JP2007065194A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像装置又は投射型画像表示装置等の光学装置においてより簡単な構成で微小な塵埃等をも確実に除去し高画質の画像を表わす画像データを取得しもしくは高画質の画像を投射し得るようにした光学装置を提供する。
【解決手段】画像形成素子133,135,137もしくは撮像素子27を含む画像形成体と、画像形成体の前方に配設される光学系12aと、光学系と画像形成体との間に配置され画像用光束を透過可能な透過部21cを有しこの透過部が画像形成体に対して所定の間隔で対向配置される防塵部材21と、光学系の光軸に沿う方向に対して略垂直方向の振動を防塵部材に与えるように伸縮振動をおこなう加振部材18dと、加振部材における伸長時と緊縮時とで防塵部材に与えられる振動速度に緩急差が生じるように加振部材の駆動制御をおこなう制御手段41とを具備してなる。
【選択図】図4

Description

この発明は、光学装置、詳しくは光電変換面に照射された光に対応した画像信号を生成する撮像素子を含む撮像素子ユニットを備えた撮像装置、もしくは光源から射出された光束を変調し画像情報に応じた光学像を画像形成素子により形成しこの光学像を拡大投射する投射型画像表示装置等の光学装置に関し、例えばレンズ交換可能な一眼レフレックス方式のデジタルカメラやプロジェクタ装置等に関するものである。
従来より、撮影光学系を透過した被写体からの光束(以下、被写体光束という)に基づいて形成される被写体像を受けて、これに対応した画像信号を生成する固体撮像素子(例えば電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device。以下、単に撮像素子という)等を含む撮像素子ユニットを備えた光学装置であるデジタルカメラ等の撮像装置が一般的に実用化され広く普及している。
このようなデジタルカメラにおいては、撮影動作に先立って撮影対象となる被写体を観察する等のためにファインダー装置を具備するものがある。このファインダー装置の一つとして、例えば撮影光学系によって形成される光学像(被写体像)を観察し得るように構成されると共に、撮影動作時には撮影光学系を透過した被写体光束を撮像素子の光電変換面へと導き得るように構成した一眼レフレックス方式の光学ファインダー装置がある。
そして、近年においては、一眼レフレックス方式の光学ファインダー装置を具備すると共に、カメラ本体に対して撮影光学系を着脱自在となるように構成することで、使用者が所望のときに撮影光学系を任意に着脱し交換することで、単一のカメラ本体において複数種類の撮影光学系を選択的に使用し得るように構成したレンズ交換可能な形態の一眼レフレックス方式のデジタルカメラが一般に普及しつつある。
このようなレンズ交換可能な形態のデジタルカメラにおいては、当該撮影光学系をカメラ本体から取り外した際に、カメラ本体の内部に空気中に浮遊する塵埃等が侵入する可能性がある。また、カメラ本体内部には、例えばシャッター機構や絞り機構等、機械的に動作する各種の機構が配設されていることから、これら各種の機構等からは、その動作中に微小ゴミ等が発生する場合もある。
そして、シャッター機構が開状態となる撮像動作中には、撮影光学系の後方に配置される撮像素子の光電変換面がカメラ内部の外気に露呈される状態になる。このことから、上述のようにして生じた塵埃や微小ゴミ等が撮像素子の光電変換面に附着してしまうことがある。
こうして光電変換面に附着した塵埃や微小ゴミ等は、撮像素子によって生成される画像信号により表わされる画像に影を生じさせてしまう等の悪影響を与える可能性がある。
そこで、本出願人は、特開2003−348401号公報において、光電変換素子(撮像素子)の前面側に防塵部材(光学素子)を配設し、この防塵部材と光電変換素子との間の空間を密封状態となるように構成し、さらに、同防塵部材を加振手段を用いて振動させることによって、当該防塵部材の撮影レンズ側の表面に附着した塵埃を除去する技術を提案し、また実用化している。
また、本出願人は、特開2002−204379号公報において、光電変換素子(撮像素子)の前面側に配設した防塵部材(光学素子)の所定の部位に、同防塵部材に対して所定の方向の振動を与える積層圧電体の一端を固設し、この積層圧電体の他端には重り部材を固着して構成し、当該積層圧電体に対して周期電圧を印加することで、防塵部材を撮影レンズの光軸方向に振動させ、これにより、当該光学素子の表面に附着した塵埃を除去する技術を提案している。
一方、従来のデジタルカメラにおける撮像素子としては、いわゆるパッケイジに封じられた形態の撮像素子(例えばパッケイジCCDという)が広く用いられているが、このような形態の撮像素子とは別に、近年においては、いわゆるベアチップCCDと呼ばれる裸の状態のCCDチップを市場に供給することが提案されている。
このようなベアチップCCDにおいては、その光電変換面上に塵埃等が附着する可能性が多くなることから、ベアチップCCDとこれを載置する基板との間に圧電素子を設け、この圧電素子に対して所定の電圧を印加することによって当該ベアチップCCD自体を振動させ、これにより光電変換面に附着した塵埃等を振り落とす構成や、ベアチップCCDの光電変換面の前方に光学部材を設けると共に、この光学部材とベアチップCCDとを中空円筒状部材の内部にて密閉状態とし、ベアチップCCDの背面に設けた圧電素子によってベアチップCCDを振動させることで、当該CCDの光電変換面に附着した塵埃等を除去する構成等についての提案が、例えば特開平9−130654号公報等によって開示されている。
他方、近年においては、光源から射出された光束を変調し画像情報に応じた光学像を液晶表示素子等の画像形成素子によって形成し、これにより形成された光学像をスクリーン等に対して拡大投射するように構成される投射型画像表示装置等の光学装置について、種々のものが提案され、また一般に実用化されている。
特開2003−348401号公報 特開2002−204379号公報 特開平9−130654号公報
ところが、上述の特開2003−348401号公報や特開2002−204379号公報等によって開示されている手段では、光学素子(防塵部材)の撮影レンズ側の面に附着した塵埃等のうち撮影結果に悪影響を及ぼすような大きさの塵埃等については、確実に除去することができるという効果を得ることができるのであるが、極めて微小な塵埃等については、なお光学素子面に残ってしまう可能性がある。
近年におけるデジタルカメラ等の撮像装置にあっては、撮像素子の各画素の微小化が進んでいることから、将来的には、極めて微小な塵埃等が画像に影響を及ぼすことも考えられる。
また、上述の特開平9−130654号公報に開示されている手段では、ベアチップCCDを念頭に入れて考案されている手段であるために、従来のデジタルカメラにおいて一般的に利用されているパッケイジCCDのような形態の撮像素子に対して適用するためには、最適な手段であるとは言えない。
つまり、一般的な形態のパッケイジCCD等に対して上述の特開平9−130654号公報に開示されている手段を適用した場合には、例えば撮像素子自体又はそのパッケイジに対して振動を加えることになるので、この加振作用によって撮像素子及びその近傍に配設される各種の機構に対して、例えば機構的な劣化や狂い等の悪影響が波及する虞があるという問題が生ずる可能性がある。
一方、従来の投射型画像表示装置等の光学装置においても、画像形成素子の表面に塵埃等が附着すると、この塵埃等の影がスクリーン上に拡大されて投影されてしまうことになり、投影する画像に悪影響を及ぼしてしまうという問題点があった。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、撮像素子を含む撮像素子ユニットを備えた撮像装置や画像形成素子により形成される光学像を拡大投射する投射型画像表示装置等の光学装置において、より簡単な構成で、微小な塵埃等をも確実に除去することができ、常に高画質の画像を表わす画像データを取得し、もしくは高画質の画像を投射し得るように構成した光学装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による光学装置は、画像形成素子もしくは撮像素子を含む画像形成体と、上記画像形成体の前方に配設される光学系と、上記光学系と上記画像形成体との間に配置され、画像用光束を透過可能な透過部を有し、この透過部が上記画像形成体に対して所定の間隔で対向配置される防塵部材と、上記光学系の光軸に沿う方向に対して略垂直方向の振動を上記防塵部材に与えるように伸縮振動をおこなう加振部材と、上記加振部材における伸長時と緊縮時とで上記防塵部材に与えられる振動速度に緩急差が生じるように上記加振部材の駆動制御をおこなう制御手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、撮像素子を含む撮像素子ユニットを備えた撮像装置や画像形成素子により形成される光学像を拡大投射する投射型画像表示装置等の光学装置において、より簡単な構成で、微小な塵埃等をも確実に除去することができ、常に高画質の画像を表わす画像データを取得し、もしくは高画質の画像を投射し得るように構成した光学装置を提供することができる。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について以下に説明する。本実施形態においては、本発明を適用する光学装置として撮像装置、具体的には、レンズ交換可能な一眼レフレックス方式のデジタルカメラ(以下、単にカメラという)を例示するものとする。
図1,図2は、本発明の第1の実施形態の撮像装置(カメラ)の概略的な構成を示す図である。このうち、図1は、当該撮像装置(カメラ)の一部を切断して、その内部構成を概略的に示す斜視図である。また、図2は、図1の撮像装置(カメラ)の主に電気的な構成を概略的に示すブロック構成図である。
本実施形態のカメラ1は、カメラ本体部11及びレンズ鏡筒12とからなり、両者(11・12)は、それぞれが別体に構成され、互いに着脱自在に構成されている。
レンズ鏡筒12は、複数の光学レンズ(光学素子)からなる光学系、即ち撮影光学系12aとその駆動機構や絞り羽根等の機構部材等を内部に保持して構成されている。この撮影光学系12aは、被写体からの光束を透過させることで当該被写光束により形成される被写体の像を所定の位置(後述する撮像素子27の光電変換面上)に結像させ得るように例えば複数の光学レンズ等によって構成されるものである。そして、このレンズ鏡筒12は、カメラ本体部11の前面に向けて突出するように配設されている。
なお、このレンズ鏡筒12については、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
カメラ本体部11は、内部に各種の構成部材等を備えて構成され、かつ撮影光学系12aを保持するレンズ鏡筒12を着脱自在となるように配設するための連結部材である撮影光学系装着部11aをその前面に備えて構成されている。これにより、いわゆるレンズ交換可能な一眼レフレックス方式のカメラ1が構成される。
カメラ本体部11の前面側の略中央部には、被写体光束を当該カメラ本体部11の内部へと導く所定の口径を有する露光用開口が形成されており、この露光用開口の周縁部に撮影光学系装着部11aが形成されている。
カメラ本体部11の外面側には、その前面に上述の撮影光学系装着部11aが配設されているほか、上面部や背面部等の所定の位置にカメラ本体部11を動作させるための各種の操作部材、例えば撮影動作を開始させるための指示信号等を発生させるためのレリーズボタン17等等が配設されている。これらの操作部材については、本発明とは直接関連しない部分であるので、図面の煩雑化を避けるために、レリーズボタン17以外の操作部材については、その図示及び説明を省略する。
カメラ本体部11の内部には、図1に示すように、各種の構成部材、例えば、撮影光学系12aによって形成される所望の被写体像を撮像素子27(画像形成体;図2参照)の光電変換面上とは異なる所定の位置に形成させるべく設けられ、いわゆる観察光学系を構成するファインダー装置13と、撮像素子27の光電変換面への被写体光束の照射時間等を制御するシャッタ機構等を備えたシャッター部14や撮影光学系12aを透過した被写体光束に基づいて形成される被写体像に対応した画像信号を得る撮像素子27及び同撮像素子27の光電変換面の前面側の所定の位置に配設され当該光電変換面への塵埃等の附着を予防する防塵部材である防塵フイルター21(詳細は後述する)等からなるアッセンブリである撮像ユニット15(詳細は後述する)と、撮像素子27により取得した画像信号に対して各種の信号処理を施す画像信号処理回路16a(図2参照)等の電気回路を構成する各種の電気部材が実装される主回路基板16を始めとした複数の回路基板(図1では主回路基板16のみを図示している)等が、それぞれ所定の位置に配設されている。
ファインダー装置13は、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得るように構成される反射鏡13bと、この反射鏡13bから出射する光束を受けて正立正像を形成するペンタプリズム13aと、このペンタプリズム13aにより形成される像を拡大して観察するのに最適な形態の像を結像させる接眼レンズ13c等によって構成されている。
反射鏡13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する位置と当該光軸上の所定の位置との間で移動自在に構成され、通常状態においては、撮影光学系12aの光軸上において当該光軸に対して所定の角度、例えば角度45度を有して配置されている。これにより、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、当該カメラ1が通常状態にあるときには、反射鏡13bによってその光軸が折り曲げられて、当該反射鏡13bの上方に配置されるペンタプリズム13aの側へと反射されるようになっている。
一方、本カメラ1が撮影動作の実行中において、その実際の露光動作中には、当該反射鏡13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置(特に図示せず)に移動するようになっている。これによって、被写体光束は、撮像素子27の側へと導かれ、その光電変換面を照射するようになっている。
シャッター部14は、例えばフォーカルプレーン方式のシャッター機構や、このシャッター機構の動作を制御する駆動回路等、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。したがって、その詳細な構成についての説明は省略する。
また、本カメラ1の内部には、上述したように複数の回路基板が配設され、各種の電気回路を構成している。本カメラ1の電気的な構成は、図2に示すように、例えば本カメラ1の全体を統括的に制御する制御回路であるCPU41と、撮像素子27によって取得した画像信号に基づいて記録に適合する形態の信号に変換する信号処理等、各種の信号処理を施す画像信号処理回路16aと、この画像信号処理回路16aによって処理済みの画像信号や画像データ及びこれに付随する各種の情報等を一時的に記録するワークメモリ16bと、この画像信号処理回路16aによって生成された所定の形態の記録用の画像データを所定の領域に記録する記録媒体43と、この記録媒体43と本カメラ1の電気回路とを電気的に接続すべく構成される記録媒体インターフェイス42と、画像を表示するための液晶表示装置(LCD)等からなる表示部46と、この表示部46と本カメラ1との間を電気的に接続し画像信号処理回路16aによって処理済の画像信号を受けて表示部46を用いて表示するのに最適な表示用の画像信号を生成する表示回路47と、乾電池等の二次電池等からなる電池45と、この電池45又は所定の接続ケイブル44a等により供給される外部電源(AC)からの電力を受けて本カメラ1を動作させるのに適するように制御し各電気回路へと配電する電源回路44と、撮像ユニット15に含まれる防塵フイルター21に所定の方向への振動を発生させるための電気回路であって当該防塵フイルター21の近傍に配設される加振部材である積層型の圧電素子18(詳細は後述する)の駆動制御をおこなう圧電素子駆動部48等によって主に構成されている。
次に、本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の詳細構成について、以下に説明する。
図3,図4,図5は、本実施形態のカメラ1における撮像ユニットの一部を取り出して示す図である。このうち、図3は、当該撮像ユニットを分解して示す要部分解斜視図である。図4は、当該撮像ユニットを組み立てた状態を示す斜視図である。図5は、図4の[V]−[V]線に沿う断面図である。
なお、本実施形態のカメラ1の撮像ユニット15は、上述したようにシャッター部14(図1,図2参照)を含む複数の部材によって構成されるユニットであるが、図3,図4,図5においては、その主要部を図示するに留め、シャッター部14自体の図示は省略している。また、各構成部材の位置関係を示すために、図3においては、当該撮像ユニット15の近傍に設けられ撮像素子27等の撮像系の電気回路が実装される主回路基板16を合わせて図示している。なお、この主回路基板16には、画像信号処理回路16aやワークメモリ16b(図2参照)等が実装されているものであるが、それ自体の詳細については従来のカメラ等において一般的に利用されているものが適用されるものとして、その説明は省略する。
撮像ユニット15は、撮影光学系12a(図1,図2参照)を透過して自己の光電変換面上に照射される光に対応した画像信号を得る撮像素子27と、この撮像素子27を固定支持する薄板状の部材からなる撮像素子固定板28と、撮像素子27の光電変換面の側に配設され撮影光学系12aを透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除くべく形成される光学素子である光学的ローパスフイルター(Low Pass Filter;以下、光学LPFという)25と、この光学LPF25と撮像素子27との間の周縁部に配置され略枠形状の弾性部材等によって形成されるローパスフイルター受け部材26と、撮像素子27を収納し固定保持すると共に光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持しかつ所定の部位を後述する防塵フイルター受け部材23に密に接触するように配設される撮像素子収納ケース部材24(以下、CCDケース24という)と、このCCDケース24の前面側に配置され防塵フイルター21(防塵部材)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フイルター受け部材23と、この防塵フイルター受け部材23によって支持され撮像素子27の光電変換面の側であって光学LPF25の前面側において当該光学LPF25に対して所定の間隔を持つ所定の位置に対向配置され被写体から撮影光学系12aを透過して入射する光束(画像用光束)を透過可能な透明部である透過部21cを有する防塵部材である防塵フイルター21と、この防塵フイルター21に対して所定の方向の振動を与えるための加振部材である積層型の圧電素子(積層型圧電素子;以下、単に圧電素子という)18と、防塵フイルター21を防塵フイルター受け部材23に対して気密的に接合させ保持する弾性体からなる押圧部材20等によって主に構成されている。
なお、本実施形態においては、上述の積層型圧電素子18と圧電素子駆動部48(図2参照)等によって加振手段が構成される。
この加振手段のうち、積層型圧電素子(以下、単に圧電素子という)18は、防塵フイルター21に対して所定の方向、即ち撮影光学系12aの光軸に沿う方向に対して略直交する方向。防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向)への振動を与えるための加振部材であって、例えば電気機械変換素子等からなる。つまり、この圧電素子18に対して圧電素子駆動部48の駆動制御により所定の電圧が印加されることで、当該圧電素子18は、所定の方向に伸縮振動するようになっている。
この圧電素子18が伸縮振動する方向における一端側には、当該圧電素子18の伸縮振動を防塵フイルター21に伝達するためのホルダ部材18aが、例えば接着剤等によって接着固定されている。そのために、このホルダ部材18aは、防塵フイルター21の外周縁部に接触した状態で、例えば接着剤等によって接着固定されている。また、当該圧電素子18の他端側には、慣性質量部材である慣性体18dが、例えば接着剤等によって接着固定されている。
一方、圧電素子駆動部48は、CPU41の制御指令を受けて圧電素子18を駆動制御するための電気回路である。この圧電素子駆動部48がCPU41の制御指令により圧電素子18への印加電圧の制御をおこなうことで、防塵フイルター21に所定の方向(撮影光学系12aの光軸に沿う方向に対して略直交する方向。防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向)の振動を発生させるようになっている。
撮像素子27は、撮影光学系12aを透過した被写体光束を自己の光電変換面に受けて光電変換処理をおこなうことによって、この光電変換面に形成される被写体像に対応した画像信号を取得するものであって、例えば電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)が適用される。
この撮像素子27は、撮像素子固定板28を介して主回路基板16上の所定の位置に実装されている。この主回路基板16には、上述したように画像信号処理回路16a及びワークメモリ16b等が共に実装されており(図3では特に図示せず。図2参照)、撮像素子27からの出力信号、即ち光電変換処理により得られた画像信号が画像信号処理回路16a等へと電送されるようになっている。
この画像信号処理回路16aにおいてなされる信号処理としては、例えば撮影光学系装着部11aに装着されたレンズ鏡筒12の内部に保持される撮影光学系12aによって撮像素子27の光電変換面上に結像された像に対応するものとして当該撮像素子27から得られた画像信号を記録に適合する形態の信号に変換する処理等、各種の信号処理である。このような信号処理は、電子的な画像信号を取り扱うように構成される一般的なデジタルカメラ等において通常になされる処理と同様である。したがって、当該カメラ1において実行される各種の信号処理についての詳細な説明は省略する。
撮像素子27の前面側には、ローパスフイルター受け部材26を挟んで光学LPF25が配設されている。そして、これを覆うようにCCDケース24が配設されている。
CCDケース24には、略中央部分に矩形状からなる開口24cが設けられており、この開口24cには、その後方側からローパスフイルター受け部材26及び光学LPF25と撮像素子27とが配設されるようになっている。この開口24cの後方側の内周縁部には、図5に示すように断面が略L字形状からなる段部24aが形成されている。
上述したように光学LPF25と撮像素子27との間には、弾性部材等からなるローパスフイルター受け部材26が配設されている。このローパスフイルター受け部材26は、撮像素子27の前面側の周縁部においてその光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、かつ光学LPF25の背面側の周縁部近傍に当接している。そして、光学LPF25と撮像素子27との間の気密性を保持する役目をしている。これと同時に、光学LPF25に対しては、ローパスフイルター受け部材26による撮影光学系12aの光軸に沿う方向への弾性力が働いている。
そして、光学LPF25は、その前面側の周縁部が、CCDケース24の段部24aに対して略気密的に接触するように配置されている。これにより、CCDケース24の段部24aは、当該光学LPF25を撮影光学系12aの光軸に沿う方向に変位させようとするローパスフイルター受け部材26による弾性力を受けて撮影光学系12aの光軸に沿う方向における光学LPF25の位置を規制する役目をしている。
換言すれば、CCDケース24の開口24cの内部に背面側より挿入された光学LPF25は、段部24aによって撮影光学系12aの光軸に沿う方向における位置規制がなされている。これにより、当該光学LPF25は、CCDケース24の内部から前面側へ向けて外部に抜け出ないようになっている。
このようにして、CCDケース24の開口24cの内部に背面側から光学LPF25が挿入された後、光学LPF25の背面側には、その周縁部に挟持されるローパスフイルター受け部材26を介して撮像素子27が配設されている。
また、撮像素子27は、上述したように撮像素子固定板28を挟んで主回路基板16に実装されている。撮像素子固定板28は、CCDケース24の背面側からネジ孔24eに対してネジ28bによってスペーサ28aを介して固定されている。また、撮像素子固定板28には、主回路基板16がスペーサ16cを介してネジ16dによって固定されている。
CCDケース24の前面側には、防塵フイルター受け部材23がCCDケース24のネジ孔24bに対してネジ23bによって固定されている。この場合において、CCDケース24の前面側の周縁部近傍の所定の部位には、図3,図5に示すように周溝24dが略環状に形成されている。その一方で、防塵フイルター受け部材23の背面側の周縁部近傍の所定の位置には、CCDケース24の周溝24dに対応させた環状凸部23d(図3には図示出来ず。図5参照)が全周にわたって略環状に形成されている。したがって、環状凸部23dと周溝24dとが嵌合することによって、CCDケース24と防塵フイルター受け部材23とは、環状の領域、即ち周溝24dと環状凸部23dとが形成される領域において相互に略気密的に嵌合するようになっている。
防塵フイルター21は、全体として円形乃至多角形の板状をなし、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部(透過部21c)をなすように形成される光学部材であって、光学LPF25及び撮像素子27の光電変換面の外表面への塵埃等の附着を予防する防塵部材である。防塵フイルター21の透過部21cは、光学LPF25(撮像素子27の光電変換面)の前面に対して所定の間隔を持って対向配置されている。
また、防塵フイルター21は、図4,図5に示すように防塵フイルター受け部材23に対して気密的に接合するように配置される。この場合において、防塵フイルター21は、板ばね等の弾性体からなる押圧部材20の弾性力によって、その前面側の外周縁部が、所定の方向、即ち撮影光学系12aの光軸に沿う方向であって前面側から背面側に向けて押圧されることで、防塵フイルター受け部材23の前面側の所定位置に保持されている。
ここで、防塵フイルター21が防塵フイルター受け部材23に対して保持される部位の機構について、さらに詳しく説明する。
即ち、図3に示すように防塵フイルター受け部材23の略中央部近傍には、円形状又は多角形状からなる開口23fが設けられている。この開口23fは、撮影光学系12aを透過した被写体光束を通過させて、この被写体光束がその後方に配置される撮像素子27の光電変換面を照射するのに充分な大きさとなるように設定されている。
この開口23fの周縁部には、前面側に突出する壁部23e(図3,図5参照)が略環状に形成されており、この壁部23eの先端側には、さらに前面側に向けて突出するように受け部23cが形成されている。
一方、防塵フイルター受け部材23の前面側において、壁部23eの外周縁部近傍には、所定の位置に複数(本実施形態では三箇所)の突状部23aが前面側に向けて突出するように形成されている。この三つの突状部23aは、それぞれが防塵フイルター21の周囲に対して角度略120度の間隔を有して配置されている。
突状部23aは、防塵フイルター21を保持する押圧部材20を固設するために形成される部位である。押圧部材20は、突状部23aの先端部に対して締結手段であるねじ20aにより固設されている。
押圧部材20は、上述したように板ばね等の弾性体によって形成される部材であって、その基端部が突状部23aの先端部に固設され、自由端部が防塵フイルター21の外周縁部に当接することで、当該防塵フイルター21を防塵フイルター受け部材23の側、即ち撮影光学系12aの光軸に沿う方向に向けて押圧し、防塵フイルター21を保持している。
この場合において、押圧部材20の自由端部側の先端部近傍であって、当該押圧部材20が突状部23aに固設状態とされたときに防塵フイルター21に対向する面には、当該防塵フイルター21のがわに向けて突出する凸形状部20bが形成されている。そして、この凸形状部20bが、防塵フイルター21の前面側の外周縁部近傍の所定の部位に当接するように、当該押圧部材20は配置される。
一方、防塵フイルター21の背面側の外周縁部近傍の所定の部位には受け部23cが当接するようになっている。これにより、防塵フイルター21は、押圧部材20の凸形状部20bと受け部23cとの間に挟持された状態となっている。そして、この状態において、防塵フイルター21の前面側から押圧部材20の弾性押圧力が加わることにより、当該防塵フイルター21は、受け部23cに向けて撮影光学系12aの光軸に沿う方向に押圧されている。これにより、同方向における防塵フイルター21の位置が規制されるようになっている。これと同時に、防塵フイルター21と防塵フイルター受け部材23との間においては、気密的な接合が保持されるようになっている。
換言すれば、防塵フイルター受け部材23は、押圧部材20による弾性力によって防塵フイルター21を気密的に接合するように構成されている。
なお、この場合において、押圧部材20による押圧力は、防塵フイルター21と防塵フイルター受け部材23の受け部23cとの間の充分な気密性を確保し得ると同時に、圧電素子18による防塵フイルター21に所定の方向(撮影光学系12aの光軸に沿う方向に対して略直交する方向。防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向)の振動を阻害しない程度の力量に設定されている。
また、これに加えて、押圧部材20の凸形状部20b及び受け部23cにおいて、防塵フイルター21に接触する部位のそれぞれには、例えば潤滑シートの貼着等の手段によって、潤滑性を有するように形成されている。
このような構成によって防塵フイルター21は、その水平方向、即ち透過部21cの面に沿う方向に対しては摺動自在に、かつ撮影光学系12aの光軸に沿う方向に対しては移動しないように保持されている。
ところで、上述したように防塵フイルター受け部材23とCCDケース24とは、周溝24dと環状凸部23d(図3,図5参照)とが相互に略気密的に嵌合するようになっている。これと同時に、防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21とは、押圧部材20の附勢力により気密的に接合するようになっている。また、CCDケース24に配設される光学LPF25は、光学LPF25の前面側の周縁部とCCDケース24の段部24aとの間で略気密的となるように配設されている。さらに、光学LPF25の背面側には、撮像素子27がローパスフイルター受け部材26を介して配設されており、光学LPF25と撮像素子27との間においても、略気密性が保持されるようになっている。
したがってこれにより、図5に示すように光学LPF25と防塵フイルター21とが対向する間の空間には空隙部51aが形成されることになる。また、光学LPF25の周縁側、即ちCCDケース24と防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21とによって空間部51bが形成されている。この空間部51bは、光学LPF25の外側に張り出すようにして形成されている封止された空間である(図5参照)。この空間部51bは、空隙部51aよりも広い空間となるように設定されている。そして、空隙部51aと空間部51bとからなる空間は、上述した如くCCDケース24と防塵フイルター受け部材23と防塵フイルター21と光学LPF25とによって略気密的に封止される封止空間51となっている。
このように、本実施形態のカメラにおける撮像ユニット15は、光学LPF25及び防塵フイルター21の周縁に形成される空隙部51a及び空間部51bからなる略密閉された封止空間51を形成する封止構造部を有して構成されている。そして、この封止構造部は、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側の位置に設けられるようになっている。
つまり、本実施形態における封止構造部は、防塵フイルター21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フイルター受け部材23と、光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に自己の所定部位で防塵フイルター受け部材23と密に接触するように配設されるCCDケース24等によって構成されている。
上述のように構成された本実施形態のカメラにおいては、撮像素子27の前面側の所定の位置に防塵フイルター21を対向配置し、撮像素子27の光電変換面と防塵フイルター21との周縁に形成される封止空間51を封止するように構成したことによって、撮像素子27の光電変換面や光学LPF25の外表面に塵埃等が附着するのを予防している。
そして、防塵フイルター21の前面側の露出面に附着する塵埃等については、防塵フイルター21の外周縁部近傍において同防塵フイルター21の外周端面に接触させて配置される圧電素子18に対して周期電圧を印加することで防塵フイルター21に対して所定の振動を与え、これらの塵埃等を除去することができるようになっている。
なお、この場合において、防塵フイルター21に対して振動を与える際の圧電素子18の駆動制御については、さまざまな制御が考えられる。その制御の詳細については後述する。
このように構成される本実施形態のカメラ1において、その撮像ユニット15のうち防塵フイルター21及び圧電素子18の作用を図6〜図11を用いて以下に説明する。
図6は、本実施形態のカメラにおいて、防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)の配置を正面から見た際の配置図である。図7,図9は、図6の防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を側面から見た際の概念図であって、各図(A)〜(C)によって加振部材(圧電素子)が伸縮するのに伴って防塵部材(防塵フイルター)が所定方向に移動する際の経緯をそれぞれ示している。なお、図7,図9は、図6の[VII]−[VII]線に沿う断面に相当する。
また、図7,図9は、それぞれ異なる形態の印加電圧を加えることによる動作の違いを示している。これら図7,図9に示す動作をそれぞれ実現するための各印加電圧の状態変化を、図8,図10にそれぞれ示している。このうち、図8は、図7の(A)〜(C)に示す各状態に対応している。また、図10は、図7とは異なる形態の印加電圧の状態変化を示し、図9の(A)〜(C)の各状態に対応している。
図11は、加振部材(圧電素子)を伸縮駆動させるために印加する印加電圧の状態変化によるパルス波形であって、図7及び図9の駆動制御を交互におこなう場合のパルス波形を示している。
図12は、本実施形態の撮像装置における撮影動作処理の概略を示すフローチャートである。図13は、本実施形態の撮像装置における撮影動作処理の変形例を示すフローチャートである。
なお、図6以降の各図において図示される各部材の動作については、図示によって作用を説明する便宜上から誇張して図示している。
圧電素子18の伸縮振動を防塵フイルター21に伝達して、当該防塵フイルター21を所定の方向に振動させることで、防塵フイルター21の前面側の露出面に附着した微小な塵埃等を除去する際の作用について、図6〜図10を用いて以下に説明する。
圧電素子18は、周知のように電圧を印加すると微小に伸縮する素子である。したがって、図6に示す無負荷状態にあるときに、CPU41の制御によって圧電素子駆動部48(図2参照)を介して圧電素子18に対してプラス(+)またはマイナス(−)の電圧を印加するものとする。すると、当該圧電素子18は、図6に示す矢印T方向に伸縮する。
この場合において、圧電素子18の伸縮方向は、防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向であって、撮影光学系12aの光軸に沿う方向に対して略直交する方向となるように設定されている。
まず、図7(A)に示す状態は、圧電素子18が最も伸長したときの状態を示している。このときの印加電圧の状態は、図8の符号A1で示す如く、プラス(+)の印加電圧V2が印加された状態である。
この状態から図7(B)に示す状態に向けて圧電素子18を緊縮させる。そのために、圧電素子18には、図8に示す符号A1の時点の印加電圧V2から同図符号B1の時点の印加電圧V1となるまで緩やかなカーブで減圧されるように印加電圧の制御がなされる。
すると、圧電素子18はゆっくりと、図7(B)の矢印T1方向に向けて緊縮する。これに伴って、慣性体18dも同方向に図7(B)の符号D1だけ移動する。このとき、圧電素子18の緊縮速度及び慣性体18dの移動速度は遅くなるように印加電圧の減圧をおこなっている。したがって、防塵フイルター21は、押圧部材20による押圧力によって不動状態が維持されている。
つまり、この状態においては、防塵フイルター21は、押圧部材20と受け部23cとによって挟持された状態にあり、両者による静止摩擦力の方が、圧電素子18が移動することにより生じる慣性体18dの慣性力よりも大きい状態にある。押圧部材20と受け部23cとによる防塵フイルター21の静止摩擦力は、そのように設定されている。
次いで、図7(B)の状態において、圧電素子18への印加電圧は、図8に示す符号B1の時点で所定の電圧値V1となる。この状態となったとき、CPU41は、圧電素子駆動部48を介して圧電素子18に対して急激に印加電圧を印加する。つまり、ここで、印加電圧は、図8に示す符号B1の時点の印加電圧V1から同図符号C1の時点の印加電圧V2となるまで急激なカーブによって加圧される。
これによって圧電素子18は急激な加速度をもって図7(C)に示す矢印T1方向に向けて図7(C)の符号D2で示す分だけ伸長する。このとき、慣性体18dは、自己の重量によって、その位置に留まる一方、防塵フイルター21は、図7(C)に示す矢印T1方向に向けて図7の符号S1で示す分だけ移動する。
ここで、防塵フイルター21の表面上(前面側の露出面上)に図7の符号Gで示すような微小な塵埃が附着しているものとする。この場合において、図7(A)の状態から図7(B)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21は不動であるので塵埃Gもまた不動である。
次いで、図7(B)の状態から図7(C)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21が急激に矢印T1方向へと移動するため、その表面上にある塵埃Gは、図7(C)の矢印Uに示すように、防塵フイルター21の表面上から離脱し浮上する。その後、例えば防塵フイルター21の表面上に、再度落下することになる。このとき、防塵フイルター21自体は、図7(C)の符号S1で示す分だけ同図矢印T1方向に移動しているので、塵埃Gの落下地点は、相対的に同図(C)の矢印T2方向に符号S1と略同距離分だけ移動した地点になる。
このように、圧電素子18に対して印加する印加電圧を、図8に示すような形態で、所定の周波成分を有するパルス波形の電圧が印加されるような制御をおこなって、防塵フイルター21を所定の方向(矢印T1方向)に急激に振動させれば、当該防塵フイルター21上の微小塵埃Gは、防塵フイルター21の表面から浮上する。そして、微小塵埃Gが浮上している間に防塵フイルター21は矢印T1方向に距離S1だけ移動するので、防塵フイルター21の表面上より浮上した微小塵埃Gは、防塵フイルター21の移動方向(T1方向)とは相対的に反対向きの矢印T2方向に同距離S1だけ移動する結果になる。
そして、防塵フイルター21は、実際のカメラ1の内部においては、通常の場合、その表面は撮影光学系12aの光軸に対して略直交する方向に沿うように配置されている。つまり、カメラ1が通常姿勢にある場合には、防塵フイルター21の表面は、鉛直方向に沿うように配置されている。したがって、カメラ1が通常姿勢にあれば、塵埃Gは防塵フイルター21の表面上から離脱し浮上するのと同時にカメラ1の底面側に向けて落下することになる。これにより、防塵フイルター21から塵埃Gは容易に除去されることになる。
次に、図10に示すような形態の印加電圧を与えることによって、上述の図8の場合とは逆方向に防塵フイルター21を移動させる際の作用を説明する。
まず、図9(A)に示す状態は、圧電素子18が所定の状態まで緊縮したときの状態を示している。つまり、CPU41の制御によって圧電素子駆動部48(図2参照)を介して圧電素子18に対して印加電圧V1が印加されることで、当該圧電素子18は所定量の緊縮状態を維持している。このときの印加電圧の状態は、図10の符号A2で示す如く印加電圧V1が印加された状態である。
この状態から図9(B)に示す状態に向けて圧電素子18を伸長させる。そのために、圧電素子18に印加する印加電圧は、図10に示す符号A2の時点の印加電圧V1から同図符号B2の時点の印加電圧V2となるまで緩やかなカーブで加圧される。
すると、圧電素子18はゆっくりと、図9(B)の矢印T2方向に向けて伸長する。これに伴って、慣性体18dも同方向に図9(B)の符号D3だけ移動する。このとき、圧電素子18の伸長速度及び慣性体18dの移動速度は遅くなるように印加電圧の加圧がおこなわれる。したがって、防塵フイルター21は、押圧部材20による押圧力によって不動状態が維持されている。つまり、この状態においては、防塵フイルター21は、押圧部材20と受け部23cとによって挟持された状態にあり、両者による静止摩擦力の方が、圧電素子18が移動することにより生じる慣性体18dの慣性力よりも大きい状態にある。
そして、図9(B)の状態において、圧電素子18への印加電圧は、図10に示す符号B2の時点で所定の電圧値V2となる。この状態となったとき、CPU41は、圧電素子駆動部48を介して圧電素子18に対して急激に印加電圧を減圧する。つまり、ここで、印加電圧は、図10に示す符号B2の時点の印加電圧V2から同図符号C2の時点の印加電圧V1となるまで急激なカーブによって減圧される。
これによって圧電素子18は急激な加速度をもって図9(C)に示す矢印T2方向に向けて図9(C)の符号D4で示す分だけ緊縮する。このとき、慣性体18dは、自己の重量によって、その位置に留まる一方、防塵フイルター21は、図9(C)に示す矢印T2方向に向けて図9(C)の符号S2で示す分だけ移動する。
ここで、防塵フイルター21の表面上(前面側の露出面上)に図9の符号Gで示すような微小な塵埃が附着しているものとする。この場合において、図9(A)の状態から図9(B)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21は不動であるので塵埃Gもまた不動である。
次いで、図9(B)の状態から図9(C)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21が急激に矢印T2方向へと移動するため、その表面上にある塵埃Gは、図9(C)の矢印Uに示すように、防塵フイルター21の表面上から離脱し浮上する。その後、例えば防塵フイルター21の表面上に、再度落下することになる。このとき、防塵フイルター21自体は、図9(C)の符号S2で示す分だけ同図矢印T2方向に移動しているので、塵埃Gの落下地点は、相対的に同図(C)の矢印T1方向に符号S2と略同距離分だけ移動した地点になる。
このように、圧電素子18に対して印加する印加電圧を、図10に示すような形態で、所定の周波成分を有するパルス波形の電圧が印加されるような制御をおこなって、防塵フイルター21を所定の方向(矢印T2方向)に急激に振動させれば、当該防塵フイルター21上の微小塵埃Gは、防塵フイルター21の表面から浮上する。そして、微小塵埃Gが浮上している間に防塵フイルター21は矢印T2方向に距離S2だけ移動するので、防塵フイルター21の表面上より浮上した微小塵埃Gは、防塵フイルター21の移動方向(T2方向)とは相対的に反対向きの矢印T1方向に同距離S2だけ移動する結果になる。
そして、カメラ1が通常姿勢にある場合には、塵埃Gは防塵フイルター21の表面上から離脱し浮上するのと同時にカメラ1の底面側に向けて落下し除去されるのは、上述の図7,図8の場合と同様である。
さらに、図8に示す印加電圧の制御と、図10に示す印加電圧の制御とを、適宜組み合わせておこなうことによって、防塵フイルター21を図7,図9に示す矢印T1とT2方向とに交互に移動させ、連続的な振動を発生させることができるので、防塵フイルター21の外表面上に附着した塵埃Gを、より確実に離脱させ除去することができるようになる。
この場合の例として、例えば図11に示すような形態の印加電圧のパルス波形による制御が考えられる。この図11に示す例では、上述の図7,図8によって説明した印加電圧の制御作用と、上述の図9,図10によって説明した印加電圧の制御作用とを交互におこなうようにするものである。
この場合における作用の概略は次のとおりとなる。即ち、図11に示す符号A1の時点から同図符号C1の時点までの印加電圧の状態変化は、図7(A)〜図7(C)の間の状態変化における圧電素子18の駆動制御及びその動作と同様である。
次いで、図11の符号C1の時点から同図符号A2の時点までの印加電圧の状態変化は、図7(C)の状態から図9(A)の状態に移行させるための印加電圧の減圧である。即ち、図11の符号C1の時点では、図7(C)の状態と同様に、圧電素子18は伸長状態にあり、このとき同圧電素子18には印加電圧V2が印加されている。この状態から、図9(A)と同等の状態とするために、図11の符号C1の時点から同図符号A2の時点へ向けて圧電素子18への印加電圧V2を徐々に減圧して印加電圧V1とする。これにより、圧電素子18を所定量の緊縮状態とする。このときの印加電圧の減圧は、緩やかなカーブでおこなわれるので、圧電素子18はゆっくり緊縮される。したがって、防塵フイルター21は、図7(C)における位置が維持される。
これにより、図11の符号A2の時点において、防塵フイルター21の押圧部材20及び受け部23cに対する相対的な位置関係は、図7(C)の状態を維持したまま、圧電素子18及び慣性体18dの状態は図9(A)と同等の状態となる。
この状態において、印加電圧の状態を図11の符号A2の時点から同図符号C2の時点まで変化させる。この駆動制御は、上述の図9(A)〜図9(C)の間の状態変化における圧電素子18の駆動制御及びその動作と同様である。これにより、防塵フイルター21は、図7(C)に示す位置から図9の矢印T2方向に振動する。
なお、図9(C)の状態から、さらに図7(A)の状態へと移行させるために、図11の符号C2の時点から同図符号A1の時点に至る間、印加電圧V1から印加電圧V2への加圧を緩やかなカーブでおこなう。
この一連の駆動制御を連続的におこなえば、防塵フイルター21に対して異なる方向の振動を交互に連続的に与えることになるので、微小な塵埃等をもより効率よく防塵フイルター21の表面上から離脱させ除去することができる。
以上のように構成される本実施形態の撮像装置(カメラ1)において、撮影動作がおこなわれる際の制御処理の流れを、図12のフローチャートを用いて、以下に説明する。
まず、使用者が、本実施形態のカメラ1における所定の操作部材(電源スイッチ等。特に図示せず)を操作することにより、本カメラ1は起動する。これにより、CPU41は、図12の撮影動作処理の実行を開始する(スタート)。
図12のステップS1において、CPU41は、システム起動時における初期設定動作の処理を実行する。その後、ステップS2の処理に進む。
ステップS2において、CPU41は、加振動作処理を実行する。ここでおこなわれる加振動作処理は、図6〜図10において説明した一連の作用を実行するための制御処理である。つまり、加振動作処理は、加振手段(圧電素子18及び圧電素子駆動部48)を駆動制御することで、防塵フイルター21に対して所定の方向の振動を加える動作処理である。
次いで、ステップS3において、CPU41は、アクセサリーの着脱検出動作を実行する。このアクセサリーの着脱検出動作は、カメラ本体部11から例えばレンズ鏡筒12等のアクセサリーが着脱されたか否かの検出動作である。
まず、ステップS4において、アクセサリーの着脱が検出されない場合には、ステップS6の処理に進む。一方、ステップS4において、アクセサリーの着脱が検出された場合には、ステップS5の処理に進む。
ステップS5において、CPU41は、加振動作処理を実行する。ここでおこなわれる加振動作処理は、上述のステップS2の処理と同様の処理である。その後、ステップS6の処理に進む。
ステップS6において、CPU41は、各種操作スイッチ(SW。特に図示せず)の状態検出処理を実行する。ここで状態を検出する操作スイッチとしては、例えばレリーズボタン17の操作に連動するレリーズスイッチや電源スイッチ等である。このレリーズスイッチは、一般的なカメラ等に用いられる二段スイッチによって構成されている。すなわち、レリーズボタン17の半押し操作にてファースト(1st.)レリーズスイッチがオン状態となり、続くレリーズボタン17の全押し状態にてセカンド(2nd.)スイッチがオン状態となるように構成される一般的なレリーズスイッチである。
ステップS7において、CPU41は、ファーストレリーズスイッチが操作されたか否かの確認をおこなう。ここで、同スイッチが操作されていないことが確認された場合には、ステップS13の処理に進む。そして、ステップS13において、CPU41は、電源スイッチの状態を確認する。ここで、電源スイッチの状態がオフ状態であることが確認されると、一連の処理を終了する(エンド)。また、電源スイッチの状態がオン状態であることが確認されると、上述のステップS3の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
一方、上述のステップS7において、CPU41によりファーストレリーズスイッチが操作されたことが確認されると、次のステップS8の処理に進む。
ステップS8において、CPU41は、被写体輝度の測定及びTV値とAV値の算出をおこなういわゆる測光処理を実行する。
続いて、ステップS9において、CPU41は、AFセンサを制御して焦点ズレ量を検出をおこなういわゆるオートフォーカス(AF)処理を実行する。
次いで、ステップS10において、CPU41は、上述のステップS9によるAF処理の結果、検出された焦点ズレ量が許容値以内か否かの判断をおこなう。ここで、ズレ量が許容値以内ではないと判断された場合には、ステップS11の処理に進む。そして、このステップS11において、CPU41は、撮影光学系12aの駆動制御をおこなった後、上述のステップS3の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
一方、上述のステップS10において、ズレ量が許容値以内であると判断された場合には、次のステップS12の処理に進む。
ステップS12において、CPU41は、セカンドレリーズスイッチが操作されたか否か否かの確認をおこなう。ここで、同スイッチが操作されていないことが確認された場合には、ステップS13の処理に進む。そして、ステップS13において、CPU41は、電源スイッチの状態を確認する。ここで、電源スイッチの状態がオフ状態であることが確認されると、一連の処理を終了する(エンド)。また、電源スイッチの状態がオン状態であることが確認されると、上述のステップS3の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
一方、上述のステップS12において、CPU41によりセカンドレリーズスイッチが操作されたことが確認されると、次のステップS14の処理に進む。
ステップS14において、CPU41は、レンズ鏡筒12の絞り制御処理を実行する。この絞り制御処理は、上述のステップS8における算出結果に基づいてレンズ鏡筒12の内部に設けられる絞り羽根の開閉動作をおこなって所定の絞り値を設定制御する処理である。
次いで、ステップS15において、CPU41は、ミラーアップ制御処理を実行する。このミラーアップ制御処理は、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得る位置にある反射鏡13bを、撮影光学系12aの光軸から退避する位置へと移動させる動作をおこなわせる制御である。このミラーアップ動作によって、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、撮像素子27の光電変換面に向けて進むことになる。
続いて、ステップS16において、CPU41は、シャッターオープン制御処理を実行する。このシャッターオープン制御処理は、上述のステップS8における算出結果に基づいてカメラ本体部11の内部に設けられるシャッター機構の開動作を制御する処理である。
そして、ステップS17において、CPU41は、撮像素子27,画像信号処理回路16a,ワークメモリ16b,表示回路47,LCD46等を駆動制御して撮像動作処理を実行する。この撮像動作処理は、撮像素子27を駆動して光電変換処理をおこなって、その結果画像信号を取得する処理や、これにより得られた画像信号に対して画像信号処理回路16a等において所定の信号処理を施して所定の形態の画像データに変換する処理や、生成された画像データをワークメモリ16bに転送して一時的に記録したり、同画像データを表示回路47へと転送し、この表示回路47にて所定の表示形態の画像信号を生成しLCD46によって画像表示処理をおこなう等の一連の制御処理である。
これと並行して、CPU41は、ステップS18において、シャッタークローズ制御処理を実行する。このシャッタークローズ制御処理は、上述のステップS8における算出結果に基づいてカメラ本体部11の内部に設けられるシャッター機構の閉動作を制御する処理である。
続いて、ステップS19において、CPU41は、ミラーダウン制御処理及びシャッターチャージ制御処理を実行する。このうち、ミラーダウン制御処理は、撮影光学系12aの光軸から退避する位置にある反射鏡13bを、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得る位置へと移動させる動作をおこなわせる制御である。このミラーダウン動作によって、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、反射鏡13bによってその光軸が折り曲げられて、当該反射鏡13bの上方に配置されるペンタプリズム13aの側へと反射されることになる。
また、シャッターチャージ制御処理は、次の撮影動作についての準備動作であって、シャッター機構を制御してチャージ状態にする制御である。
そして、ステップS20において、CPU41は、レンズ鏡筒12の絞り制御処理を実行する。ここでおこなう絞り制御処理は、上述のステップS8における算出結果に基づいて所定の絞り値に設定されている絞り羽根を動作させてこれを全開状態、すなわち開放状態に設定制御する処理である。
次に、ステップS21において、CPU41は、記録媒体インターフェイス42を介して記録媒体43が本カメラ1のカメラ本体部11の所定の部位に装備されているか否かの確認をおこなう。この場合において、カメラ本体部11に記録媒体43が装備されいることがCPU41によって確認されると、次のステップS22の処理に進む。
ステップS22において、CPU41は、画像データの記録動作処理を実行する。この画像データの記録動作処理は、上述のステップS17における撮像動作処理により取得生成され、ワークメモリ16b等の内部に一時的に記録済みの画像データについて、これを記録媒体インターフェイス42を介して記録媒体43に対して記録する制御動作である。
一方、上述のステップS21において、カメラ本体部11に記録媒体43が装備されていないことがCPU41によって確認されると、ステップS23の処理に進む。そして、このステップS23において、例えば表示回路47を介して接続されるLCD46の表示画面に、記録媒体43が装備されていない旨の警告表示処理を実行する。その後、上述のステップS3の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
上述の実施形態においては、図12のフローチャートで示されるように、加振手段を動作させるタイミング(加振動作処理の実行タイミング)としては、本カメラ1のシステム起動直後の時点(図12のステップS2)と、レンズ鏡筒12等のアクセサリーがカメラ本体部11から着脱された時点(図12のステップS5)としている。
この加振手段の動作タイミングとしては、これに限ることはなく、例えば次に説明する変形例のようにしてもよい(図13のフローチャート)。当該変形例では、上述の図12のステップS2及びステップS5の動作タイミングに加えて、撮像動作処理の前後の所定の時期(図13のステップS26及びステップS27)にも加振手段を動作させるようにしている。
すなわち、図13のステップS15のミラーアップ制御処理の後、ステップS26において、CPU41は光軸に対して垂直方向の加振動作をオン状態にする。つまり、CPU41は、圧電素子駆動部48を介して圧電素子18に対して所定の電圧を印加する。これにより、圧電素子18は防塵フイルター21を所定の方向、すなわち撮影光学系12aの光軸に沿う方向対して略直交する方向に振動させる。その後、次のステップS16の処理に進む。
また、図13のステップS18のシャッタークローズ制御処理の後、ステップS27において、CPU41は加振動作をオフ状態にする。つまり、CPU41は、圧電素子駆動部48を介して圧電素子18に対する電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子18による防塵フイルター21の所定の方向への振動は停止する。その後、次のステップS19の処理に進む。
図13のフローチャートにおいて、その他の処理ステップは、上述の図12のフローチャートと全く同様である。
このように、本例では、シャッターオープン制御処理(ステップS16)が実行される前の時点からシャッタークローズ制御処理(ステップS18)の実行後の時点までの間、加振手段によって防塵フイルター21を所定の方向に振動させるようにしている。本カメラ1がこの状態にあるときは、シャッターが開状態とされて、防塵フイルター21の外表面が外部に対して最も露出する状態にある。したがって、このとき防塵フイルター21の外表面に対して塵埃等が最も附着しやすい状態にあると言える。
そこで、図13のフローチャートに示すような制御処理をおこなうと、撮像動作中においてシャッター機構が開状態にあるタイミングで加振手段によって防塵フイルター21を所定の方向に振動させて、これにより塵埃等を除去することができる。
これに加えて、さらに、撮像動作中に防塵フイルター21を振動させ続けることになるので、例えば防塵フイルター21の表面上に附着したまま除去し得ない塵埃等が、たとえ存在したとしても、撮像素子27の光電変換面の前面側近傍にて防塵フイルター21を微振動させるようにしているので、当該附着塵埃等による影は、光電変換面上に鮮明な像を形成することがない。したがって、防塵フイルター21の表面上の塵埃等が完全に除去されていない状態でも、得られる画像に悪影響を及ぼすことなく、確実に高品質な画像を得ることができるようになる。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、撮像ユニット15において、圧電素子18は、一端側をホルダ部材18aを介して防塵フイルター21の外周縁部に固設すると共に、他端側には慣性質量部材である慣性体18dを固設して構成している。そして、圧電素子18に印加する印加電圧を、圧電素子18の伸長時と緊縮時とで防塵フイルター21に与えられる振動速度に緩急差が生じるように圧電素子18の駆動制御をCPU41によって制御して、慣性体18dの慣性を利用することによって、一つの圧電素子18を設けるのみで、防塵フイルター21を所定の方向、即ち防塵部材(防塵フイルター21)の透過部21cの面に沿う方向に振動させ得る構成としている。
これにより、より少ない構成部材で簡単な機構で、防塵フイルター21の表面上に附着した微小な塵埃等を効率的に除去することができると同時に、部材点数の低減化を実現し、もって撮像ユニット15及びこれを適用する撮像装置(カメラ1)の製造コストの低減化に寄与することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の光学装置としての撮像装置について、以下に説明する。
本発明の第2の実施形態の撮像装置の構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなり、加振部材である圧電素子18の取り付け手段が若干異なるのみである。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、その図示及び詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ、以下に説明する。
図14,図15は、本発明の第2の実施形態の撮像装置における撮像ユニットの一部を取り出して示す図である。このうち、図14は、当該撮像ユニットを組み立てた状態を示す斜視図である。また、図15は、図14の[15]−[15]線に沿う断面図である。ここで、図14,図15は、上述の第1の実施形態における図4,図5に相当する図である。したがって、上述の第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を附して、その詳細な説明は省略する。
図14,図15に示すように、本実施形態の撮像装置における撮像ユニット15Aのうち防塵フイルター受け部材23の前面側において、壁部23eの外周縁部近傍には、押圧部材20を保持すべく、複数の突状部23aが前面側に向けて突出するように形成されているのは、上述の第1の実施形態と同様である。本実施形態においては、これに加えて、さらに略同形状の突状部23gが所定の位置に同形態で一個配設されている。
この突状部23gは、防塵フイルター21に対して所定の方向の振動を与える加振部材である圧電素子18を固定保持するために形成される部位である。
図14,図15に示すように、圧電素子18の一端部は、上述の第1の実施形態と同様に、ホルダ部材18aを介して防塵フイルター21の外周縁部に固設されている。ホルダ部材18aと防塵フイルター21の外周端面との間は、例えば接着剤等により接着固定されている。また、圧電素子18の他端側は、上記防塵フイルター受け部材23の突状部23gの内側面の所定の位置に例えば接着剤等により接着固定されている。その他の構成は、上述の第1の実施形態と全く同様である。
このように構成される本実施形態の撮像装置において、その撮像ユニット15のうち防塵フイルター21及び圧電素子18の作用を図16〜図22を用いて以下に説明する。
図16は、本実施形態の撮像装置において、防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を正面から見た際の配置図である。図17,図18は、図16の防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を側面から見た際の概念図であって、(A)〜(C)によって加振部材(圧電素子)が伸縮するのに伴って防塵部材(防塵フイルター)が所定方向に移動する際の経緯をそれぞれ示している。そして、図17,図18は、図16の[17]−[17]線に沿う断面に相当する。
また、図17,図18は、それぞれ異なる形態の印加電圧を加えることによる動作の違いを示している。これら図17,図18に示す動作をそれぞれ実現するための各印加電圧の状態変化を、図19,図20にそれぞれ示している。このうち、図19は、図17の(A)〜(C)に示す各状態に対応している。また、図20は、図19とは異なる形態の印加電圧の状態変化を示し、図18の(A)〜(C)の各状態に対応している。
ここで、まず、図16に示す本実施形態の撮像装置における撮像ユニット15の防塵フイルター21及び圧電素子18に対して、図19に示す印加電圧を加えた際の作用、即ち圧電素子18の伸縮振動を防塵フイルター21に伝達して、当該防塵フイルター21を所定の方向に振動させることで、防塵フイルター21の前面側の露出面に附着した微小な塵埃等を除去する際の作用について、主に図17に基づいて説明する。
まず、防塵フイルター21及び圧電素子18が図16及び図17に示す無負荷状態にあるときに、CPU41の制御によって圧電素子駆動部48(図2参照)を介して圧電素子18に対してプラス(+)またはマイナス(−)の電圧を印加するものとする。すると、当該圧電素子18は、図16に示す矢印T方向に伸縮する。
この場合において、圧電素子18の伸縮方向は、防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向であって、撮影光学系12aの光軸に沿う方向に対して略直交する方向となるように設定されている。
まず、図17(A)に示す無負荷状態においては、圧電素子18に対して印加電圧が印加されていない状態にある(図17の符号A3参照)。この状態から図17(B)に示す状態に向けて、CPU41の制御により圧電素子駆動部48は、圧電素子18に対してプラス(+)の印加電圧を徐々に印加する。
これにより、圧電素子18に加えられる印加電圧は、図19に示すようにゆっくりとしたカーブで推移して図17(B)の状態となる。このときの印加電圧の状態は、図19の符号B3で示す如く、プラス(+)の印加電圧V2が印加された状態である。
図17(B)の矢印T1方向への圧電素子18の伸長動作によって、当該圧電素子18は図17(B)の符号D5で示す距離だけ伸長するものとする。これに伴って、防塵フイルター21は、図17(B)の符号S3で示す距離だけ同方向へとゆっくり移動する。同時に、防塵フイルター21の表面上に附着する塵埃Gも同方向に略同距離(同図符号S4で示す距離)だけ移動する。
次いで、図17(B)の状態となったとき、即ち圧電素子18への印加電圧が所定の電圧値V2となり、図19に示す符号B3の状態となったとき、CPU41は、圧電素子駆動部48を介して圧電素子18に対して急激に印加電圧を減圧する制御をおこなう。つまり、ここで、印加電圧は、図19に示す符号B3の時点の印加電圧V2から同図符号C3の時点の印加電圧V1となるまで急激なカーブによって減圧される。
これによって圧電素子18は急激な加速度をもって図17(C)に示す矢印T2方向に向けて同図符号D6で示す分だけ緊縮する。これにより、防塵フイルター21は、図17(C)に示す矢印T2方向に向けて同図符号S5で示す分だけ移動する。
ここで、防塵フイルター21の表面上(前面側の露出面上)に図17の符号Gで示すような微小な塵埃が附着しているものとする。この場合において、図17(A)の状態から図17(B)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21はゆっくり移動するので、塵埃Gは防塵フイルター21に附着した状態のまま共に同方向へと同距離だけ移動する。
次いで、図17(B)の状態から図17(C)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21が急激に矢印T2方向へと移動するため、その表面上にある塵埃Gは、防塵フイルター21の表面上から離脱した状態となった後、例えば防塵フイルター21の表面上に、再度落下することになる。このとき、防塵フイルター21自体は、上述したように図17(C)の符号S5で示す分だけ同図矢印T2方向に移動しているので、塵埃Gは、相対的に略同距離分(符号S6で示す距離分)だけ外周縁部寄りの方向に移動することになる。
このように、圧電素子18に対して印加する印加電圧を、図19に示すような形態の印加電圧のパルス波形による制御をおこなうことによって、防塵フイルター21を所定の方向(防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向)に連続的に振動させれば、当該防塵フイルター21上の微小塵埃Gは、徐々に外周縁部に向けて移動することになる。
次に、図20に示すような形態の印加電圧のパルス波形による制御をおこなうことによって、上述の図19に示す制御の場合とは逆方向に塵埃を移動させる際の作用を説明する。
まず、図18(A)に示す状態は、圧電素子18が所定の状態まで伸長したときの状態を示している。つまり、CPU41の制御によって圧電素子駆動部48(図2参照)を介して圧電素子18に対して印加電圧V2を印加することで、当該圧電素子18を所定量の伸長状態としている。このときの印加電圧の状態は、図22の符号A1で示す如く印加電圧V2が印加された状態である。
この状態から図18(B)に示す状態に向けて圧電素子18を徐々に緊縮させる。そのために、圧電素子18に印加する印加電圧は、図22に示す符号A1の時点の印加電圧V2から同図符号B1の時点の印加電圧V1となるまでゆるやかなカーブで減圧される。
すると、圧電素子18はゆっくりと、図18(B)の矢印T2方向に向けて同図符号D7で示す分だけ緊縮する。これにより、防塵フイルター21は同方向に同図符号S7で示す距離分だけ移動する。
次いで、図18(B)の状態となったとき、即ち圧電素子18への印加電圧が所定の電圧値V1となり、図22に示す符号B1の状態となったとき、CPU41は、圧電素子駆動部48を介して圧電素子18に対する印加電圧を急激に印加する。つまり、ここで、印加電圧は、図22に示す符号B1の時点の印加電圧V1から同図符号C1の時点の印加電圧V2となるまで急激なカーブによって加圧される。
これによって圧電素子18は急激な加速度をもって図18(C)に示す矢印T1方向に向けて同図符号D8で示す分だけ伸長する。これにより、防塵フイルター21は、図18(C)に示す矢印T1方向に向けて同図符号S9で示す分だけ移動する。
ここで、防塵フイルター21の表面上に図18の符号Gで示すような微小な塵埃が附着しているものとする。この場合において、図18(A)の状態から図18(B)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21は図18(B)の符号S7で示す距離分だけ同図矢印T2方向へと移動し、同時に塵埃Gは同図符号S8で示す距離分だけ同方向へと移動する。
次いで、図18(B)の状態から図18(C)の状態へと移行する際には、防塵フイルター21が急激に矢印T1方向へと移動するため、その表面上にある塵埃Gは、防塵フイルター21の表面上から離脱した後、例えば防塵フイルター21の表面上に再度落下することになる。このとき、防塵フイルター21自体は、図18(C)の符号S9で示す分だけ同図矢印T1方向に移動しているので、塵埃Gは、相対的に略同距離分(符号S10で示す距離分)だけ同図矢印T2方向に移動することになる。
このように、圧電素子18に対して印加する印加電圧を、図20に示すような形態の印加電圧のパルス波形による制御をおこなうことで、防塵フイルター21を所定の方向(防塵フイルター21の透過部21cの面に沿う方向)に連続的に振動させれば、当該防塵フイルター21上の微小塵埃Gは、徐々に外周縁部に向けて移動することになる。
即ち、図21,図22は、加振部材(圧電素子)を連続駆動させる際に印加する印加電圧のパルス波形の例を示す図である。このうち、図21は図19に示す印加電圧の制御を連続的におこなう連続駆動の場合の印加電圧のパルス波形を示している。また、図22は図20に示す印加電圧の制御を連続的におこなう連続駆動の場合の印加電圧のパルス波形を示している。なお、図21,図22に示す例では、それぞれ10回の連続駆動おこなう場合のパルス波形を示している。この場合における駆動数、即ち波形数は、防塵フイルター21上の塵埃等の移動距離等を考慮して任意に設定すればよい。
図21,図22に示す符号fは周波数を表わしている。この周波成分(周波数f)を変更することによって振動の周期を変更することができる。したがって、防塵フイルター21の移動速度を任意に変更することができる。
また、周波成分(周波数f)を防塵フイルター21を含めた振動系の共振周波数に合わせて略同様となるように設定することで、より効率よく防塵フイルター21を可動させることができるようになる。
さらに、図21に示す印加電圧の制御と、図22に示す印加電圧の制御とを、適宜組み合わせておこなうことによって、防塵フイルター21を図19,図20に示す矢印T1とT2方向とに交互に移動させ、連続的な振動を発生させることができるので、防塵フイルター21の外表面上に附着した塵埃Gを、より確実に離脱させ除去することができるようになる。
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について以下に説明する。本実施形態においては、本発明を適用する光学装置として投射型画像表示装置、具体的には、画像形成素子を含む画像形成体としての透過型液晶表示パネル(画像表示素子)を三枚備えた三板式のプロジェクタ装置を例示するものとする。したがって、以下に説明する第2の実施形態においては、光学装置を投射型画像表示装置(以下、単にプロジェクタ装置)というものとする。
図23〜図26は、本発明の第3の実施形態の光学装置としての投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)を示す図である。このうち、図23は、本実施形態の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)の外観を示す外観斜視図である。図24は、本実施形態の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)のシステム構成の概略を示すブロック構成図である。図25は、本実施形態の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)におけるプリズムユニットの分解斜視図である。図26は、本実施形態の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)におけるプリズムユニットを組み立てた状態を示す外観斜視図である。
本実施形態のプロジェクタ装置100は、光学装置の一つである。このプロジェクタ装置100は、画像表示素子を含む画像形成素子であり画像形成体である透過型液晶表示パネルに表示された画像を、同液晶表示パネルの背面側から所定の光源によって照明し、その照明光束を投射レンズを介してスクリーン面に投影する方式のプロジェクタ装置である。
さらに詳しく説明すると、このプロジェクタ装置は、光の三原色に対応する赤,青,緑の三枚の液晶表示パネルのそれぞれに画像を表示させ、各色の画像を光学的に合成してカラー画像を生成するように構成されるいわゆる三板式のプロジェクタ装置である。
このプロジェクタ装置100の側面部には、投射用画像信号を小型コンピュータ等の外部機器から入力するための信号入力端子102が設けられている。
そして、この信号入力端子102から入力される投射用画像信号は、内部電気回路(特に図示せず)において所定の信号処理がなされた後、液晶表示パネルに画像として表示され、この画像が投射レンズ101を介してスクリーン(図示せず)面に投影されるようになっている。
プロジェクタ装置100の上面には、複数の操作ボタン103が配置されている。この操作ボタン103を使用者が任意に操作することによって、投射の開始や停止、また画像投射時の画像の焦点状態や色や明るさ等の画像調整をおこない得るようになっている。
次に、本プロジェクタ装置の内部システム構成の概略について、図24のブロック構成図を用いて以下に説明する。
図24に示すように、本実施形態のプロジェクタ装置100は、放射光源である超高圧水銀ランプ111と、この超高圧水銀ランプ111から射出される放射状の光線を反射して平行光線として射出するリフレクタ112と、このリフレクタ112から射出される平行光線を後述する第1レンズアレイ114へと導くリレーレンズ113と、水銀ランプ112から射出される光束をリレーレンズ113を介して受けて複数の部分光束に分割する第1レンズアレイ114と、重畳レンズ117と共に第1レンズアレイ114にて分割された複数の部分光束を後述する液晶表示パネル(133,135,137)上に照射させる第2レンズアレイ115と、第2レンズアレイ115と重畳レンズ117との間に配置され光束を特定の偏光光に変換する偏光変換素子116と、重畳レンズ117を透過した複数の部分光束を光軸に対して角度略90度(°)折り曲げる全反射ミラー118と、この全反射ミラー119で折り曲げられた光束を赤(R),緑(G),青(B)の三色に分離する色分離光学系であるダイクロイックミラー119,121と、ダイクロイックミラー119を通過した赤色光束Rを全反射して角度略90度(°)折り曲げる全反射ミラー120と、この全反射ミラー120により反射される赤色光束Rを透過させ防塵フイルター134を介して液晶表示パネル133の側へと導くリレーレンズ131と、ダイクロイックミラー119により反射される赤色光以外の光線のうちダイクロイックミラー121で反射される緑色光束Gを透過させ防塵フイルター136を介して液晶表示パネル135の側へと導くリレーレンズ130と、ダイクロイックミラー119により反射される赤色光以外の光線のうちダイクロイックミラー121を透過する青色光束Bを透過させ全反射ミラー123へと導くリレーレンズ122と、このリレーレンズ122を透過した光束を全反射して角度略90度(°)折り曲げる全反射ミラー123と、この全反射ミラー123により反射される光束を透過させ全反射ミラー128へと導くリレーレンズ125と、このリレーレンズ125を透過した光束を全反射して角度略90度(°)折り曲げる全反射ミラー128と、この全反射ミラー128により反射される光束を透過させ防塵フイルター138を介して液晶表示パネル137の側へと導くリレーレンズ129と、画像表示素子を含む画像形成素子であり画像形成体であって信号入力端子102(図23参照)から入力される投射用画像信号に基づく画像を表示する透過型の液晶表示パネル(以下、単に液晶表示パネルという)133,135,137と、これら液晶表示パネル133,135,137のそれぞれの画像表示面(光束入射面)に対して所定の間隔を持って配置される防塵フイルター134,136,138と、液晶表示パネル133を透過した赤色光束Rと液晶表示パネル135を透過した緑色光束Gと液晶表示パネル137を透過した青色光束Bのそれぞれを合成するダイクロイックプリズム139と、このダイクロイックプリズム139から出射される光束を透過させスクリーン(図示せず)上に投射することで画像を形成させる投射レンズ101等によって主に構成されている。
第1レンズアレイ114は、上述したように水銀ランプ112からの光束を複数の部分光束に分割するために、光軸から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズをマトリクス状に配列して構成されている。
第2レンズアレイ115は、第1レンズアレイ114と略同様に小レンズをマトリクス状に配列して構成されている。
ダイクロイックミラー119は、赤色光束Rを通過させ、それ以外の光束を反射させる。また、ダイクロイックミラー121は、ダイクロイックミラー119にて反射した赤色光以外の光線のうち青色光束Bを通過させ、緑色光束Gを反射させる。
ダイクロイックプリズム139は、上述したようにR,G,Bの各色毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するために設けられているものである。このダイクロイックプリズム139には、赤色光束Rを反射する誘電体多層膜と青色光束Bを反射する誘電体多層膜とが四つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜によって三つの色光束が合成されるように構成されている。
ダイクロイックプリズム139と、三つの液晶表示パネル133,135,137と、防塵フイルター134,136,138とは、図24に示すように単一のプリズムユニット132として一体に構成されている。
ここで、本実施形態のプロジェクタ装置100におけるプリズムユニット132の構成について、図24〜図26を用いて以下に詳述する。
ダイクロイックプリズム139の各面には、図25に示すように三つの液晶表示パネル133,135,137が固着されている(図25では液晶表示パネル133は不図示)。
このように液晶表示パネル133,135,137を固着した形態のダイクロイックプリズム139は、枠部材であるプリズム枠140の上部開口より内部に収納されるようになっている。
プリズム枠140には、ダイクロイックプリズム139に固着された三つの液晶表示パネル133,135,137のそれぞれに対向する位置に円形開口141,142,143が形成されている。また、プリズム枠140において、ダイクロイックプリズム139の射出面が対向する位置には、方形開口144が形成されている。
そして、プリズム枠140の外表面には、円形開口141,142,143を覆うように防塵フイルター134,136,138が取り付けられるようになっている。つまり、各液晶表示パネル133,135,137の各近傍には、その表示面に対して所定の間隔を有して防塵フイルター134,136,138が配置されるようになっている。
なお、図25においては、図面の簡略化のために円形開口142に対して防塵フイルター136を取り付ける構造のみを図示し、この部位のみの構成について説明する。したがって、その他の部位、すなわち円形開口141に対する防塵フイルター134の取り付け構造及び円形開口143に対する防塵フイルター138の取り付け構造については、全く同様であるので図示及びその説明は省略する。
また、プリズム枠140の円形開口142の周縁部には、外面側に突出する受け部151,152,153が形成されている。この受け部151,152,153は、防塵フイルター136を保持する押圧部材154,155,156を固設するために形成される部位である。各押圧部材154,155,156は、ねじ157,158,159等の締結手段により固設されている。
防塵フイルター136は、この押圧部材154,155,156によって保持されることでプリズム枠140に対し気密的にかつ振動自在に接合している。
プリズム枠140の円形開口142の周縁部の所定の部位には、外面側に突出する慣性質量部材である慣性体140aが形成されている。この慣性体140aには、防塵フイルター136の外周端面に接触し、当該防塵フイルター136を所定の方向、すなわち防塵フイルター136の透過部の面に沿う方向に伸縮することで、防塵フイルター136に対して、その透過部の面に沿う方向への振動を与える加振部材である圧電素子18が固設されている。
この加振部材(圧電素子18)と防塵部材(防塵フイルター136)の構造については、上述の第1の実施形態で示したカメラ1における加振部材(圧電素子18)と防塵部材(防塵フイルター21)との構造と全く同様である。したがって、その詳細説明は省略する。
そして、図26に示すようにプリズム枠140の内部にダイクロイックプリズム139を収納し、三つの円形開口141,142,143に対してそれぞれ防塵フイルター134,136,138を取り付けた状態とし、プリズム枠140の上部開口に蓋部材160をねじ161,162,163,164によって固定することで、当該プリズム枠140の内部を密封状態とすることができるようになっている。
プリズム枠140の底面部には、液晶表示パネル133,135,137から引き出されるフレキシブル電気基板を通すための開口(特に図示せず)が形成されている。これにより、同フレキシブル電気基板を介して外部からの制御信号を各液晶表示パネル133,135,137に対して供給し得るようになっている。なお、上記フレキシブル電気基板用の開口についても、プリズム枠140の内部が密封状態に確保されるような封止構造が施されている。
このように構成される本実施形態のプロジェクタ装置100の作用の概略を以下に説明する。
図24に示すように超高圧水銀ランプ111から射出される放射状の光線は、リフレクタ112によって反射され、平行光線として射出される。この平行光線は、リレーレンズ113により第1レンズアレイ114に導かれる。この第1レンズアレイ114は、水銀ランプ112から射出される光束を複数の部分光束に分割する。
そして、第1レンズアレイ114を透過した光束は、第2レンズアレイ115を透過して偏光変換素子116により特定の偏光光に変換され、重畳レンズ117を透過した後、全反射ミラー118へと導かれる。
重畳レンズ117を透過した複数の部分光束は、全反射ミラー118にて光軸に対して角度略90度(°)折り曲げられてダイクロイックミラー119へと全反射する。
全反射ミラー119で折り曲げられた光束のうち赤色光束R以外の光束は、ダイクロイックミラー119にて反射されて、ダイクロイックミラー121へと向かう。また、赤色光束Rはダイクロイックミラー119を透過する。
ダイクロイックミラー119を透過した赤色光束Rは、全反射ミラー120で角度略90度(°)折り曲げられた後、リレーレンズ121を透過して防塵フイルター134へと向かい、これを介して液晶表示パネル133へと入射する。
一方、ダイクロイックミラー119で反射された赤色光束R以外の光束は、ダイクロイックミラー121において青色光束Bが透過し、緑色光束Gが反射される。
ダイクロイックミラー121で反射された緑色光束Gは、リレーレンズ130を介して防塵フイルター136へと向かい、これを介して液晶表示パネル135へと入射する。
また、ダイクロイックミラー121を透過した青色光束Bは、リレーレンズ122を介して全反射ミラー123で全反射され、リレーレンズ125を介して全反射ミラー128にて全反射した後、リレーレンズ129を介して防塵フイルター138へと向かい、これを介して液晶表示パネル137へと入射する。
そして、液晶表示パネル133を透過した赤色光束Rと、液晶表示パネル135を透過した緑色光束Gと、液晶表示パネル137を透過した青色光束Bのそれぞれは、ダイクロイックプリズム139によって合成された後、投射レンズ101に向けて出射される。
そして、この投射レンズ101によって投射される光束は、スクリーン上に所定の画像を形成する。
以上説明したように本実施形態のプロジェクタ装置100においては、ダイクロイックプリズム139は、その三つの入射面に赤,青,緑の三色に対応した三つの液晶表示パネル133,135,137を固着した状態でプリズム枠140に収納されている。
そして、このプリズム枠140の側壁には、各液晶表示パネル133,135,137のそれぞれに対向する位置に円形開口141,142,143が設けられ、この三つの円形開口141,142,143のそれぞれを覆うように防塵フイルター134,136,138が取り付けられている。そして、プリズム枠140は、防塵フイルター134,136,138と蓋部材160とによって略密封状態となっている。
このような構造によって、プリズム枠140の内部に塵埃等が進入し、三つの液晶表示パネル133,135,137の各表示面に塵埃等が附着することを極力防止する構造となっている。
また、防塵フイルター134,136,138の各外表面に附着した塵埃等は、加振手段によって払い落とされることから、当該プロジェクタ装置100によって投射表示されるスクリーン上の画像において、塵埃等が拡大表示されてしまうようなこともない。
なお、防塵フイルター134,136,138の加振制御については、上述の第1の実施形態におけるカメラ1にて説明した手段をそのまま応用することができる。したがって、その作用については詳細説明を省略するが、上述の第1の実施形態におけるカメラ1の場合と異なるのは、その加振動作をおこなうタイミングである。
一般的なプロジェクタ装置の場合、光源ランプを冷却するために、その内部に冷却ファンを設けているのが普通である。そのために、プロジェクタ装置の内部には、常に塵埃等が浮遊している状態にある。
したがって、画像表示中に定期的に若しくは画像表示の切替時点等の所定のタイミングで防塵フイルターを振動させることによって、当該防塵フイルターに附着した塵埃等を効果的に払い落とすことができる。
本発明の第1の実施形態の撮像装置(カメラ)の一部を切断して、その内部構成を概略的に示す斜視図。 図1の撮像装置(カメラ)の主に電気的な構成を概略的に示すブロック構成図。 図1の撮像装置(カメラ)における撮像ユニットの一部を取り出して分解して示す要部分解斜視図。 図3の撮像ユニットを組み立てた状態を示す斜視図。 図4の[V]−[V]線に沿う断面図。 図1の撮像装置(カメラ)において、防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)の配置を正面から見た際の配置図。 図6の防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を側面から見た際の作用を説明する概念図。 図6の加振部材(圧電素子)を伸縮駆動させるために印加する印加電圧の状態変化によるパルス波形を示し、図7に示す各状態に対応する図。 図6の防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を側面から見た際の作用を説明する概念図。 図6の加振部材(圧電素子)を伸縮駆動させるために印加する印加電圧の状態変化によるパルス波形を示し、図9に示す各状態に対応する図。 図6の加振部材(圧電素子)を伸縮駆動させるために印加する印加電圧の状態変化によるパルス波形を示し、図7及び図9の駆動制御を交互におこなう場合のパルス波形を示す図。 図1の撮像装置における撮影動作処理の概略を示すフローチャート。 図1の撮像装置における撮影動作処理の変形例を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態の撮像装置における撮像ユニットの一部を取り出してを示す斜視図。 図14の[15]−[15]線に沿う断面図。 図14の撮像装置において、防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を正面から見た際の配置図。 図16の防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を側面から見た際の作用を説明する概念図。 図16の防塵部材(防塵フイルター)及び加振部材(圧電素子)を側面から見た際の作用を説明する概念図。 図16の加振部材(圧電素子)を伸縮駆動させるために印加する印加電圧の状態変化を示し、図17に示す各状態に対応する図。 図16の加振部材(圧電素子)を伸縮駆動させるために印加する印加電圧の状態変化によるパルス波形を示し、図18に示す各状態に対応する図。 図16の加振部材(圧電素子)を連続駆動させる際に印加する印加電圧の波形の例を示す図。 図16の加振部材(圧電素子)を連続駆動させる際に印加する印加電圧の波形の別の例を示す図。 本発明の第3の実施形態の光学装置としての投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)の外観を示す外観斜視図。 図23の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)のシステム構成の概略を示すブロック構成図。 図23の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)におけるプリズムユニットの分解斜視図。 図23の投射型画像表示装置(プロジェクタ装置)におけるプリズムユニットを組み立てた状態を示す外観斜視図。
符号の説明
1……カメラ
11……カメラ本体部
12……レンズ鏡筒
12a……撮影光学系
14……シャッター部
15,15A……撮像ユニット
20……押圧部材
20b……凸形状部
18……積層型圧電素子
18a……ホルダ部材
18d……慣性体
21……防塵フイルター
21c……透過部
23……防塵フイルター受け部材部材
24……撮像素子収納ケース部材
26……ローパスフイルター受け部材部材
27……撮像素子
28……撮像素子固定板
41……CPU
48……圧電素子駆動部
51……封止空間
51a……空隙部
51b……空間部
100……プロジェクタ装置
101……投射レンズ
132……プリズムユニット
133,135,137……液晶表示パネル
134,136,138……防塵フイルター
139……ダイクロイックプリズム
140……プリズム枠
140a……慣性体
151,152,153……受け部
160……蓋部材

Claims (9)

  1. 画像形成素子もしくは撮像素子を含む画像形成体と、
    上記画像形成体の前方に配設される光学系と、
    上記光学系と上記画像形成体との間に配置され、画像用光束を透過可能な透過部を有し、この透過部が上記画像形成体に対して所定の間隔で対向配置される防塵部材と、
    上記光学系の光軸に沿う方向に対して略垂直方向の振動を上記防塵部材に与えるように伸縮振動をおこなう加振部材と、
    上記加振部材における伸長時と緊縮時とで上記防塵部材に与えられる振動速度に緩急差が生じるように上記加振部材の駆動制御をおこなう制御手段と、
    を具備することを特徴とする光学装置。
  2. 上記加振部材は、上記制御手段によって所定の周波成分を有するパルス波形の電圧が印加されて駆動されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 上記制御手段は、上記加振部材に連続したパルス波形の駆動電圧を印加することを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
  4. 上記所定の周波成分は、上記加振部材により振動される上記防塵部材を含めた振動系の共振周波数に略同じとすることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. 上記防塵部材は、上記光学系の光軸に沿う方向に対して略垂直方向の面に沿って移動自在に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  6. 上記加振部材は、積層型圧電素子であって、
    伸縮振動方向の一端側には上記防塵部材が固設され振動を伝達可能になっていて、
    他端側には慣性質量部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  7. 上記加振部材は、積層型圧電素子であって、
    伸縮振動方向の一端側には上記防塵部材が固設され振動を伝達可能になっていて、
    他端側は固定されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  8. 上記光学装置は撮像装置であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  9. 上記光学装置は投射型画像表示装置であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
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