JP4029289B2 - 導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針 - Google Patents

導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針 Download PDF

Info

Publication number
JP4029289B2
JP4029289B2 JP2003292126A JP2003292126A JP4029289B2 JP 4029289 B2 JP4029289 B2 JP 4029289B2 JP 2003292126 A JP2003292126 A JP 2003292126A JP 2003292126 A JP2003292126 A JP 2003292126A JP 4029289 B2 JP4029289 B2 JP 4029289B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
needle
carbon nanotube
manufacturing
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003292126A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005063802A (ja
Inventor
藤枝  正
貴志夫 日高
光男 林原
寿晃 堀内
修一 鈴木
義道 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003292126A priority Critical patent/JP4029289B2/ja
Publication of JP2005063802A publication Critical patent/JP2005063802A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4029289B2 publication Critical patent/JP4029289B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、先端にカーボンナノチューブ(CNT)を有する導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針に係り、例えば電子顕微鏡、電子線描画装置、走査型プローブ顕微鏡等の電子装置での使用に好適な導電性針に関する。
導電性を有する導電性針は、様々な分野で用いられている。例えば、電子顕微鏡(SEM)、測長SEM、電子線描画装置等の電子源として用いられる導電性針は、電子放出性能の向上から針の先端を微細化する要請がある。また、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、測長AFM等の走査型プローブ顕微鏡の探針として用いられる導電性針は、微細な凹凸を計測するために針の先端を微細化する要請がある。
このような微細化の要請に対応して、導電性針の先端を単一又は束状のカーボンナノチューブ(例えば、直径が約1nm〜数十nm)で形成することが提案されている(特許文献1〜4)。特許文献1には、走査型プローブ顕微鏡の探針として、導電性を有する基材の先端部にカーボンナノチューブの先を突き出して付着させた後、導電性のコーティング膜でカーボンナノチューブを固定した探針が提案されている。導電性基材としては、白金、白金イリジウム、タングステンなどを用い、コーティング膜は電子顕微鏡室内で電子ビームを照射して室内に浮遊する炭素物質あるいは所望物質を堆積させて形成することが提案されている。また、特許文献2、3には、特許文献1と同様の導電性のコーティング膜によりカーボンナノチューブを導電性基材に固定する方法として、炭化水素ガスや有機金属ガスを電子ビーム又はイオンビームで分解して所望部位に堆積させることが提案されている。また、特許文献4には、特許文献1と同様の導電性基材にカーボンナノチューブを固定する方法として、それらの間に電流を流し、基材を溶かして融着することが提案されている。
特開2000‐227435号公報 特開2002‐162335号公報 特開2002−162336号公報 特開2000−249712号公報
しかしながら、特許文献1〜4に開示された技術は、電子源等の電子を放出する導電性針として用いる場合については考慮されていないことから、期待するほどの電子放出特性が得られないという問題を知見した。
この問題について検討した結果、導電性基材の表面をエッチングなどにより清浄加工しても、一度大気にさらすと表面に酸化膜が形成されてしまい、その酸化膜を介してカーボンナノチューブを導電性基材に接触させて固定すると、カーボンナノチューブと導電性基材との間の電気抵抗が大きくなり電子放出性能が制限されることが判明した。また、カーボンナノチューブを導電性基材の表面に接触させる工程は、電子顕微鏡室内の高真空の雰囲気で行われる。しかし、顕微鏡室内のアモルファスカーボンを含む気体を完全に除去できないため、カーボンナノチューブを観察するため電子ビームを照射すると、電子ビームがアモルファスカーボンを含む気体に当たって導電性基材の表面にカーボンコンタミネーション層が形成されてしまう。そのカーボンコンタミネーション層の電気抵抗により、カーボンナノチューブと導電性基材との間の電気抵抗が大きくなり電子放出性能が制限されることになる。
また、走査型プローブ顕微鏡の探針の場合、カーボンナノチューブとカンチレバー表面の電気的な接触が良好でないと、静電気等による帯電が生じ、カーボンナノチューブとカンチレバーとの間で帯電引力が働く。この帯電引力により、カーボンナノチューブがカンチレバーに癒着したり、剥離する確率が高くなったり、カーボンナノチューブと被測定物の間で帯電引力が働き、カーボンナノチューブが剥離するという問題が生ずる。
本発明は、上記課題を解決し、優れた電子放出性能を有する導電性針を提供することを課題とする。
本発明は、次に述べる手段により、上記課題を解決するものである。
本発明の導電性針の製造方法は、導電性基材の先端部表面に存在する酸化膜を除去する工程と、該酸化膜が除去された部位にカーボンナノチューブの一端部を接触させる工程と、前記導電性基材と前記カーボンナノチューブとの接触部位の少なくとも一部を導電性材料により被覆する工程とを有することを特徴とする。
この場合は、導電性基材としてタングステン等の酸化する基材を用いた場合に好適である。つまり、酸化膜は、導電性基材と酸素の反応物の層であり、導電性基材よりも電気抵抗が高い物質で、絶縁物質からなる膜を指す。したがって、上記製法によれば、カーボンナノチューブと導電性基材とが高電気抵抗の層を介することなく、良好な電気的接続を得ることができ、優れた電子放出性能を有する導電性針が得られる。ここで、酸化膜の除去工程は、導電性基材を加熱する工程により実現でき、あるいは導電性基材の先端部表面をイオンスパッタ処理する工程により実現することもできる。
