JP4029311B2 - 電力線搬送通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力線に複数の周波数スペクトルを有する搬送波を重畳して、電力線のノイズ環境、減衰環境に応じた通信制御を行う電力線搬送通信装置を用いた電力線搬送通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は例えば平成3年度照明学会創立75周年記念全国大会において示されたビル用照明制御システム構成図であり、従来の電力線搬送通信システムの構成図を示す。
この電力線搬送通信システムでは、照明用の20A分岐ブレーカ(BK)毎にブロッキングフィルタ(BF)を接続し、他の分岐ブレーカからの信号を遮断している。これにより、分岐ブレーカ毎に通信システムを切り分け、多くの電力線搬送通信装置を接続しても最大のトラヒックは分岐ブレーカに接続された端末数で決まるので、システムが構築しやすいという効果がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の電力線搬送通信システムでは、トラヒック量を制限するために分岐ブレーカ毎に信号を電気的に切り離すブロッキングフィルタが必要であり、また、ブロッキングフィルタで信号が切り離されているため、上位のシステムと接続するためには、電力線と専用線とのゲートウェイなどが必要であり、システムのコストが高くなってしまうという問題点があった。
【0004】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ビル内等に多数の電力線搬送通信装置を接続した場合でも、ブロッキングフィルタを設置することなく、安価にシステムを構成でき、装置の増設、移設等に簡単に対処できる電力線搬送通信システムを得るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力線搬送通信システムにおいては、電力線に重畳させる信号の通信周波数帯域を設定する通信周波数設定部と、信号の通信周波数範囲を切り替える切替手段と、を備え、通信周波数設定部により、各区画毎に信号の通信周波数帯域を区分し、他の区画へ信号を送信する場合には、前記切替手段により他の区画の通信周波数に信号を切り替えて送信するとともに、当該区画の通信周波数の設定情報を送信信号に含めておき、その送信信号を受け取ると、前記設定情報が示す通信周波数で返答信号を送信するものである。
【0007】
さらに、全区画で信号の通信可能な共通の通信周波数帯域を設定する共通通信周波数設定部を備え、送信信号の通信周波数帯域を前記通信周波数設定部または前記共通通信周波数設定部により設定するものである。
【0009】
また、電力線に重畳させる信号の通信周波数帯域を設定する通信周波数設定部と、各区画間の通信に使用される全ての通信周波数の信号を受信し、別の区間へ送信される信号を受信し、送信先の区間の通信周波数に変換する電力線搬送信号周波数変換部と、を備え、前記通信周波数設定部により、各区画毎に信号の通信周波数帯域を区分し、各区画内で送信される信号よりも電力線搬送信号周波数変換部により変換された信号を優先的に送信するものである。
【0010】
また、各区画毎に、各区画内の通信に使用される信号の通信周波数と各区画間での共通に使用される信号の通信周波数に相互変換する電力線搬送信号周波数変換部を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である電力線搬送通信システムの構成図、図2はこの電力線搬送通信システムの各階の通信に使用する周波数帯域を示す図である。
【0012】
図において、1は電力線搬送通信装置であり、電力線7(後述)に複数個接続され、各電力線搬送通信装置間で通信が行われる。2はマイコン、3はQAM(Quadrature Amplitude Modulation)エンコーダ、4はIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)である。
【0013】
5はアップサンプリング回路、6は電力線結合回路、7は電力線、8はダウンサンプリング回路、9はFFT(Fast Fourier Transform)、10はQAMデコーダ、11はディップスイッチ、ロータリスイッチ等からなるスイッチである。
なお、アップサンプリング回路5およびダウンサンプリング回路9は通信周波数設定部を示す。
【0014】
次に、動作について説明する。
まず、送信動作については、マイコン2から入力した信号をQAMエンコーダ3によりQAM変調する。このQAM変調された信号をIFFT4により逆フーリエ変換し、周波数軸データを時間軸データに変換する。この時間軸データをアップサンプリング回路5によりアップサンプリングして、通信周波数を通常のサンプリングよりもn倍高し、データをパラレル−シリアル変換して時間軸データにする。その後、電力線結合回路6により10KHz〜450KHzの電力線搬送信号とし、電力線7に重畳させる。
