JP4028754B2 - カメラ及びこれに用いるカメラ用アッセンブリ - Google Patents

カメラ及びこれに用いるカメラ用アッセンブリ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一眼レフレックス方式のデジタルカメラ等のカメラに関し、より詳細には撮像素子の防塵構造を備えたカメラ及びこれに用いるカメラ用アッセンブリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、撮影光学系を透過した被写体からの光束(以下、被写体光束という)に基づいて形成される被写体像を所定の位置に配置した固体撮像素子等、例えば電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device。以下、単に撮像素子という)等の光電変換面上に結像させ、当該撮像素子等の光電変換作用を利用して所望の被写体像を表わす電気的な画像信号等を生成し、この画像信号等に基づく信号を、例えば液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)等の所定の表示装置等へと出力して画像等を表示させたり、撮像素子等によって生成した画像信号等を所定の形態の画像データとして所定の記録媒体の所定の記録領域に記録し、さらにこの記録媒体に記録された画像データを読み出して、その画像データに対して表示装置を用いて表示するのに最適な画像信号となるように変換処理した後、処理済の画像信号に基づいて、これに対応する画像を表示させ得るように構成した、いわゆるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等のデジタルカメラ等(以下、デジタルカメラ又は単にカメラという)が、一般的に実用化され広く普及している。
【0003】
また、一般的なデジタルカメラにおいては、撮影動作に先立って撮影対象となる所望の被写体を観察し、当該被写体を含む撮影範囲を設定する等の目的で、光学的ファインダー装置を備えているのが一般である。
【0004】
この光学ファインダー装置としては、撮影光学系の光軸上に配設した反射部材等を用いて撮影光学系を透過した被写体光束の進行方向を折り曲げて観察用の被写体像を所定の位置に結像させる一方、撮影動作時には、撮影光学系の光軸上から反射部材を退避させることにより、被写体光束を撮像素子の受光面、即ち光電変換面へと導き、当該光電変換面上に撮影用の被写体像を形成させるように構成したいわゆる一眼レフレックス方式のファインダー装置等が一般的に利用されている。
【0005】
そして、近年においては、一眼レフレックス方式のファインダー装置を具備すると共に、カメラ本体に対して撮影光学系を着脱自在となるように構成し、使用者が所望するときに所望の撮影光学系を任意に着脱し交換することで、単一のカメラ本体において複数種類の撮影光学系を選択的に使用し得るように構成したいわゆるレンズ交換可能な形態のデジタルカメラが一般に実用化されつつある。
【0006】
このようなレンズ交換可能な形態のデジタルカメラにおいては、当該撮影光学系をカメラ本体から取り外した際に、カメラ本体の内部に空気中に浮遊する塵埃等が侵入する可能性がある。また、カメラ本体内部には、例えばシャッター・絞り機構等、機械的に動作する各種の機構が配設されていることから、これら各種の機構等からは、その動作中にゴミ等が発生する場合もある。
【0007】
一方、撮影光学系をカメラ本体から取り外した際には、当該撮影光学系の後方に配置される撮像素子の受光面(光電変換面とも言う)がカメラ内部の外気に露呈されることになることから、塵埃等が帯電作用等の要因によって撮像素子の光電変換面に付着することがある。
【0008】
そこで、従来の一眼レフレックス方式のデジタルカメラ等においては、帯電作用等に起因して撮像素子の受光面上に塵埃等が付着するのを抑制するための技術が、例えば特開2000−29132号公報等によって提案されている。
【0009】
上記特開2000−29132号公報に開示されている手段は、レンズ交換可能な形態の一眼レフレックス方式のデジタルカメラにおいて、カメラ内部に設けられる撮像素子の受光面を覆うカバー部材の表面に透明電極を設け、この電極に対して直流電圧若しくは数kHz〜20kHz程度の周波数の交流電圧を印加することによって、帯電作用によって撮像素子の受光面上に塵埃等が付着するのを抑制するようにしたものである。
【0010】
当該公報に開示されている手段によれば、撮像素子に生起する電荷を中和することによって静電気等に起因して撮像素子の受光面に塵埃等が付着するのを抑制することができるというものである。
【0011】
他方、従来のデジタルカメラにおける撮像素子としては、いわゆるパッケイジに封じられた形態の撮像素子(例えばパッケイジCCDという)が広く用いられているが、このような形態の撮像素子とは別に、近年においては、いわゆるベアチップCCDと呼ばれる裸の状態のCCDチップを市場に供給することが提案されている。
【0012】
このようなベアチップCCDにおいては、その光電変換面上に塵埃等が付着する可能性が多くなることから、ベアチップCCDとこれを載置する基板との間に圧電素子を設け、この圧電素子に対して所定の電圧を印加することによって当該ベアチップCCD自体を振動させ、これにより光電変換面上に付着した塵埃等を振り落とすようにする手段についての提案が、例えば特開平9−130654号公報等によって開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の特開2000−29132号公報に開示されている手段では、帯電した撮像素子の電荷を中和させることで塵等が付着するのを抑制するようにしていることから、例えば静電気に因らずに撮像素子の光電変換面上に単に付着したり堆積した状態の塵埃等を除去する手段としては、最適なものではないと考えられる。
【0014】
また、上述の特開平9−130654号公報に開示されている手段では、ベアチップCCDを念頭に入れて考案されている手段であるために、従来のデジタルカメラにおいて一般的に利用されているパッケイジCCDのような形態の撮像素子に対して適用するためには、最適な手段であるとは言えない。
【0015】
つまり、一般的な形態のパッケイジCCD等に対して上述の特開平9−130654号公報に開示されている手段を適用した場合には、例えば撮像素子自体又はそのパッケイジに対して振動を加えることになるので、この加振作用によって撮像素子及びその近傍に配設される各種の機構に対して、例えば機構的な劣化や狂い等の悪影響が波及する虞がある。
【0016】
一方、本出願人は、先に特願2000−401291号において、撮像素子の光電変換面の側を封止乃至保護する防塵部材を備えることで、当該撮像素子の光電変換面に塵埃等が付着するのを抑制すると共に、防塵部材の外面側に付着する塵埃等に対しては、所定の加振手段によって防塵部材に所定の振幅の振動を与えることによって、これを除去する手段を提案している。
【0017】
この手段によれば、小型でかつ簡単な機構によって撮像素子の光電変換面に塵埃等が付着するのを抑制すると共に、防塵部材の外面側に付着する塵埃等を容易に除去し得るレンズ交換可能な形態のデジタルカメラを構成することができるというものである。
【0018】
この場合において、撮像素子の光電変換面の側を封止乃至保護する防塵部材自体の外面側に付着した塵埃等を、当該光電変換面の有効領域、即ち画像を形成するのに用いられる光電変換面上の所定の領域に対応する範囲外へと加振手段等の振動によって一掃させるためには、相応の充分な振幅の振動を生じさせることが必要となる。
【0019】
しかしながら、発明者等が行なった種々の実験の結果によれば、このような形態のデジタルカメラにおいて、撮像素子の光電変換面の側を防塵部材等によって気密的に封止するように構成すると、当該防塵部材の外面側の表面に付着した塵埃等を除去するために充分な振幅の振動を生じさせるのに支障があることを認識するに到った。
【0020】
このような技術的課題、即ち撮像素子を防塵部材を用いて気密的に封止すると共に、当該防塵部材を加振手段によって振動させるように構成した場合において、充分な振幅の振動を生じさせるための要件についての課題は、従来においてはさほど認識されていないことであった。
【0021】
したがって、このような技術的課題を解決するための具体的な技術についての提案も、従来においてなされることがなかった。
【0022】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、撮影光学系を着脱自在となるよう構成したデジタルカメラにおいて、撮像素子の光電変換面上に塵埃等が付着するのを十全に予防すると共に、撮像素子を封止乃至保護する防塵部材の外面側の表面上に付着した塵埃等を確実に除去し得るように構成したカメラ及びこれに用いるカメラ用アッセンブリを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明によるカメラは、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、上記撮像素子の光電変換面側に配設された光学素子と、上記光学素子の前面側に所定の間隔を持って対向配置される防塵部材と、上記防塵部材の周縁部に配設され当該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、上記光学素子と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光学素子の周縁側で形成された空部とを封止するように構成された封止構造部と、をえたことを特徴とする。
【0025】
第2の発明によるカメラは、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、上記撮像素子の光電変換面の前面側に所定の間隔を持って対向配置された防塵部材と、上記防塵部材の周縁部に配設され当該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、上記撮像素子の光電変換面と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光電変換面の周縁側で形成された空部とを封止するように構成された封止構造部と、をえたことを特徴とする。
【0026】
第3の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記光学素子は、光学的ローパスフイルターであることを特徴とする。
【0027】
第4の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記光学素子は光学的ローパスフィルタであり、かつ上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するように配設された第2の部材とを含んで構成されたものであることを特徴とする。
【0028】
第5の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであることを特徴とする。
【0029】
第6の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材とを含んで構成されたものであることを特徴とする。
【0030】
第7の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであることを特徴とする。
【0031】
第8の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材と上記光学素子とが対向して作る空隙よりも広い空間が上記光学素子の外側に張り出すような封止空間として形成されるように構成されたものであることを特徴とする。
【0032】
第9の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材と上記撮像素子の光電変換面とが対向して作る空隙よりも広い空間が上記光電変換面の外側に張り出すような封止空間として形成されるように構成されたものであることを特徴とする。
【0033】
第10の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0034】
第11の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、所定部位に上記空間部のうちの相対的に小さな空間部と相対的に大きな空間部との間の空気の流れに関する抵抗を低減させる流路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0035】
第12の発明は、上記第4の発明又は上記第6の発明のいずれかによるカメラにおいて、上記第1の部材は、上記防塵部材の周縁部近傍の環状の領域で接着剤によって当該防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする。
【0036】
第13の発明は、上記第4の発明又は上記第6の発明のいずれかによるカメラにおいて、上記第1の部材は、弾性体による附勢力によって上記防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする。
【0037】
第14の発明は、上記第4の発明によるカメラにおいて、上記第1の部材及び上記第2の部材は、上記光学素子の外周側の環状の領域で相互に略気密的に嵌合するように構成されたものであることを特徴とする。
【0038】
第15の発明は、上記第6の発明によるカメラにおいて、上記第1の部材及び上記第2の部材は、上記撮像素子の光電変換面の外周側の環状の領域で相互に略気密的に嵌合するように構成されたものであることを特徴とする。
【0039】
第16の発明は、上記第4の発明又は上記第6の発明のいずれかによるカメラにおいて、上記第2の部材は、自己の所定の段部で上記光学素子の周縁部と略気密的に接触して当該光学素子をその光軸方向における位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする。
【0040】
第17の発明は、上記第16の発明によるカメラにおいて、上記第2の部材は、上記段部で上記光学素子をその光軸方向に変位させようとする弾性力に抗して上記光学素子の位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする。
【0041】
第18の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第2の部材は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0042】
第19の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第1の部材は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0043】
第20の発明は、上記第18の発明によるカメラにおいて、上記通路は、上記第2の部材の上記光学素子の外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする。
【0044】
第21の発明は、上記第11の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成されたものであり、且つ、上記流路は、上記第2の部材の上記光学素子の周縁部と略々気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする。
【0045】
第22の発明は、上記第10の発明によるカメラにおいて、内圧に応じて自己の内容積が変化し得る封止補助部材を、上記通路が上記空間部の外側へ向けて連通する開放端側を気密的に覆うように附加したことを特徴とする。
【0046】
第23の発明は、上記第22の発明によるカメラにおいて、上記封止補助部材は、上記封止構造部の上記光学素子の周縁部乃至その近傍の環状の領域に弾性部材を上記通路を除いて気密的になるように配設することにより構成されたものであることを特徴とする。