ところで、カーボンナノチューブは肉眼で観察できないから、上記の各工程は電子顕微鏡室内で行われる。その一連の工程を行う真空チャンバ内の真空度をSEM試料室や集束イオンビーム(FIB)加工装置の試料室などにおける真空度よりもかなり高真空度(例えば、10−4Pa程度)にしない限り、導電性基材等の表面に酸化が生じ、カーボンナノチューブと導電性基材とが高電気抵抗率の酸化膜を介した状態で接合されてしまう。また、顕微鏡室内に浮遊するアモルファスカーボンからなる高電気抵抗のカーボンコンタミネーション層(炭素系汚染物層)が、酸化膜除去後の導電性基材の先端部表面に付着すると、そのカーボンコンタミネーション層を介してカーボンナノチューブがその先端部表面に接触保持されることになる。その後、カーボンナノチューブと導電性基材と導電性材料により被覆しても、それらの間の接触抵抗が高くなり、上述した酸化膜と同一の問題が生ずる。
そこで、上記の本発明の導電性針の製造方法において、酸化膜の除去工程とカーボンナノチューブを接触させる工程との間に、導電性基材の先端部表面に存在するカーボンコンタミネーション層を除去する工程を設けることが好ましい。このカーボンコンタミネーション層を除去する工程は、導電性基材を加熱(例えば、80〜200℃)することにより、あるいは導電性基材の先端部表面をイオンスパッタ処理することにより実現できる。なお、イオンスパッタ処理する際に、電子顕微鏡室内に酸素やアモルファスカーボンなどの気体が除去しきれずに残存していると、新たな高抵抗の汚染物質層が堆積する可能性がある。しかし、酸化膜やカーボンコンタミネーション層を除去することによって、それらの高抵抗汚染物層の厚みを一定以下に抑えることができ、カーボンナノチューブと導電性基材との接触抵抗を小さくして、優れた電子放電特性を有する導電性針を実現できる。また、カーボンナノチューブと基材との間に電圧を印加し、カーボンナノチューブから電子放出させ、カーボンナノチューブ表面のカーボンコンタミネーション層を除去することも可能であり、さらに優れた電子放電特性を有する導電性針を実現できる。
上記において、導電性基材の先端部にカーボンナノチューブを接触させる工程は、80℃以上200℃以下の高真空下(例えば、10−4Pa程度)で行うことが好ましい。また、カーボンナノチューブの接触部位の少なくとも一部を被覆する導電性材料は、融点が600℃以上の材料であることが好ましい。これは、最終的にカーボンナノチューブの先端部に付着した分子を除去するために、600℃以上に加熱処理する工程に耐えるようにするためである。また、導電性材料により被覆する工程は、真空チャンバ内に有機ガスを導入し、5〜100keVの電子線を前記接触部位の少なくとも一部に照射することにより実現できる。
一方、導電性基材として貴金属製基材又は結晶質カーボンからなる基材を用いれば、上述の酸化膜は形成されないので、酸化膜除去工程を省略できる。しかし、この場合であっても、カーボンコンタミネーション層が付着することがあるから、導電性基材の先端部表面に存在するカーボンコンタミネーション層を除去する工程を設けることが好ましい。その他の工程は、酸化される導電性基材を用いる場合と同一である。
上述した本発明の導電性針の製造方法によれば、導電性基材の先端部の酸化膜が除去された面にカーボンナノチューブの一端部が接触させて設けられ、該カーボンナノチューブと導電性基材との接触部位の少なくとも一部に導電性材料からなる被覆が形成されてなる導電性針が得られる。また、貴金属製基材又は結晶質カーボンからなる基材の先端部のカーボンコンタミネーションが除去された面に、カーボンナノチューブの一端部が接触させて設けられ、該カーボンナノチューブと前記貴金属製基材との接触部位の少なくとも一部に導電性材料からなる被覆が形成されてなる導電性針が得られる。
ここで、本発明に係る導電性針の基材(導電性基材、貴金属性基材、結晶質カーボンからなる基材)は、先端に円錐状の針状端を有し、かつ該針状端の円錐軸に平行又は一定範囲の角度を有する平担面が形成され、該平担面にカーボンナノチューブが接触して設けられてなるものとすることが好ましい。これによれば、電子顕微鏡や電子描画装置などの電子源に用いたとき、電子ビームの径を小さくすることができ、これにより高輝度化するとともに、電子エネルギー幅を小さくして色収差の影響を低減でき、かつ放出電子ビームを安定化することができる。
以上述べたように、本発明によれば、優れた電子放出性能を有する導電性針を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
本発明の導電性針の製造方法に係る一実施の形態の主要な製造工程を図1に示し、その製法により製造された一実施形態の導電性針の外観図を図2に示す。図2は、以下に説明する製造方法によって製造された導電性針の外観図であり、円柱状の導電性基材1(例えば、0.15mm径)の一方の端部を円錐状に形成してなる針状端1aを有し、この針状端1aの円錐側面にカーボンナノチューブ3を接触させ、カーボンナノチューブ3と針状端1aの接触部位に適宜間隔で、あるいは連続させて導電性材料からなる被覆4が形成され、これによって針状端1aにカーボンナノチューブ3が強固に固着されている。カーボンナノチューブ3の先端は、針状端1aから突き出して設けられている。針状端1aは、周知のように、化学的エッチングにより先鋭化して形成される。また、カーボンナノチューブ3の先端部と導電性基材1の軸とがなす角度θは、用途に応じてできるだけ小さくすることが好ましい。例えば、カーボンナノチューブ3の先端部と針状端1aの円錐軸とのなす角度が±5°以下であることが好ましい。
次に、上記実施形態の導電性針の製造工程を、図1を用いて説明する。図1の製造工程は、導電性基材1としてタングステン等の酸化しやすい金属を用いる場合の製造工程を示している。タングステン等の金属は、大気中の酸素により酸化されて針状端1aの表面に酸化膜が形成されやすい。このような酸化膜が存在する針状端1aの表面にカーボンナノチューブ3を接触させて形成された導電性針を、例えば、電子顕微鏡や電子線描画装置の電子源に用いた場合に次のような問題が生じる。
すなわち、(1)針状端1aの表面に高い電気抵抗率の酸化膜が存在すると、カーボンナノチューブ3と針状端1aとの接触電気抵抗が大きくなって電子放出が阻害される。その結果、放出電流が飽和して、大きな電流の電子ビームを得ることができなくなる。(2)また、酸化膜による発熱によってカーボンナノチューブ3が破壊するおそれがある。(3)カーボンナノチューブ3が加熱されると、熱電子放出も同時に生じるため、放出電子のエネルギー幅が大きくなる。(4)接触部の電気抵抗が高いと静電気が帯電して静電引力が生じ、導電性材料による被覆が薄いとカーボンナノチューブ3が剥離するおそれがある。(5)導電性材料による被覆を厚くするために長時間電子線照射を行うとカーボンナノチューブ3に導電性材料が堆積して径を大きくしてしまうおそれがある。
