JP4028959B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4028959B2
JP4028959B2 JP2000339048A JP2000339048A JP4028959B2 JP 4028959 B2 JP4028959 B2 JP 4028959B2 JP 2000339048 A JP2000339048 A JP 2000339048A JP 2000339048 A JP2000339048 A JP 2000339048A JP 4028959 B2 JP4028959 B2 JP 4028959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
developer
liquid developer
developing
developing device
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000339048A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002148945A (ja
Inventor
佐藤  修
努 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000339048A priority Critical patent/JP4028959B2/ja
Publication of JP2002148945A publication Critical patent/JP2002148945A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4028959B2 publication Critical patent/JP4028959B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Developers In Electrophotography (AREA)
  • Wet Developing In Electrophotography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤担持体に担持した液体現像剤中の現像物質を、画像形成装置の潜像担持体に担持された潜像に付着させてこれを現像する現像装置、及びこれを備えるファクシミリ、プリンタ、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤として、トナー等の現像物質と液体キャリアとが含まれる液体現像剤を使用する現像装置が知られている。この種の現像装置では、液槽としての剤収容部に収容している液体現像剤を、現像ローラ等の現像剤担持体に担持した後、感光体ドラム等の潜像担持体上の潜像に付着させることで、この潜像を現像する。現像時には、現像剤担持体と潜像担持体とが対向する現像位置に現像バイアスを印加し、その現像剤担持体上に担持された液体現像剤中の現像物質を、潜像担持体上の潜像上に電気泳動させて付着させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液体現像剤の製造工程では、液体現像剤中の現像物質を所定粒径に形成するために、金属製のボールミル等により分散する。このとき、ボールミルが削れてたり、欠けたりする等により、その金属粉が液体現像剤中に混入する場合がある。このような低抵抗の金属紛が液体現像剤中に混入した場合、その金属粉が現像時に現像位置に存在すると、現像バイアスによる電流がその金属粉を通じて電流リークが生じる。この結果、適切な現像を行うことができず、画像劣化が生じるという問題があった。また、このような金属紛が現像物質と一緒に潜像担持体上に付着した場合、潜像担持体上の像を紙等の記録材あるいは中間転写体上に転写するときに印加する転写バイアスによる電流が、その金属粉を通じて電流リークが生じることもある。この結果、適切な転写を行うことができず、画像劣化が生じるという問題も生じる。
【0004】
また、金属粉が現像時に現像位置に存在すると、現像バイアスによる電流がその金属粉を通じて、潜像担持体に大量に流れ込み、潜像担持体表面を損傷するおそれがあるという問題もある。特に、いわゆるチキソトロピックな液体現像剤を用いる現像装置では、現像位置において現像剤担持体と潜像担持体とが密着する構成とする場合が多く、金属紛を介して大電流が流れる可能性が高い。このチキソトロピックな液体現像剤とは、100〜1000mPa・sと比較的高粘度で、現像物質を5〜40%と比較的高濃度に含有するものである。
【0005】
上記問題は、剤収容部から供給される液体現像剤を、表面に凹凸を有する塗布ローラ(以下、「グラビアローラ」という。)に付着させ、そのグラビアローラに付着した液体現像剤を現像剤担持体に供給する従来の現像装置において、特に深刻である。このグラビアローラを用いて現像剤担持体に液体現像剤を供給する場合、そのグラビアローラ表面に付着した液体現像剤の量を規制する規制部材であるメータリングブレードを当接させて、その表面上の余分な液体現像剤が除去する。このとき、グラビアローラ表面の凹部で液体現像剤量を計量できるので、現像剤担持体上への液体現像剤の供給量を容易に制御することができる。しかし、上記メータリングブレードとしては、導電性をもつ磁性体材料である金属製のものが使用されることが多い。しかも、メータリングブレードは、通常、グラビアローラよりも硬度が小さいものが利用されるので、経時使用の結果、そのメータリングブレードが磨耗し、その金属粉が液体現像剤中に混入することがある。よって、このような現像装置では、上記問題が比較的高い頻度で発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、液体現像剤中に混入した金属紛等の導電性をもつ磁性体物質により生じる画質劣化や潜像担持体の損傷を防止することができる現像装置及びこれを備える画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、現像物質と液体キャリアとを含有する液体現像剤を収容する剤収容部と、上記剤収容部から供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体とを備え、画像形成装置の潜像担持体と上記現像剤担持体とが対向する現像位置に所定の現像バイアスを形成して、該現像剤担持体に担持した液体現像剤中の現像物質を該潜像担持体に担持された潜像に付着させ、該潜像を現像する現像装置において、現像に使用した後の液体現像剤を上記剤収容部に戻す現像剤回収手段と、上記剤収容部内の液体現像剤中に混入する導電性をもつ磁性体物質を回収する混入物質回収手段と、上記剤収容部内における液体現像剤の現像物質濃度を検知する濃度検知手段と、上記濃度検知手段の検知結果に基づいて上記剤収容部内の液体現像剤の現像物質濃度を調整する濃度調整手段と、上記剤収容部内における液体現像剤を攪拌する攪拌体とを有し、上記現像剤回収手段で回収した液体現像剤に混入している上記磁性体物質を混入物質回収手段により回収する処理と、該現像剤回収手段で回収した液体現像剤の現像物質濃度を上記濃度検知手段及び上記濃度調整手段により調整する処理とを、いずれも、上記攪拌体により攪拌される上記剤収容部内の液体現像剤に対して行うことを特徴とするものである。
【0008】
この現像装置においては、液体現像剤中に混入した導電性をもつ磁性体物質(以下、適宜「混入物質」と省略する。)が、混入物質回収手段により回収される。よって、混入物質が現像位置に存在する頻度を少なくなり、その混入物質を介して潜像担持体にリーク電流が流れ込むのを抑制することができる。
【0010】
また、この現像装置においては、現像済みの液体現像剤を現像剤回収手段によって剤収容部内に戻すことにより、液体現像剤を再利用することができる。ここで、「現像に使用した後の液体現像剤」とは、現像後の現像剤担持体表面に残留した液体現像剤の他、潜像担持体上の現像済みの像が転写紙等の記録材に転写された後に潜像担持体表面に残留した液体現像剤なども含む概念である。このように液体現像剤を再利用する構成では、一度混入した混入物質が剤収容部に累積的に蓄積されることになるので、混入物質を介して潜像担持体にリーク電流が流れ込むおそれが高まるので、混入物質回収手段による利益がより一層高まることになる。
また、近年では、現像装置の小型化の要請が高く、新規な部材を付加する場合でも、現像装置を大型化してしまうことになるときには、その実用性が低下してしまう。そこで、本請求項の現像装置では、混入物質回収手段を剤収容部内に設けている。剤収容部は、大量の液体現像剤を収容するため、その寸法は、現像装置を構成する他の部材よりも大きく、その内部は、液体現像剤を収容するためにスペースが空いている。よって、このスペースに混入物質回収手段を配置することで、現像装置に混入物質回収手段の配置スペースを新たに設けることなく、混入物質を回収することができる。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の現像装置において、上記現像剤回収手段は、回収した液体現像剤を上記剤収容部まで搬送するための回収用搬送路を有し、液体現像剤中に混入した導電性をもつ磁性体物質を回収する混入物質回収手段を、上記回収用搬送路中に設けたことを特徴とするものである。
【0012】