【0047】
第24の発明は、上記第1の発明又は上記第2の発明によるカメラにおいて、上記加振用部材は、電気機械変換素子からなり、当該電気機械変換素子に外部から所定の駆動電圧が印加されて所定の振動を上記防塵部材に発生させるように構成されたものであることを特徴とする。
【0048】
第25の発明は、上記第24の発明によるカメラにおいて、上記電気機械変換素子は、圧電素子であることを特徴とする。
【0049】
第26の発明は、上記第25の発明によるカメラにおいて、上記圧電素子は、接着剤によって上記防塵部材に貼着されたものであることを特徴とする。
【0050】
第27の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第2の部材は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0051】
第28の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第1の部材はその所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0052】
第29の発明は、上記第27の発明によるカメラにおいて、上記通路は、上記第2の部材の上記撮像素子の光電変換面部外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする。
【0053】
第30の発明は、上記第5の発明又は上記第7の発明のいずれかによるカメラにおいて、上記第1の部分は、上記防塵部材の周縁部近傍の環状の領域で接着剤によって当該防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする。
【0054】
第31の発明は、上記第5の発明又は上記第7の発明のいずれかによるカメラにおいて、上記第1の部分は、弾性体による附勢力によって上記防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする。
【0055】
第32の発明は、上記第5の発明又は上記第7の発明のいずれかによるカメラにおいて、上記第2の部分は、自己の所定の段部で上記光学素子の周縁部と略気密的に接触して当該光学素子をその光軸方向における位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする。
【0056】
第33の発明は、上記第32の発明によるカメラにおいて、上記第2の部分は、上記段部で上記光学素子をその光軸方向に変位させようとする弾性力に抗して上記光学素子の位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする。
【0057】
第34の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部分と一体に形成された第2の部分とを含んで構成され、かつ上記第2の部分は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0058】
第35の発明は、上記第1の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部分と一体に形成された第2の部分とを含んで構成され、かつ上記第1の部分は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0059】
第36の発明は、上記第34の発明によるカメラにおいて、上記通路は、上記第2の部分の上記光学素子の外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする。
【0060】
第37の発明は、上記第11の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含み、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであり、且つ上記流路は、上記第2の部分の上記光学素子の周縁部と略々気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする。
【0061】
第38の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成され、かつ上記第2の部分は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0062】
第39の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成され、かつ上記第1の部分はその所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0063】
第40の発明は、上記第38の発明によるカメラにおいて、上記通路は、上記第2の部分の上記撮像素子の光電変換面部の外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする。
【0064】
第41の発明は、上記第2の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、所定部位に上記空間部のうちの相対的に小さな空間部と相対的に大きな空間部との間の空気の流れに関する抵抗を低減させる流路が設けられてなるものであることを特徴とする。
【0065】
第42の発明は、上記第41の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成されたものであり、且つ、上記流路は、上記第2の部材の上記撮像素子の光電変換面部の周縁部と略気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする。
【0066】
第43の発明は、上記第41の発明によるカメラにおいて、上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含み、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであり、且つ上記流路は、上記第2の部分の上記撮像素子の光電変換面部の周縁部と略気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする。
【0067】
第44の発明によるカメラ用アッセンブリは、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、上記撮像素子の光電変換面側に配設された光学素子と、上記光学素子の前面側に所定の間隔を持って対向配設された防塵部材と、上記防塵部材の周縁部に配設され該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、上記光学素子と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光学素子の周縁側で形成された空部とを封止するように構成された封止構造部と、を備えたことを特徴とする。
【0068】
第45の発明によるカメラ用アッセンブリは、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、上記撮像素子の光電変換面の前面側に所定の間隔を持って対向配設された防塵部材と、上記防塵部材の周縁部に配設され該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、上記撮像素子の光電変換面と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光電変換面の周縁側で形成された空部とを封止するように構成された封止構造部と、を備えたことを特徴とする。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
まず、本発明の第1の実施形態のカメラについて、その概略的な構成を以下に説明する。
【0070】
図1・図2は、本発明の第1の実施形態のカメラの概略的な構成を示す図であって、図1は、本カメラの一部を切断して、その内部構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本カメラの主に電気的な構成を概略的に示すブロック構成図である。
【0071】
本実施形態のカメラ1は、それぞれが別体に構成されるカメラ本体部11及びレンズ鏡筒12とからなり、両者(11・12)は、互いに着脱自在に構成されてなるものである。
【0072】
レンズ鏡筒12は、複数のレンズやその駆動機構等からなる撮影光学系12aを内部に保持して構成されている。この撮影光学系12aは、被写体からの光束を透過させることで当該被写光束により形成される被写体の像を所定の位置(後述する撮像素子27の光電変換面上)に結像せしめるように例えば複数の光学レンズ等によって構成されるものである。そして、このレンズ鏡筒12は、カメラ本体部11の前面に向けて突出するように配設されている。
【0073】
なお、このレンズ鏡筒12については、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
【0074】
カメラ本体部11は、内部に各種の構成部材等を備えて構成され、かつ撮影光学系12aを保持するレンズ鏡筒12を着脱自在となるように配設するための連結部材である撮影光学系装着部11aをその前面に備えて構成されてなるいわゆる一眼レフレックス方式のカメラである。
【0075】
つまり、カメラ本体部11の前面側の略中央部には、被写体光束を当該カメラ本体部11の内部へと導き得る所定の口径を有する露光用開口が形成されており、この露光用開口の周縁部に撮影光学系装着部11aが形成されている。
【0076】
カメラ本体部11の外面側には、その前面に上述の撮影光学系装着部11aが配設されているほか、上面部や背面部等の所定の位置にカメラ本体部11を動作させるための各種の操作部材、例えば撮影動作を開始せしめるための指示信号等を発生させるためのレリーズボタン17等等が配設されている。これらの操作部材については、本発明とは直接関連しない部分であるので、図面の煩雑化を避けるために、レリーズボタン17以外の操作部材については、その図示及び説明を省略する。
【0077】
カメラ本体部11の内部には、図1に示すように、各種の構成部材、例えば、撮影光学系12aによって形成される所望の被写体像を撮像素子27(図2参照)の光電変換面上とは異なる所定の位置に形成させるべく設けられ、いわゆる観察光学系を構成するファインダー装置13と、撮像素子27の光電変換面への被写体光束の照射時間等を制御するシャッタ機構等を備えたシャッター部14と、このシャッター部14を含み撮影光学系12aを透過した被写体光束に基づいて形成される被写体像に対応した画像信号を得る撮像素子27及びこの撮像素子27の光電変換面の前面側の所定の位置に配設され当該光電変換面への塵埃等の付着を予防する防塵部材である防塵フイルター21(詳細については後述する)等からなるアッセンブリである撮像ユニット15と、撮像素子27により取得した画像信号に対して各種の信号処理を施す画像信号処理回路16a(図2参照)等の電気回路を構成する各種の電気部材が実装される主回路基板16を始めとした複数の回路基板(図1では主回路基板16のみを図示している)と、等が、それぞれ所定の位置に配設されている。
【0078】
ファインダー装置13は、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得るように構成される反射鏡13bと、この反射鏡13bから出射する光束を受けて正立正像を形成するペンタプリズム13aと、このペンタプリズム13aにより形成される像を拡大して観察するのに最適な形態の像を結像させる接眼レンズ13c等によって構成されている。
【0079】
反射鏡13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する位置と当該光軸上の所定の位置との間で移動自在に構成され、通常状態においては、撮影光学系12aの光軸上において当該光軸に対して所定の角度、例えば角度45度を有して配置されている。これにより、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、当該カメラ1が通常状態にあるときには、反射鏡13bによってその光軸が折り曲げられて、当該反射鏡13bの上方に配置されるペンタプリズム13aの側へと反射されるようになっている。
【0080】
一方、本カメラ1が撮影動作の実行中において、その実際の露光動作中には、当該反射鏡13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置に移動するようになっている。これによって、被写体光束は、撮像素子27の側へと導かれ、その光電変換面を照射するようになっている。
【0081】
シャッター部14は、例えばフォーカルプレーン方式のシャッター機構や、このシャッター機構の動作を制御する駆動回路等、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
【0082】
また、本カメラ1の内部には、上述したように複数の回路基板が配設され、各種の電気回路を構成している。本カメラ1の電気的な構成は、図2に示すように、例えば本カメラ1の全体を統括的に制御する制御回路であるCPU41と、撮像素子27によって取得した画像信号に基づいて記録に適合する形態の信号に変換する信号処理等、各種の信号処理を施す画像信号処理回路16aと、この画像信号処理回路16aによって処理済みの画像信号や画像データ及びこれに付随する各種の情報等を一時的に記録するワークメモリ16bと、この画像信号処理回路16aによって生成された所定の形態の記録用の画像データを所定の領域に記録する記録媒体43と、この記録媒体43と本カメラ1の電気回路とを電気的に接続すべく構成される記録媒体インターフェイス42と、画像を表示するための液晶表示装置(LCD)等からなる表示部46と、この表示部46と本カメラ1との間を電気的に接続し、画像信号処理回路16aによって処理済の画像信号を受けて表示部46を用いて表示するのに最適な表示用の画像信号を生成する表示回路47と、乾電池等の二次電池等からなる電池45と、この電池45又は所定の接続ケイブル等(図示せず)により供給される外部電源(AC)からの電力を受けて、本カメラ1を動作させるのに適するように制御し、各電気回路へと配電する電源回路44と、撮像ユニット15に含まれる防塵フイルター21を駆動させるための電気回路であって発振器等からなる防塵フイルター駆動部48等からなる。
【0083】
次に、本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の詳細について、以下に説明する。
図3・図4・図5は、本実施形態のカメラ1における撮像ユニットの一部を取り出して示す図であって、図3は、当該撮像ユニットを分解して示す要部分解斜視図である。図4は、組み立てた状態の当該撮像ユニットの一部を切断して示す斜視図である。図5は、図4の切断面に沿う断面図である。
【0084】
なお、本実施形態のカメラ1の撮像ユニット15は、上述したようにシャッター部14を含む複数の部材によって構成されるユニットであるが、図3から図5においては、その主要部を図示するに留め、シャッター部14の図示は省略している。また、各構成部材の位置関係を示すために、図3〜図5においては、当該撮像ユニット15の近傍に設けられ、撮像素子27が実装されると共に、画像信号処理回路16a及びワークメモリ16b等からなる撮像系の電気回路が実装される主回路基板16を合わせて図示している。なお、この主回路基板16、それ自体の詳細については、従来のカメラ等において一般的に利用されているものが適用されるものとして、その説明は省略する。
【0085】
撮像ユニット15は、CCD等からなり撮影光学系12aを透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子27と、この撮像素子27を固定支持する薄板状の部材からなる撮像素子固定板28と、撮像素子27の光電変換面の側に配設され、撮影光学系12aを透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除くべく形成される光学素子である光学的ローパスフイルター(Low Pass Filter;以下、光学LPFという)25と、この光学LPF25と撮像素子27との間の周縁部に配置され、略枠形状の弾性部材等によって形成されるローパスフイルター受け部材26と、撮像素子27を収納し固定保持すると共に光学LPF25(光学素子)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持しかつ所定の部位を後述する防塵フイルター受け部材23(後述する第1の部材)に密に接触するように配設される撮像素子収納ケース部材24(後述する第2の部材;以下、CCDケース24という)と、このCCDケース24の前面側に配置され防塵フイルター21(防塵部材)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フイルター受け部材23(第1の部材)と、この防塵フイルター受け部材23によって支持されて撮像素子27の光電変換面の側であって光学LPF25の前面側において当該光学LPF25との間に所定の間隔を持つ所定の位置に対向配置される防塵部材である防塵フイルター21と、この防塵フイルター21の周縁部に配設され当該防塵フイルター21に対して所定の振動を与えるための加振用部材であり例えば電気機械変換素子等からなる圧電素子22と、防塵フイルター21を防塵フイルター受け部材23に対して気密的に接合させ固定保持する弾性体からなる押圧部材20等によって構成されている。
【0086】
撮像素子27は、撮影光学系12aを透過した被写体光束を自己の光電変換面に受けて光電変換処理を行なうことによって、当該光電変換面に形成される被写体像に対応した画像信号を取得するものであって、例えば電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)が適用されている。
【0087】
この撮像素子27は、撮像素子固定板28を介して主回路基板16上の所定の位置に実装されている。この主回路基板16には、上述したように画像信号処理回路16a及びワークメモリ16b等が共に実装されており、撮像素子27からの出力信号、即ち光電変換処理により得られた画像信号が画像信号処理回路16a等へと電送されるようになっている。
【0088】
この画像信号処理回路16aにおいてなされる信号処理としては、例えば撮影光学系装着部11aに装着されたレンズ鏡筒12の内部に保持される撮影光学系12aによって撮像素子27の光電変換面上に結像された像に対応するものとして当該撮像素子27から得られた画像信号を記録に適合する形態の信号に変換する処理等、各種の信号処理である。このような信号処理は、電子的な画像信号を取り扱うように構成される一般的なデジタルカメラ等において通常になされる処理と同様である。したがって、当該カメラ1において実行される各種の信号処理についての詳細な説明は省略する。
【0089】
撮像素子27の前面側には、ローパスフイルター受け部材26を挟んで光学LPF25が配設されている。そして、これを覆うようにCCDケース24が配設されている。
【0090】
つまり、CCDケース24には、略中央部分に矩形状からなる開口24cが設けられており、この開口24cには、その後方側から光学LPF25及び撮像素子27が配設されるようになっている。この開口24cの後方側の内周縁部には、図4・図5に示すように断面が略L字形状からなる段部24aが形成されている。
【0091】
上述したように、光学LPF25と撮像素子27との間には、弾性部材等からなるローパスフイルター受け部材26が配設されている。このローパスフイルター受け部材26は、撮像素子27の前面側の周縁部においてその光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、かつ光学LPF25の背面側の周縁部近傍に当接するようになっている。そして、光学LPF25と撮像素子27との間を略気密性が保持されるようにしている。これにより、光学LPF25には、ローパスフイルター受け部材26による光軸方向への弾性力が働くことになる。
【0092】
そこで、光学LPF25の前面側の周縁部を、CCDケース24の段部24aに対して略気密的に接触させるように配置することで、当該光学LPF25をその光軸方向に変位させようとするローパスフイルター受け部材26による弾性力に抗して当該光学LPF25の光軸方向における位置を規制するようにしている。
【0093】
換言すれば、CCDケース24の開口24cの内部に背面側より挿入された光学LPF25は、段部24aによって光軸方向における位置規制がなされている。これにより、当該光学LPF25は、CCDケース24の内部から前面側へ向けて外部に抜け出ないようになっている。
【0094】
このようにして、CCDケース24の開口24cの内部に背面側から光学LPF25が挿入された後、光学LPF25の背面側には、撮像素子27が配設されるようになっている。この場合において、光学LPF25と撮像素子27との間には、周縁部においてローパスフイルター受け部材26が挟持されるようになっている。
【0095】
また、撮像素子27は、上述したように撮像素子固定板28を挟んで主回路基板16に実装されている。そして、撮像素子固定板28は、CCDケース24の背面側からネジ孔24eに対してネジ28bによってスペーサ28aを介して固定されている。また、撮像素子固定板28には、主回路基板16がスペーサ16cを介してネジ16dによって固定されている。
【0096】
CCDケース24の前面側には、防塵フイルター受け部材23がCCDケース24のネジ孔24bに対してネジ23bによって固定されている。この場合において、CCDケース24の周縁側であって前面側の所定の位置には、図4・図5において詳細に示すように、周溝24dが略環状に形成されている。その一方で、防塵フイルター受け部材23の周縁側であって背面側の所定の位置には、CCDケース24の周溝24dに対応させた環状凸部23d(図3には図示出来ず)が全周にわたって略環状に形成されている。したがって、環状凸部23dと周溝24dとが嵌合することによりCCDケース24と防塵フイルター受け部材23とは、環状の領域、即ち周溝24dと環状凸部23dとが形成される領域において相互に略気密的に嵌合するようになっている。
【0097】
防塵フイルター21は、全体として円形乃至多角形の板状をなし、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部をなしており、この透明部が光学LPF25の前面側に所定の間隔を持って対向配置されているものである。
【0098】
また、防塵フイルター21の一方の面(本実施形態では背面側)の周縁部には、当該防塵フイルター21に対して振動を与えるための所定の加振用部材であり電気機械変換素子等によって形成される圧電素子22が一体となるように、例えば接着剤による貼着等の手段により配設されている。この圧電素子22は、外部から所定の駆動電圧を印加することによって防塵フイルター21に所定の振動を発生させることができるように構成されている。
【0099】
そして、防塵フイルター21は、防塵フイルター受け部材23に対して気密的に接合するように板ばね等の弾性体からなる押圧部材20によって固定保持されている。
【0100】
防塵フイルター受け部材23の略中央部近傍には、円形状又は多角形状からなる開口23fが設けられている。この開口23fは、撮影光学系12aを透過した被写体光束を通過させて、当該光束が後方に配置される撮像素子27の光電変換面を照射するのに充分な大きさとなるように設定されている。
【0101】
この開口23fの周縁部には、前面側に突出する壁部23e(図4・図5参照)が略環状に形成されており、この壁部23eの先端側には、さらに前面側に向けて突出するように受け部23cが形成されている。
【0102】
一方、防塵フイルター受け部材23の前面側の外周縁部近傍には、所定の位置に複数(本実施形態では三箇所)の突状部23aが前面側に向けて突出するように形成されている。この突状部23aは、防塵フイルター21を固定保持する押圧部材20を固設するために形成される部位であって、当該押圧部材20は、突状部23aの先端部に対してねじ20a等の締結手段により固設されている。
【0103】
押圧部材20は、上述したように板ばね等の弾性体によって形成される部材であって、その基端部が突状部23aに固定され、自由端部が防塵フイルター21の外周縁部に当接することで、当該防塵フイルター21を防塵フイルター受け部材23の側、即ち光軸方向に向けて押圧するようになっている。
【0104】
この場合において、防塵フイルター21の背面側の外周縁部に配設される圧電素子22の所定の部位が、受け部23cに当接することで、防塵フイルター21及び圧電素子22の光軸方向における位置が規制されるようになっている。したがってこれにより、防塵フイルター21は、圧電素子22を介して防塵フイルター受け部材23に対して気密的に接合するように固定保持されている。
【0105】
換言すれば、防塵フイルター受け部材23は、押圧部材20による附勢力によって防塵フイルター21と圧電素子22を介して気密的に接合するように構成されている。
【0106】
ところで、上述したように防塵フイルター受け部材23とCCDケース24とは、周溝24dと環状凸部23d(図4・図5参照)とが相互に略気密的に嵌合するようになっているのと同時に、防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21とは、押圧部材20の附勢力により圧電素子22を介して気密的に接合するようになっている。また、CCDケース24に配設される光学LPF25は、光学LPF25の前面側の周縁部とCCDケース24の段部24aとの間で略気密的となるように配設されている。さらに、光学LPF25の背面側には、撮像素子27がローパスフイルター受け部材26を介して配設されており、光学LPF25と撮像素子27との間においても、略気密性が保持されるようになっている。
【0107】
したがってこれにより、光学LPF25と防塵フイルター21とが対向する間の空間には、所定の空隙部51aが形成されている。また、光学LPF25の周縁側、即ちCCDケース24と防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21とによって、空間部51bが形成されている。この空間部51bは、光学LPF25の外側に張り出すようにして形成されている封止された空間である(図4・図5参照)。また、この空間部51bは、空隙部51aよりも広い空間となるように設定されている。そして、空隙部51aと空間部51bとからなる空間は、上述した如くCCDケース24と防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21と光学LPF25とによって略気密的に封止される封止空間51となっている。
【0108】
このように、本実施形態のカメラにおける撮像ユニット15では、光学LPF25及び防塵フイルター21の周縁に形成され空隙部51aを含む略密閉された封止空間51を形成する封止構造部が構成されている。そして、この封止構造部は、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側の位置に設けられるようになっている。
【0109】
さらに、本実施形態においては、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材である防塵フイルター受け部材23と、光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に、自己の所定部位で防塵フイルター受け部材23(第1の部材)と密に接触するように配設される第2の部材であるCCDケース24等によって、封止構造部が構成されている。
【0110】
上述のように構成された本実施形態のカメラにおいては、撮像素子27の前面側の所定の位置に防塵フイルター21を対向配置し、撮像素子27の光電変換面と防塵フイルター21との周縁に形成される封止空間51を封止するように構成したことによって、撮像素子27の光電変換面に塵埃等が付着するのを予防している。
【0111】
そして、この場合においては、防塵フイルター21の前面側の露出面に付着する塵埃等については、当該防塵フイルター21の周縁部に一体となるように配設される圧電素子22に周期電圧を印加して防塵フイルター21に対して所定の振動を与えることで、除去することができるようになっている。
【0112】
図6は、本カメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フイルター21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。また、図7・図8は、図6の圧電素子22に対して駆動電圧を印加した際の防塵フイルター21及び圧電素子22の状態変化を示し、図7は図6のA−A線に沿う断面図、図8は図6のB−B線に沿う断面図である。
【0113】
ここで、例えば圧電素子22に負(マイナス;−)電圧を印加した場合には、防塵フイルター21は、図7・図8において実線で示すように変形する一方、圧電素子22に正(プラス;+)電圧を印加した場合には、防塵フイルター21は、同図において点線で示すように変形することになる。
【0114】
この場合において、図6〜図8の符号21aで示すような振動の節の位置では、実質的に振幅は零になることから、この節21aに対応する部位に防塵フイルター受け部材23の受け部23cを当接させるように設定する。これにより、振動を阻害することなく防塵フイルター21を効率的に支持し得ることになる。
【0115】
そして、この状態において、所定のときに防塵フイルター駆動部48を制御して、圧電素子22に対して周期的な電圧を印加することで防塵フイルター21は振動し、当該防塵フイルター21の表面に付着した塵埃等は除去される。
【0116】
なお、このときの共振周波数は、防塵フイルター21の形状や板厚・材質等により決まるものである。上述の図6〜図8に示す例では、1次の振動を発生させた場合を示しているが、これに限らず、高次の振動を発生させるようにしてもよい。
【0117】
図9〜図11に示す別の例示では、図6〜図8に示す例と全く同じ構成の防塵フイルターに対して2次振動を発生させた場合のようすを示している。
【0118】
この場合において、図9は、図6と同様に本カメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フイルター21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。また、図10・図11は、図9の圧電素子22に対して印加した際の防塵フイルター21及び圧電素子22の状態変化を示し、図10は図9のA−A線に沿う断面図、図11は図9のB−B線に沿う断面図である。
【0119】
ここで、例えば圧電素子22に負(マイナス;−)電圧を印加した場合には、防塵フイルター21は、図10・図11において実線で示すように変形する一方、圧電素子22に正(プラス;+)電圧を印加した場合には、防塵フイルター21は、同図において点線で示すように変形することになる。
【0120】
この場合においては、図9〜図11に示す符号21a・21bようにこの振動では二対の節が存在することになるが、節21aに対応する部位に防塵フイルター受け部材23の受け部23cを当接させるように設定することで、上述の図6〜図8に示す例と同様に、振動を阻害することなく防塵フイルター21を効率的に支持し得ることになる。
【0121】
そして、この状態において、所定のときに防塵フイルター駆動部48を制御して、圧電素子22に対して周期的な電圧を印加することで防塵フイルター21は振動し、当該防塵フイルター21の表面に付着した塵埃等は除去される。
【0122】
なお、図6〜図8に示すように1次の振動を発生させた場合には、防塵フイルター21の振幅によって封止空間51は、符号Cで示す分の容積変化が生じることになる。一方、図9〜図11に示すように2次の振動を発生させた場合には、防塵フイルター21の振幅によって生じる封止空間51の容積変化は、符号D1で示す領域から符号D2で示す領域×2を差し引いた分(D1−(D2×2))となる。
【0123】
封止空間51に対する容積変化が少ないほど、封止空間51の内部における内圧の変化は小さいことから、封止空間51の容積変化は少ないほど効率的な振動を得ることができることがわかる。したがって、電気機械変換の効率の点では、発生させる振動は、高次となるように設定するのが望ましいものと考えられる。
【0124】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、光学LPF25(光学素子)と防塵フイルター21(防塵部材)との両者が対向して形成される空隙部51aを含む略密閉された封止空間51を構成すべく光学LPF25及び防塵フイルター21の周縁側で空間部51bを封止するようにした封止構造部を、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側に設けるように構成したので、空間部の一定の容積を確保するについて、光学LPF25(光学素子)と防塵フイルター21(防塵部材)との間隔を短く設定することができる。
【0125】
一般に、光学LPF25(光学素子)と防塵フイルター21(防塵部材)との間隔を短く設定すると、空隙部51aの容積が少なくなることから圧電素子22(加振用部材)によって防塵フイルター21に振動を与える際に封止空間51の内圧が高くなってしまうことは周知である。しかし、封止空間51の内圧が高い場合には、圧電素子22による防塵フイルター21の振動を阻害してしまう傾向がある。
【0126】
一方、封止空間51の容積を確保するために光学LPF25(光学素子)と防塵フイルター21(防塵部材)との間隔を長くなるように設定した場合には、撮像ユニット15の光軸方向における寸法も大きくなってしまうことになり、カメラ1の光軸方向における小型化を阻害する要因になる。
【0127】
そこで、本実施形態においては、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側に空間部51bを設けることで、封止空間51の充分な容積を確保して、圧電素子22による防塵フイルター21の振動を阻害することなく、撮像ユニット15の光軸方向における寸法の長大化を抑えることができる。したがって、カメラ1の光軸方向における小型化に寄与することが容易にできる。
【0128】
ところで、上述の第1の実施形態のカメラ1においては、防塵フイルター受け部材23とCCDケース24とを別体に形成し、両者を相互に略気密的に嵌合させるように構成しているが、このような形態に限ることはない。例えば防塵フイルター受け部材23とCCDケース24とを一体的に形成し一部材によって構成するようにしてもよい。次に説明する本発明の第2の実施形態は、その例示である。
【0129】
即ち、本発明の第2の実施形態の構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなるものであるが、上述の第1の実施形態における第1の部材である防塵フイルター受け部材(23)及び第2の部材であるCCDケース(24)に代えて両者を一体に形成した部材を適用した点が異なるのみである。
【0130】
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体の構成についての図示も省略し、上述の図1・図2を参照するものとする。
【0131】
図12・図13は、本発明の第2の実施形態のカメラにおける撮像ユニットの一部を取り出して示す図であって、図12は、組み立てた状態の当該撮像ユニットの一部を切断して示す斜視図であって、上述の第1の実施形態における図4に相当する。また、図13は、図12の切断面に沿う断面図であって、上述の第1の実施形態における図5に相当する。
【0132】
なお、図12・図13においても、上述の第1の実施形態の図4・図5と同様に撮像ユニット15Aの主要部を図示するに留め、シャッター部(14)の図示は省略している。また、各構成部材の位置関係を示すために主回路基板16を合わせて図示しているのも同様である。
【0133】
上述したように、本実施形態の撮像ユニット15Aにおいては、上述の第1の実施形態における防塵フイルター受け部材(23;第1の部材)及びCCDケース(24;第2の部材)に代えて両者を一体に形成した一部材、即ち防塵フイルター受け兼CCDケース(以下、単にCCDケースという)33が配設されている。
【0134】
このCCDケース33は、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フィルター受け部の役目をする第1の部分と、撮像素子27を収納し固定保持すると共に光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する撮像素子収納ケース部の役目をする第2の部分とを含んで一体に構成されている。これにより封止構造部が構成されている。
【0135】
そして、本実施形態のカメラの撮像ユニット15Aにおける封止構造部は、次のように構成されている。
【0136】
即ち、光学LPF25と防塵フイルター21とが対向して作る空間に所定の空隙部51Aaが形成されている。また、光学LPF25の周縁側において光学LPF25の外側に張り出すようにして空間部51Abが、CCDケース33と防塵フイルター21とによって形成されている。この空間部51Abは、空隙部51Aaよりも広い空間となるように設定されている。そして、空隙部51Aaと空間部51Abとからなる空間は、CCDケース33と防塵フイルター21と光学LPF25とによって略気密的に封止される封止空間51Aとなっている。
【0137】
このように、本実施形態のカメラにおける撮像ユニット15Aでは、光学LPF25及び防塵フイルター21の周縁に形成され空隙部51Aaを含む略密閉された封止空間51Aを形成する封止構造部が構成されている。そして、この封止構造部は、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側の位置に設けられるようになっている。
【0138】
さらに、本実施形態においては、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んで一体に構成されるCCDケース33等によって封止構造部が構成されている。
【0139】
その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。また、圧電素子22によって防塵フイルター21に対して振動を与えることで、当該防塵フイルター21の表面に付着した塵埃等を除去する際の作用については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0140】
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0141】
これと同時に、本実施形態によれば、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フィルター受け部の役目をする第1の部分と、撮像素子27を収納し固定保持すると共に光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する撮像素子収納ケース部の役目をする第2の部分とを含んで一体に構成したことから、構成を簡略化して部材点数の削減化に寄与し得ると共に、製造工程の簡略化及び製造コストの低減化に寄与することができる。
【0142】
また、上述の第1の実施形態のカメラにおいては、光学的ローパスフイルター(光学LPF;光学素子)を備えて構成した例を示しているが、この構成に限ることはなく、光学LPFを具備しない形態のカメラの撮像ユニットに対しても、本発明を適用することは可能である。
【0143】
例えば撮像素子の有効画素数(画像データを作成する際に利用される画素の数)がレンズの解像力を超えるような多画素タイプの撮像素子を適用したデジタルカメラ等の場合には、撮像素子の前面に光学LPFを排除した形態で撮像ユニットを構成する場合がある。このような場合においても、本発明を適用することは容易である。次に説明する本発明の第3の実施形態は、その例示である。
【0144】
即ち、本発明の第3の実施形態の構成は、上述の第2の実施形態と略同様の構成からなるものであるが、上述の第2の実施形態における光学LPF(25)を排除し、防塵フイルター21を支持すると共に撮像素子27及び光学LPF(25)を固定保持するCCDケース(33)に代えて防塵フイルター21を支持しかつ撮像素子27を固定保持するCCDケース34を適用した点が異なるのみである。したがって、上述の第2の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体の構成についての図示は、上述の第2の実施形態と同様に省略し、上述の第1の実施形態の説明に用いた図1・図2を参照するものとする。
【0145】
図14・図15は、本発明の第3の実施形態のカメラにおける撮像ユニットの一部を取り出して示す図であって、図14は、組み立てた状態の当該撮像ユニットの一部を切断して示す斜視図であって、上述の第1の実施形態における図4又は第2の実施形態における図12に相当する。また、図15は、図14の切断面に沿う断面図であって、上述の第1の実施形態における図5又は第2の実施形態における図13に相当する。
【0146】
なお、図14・図15においても、上述の第1の実施形態の図4・図5及び第2の実施形態の図12・図13と同様に撮像ユニット15Bの主要部を図示するに留め、シャッター部(14)の図示は省略している。また、各構成部材の位置関係を示すために主回路基板16を合わせて図示しているのも同様である。
【0147】
上述したように、本実施形態の撮像ユニット15Bにおいては、上述の第1の実施形態のカメラ1における光学LPF25を排除した形態のものであって、さらに上述の第2の実施形態と同様に、上述の第1の実施形態における防塵フイルター受け部材(23;第1の部材)及びCCDケース(24;第2の部材)に代えて両者を一体的に形成した一部材、即ち防塵フイルター受け兼CCDケース(以下、単にCCDケースという)34が配設されている。
【0148】
このCCDケース34は、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フィルター受け部の役目をする第1の部分と、撮像素子27の光電変換面をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する撮像素子収納ケース部の役目をする第2の部分とを含んで一体に構成されている。これにより封止構造部が構成されている。
【0149】
そして、本実施形態のカメラの撮像ユニット15Bにおける封止構造部は、次のように構成されている。
【0150】
即ち、撮像素子27の光電変換面と防塵フイルター21とが対向して作る空間に所定の空隙部51Baが形成されている。また、撮像素子27の光電変換面の周縁側において当該光電変換面の外側に張り出すようにして空間部51Bbが、CCDケース34と防塵フイルター21とによって形成されている。この空間部51Bbは、空隙部51Baよりも広い空間となるように設定されている。そして、空隙部51Baと空間部51Bbとからなる空間は、CCDケース34と防塵フイルター21と撮像素子27の光電変換面とによって略気密的に封止される封止空間51Bとなっている。
【0151】
このように、本実施形態のカメラにおける撮像ユニット15Bでは、撮像素子27の光電変換面及び防塵フイルター21の周縁に形成され空隙部51Baを含む略密閉された封止空間51Bを形成する封止構造部が構成されている。そして、この封止構造部は、撮像素子27の光電変換面の周縁乃至その近傍から外側の位置に設けられるようになっている。
【0152】
さらに、本実施形態においては、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、撮像素子27の光電変換面をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んで一体に構成されるCCDケース34等によって封止構造部が構成されている。
【0153】
なお、本実施形態の撮像ユニット15Bにおいては、上述したように光学素子を排除して構成しているので、防塵フイルター21は、その透明部が撮像素子27の光電変換面の前面側に所定の間隔を持って対向配置されることになる。
【0154】
その他の構成については、上述の第1及び第2の実施形態と同様である。また、圧電素子22によって防塵フイルター21に対して振動を与えることで、当該防塵フイルター21の表面に付着した塵埃等を除去する際の作用については、上述の第1及び第2の実施形態と全く同様である。
【0155】
以上説明したように上記第3の実施形態によれば、光学LPF25を排除した形態の撮像ユニットを適用したカメラにおいても上述の第2の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0156】
つまり、本実施形態によれば、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フィルター受け部の役目をする第1の部分と、撮像素子27の光電変換面をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する撮像素子収納ケース部の役目をする第2の部分とを含んで一体に構成したことから、構成を簡略化して部材点数の削減化に寄与し得ると共に、製造工程の簡略化及び製造コストの低減化に寄与することができる。
【0157】
なお、上述の第3の実施形態のカメラにおいては、上述の第1の実施形態における光学的ローパスフイルター(光学LPF;光学素子)を排除した形態であって、かつ防塵フイルター21を支持する第1の部分と撮像素子27を支持するための第2の部分とを含んで一体に構成したCCDケース(34)によって封止構造部を構成するようにした例を示しているが、この構成に限ることはなく、光学LPFを具備しない形態のカメラの撮像ユニットにおいても、上述の第1の実施形態と同様に、防塵フイルター受け部材(23)とCCDケース(24)とを別部材によって形成し、両者を相互に略気密的に嵌合させるように構成することも可能である。次に説明する本発明の第4の実施形態は、その例示である。
【0158】
即ち、本発明の第4の実施形態の構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなるものであるが、上述の第1の実施形態における光学LPF(25)を排除し、これに対応させた防塵フイルター(21)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材である防塵フイルター受け部材(23)と、撮像素子(27)をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材であるCCDケース(24)とを含んで構成した封止構造部とする点が異なるのみである。
【0159】
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、上述の第1の実施形態の説明に用いた図を参照するものとする。
【0160】
この場合において、封止構造部は、防塵フイルター(21)と撮像素子(27)の光電変換面とが対向して作る空隙部(51a)よりも広い空間が当該光電変換面の外側に張り出すような空間部(51b)を形成するように構成するのは、上述の第3の実施形態と同様である。
【0161】
以上説明したように上記第4の実施形態においても、上述の第1及び第3の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0162】
一方、上述の第1の実施形態のカメラにおいては、弾性体である押圧部材20の附勢力を利用して防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21とは、圧電素子22を介して気密的に接合するように構成しているが、両者を気密的に接合する手段としては、このような形態に限ることはない。例えば、押圧部材20(弾性体)に代えて、防塵フイルターと防塵フイルター受け部材とを接着剤による貼着力を利用するようにしてもよい。次に説明する本発明の第5の実施形態は、その例示である。
【0163】
即ち、本発明の第5の実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様のものであるが、上述の第1の実施形態における押圧部材20に代えて接着剤を用いて防塵フイルター21と防塵フイルター受け部材23とを圧電素子22を介して気密的に接合するように構成した点が異なる。そしてこれに対応して防塵フイルター受け部材の形態が異なるものになっている。
【0164】
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体の構成についての図示は、上述の第1の実施形態と略同様であるので省略し、当該第1の実施形態の説明に用いた図1・図2を参照するものとする。
【0165】
図16・図17・図18は、本発明の第5の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、図16は、当該撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材(第1の部材)を示す正面図である。また、図17は、当該撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材と防塵フイルター(防塵部材)とを示す分解斜視図である。そして、図18は、図17の防塵フイルター受け部材と防塵フイルターとを接着剤によって接合させた状態における図16のE−E線に沿う位置に相当する断面図である。
【0166】
本実施形態のカメラの撮像ユニット(15)においては、上述したように接着剤31を用いて防塵フイルター21と防塵フイルター受け部材23Aとを圧電素子22を介して気密的に接合するように構成している。
【0167】
そのために、防塵フイルター受け部材23Aは、次のように形成されている。即ち、防塵フイルター受け部材23Aの略中央部近傍には、上述の第1の実施形態と同様に、円形状又は多角形状から成る開口23Afが穿設されている。この開口23Afは、撮影光学系(12a)を透過した被写体光束を通過させて、当該光束が後方に配置される撮像素子27の光電変換面を照射するのに充分な大きさとなるように設定されている点は、上述の第1の実施形態のものと同様である。
【0168】
また、この開口23Afの周縁部には、前面側に突出する壁部23Aeが略環状に形成されており、この壁部23Aeの先端側には、さらに前面側に向けて突出するように受け部23Acが形成されている。
【0169】
また、当該防塵フイルター受け部材23Aの前面側の外周縁部近傍には、所定の位置に複数(本実施形態では三箇所)の突状部23Aaが前面側に向けて突出するように形成されている。この突状部23Aaは、当該防塵フイルター受け部材23Aに防塵フイルター21を接着配置するときの位置決めを行なう位置規制部材の役目をするものである。
【0170】
この防塵フイルター受け部材23Aに対しては、その前面側に圧電素子22を介して防塵フイルター21が接着剤31によって貼着されることになる。
【0171】
この場合において、接着剤31は、防塵フイルター受け部材23Aの壁部23Aeの先端側の全域にわたって、つまり環状の領域において塗布される。この状態で、防塵フイルター受け部材23Aの前面側から防塵フイルター21を貼り付けることになるが、このとき防塵フイルター21の外周縁部を突状部23Aaに沿わせて光軸方向に移動させるようにすれば、当該防塵フイルター21は、防塵フイルター受け部材23Aの所定の位置に配置されるようになっている。そして、図18に示すように防塵フイルター21(実際には圧電素子22)の所定の位置(振動時の節となる部位)に受け部23Acが当接するようになっている。
【0172】
したがって、これにより防塵フイルター受け部材23Aは、防塵フイルター21の周縁部近傍の環状の領域、即ち壁部23Aeの先端部において接着剤31によって当該防塵フイルター21と気密的に接合するように構成される。
【0173】
その他の構成については、上述の第1の実施形態と略同様である。また、圧電素子22によって防塵フイルター21に対して振動を与えることで、当該防塵フイルター21の表面に付着した塵埃等を除去する際の作用については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
【0174】
以上説明したように上記第5の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と略同様の効果を得ることができる。
【0175】
これと同時に、本実施形態によれば、防塵フイルター21を固定保持し、当該防塵フイルター21と防塵フイルター受け部材23Aとを気密的に接合する手段として接着剤31を利用するようにしたことから、構成の簡略化を実現し、よって部材点数の削減化に寄与し得ると共に、製造工程の簡略化及び製造コストの低減化に寄与することができる。
【0176】
なお、上述の第5の実施形態においては、その他の構成を上述の第1の実施形態に準ずるものとして説明しているが、これに限らず、上述の第2・第3・第4の各実施形態のそれぞれに準じた形態となるようにしてもよい。
【0177】
即ち、上述の第5の実施形態では、第1の実施形態と同様に、光学LPF25を備え、防塵フイルター受け部材23(第1の部材)とCCDケース24(第2の部材)とを別部材で形成し、両者を相互に略気密的に嵌合させるように構成している。
【0178】
一方、上述の第2の実施形態においては、光学LPF25を備え、防塵フイルター受け部材の役目をする第1の部分とCCDケースの役目をする第2の部分とを含んで一体に形成した防塵フイルター受け兼CCDケースを備えて構成している(図12・図13参照)。
【0179】
したがって、この場合には、防塵フイルター受け兼CCDケースの形状を、上述の第2の実施形態におけるCCDケース33に準じたものとし、このCCDケースに対して防塵フイルター21を接着剤31を用いて気密的に接合させるような構成とすれば、全く同様の効果を得ることができる。
【0180】
また、上述の第3の実施形態においては、光学LPFを排除した形態であって、防塵フイルター受け部材の役目をする第1の部分とCCDケースの役目をする第2の部分とを含んで一体に形成した防塵フイルター受け兼CCDケースを備えて構成している(図14・図15参照)。
【0181】
そこで、この場合には、防塵フイルター受け兼CCDケースの形状を、上述の第3の実施形態におけるCCDケース34に準じたものとし、このCCDケース34に対して防塵フイルター21を接着剤31を用いて気密的に接合させるような構成とすれば、全く同様の効果を得ることができる。
【0182】
そして、上述の第4の実施形態においては、(特に図示していないが)光学LPFを排除した形態であって、防塵フイルター受け部材(第1の部材)とCCDケース(第2の部材)とを別部材で形成し、両者を相互に略気密的に嵌合させるように構成している。この場合には、CCDケースの形状を、上述の第4の実施形態におけるCCDケースに準じたものとし、このCCDケースに対して防塵フイルター21を接着剤31を用いて気密的に接合させるような構成とすれば、全く同様の効果を得ることができる。
【0183】
このように上記第5の実施形態は、防塵フイルター受け部材(第1の部材)とCCDケース(第2の部材)とを別部材で構成する形態の撮像ユニットや、光学LPF(25)を排除して構成する形態の撮像ユニット等、各種の形態の撮像ユニットを適用したカメラに対しても全く同様に適用することができ、いずれの場合にも同様の効果を得ることができる。
【0184】
ところで、上述したように第1〜第5の各実施形態のカメラの撮像ユニットにおいては、圧電素子(加振用部材)を利用して防塵フイルターに対して所定の振動を与えることによって、当該防塵フイルターの表面に付着した塵埃等を除去するように構成している。
【0185】
この場合において、防塵フイルターが振動するときには、その周縁部の空気が移動することになるが、当該防塵フイルターは、防塵フイルター受け部材又は防塵フイルター受け兼CCDケースに対して密着するように配置されており、これにより所定の封止空間を形成する封止構造部を構成するようになっている。
【0186】
したがって、この封止空間が完全に気密が保たれた状態にあったとすると、防塵フイルターが振動したときに、外部から封止空間の内部に向けて空気が流入することがない。したがって、封止空間の内部に正負の圧力変動が生じることが予想される。この圧力変動を生じさせつつ振動を発生させるには、相応の力量乃至エネルギーが必要であり、このことが防塵フイルターの振動を阻害する要因になることも考えられる。
【0187】
図29・図30・図31は、防塵フイルター及びこれを支持する所定の部材等によって撮像素子の前面側を完全に外部から封止された封止空間を形成した場合の撮像ユニットの一部を概略的に示す断面図である。このうち図29は、圧電素子に電圧が印加されていない状態を示し、図30は、圧電素子に正電圧が印加された場合の状態を示し、図31は、圧電素子に負電圧が印加された場合の状態を示している。
【0188】
なお、図29〜図31においては、上述の第1の実施形態における撮像ユニットの構成を例に挙げて説明する。
【0189】
まず、撮像ユニット15の圧電素子22に電圧を印加していない状態(図29の状態)において、当該圧電素子22に対して正(プラス;+)電圧を印加すると図30に示す状態になる。この状態においては、防塵フイルター21が光学LPF25の側に向けて撓むことになる。これにより、防塵フイルター21の背面側とCCDケース24の段部24aの前面側とが極めて接近した状態となる。すると、防塵フイルター21と光学LPF25との間の空隙部51aの内部に存在する空気は、当該空隙部51aから逃げる方向に流動しようとするが、空隙部51aは完全に外部から封止されている上に、当該空隙部51aと空間部51bとの間の通路が防塵フイルター21によって略遮断されてしまうために、空隙部51aの内部の空気の行き場がないことになる。したがって、空隙部51aの内容積が減少するにも関らず空気量は変化しないことから正の内圧が生じ、防塵フイルター21の振動が阻害されることが考えられる。
【0190】
一方、当該撮像ユニット15の圧電素子22に対して負電圧を印加すると図31に示す状態になる。この状態においては、防塵フイルター21が光学LPF25から遠ざかる方向に撓むことになる。このとき、防塵フイルター21と光学LPF25との間の空隙部51a及び空間部51bからなる封止空間51は、完全に外部から封止されていることから、空気の流入が無いことになる。したがって、空隙部51aの内容積が増加するにも関らず空気量は変化しないことから負の内圧が生じ、防塵フイルター21の振動が阻害されることが考えられる。
【0191】
そこで、上述した点に鑑みて、封止空間における所定の気密性を保持しながら、防塵フイルターの振動に伴って封止空間に対して外部から空気を流入させることで、当該封止空間の内圧を減少させる手段を備えた各種の実施形態について、以下に説明する。
【0192】
図19・図20は、本発明の第6の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図である。このうち、図19は、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)を示す斜視図である。また、図20は、当該撮像ユニットの断面を示し、図19のF−F線に沿う位置に相当する断面図である。
【0193】
本実施形態の構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなり、CCDケース24Aの所定の位置に、空隙部51aと空間部51bとの間の流路となる切欠部24Akを設けて形成した点が異なるのみである。
【0194】
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体及び撮像ユニット全体のそれぞれの構成についての図示は、上述の第1の実施形態の説明に用いた図1・図2及び図3〜図5を参照するものとする。
【0195】
図19・図20に示すように、本実施形態のカメラの撮像ユニット15におけるCCDケース24Aは、基本的には上述の第1の実施形態におけるCCDケース24と略同様に形成されている。
【0196】
そして、本実施形態におけるCCDケース24Aでは、光学LPF25を内部で受けるべく設けられた段部24aの一部について、断面が略円弧形状となるように切り欠いた切欠部24Akを設けて形成している。
【0197】
換言すると、段部24aは、CCDケース24(第2の部材)が光学LPF25の周縁部と略気密的に密着すべく形成された接触面部となっており、この接触面の一部に切欠部24Akが設けられている。
【0198】
したがって、当該切欠部24Akは、防塵フイルター21が振動する際に空隙部51aと空間部51bとの間において空気の流動を補助する流路の役目をするものである。
【0199】
つまり、本実施形態における撮像ユニット15において構成される封止構造部は、所定部位、即ちCCDケース24の段部24aの一部に、本撮像ユニット15に形成される封止空間51のうちの相対的に狭小な空間部である空隙部51aと相対的に大きな空間部51bとの間の空気の流れに関する抵抗を低減させる流路を設けて構成した点に特徴がある。
【0200】
その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
このように構成された撮像ユニット15において、圧電素子22によって防塵フイルター21に振動を与えた場合の作用は、次のようになる。
【0201】
まず、圧電素子22に電圧を印加していない状態(図29と同様の状態)において、当該圧電素子22に対して正電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25の側に向けて撓むことになる(図30参照)。
【0202】
このとき、例えば防塵フイルター21の背面側とCCDケース24の段部24aの前面側とが極めて接近した状態(図30と同様の状態)となったとしても、空隙部51aの内部に存在する空気は、CCDケース24Aの一部に設けた切欠部24Akを通って空間部51bの側へと流出することになる。
【0203】
したがって、空隙部51aの内容積が防塵フイルター21の撓みによって減少するのに伴って空隙部51aの内部の空気量も容易に減少することになる。これにより、当該空隙部51aでの内圧の上昇が抑えられる。
【0204】
一方、圧電素子22に対して負電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25から遠ざかる方向に撓むことになる(図31参照)。この場合においては、空間部51bの側の空気が切欠部24Akを介して空隙部51aの側に向けて流入することになる。
【0205】
したがって、空隙部51aの内容積が防塵フイルター21の撓みによって増加するのに伴って空隙部51aの内部の空気量も容易に増加することになる。これにより、当該空隙部51aでの内圧の減少が抑えられる。
【0206】
以上説明したように上記第6の実施形態によれば、CCDケース24Aの一部において、所定の位置に空隙部51aと空間部51bとの間を連通させる切欠部24Akを設けるのみで、圧電素子22による防塵フイルター21の振動により生じる封止空間51の内部における空気の流動を容易にし、同空間内での内圧の変化を抑えるようにしている。したがってこれにより、防塵フイルター21の振動が阻害されてしまうことを抑えることができる。
【0207】
なお、上述の第6の実施形態においては、上述の第1の実施形態に準じた構成の撮像ユニット15についての例示としているが、これに限ることはない。
【0208】
例えば、上述の第2の実施形態(図12・図13参照)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース33の所定の位置、即ち当該CCDケース33(一体化されたものの第2の部分)が光学LPF25の周縁部と略気密的に密着すべく形成された接触面部の一部に流路となる切欠部(24Ak)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0209】
また、上述の第3の実施形態(図14・図15参照)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース34の所定の位置、即ち当該CCDケース34(一体化されたものの第2の部分)が撮像素子27の光電変換面の周縁部と略気密的に密着すべく形成された接触面部の一部に流路となる切欠部(24Ak)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0210】
そして、上述の第4の実施形態(特に図示せず)に対しては、CCDケースの所定の位置、即ち当該CCDケース(第2の部材)が撮像素子の光電変換面の周縁部と略気密的に密着すべく形成された接触面部の一部に流路となる切欠部(24Ak)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0211】
このように、上記第6の実施形態は、防塵フイルター受け部材(第1の部材)とCCDケース(第2の部材)とを別部材で構成する形態の撮像ユニットや、光学LPF(25)を排除して構成する形態の撮像ユニット等、各種の形態の撮像ユニットを適用するカメラに対しても全く同様に適用することができ、いずれの場合にも同様の効果を得ることができる。
【0212】
図21・図22は、本発明の第7の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図である。このうち、図21は、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)を示す斜視図である。また、図22は、当該撮像ユニットの断面を示し、図21のG−G線に沿う位置に相当する断面図である。
【0213】
本実施形態の構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなり、CCDケース24Bの所定の位置に封止空間51の内外を連通させるための相対的に微小な通路である穿孔24Bgを設けて形成した点が異なるのみである。
【0214】
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体及び撮像ユニット全体のそれぞれの構成についての図示は、上述の第1の実施形態の説明に用いた図1・図2及び図3〜図5を参照するものとする。
【0215】
本実施形態のカメラの撮像ユニット15におけるCCDケース24Bは、図21・図22に示すように基本的には上述の第1の実施形態におけるCCDケース24と略同様に形成されている。
【0216】
そして、本実施形態におけるCCDケース24Bでは、その底面部の所定の位置、例えば光学LPF25の外周側に延出した領域の一部に空間部51bと外部とを連通させるための相対的に微小な通路となる穿孔24Bgを設けて形成している。
【0217】
したがって、当該穿孔24Bgは、防塵フイルター21が振動する際に空間部51bと外部との間において空気の流動を補助する通路となっているものである。なお、この場合において、当該穿孔24Bgを介して外部の空気が空間部51bの内部に流入することになるので、そのときに外部の空気中に含まれる塵埃等が同時に侵入する虞がある。
【0218】
そこで、このことを考慮して、穿孔24Bgを介して所定以上の大きさの塵埃等が封止空間51の内部に侵入することのないように、当該穿孔24Bgは、相対的に微小な大きさに設定する必要がある。この場合において設定される穿孔24Bgの大きさとしては、封止空間51の内部に侵入し、光学LPF25や撮像素子27の光電変換面等に付着した塵埃等が、撮像素子27によって取得されるべき画像信号に基づいて表わされる画像に悪影響を及ぼさない程度の大きさが想定される。
【0219】
このように、本実施形態における撮像ユニット15において構成される封止構造部は、防塵フイルター21(防塵部材)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材である防塵フイルター受け部材23と、光学LPF25(光学素子)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に、自己の所定部位で防塵フイルター受け部材23(第1の部材)と密に接触するようにして配設された第2の部材であるCCDケース24Bとを含んで構成され、かつCCDケース24B(第2の部材)は、その所定部位に空間部51b(封止空間51)の内外を連通させるための相対的に微小な通路である穿孔24Bgを設けて構成したところに特徴がある。
【0220】
その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
このように構成された撮像ユニット15において、圧電素子22によって防塵フイルター21に振動を与えた場合の作用は、次のようになる。
【0221】
まず、圧電素子22に電圧を印加していない状態(図29と同様の状態)において、当該圧電素子22に対して正電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25の側に向けて撓むことになる(図30参照)。
【0222】
このとき、封止空間51の内部、特に空間部51bの内部に存在する空気は、CCDケース24Bの底面部に設けた穿孔24Bgを通って外部へと流出することになる。
【0223】
したがって、封止空間51、特に空隙部51aの内容積が防塵フイルター21の撓みによって減少するのに伴って封止空間51の内部の空気量も容易に減少することになる。これにより、当該封止空間51Aでの内圧の上昇が抑えられる。
【0224】
一方、圧電素子22に対して負電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25から遠ざかる方向に撓むことになる(図31参照)。この場合においては、外部の空気が穿孔24Bgを介して封止空間51、特に空間部51bの内部に流入することになる。
【0225】
したがって、封止空間51の内容積が防塵フイルター21の撓みによって増加するのに伴って当該封止空間51の内部の空気量も容易に増加することになる。これにより、封止空間51での内圧の減少が抑えられる。
【0226】
以上説明したように上記第7の実施形態によれば、CCDケース24Aの所定の位置に封止空間51、特に空間部51bと外部との間を連通させる穿孔24Bgを設けるのみで、圧電素子22による防塵フイルター21の振動により生じる封止空間51と外部との間の空気の流動を容易にし、同空間内での内圧の変化を抑えるようにしている。したがってこれにより、防塵フイルター21の振動が阻害されてしまうことを抑えることができる。
【0227】
なお、上述の第7の実施形態においては、上述の第1の実施形態に準じた構成の撮像ユニット15についての例示としているが、これに限ることはない。
【0228】
例えば、上述の第2の実施形態(図12・図13参照)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース33の所定の位置、即ち当該CCDケース33(第2の部材)の底面部であって光学LPF25の外周側に延出した領域の一部に空間部51b(封止空間51)の内外を連通させるための相対的に微小な通路である穿孔(24Bg)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0229】
また、光学LPFを排除して構成した上述の第3の実施形態(図14・図15参照)に対しては、光学LPFを排除し、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース34の所定の位置、即ち当該CCDケース34(第2の部材)の底面部であって撮像素子27の光電変換面の外周側に延出した領域の一部に通路となる穿孔(24Bg)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0230】
そして、光学LPFを排除して構成した上述の第4の実施形態(特に図示せず)に対しては、CCDケースの所定の位置、即ち当該CCDケース(第2の部材)の底面部であって撮像素子27の光電変換面の外周側に延出した領域の一部に通路となる穿孔(24Bg)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0231】
このように上記第7の実施形態は、防塵フイルター受け部材(第1の部材)とCCDケース(第2の部材)とを別部材で構成する形態の撮像ユニットや、光学LPF(25)を排除して構成する形態の撮像ユニット等、各種の形態の撮像ユニットを適用するカメラに対しても全く同様に適用することができ、いずれの場合にも同様の効果を得ることができる。
【0232】
図23・図24は、本発明の第8の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図である。このうち、図23は、当該撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材(第1の部材)を示す斜視図である。また、図24は、当該撮像ユニットの断面を示し、図23のH−H線に沿う位置に相当する断面図である。
【0233】
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様であって、撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材(第1の部材)の基本構成については、上述の第5の実施形態における防塵フイルター受け部材23Aに準じたものが適用されている。
【0234】
そして、本実施形態における防塵フイルター受け部材23Bでは、所定の位置に封止空間51の内外を連通させるための相対的に微小な通路である穿孔23Bhを設けて形成している。
【0235】
したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体及び撮像ユニット全体のそれぞれの構成についての図示は、上述の第1の実施形態の説明に用いた図1・図2及び図3〜図5を参照するものとする。そして、防塵フイルター受け部材自体については、上述の第5の実施形態の説明に用いた図16〜図18も参照する。
【0236】
本実施形態のカメラの撮像ユニット15における防塵フイルター受け部材23Bは、図23・図24に示すように基本的には上述の第5の実施形態と略同様に形成されているものであって、開口23Bfの周縁部に前面に向けて突設される壁部23Beが略環状に形成されている。
【0237】
さらに、当該防塵フイルタ-受け部材23Bにおいては、壁部23Beの所定の位置に、空間部51bと外部とを連通させるための相対的に微小な通路となる穿孔23Bhが設けられている。
【0238】
この穿孔23Bhは、防塵フイルター21が振動する際に空間部51bと外部との間において空気の流動を容易にする通路となっている。このような構成の防塵フイルター受け部材23Bを用いた場合には、穿孔23Bhを介して外部の空気が空間部51bの内部に流入することになるので、そのときに外部の空気中に含まれる塵埃等が同時に侵入する虞がある。
【0239】
そこで、このことを考慮して、穿孔23Bhを介して所定以上の大きさの塵埃等が封止空間51の内部に侵入することのないように、当該穿孔23Bhは、相対的に微小な大きさに設定する必要がある。この点については、上述の第6及び第7の実施形態と同様である。
【0240】
このように、本実施形態における撮像ユニット15において構成される封止構造部は、防塵フイルター21(防塵部材)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材である防塵フイルター受け部材23Bと、光学LPF25(光学素子)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に、自己の所定部位で防塵フイルター受け部材23B(第1の部材)と密に接触するようにして配設された第2の部材であるCCDケース24とを含んで構成され、かつ防塵フイルター受け部材23B(第1の部材)は、その所定部位に空間部51b(封止空間51)の内外を連通させるための相対的に微小な通路である穿孔23Bhを設けて構成したところに特徴がある。
【0241】
その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様である。
このように構成された撮像ユニット15において、圧電素子22によって防塵フイルター21に振動を与えた場合の作用は、次のようになる。
【0242】
まず、圧電素子22に電圧を印加していない状態(図29と同様の状態)において、当該圧電素子22に対して正電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25の側に向けて撓むことになる(図30参照)。
【0243】
このとき、封止空間51の内部、特に空間部51bの内部に存在する空気は、穿孔23Bgを通って外部へと流出することになる。
【0244】
したがって、封止空間51、特に空隙部51aの内容積が防塵フイルター21の撓みによって減少するのに伴って封止空間51の内部の空気量も容易に減少することになる。これにより、当該封止空間51での内圧の上昇が抑えられる。
【0245】
一方、圧電素子22に対して負電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25から遠ざかる方向に撓むことになる(図31参照)。この場合においては、外部の空気が穿孔23Bhを介して封止空間51、特に空間部51bの内部に流入することになる。
【0246】
したがって、封止空間51の内容積が防塵フイルター21の撓みによって増加するのに伴って当該封止空間51の内部の空気量も容易に増加することになる。これにより、封止空間51での内圧の変化が抑えられる。
【0247】
以上説明したように上記第8の実施形態によれば、防塵フイルター受け部材23Bの所定の位置に封止空間51、特に空間部51bと外部との間を連通させる穿孔23Bhを設けるのみで、圧電素子22による防塵フイルター21の振動により生じる封止空間51と外部との間の空気の流動を容易にし、同空間内での内圧の変化を抑えるようにしている。したがってこれにより、防塵フイルター21の振動が阻害されてしまうことを抑えることができる。
【0248】
なお、上述の第8の実施形態においては、上述の第1及び第5の実施形態に準じた構成の撮像ユニット15についての例示としているが、これに限ることはない。
【0249】
例えば、上述の第2の実施形態(図12・図13)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース33の所定の位置、即ち当該CCDケース33(第2の部材)の開口の周縁部に前面に向けて突設される略環状の壁部の所定の位置に、空間部51Abと外部とを連通させるための相対的に微小な通路となる穿孔23Bhを設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0250】
また、上述の第3の実施形態(図14・図15)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース34の所定の位置、即ち当該CCDケース34(防塵フイルター受けである第1の部分)の開口の周縁部に前面に向けて突設される略環状の壁部の所定の位置に、空間部51Abと外部とを連通させるための相対的に微小な通路となる穿孔23Bhを設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0251】
そして、上述の第4の実施形態(図示せず)に対しては、CCDケースの所定の位置、即ち当該CCDケース(第2の部材)の開口の周縁部に前面に向けて突設される略環状の壁部の所定の位置に、空間部と外部とを連通させるための相対的に微小な通路となる穿孔(23Bh)を設けた構成とすることで、全く同様の効果を得ることができる。
【0252】
このように上記第8の実施形態は、防塵フイルター受け部材(第1の部材)とCCDケース(第2の部材)とを別部材で構成する形態の撮像ユニットや、光学LPF(25)を排除して構成する形態の撮像ユニット等、各種の形態の撮像ユニットを適用するカメラに対しても全く同様に適用することができ、いずれの場合にも同様の効果を得ることができる。
【0253】
次に、本発明の第9の実施形態について、以下に説明する。
【0254】
図25・図26は、本発明の第9の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図である。このうち、図25は、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)の背面側を示す斜視図である。また、図26は、当該撮像ユニットの断面を示し、図25のJ−J線に沿う位置に相当する断面図である。
【0255】
本発明の第9の実施形態の構成は、上述の第7の実施形態と略同様のものであって、CCDケース24Bの所定の位置に設けられ封止空間51の内外を連通させるために設けられる通路(穿孔24Bg)の近傍において、その開放端側を気密的に覆う封止補助部材であり伸縮自在に形成されるゴムキャップ29Aを、さらに附加した点が異なるのみである。
【0256】
したがって、上述の第7の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体及び撮像ユニット全体のそれぞれの構成についての図示は、上述の第1の実施形態の説明に用いた図1・図2及び図3〜図5を参照するものとする。
【0257】
本実施形態のカメラの撮像ユニット15におけるCCDケース24Bそれ自体は、図25・図26に示すように上述の第7の実施形態におけるCCDケース24Bと全く同様に形成されているものである。
【0258】
そして、本実施形態においては、このCCDケース24Bの底面部に設けられる穿孔24Bgの近傍に、その開放端側を気密的に覆う封止補助部材であるゴムキャップ29Aが設けられている。このゴムキャップ29Aは、封止空間51の内圧に応じて自身の内容積が変化し得るように、通常の状態では、その断面が外部に向けて若干凸となる形状に形成されており、かつ伸縮性を備えた弾性部材によって形成されるものである。そして、当該ゴムキャップ29Aは、穿孔24Bgが封止空間51(特に空間部51b)の外側に向けて連通する開放端側を気密的に覆うように配設されている。
【0259】
その他の構成については、上述の第7の実施形態と全く同様である。
このように、上記第9の実施形態においては、穿孔24Bgの開放端側の外部にゴムキャップ29Aを気密的に設けたことから、防塵フイルター21が振動する際には、穿孔24Bgを介して外部から塵埃等を含む空気が空間部51bの内部に直接流入することがない。これと同時に封止空間51の内容積を若干量だけ増加させることができると共に、ゴムキャップ29A自体を伸縮自在に形成したことから、封止空間51の内圧変化に応じて自身が伸縮することで、自身の内容積を増減させ得るようになっている。
【0260】
このように構成された撮像ユニット15において、圧電素子22によって防塵フイルター21に振動を与えた場合の作用は、次のようになる。
【0261】
まず、圧電素子22に電圧を印加していない状態(図29と同様の状態)において、当該圧電素子22に対して正電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25の側に向けて撓むことになる(図30参照)。
【0262】
このとき、封止空間51の内部、特に空間部51bの内部に存在する空気は、穿孔23Bgを通ってゴムキャップ29Aの内部に向けて流出する。このとき、ゴムキャップ29Aは、内圧に応じて延びることでその内容積を増加させる。
【0263】
したがって、封止空間51、特に空隙部51aの内容積が防塵フイルター21の撓みによって減少するのに伴って、封止空間51の内部の空気量が減少し、その空気はゴムキャップ29Aの側へ移動する。ゴムキャップ29Aは、空気圧の変動に応じて比較的容易に伸展する。これにより、当該封止空間51での内圧の上昇が抑えられる。
【0264】
一方、圧電素子22に対して負電圧を印加すると、防塵フイルター21は、光学LPF25から遠ざかる方向に撓むことになる(図31参照)。この場合においては、ゴムキャップ29Aの内部の空気が穿孔23Bgを介して封止空間51、特に空間部51bの内部に流入することになる。このとき、ゴムキャップ29Aは、空気圧の変動に応じて比較的容易に収縮する。
【0265】
したがって、封止空間51の内容積が防塵フイルター21の撓みによって増加するのに伴ってゴムキャップ29Aの内部の空気が当該封止空間51へと移動し、その内部の空気量が増加する。これにより、封止空間51での内圧の減少が抑えられる。
【0266】
以上説明したように上記第9の実施形態によれば、CCDケース24Aの所定の位置に封止空間51、特に空間部51bと外部との間を連通させる穿孔24Bgを設け、この穿孔24Bgの開放端側気密的に覆うと共に、封止空間51の内圧に応じて自己の内容積が変化し得る封止補助部材(ゴムキャップ29A)を設けるようにしたのみで、圧電素子22による防塵フイルター21の振動により生じる封止空間51と外部との間の空気の流動を容易にし、同空間内での内圧の変化を抑えるようにしている。したがってこれにより、防塵フイルター21の振動が阻害されてしまうことを抑えることができる。
【0267】
上述の第9の実施形態においては、穿孔24Bgの開放端側気密的に覆う封止補助部材として、ゴムキャップ29Aを適用した場合を例に挙げて説明したが、この封止補助部材の形態は、これに限ることはなく、例えば次の第10の実施形態に示す形態の封止補助部材としてもよい。
【0268】
図27・図28は、本発明の第10の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図である。このうち、図27は、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)の背面側を示す斜視図である。また、図28は、当該撮像ユニットの断面を示し、図27のK−K線に沿う位置に相当する断面図である。
【0269】
本発明の第10の実施形態の構成は、上述の第9の実施形態と略同様のものであって、CCDケース24Bに設けられる通路(穿孔24Bg)の開放端側を気密的に覆う封止補助部材としてのゴムキャップ29Aに代えて、同様の役目をするゴムリング29Bを設けて構成した点が異なるのみである。
【0270】
したがって、上述の第9の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附してその詳細な説明は省略する。また、カメラ全体及び撮像ユニット全体のそれぞれの構成についての図示は、上述の第1の実施形態の説明に用いた図1・図2及び図3〜図5を参照するものとする。
【0271】
本実施形態においては、CCDケース24Bの裏面側であって、光学LPF25の周縁部乃至その近傍の環状の領域に封止補助部材であり弾性部材等からなるゴムリング29Bが配設されている。このゴムリング29Bは、封止空間51の内圧に応じて自身の内容積が変化し得るように、通常の状態では、その断面が外部に向けて若干凸となる形状に形成されており、かつ伸縮性を備えた弾性部材によって形成され、かつ略円環形状に形成されてなるものである。そして、この場合において、当該ゴムリング29Bは、通路である穿孔24Bgを除いて気密的になるようにCCDケース24Bに対して配設されている。なお、図27においては、ゴムリング29Bの一部、即ち穿孔24Bgが設けられる近傍の一部を破いて図示している。
【0272】
その他の構成及びその作用については、上述の第9の実施形態と全く同様である。
このように上記第10の実施形態においては、CCDケース24Bの穿孔24Bgの開放端側の外部にゴムリング29Bを気密的に設けたことから、防塵フイルター21が振動する際には、穿孔24Bgを介して外部から塵埃等を含む空気が空間部51bの内部に直接流入することがない。これと同時に封止空間51の内容積を若干量だけ増加させることができると共に、ゴムキャップ29B自体を伸縮自在に形成したことから、封止空間51の内圧変化に応じて自身が伸縮することで、自身の内容積を増減させ得るようになっている。
【0273】
したがって、以上説明したように上記第10の実施形態によれば、上述の第9の実施形態と全く同様の効果を得ることができると共に、封止補助部材(ゴムリング29B)によって確保し得る空間の内容積を、さらに大きなものとすることができる。
【0274】
なお、上述の第9・第10の実施形態においては、上述の第1及び第7の実施形態に準じた構成の撮像ユニット15についての例示としているが、これに限ることはない。
【0275】
例えば、上述の第2の実施形態(図12・図13)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース33(その第2の部分)の所定の位置に封止空間51と外部との間を連通させる穿孔24Bgを設け、この穿孔(24Bg)の開放端側気密的に覆うと共に、封止空間51の内圧に応じて自己の内容積が変化し得る封止補助部材(ゴムキャップ29A)を設けた構成とすることで、上述の第9の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0276】
また、CCDケース33(その第2の部分)の所定の位置であって、光学LPF25の周縁部乃至その近傍の環状の領域に封止補助部材であり弾性部材等からなる(ゴムリング29B)を、穿孔(24Bg;通路)を除いて気密的になるように配設することで、上述の第10の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0277】
また、上述の第3の実施形態(図14・図15)に対しては、防塵フイルター受け部材とCCDケースを一体化して形成した防塵フイルター受け兼CCDケースであるCCDケース34(第2の部材)の所定の位置に封止空間51と外部との間を連通させる穿孔(24Bg)を設け、この穿孔(24Bg)の開放端側気密的に覆うと共に、封止空間51の内圧に応じて自己の内容積が変化し得る封止補助部材(ゴムキャップ29A)を設けた構成とすることで、上述の第9の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0278】
また、CCDケース33(第2の部材)の所定の位置であって、撮像素子27の光電変換面の周縁部乃至その近傍の環状の領域に封止補助部材であり弾性部材等からなる(ゴムリング29B)を、穿孔(24Bg;通路)を除いて気密的になるように配設することで、上述の第10の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0279】
そして、上述の第4の実施形態に対しては、CCDケース(第2の部材)の所定の位置に封止空間51と外部との間を連通させる穿孔(24Bg)を設け、この穿孔(24Bg)の開放端側気密的に覆うと共に、封止空間51の内圧に応じて自己の内容積が変化し得る封止補助部材(ゴムキャップ29A)を設けた構成とすることで、上述の第9の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0280】
また、CCDケース(第2の部材)の所定の位置であって、撮像素子27の光電変換面の周縁部乃至その近傍の環状の領域に封止補助部材であり弾性部材等からなる(ゴムリング29B)を、穿孔(24Bg;通路)を除いて気密的になるように配設することで、上述の第10の実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0281】
なお、上述の各実施形態においては、撮像光学系が着脱自在となるように構成した形式のカメラに関する場合について詳述しているが、本発明の思想はこの形式を必須とするものではない。
【0282】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、カメラ、特にデジタルカメラにおいて、撮像素子の光電変換面上に塵埃等が付着するのを十全に予防すると共に、撮像素子を封止乃至保護する防塵部材の外面側の表面上に付着した塵埃等を確実に除去し得るように構成したカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のカメラの一部を切断して、その内部構成を概略的に示す斜視図。
【図2】図1のカメラの主に電気的な構成を概略的に示すブロック構成図。
【図3】図1のカメラにおける撮像ユニットの一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットを分解して示す要部分解斜視図。
【図4】図1のカメラにおける撮像ユニットを組み立てた状態において一部を切断して示す斜視図。
【図5】図4の切断面に沿う断面図。
【図6】図1のカメラにおける撮像ユニットのうち防塵フイルター及びこれに一体に設けられる圧電素子のみを取り出して示す正面図。
【図7】図6の圧電素子に対して印加した際の防塵フイルター及び圧電素子の状態変化を示し、図6のA−A線に沿う断面図。
【図8】図6の圧電素子に対して印加した際の防塵フイルター及び圧電素子の状態変化を示し、図6のB−B線に沿う断面図。
【図9】図1のカメラにおける撮像ユニットのうち防塵フイルター及びこれに一体に設けられる圧電素子のみを取り出して示す正面図。
【図10】図9の圧電素子に対して印加した際の防塵フイルター及び圧電素子の状態変化の別の例を示し、図9のA−A線に沿う断面図。
【図11】図9の圧電素子に対して印加した際の防塵フイルター及び圧電素子の状態変化の別の例を示し、図9のB−B線に沿う断面図。
【図12】本発明の第2の実施形態のカメラにおける撮像ユニットの一部を取り出して示す図であって、組み立てた状態の当該撮像ユニットの一部を切断して示す斜視図。
【図13】図12の切断面に沿う断面図。
【図14】本発明の第3の実施形態のカメラにおける撮像ユニットの一部を取り出して示す図であって、組み立てた状態の当該撮像ユニットの一部を切断して示す斜視図。
【図15】図14の切断面に沿う断面図。
【図16】本発明の第5の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材(第1の部材)を示す正面図。
【図17】図16の撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材と防塵フイルター(防塵部材)とを示す分解斜視図。
【図18】図17の防塵フイルター受け部材と防塵フイルターとを接着剤によって接合させた状態における図16のE−E線に沿う位置に相当する断面図。
【図19】本発明の第6の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)を示す斜視図。
【図20】図19のF−F線に沿う位置に相当する断面図。
【図21】本発明の第7の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)を示す斜視図。
【図22】図21のG−G線に沿う位置に相当する断面図。
【図23】本発明の第8の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットの構成部材のうちの防塵フイルター受け部材(第1の部材)を示す斜視図。
【図24】図23のH−H線に沿う位置に相当する断面図。
【図25】本発明の第9の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)の背面側を示す斜視図。
【図26】図25のJ−J線に沿う位置に相当する断面図。
【図27】本発明の第10の実施形態のカメラにおける撮像ユニットを構成する部材の一部を取り出して示す図であって、当該撮像ユニットの構成部材のうちのCCDケース(第2の部材)の背面側を示す斜視図。
【図28】図27のK−K線に沿う位置に相当する断面図。
【図29】従来のカメラにおいて、防塵フイルター及びこれを支持する所定の部材等によって撮像素子の前面側を完全に外部から封止された封止空間を形成した場合の撮像ユニットの一部を概略的に示す断面図であって、圧電素子に電圧が印加されていない状態を示す図。
【図30】図29の撮像ユニットにおいて、圧電素子に正電圧が印加された場合の状態を示す断面図。
【図31】図29の撮像ユニットにおいて、圧電素子に負電圧が印加された場合の状態を示す断面図。
【符号の説明】
1……カメラ
11……カメラ本体部
11a……撮影光学系装着部
12……レンズ鏡筒
12a……撮影光学系
13……ファインダー装置
13a……ペンタプリズム
13b……反射鏡
13c……接眼レンズ
14……シャッター部
15・15A・15B……撮像ユニット
16……主回路基板
16a……画像信号処理回路
16b……ワークメモリ
17……レリーズボタン
20……押圧部材
21……防塵フイルター(防塵部材)
22……圧電素子(加振用部材)
23・23A・23B……防塵フイルター受け部材
23Bg・23Bh・24Bg……穿孔(通路)
24・24A・24B・33・34……CCDケース(撮像素子収納ケース部材)
24Ak……切欠部(流路)
23d……環状凸部
24d……周溝
25……光学的ローパスフイルター(光学LPF;光学素子)
26……ローパスフイルター受け部材
27……撮像素子(CCD)
28……撮像素子固定板
29A……ゴムキャップ(封止補助部材)
29B……ゴムリング(封止補助部材)
31……接着剤
48……防塵フイルター駆動部
51・51A・51B……封止空間部
51a・51Aa・51Ba……空隙部
51b・51Ab・51Bb……空間部

Claims (45)

  1. 自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、
    上記撮像素子の光電変換面側に配設された光学素子と
    記光学素子の前面側に所定の間隔を持って対向配置される防塵部材と、
    上記防塵部材の周縁部に配設され当該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、
    上記光学素子と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光学素子の周縁側で形成された空部とを封止するように構成された封止構造部と、
    えたことを特徴とするカメラ。
  2. 自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、
    上記撮像素子の光電変換面の前面側に所定の間隔を持って対向配置された防塵部材と、
    上記防塵部材の周縁部に配設され当該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、
    上記撮像素子の光電変換面と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光電変換面の周縁側で形成された空間部とを封止するように構成された封止構造部と、
    を備えたことを特徴とするカメラ。
  3. 上記光学素子は、光学的ローパスフイルターであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  4. 上記光学素子は光学的ローパスフィルタであり、かつ上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するように配設された第2の部材とを含んで構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  5. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  6. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材とを含んで構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  7. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  8. 上記封止構造部は、上記防塵部材と上記光学素子とが対向して作る空隙よりも広い空間が上記光学素子の外側に張り出すような封止空間として形成されるように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  9. 上記封止構造部は、上記防塵部材と上記撮像素子の光電変換面とが対向して作る空隙よりも広い空間が上記光電変換面の外側に張り出すような封止空間として形成されるように構成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  10. 上記封止構造部は、所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通 路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカメラ。
  11. 上記封止構造部は、所定部位に上記空間部のうちの相対的に小さな空間部と相対的に大きな空間部との間の空気の流れに関する抵抗を低減させる流路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  12. 上記第1の部材は、上記防塵部材の周縁部近傍の環状の領域で接着剤によって当該防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする請求項4又は請求項6に記載のカメラ。
  13. 上記第1の部材は、弾性体による附勢力によって上記防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする請求項4又は請求項6に記載のカメラ。
  14. 上記第1の部材及び上記第2の部材は、上記光学素子の外周側の環状の領域で相互に略気密的に嵌合するように構成されたものであることを特徴とする請求項4に記載のカメラ。
  15. 上記第1の部材及び上記第2の部材は、上記撮像素子の光電変換面の外周側の環状の領域で相互に略気密的に嵌合するように構成されたものであることを特徴とする請求項6に記載のカメラ。
  16. 上記第2の部材は、自己の所定の段部で上記光学素子の周縁部と略気密的に接触して当該光学素子をその光軸方向における位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする請求項4又は請求項6に記載のカメラ。
  17. 上記第2の部材は、上記段部で上記光学素子をその光軸方向に変位させようとする弾性力に抗して上記光学素子の位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする請求項16に記載のカメラ。
  18. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第2の部材は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  19. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第1の部材は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  20. 上記通路は、上記第2の部材の上記光学素子の外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする請求項18に記載のカメラ。
  21. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成されたものであり、且つ、上記流路は、上記第2の部材の上記光学素子の周縁部 と略々気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする請求項11に記載のカメラ。
  22. 内圧に応じて自己の内容積が変化し得る封止補助部材を、上記通路が上記空間部の外側へ向けて連通する開放端側を気密的に覆うように附加したことを特徴とする請求項10に記載のカメラ。
  23. 上記封止補助部材は、上記封止構造部の上記光学素子の周縁部乃至その近傍の環状の領域に弾性部材を上記通路を除いて気密的になるように配設することにより構成されたものであることを特徴とする請求項22に記載のカメラ。
  24. 上記加振用部材は、電気機械変換素子からなり、当該電気機械変換素子に外部から所定の駆動電圧が印加されて所定の振動を上記防塵部材に発生させるように構成されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカメラ。
  25. 上記電気機械変換素子は、圧電素子であることを特徴とする請求項24に記載のカメラ。
  26. 上記圧電素子は、接着剤によって上記防塵部材に貼着されたものであることを特徴とする請求項25に記載のカメラ。
  27. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第2の部材は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  28. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部材とを含んで構成され、かつ上記第1の部材はその所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  29. 上記通路は、上記第2の部材の上記撮像素子の光電変換面部外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする請求項27に記載のカメラ。
  30. 上記第1の部分は、上記防塵部材の周縁部近傍の環状の領域で接着剤によって当該防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする請求項5又は請求項7に記載のカメラ。
  31. 上記第1の部分は、弾性体による附勢力によって上記防塵部材と気密的に接合するように構成されたものであることを特徴とする請求項5又は請求項7に記載のカメラ。
  32. 上記第2の部分は、自己の所定の段部で上記光学素子の周縁部と略気密的に接触して当該光学素子をその光軸方向における位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする請求項5又は請求項7に記載のカメラ。
  33. 上記第2の部分は、上記段部で上記光学素子をその光軸方向に変位させようとする弾性力に抗して上記光学素子の位置を規制するように構成されたものであることを特徴とする 請求項32に記載のカメラ。
  34. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部分と一体に形成された第2の部分とを含んで構成され、かつ上記第2の部分は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  35. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部分と一体に形成された第2の部分とを含んで構成され、かつ上記第1の部分は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  36. 上記通路は、上記第2の部分の上記光学素子の外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする請求項34に記載のカメラ。
  37. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記光学素子をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含み、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであり、且つ上記流路は、上記第2の部分の上記光学素子の周縁部と略々気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする請求項11に記載のカメラ。
  38. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成され、かつ上記第2の部分は、その所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  39. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含んでなり、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成され、かつ上記第1の部分はその所定部位に上記空間部の内外を連通させるための相対的に小さな通路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  40. 上記通路は、上記第2の部分の上記撮像素子の光電変換面部の外周側に延出した領域に穿設された孔として形成されてなるものであることを特徴とする請求項38に記載のカメラ。
  41. 上記封止構造部は、所定部位に上記空間部のうちの相対的に小さな空間部と相対的に大きな空間部との間の空気の流れに関する抵抗を低減させる流路が設けられてなるものであることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
  42. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で上記第1の部材と密に接触するようにして配設された第2の部材とを含んで構成されたものであり、且つ、上記流路は、上記第2の部材の上記撮像素子の光電変換面部の周縁部と略気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする請求項41に記載の カメラ。
  43. 上記封止構造部は、上記防塵部材をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部分と、上記撮像素子をその光電変換面部の周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第2の部分とを含み、上記第1の部分及び上記第2の部分が一体に構成されたものであり、且つ上記流路は、上記第2の部分の上記撮像素子の光電変換面部の周縁部と略気密に接触すべく形成された接触面部の一部に切り欠きを設けることによって形成されてなるものであることを特徴とする請求項41に記載のカメラ。
  44. 自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、
    上記撮像素子の光電変換面側に配設された光学素子と、
    上記光学素子の前面側に所定の間隔を持って対向配設された防塵部材と、
    上記防塵部材の周縁部に配設され該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、
    上記光学素子と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光学素子の周縁側で形成された空間部とを封止するように構成された封止構造部と、
    を備えたことを特徴とするカメラ用アッセンブリ。
  45. 自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子と、
    上記撮像素子の光電変換面の前面側に所定の間隔を持って対向配設された防塵部材と、
    上記防塵部材の周縁部に配設され該防塵部材に振動を与えるための加振用部材と、
    上記撮像素子の光電変換面と上記防塵部材との両者が対向して形成される空隙部と上記光電変換面の周縁側で形成された空間部とを封止するように構成された封止構造部と、
    を備えたことを特徴とするカメラ用アッセンブリ。
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