そこで、図1に示す本実施形態の製造工程は、針状端1aの表面に形成された高い電気抵抗率の酸化膜を除去する工程S1を設けたことを特徴とする。そして、酸化膜が除去された針状端1aの表面にカーボンナノチューブ(CNT)3を接触させて保持する(S2)。この工程は、80℃以上200℃以下の高真空下(例えば、10−2Pa)で行う。次いで、電子顕微鏡の試料室内に浮遊する例えば炭素物質を電子線で分解し、カーボンナノチューブ3と針状端1aとの接触部に堆積させ、その炭素堆積物により接触部を被覆することによりカーボンナノチューブ3を固定する(S3)。これにより、図2の導電性針を得ることができる。図2において、(a)は導電性針の側面図、(b)は正面図である。ここで、工程S2のカーボンナノチューブ3を針状端1aの表面に接触させる直前に、その接触領域の表面部をアルゴンイオンあるいはガリウムイオンなどでスパッタリングし、接触部分の表面酸化膜を除去することが肝要である。特に、イオンスパッタ後、大気中に針状端1aを曝することなく、電子顕微鏡の試料室などの真空チャンバ内で、連続してカーボンナノチューブ3を針状端1aの表面に接触することが必要である。これは、電子顕微鏡の試料室内などの真空度では、時間とともにイオンスパッタした面に酸化膜が形成されてしまうからである。
次に、工程S3における導電性材料の被覆4を形成する方法を、詳細に説明する。図2に示すように、カーボンナノチューブ3と針状端1aとの接触部分の少なくとも一部に、融点が600℃以上の導電性材料からなる被覆4を形成させる。図示例では3箇所に被覆4を形成したが、これに限らず十分な接合強度を確保することができればよい。被覆4の融点が600℃以上でなければならない理由は、カーボンナノチューブ3からの放出電流が不安定になる原因となるカーボンナノチューブ先端表面の吸着ガスを蒸発させるために、通電加熱により600℃以上に加熱する場合があるからである。
ここで、融点が600℃以上の導電性材料の被覆4の具体例として、電子顕微鏡の試料室内に導電性元素を含む有機ガスを導入し、接触部分の少なくとも一部に電子線を照射することにより、短時間で十分な厚さの被覆4を形成することができる。その結果、導電性基材1の針状端1aから突出しているカーボンナノチューブ3の先端部分に影響を及ぼすことなく被覆4を形成して、カーボンナノチューブ3を針状端1aに接合できる。図3に、タングステンを堆積させて被覆4を形成して接合した導電性針の先端部の電子顕微鏡(SEM)写真を示す。
また、導電性元素を含む有機ガスとして、FIB等で通常使用されているガリウムイオンビーム等の高エネルギー重イオンビームでしか分解しない有機ガスは使用できない。これは、ガリウムイオンがカーボンナノチューブに照射されてしまうと、カーボンナノチューブ自体が一瞬で損傷を受けてしまい、破断や照射欠陥が生じてしまうからである。したがって、有機ガスを分解させるのに用いる粒子線としてはカーボンナノチューブに損傷を与えない5〜100keVの電子線が好ましい。したがって、有機ガスとしては、5〜100keVの電子線で分解するもので、かつ100℃以下で気化するピレンモノマー、タングステンカルボニル等が好適である。これらの有機ガスに電子線を照射することにより、カーボンナノチューブ自体に損傷を与えることなく、カーボンナノチューブ3と針状端1aとの接触部分に,カーボン層やタングステン層等の導電性の被覆4を形成することができる。
以上説明したように、図1の製造工程によれば、導電性基材1に酸化されやすいタングステンなどの金属材料を用いても、導電性基材1の針状端1aの酸化膜が除去された面にカーボンナノチューブ3の一端部が接触させて設けられ、カーボンナノチューブ3と導電性基材1との接触部位に導電性材料からなる被覆4が形成された導電性針が得られる。つまり、カーボンナノチューブ3と導電性基材1とが、酸化膜のような高い電気抵抗率の層を介することなく接合される。その結果、カーボンナノチューブ3と導電性基材1との接触抵抗を大幅に低減することができ、上述の(1)〜(5)の問題を解消することができる。
本実施形態により製造された導電性基体1とカーボンナノチューブ3との間の電気抵抗(接触抵抗)を測定した結果、酸化膜を除去しない場合の接触抵抗が1MΩ以上であったのに対し、少なくとも2桁以上が低下した。
(実施の形態2)
実施形態1においては、導電性基体1の表面に存在する酸化膜を除去する工程S1を設けたが、酸化膜の除去工程等において観察等のために照射される電子ビームによって、電子顕微鏡室内にアモルファスカーボンを含む気体が残存すると、導電性基材の表面にカーボンコンタミネーション層が形成されてしまう。このカーボンコンタミネーション層は高い電気抵抗率を有することから、酸化膜と同様の不都合を招く。そこで、図4に示すように、酸化物の除去工程S1とカーボンナノチューブ3を接触させる工程S2との間に、導電性基材1の先端部表面に存在するカーボンコンタミネーション層を除去する工程S4を設けることが好ましい。カーボンコンタミネーション層を除去する工程S4は、導電性基材1を加熱(例えば、80〜200℃)することにより、あるいは導電性基材1の先端部表面をイオンスパッタ処理することにより実現できる。なお、イオンスパッタ処理する際に、電子顕微鏡室内に酸素やアモルファスカーボンなどの気体が除去しきれずに残存していると、新たな高抵抗の汚染物質層が堆積する可能性がある。しかし、酸化膜やカーボンコンタミネーション層を除去することによって、それらの高抵抗汚染物層の厚みを一定以下に抑えることができ、カーボンナノチューブ3と導電性基材1との接触抵抗を小さくできる。この場合もカーボンナノチューブと基材との間に電圧を印加し、カーボンナノチューブから電子放出させるとカーボンコンタミネーション層の低減に効果的である。以上の工程により、上述の(1)〜(5)の問題を解消することができ、優れた電子放電特性を有する導電性針を実現できる。
(実施の形態3)
実施形態1、2においては、導電性基体1の表面に存在する酸化膜を除去する工程S1を設けたが、導電性基体1として大気中の酸素で酸化しにくい材料を用いれば、酸化膜の除去工程S1を省略することができる。例えば、カーボンナノチューブ3を取付ける導電性基材1を、少なくとも針状端1aの表面を、酸化しない貴金属(具体的には、金、白金族、銀、パラジウム)あるいは結晶質カーボンにより形成する。この場合、導電性基材1の全体を貴金属あるいは結晶質カーボンで形成するか、あるいは少なくとも針状端1aの表面にそれらの材料の膜又は層を設ければよい。
ここで、酸化膜の厚みの許容値と、カーボンコンタミネーション層の厚みの許容値を、表1に示す。
Figure 0004029289

特に、酸化膜やカーボンコンタミネーション層などの高抵抗層が存在すると、カーボンナノチューブ3と導電性基材1との間に働くファンデルワールス力が弱まる。そのため、カーボンナノチューブ3に電界が作用して、カーボンナノチューブ3を長手方向に引っ張る力が作用すると、被覆4からカーボンナノチューブ3が抜け外れるおそれがある。この点、本発明によれば、酸化膜やカーボンコンタミネーション層などの高抵抗層を極力薄くでき、あるいは高抵抗層をなくすことができるから、ボンナノチューブ3と導電性基材1との間に働くファンデルワールス力により、それらの接合強度を高く保持できる。このように、導電性基材1に絶縁層又は高抵抗率層を介することなくカーボンナノチューブ3が接合されてなる導電性針は、電界によりカーボンナノチューブ3が抜け外れるのを防止できるから、特に、走査型プローブ顕微鏡用の探針として好適である。
(実施の形態4)
図5に本発明に係る導電性針の他の実施形態を示す。図2の実施形態の場合、カーボンナノチューブ3が接触する導電性基材1の針状端1aの面が円錐側面であるから、カーボンナノチューブ3と導電性基材1の中心軸とのなす角度θが針状端部のエッチング条件によって決まるため、カーボンナノチューブ3の突出部の角度(≒θ)を制御することが困難な場合がある。このような導電針を電子顕微鏡の電子源に用いると、導電性基材1の軸をコンデンサレンズや対物レンズの軸に合わせても、カーボンナノチューブ3の先端から放射された電子ビームの光軸がレンズ系の軸から大きく外れてしまう場合がある。
図5に示す本実施形態は、そのような問題を解決するものであり、円錐状の針状端1aの部分にFIB加工などにより平坦面1bを形成し、この平坦面1bにカーボンナノチューブ3を導電性基材1の中心軸に沿って接触させて固着せるようにした。平坦面1bは、針状端1aの先端を通り、かつ円錐軸に平行な面であることが好ましい。しかし、これに限らず、針状端1aの先端近傍を通り、かつ円錐軸に対して一定範囲の角度を有する平担面であっても許容できる。要は、カーボンナノチューブ3の先端から放出される電子線の放射角の許容範囲を考慮して、例えば導電性基材1の中心軸とカーボンナノチューブ3の先端部とのなす角度θを±5°以下にすることにより、電子ビームの光軸調整を行うことが容易になる。なお、角度θは、走査型プローブ顕微鏡などの電子ビームを放出しない電子装置に適用する場合も、計測精度などから問題となるから、その許容範囲内に抑えなければならない。
(実施の形態5)
上記の各実施の形態では、予め製造したカーボンナノチューブ3を用いて導電性針を製造する方法について説明した。本発明はこれに限らず、各実施の形態の導電性基材1の先端に直接カーボンナノチューブ3を生成することができる。例えば、まず、図6(a)に示すように、導電性基材1の針状端1aの先端に触媒金属の微粒子5を塗布する。次いで、同(b)に示すように、気相中で触媒金属の微粒子5と炭化水素とを反応させて、つまりCVD法により、導電性基材1の先端にカーボンナノチューブ3を生成する。触媒金属としては、Fe、Co、Ni、V、Moの少なくとも1種又は2種以上を組み合わせたものを用いることができる。カーボンナノチューブ3を生成した後、同(c)に示すように、カーボンナノチューブ3の成長基端部に導電性の被覆を形成して、カーボンナノチューブ3を導電性基材1に固定する。なお、カーボンナノチューブが複数本生成した場合は、FIB加工などにより、不要なカーボンナノチューブを切除することができる。
(電子装置への適用例1)
図7に、本発明の導電性針を電子源に用いた走査型電子顕微鏡(SEM)の構成図を示す。同図(a)は電子銃の構成を示すものであり、同図(b)は走査型電子顕微鏡の全体構成を示す。同図(a)に示した電子銃14は、電子源8と、第一陽極12と、第二陽極13とを有して構成され、電子源8は、導電性針7が取り付けられたフィラメント9と、このフィラメント9に電流を供給する2つの電極11と、2つの電極11を絶縁する電極支持台10とを有して構成されている。
走査型電子顕微鏡は、同図(b)に示すように、電子銃14から放出される電子ビームに沿って、アライメントコイル15、コンデンサレンズ16、非点補正コイル17、偏向・走査コイル18、対物レンズ19、対物レンズ絞り20が配置されている。試料22は、試料ステージ23に載置され、電子ビームが照射されるようになっている。試料室内の側壁部に二次電子検出器21が設けられている。また、試料室は排気系によって高真空に保持されるようになっている。このように構成されることから、電子銃14から放出された電子ビームは陽極12,13で加速され、電子レンズによって集束されて試料22上の微小径領域に照射される。この照射領域を二次元走査し、試料22から放出される二次電子、反射電子などを二次電子検出器21により計測し、その計測信号量の違いを基に拡大像を形成する。
本実施形態の電子源8の特性を測定したところ、輝度が1.0×10A/sr/m/V以上であった。これは、従来のタングステンW(310)の単結晶から構成される電界放出型電子源の輝度に比べ、10倍以上高い値である。また、放出電子のエネルギー分布を測定した結果、立体角電流密度が30μA/sr.の場合、エネルギーの半値幅が0.4meV以下であり、従来のタングステンW(310)単結晶電子源よりもかなり小さい値が得られた。
また、本実施形態の電界放出型電子源を電子顕微鏡に用いることにより、従来機種と比べ、高分解能化、高輝度化、低加速電圧化による試料ダメージの低減化が可能となる。また電子放出角が小さいため、コンデンサーレンズにより電子ビームを絞る度合いが低減するため、コンデンサーレンズの一部あるいは全てを省略できるとともに、従来電子源に比べ、低真空度でも電子放出するため、真空排気系が簡略化できる。更に従来機種と比べ、低加速電圧化できるため、電子銃周りの熱発生が低減され、従来機種のように電子銃周りを冷却水により冷却しなくても空冷で十分となり、冷却系を省略あるいは簡略化できる。
例えば、従来のLaBからなる熱電子放出型の電子源として、ZrO/Wからなるショットキー型、針の先端を電界研磨により尖らせたタングステンを用いた電界放出型があり、高分解能化の点では優れているが、次のような欠点があった。すなわち、10−8Pa以上の超高真空状態にしないと電界放出が起こらないため、排気系が大掛かりなものとなり、装置の小型化が困難であるとともに、コストアップにつながる。また、引出電圧を数kVと非常に大きなものにしないと電界放出しないため、今後急速な成長が見込まれる有機物、生物関連試料に対しては、それら試料に大きなダメージを与え、十分な高精度観察ができない。また、エミッタ表面で吸着、脱離する残留ガス分子の影響や残留ガスイオン衝撃によるエミッタ先端形状変化による放出電流の時間変動が大きい。これらの問題は、本発明の導電性針を用いることにより解決できる。
なお、半導体プロセスにおける微細加工パターンの観察や寸法測長を行う測長SEMおよび電子線に感応するレジストを塗布した試料基板に電子ビームを照射して各種回路パターンを形成する電子線描画装置における電子光学系の構成も基本的には図5と同様である。つまり、図7(a)の電界放出型電子源を、それらの電子装置の電子銃に適用することにより、従来機種と比べて高分解能化、高輝度化、低加速電圧化による試料ダメージの低減化、低コスト化、小型化を実現する電子顕微鏡、及び高精細化、高効率化、低コスト化、小型化を実現する電子線描画装置を実現することができる。
また、電界放出型電子源を搭載する走査型電子顕微鏡の構成は図7に示したものに限定されるものではなく、要は電界放出型電子源の特性が十分引出せる構成であれば従来周知知の構成を採用できる。
(電子装置への適用例2)
電子線描画装置に関しては、最近、金属−絶縁体−金属の三層構造からなる薄膜型電子源(MIM)を格子状に二次元配列して作製したマルチ電子線源搭載型電子線描画装置が考案されている。これによりパターンを一括転写でき、電子源が一つの場合に比べて、スループットを大幅に改善することができる。しかし、この場合、MIMの電子放出しきい電界が1〜10MV/cm以上と非常に高く、MIMを構成する絶縁体あるいは駆動回路部品の絶縁破壊などが生じるといった問題があり、低電圧で高電流密度を達成できる電子源が求められている。そこで、図8に示すように本発明に係る導電性針を用いた電子源を、電子線描画装置の電子源として搭載することにより、それらの課題を解決することができる。
すなわち、電子線描画装置は、電子線に感応するレジストを塗布した試料基板に電子線を照射し、各種回路パターンを形成するものであるが、各種回路パターンの高精細化に伴い、極細プローブ径が得られる電子源が必要となってきている。従来は、ビーム電流が多くとれることからLaB等の熱電子放出型電子源が使用されてきた。しかし、非点収差が大きいため20nm以下の描画を得ることが困難であり、かつ、シングル電子ビームの走査による描画を行なうため、十分な電子ビームのドース量である25μC/cmを得るために時間がかかり過ぎるという問題があった。最近、電界放出電子源を使用するようになったが、ビーム電流の不安定さがが生じるため、効率が悪いという課題がある。この課題を解決するために、本発明の導電性針7を面状に電極支持台10に配列させた適用例を図8に示す。導電性針7は256×256配列で電極支持台に配列させ、各導電性針7は夫々が独立して、電源26に接続されている。電源26で導電性針7とビーム引出し電極27に電圧印加することで、電磁界レンズ28に向かって電界放出電子が飛び出し、集束ポイント25の位置に平行性の高いビームが収斂される。集束ポイント25で得られた平行性の高いビームは偏向コイル29によって非点収差が補正された後、トリフェニン誘導体に代表される電子線感応レジスト23上に照射される。加速電圧20kVで20nm膜厚のトリフェニン誘導体に電子線照射することで、10nm幅の線が形成可能となる。
(電子装置への適用例3)
図9に、本発明の導電性針を用いた走査型プローブ顕微鏡用の探針の構成図を示す。同図(a)はプローブのカンチレバー全体図、同図(b)、(c)は探針の拡大図、同図(d)は測長AFMの探針の走査モードを説明する図である。それらの図に示すように、走査型プローブ顕微鏡用探針は、角錐状の導電性基材からなるホルダ31の針状端の側面にカーボンナノチューブ3を固着してなる本発明の導電性針が用いられている。ホルダ31は、カンチレバーベース32の先端に設けられたカンチレバー33の先端部に形成されている。一般に、AFM用探針の材質は、窒化ケイ素やシリコンなどであり、形状は先端が鋭利な角錐である。本例における探針は、図1等で説明した本発明の製造方法により形成されている。カーボンナノチューブ3とホルダ31の中心軸とのなす角度θは、カンチレバー33の長手方向で10°±2°、短手方向で0°±2°が好ましい。このように構成されることから、本例の走査型プローブ顕微鏡用探針によれば、高アスペクト比形状のカーボンナノチューブから構成されているため、図9(d)に示すような深穴計測に適したステップインモードタイプの測長AFM用の探針に好適である。
なお、カーボンナノチューブ3とホルダ31の針状端とを接合する被覆4の導電性材料の融点は、600℃以上でなければならない。これは、カーボンナノチューブ先端にアモルファスカーボン粒子のような付着物が形成されていることが多く、この状態のまま探針として使用すると、探針先端径がカーボンナノチューブ本来の先端径よりも大きくなり、分解能が低下したり、付着物によって被測定物が汚染されてしまう等の問題が生じ、カーボンナノチューブをカンチレバー探針部に接合した後に、600℃以上に加熱して付着物を除去する必要があるからである。
本例の導電性針は、カーボンナノチューブ3とホルダ31は、針状端表面に形成される酸化物のような絶縁層あるいは高電気抵抗率層を介することなく接合されている。これにより、カーボンナノチューブと導電性基材との接触抵抗を大幅に低減することができる。
また、走査型プローブ顕微鏡用探針の場合にも、カーボンナノチューブ3のホルダー31に対する取り付け角度が制御できないと高精細な測定ができなくなる。この問題を解決するためには、前述したように、カーボンナノチューブ3が接触する針状端表面にFIBなどにより取り付け基準面を形成すればよい。また、カーボンナノチューブ3としては、特に限定されるものではないが、分解能および被測定物の段差およびカーボンナノチューブの耐久性を考慮すると、先端径が50nm以下、長さが数10μm〜数100μmで、かつ導電性のものが好ましい。
なお、本応用例の走査型プローブ顕微鏡用探針は、導電性探針であるため、AFMに限らず、探針と被測定物との間に流れるトンネル電流を検出して被測定物の表面状態を原子レベルで撮像できるトンネル顕微鏡(STM)等にも適用できることは言うまでもない。
上述したように、カーボンナノチューブ3とホルダー31との接触抵抗を低減できるため、帯電防止が図られ、カーボンナノチューブの剥離および測定精度の低下を防止でき、十分な接合強度を有する探針を提供でき、走査型プローブ顕微鏡の高精細化を図ることができる。
(電子装置のその他の適用例)
走査型電子顕微鏡と同様に電子源から放出された電子ビームを複数の電子レンズで細く絞り、この電子ビームを走査コイルを用いて矩形状に走査して像を得る走査透過電子顕微鏡や電子源から放出された電子ビームを加速し、複数段の電子レンズを通して試料に照射し、試料を透過した電子ビームを対物レンズを含む複数の電子レンズで拡大し、蛍光スクリーンに像を映し出す透過型電子顕微鏡においても電子光学系の基本原理は同じであるため、本発明の電子源を用いることにより同様の効果が得られる。
また、最近、表示装置用の電子源として、カーボンナノチューブを多数平面基板に配列させた電子源が検討されている。これはカーボンナノチューブの先端径がナノレベルと非常に小さいため、低電圧でも電界放出が可能であり、また炭素原子間結合が金属に比べ非常に強固なため、イオン衝撃にも強く、放出電流の安定性に優れ、さらに比較的低真空でも電子放出するという特徴を有しているからである。そこで、本発明の導電性針を適用すれば、それらの課題を解決できる。
本発明の導電性針の製造方法に係る一実施の形態の主要な製造工程を示す。 図1の製法により製造された一実施形態の導電性針の外観図を示す。 図2の実施形態においてタングステンを堆積させて被覆を形成して接合した導電性針の先端部の図面代用の電子顕微鏡写真である。 本発明の導電性針の製造方法に係る他の実施の形態の主要な製造工程を示す。 本発明に係る導電性針の他の実施形態の外観図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。 本発明に係る導電性針のカーボンナノチューブの生成法の一実施の形態を説明する図である。 本発明の導電性針を電子源に用いた走査型電子顕微鏡の構成図を示し、(a)は電子銃の構成、は走査型電子顕微鏡の全体構成を示す。 本発明に係る導電性針を用いた電子源を電子線描画装置の電子源として搭載した例の主要部の構成図である。 本発明の導電性針を用いた走査型プローブ顕微鏡用の探針の構成図を示し、(a)はプローブのカンチレバー全体図、(b)と(c)は探針の拡大図、(d)は測長AFMの探針の走査モードを説明する図である。
符号の説明
1…導電性基体
1a…針状端
3…カーボンナノチューブ
4…被覆