【0015】
受信動作については、電力線結合回路6により電力線7に重畳されたデータを時間軸波形として受信し、ダウンサンプリング回路8によりシリアル−パラレル変換し、そのパラレルデータを1/n倍にダウンサンプリングする。これにより、送信するデータと受信するデータのサンプリング周波数が一致する。このデータをFFT9により周波数軸のデータに変換し、QAMデコーダ10により信号を復調する。
【0016】
次に、複数の電力線搬送通信装置間の通信について説明する。
送信データはマイコン2からQAMエンコーダ3へ信号入力する場合に同期用のコードを含ませて送信するため、受信データをFFT9で検出した結果、その電力線搬送通信装置1における同期用のコードと一致した場合にはキャリアが存在し、一致しなかった場合にはキャリアが存在しない。よって、電力線7からのデータ受信において、同期用のコードが一致した場合にはマイコン2によるデータ受信が行われるが、一致しなかった場合にはデータ受信が行われない。
【0017】
また、送信時はこのキャリアを検出したか否かを確認して送信を開始するため、キャリアの検出中は送信ができない。
さらに、スイッチ11を操作してアップサンプリングの倍数およびダウンサンプリングの倍数を設定することにより、信号出力する周波数を特定の周波数に変更することができる。
【0018】
これを利用して、ビル内の各フロア毎に使用する通信周波数帯域を変更し、区分する。例えば4階(以下、4Fという)はn=1(図2のA)、3階(以下、3Fという)はn=2(図2のB)、2階(以下、2Fという)n=3(図2のC)、1階(以下、1Fという)はn=4(図2のD)とし、図2に示すように各階毎に通信周波数帯域を設定することにより、同じフロア内では通信を行うことができ、異なるフロア間では通信を行えないようにする。これにより、例えば4Fのキャリアは3Fで検出されないため、3Fの通信が行われていても、4Fの通信が待たされることはない。
【0019】
よって、電力線搬送通信システムを構成する場合に、システム毎のトラヒック量を概算して1つの通信周波数内で、設置可能な端末(電力線搬送通信装置)の数を決めておけば、ブロッキングフィルタなどで信号を遮ることなく、システムの追加や削除が可能になる。
【0020】
なお、区画については、この実施の形態ではビルのフロア毎に通信周波数を設定したが、これはビルの同じフロア内の一定の区画単位でもよく、この通信周波数の設定は目的に合わせて自由に設定することができる。
また、通信周波数の設定する区画単位は、電力線搬送で制御する空調システム、照明システムなどの設備システム毎の単位でもよい。
さらに、メーカー毎に別の通信周波数割り当てを持たせ、同じメーカーの製品を制御でき、異なるメーカーの製品を制御できないように区画を設けてもよい。
【0021】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2である電力線搬送通信システムの構成図、図4はこの電力線搬送通信システムの通信手順を示す図である。図において、上記実施形態と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。1aは例えばビル内の4階に設置され、警報機の内部に設けられた電力線搬送通信装置、1bはビル内の1階に設置され、警報機の内部に設けられた電力線搬送通信装置を示し、マイコン1にはアップサンプリング回路5およびダウンサンプリング回路8の送信周波数を設定する機能を備え、請求項2の切替手段を有している。
【0022】
次に、動作について説明する。
例えば、4Fの警報機の通報を1Fの警報機にも知らせる場合について説明する。
まず、4Fの電力線搬送通信装置1aでは、マイコン2の入力ポート1〜3から入力された警報機の通報用データは、実施の形態1と同様にスイッチ11により4Fの通信周波数、例えば図2のAに設定して送信される。一方、入力ポート4から入力されたデータは、マイコン1により1Fの通信周波数、例えば図2のDに切り換えて設定し送信する。ここで、送信データには現在のスイッチ11による通信周波数の設定情報を含める。
【0023】
次に、1Fの電力線搬送通信装置1bでは、例えば図2のDの通信周波数だけが受信可能であり、電力線7からその通信周波数によるデータを受信すると、受信データの内容に基づき受信完了応答などを返答する必要があれば、出力ポート2からデータ内の設定情報に基づき、送信側のスイッチ11で指定された通信周波数に変更して受信完了(ACK)フレームなどを、自己の設定された通信周波数を含めて送信する。なお、出力ポート2からデータ送信する場合は、電力線搬送通信装置1Bの通常の通信周波数、例えば図2のDに設定して送信されるものとする。
【0024】
また、ACKフレームを返送する必要がない場合には、送信フレーム中に自己の設定された通信周波数を含めて送信する必要がない。
なお、データ送受信における上述の動作以外については、実施の形態1と同様であり、説明を省略している。
【0025】
以上のように、実施の形態1では、例えば4Fの電力線搬送通信装置から3Fの電力線搬送通信装置には通信できないが、この実施の形態2に示すように通信周波数をマイコン2などのアプリケーションプログラムから指定することにより、別の通信周波数に設定された電力線搬送通信装置1と通信することが可能になる。
【0026】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3である電力線搬送通信システムの構成図である。図において、上記実施形態と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。12aはIFFT4からのデータを全端末(電力線搬送通信装置)と共通に通信できる通信周波数に設定して出力する共通通信周波数部、12bは電力線結合回路6からの全端末共通の通信周波数のデータを受信し、FFT9へ出力する共通通信周波数部である。マイコン1は、電力線結合回路6へのデータ出力時に、アップサンプリング回路5による自端末が専用で使用する通信周波数、または共通通信周波数部12aによる共通通信周波数のいずれかに必要に応じて切り換える機能を備えている。
なお、共通通信周波数部12aおよび共通通信周波数部12bは共通通信周波数設定部を示す
【0027】
次に、動作について説明する。
送信動作については、IFFT4による時間軸データは、アップサンプリング回路5により自端末が専用で使用する周波数にアップサンプリングされるとともに、共通通信周波数部12aにより全端末(電力線搬送通信装置)と共通に通信できる通信周波数に設定される。そして、マイコン1により、例えば同じ区画内の電力線搬送通信装置1へ通信する場合には、アップサンプリング回路5による通信周波数によるデータを電力線結合回路6へ出力する。また、全区画内の電力線搬送通信装置1へ通信する場合には、共通通信周波数部12aによる共通通信周波によるデータを電力線結合回路6へ出力する。
ここで、送信側は、一定の区画内の通信と他の区画との通信をアプリケーションからの要求に応じて切り替えて送信する。方法としては、図5に示すように、送信出力段にフィルタ回路を設けることにより、区画内と区画外で周波数を切り換えてもよいし、IFFT4で出力する周波数を切り替えても良い。
【0028】
受信動作については、電力線結合回路6を介して、アップサンプリング回路5による周波数と共通通信周波数部12aによる共通通信周波数の両方の周波数データを受信でき、例えば、同じ区画内の電力線搬送通信装置1からのデータを受信した場合には、ダウンサンプリング回路8によりサンプリング周波数が一致するため、マイコン2によるデータ受信が行われる。また、別の区画内の電力線搬送通信装置1から共通通信周波によるデータを受信した場合には、共通通信周波数部12bにより受信し、マイコン2によるデータ受信が行われる。
なお、データ送受信における上述の動作以外については、実施の形態1と同様であり、説明を省略している。
【0029】
以上のように、アップサンプリングした周波数で一定の区画内の通信を行い、共通通信周波数で全区画と通信することにより、通信先の区画内で使用している周波数が未知であっても、送信することが可能になる。さらに、共通通信周波数と区画内の周波数を同時に送信しないようにしているため、トラヒックの低減が可能である。
【0030】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4である電力線搬送通信システムの構成図である。図において、上記実施形態と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。13aは電力線7への送信データの通信周波数を設定する送信周波数部であり、データを4つの通信周波数A、B、C、Dに設定する。13bは電力線7からのデータを受信する受信周波数部であり、送信周波数部13aにより設定された4つの通信周波数A、B、C、Dのデータを受信する。
【0031】
次に、動作について説明する。
まず、上記実施の形態3では、一端末(電力線搬送通信装置)が区画内の端末に通信する頻度と、区画外の端末に送信する頻度が同じ場合には、区画外に対する通信路の占有率が高くなるため、区画外への送信が待たされる確率が高くなってしまう。従って、区画外への送信を高速にする必要がある。そこで、本実施の形態では、例えば送信周波数部13aにおいて、通信周波数A、B、Cの3本を共通通信周波数に割り当て、この通信周波数1本毎に1ビットを割り当てて送信するように、マイコン2により順次周波数を切り換え、電力線7へ出力する。なお、区画内の送信には、通信周波数Dの1本を用いる。
【0032】
受信時には、区画外からの共通の通信周波数A、B、Cのデータを受信周波数部13bにより受信する。
これにより、区画外への共通通信周波数による伝送速度が、区画内の信号の伝送速度に比べ3倍の速度(例えば、30kb/s)で通信可能になる
【0033】
また、上述とは逆に、一定の区画内にある通信頻度が大きく、区画外に送信する頻度が低い場合には、区画内通信を高速とした方が、送信待ち時間が少なくなるため、通信周波数A、B、Cの3本を区画内の信号伝送に用い、残りの通信周波数Dの1本を区画外の伝送に割り当てるようにする。これにより、区画内通信を高速にすることができる。
なお、データ送受信における上述の動作以外については、実施の形態1と同様であり、説明を省略している。
【0034】
以上のように、高速データ通信用の通信周波数と低速データ送信用の通信周波数を持ち、長いデータを送信したり、データの送信頻度が大きい装置では、通信周波数を複数本利用し、それぞれの通信周波数にパラレルで信号を載せるようにしたので、システム全体でのレスポンス向上を図ることが可能になる。
【0035】
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5である電力線搬送通信システムの通信に使用する周波数帯域を示す図、図8はその電力線搬送通信システムの送信フレームのタイムチャートを示す図である。なお、電力線搬送通信システムの構成図は図1を用いる。図において、上記実施形態と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。14は電力線7に設置され、請求項5の電力線搬送信号周波数変換部を示す電力線ルーターであり、ある区画から別の区画へ送信されるデータの通信周波数を変換する。
【0036】
次に、動作について説明する。
各電力線搬送通信装置1における送受信の動作については、実施形態1と同様であるため、説明を省略し、電力線ルーター14の通信周波数の変換による異なる区画間の通信について説明する。
【0037】
例えば、図7に示すように、3つの区画からなる電力線搬送通信システムにおいて、区画1内の各電力線搬送通信装置1の通信には通信周波数Cを用い、以下同様に区画2内では通信周波数B、区画3内では通信周波数Dを用いる。
そこで、区画1から区画2へデータ送信する場合には、区画1は通信周波数Cでデータを通信しているため、そのままでは区画2には通信できない。このため、電力線ルーター14により、各区画で使用している周波数を相互に変換する。
【0038】
すなわち、区画1の電力線搬送通信装置1は、区画2へ送信するデータのフレーム中に宛先(区画2)を指定し、電力線7へ出力する。電力線ルーター14は、電力線7上における区画1の電力線搬送通信装置1からのデータを受信し、受信したデータの宛先(区画2)に基づいて、その宛先の周波数(B)を判定し区画2の通信周波数Bに変換して電力線7へ出力する。これにより、区画2の電力線搬送通信装置1は、区画1の電力線搬送通信装置1からのデータを受信する。
他の区画間の通信についても、上述と同様に行われる。
なお、電力線ルーター14には、あらかじめ各区画で使用される通信周波数を設定しておく。
【0039】
また、各区画において、区画内の通信よりも電力線ルーター14からの送信を優先的に行うように設定し、区画2の電力線搬送通信装置1が電力線ルーター14から周波数変換されたデータを優先的に受信する。
【0040】
区画内の通信よりも電力線ルーター14からの送信を優先的に行うように設定するには、例えば、図8(a)に示すように、区画2の端末(電力線搬送通信装置1)は通信周波数Bのフレームを検出した場合には、そのフレームの終わりを検出した後、所定時間後(例えば40ms後)にデータを送信するように設定する。
【0041】
一方、電力線ルーター14では、図8(b)に示すように、区画2の通信周波数Bに対応したデータの送信を上記の所定時間よりも短く(例えば、30ms後)に送信するように設定する
これにより、通常の区画2の端末のフレーム(データ)よりも電力線ルーター14からのフレーム(データ)が優先的に送信可能となり、優先的に送信することが可能になり、区画2の電力線搬送通信装置1は電力線ルーター14から周波数変換されたデータを優先的に受信することができる。
【0042】
なお、この実施形態では、区画1の電力線搬送通信装置1から区画2の電力線搬送通信装置1へデータ送信する場合について説明したが、他の区画間のデータ通信についても、同様に行われることは言うまでもない。
【0043】
以上のように、電力線ルーター14により、システム全体で通信に使用している通信周波数をすべて受信し、データの宛先を判別して、通信周波数を該当する宛先のアドレスに変換し、その送信フレームのフレーム送信間隔(フレームの送信終了を検出してから次のフレームを送信するまでの時間)を他の端末の送信休止時間よりも短くしたので、電力線ルーター14の信号が優先的に処理され、各区画内でトラヒックの状況に関わらず常に上位のシステムを構築することが可能になる。
【0044】
実施の形態6.
図9はこの発明の実施の形態6である電力線搬送通信システムによる通信に使用する周波数帯域を示す図である。なお、電力線搬送通信システムの構成図は図1を用いる。図において、上記実施形態と同一または相当部分には同一符号を付け、説明を省略する。15a、15b、15cは各区画毎に電力線7に設置され、請求項6の電力線搬送信号周波数変換部を示す電力線ルーターであり、データの通信周波数を各区画のデータ用いられる個別の周波数と電力線7上で共通に用いられる周波数に相互変換する。
【0045】
次に、動作について説明する。
各電力線搬送通信装置1における送受信の動作については、実施形態1と同様であるため、説明を省略し、電力線ルーター15a、15b、15cの通信周波数の変換による異なる区画間の通信について説明する。
【0046】
例えば、図9に示すように、3つの区画からなるシステムにおいて、区画1内の各電力線搬送通信装置1の通信には通信周波数Cを用い、以下同様に区画2内では通信周波数B、区画3内では通信周波数Dを用いる。また、各区画内に特定の通信周波数と電力線7上で用いられる共通の通信周波数相互変換する電力線ルーター15を設ける。この実施形態では、区画1内に設置された電力線ルーター15aは、区画1内の通信に用いられる通信周波数Cと電力線7上で共通に用いられる共通通信周波数Eの周波数にデータを相互に変換する。
【0047】
以下同様に、電力線ルーター15bは区画2内の通信周波数bと共通通信周波数Eの周波数に相互変換し、電力線ルーター15cは区画3内の通信周波数cと共通通信周波数Eの周波数に相互変換する。
このように、各区画内の通信周波数と共通の通信周波数を設定することにより、例えばビルの階方向(縦方向)の通信周波数をEとして共通とし、各階(各区画)毎の通信周波数を個別にして分けることにより、通信の切り分けを容易にしている。
【0048】
そこで、例えば、区画1(ビル3F)のアドレス1の電力線搬送通信装置1から区画3(ビル1F)のアドレス2の電力線搬送通信装置1へデータ送信する場合には、区画1のアドレス1の電力線搬送通信装置1からの送信フレーム中の宛先に「区画3のアドレス2」と記載する。そして、このフレームを区画1の電力線ルーター15aが受信すると、通信周波数をCからEに変換し、区画3の電力線ルーター15C宛に「区画3のアドレス2に転送」する旨を先のデータに付加してを送信する。
【0049】
区画3の電力線ルーター15cがこのフレームを受信すると、通信周波数をEからDに変換し、区画3のアドレス2の電力線搬送通信装置1宛にデータ送信され、区画3のアドレス2の電力線搬送通信装置1はこの通信周波数D変換されたデータを受信する。
【0050】
なお、この実施形態では、区画1のアドレス1の電力線搬送通信装置1から区画3のアドレス2の電力線搬送通信装置1へデータ送信する場合について説明したが、他の区画のアドレス間のデータ通信についても同様に行われ、例えば、ビルの各階間の通信が行われることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
電力線に重畳させる信号の通信周波数帯域を設定する通信周波数設定部と備え、前記通信周波数設定部により、各区画毎に信号の通信周波数帯域を区分するので、
複数の通信周波数の組の中から他の区画、用途等で使用されていない通信周波数の組を用いて、同じ区画内の電力線搬送通信装置間で通信が行われ、他の区画、用途等で使用している通信トラヒック量に影響を与えることなく、新しい電力線搬送通信装置等のシステムを追加することが可能になる。
【0052】
また、信号の通信周波数範囲を切り替える切替手段を備え、区画内での所定の通信周波数による通信時に、他の区画へ信号を送信する場合には、切替手段により他の区画の通信周波数に信号を切り替えて送信するので、新しく追加したシステムと、従来から存在するシステム間の通信も可能になり、分散されたシステム同士の通信が可能になる。
【0053】
さらに、全区画で信号の通信可能な共通の通信周波数帯域を設定する共通通信周波数設定部を備え、送信信号の通信周波数帯域を通信周波数設定部または共通通信周波数設定部により設定するので、通信周波数を変更することなく、共通の通信周波数に切り替えるだけで、他の区画のシステムと通信することが可能になり、他の区画の通信周波数を知ることなく通信が可能になる。
【0055】
また、各区画間の通信に使用される全ての通信周波数の信号を受信し、別の区間へ送信される信号を受信し、送信先の区間の通信周波数に変換する電力線搬送信号周波数変換部を備え、各区画内で送信される信号よりも電力線搬送信号周波数変換部により変換された信号を優先的に送信するので、電力線搬送信号周波数変換部による信号が優先的に処理されるため、各区画内でトラヒックの状況に関わらず常に上位のシステムを構築することが可能になる。
【0056】
また、各区画毎に、各区画内の通信に使用される信号の通信周波数と各区画間での共通に使用される信号の通信周波数に相互変換する電力線搬送信号周波数変換部を備えたので、相互に変換する通信周波数は1対で良いため、安価な電力線搬送信号周波数変換部を構築でき、伝送路長が長くなり、信号が減衰してしまうことがないような配置に設置することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す電力線搬送通信システムの構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示す電力線搬送通信システムの通信周波数帯域を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態2を示す電力線搬送通信システムの構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を示す電力線搬送通信システムの通信手順を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3を示す電力線搬送通信システムの構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4を示す電力線搬送通信システムの構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5を示す電力線搬送通信システムの通信周波数帯域を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態5を示す電力線搬送通信システムの送信フレームのタイムチャートを示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態6を示す電力線搬送通信システムの通信周波数帯域を示す図である。
【図10】 従来の電力線搬送通信システムの構成図である。
【符号の説明】
1 電力線搬送通信装置、 2 マイコン、 3 エンコーダ、 4 IFFT、 5 アップサンプリング回路、 6 電力線結合回路、 7 電力線、 8 ダウンサンプリング回路、 9 FFT、 10 QAMデコーダ、 11スイッチ、 12a 共通通信周波数部、 12b 共通通信周波数部、 13a 送信周波数部、 13b 受信周波数部、 14 電力線ルーター、 15a 電力線ルーター、 15b 電力線ルーター、 15c 電力線ルーター。
Claims (4)
- 各区画毎に電力線搬送通信装置を備え、電力線に所定の通信周波数の信号を重畳させ、前記電力線搬送通信装置間で通信を行う電力線搬送通信システムにおいて、
前記電力線に重畳させる信号の通信周波数帯域を設定する通信周波数設定部と、
信号の通信周波数範囲を切り替える切替手段と、
を備え、
前記通信周波数設定部により、各区画毎に信号の通信周波数帯域を区分し、
他の区画へ信号を送信する場合には、
前記切替手段により他の区画の通信周波数に信号を切り替えて送信するとともに、当該区画の通信周波数の設定情報を送信信号に含めておき、
その送信信号を受け取ると、前記設定情報が示す通信周波数で返答信号を送信する
ことを特徴とする電力線搬送通信システム。 - 全区画で信号の通信可能な共通の通信周波数帯域を設定する共通通信周波数設定部を備え、
送信信号の通信周波数帯域を前記通信周波数設定部または前記共通通信周波数設定部により設定することを特徴とする請求項1記載の電力線搬送通信システム。 - 各区画毎に電力線搬送通信装置を備え、電力線に所定の通信周波数の信号を重畳させ、前記電力線搬送通信装置間で通信を行う電力線搬送通信システムにおいて、
前記電力線に重畳させる信号の通信周波数帯域を設定する通信周波数設定部と、
各区画間の通信に使用される全ての通信周波数の信号を受信し、別の区間へ送信される信号を受信し、送信先の区間の通信周波数に変換する電力線搬送信号周波数変換部と、
を備え、
前記通信周波数設定部により、各区画毎に信号の通信周波数帯域を区分し、
各区画内で送信される信号よりも前記電力線搬送信号周波数変換部により変換された信号を優先的に送信する
ことを特徴とする電力線搬送通信システム。 - 各区画毎に、各区画内の通信に使用される信号の通信周波数と各区画間での共通に使用される信号の通信周波数に相互変換する電力線搬送信号周波数変換部を備えたことを特徴とする請求項1記載の電力線搬送通信システム。
Priority Applications (1)
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