混入物質が剤収容部から出た後の液体現像剤中に混入した場合、その混入物質は液体現像剤とともに現像剤回収手段により回収され、剤収容部内に戻される。この場合、その混入物質は、剤収容部内に収容されている大量の液体現像剤中に分散してしまう。よって、混入物質が剤収容部に入った後では、その回収が困難となる。そこで、本請求項の現像装置では、回収した液体現像剤を剤収容部まで搬送するための回収用搬送路中に混入物質回収手段を配置する。これにより、剤収容部から出た後に液体現像剤中に混入した混入物質を、剤収容部に入り込む前に回収することができる。しかも、回収される液体現像剤の量は、微量であるため、剤収容部内の大量の液体現像剤中から回収する場合よりも容易であり、その回収効率を高めることができる。
【0015】
また、請求項の発明は、請求項1の現像装置において、上記剤収容部に収容された液体現像剤を上記現像剤担持体近傍まで搬送するための搬送路を有し、上記混入物質回収手段を、上記搬送路と上記剤収容部とが連結する開口部の隣接箇所に設けたことを特徴とするものである。
【0016】
上述のように単に剤収容部内に混入物質回収手段を設けたとしても、その回収は困難であり、回収効率が悪い。また、混入物質は、現像位置に存在することで初めて上記問題を引き起こす要因となるのであって、剤収容部内に存在しているだけでは問題とならない。そこで、本請求項の現像装置においては、剤収容部に収容された液体現像剤を現像剤担持体近傍まで搬送するための搬送路と剤収容部とが連結する開口部の近傍に、混入物質回収手段を設ける。すなわち、この開口部を通過する液体現像剤のみをターゲットとして混入物質を回収する。これから現像に使用される液体現像剤は、この開口部を通って剤収容部から搬出され、現像剤担持体に担持された後、現像位置に搬送される。よって、本現像装置のように開口部を通過する液体現像剤中から混入物質を回収することで、混入物質が現像位置に存在する頻度を効率的に少なくすることができる。また、このような限られた箇所で混入物質を回収すればよいので、混入物質回収手段を実現する部材や装置の小型化を図ることが可能となる。
【0017】
また、請求項の発明は、請求項1、2又はの現像装置において、上記剤収容部に収容された液体現像剤を上記現像剤担持体近傍まで搬送するための搬送路を有し、液体現像剤中に混入した導電性をもつ磁性体物質を回収する混入物質回収手段を、上記搬送路中に設けたことを特徴とするものである。
【0018】
この現像装置においては、剤収容部に収容された液体現像剤を現像剤担持体近傍まで搬送するための搬送路中に、混入物質回収手段を設けるので、これから現像に使用される液体現像剤のみをターゲットとして混入物質を回収することがでいる。よって、混入物質が現像位置に存在する頻度を効率的に少なくすることができる。
【0019】
また、請求項の発明は、請求項1、2、3又の現像装置において、上記混入物質回収手段は、磁界発生手段を有することを特徴とするものである。
【0020】
この現像装置においては、混入物質回収手段が磁界発生手段を有し、この磁界発生手段が発生させる磁界により、磁性体物質である混入物質を回収することが可能となる。磁界発生手段として、永久磁石を用いたもののほか、電磁石やコイルなどを利用することができる。
【0021】
また、請求項の発明は、請求項の現像装置において、上記磁界発生手段として、永久磁石を用いたことを特徴とするものである。
【0022】
この現像装置においては、混入物質を回収するための磁界発生手段として、永久磁石を用いる。永久磁石のように、物性として磁性を有する部材を用いれば、電磁石の場合にように電源等が必要でなく、構成を簡略化することができる。
【0023】
また、請求項の発明は、請求項1、2、3、4、5又はの現像装置において、上記現像剤担持体に対向するように配置され、上記液体現像剤中の導電性をもつ磁性体物質を吸着させる磁界を形成する磁気ローラを有することを特徴とするものである。
【0024】
この現像装置においては、現像剤担持体上に付着する液体現像剤中の混入物質を磁気ローラで回収する。この磁気ローラを、現像位置に対して、現像剤担持体の液体現像剤搬送方向の上流側に配置すれば、現像直前の液体現像剤中から混入物質を回収できるので効果的である。しかし、この場合、現像直前の液体現像剤層を乱すおそれがある点に注意が必要である。また、使用後の液体現像剤を回収し再利用する機構をもつ現像装置であれば、現像位置に対して、現像剤担持体の液体現像剤搬送方向の下流側に配置するのがよい。この場合、現像直前の液体現像剤層を乱すことがないからである。
【0025】
また、請求項の発明は、請求項の現像装置において、上記磁気ローラと上記現像剤担持体との対向部分に、上記液体現像剤中の上記現像物質を該現像剤担持体側に引き寄せる電界を形成する電界形成手段を有することを特徴とするものである。
【0026】
磁気ローラを現像剤担持体表面に接触させて混入物質を回収する場合、液体現像剤中の現像物質が磁気ローラに付着する場合がある。この場合、磁気ローラを現像剤担持体の液体現像剤搬送方向の上流側に配置したときには、現像に使用される液体現像剤のトナー濃度が低下するという不具合が生じる。また、使用後の液体現像剤を回収し再利用する機構をもつ現像装置において、磁気ローラを現像剤担持体の液体現像剤搬送方向の下流側に配置したときには、磁気ローラに回収された現像物質が再利用できず無駄になるという不具合が生じる。そこで、本請求項の現像装置では、電界形成手段により、磁気ローラと現像剤担持体との対向部分に、液体現像剤中の現像物質を現像剤担持体側に引き寄せる電界を形成する。これにより、現像物質が磁気ローラに付着しずらくなり、上記不具合の発生を抑制することができる。
【0027】
また、請求項の発明は、請求項又はの現像装置において、上記磁気ローラを、現像に使用した後の液体現像剤を担持する上記現像剤担持体部分と対向する位置に設けことを特徴とするものである。
【0028】
上述のように、磁気ローラを、現像位置に対して、現像剤担持体の液体現像剤搬送方向の上流側に配置すれば、現像直前の液体現像剤中から混入物質を回収できるので効果的であるが、現像直前の液体現像剤層を乱すおそれがある。現像直前の液体現像剤層を乱れると、現像ムラが生じて画質劣化の原因となる。そこで、本請求項の現像装置では、磁気ローラを、現像に使用した後の液体現像剤を担持する上記現像剤担持体部分と対向する位置、例えば、現像剤担持体の液体現像剤搬送方向の下流側に配置する。そして、この磁気ローラを用いて混入物質を回収する混入物質回収手段により混入物質が回収された後の液体現像剤を、現像剤回収手段により、剤収容部に戻し、再利用する。よって、現像直前の液体現像剤層を乱さずに混入物質を回収することができる。
【0029】
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又の現像装置において、上記剤収容部から供給される液体現像剤を、表面に凹凸を有する塗布ローラに付着させ、該塗布ローラに付着した液体現像剤を、該塗布ローラ表面に当接する導電性をもつ磁性体材料で形成された規制部材により規制した後、該塗布ローラ表面に付着している液体現像剤を、上記現像剤担持体上に供給する現像剤供給手段を有することを特徴とするものである。
【0030】
この現像装置においては、塗布ローラと規制部材とを有する現像剤供給手段により、現像剤担持体上に液体現像剤を供給する。この塗布ローラは、表面に凹凸を有するグラビアローラであり、この塗布ローラに付着した液体現像剤を規制部材により規制した後、その塗布ローラ表面に付着している液体現像剤を現像剤担持体上に供給する。このような現像剤供給手段を用いれば、塗布ローラ表面の凹部で液体現像剤量を計量できるので、現像剤担持体上への液体現像剤の供給量を容易に制御することができるが、上述の発明が解決しようとする課題で述べたように、規制部材が磨耗し、その材料すなわち導電性をもつ磁性体材料が液体現像剤中に混入することがある。本請求項の現像装置によれば、規制部材の磨耗により液体現像剤中に混入した混入物質を回収することができるので、その混入物質による潜像担持体の損傷を防止しつつ、上記現像剤供給手段による利益を受けることができる。
【0031】
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又10の現像装置において、上記液体現像剤として、現像物質が5〜40%の濃度で分散され、粘度が100〜10000mPa・sに調整されたものを用いたことを特徴とするものである。
【0032】
この現像装置においては、トナー等の現像物質を5〜40%と比較的高濃度に含有する液体現像剤を用いることで、現像物質をこれより低濃度に含有する液体現像剤を用いる場合よりも少ない液量で高濃度の画像を形成することができる。また、キャリアと現像物質との攪拌が極めて困難になるなどの理由によって製造コストが嵩む10000mPa・s粘度を超える液体現像剤を用いる場合とは異なり、比較的低価格で高濃度の画像を形成することができる。また、現像物質の分散ムラを生じ易い100mPa・s粘度を下回る液体現像剤を用いる場合よりも、該分散ムラに起因する画像濃度ムラを抑えることができる。
【0033】
また、請求項12の発明は、潜像を担持する潜像担持体と、上記潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、上記潜像担持体上に形成された潜像に液体現像剤中の現像物質を付着させて該潜像を現像する現像装置とを備える画像形成装置において、上記現像装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又11の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
【0034】
