管理プログラム12に戻る。このようなサイクルを繰り返し、各位置決めプログラムが実行される毎には数値制御装置NCをリセットせず、管理プログラム12に戻って次の位置決め指令を待機するようにし、プログラマブルコントローラPCからの位置決め制御プログラム20による複数の位置決め指令が全て終了すると、ステップS5によりリセット指令bが数値制御装置NCに入力され、数値制御装置NCは動作停止する。
【0010】
以上のように、複数の位置決め制御を行うとき、数値制御装置NCのスタート、リセット処理は、夫々1回ずつしか行われないので、位置決め指令回数が多い場合でも、従来のように、その位置決め指令回数に対応してスタート、リセット処理に要する時間がかさむことが無く、一連の移動、位置決め動作に要するサイクルタイムを短くできる。
【0011】
NCスタートの状態でモード切り替えスイッチ26を手動に切り替えると、プログラマブルコントローラPCによる自動モードが解除される。この状態で手動位置決めスイッチ25により任意の位置決め位置を選択すると、自動の場合と同様にその位置決め指令が管理プログラム12で判別され、対応する位置決めNCプログラムが実行される。上記実施形態では、1軸の数値制御軸について適用したもので説明したが、本願は、2軸、3軸の数値制御軸についても適用できることは言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本願発明によれば、数値制御装置に、各停止位置ごとに各停止位置に停止位置決めするNCプログラムから成る複数の位置決めプログラムを夫々作成して予め記憶させると共に、前記位置決めプログラムを外部からの設定された順序の位置決め指令により選択的に実行させる管理プログラムと、その管理プログラムに対して設定された順序の一連の位置決め指令を与える位置決め制御プログラムを予め準備し、位置決め制御の際に、管理プログラムが外部から位置決め制御プログラムによって順に与えられる各位置決め指令により数値制御装置の対応する位置決めプログラムを実行させて停止位置決めするようにしたので、位置決め制御プログラムで設定した順序の一連の位置決め指令により設定した順序で停止位置決めでき、汎用性がある。しかも、位置決め制御の際に、数値制御装置をスタート処理した後、管理プログラムが外部から位置決め制御プログラムによって順に与えられる各位置決め指令により数値制御装置の対応する位置決めプログラムを実行させ、その位置決めプログラムの実行が終わると外部からの次の位置決め指令を待つというサイクルを繰り返し、位置決め制御プログラムによる複数の位置決め指令による位置決め動作が全て終了すると、数値制御装置をリセット処理するようにしたので、数値制御装置のスタート処理とリセット処理は、複数の位置決めを含む一連の動作の最初と最後のみとなり、それらに要する時間を短縮でき、位置決め指定回数が多くても、サイクルタイムが長くなることを防止できる。
また、本願によれば、手動により位置決め指令を与えることで、管理プログラムが指令に対応したNCプログラムを実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の全体構成を示す図である。
【図2】本願の制御フロー全体を説明する図である。
【図3】数値制御装置内での制御フローを説明する図である。
【符号の説明】
2 送りネジ軸(数値制御軸)
11a〜11g 位置決めプログラム
12 管理プログラム
NC 数値制御装置
PC プログラマブルコントローラ
25 手動位置決めスイッチ
Claims (4)
- 複数箇所の停止位置決めを行う数値制御軸を制御する数値制御方法において、数値制御装置に、複数箇所の停止位置決め制御を行うために、各停止位置ごとに各停止位置に停止位置決めするNCプログラムから成る複数の位置決めプログラムを夫々作成して予め記憶させると共に、前記位置決めプログラムを外部からの設定された順序の位置決め指令により選択的に実行させる管理プログラムと、その管理プログラムに対して設定された順序の一連の位置決め指令を与える位置決め制御プログラムを予め準備し、位置決め制御の際に、数値制御装置をスタート処理した後、管理プログラムが外部から位置決め制御プログラムによって順に与えられる各位置決め指令により数値制御装置の対応する位置決めプログラムを実行させ、その位置決めプログラムの実行が終わると外部からの次の位置決め指令を待つというサイクルを繰り返し、位置決め制御プログラムによる複数の位置決め指令による位置決め動作が全て終了すると、数値制御装置をリセット処理するようにしたことを特徴とする数値制御方法。
- 管理プログラムが、マクロプログラムで記述されている請求項1記載の数値制御方法。
- プログラマブルコントローラにより外部から一連の位置決め指令が与えられる請求項1または2記載の数値制御方法。
- 手動によるスイッチ指令によっても位置決め指令可能となっていることを特徴とする請求項3記載の数値制御方法。
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1998
- 1998-07-22 JP JP20645798A patent/JP4029481B2/ja not_active Expired - Fee Related
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