Claims (12)

  1. 真空チャンバ内にて導電性基材にカーボンナノチューブの一端部を接触させ、前記導電性基材と前記カーボンナノチューブとの接触部位の少なくとも一部を導電性材料により被覆する電子源用導電性針の製造方法であって、
    前記導電性基材に前記カーボンナノチューブを接触させる前に、前記導電性基材を加熱処理又はイオンスパッタ処理して、前記カーボンナノチューブの一端部が接触される導電性基材の表面に存在するカーボンコンタミネーション層を除去する工程と、
    前記導電性基材に前記カーボンナノチューブの一端部を接触させた後、前記真空チャンバ内に有機ガスを導入して電子線を前記接触部位の少なくとも一部に照射する工程を有することを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記カーボンコンタミネーション層を除去する工程の前に、前記カーボンナノチューブを接触させる前記導電性基材の表面に存在する酸化膜を除去する工程を有することを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記導電性基材は、貴金属製基材であることを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記導電性基材は、結晶質カーボンであることを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  5. 請求項2に記載の製造方法において、
    前記酸化膜を除去する工程は、前記導電性基材の表面をイオンスパッタ処理する工程又は前記導電性基材を加熱する工程であることを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  6. 請求項1に記載の製造方法において、
    前記カーボンコンタミネーション層を除去する工程は、カーボンナノチューブと前記導電性基材との間に電圧を印加し、カーボンナノチューブから電子放出させる工程を含むことを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法において、
    前記導電性基材にカーボンナノチューブを接触させる工程は、80℃以上200℃以下の高真空下で行うことを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法において、
    前記導電性材料により被覆する工程で照射される電子線は、100keV以下であることを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法において、
    前記導電性基材は、先端に円錐状の針状端を有し、該針状端の表面に前記カーボンナノチューブの一端が接触して設けられ、該カーボンナノチューブの先端部と前記針状端の円錐軸とのなす角度を±5°以下とすることを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載の製造方法において、
    前記導電性基材は、先端に円錐状の針状端を有し、かつ該針状端に円錐軸に平行又は一定範囲の角度を有する平担面が形成されてなり、該平担面に前記カーボンナノチューブが接触して設けられてなることを特徴とする電子源用導電性針の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の製造方法により作製した導電性針を具備した電子顕微鏡。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の製造方法により作製した導電性針を具備した電子線描画装置。
JP2003292126A 2003-08-12 2003-08-12 導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針 Expired - Fee Related JP4029289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003292126A JP4029289B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003292126A JP4029289B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005063802A JP2005063802A (ja) 2005-03-10
JP4029289B2 true JP4029289B2 (ja) 2008-01-09

Family

ID=34369580

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003292126A Expired - Fee Related JP4029289B2 (ja) 2003-08-12 2003-08-12 導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4029289B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007087676A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Hitachi High-Technologies Corp 電界放出型電子銃およびそれを用いた電子ビーム装置
US7544523B2 (en) * 2005-12-23 2009-06-09 Fei Company Method of fabricating nanodevices
JP4844722B2 (ja) * 2006-03-22 2011-12-28 Jfeエンジニアリング株式会社 カーボンナノチューブの固着方法
CN101042977B (zh) 2006-03-22 2011-12-21 清华大学 碳纳米管场发射电子源及其制造方法以及一场发射阵列
CN100573783C (zh) 2006-04-05 2009-12-23 清华大学 碳纳米管场发射电子源的制造方法
CN101051595B (zh) 2006-04-05 2010-11-10 清华大学 碳纳米管场发射电子源
JP5102968B2 (ja) 2006-04-14 2012-12-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 導電性針およびその製造方法
JP4895938B2 (ja) * 2007-07-24 2012-03-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電界放出型電子銃およびそれを用いた電子線応用装置
JP4911526B2 (ja) * 2007-11-07 2012-04-04 独立行政法人産業技術総合研究所 電子源およびその製造方法
JP2009129548A (ja) * 2007-11-20 2009-06-11 Hitachi High-Technologies Corp 電子放出素子,電子銃およびそれを用いた電子ビーム応用装置
JP2010169638A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Seiko Epson Corp 微細針、微細針の製造方法、電気特性評価方法及び半導体装置の製造方法
JP5590485B2 (ja) * 2010-03-02 2014-09-17 国立大学法人東北大学 光スイッチング電子源及びそれを用いた電子線描画装置
US11721516B2 (en) 2019-01-30 2023-08-08 National Institute For Materials Science Emitter, electron gun using same, and electronic device
JP6998084B2 (ja) * 2020-11-25 2022-01-18 学校法人千葉工業大学 金属探針及び金属探針の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005063802A (ja) 2005-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3832402B2 (ja) カーボンナノチューブを有する電子源とそれを用いた電子顕微鏡および電子線描画装置
JP4029289B2 (ja) 導電性針の製造方法及びその方法により製造された導電性針
US7777404B1 (en) Field emission type electron gun comprising single fibrous carbon electron emitter and operating method for the same
US20100187433A1 (en) Improved particle beam generator
US20120159678A1 (en) Nanometer-scale sharpening of conductor tips
US7151268B2 (en) Field emission gun and electron beam instruments
JP5102968B2 (ja) 導電性針およびその製造方法
KR100562701B1 (ko) 전자 소스 및 이를 이용한 구멍의 오픈 불량 검사 장치와방법
JP3982558B2 (ja) カーボンナノチューブを有する電子源とそれを用いた電子顕微鏡および電子線描画装置
JP4658490B2 (ja) 電子源及びその製造方法
EP2144274B1 (en) Method of preparing an ultra sharp tip and use of an apparatus therefor
US7288773B2 (en) Electron source, and charged-particle apparatus comprising such an electron source
Tanemura et al. Room-temperature growth and applications of carbon nanofibers: A review
US20100045212A1 (en) Devices having laterally arranged nanotubes
Minh et al. Selective growth of carbon nanotubes on Si microfabricated tips and application for electron field emitters
Xavier et al. Stable field emission from arrays of vertically aligned free-standing metallic nanowires
JP2005100885A (ja) 電界放射電子源およびこれを用いた顕微鏡
KR20110070031A (ko) 원자간력 현미경 탐침의 팁용 탄소나노튜브 부착방법 및 그 방법에 의해 팁에 탄소나노튜브가 부착된 원자간력 현미경용 탐침
JP2006049293A (ja) 電界放出型電子銃およびそれを用いた電子ビーム応用装置
TWI309055B (en) Method for making emission source having carbon nanotube
JP4672653B2 (ja) カーボンナノチューブ触媒の選択付与方法
Mousa et al. Field Electron Emission Characteristics of Single-Walled Carbon Nanotube on Tungsten Blunt Tip
JP2009129548A (ja) 電子放出素子,電子銃およびそれを用いた電子ビーム応用装置
Kim et al. Robust Ohmic contact junctions between metallic tips and multiwalled carbon nanotubes for scanned probe microscopy
Mancevski Fabrication and analysis of carbon nanotube based emitters

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070625

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070911

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101026

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111026

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121026

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131026

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees