JP4028050B2 - 磁気抵抗効果膜およびその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果膜およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、磁気記録再生装置等に使用される磁気抵抗効果形磁気ヘッド(MRヘッド)の検出素子を形成する磁気抵抗効果膜に係わるもので、特に強磁性層、非磁性層および反強磁性層を積層するスピンバルブ膜の構成と製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録分野における技術の革新は目を見張るものがある。記録密度の高密度化を例にとってみても、ここ十年余りの間、年率約60%の高い成長が達成されてきた。さらに、今後共この成長率が続くことが予測されている。磁気ヘッドは記録密度1Gbit/in2前後を超える付近から磁気抵抗効果膜を検出素子に用いた録再分離型ヘッドであるMRヘッドが、薄膜磁気ヘッドに代わって急激に適用されるようになってきた。しかし、3〜4Gbit/in2以上の高記録密度化に進むと、このタイプのMRヘッドでは再生出力が不足してしまうことが懸念され、新しい原理による磁気ヘッドの開発が始められている。
【0003】
そのアプローチの一つとして、MRヘッドの検出素子を形成する磁気抵抗効果膜の高感度化が最短の方法と考えられている。磁気抵抗効果膜の電気抵抗の変化率は従来技術によると高々2〜3%であるが、この変化率を一挙に数倍以上に高めるには現状の材料と構成では限界が見えてきた。また、新たな材料開発を行うには多大の時間と労力や開発費を必要とすると見られている。しかし、強磁性と反強磁性の薄膜を組み合わせると、従来にない大きな磁気抵抗効果が得られることが最近報告がされ、この方面の研究開発が活発化している。現在もっとも注目されているのは、巨大磁気抵抗効果を用いたスピンバルブ膜が有力視されているもので、次期MRヘッドの検出素子としての実用化検討が始まっている。
【0004】
スピンバルブ膜は図14に示すような構成が知られている。即ち、基板1/第1の強磁性層2(自由層)/非磁性層3/第2の強磁性層4(固定層)/反強磁性層5の順に積層形成した基本構造を持つものである。このような多層膜であるスピンバルブ膜の構成上の特徴は、第1と第2の強磁性層の間に非磁性層を介在させ、強磁性層のどちらか一方に反強磁性層を密着させるものである。図示する構成では、第2の強磁性層4に反強磁性層5を密着させることにより、第1と第2の強磁性層間に巨大磁気抵抗効果を発現させている。この巨大磁気抵抗効果は、非磁性層3により分離された第1の強磁性層2と第2の強磁性層4間(自由層と固定層)の磁化の相対角度が、外部印加磁界(磁気記録媒体からの信号磁界など)が加わることにより、その外部磁界強さに応じて変化し、その結果電気抵抗が増減するものである。このスピンバルブ膜が持つ電気抵抗の変化率、即ち感度は従来のNiFe膜による異方性磁気抵抗効果より高く、7〜8%に達することが報告されている。そのうえ、第1の強磁性層(自由層)には軟磁気特性の優れたNi-Fe合金やCo基合金を用いることによって、磁気記録媒体からの信号磁界が20〜30Oeの弱い磁界でも充分に大きな電気抵抗の変化率を得ることができるという特長がある。
【0005】
さらに、非常に薄い反強磁性層を強磁性層に隣接して設けると、交換結合作用が生じその強磁性層の磁化が固定される。この交換結合作用によって生じる磁界は、交換結合磁界Hexと呼ばれる一方向性の異方性磁界である。この交換結合作用が強いこと、即ち交換結合磁界Hexが高い程スピンバルブ膜の特性は良好と評価される。また、MRヘッド用にスピンバルブ膜を適用する場合、この交換結合磁界Hexによる隣接強磁性層の磁化を単に固定するだけでは十分でない。高記録密度化に対応するMRヘッドとしては、さらに次のような条件を満足することが必要である。まず、固定層である第2の強磁性層の磁化は固定されるが、その磁化方向は外部磁界である信号磁界が印加されてもその向きを変えず、且つトラック幅と直角の方向(磁気抵抗効果膜の膜高さ方向)に保持されなければならない。
【0006】
また、反強磁性材料との相互作用よって得られる交換結合磁界を高めるだけではなく、分流損も低下させなければならない。多層膜構成のスピンバルブ膜でより高い抵抗変化率を得るためには、反強磁性層を薄くしても交換結合磁界が低下しないことは言うまでもないが、同時に反強磁性層の電気抵抗が高いことも必要である。このような要請条件はセンス電流が強磁性層側より反強磁性層側に多く分流してしまうと、電気抵抗の変化率が見かけ上減少してしまうことである。これはいわゆる分流損の低減要請であり、高い感度を確保するための必要条件でもある。言い換えると、センス電流の増加が必要である。
【0007】
また、磁気ヘッドの検出素子部の動作温度は通常約100℃といわれ、このような温度になっても強い交換結合磁界を保てるように、ブロッキング温度(交換結合磁界が消失する温度)はできる限り高い方が好ましい。さらに、製造時の歩留まりと信頼性の確保のため、その製造プロセスに耐えられる耐食性と耐熱性を持ち合わせることも重要な条件である。以上の説明からわかるように、磁気ヘッドに用いられるスピンバルブ膜は、できるだけ高い交換結合磁界を発生できる反強磁性材料を選ぶと共に、第2の強磁性層である固定層の組成および結晶構造的に適合する組み合わせ等を考慮して総合的に選定することが重要であり、この方向に沿った研究開発が行われている。
【0008】
従来からよく知られた反強磁性材料として、例えば米国特許第4103315号公報および第5014147号公報にFeMnとNiOが有効である旨の開示がある。しかし、FeMnは耐食性が良好でないため、製造プロセス中で腐食されてしまう危険性が高い。一方、NiOは交換結合磁界の大きさと耐熱性に問題がある。FeMnあるいはNiO以外の反強磁性材料として、米国特許第5315468号公報に開示されているNiMnがある。このNiMnは、高い交換結合磁界を示し、耐熱性、耐食性に優れることなどその有用性が開示されている。しかし、NiMnを適用して交換結合磁界を発生させるためには250℃以上で長時間の磁界中熱処理が必要であり、しかもNiMn層の厚さを20nm以上と厚くしなければならない。
【0009】
このNiMnの成膜後の結晶構造は面心立方晶であるが、熱処理によって面心正方晶に変化させることによって高い交換結合磁界を発生させるものである。このため、高温処理中に各層間への拡散が生じやすく、また厚い膜厚のため分流損も増加してしまい、NiMnスピンバルブ膜は最大でも4〜5%程度の電気抵抗変化率しか示さず、スピンバルブ膜としては期待されるほどの高い値が得られない。しかも、NiMnによるスピンバルブ膜は製造時に固定層の磁化方向を制御するために磁界中の熱処理が行われる。このため、強磁性からなる自由層やシールド層はこの高温と困難軸方向に印加される磁界の影響を受けて、軟磁気特性を劣化させる原因になるなど、磁気ヘッド製造プロセス上多大な困難を抱えている。
【0010】
以上述べた問題点を解決するため、最近新しい反強磁性材料の探索が進められ、IrMn(特開平9-148132号公報)、RhMnあるいはPtMn(米国特許第4103315号公報)、PdPtMn、CrMnPt等の可能性が開示されている。しかしながら、PtMn、PdPtMn等の結晶構造が正方晶である場合に交換結合磁界が発生する材料は、NiMnと同様に立方晶から正方晶への結晶構造変態を起こさせる必要がある。これは前述したように、高温且つ長時間の熱処理を必要とする点、あるいは膜厚を20nm以上と厚くする必要がある等実用上問題である。また、CrMnPt等の体心立方晶(bcc構造)の材料においても同様に、膜厚を厚くしないと十分な交換結合磁界が得られない。しかし、IrMnはこれらの材料の中で熱処理なしでしかも20nm以下の薄い膜厚でも大きな交換結合磁界の得られるため、このIrMnが注目され検討がすすめられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、IrMnのような面心立方構造(fcc構造)で各原子配列がランダムである不規則構造の材料を用いた場合でも、その交換結合磁界の大きさは、結晶の配向性の乱れや結晶粒径の大小あるいは組成のずれによって影響を受け、特性が変動して安定しないことが知られている。即ち、反強磁性材料であるIrMnの特性は成膜条件あるいは熱処理条件等の製造方法に強く依存する傾向があるため、交換結合磁界のバラツキは大きく、安定した特性を得ることが困難であった。
【0012】
この原因を探るためミクロ的な観察を試みたところ次のようなことがわかった。製造方法および条件によってスピンバルブ膜中の特性は均一でなく、交換結合磁界の大きさは不均一となってしまうことである。これはMRヘッドとしての機能評価する過程で明らかになったものである。成膜後のスピンバルブ膜を検出素子化してバイアス電流を通電すると、バイアス電流のジュール損により自己加熱される。この自己加熱により検出素子自体の温度が急激に上昇してしまい、特に結合磁界の低い部分も同時に加熱されるため、その部分の顕在化が増幅されることである。これは固定層の交換結合磁界が弱い部分の磁化が固定されていた方向から大きく傾いてしまい、その結果として再生信号が不安定になるもので、実用上解決しなければならない重大な問題である。
【0013】
スピンバルブ膜を磁気ヘッドに適用する場合の実用的な構成を図15に示す。同図(a)は軟磁気特性を良好に保ち、非磁性層との拡散を防ぐために、第1の強磁性層8を8aおよび8bの2層に構成するものである。この場合、基板6/下地層7/第1の強磁性層8/非磁性層9/第2の強磁性層10/反強磁性層11/保護層12の順に形成される。一方、同図(b)は強磁性層、非磁性層および反強磁性層のスピンバルブ膜の構成は変えずに、第1の強磁性層8と第2の強磁性層11の位置を交換したものである。これは同図(c)のデュアルスピンバルブ膜の作製を想定し、その前段階として検討したものであり、同図(a)のスピンバルブ膜の形成順序とは逆に、反強磁性層11を先に基板側6に成膜し、その後に第2の強磁性層11である固定層を積層したものである。この場合、製造プロセス上全く逆であるが、スピンバルブ膜の構成条件は満足しているため交換結合磁界などの特性は同一であると考えられた。しかし、実際サンプルを製作して特性を測定すると(b)では十分な交換結合磁界が得られない。これは同図(a)と(b)の場合で、反強磁性層の結晶構造、特に格子面間隔が異なるためと考えられる。
【0014】
また、同図(c)に示すように2組のスピンバルブ膜を積層したいわゆるデュアルスピンバルブは1組だけのスピンバルブ膜より高い感度が得られることが知られている。しかし、このように構成しても(b)に示す場合と同じ課題を生じた。第1の強磁性層25を中心として下部の第2の強磁性層10(固定層)に対する交換結合磁界が、また上部の第2の強磁性層10´(固定層)に対する交換結合磁界に比べて小さく、そのため再生信号が不安定になる等の実用上の問題が生じることが予想される。このような結合磁界の低下原因は、(b)の場合で述べたように、上部と下部の反強磁性層の格子面間隔が異なことに起因していると考えられる。
本発明の目的は、反強磁性層としてIrMnを用いたスピンバルブ膜の上記した課題を解決するものであり、特にIrMn反強磁性層とCoFe固定層の組み合わせで、従来にない大きな交換結合磁界が得られる磁気抵抗効果膜を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、IrMnをスピンバルブ膜の反強磁性層に適用する場合、従来技術による課題を深く考究し解決に至った過程において想到したものである。さらに具体的に述べるならば、基板上に形成された固定層である第2の強磁性層、反強磁性層、自由層である第1の強磁性層の結晶構造をはじめとし、格子定数、格子面間定数等をミクロ観察技術を駆使しながら測定し、組成あるいは成膜条件などを上記した関係とスピンバルブ膜特性との関係を系統的に明らかにしたものである。特に、スピンバルブ膜面に垂直な面、即ち(110)の原子間の構造、さらに反強磁性層と強磁性層との界面状態において、その結合磁界の発生と関係を見出したもので、従来(111)面の観察しかされていなかったため、見落とされた事実から発見したものである。
特に、反強磁性層と第2の強磁性層である固定層はfcc構造を持たせ、その場合の(110)面の格子面間隔をのそれぞれ所定の範囲に制御すること、その制御方法は▲1▼反強磁性層のIrの組成量を狭い範囲に納めること、▲2▼成膜時のエネルギーを所定の範囲に制御することの2点に尽きるものである。
【0016】
第1および第2の強磁性層が中間に非磁性層を介して基板上に積層されると、前記第1の強磁性層の磁化は固定されないが、前記第2の強磁性層の磁化反転が隣接して設けられた反強磁性層により固定いわゆるピン止めされる磁気抵抗効果膜が得られる。基板に形成された下地層上に、下から反強磁性層、第2の強磁性層、非磁性層および第1の強磁性層を順次積層してなる磁気抵抗効果膜において、反強磁性層と第2の強磁性層は(111)面で接するfcc構造を形成させる。このような結晶構造でそれぞれの格子面間隔を以下の範囲に規定する。即ち、(111)面に垂直な(110)面の格子面間隔を反強磁性層ではdAF(110)、また第2強磁性層ではdF(110)と表すことにすると、(dAF(110)-dF(110))/dF(110)で定義されるミスフィットの値を5〜6.5%に制御することを特徴とするものである。この条件が満たされる範囲では、300Oe以上の従来技術では得られない大きな交換結合磁界が発生し、当然ながら、MRヘッドとしても高感度な特性を付与できる。また、ブロッキング温度を120℃以上にできると共に、センス電流2×107/cm2以上で動作することが可能となる。しかし、この狭い範囲を外れると、上記した効果は得られないことは以下の詳述することにする。
【0017】
このミスフィットは合金組成によって制御でき、しかも大きなファクタである。第2の強磁性層の組成をCoFeにした場合、反強磁性層の組成を10at%≦Ir≦30at%のIrMn合金に特定することにより上記の特性を得ることができる。IrMnの格子面間隔はIr量の増加に伴って単純に増加する傾向を示すが、10at%≦Ir≦30at%の範囲に選ぶことにより反強磁性層の異方性定数を増大させることができる。同時に、CoFeとの格子面間隔との関係で生じる適度なミスフィットが得れることによって、界面での交換結合定数Jも増加する因果関係が考えられる。Irが10at%以下、あるいは30at%以上になると、前述した効果を得ることができない。
さらに、第2の強磁性層であるCoFe組成は、5at%≦Fe≦15at%とすることが望ましい。Fe量の増加によってCoFeの格子面間隔は大きくなる。これは上述したようにIrMnとの格子面間隔との関係で生じる適度なミスフィットに起因するもので、交換結合定数Jの増加が影響していると考えられる。しかし、Fe量を適量以上にすると、交換結合定数Jは減少してしまう。
【0018】
実験的に検証した格子面間隔の好ましい制御値は次のような範囲であることを見出した。即ち、反強磁性層IrMn合金の(110)面の格子面間隔dAF(110)を、0.266nm≦dAF(110)≦0.268nmに制御し、且つCoFe合金の(110)面の格子面間隔dF(110)を0.252nm≦dF(110)≦0.253nmとすることによって、従来にない大きな交換結合磁界が得られる。また、これらの結果からミスフィットを計算すると、5〜6.5%の範囲が最適となる。
【0019】
さらに、これらの格子面間隔の関係を得るため、既に述べた合金組成の関係を満足させると共に、反強磁性層と第2の強磁性層の間の一部には原子結合レベルの緩和層を介させると、一層容易に所要の格子面間隔を得ることができる。この緩和層は非磁性の酸化物で構成することがより好ましい。この考え方はミスフィットがある場合に、緩和層を入れることにより反強磁性層と第2の強磁性層の格子面間隔が相互に影響することなしに、材料本来の値を保つために有効である。この原子結合レベルとは、数層程度の原子が反強磁性層と強磁性層の間に存在することである。また、この緩和層に使われる材料の格子定数は反強磁性材あるいは強磁性材に近い方が更に良好な結果を得ることができる。
【0020】
反強磁性層の(110)面の格子面間隔dAF(110)は(111)面方向に対して製造条件によってある範囲で変動する。特に、膜厚が厚くなると、その変化幅は大きくなりやすい。このdAF(110)の変化幅は結晶構造上少ない程、良好な特性とその安定化につながり好ましいものであるが、その限度は1%以下であると見積られる。この範囲であれば、大きな交換結合磁界を得ることができる。反強磁性層の結晶構造を(111)面に対して一様に規則性を持たせることが、磁気抵抗効果を引き出す重大なファクターであることを実験から確かめた結果である。したがって、格子面間隔の変化幅を1%以上にすると、膜厚方向で交換結合磁界が低下してしまう不都合を生じる。
【0021】
上記した磁気抵抗効果膜を作製するため、磁気抵抗効果膜の製造プロセス上配慮しなければならない工程がある。即ち、組成の制御あるいは成膜時の基板面上に達した粒子のエネルギーを制御する方法が有効である。20nm程度の非常に薄い膜を成膜する場合、従来認識されていない現象に遭遇するものである。膜組成に従来許容されるばらつき範囲であっても、局所的に格子面間隔が異なる部分が生じ、交換結合磁界の大きさがばらつくことがわかった。このため、組成は厳密に制御する必要がある。また、成膜時の基板表面上に達した粒子が有するエネルギー量に依存して、膜中に生じるひずみの大きさは異なることが知られている。その結果、同じ膜組成であっても格子面間隔の大きさが異なったり、極端な場合、結晶相そのものが変化する場合もある。平滑でひずみの小さい膜をつくるためには粒子のエネルギーとして、10〜30eV程度であることが望ましい。成膜装置の構成、性能とも関係するため、この値は一応の目安である。このエネルギーが大きすぎるとひずみが大となり、小さすぎると安定位置に移動できないなどの不都合を生じる。この範囲を外れると、基板に衝突した粒子が基板上で自由に移動してしまい、fccの結晶構造が得られないばかりか、所要の格子面間隔さえ得られない。このため、安定位置に到達できるようにバイアス電圧の印加やイオンの照射によって、適正な格子面間隔を有する薄膜を得る制御を行うことが必要である。
【0022】
反強磁性層と強磁性層間の交換結合磁界の大きさは、反強磁性材料の持つ異方性定数や反強磁性層と強磁性層界面に働く交換結合定数Jによって変化する。反強磁性材料の持つ異方性定数は、膜組成のみならず、材料の結晶構造や格子のひずみによる影響を受ける。磁性体ハンドブック(朝倉書店出版)のp400の図7.192に記載されているように、「fcc構造の合金の格子定数とネール温度との間には一定の関係があり、格子定数を最適化することで大きな交換結合磁界を得ることができる。」旨の技術の開示がされている。したがって、最適な格子間隔(面間隔)を膜の厚み方向全体にわたって実現できれば、より薄い膜厚で大きな交換結合磁界を得ることができる。しかし、この最適範囲は構成する材料によって変わることは言うまでもなく、今まで文献等に発表されていないものである。fcc構造を示す反強磁性層においては、最稠密面である(111)面が膜面に平行になるように膜成長がおこるため、膜面に垂直な(110)の面間隔が均一であれば、特性バラツキの小さいスピンバルブ膜を使用した磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0023】
また、格子面間隔のミスフィットと反強磁性層の厚さとは深い関係があることを見出した。即ち、反強磁性層と強磁性層の格子間隔の差によるミスフィットが6.5%以上になると、反強磁性層の厚さが10nm以上で厚くなるにつれて初期層と比べて(110)面の間隔が変化したり、さらに(111)面の配向性が悪くなったりしやすくなることである。このため、IrMn反強磁性層の異方性定数が大きくなる格子面間隔を、成膜条件、膜組成及び下地となる膜との組み合わせで制御することにより、固定層との間に大きな交換結合磁界を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気抵抗効果多層膜を作製するのに、イオンビームスパッタ装置を用いた。多層膜を構成するのに必要な複数のターゲットおよび多層膜が形成されるガラス基板を同一真空槽内に装着でき、ターゲット部に対向してイオンガン部、ガラス基板に対向して補助イオンガン部を備えている。ガラス基板の両側に磁界発生用の永久磁石が配置されており、40kA/mの磁界がガラス基板に印加できるようになっている。
【0025】
このイオンビームスパッタ装置を用いて、図15(a)に示したような多層膜を作製した。ここではガラス基板上に基板側から、基板/Ta(5nm)/NiFe(8nm)/CoFe(1nm)/Cu(2nm)/CoFe(3nm)/IrMn(10nm)/Ta(5nm)のサンプルを作製した。ここで第1の強磁性層8a及び8bは、NiFeとCoFeの2層で構成したが、磁気的な特性上1層の強磁性層と同様に動作する。成膜中の基板温度は基板下部を水冷することにより一定に保持した。
ここで多層膜を形成するときの条件は、イオンガン部にArガスを導入し真空槽内の真空度が5×10-4Torrとなる圧力として、イオン電流6mAとして、イオンガンの加速電圧を400Vから1800Vまで変化させた。このとき補助イオンガンには200Vの電圧を印加し、成膜中の基板面にArガス粒子を照射した。
【0026】
以上述べた方法によって作製した試料を用いて、本発明の有効性検証を行うことにする。
まず、図1に薄膜アタッチメントを用いて測定したX線回折の結果より求めたIrMn(110)面の格子面間隔と交換結合磁界との関係を示す。この場合のCoFeの(110)面の格子面間隔は0.2528nmであった。安定したヘッド性能を得るためには、少なくとも300Oe以上の交換結合磁界Hexが必要と考えられるので、この観点よりIrMn(110)面の格子面間隔dAF(110)が0.266nm≦dAF(110)≦0.268nmの場合に、その条件が満たされることがわかる。
【0027】
この薄膜アタッチメントとは、以下のような方法である。まず、図2は薄膜アタッチメントを用いて測定したX線回折パターンである。この測定においては、X線を試料に入射する角度θを1°と非常に低い角度に固定し、試料で回折したX線を検知する角度2θのみを変化させて測定したものである。X線源にはCu-kα線を用いた。このような測定方法を用いると、従来のθ-2θ法では得られない膜面に平行でない格子からの回折を検知することができる。
この方法で上記試料を測定すると、図示するように膜面に平行なIrMnやCoFeの(111)面からの回折以外に、IrMnとCoFeの(220)面からの回折線を測定することができる。したがって、各薄膜の格子のひずみや結晶構造をより正確に知ることができる。スピンバルブ膜のような極薄膜の結晶構造を把握し、制御するためには非常に有効な手段となる。
【0028】
さて、このような回折結果から格子面間隔などを算定する原理を説明することにする。図3にfcc構造の原子配列の模式図を示す。最稠密面である(111)面が層状に積み重なっており、その原子配列として図中のA,B,C面が繰り返される構造をなっている。この(111)面を紙面上から見た場合の原子配列の模式図を図4に示す。fcc構造は原子が、IrMnの場合ABCABC・・・、一方、CoFeではabcabc・・・と積層されているとすると、IrMnの(110)面の面間隔dAF(110),CoFeの(110)面の面間隔dF(110)は、各々図で示したようになる。図5には、IrMnとCoFeの界面近傍の断面模式図を示す。図4で示した断面1および2である。IrMn,CoFeは両方とも(111)面で接しており、膜厚方向の格子面間隔は各々dAF(111),dF(111)と表される。一方、(111)面に垂直な方向の面間隔は各々、(2/ √3)dAF(110),(2/√3)dF(110)と表すことができる。
【0029】
図6は、薄膜アタッチメントを用いて測定したX線回折の結果から算出したCoFe(110)面の格子面間隔と交換結合磁界の関係である。この場合のIrMnの(110)面の格子面間隔は0.2668nmであった。CoFe(110)面の格子面間隔dF(110)が0.252nm≦dF(110)≦0.253nmの場合に、Hex≧300Oe以上の良好な特性が得られた。
【0030】
図7にIrMnのIr量とIrMnの(110)面の格子面間隔の関係を示す。試料は、基板側から、基板/Ta(5nm)/NiFe(8nm)/CoFe(1nm)/Cu(2nm)/CoFe(3nm)/IrMn(10nm)/Ta(5nm)である。作製には、イオンビームスパッタを用い、イオンガン部にArガスを導入し真空槽内の真空度が5×10-4Torrとなる圧力として、イオン電流6mAとして、イオンガンの加速電圧を1000Vした。このとき補助イオンガンには200Vの電圧を印加し、成膜中の基板面にArガスを照射した。10at%≦Ir≦30at%の組成範囲で、0.266nm≦dAF(110)≦0.268nmとなることがわかった。
【0031】
図8はCoFeのFe量とCoFeの(110)面の格子面間隔の関係を示す。試料は、基板側から、基板/Ta(5nm)/NiFe(8nm)/CoFe(1nm)/Cu(2nm)/CoFe(3nm)/IrMn(10nm)/Ta(5nm)である。作製には、イオンビームスパッタを用い、イオンガン部にArガスを導入し真空槽内の真空度が5×10-4Torrとなる圧力として、イオン電流6mAとして、イオンガンの加速電圧を1000Vした。このとき補助イオンガンには200Vの電圧を印加し、成膜中の基板面をアシストした。5at%≦Co≦15at%の組成範囲で、0.252nm≦dF(110)≦0.253nmとなることがわかった。
【0032】
イオンビームスパッタによる成膜条件とIrMnの(110)面の格子面間隔の関係を調べた。図9のように、イオンガンの加速電圧が700〜1500Vの範囲で、0.266nm≦dAF(110)≦0.268nmとなることがわかった。この際、補助イオンガンの加速電圧は200Vとした。一方、図10のように、補助イオンガンの加速電圧が150〜400Vの範囲で、0.266nm≦dAF(110)≦0.268nmとなることがわかった。この際、イオンガンの加速電圧は1000Vとした。
【0033】
CoFe固定層を成膜後、成膜室内にO2ガスを導入し、1分間放置後真空排気を行い、IrMnを成膜した。導入したO2分圧と交換結合磁界との関係を図11に示す。その結果、1×10-7Torrのガスを導入した際に交換結合磁界が最も大きくなることがわかった。
ガス導入分圧が1×10-7Torrより、少ない場合にはガス導入なしの場合との差は見られず、一方多い場合にはその導入量とともに交換結合磁界は急激に低下している。
格子面間隔のミスマッチがある場合、界面ではその差を小さくする方向に原子は配列しやすくなる。したがって、図12の模式図のように原子レベルでの緩衝層を挿入することでIrMnとCoFeのミスフィット量を大きく保つことができると推測される。しかしながら、この緩衝層が厚くなりすぎると交換結合が生じにくくなると考えられる。
【0034】
これまで検討してきた結果をもとに、IrMnの膜厚を変えて、基板側から、基板/Ta(5nm)/NiFe(8nm)/CoFe(1nm)/Cu(2nm)/CoFe(3nm)/IrMn(2.5〜18nm)/Ta(5nm)という従来例(a)と基板側にIrMnを配した、基板/Ta(5nm)/ IrMn(2.5〜18nm) /CoFe(3nm)/Cu(2nm)/CoFe(1nm)/ NiFe(8nm)/Ta(5nm)の従来例(b)、そして本発明を適用した基板/Ta(5nm)/IrMn(2.5〜18nm)/CoFe(3nm)/Cu(2nm)/CoFe(1nm)/ NiFe(8nm)/Ta(5nm)の交換結合磁界を測定した。
その結果を図13に示した。従来例(b)では十分な小さな交換結合磁界しか得られない。この場合のIrMnのdAF(110)を測定した結果、0.266nmより小さくなっており、また膜厚が10nm以上に厚くなると上部で(111)面が膜面に対して平行でなくなるため、CoFeとの間で十分な交換結合磁界が得られなくなるものと考えられる。
これに対して、本発明を適用してIrMnの格子面間隔を制御した結果、従来例(a)とほぼ同等の交換結合磁界が得られた。
【0035】
ターゲットと基板が平行に配置されているRFもしくDCのスパッタ法においては、成膜時に負の基板バイアス電圧を印加する手段を設けてイオンを基板に照射することができる。
また、ターゲットの上部にRFコイルを設置してターゲットからスパッタされた粒子に電荷を与えることでも基板上での粒子の動き安さを改善することができる。
スパッタリング現象(東京大学出版会p162-163)に記載されているS−GUNにおいても、陽極(アノード)を用いてバイアスを印加することで同様な効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の磁気抵抗効果多層膜は大きな交換結合磁界が得られることから、スピンバルブヘッドに適用することにより、高出力で特性の安定したヘッドが実現できる。なお、本実施例ではイオンビームスパッタ装置を用いて膜を製造したが、イオンビームスパッタ法以外の他の成膜方法を使用しても同様の効果が期待できる。RFやDCスパッタ法では、成膜時に正または負の基板バイアス電圧を印加する手段を設けてイオンを基板に照射したり、基板を高温にすることなどが知られている。これはイオンビームスパッタ法におけるイオン照射と同等な影響を及ぼすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した試料の反強磁性層の格子面間隔対交換結合磁界特性。
【図2】本発明による試料のX線回折パターンX。
【図3】 fcc構造の原子配列の模式図。
【図4】 (111)面からの原子配列の模式図。
【図5】 IrMnとCoFe界面における原子配列の模式図。
【図6】 CoFeの(110)面の格子面間隔と交換結合磁界の関係。
【図7】 IrMnの(110)面の格子面間隔と交換結合磁界の関係。
【図8】 Fe量とCoFeの(110)面の格子面間隔の関係。
【図9】 イオンガンの加速電圧とIrMnの(110)面の格子面間隔の関係。
【図10】補助イオンガンの加速電圧とIrMnの(110)面の格子面間隔の関係。
【図11】O2の導入分圧と交換結合磁界の関係。
【図12】 IrMnとCoFe界面における緩衝層の原子配列模式図。
【図13】本発明によるIrMn膜厚対交換結合磁界特性。
【図14】スピンバルブ膜の原理を説明する構成図。
【図15】従来のスピンバルブ膜の構成。
【符号の説明】
1 基板、2 第1の強磁性層、3 非磁性層、4 第2の強磁性層、
5 反強磁性層、6 基板、7 下地層、8、8a、8b 第1の強磁性層、
9 非磁性層、10 第2の強磁性層、11 反強磁性層、12 保護層、
13 基板、14 下地層、15 反強磁性層、16 第2の強磁性層、
17 非磁性層、18' 第1の強磁性層、19 保護膜、20 基板、
21 下地層、22 反強磁性層、23 第2の強磁性層(固定層)、
24 非磁性層、25、25a、25b 第1の強磁性層(自由層)、
26 非磁性層、27 第2の強磁性層(固定層)、28 反強磁性層、
29 保護膜

Claims (11)

  1. 基板に形成された下地層上に、下から反強磁性層、第2の強磁性層、非磁性層および第1の強磁性層を順次積層してなる磁気抵抗効果膜において、前記反強磁性層および前記第2の磁性層はそれぞれ(111)面で接するfcc構造を有し、(110)面の格子面間隔を各々dAF(110)、dF(110)とすると、(dAF(110)-dF(110))/dF(110)で定義されるミスフィットが5〜6.5%の範囲に制御されていることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  2. 請求項1において、前記反強磁性層はIrMnからなり、その組成範囲が10at%≦Ir≦30at%であることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  3. 請求項1または2のいずれかにおいて、前記第2の強磁性層はCoFeからなり、その組成範囲が5at%≦Fe≦15at%であることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  4. 請求項3において、前記反強磁性層IrMn合金の(110)面の格子面間隔dAF(110)が、0.266nm≦dAF(110)≦0.268nmで、かつCoFe合金の(110)面の格子面間隔dF(110)が0.252nm≦dF(110)≦0.253nmであることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記反強磁性層と第2の強磁性層の間の少なくとも一部に原子結合レベルの緩和層を介していることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  6. 請求項5において、前記緩和層は非磁性の酸化物であることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  7. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記反強磁性層の(110)面の格子面間隔dAF(110)は(111)面に対する変化幅1%以下で、且つ連続的に変化することを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  8. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記反強磁性層の膜厚は、10nm以下であることを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記磁気抵抗効果膜をデュアルスピンバルブ形に構成することを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  10. 請求項1〜9のいずれかにおいて、前記磁気抵抗効果膜のブロッキング温度は250℃以上であるかもしくはセンス電流密度2×107/cm2以上で動作することを特徴とする磁気抵抗効果膜。
  11. 基板に形成された下地層上に、下から反強磁性層、第2の強磁性層、非磁性層および第1の強磁性層を順次積層してなる磁気抵抗効果膜の製造方法において、前記反強磁性層および第2の磁性層は(111)面で接するfcc構造を形成させ、少なくとも前記反強磁性層または第2の強磁性層の組成を制御するか、成膜時に与える被成膜粒子のエネルギーを制御することによって、前記(111)面に垂直な(110)面の格子面間隔のミスフィットを所定の範囲に制御することを特徴とする磁気抵抗効果膜の製造方法。
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