この画像形成装置においては、上述した請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又11の現像装置を用いて現像を行うので、混入物質による潜像担持体の損傷を防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を画像形成装置である電子写真方式のプリンタに適用した一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。図において、潜像担持体としての感光体ドラム1の回りには、帯電ユニット2、現像装置としての現像ユニット100、中間転写ドラム3、感光体ドラム1をクリーニングするドラムクリーニングユニット4などが配設されている。また、中間転写ドラム3の図中右側方には、これと接触して所定幅の転写ニップを形成する転写ローラ5が配設されている。
【0036】
上記感光体ドラム1は、図示しないモータ等の駆動手段によってプリント時には一定速度で図中矢印方向(時計回り)に回転駆動せしめられる。そして、その回転に伴って周面が上記帯電ユニット2によって一様に帯電せしめられた後、図示しない光書込みユニットによって画像情報に基づいた書込み光LBが照射結像されて静電潜像を担持する。この静電潜像は、上記現像ユニット100によって現像されて液体現像剤による可視像となった後、感光体ドラム1の回転に伴って上記中間転写ドラム3との接触位置まで移動する。
【0037】
上記中間転写ドラム3は、図示しない駆動手段によって図中矢印方向(反時計回り)に感光体ドラム1と同じ周速で回転せしめられており、上記可視像はこの中間転写ドラム3の周面に中間転写される。そして、中間転写ドラム3の回転に伴って上記転写ニップまで移動する。
【0038】
一方、図示しない給紙装置は、転写紙6をこの可視像と重ね合わせ得るようなタイミングで、上記転写ニップに向けて送り出す。転写ニップで可視像と重ね合わされた転写紙6は、中間転写ドラム3から可視像が転写された後、転写ニップから図示しない定着装置へと送られる。そして、ここで加熱等によって可視像が定着せしめられた後、プリンタ外部へと排出される。
【0039】
上記中間転写ドラム3に転写されずに上記感光体ドラム1上に残留した液体現像剤は、上記ドラムクリーニングユニット4のクリーニングブレード4aによって機械的に掻き取り除去された後、現像剤回収手段を構成するスクリュー部材4bによって回収用搬送路としての回収パイプ8へと搬送され、この回収パイプ8内を自重によって落下して後述の第2タンクに至る。
【0040】
上記転写ニップを通過した中間転写ドラム3表面は、転写紙6に転写されずに残留した液体現像剤が図示しない中間転写ドラムクリーニングユニットによって除去された後、上記感光体ドラム1との接触位置まで再び移動する。
【0041】
この接触位置を通過した感光体ドラム1表面は、図示しない除電ランプとの対向位置まで移動して残留電位が除去されることで、次のプリントに備えられる。
【0042】
上記現像ユニット100は、現像部101と、現像剤回収手段を構成する回収部102と、剤調整部103と、補給部104とから主に構成されている。
【0043】
上記現像部101は、現像剤担持体としての現像ローラ105、塗布ローラとしてのグラビアローラ106、規制部材としてのメータリングブレード107、第1攪拌スクリュー108、第2攪拌スクリュー109、剤収容部としての第1タンク110などを備えている。この第1タンク110内には現像物質であるトナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤7が、100〜150cc程度の量で収容されている。
【0044】
この液体現像剤7は、粘度が100〜10000mPa・sに調整され、且つトナー濃度が5〜40%に調整されている。より具体的には、本実施形態では、粘度=約300mPa・s、トナー濃度=15%に調整したものを用いている。
【0045】
上記第1タンク110内には、液体現像剤7の上方に上記グラビアローラ106が配設されており、待機状態では液体現像剤7の液面がグラビアローラ106に接触しないようになっている。また、第1攪拌スクリュー108、第2攪拌スクリュー109がそれぞれ平行に並ぶように水平配設されている。
【0046】
プリント動作が開始されると、これらスクリューが図示しない駆動手段によってそれぞれ反対方向に回転せしめられ、スクリュー上方の液体現像剤7がその液面を盛り上げて上記グラビアローラ106に接触して供給される。このようにして供給された液体現像剤は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられるグラビアローラ106に付着して上記メータリングブレード107との対向位置を通過する際に、その層厚が規制されて薄層化する。そして、その一部がグラビアローラ106と接触しながら回転する上記現像ローラ105に毎分約30ccの量で塗布された後、現像ローラ105とともに感光体ドラム1との対向位置である現像位置まで移動して現像に寄与する。この現像位置で、感光体ドラム1上の上記静電潜像に移動せずに、現像ローラ105上に残った使用後の液体現像剤7は、現像ローラ105の回転に伴って上記回収部102との対向位置まで移動して回収される。
【0047】
上記回収部102は、回収ローラ111、回収ブレード112、回収スクリュー113、回収用搬送路としての回収パイプ114を備えている。この回収ローラ111は、上記現像位置を通過した後の現像ローラ105の表面に当接しながら回転して、この表面に付着している使用済みの液体現像剤7を回収する。このようにして回収された液体現像剤7は、上記回収ブレード112によって回収ローラ112の表面から機械的に掻き取り除去された後、上記回収スクリュー113によって上記回収パイプ114内に搬送される。そして、この回収パイプ114内を自重によって落下して後述の第2タンクに至る。
【0048】
上記剤調整部103は、剤収容部としての第2タンク115、攪拌体としての2つの翼部材116、117、濃度信号出力手段118、搬送ポンプ120、搬送路としての搬送パイプ121などを備えている。第2タンク115も、内部に液体現像剤7を収容しており、その開口部にタンク蓋119が取り付けられている。
【0049】
上記濃度信号出力手段118は、図示しない制御部とともに濃度検知手段を構成している。
【0050】
上記第2タンク115内において、上記翼部材116、117は図示しない攪拌モータによって回転駆動されることで、液体現像剤7を略水平方向に回転せしめて攪拌する。液体現像剤7は、このようにして攪拌されながら、上記濃度信号出力手段118と制御部とからなる濃度検知手段によってそのトナー濃度が検知される。
【0051】
上記搬送パイプ121は、その一端が第2タンク115の底に接続され、もう一端が上記第1タンクのドレインパイプ122に接続されている。この搬送パイプ121の途中には、上記搬送ポンプ120が設けられている。第2タンク115内の液体現像剤7はこの搬送ポンプ120によって第1タンク115内に搬送・供給される。搬送ポンプ120によって第1タンク115内に過剰量の液体現像剤7が供給された場合には、第1タンク115内の液体現像剤7の液面上昇によって余剰分の液体現像剤が図示しないオーバーフロー管の取り付け位置に達し、このオーバーフロー管を通って第2タンク115に戻る。
【0052】
上記補給部104は、補給用の液体キャリアを収容するキャリアボトル123、補給用の液体現像剤を収容する現像剤ボトル124、キャリアボトル123から上記第2タンクへと液体キャリアを搬送するためのキャリアポンプ147、現像剤ボトル124から第2タンクへと液体現像剤を搬送するための現像剤ポンプ146などを備え、図示しない制御手段である制御部によって制御される。
【0053】
上記現像剤ボトル124内の液体現像剤は、そのトナー濃度が現像に望ましい15%に調整されている。この濃度が、本プリンタにおける標準濃度となる。
【0054】
上記制御部は、上記剤調整部103の濃度信号出力手段118からの出力信号に基づいて、上記現像剤ポンプ146やキャリアポンプ147の駆動を制御して、第2タンク115内に適量の液体キャリアや液体現像剤を補給させることで、第2タンク115内の液体現像剤7のトナー濃度を調整する。このような制御により、上記現像ローラ105から回収された液体現像剤と、上記感光体ドラム1から回収された液体現像剤との混合液のトナー濃度が、現像に使用される前の液体現像剤7のトナー濃度と異なるような場合でも、第2タンク115内に戻して再利用することができる。
【0055】
図2において、現像ユニット100は、上記現像部101、回収部102、剤調整部103、補給部104のうち、現像部101と回収部102とが一つの現像カートリッジ(図中一点鎖線で囲まれた部分)として構成され、他の部分から分離可能となっている。このため、故障や寿命到達の際のメンテナンスにおいて、プリンタ本体から容易に取り外される。この現像カートリッジの上記ドレインパイプ122は、カップリング136によって上記剤調整部103の搬送パイプ121と接続されている。
【0056】
かかる構成の現像カートリッジについては、次のような手順でプリンタ本体から取り外すことが望ましい。即ち、まず、上記剤調整部103の搬送ポンプ120を逆転駆動させて上記現像部101の第1タンク110内の液体現像剤7を、剤調整部103の第2タンク115に戻す。そして、上記ドレインパイプ122に設けられたドレインバルブ137を閉じてから、上記カップリング136を操作して現像カートリッジ側のドレインパイプ122と剤調整部103側の搬送パイプ121とを分離する。両パイプを分離する前に、ドレインバルブ137を閉じておくことで、第1タンク110やドレインパイプ122内に残留した液体現像剤7を漏らして無駄にするようなことがなくなる。なお、搬送パイプ121には搬送ポンプ120を設けているため、両パイプを分離した際に第2タンク115内の液体現像剤7を分離部分から漏らすようなことはないが、このような漏れを確実に回避すべく、カップリング121として、バルブ機能付きのものを用いるとよい。
【0057】
図3は、タンク蓋119が取り外された状態の現像装置100を図2の矢印A方向から示した上面図である。また、図1は、上記剤調整部103の分解斜視図である。図1において、符号118は濃度信号出力手段であり、図示しない制御部とともに濃度検知手段を構成している。また、符号150は混入物質回収手段を構成する磁界発生手段としての磁性体である磁石である。
【0058】
上記濃度検知手段118は、タンク蓋119の下面に突設された支持板129と、タンク蓋119の上方に配設された光学センサ132とを備えている。また、上記支持板129に回動可能に保持された円盤ユニットや、これを回転させるための円盤モータ133も備えている。
【0059】
上記円盤ユニットは、2つの外円盤131a、bと、これらの間に挟まれた中円盤130とから構成されている。中円盤130は、2つの外円盤131a、よりも小さい径で構成され、外円盤131a、bの回転中心から偏心した位置で回転する。また、その円周面には鏡面仕上げ加工が施されている。円盤ユニットがその周面を液体現像剤7に部分的に浸漬させた状態で回転すると、中円盤130と2つの外円盤131a、bとの段差によってその円周方向に形成される凹部に液体現像剤7が充填される。この凹部は、中円盤130が2つの外円盤131a、bから偏心した位置に配設されていることによって円周方向で深さが異なってくる。2つの外円盤131a、bの周面には、図示しない規制ブレードが当接しており、この規制ブレードとの対向位置を通過した上記凹部内には、その円周方向に厚み勾配のある液体現像剤7の液膜が形成される。
【0060】
上記光学センサ132は、図示しない発光素子と受光素子とを備え、この発光素子からタンク蓋119の開口134eを通して上記液膜に光を照射する。照射された光は、液膜を透過した後、上記凹部の底となっている中円盤130の鏡面で反射する。そして、液膜を再び透過してから上記開口134e内を通り、光学センサ132の上記受光素子に受光される。この受光素子は、受光量に応じた値の信号を上記制御部に出力する。
【0061】
上記液膜に対する透過光量はその現像物質濃度に応じて異なってくる。但し、トナーを高濃度に含有するチキソトロピックな液体現像剤7では、トナー濃度に対する透過光量の変動率が著しく大きく、一定の厚みの液膜であるとトナー濃度が少し変化しただけで透過光が得られたり得られなかったりする。そこで、図示の濃度信号出力手段118は、上記凹部内でその円周方向に厚み勾配のある液膜を形成して様々な厚みで光透過させることで、円盤ユニットを一回転させるまでに、透過光を確実に得るように構成されているのである。
【0062】
上記受光素子はその出力値を円盤ユニットの回転角度(液膜の厚み)に応じて連続的に変化させるが、円盤ユニット一回転あたりにおけるこの出力値の積分結果は受光素子の受光総量に相当し、液体現像剤7のトナー濃度と相関関係にある。そこで、上記制御部は、円盤ユニットが一回転する間に、このように連続的に変化する上記出力値を積分し、積分結果に基づいて液体現像剤7のトナー濃度を演算する。
【0063】
以上の構成の濃度検知手段によれば、トナーを高濃度に含有するチキソトロピックな液体現像剤7でも、そのトナー濃度を検知することができる。
【0064】
なお、濃度信号出力手段118に反射型の光学センサ132を設けた例について説明したが、これに代えて、透過型の光学センサを設けてもよい。具体的には、上記中円盤130をガラスや樹脂などの透明部材で形成し、この内部に光学センサの受光素子あるいは発光素子を設置するとともに、外部に内部の素子と対になる発光素子あるいは受光素子を設置する。そして、発光素子から発した光に上記液膜を1度だけ透過させ、透過光を受光素子に受光させるのである。
【0065】
また、図1に示すように、第2タンク115の底部に設けられた搬送パイプ121用の開口部151の隣接箇所には、磁石150が設けられている。これは、液体現像剤中に混入した導電性をもつ磁性体物質である金属粉を回収するためのものである。この金属粉は、互いに金属で構成されたローラとブレード、例えば、回収ローラ111と回収ブレード112あるいはグラビアローラ106とメータリングブレード107等の経時的な摩擦により、ブレード又はローラが磨耗することで発生する。また、図示しないが、金属製のギアの噛み合わせにより、ギア歯が欠けたり磨耗したりすることで発生することもある。このようにして発生した金属紛を含んだ液体現像剤は、上記現像位置や転写ニップで現像バイアスや転写バイアスをリークさせて現像性能や転写性能を損ねるおそれがある。また、上記現像位置で現像ローラ105から感光体ドラム1への局所的な電流リークにより、感光体の表面を損傷させるおそれもある。更に、上記円盤ユニットの各円盤を傷付けたり、液膜の光透過率を変化させたりするおそれもある。これら不具合が生じると、当然ながら画像品質を低下させてしまう。
【0066】
本実施形態では、第2タンク115と搬送パイプ121とが連結する開口部151の縁に沿うように、中空円柱状の磁石150により、液体現像剤中に混入した金属粉を回収する。液体現像剤7のほとんどは、第2タンク115内に収容されており、実際に現像に使用されることになる液体現像剤7は、搬送ポンプ120により搬送パイプ121を介して第1タンク110に搬送される。よって、本実施形態では、実際に現像に使用されることになる液体現像剤7が必ず通過する開口部151の縁に磁石150を設けることで、搬送ポンプ120により液体現像剤7が連続的に供給される狭い箇所で、液体現像剤7中から金属紛を回収することができ、効率的な回収を行うことができる。
【0067】
また、このような磁石150を、搬送パイプ121と第1タンク110とが連結する開口部(図2中符号110a)の隣接箇所や、その搬送パイプ121中に設けてもよい。また、ドラムクリーニングユニット4と回収パイプ8とが連結する開口部の隣接箇所や、その回収パイプ8と第2タンク115とが連結する開口部の隣接箇所、あるいは、回収部102のケーシングと回収パイプ114とが連結する開口部の隣接箇所や、その回収パイプ114と第2タンク115とが連結する開口部の隣接箇所などに配置してもよい。また、これら回収パイプ8,114中に設けてもよい。また、第2タンク115内部の適当な箇所、例えば、金属紛が堆積しやすいタンク底部の隅に配置してもよい。
【0068】
尚、上記磁石150は、取り外し可能に配設しておくことが望ましい。磁石150に磁着した金属粉により回収効率が低下したときに、交換したり、クリーニングしたりすることで、経時的に回収効率を維持できるからである。
【0069】
また、本実施形態では、現像ローラ105から回収ローラ111への現像剤回収位置と、上記現像位置との間で、現像ローラ105と対向させるように、混入物質回収手段を構成する磁界発生手段としての磁気ローラ152が設けられている。この磁気ローラ152は、図示しない駆動手段により現像ローラと連れ回る方向に回転駆動されており、現像ローラ105上の液体現像剤に接触させるように対向している。この磁気ローラ152には、その磁気ローラ表面に付着した金属粉を掻き取るための掻き取りブレード153が当接して配置されている。これにより、磁気ローラ152の回収効率を、経時的に低下させずに維持することができる。
【0070】
また、上記磁気ローラ152は、回収効率を上げるため、現像ローラ105上の液体現像剤に接触した状態で、金属紛を回収する。このとき、磁気ローラ152には、現像で使用されなかったトナーが付着することがある。この場合、再利用可能なトナーが無駄となってしまう。そこで、本実施形態では、磁気ローラ152に、電界形成手段を構成する電源154を接続し、磁気ローラ152と現像ローラ105との間に、液体現像剤中のトナーを現像ローラ105側に引き寄せる電界を形成している。
【0071】
以上の磁気ローラ152の構成により、再利用される液体現像剤に含まれる金属粉を磁気ローラ152に磁着させて液体現像剤から除去し、磁気ローラ152に磁着した金属粉を掻き取りブレードで掻き取って回収することができる。しかも、この回収時には、電源154のバイアス印加により形成される電界の作用で、磁気ローラ152へのトナー付着を抑制することができる。
【0072】
尚、上述のような磁気ローラ152を、グラビアローラ106から現像ローラ105への現像剤塗布位置と、上記現像位置との間で、現像ローラ105と対向させるように配設してもよい。このとき、所定の間隙を介して対向させるようにする。これにより、現像ローラ105表面に形成された液体現像剤層を乱さずに金属紛を回収することができる。この間隔は、10〜200μm程度であるのが好適である。同様に、磁気ローラ152を、グラビアローラ106や回収ローラ111に対向するように配設してもよい。
【0073】
図4(a)は、上記剤調整部103に装着するフロート式液位センサを示す斜視図である。図において、フロート式液位センサ135は、2つのフロート部材140、このフロート部材140の上下移動を案内する2本のガイド棒139、リングピン141、磁力検知手段である4つのホール素子143、磁力発生体144等から構成されている。リングピン141は、2つのリング部141aを有し、図示しない上記タンク蓋の下面に突設された2本のガイド棒139のそれぞれが、これらリング部141aに挿入されるようになっている。
【0074】
図示しない液体現像剤中で浮遊している2つの上記フロート140部材は、それぞれリングピン141の反対側の端部に保持されながら、液位の増減に伴って上下移動する。この上下移動は2本のガイド棒139によってガイドされ、液体現像剤の回転方向に流されないようになっている。リングピン141の中央部には、上記磁力発生体144が固定されている。
【0075】
図示しない上記タンク蓋には、2本のガイド棒139の他に、上記濃度信号出力手段118の支持板129が、これらガイド棒139の間に位置するように突設され、フロート部材140に固定された磁力発生体144に対向するようになっている。この支持板129には、4つの上記ホール素子143が上下方向に並ぶように固定されている。
【0076】
これら4つのホール素子143は、上から順に、上限液位、標準液位、下限液位、緊急停止液位に対応する高さに装着されている。
【0077】
液位が下限液位を下回ったり、上限液位を上回ったりすると、上記円盤ユニットが液体現像剤7に浸からなくなったり、部分的にではなくその全てが浸かったりして上記液膜が形成されなくなるため、トナー濃度の検知が不可能になる。
【0078】
各ホール素子143は、例えば5Vの電源が供給されながら、S極又はN極の磁力を検知すると、0Vの検知信号を後述の補給制御部に出力するように構成されている。液体現像剤の液位の増減に伴ってフロート部材140が上下移動すると、4つのホール素子143のうち、フロート部材140の高さ位置にあるものが、このフロート部材140に固定された上記磁力発生体144の磁力を検知する。
【0079】
各ホール素子143をフロート部材140ではなく、上記支持板129に固定することで、各ホール素子143に接続する電源用や信号用の図示しない電線を、液体現像剤中に長く延ばすことなく固定して配設することができる。よって、フロート部材140の上下移動に伴って、この電線をフロート部材140、リングピン141、ガイド棒139に絡ませるようなことはない。
【0080】
フロート部材140の材質としては、液体現像剤の比重より軽いもので、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの発泡樹脂を用いることが望ましい。本実施形態のプリンタでは、0.02〜0.6g/cm3の比重のポリスチレン(発泡スチロール)を用いた。
【0081】
また、フロート部材140の形状については、なるべく表面積を小さくしながら良好な浮遊性を発揮させるようにしたものを用いることが望ましい。フロート部材140は、回転する液体現像剤の流れを受ける側の平面積が大きくなるほど、液体現像剤の回転力の影響を受けて振動が大きくなったり、液体現像剤に乱流を発生させたりするからである。また、平面積が大きくなるほど、高粘度の液体現像剤中における浮遊抵抗が大きくなり、浮遊応答性が悪くなるからである。
【0082】
図4(a)に示したフロート式液位センサ135において、球形のフロート部材140の上部に付着した図示しない液体現像剤中のトナーは、液体キャリアとともにフロート部材140の球面に沿ってだれるように降下する。そして、図示しない第2タンク内の液体現像剤の液面に達して取り込まれる。このことにより、フロート部材140上にトナーが堆積し難くなり、現像物質の堆積によるフロート部材の沈みが軽減されて、第2タンク内における実際の液位と、フロート式液位センサの検知液位との誤差を少なくすることができる。また、角のない球状のフロート部材140は、角のあるフロート部材よりも、液体現像剤から受ける液流抵抗を低減して、液体現像剤の流れを受けることによる微妙な上下移動を軽減することができる。
【0083】
また、このフロート式液位センサにおいては、液面の波立ちに伴う磁力発生体144のレベル変動を軽減して、第2タンク内における実際の液位と、検知液位との誤差を少なくすることができる。なお、2つのフロート部材140がそれぞれ異なった液面レベルの位置で浮遊する際におけるリングピン141の最大傾斜角度については、2つのリング部141aの間隔、リング部141aの内壁とガイド棒139とのクリアランスなどの調整によって微妙に設定することができる。
【0084】
本実施形態のプリンタにおいては、ユーザーの使用すべき液体現像剤7の種類を指定している。具体的には、装置の取扱説明書などに、例えば「液体現像剤には、○○社の××を使用して下さい」などと明記することによって指定している。そして、この指定した種類の液体現像剤7よりも比重の軽い発泡樹脂をフロート部材140に用いている。よって、指定した種類の液体現像剤7が使用される限りは、フロート部材が液体現像剤7中で沈むようなことはない。
【0085】
各ホール素子143からの上記検知信号は、後述の補給制御部に出力される。この補給制御部は、検知信号を出力しているホール素子143が少なくとも1つあるか否かを判定し、「無い」場合には図示しないディスプレイ等の表示部にエラーメッセージを表示させる。また、「ある」場合には、次に、一番下から二番目のホール素子143(下限液位となる)から出力されているか否かを判定し、出力されている場合には液位を下限液位以下であると判定する。
【0086】
本プリンタでは、各ホール素子143間において検知デッドスペースを生じさせないような間隔で各ホール素子143を配設し、20mmの液位変動幅を検知させるようにフロート式液位センサ135を構成している。
【0087】
フロート式液位センサ135については、図4(b)に示すように、濃度信号出力手段118とで一つのユニットになるように構成しており、これら手段を第2タンク内115内にコンパクトに配設することができる。
【0088】
図5は、本プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。図において、制御手段である制御部200は、濃度検知制御部200と、補給制御部202と、ハードディスクやRAM等で構成された記憶手段203とを備えている。
【0089】
上記濃度検知制御部201と補給制御部202とは、互いにデータ交信し得るように接続され、また、これらには上記記憶手段203も接続されている。
【0090】
上記濃度検知制御部201は、上記濃度信号出力手段118の円盤モータ113や、上記光学センサ132などにも接続されており、これらの駆動を制御したり、光学センサ132と交信したりするようになっている。
【0091】
上記補給制御部202は、上記搬送ポンプ120、現像剤ポンプ146、キャリアポンプ147、フロート式液位センサ135、攪拌モータ(翼部材116、117用)148などにも接続されており、これらの駆動を制御したり、フロート式液位センサ135と交信したりするようになっている。
【0092】
図6は、上記濃度検知制御部201の濃度検知制御を示すフローチャートである。図において、濃度検知制御部201は、所定の周期で濃度検知制御をスタートさせ、まず、上記円盤モータ(133)の駆動を開始して、上記濃度信号出力手段(118)の円盤ユニットを回転させる(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。この回転により、円盤ユニットには、上記第2タンク(115)内の液体現像剤からなる液膜が形成される。
【0093】
次に、濃度検知制御部201は、上記光学センサ(132)の受光素子から送られてくる連続的に変化する出力値を、所定時間分だけ積分処理する(S2)。この所定時間とは、円盤ユニットの一回転に要する時間であり、本実施形態のプリンタでは約7秒間になっている。
【0094】
濃度検知制御部201は、積分処理を終えると、積分結果に基づいて第2タンク(115)内の液体現像剤のトナー濃度を演算する(S3)。具体的には、例えば、各積分値とトナー濃度とを関連付けしたデーターベースから、積分結果に対応するトナー濃度を特定したり、積分値とトナー濃度との関係を示すアルゴリズムに積分結果を代入してトナー濃度を演算したりするのである。そして、上記記憶手段203に記憶されているトナー濃度データを、演算結果の値に更新した後(S4)、制御を継続すべきか否かについて判断する(S5)。
【0095】
ここで、現像動作中などであるが故に制御を継続すべきであると判断した場合には(S5でY)、制御フローを上記S2にループさせて、再び積分処理を行う。また、制御を継続すべきでないと判断した場合には(S5でN)、円盤モータ133の駆動を停止してから(S6)、制御を終了する。
【0096】
このような濃度検知制御においては、制御がスタートすると、上記S5で円盤モータ133の停止が確認されるまで積分処理が繰り返し行われ、上記記憶手段203に記憶されているトナー濃度データが繰り返し更新される。なお、上記S2では約7秒間の処理時間が費やされるが、この他は、殆ど瞬間的な演算処理であるため、1回あたりのトナー濃度演算時間(上記S2〜S5までの処理時間)は7秒強となる。
【0097】
図7は、上記補給制御部202の濃度調整制御を示すフローチャートである。この濃度調整制御とは、上記第2タンク115内の液体現像剤7の液位と、上記記憶手段203に記憶されているトナー濃度データとに基づいて、第2タンク115内に液体キャリアか液体現像剤の一方を補給して、液体現像剤7のトナー濃度を調整する制御である。
【0098】
図7に示したこの濃度調整制御の概要は次の通りである。即ち、まず、上記第2タンク115内の液位(以下、単に液位という)を判定し(S1)、液位が標準液位を下回る場合に(S2でY)、液体キャリアかあるいは液体現像剤を所定時間だけ第2タンク115内に補給した後(S11又はS14)、再び上記S1の制御に戻って液位を判定する。また、液位が標準液位以上である場合には(S2でN)、液体キャリアや液体現像剤を補給することなく制御を終了する。よって、所定の周期で濃度調整制御が開始され、「液位<標準液位」であると一旦判断されると、液位が標準液位に上昇するまで液体キャリアかあるいは液体現像剤が補給される。
【0099】
なお、「液位=標準液位」である場合には、制御がS1、S2、S3、S4、S17という順で進む。そして、このS17において、制御を継続すべきであるか否かが判断され、現像動作中などであるが故に継続すべきであると判断された場合には(S17でY)、制御がS1にループされる。また、継続すべきでないと判断された場合には(S17でN)、一連の制御が終了する。
【0100】
このような補給により、液位は、標準液位とこれを少し下回ったレベルとの間で変動するため、何らかの異常がない限り、標準液位付近に保たれる。しかしながら、各ポンプや上記フロート式液位センサ135の故障、濃度補給剤切れなどにより、液位が下限液位を下回ったり、上限液位を上回ったりという液位異常が発生するおそれがある。
【0101】
そこで、上記補給制御部202は、このような液位異常の有無について確認し(S4、S5)、液位異常である場合には(S4やS5でY)、図示しない表示部に「水位エラー」を表示させて制御を終了する。
【0102】
また、濃度調整剤が無くなっていないか、即ち、上記現像剤ボトル124やキャリアボトル123が空になっていないか、を確認し、空になっている場合には図示しない表示部に「現像剤ボトル空エラー」や「キャリアボトル空エラー」を表示させて制御を終了する。具体的には、液体現像剤や液体キャリアの補給については、上記現像剤ポンプ146やキャリアポンプ147を所定時間だけ駆動する(S11、S15)ことによって行っているが、この駆動を何回繰り返しても液位が上昇しない場合にはこれらボトルが空になっていることになる。本実施形態においては、現像剤ポンプ146やキャリアポンプ147を一回あたり2秒間駆動した後、制御フローを上記S1に戻して液位を判定し、液位が標準液位に達していない場合には、更に、これらポンプを2秒間駆動する制御を繰り返し行っている。このような一連の工程の中で、ポンプを一回駆動する毎に、現像剤ポンプ駆動回数C1やキャリアポンプ駆動回数C2に1を加算しながら(S12、S16)、それぞれについて10回に達しているか否かを判定し(S9、S13)、達している場合(S9やS13でY)にはボトル空エラーを表示する(S10、S149)のである。なお、液位が標準液位に達した場合には、現像剤ポンプ駆動回数C1やキャリアポンプ駆動回数C2をゼロにリセットしてから(S3)、制御を終了する。
【0103】
液体現像剤を補給するのか、あるいは液体キャリアを補給するのかの判断については、上記トナー濃度データと、目標濃度とを上記記憶手段203から読み込み(S7)、両者を比較する(S8)ことによって行う。「目標濃度>トナー濃度データ」である場合には(S8でY)液体現像剤を補給し、「目標濃度≦トナー濃度データ」である場合には(S8でN)液体キャリアを補給するのである。本実施形態では、この目標濃度が18%に設定されているので、トナー濃度が18%になると、液体キャリアが補給されることになる。なお、現像に望ましいトナー濃度は、補給用(現像剤ボトル124内)の液体現像剤と同等の15%であるが、15±3(12〜18)%の範囲内であれば、現像濃度が変動するようなことはない。
【0104】
ここで、補給用の液体現像剤のトナー濃度は標準濃度の15%であるので、上記第2タンク115内の液体現像剤7のトナー濃度が15%を超え且つ18%未満である場合には、補給用の液体現像剤を補給しても、実際には液体現像剤7を薄めることになる。但し、目標濃度を15%に設定する場合よりも、15〜18%の領域での補給による濃度低下を抑えて、トナー濃度不足に起因する現像濃度不足を抑えることができる。なお、補給用の液体現像剤として、15%よりも濃いトナー濃度のものを使用してもよい。
【0105】
上記S11やS15におけるポンプの駆動9では2秒間の処理時間が費やされるが、この他は、殆ど瞬間的な演算処理であるため、上記S1〜S12あるいはS1〜S16までの処理時間は2秒強となる。一方、上述のように、上記濃度検知制御においては、1回あたりのトナー濃度演算時間は7秒強であり、この間はトナー濃度データの更新がなされない。このため、補給制御部202による濃度調整制御において、補給が繰り返し行われる場合には、少なくとも3回は同じトナー濃度データが上記S7で読み込まれて使用されることになる。
【0106】
以上の濃度調整制御によれば、濃度検知制御部201によるトナー濃度の演算を待機することなく、予め記憶手段203に記憶されているトナー濃度データに基づいて制御を実施することができる。
【0107】
なお、濃度演算手段である濃度検知制御部201と、上記濃度調整制御を実施する補給制御部202とを個別に設けた例について説明したが、これらを一つのCPU等によって構成し、上記濃度検知制御の制御フローと濃度調整制御の制御フローとを並行して行わせるようにしてもよい。
【0108】
また、図7では省略しているが、上記補給制御部202は、緊急停止液位を検知した場合には、上記翼部材116が液体現像剤に浸からなくなって、周囲に液体現像剤を撒き散らす危険性があるため、プリンタ全体の動作を緊急停止させるようになっている。
【0109】
図8は、第2タンク115にタンク蓋119を装着した状態の剤調整部103を示す斜視図である。なお、この図8では、図4(a)及び(b)のフロート式液位センサ135が設けられた第2タンク115を示している。図8において、第2タンク115は、その平断面が正円ではなく長円になるように形成されている。ここで言う「長円」とは、幾何学で言う楕円ではなく、正円の中心線で2分された半円と半円の間に正方形や長方形などの四角形が介在するような陸上トラック状の形状である。
【0110】
軸部材としての軸棒138は、第2タンク117の底面に設けられた図示しない防水構造の軸受けに回転自在に支持され、該底面の中心(重心)よりも図中左側にずれた位置で回転する。この軸棒138の周面には、可撓性の部材で構成された翼部材116と、これよりも図中下側に配設され且つ非可撓性の部材で構成された翼部材117とが固定されている。
【0111】
可撓性の上記翼部材116は、どのような回転位置にあっても第2タンク115の内周面に触れるようにその長さが調整されており、軸棒138の図中矢印方向の回転に伴い、タンク内周面を舐めるように撓りながら同方向に回転する。この可撓性の翼部材116の回転軌道上には、支持板129や外円盤131などの内設部材が配設されている。可撓性の翼部材116は回転に伴ってこれら内設部材に接触すると、図9に示すように、これを避けるように回転方向とは逆方向に更に撓る。そして、撓った状態でこれら内設部材の表面を舐めるようにして回転を続け、図10に示すように、内設部材から離れ得る位置まで回転した後、図11に示すように、再びタンク内周面を舐めるような回転を続ける。このおうな翼部材116は、その回転軌道上に支持板129や外円盤131などの内設部材が設けられていても、該回転軌道上に存在する液体現像剤7の全域を接触によって低粘度化せしめながら回転させることができる。かかる構成においては、対流を発生させ難い高粘度のチキソトロピックな液体現像剤7でも、翼部材116の高さ位置において、良好に回転せしめて水平方向に攪拌することができる。
【0112】
一方、非可撓性の上記翼部材117は、図8に示したように、軸棒138における翼部材116よりも下側の位置に設けられ、船舶スクリューのように、軸棒138の軸線方向からねじれるような扇状の4枚の羽部材で構成されている。この翼部材117の回転に伴って液体現像剤7が回転すると、図中上側から下側に向けて移動する液体現像剤7の軸流が発生する。軸流によって第2タンク115の底にぶつかった液体現像剤は、この底で撥ね返って今度は下側から上側に向けて移動する。翼部材117は、翼部材116とは異なり、その高さ位置において回転軌道が第2タンク平面の全域に及ばないようになっているが、回転軌道上で低粘度化せしめた液体現像剤7をこの跳ね返りによって、回転軌道の及ばない領域に効率良く移動させることができる。このため、回転軌道上の液体現像剤7と、この回転軌道の及ばない領域の液体現像剤7との粘度差が起こり難く、この粘度差に起因する攪拌効率の悪化が抑えられる。
【0113】
上記軸流の方向については、図8に示したように、図中上側から下側に向かう方向が望ましい。この方向の軸流では、図中下側から上側に向かう方向の軸流よりも、液面の波立ちを抑えることができ、且つ、第2タンク115の底での跳ね返りによって液体現像剤7に強いせん断力を付与して、液体現像剤7をより効率的に低粘度化せしめることができるからである。
【0114】
本プリンタにおいては、非可撓性の翼部材117の攪拌力が、可撓性の翼部材116の攪拌力よりも勝っているため、翼部材117の高さ位置における液体現像剤7の方が早く低粘度化する。低粘度化した液体現像剤7は、上述の跳ね返りによって翼部材116の高さ位置まで上昇する。このため、翼部材117は、より低粘度化せしめた液体現像剤7を軸流によって翼部材116の回転軌道上まで移動させて、翼部材116での攪拌を手助けすることになる。翼部材116の回転軌道上の中心付近にある液体現像剤7は、翼部材117の回転によって生ずる軸流によって図中下側に引っ張られ、翼部材117の回転位置まで下降する。
【0115】
以上の構成において、第2タンク115内の液体現像剤7は、軸棒138の回転方向に積極的に回転せしめられて水平方向に十分に攪拌される。また、その回転中心付近が下方移動する一方で、外側が上方移動するという上下移動によって上下方向にも十分に攪拌される。
【0116】
ところで、支持板129や外円盤131などの内設部材の高さ位置において、単に、液体現像剤7の全域を可撓性の上記翼部材116によって接触せしめて回転させるだけであれば、第2タンク115の平面形状を長円形にし、且つ翼部材116の回転中心をこの平面形状の中心からずらすといった複雑な構成を設ける必要はない。具体的には、図12に示すように、第2タンク115の平面形状を正円形にし、この平面形状の中心位置で可撓性の翼部材116を回転させるようにすれば足りる。しかしながら、この構成では、図13に示すように、攪拌力の強い非可撓性の翼部材117もこの中心位置で回転させることになり、この翼部材117による液体現像剤7の比較的高速な回転や軸流によって液面が大きく波立ってしまう。そして、このような大きな波立ちにより、フロート式液位センサ135の液位検知結果と、静止状態の実際の液位とに大きな誤差が生じてしまう。また、上記軸棒138付近に生ずる渦にフロート部材140が吸い込まれて上下に激しく揺さぶられるため、この揺さぶりによっても大きな誤差を生じてしまう。
【0117】
そこで、本実施形態のプリンタでは、軸棒138を第2タンク115の中心(重心)からずれた位置に設け、翼部材116、117を該中心からずれた位置を軸にして回転させるようにしている。かかる構成では、翼部材117の回転に伴い、第2タンク115内でこれの中心よりも軸棒138側に位置する液体現像剤が積極的に回転せしめられてその液面を波立たせる。一方、第2タンク115の中心よりも軸棒138とは反対側に位置する液体現像剤は、翼部材117によって接触的に回転せしめられる液体現像剤の対流や、あるいは翼部材117よりも攪拌力の弱い翼部材116の回転により、比較的ゆっくりと回転せしめられるため、液面の波立ちが抑えられる。フロート式液位センサ135は、このように波立ちが抑えられる位置で液位を検知するので、波立ちによる液位の検知誤差を低減することができる。
【0118】
第2タンク115の底には、図14に示すように、翼部材117の回転に伴って生ずる軸流によってこの底にぶつかった後、タンク中心側へと底面に沿って広がる液体現像剤7を上方に導くテーパー145を設けることが望ましい。かかる構成では、第2タンク115内において、タンク中心よりも軸棒138側で上側から下側に向かう液体現像剤7の流れを生じせしめるとともに、軸棒138とは反対側で下側から上側に向かう液体現像剤7の流れを積極的に生じせしめる。このような流れにより、液体現像剤7の上下方向の攪拌をより確実に行うことができる。
【0119】
本プリンタでは、テーパー145によって第2タンクの底から上方へと導いた液体現像剤7のトナー濃度を、上記濃度信号出力手段118と制御部とからなる濃度検知手段に検知させるようにしている。また、図15に示すように、濃度調整剤(補給用の液体キャリア又は液体現像剤)、及び、回収現像剤(感光体ドラムや現像ローラから回収)を、タンク中心よりも軸棒138側の液面に落下させるようにしている。より具体的には、濃度調整剤や回収現像剤を翼部材117の回転軌道の上側に落下させるようにしている。かかる構成においては、濃度調整剤や回収現像剤が、タンク中心よりも軸棒138側で翼部材117によって積極的に回転せしめられる液体現像剤の液面に供給される。そして、翼部材117の回転に伴って生ずる軸流に巻き込まれて液面から第2タンク115の底へと移動せしめられ、水平方向の攪拌と上下方向の攪拌とが十分に施される。更に、第2タンク115の底において、底面に沿って軸棒138側から反対側へと広がりながら、上記テーパー145によって上方へと導かれる。そして、今度は反対側の液体現像剤7中で、上方移動や翼部材136の回転に伴って更に水平方向の攪拌と上下方向の攪拌とが助長される。かかる構成において、上記濃度検知手段は、このようにして濃度調整剤や回収現像剤の水平方向の攪拌や上下方向の攪拌が十分に施された液体現像剤7のトナー濃度を検知することになる。
【0120】
尚、本実施形態では、液体現像剤中に混入した金属粉を回収する混入物質回収手段として、磁石150及び磁気ローラ152を用いた構成について説明したが、これに限らず、回収箇所の形状や環境その他の条件に応じて、電磁石や磁気コイル等の磁界発生手段あるいは磁気を用いずに金属粉を回収する手段などを適宜選択して用いる。
【0121】
【発明の効果】
請求項1乃至12の発明によれば、金属紛等の混入物質を介して潜像担持体にリーク電流が流れ込むのを抑制することで、その混入物質により生じる画質劣化や潜像担持体の損傷を防止することができるという優れた効果がある。
また、液体現像剤を再利用することができるので、資源の有効活用及び環境に配慮した装置を提供することができるという優れた効果もある。また、このように液体現像剤を再利用する場合、一度混入した混入物質が剤収容部に累積的に蓄積されるため、混入物質による問題の発生頻度が高まることになるので、本発明による利益がより一層高まることになる。
また、現像装置に混入物質回収手段の配置スペースを新たに設けることなく、混入物質を回収することができるので、実用性を高めることができるという優れた効果もある。
また、請求項2及び4の発明によれば、混入物質を効率的に回収することができるという優れた効果がある。特に、請求項2の発明によれば、混入物質回収手段を実現する部材や装置の小型化を図り、実用性を高めることができるという優れた効果もある。
また、請求項3の発明によれば、回収効率を高めることができ、混入物質により生じる画質劣化や潜像担持体の損傷を効果的に防止することができるという優れた効果がある。
また、請求項5及び6の発明によれば、比較的簡単な構成で混入物質を回収することができるという優れた効果がある。
また、請求項7乃至9の発明によれば、混入物質を効果的に回収することができるという優れた効果がある。
また、請求項8の発明によれば、磁気ローラへの現像物質の付着を防止し、現像物質を効率的に再利用することができるという優れた効果がある。
また、請求項9の発明によれば、混入物質回収の際に現像剤担持体上の液体現像剤層を乱さないので、混入物質の回収により生じ得る画質劣化が発生しないという優れた効果がある。
また、請求項10の発明によれば、現像剤担持体上に所望の層厚の現像剤層を容易かつ安定して形成することができ、層厚のムラによる画質のムラを抑制することができるという優れた効果がある。また、本請求項に係る現像装置の構成では、導電性をもつ磁性体材料で形成された規制部材が欠けたり、磨耗したりすることで画質劣化や潜像担持体の損傷を招くおそれがあるので、本発明による利益がより一層高まることになる。
また、請求項11の発明によれば、現像物質を5〜40%と比較的高濃度に含有する液体現像剤を用いることで、現像物質をこれより低濃度に含有する液体現像剤を用いる場合よりも少ない液量で高濃度の画像を形成することができるという優れた効果がある。また、製造コストが嵩む10000mPa・s粘度を超える液体現像剤を用いる場合とは異なり、比較的低価格で高濃度の画像を形成することができるという優れた効果もある。また、現像物質の分散ムラを生じ易い100mPa・s粘度を下回る液体現像剤を用いる場合よりも、該分散ムラに起因する画像濃度ムラを抑えることができるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るプリンタにおける現像ユニットの剤調整部の分解斜視図。
【図2】同プリンタの概略構成図。
【図3】同プリンタの現像ユニットを示す平面図。
【図4】(a)は、剤調整部のフロート式液位センサを示す斜視図。
(b)は、同フロート式液位センサを濃度信号出力手段とともに示す斜視図。
【図5】同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。
【図6】同プリンタの濃度検知制御部の濃度検知制御を示すフローチャート。
【図7】同プリンタの補給制御部の濃度調整制御を示すフローチャート。
【図8】第2タンクにタンク蓋を装着した状態の同剤調整部を示す斜視図。
【図9】同第2タンク内における可撓性の翼部材の状態を示す平面図。
【図10】図9よりも少し回転が進んだ同翼部材の状態を示す平面図。
【図11】図10よりも更に回転が進んだ同翼部材の状態を示す平面図。
【図12】正円筒状に構成した第2タンクを同翼部材とともに示す平面図。
【図13】正円筒状の同第2タンクにおける液体現像剤の攪拌状態を示す断面図。
【図14】底にテーパーを設けた第2タンクを示す斜視図。
【図15】同現像ユニットの液体現像剤の流れを示す平面図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(潜像担持体)
100 現像ユニット(現像装置)
102 回収部(現像剤回収手段)
105 現像ローラ(現像剤担持体)
115 第2タンク(剤収容部)
118 濃度検知手段
135 フロート式液位センサ
140 フロート部材
143 ホール素子
144 磁力発生体
145 テーパー
150 磁石(混入物質回収手段)
151 開口部
152 磁気ローラ(混入物質回収手段)
153 掻き取りブレード
154 電源(電界形成手段)

Claims (12)

  1. 現像物質と液体キャリアとを含有する液体現像剤を収容する剤収容部と、
    上記剤収容部から供給される液体現像剤を担持する現像剤担持体とを備え、
    画像形成装置の潜像担持体と上記現像剤担持体とが対向する現像位置に所定の現像バイアスを形成して、該現像剤担持体に担持した液体現像剤中の現像物質を該潜像担持体に担持された潜像に付着させ、該潜像を現像する現像装置において、
    現像に使用した後の液体現像剤を上記剤収容部に戻す現像剤回収手段と、
    上記剤収容部内の液体現像剤中に混入する導電性をもつ磁性体物質を回収する混入物質回収手段と、
    上記剤収容部内における液体現像剤の現像物質濃度を検知する濃度検知手段と、
    上記濃度検知手段の検知結果に基づいて上記剤収容部内の液体現像剤の現像物質濃度を調整する濃度調整手段と、
    上記剤収容部内における液体現像剤を攪拌する攪拌体とを有し、
    上記現像剤回収手段で回収した液体現像剤に混入している上記磁性体物質を混入物質回収手段により回収する処理と、該現像剤回収手段で回収した液体現像剤の現像物質濃度を上記濃度検知手段及び上記濃度調整手段により調整する処理とを、いずれも、上記攪拌体により攪拌される上記剤収容部内の液体現像剤に対して行うことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記剤収容部に収容された液体現像剤を上記現像剤担持体近傍まで搬送するための搬送路を有し、
    上記混入物質回収手段を、上記搬送路と上記剤収容部とが連結する開口部の隣接箇所に設けたことを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2の現像装置において、
    上記現像剤回収手段は、回収した液体現像剤を上記剤収容部まで搬送するための回収用搬送路を有し、
    液体現像剤中に混入した導電性をもつ磁性体物質を回収する混入物質回収手段を、上記回収用搬送路中にも設けたことを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1、2又は3の現像装置において、
    上記剤収容部に収容された液体現像剤を上記現像剤担持体近傍まで搬送するための搬送路を有し、
    液体現像剤中に混入した導電性をもつ磁性体物質を回収する混入物質回収手段を、上記搬送路中にも設けたことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1、2、3又は4の現像装置において、
    上記混入物質回収手段は、磁界発生手段を有することを特徴とする現像装置。
  6. 請求項5の現像装置において、
    上記磁界発生手段として、永久磁石を用いたことを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の現像装置において、
    上記現像剤担持体に対向するように配置され、上記液体現像剤中の導電性をもつ磁性体物質を吸着させる磁界を形成する磁気ローラを有することを特徴とする現像装置。
  8. 請求項7の現像装置において、
    上記磁気ローラと上記現像剤担持体との対向部分に、上記液体現像剤中の上記現像物質を該現像剤担持体側に引き寄せる電界を形成する電界形成手段を有することを特徴とする現像装置。
  9. 請求項7又は8の現像装置において、
    上記磁気ローラを、現像に使用した後の液体現像剤を担持する上記現像剤担持体部分と対向する位置に設けたことを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の現像装置において、
    上記剤収容部から供給される液体現像剤を、表面に凹凸を有する塗布ローラに付着させ、該塗布ローラに付着した液体現像剤を、該塗布ローラ表面に当接する導電性をもつ磁性体材料で形成された規制部材により規制した後、該塗布ローラ表面に付着している液体現像剤を、上記現像剤担持体上に供給する現像剤供給手段を有することを特徴とする現像装置。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の現像装置において、
    上記液体現像剤として、現像物質が5〜40%の濃度で分散され、粘度が100〜10000mPa・sに調整されたものを用いたことを特徴とする現像装置。
  12. 潜像を担持する潜像担持体と、
    上記潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、
    上記潜像担持体上に形成された潜像に液体現像剤中の現像物質を付着させて該潜像を現像する現像装置とを備える画像形成装置において、
    上記現像装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
JP2000339048A 2000-11-07 2000-11-07 現像装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4028959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339048A JP4028959B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 現像装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000339048A JP4028959B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 現像装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002148945A JP2002148945A (ja) 2002-05-22
JP4028959B2 true JP4028959B2 (ja) 2008-01-09

Family

ID=18814171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000339048A Expired - Fee Related JP4028959B2 (ja) 2000-11-07 2000-11-07 現像装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4028959B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5476156B2 (ja) * 2010-02-25 2014-04-23 三菱重工印刷紙工機械株式会社 液体トナー調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002148945A (ja) 2002-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7004650B2 (en) Developing device using a developing liquid and image forming apparatus including the same
JP4913492B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置、トナー及びキャリア
JP4636122B2 (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2009300645A (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2007156355A (ja) 現像装置およびそれを備える画像形成装置
JP4591543B2 (ja) 現像装置および画像形成装置
JP2011164353A (ja) 画像形成装置
JP4476507B2 (ja) 画像形成装置
JP3893237B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP4028959B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2001209240A (ja) 現像装置およびプロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP4710928B2 (ja) 現像装置および画像形成装置
JP5852897B2 (ja) 画像形成装置
JP3872937B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP3868190B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP3868191B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2002023505A (ja) 画像形成装置
JP2018132628A (ja) 画像形成装置
JP4553711B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
JP2009244440A (ja) 現像装置、画像形成装置、及び、現像剤カートリッジ
JP2003287950A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP5471979B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP5517092B2 (ja) 現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2008116637A (ja) 画像形成装置
JPH08314277A (ja) 現像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071015

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees