JP4028026B2 - イミド系粘着部材 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ポリイミド系基材とアクリル系粘着層との密着力に優れて、耐熱性や糊残りしない剥離性等に優れ、金属やプラスチック等の耐熱性被着体への接着などに好適なイミド系粘着部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド系フィルムを利用する各種の分野において、かかるフィルムの優れた耐熱性や機械的強度、耐ハンダ付性等の電気特性などを粘着層の支持基材として活かしうる粘着部材が求められている。けだし、これまでのエポキシ系やポリイミド系等の熱硬化性接着剤による接着処理では作業現場での高温・高圧処理を要する難点が伴うのに対し、粘着部材ではその必要がなく作業現場で簡便に、かつ作業環境よく接着処理できるからである。
【0003】
従来、ポリイミドフィルムを支持基材に用いた粘着部材としては、シリコーン系粘着層を付設したものが知られていた。しかしシリコーン系粘着層は、被着体に対する接着力が強く、その接着力が過大接着力として機能する場合や、シリコーン成分が化学的変質を誘発する場合などの如く用途に制限のある問題点があった。
【0004】
前記に鑑みて本発明者らは、耐熱性や耐候性、耐油性や接着特性などに優れて広範な用途に使用しうる、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主体としたアクリル系ポリマーからなる通例のアクリル系粘着剤の使用を試みた。しかしながら、ポリイミド系基材との密着力に乏しく、基材の剥離や、粘着部材を被着体より剥がしたときに粘着層が被着体に移着して糊残りするなどの問題点のあることが判明した。
【0005】
ポリイミド系基材に特開平9−48863号公報や特開平9−48864号公報等が教示する、コロナやプラズマ、火炎やアルカリ、カップリング剤などによる化学的ないし物理的処理や下塗処理を施して密着力の向上を図ることも試みたが、満足できる改善効果が得られず、特に経時的に前記の処理効果が低下して良密着を長期に持続できない問題点があった。
【0006】
前記に加えて、粘着剤を形成するアクリル系ポリマーに、アクリル酸やアクリル酸ヒドロキシエチルの如きカルボキシル基や水酸基を有する極性基含有単量体を共重合させて接着特性を改善することも試みたが、この場合にも満足できる改善効果が得られず、むしろ極性基の導入で粘着剤の耐湿特性が低下し、吸湿性の増大でハンダ付等の高温処理時に吸湿水分がガス化して発泡し、基材・粘着層界面や粘着層・被着体界面で剥離を発生する難点を誘発する問題点があった。
【0007】
【発明の技術的課題】
本発明は、耐熱性や耐候性、耐油性や接着特性等に優れて広範な用途に使用しうるアクリル系粘着剤の利点を活かしつつ、ポリイミド系基材とアクリル系粘着層との密着力に優れ、かつその良密着状態を長期に持続すると共に、耐湿特性にも優れて高温処理しても発泡や基材・粘着層界面等での剥離を発生しにくいイミド系粘着部材の開発を課題とする。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は、ポリイミド系ポリマーからなる単層フィルムないしシートにスパッタエッチング処理による良密着処理を施したポリイミド系基材の片面又は両面に、少なくともアクリル系単量体とイミド基含有単量体を成分とし、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が50%未満のアクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着層を有することを特徴とするイミド系粘着部材を提供するものである。
【0009】
【発明の効果】
本発明の粘着部材は、イミド系成分による極性と親和力に基づきアクリル系粘着層がポリイミド系基材と良好に密着して糊残りのない剥離性を示し、かつその良密着状態を長期に持続して保存時や使用時における密着安定性に優れている。また一定値未満の可溶解分率としたイミド系成分含有のアクリル系共重合体が高ガラス転移温度と疎水性による優れた耐湿特性を示して吸湿しにくく、高温処理時に発泡や基材・粘着層界面等での剥離を生じにくくてハンダ付等に耐えると共に、耐熱性や耐候性、耐油性や接着特性等に優れて広範な用途に使用することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明のイミド系粘着部材は、ポリイミド系ポリマーからなる単層フィルムないしシートにスパッタエッチング処理による良密着処理を施したポリイミド系基材の片面又は両面に、少なくともアクリル系単量体とイミド基含有単量体を成分とし、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が50%未満のアクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着層を有するものからなる。
【0011】
ポリイミド系基材としては、ポリイミド系ポリマーからなる単層フィルムないしシートが用いられる。
【0012】
また前記のポリイミド系ポリマーとしても、例えばピロメリット酸系やベンゾフェノンテトラカルボン酸系や2,2−ビス(3',4'−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン系の如きポリイミド、ナジック基やアセチレン基等を含有するポリイミド、ビスマレイミド・ジアミン系の如きポリイミドアミン、トリメリット酸系の如きポリアミドイミド、その他、ポリエーテルイミドやポリエステルイミドなどの適宜なものを用いうる。ポリイミド系基材は、1種又は2種以上のポリイミド系ポリマーを用いて形成したものであってよい。
【0013】
本発明で用いるポリイミド系基材は、少なくともアクリル系粘着層を設ける表面を良密着処理したものである。その良密着処理としては、持続性等の点よりスパッタエッチング処理による方式が採られ、就中、高周波によるスパッタエッチング処理が好ましい。サンドブラスト処理等の物理的処理やカップリング剤等の下塗り処理では、密着力、特に高温雰囲気下での密着力に乏しくなる。なおポリイミド系基材の厚さは、使用目的に応じて適宜に決定しうるが、一般には1mm以下、就中1〜500μm、特に5〜300μmとされる。
【0014】
一方、アクリル系粘着層は、アクリル系単量体とイミド基含有単量体を成分とし、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が50%未満のアクリル系共重合体をベースポリマーとするものにて形成される。
【0015】
前記のアクリル系単量体としては、ガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎることによる濡れ性ないし初期接着性(タック)の低下の防止や、接着力の発現性などの点より、一般式(A);CH2=C(R1)COOR2(ただし、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基である。)で表わされるものが好ましく用いうる。
【0016】
一般式(A)で表わされるアクリル系単量体の具体例としては、そのR2としてエチル基やプロピル基、ブチル基やイソブチル基、イソアミル基やヘキシル基、ヘプチル基や2−エチルヘキシル基、イソオクチル基やイソノニル基、イソデシル基やウンデシル基、ドデシル基やトリデシル基、テトラデシル基の如き炭素数が2〜14のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルなどがあげられる。
【0017】
イミド基含有単量体としては、マレイミド系化合物やイタコンイミド系化合物、スクシンイミド系化合物やシトラコンイミド系化合物などの適宜なものを用いうる。就中、本発明の目的の点よりマレイミド系化合物、イタコンイミド系化合物、スクシンイミド系化合物、特に下記の一般式(B)で表わされるマレイミド系化合物、一般式(C)で表わされるイタコンイミド系化合物、一般式(D)で表わされるスクシンイミド系化合物が好ましく用いうる。
【0018】
一般式(B);
【0019】
一般式(C);
【0020】
一般式(D);
【0021】
前記した一般式(B)のマレイミド系化合物や一般式(C)のイタコンイミド系化合物におけるR3又はR4は、水素又は1価の有機基であり、その有機基としては例えばアルキル基やシクロアルキル基、アリール基やアラルキル基、又はこれらの基にさらに官能基が導入されたものなどがあげれる。
【0022】
前記の一般式(B)で表わされるマレイミド系化合物の具体例としては、マレイミドやN−メチルマレイミド、N−エチルマレイミドやN−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミドやN−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミドやN−2−エチルヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミドやN−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドやN−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミドやN−メトキシフェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミドやN−ニトロフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミドやN−ヒドロキシフェニルマレイミドなどがあげられる。
【0023】
また一般式(C)で表わされるイタコンイミド系化合物の具体例としては、イタコンイミドやN−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミドやN−プロピルイタコンイミド、N−イソプロピルイタコンイミドやN−ブチルイタコンイミド、N−ヘキシルイタコンイミドやN−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミドやN−ラウリルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミドやN−フェニルイタコンイミド、N−メチルフェニルイタコンイミドやN−メトキシフェニルイタコンイミド、N−クロロフェニルイタコンイミドやN−ニトロフェニルイタコンイミド、N−カルボキシフェニルイタコンイミドやN−ヒドロキシフェニルイタコンイミドなどがあげられる。
【0024】
一方、前記一般式(D)のスクシンイミド系化合物におけるR5は、水素又はメチル基であり、R6は直鎖状又は分岐状の(ポリ)メチレン基である。さらにR7及びR8は、同種又は異種の水素、ハロゲン原子、置換若しくは非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、又はR7とR8とで形成された置換若しくは非置換のシクロアルキル環若しくは芳香族環である。
【0025】
前記において、R6で表わされる(ポリ)メチレン基は、直鎖物又は分岐物からなるメチレン基又はポリメチレン基であってよい。ポリメチレン基におけるメチレン単位の結合数は、2〜30、就中2〜20が一般的であるが特に限定はなく、30を超えるものであってもよい。R6としての(ポリ)メチレン基を有しない場合、スクシンイミドエステル基の易加水分解性のため耐候性等に優れる粘着剤が得られにくい。
【0026】
またR7とR8におけるアルキル基やアリール基、アラルキル基やアルコキシカルボニル基、アルコキシ基やアリールオキシ基、アルカノイル基やアルカノイルオキシ基は、置換物又は非置換物のいずれであってもよく、かつR7とR8は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらにR7とR8は、それらが結合してアルキレン鎖を形成してシクロアルキル環を形成していてもよいし、芳香族環を形成していてもよく、そのシクロアルキル環や芳香族環は、非置換物又は置換物のいずれであってもよい。
【0027】
前記の一般式(D)で表わされるスクシンイミド系化合物の具体例としては、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−オキシジメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−3−オキシトリメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−オキシテトラメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−5−オキシペンタメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−10−オキシデカメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−12−オキシドデカメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−14−オキシテトラデカメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−16−オキシヘキサデカメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−18−オキシオクタデカメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−メチル−3−オキシトリメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−エチル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミドなどがあげられる。
【0028】
また、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−オキシジメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−3−オキシトリメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−オキシテトラメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−5−オキシペンタメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−10−オキシデカメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−12−オキシドデカメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−14−オキシテトラデカメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−16−オキシヘキサデカメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−18−オキシオクタデカメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−メチル−3−オキシトリメチレン−メチル−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−エチル−6−オキシヘキサメチレン−メチル−スクシンイミドなどもあげられる。
【0029】
さらに、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−オキシジメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−3−オキシトリメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−オキシテトラメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−5−オキシペンタメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−10−オキシデカメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−12−オキシドデカメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−14−オキシテトラデカメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−16−オキシヘキサデカメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−18−オキシオクタデカメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−メチル−3−オキシトリメチレン−クロロ−スクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−エチル−6−オキシヘキサメチレン−クロロ−スクシンイミドなどもあげられる。
【0030】
またさらに、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−オキシジメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−3−オキシトリメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−オキシテトラメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−5−オキシペンタメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−10−オキシデカメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−12−オキシドデカメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−14−オキシテトラデカメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−16−オキシヘキサデカメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−18−オキシオクタデカメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−メチル−3−オキシトリメチレンフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−エチル−6−オキシヘキサメチレンフタルイミドなどもあげられる。
【0031】
加えて、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−オキシジメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−3−オキシトリメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−オキシテトラメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−5−オキシペンタメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−10−オキシデカメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−12−オキシドデカメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−14−オキシテトラデカメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−16−オキシヘキサデカメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−18−オキシオクタデカメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−メチル−3−オキシトリメチレン−4−メチルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−エチル−6−オキシヘキサメチレン−4−メチルフタルイミドなどもあげられる。
【0032】
さらに加えて、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−オキシジメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−3−オキシトリメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−オキシテトラメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−5−オキシペンタメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−10−オキシデカメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−12−オキシドデカメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−14−オキシテトラデカメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−16−オキシヘキサデカメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−18−オキシオクタデカメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−2−メチル−3−オキシトリメチレン−4−クロロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイル−4−エチル−6−オキシヘキサメチレン−4−クロロフタルイミドなどもあげられる。
【0033】
本発明で用いるアクリル系共重合体は、それぞれ1種又は2種以上のアクリル系単量体とイミド基含有単量体を用いて共重合したものであってよい。その使用割合は、Tgの過小による粘着特性不足や過大によるポリイミド系基材との初期密着性不足の防止、基材との密着力発現性などの本発明の目的の点より、アクリル系単量体50〜95重量%、イミド基含有単量体50〜5重量%が好ましい。
【0034】
Tgに基づくタック等の粘着特性や耐湿性、ポリイミド系基材との密着力などの点より特に好ましい使用割合は、アクリル系単量体60〜93重量%、就中70〜90重量%、イミド基含有単量体40〜7重量%、就中30〜10重量%である。
【0035】
本発明で用いるアクリル系共重合体には、上記した一般式(A)のアクリル系単量体及びイミド基含有単量体とは異なる単量体の1種又は2種以上を共重合させることができる。その異種単量体の共重合割合は、タックや耐湿性、粘着特性の制御性などの点より30重量%以下、就中25重量%以下が好ましい。
【0036】
前記の異種単量体としては、当該アクリル系単量体やイミド基含有単量体と共重合しうる適宜なものを用いうる。その例としては、アクリル酸やメタクリル酸、カルボキシエチルアクリレートやカルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸やマレイン酸、フマール酸やクロトン酸の如きカルボキシル基含有単量体、あるいは無水マレイン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物単量体があげられる。
【0037】
また、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルや(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートの如きヒドロキシル基含有単量体、スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸や(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸の如きスルホン酸基含有単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートの如き燐酸基含有単量体なども異種単量体として用いうる。
【0038】
さらに、(メタ)アクリルアミドやN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドやN−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き(N−置換)アミド系単量体、(メタ)アクリル酸アミノエチルや(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルの如き(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系単量体、(メタ)アクリル酸メトキシエチルや(メタ)アクリル酸エトキシエチルの如き(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系単量体、(メタ)アクリル酸プロピルトリメトキシシランや(メタ)アクリル酸プロピルジメトキシシラン、(メタ)アクリル酸プロピルトリエトキシシランの如き多官能性アルコキシシランなども異種単量体として用いうる。
【0039】
加えて、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドンやメチルビニルピロリドン、ビニルピリジンやビニルピペリドン、ビニルピリミジンやビニルピペラジン、ビニルピラジンやビニルピロール、ビニルイミダゾールやビニルオキサゾール、ビニルモルホリンやN−ビニルカルボン酸アミド類、スチレンやα−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムの如きビニル系単量体、ジビニルベンゼンの如きジビニル系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリルの如きシアノアクリレート系単量体、(メタ)アクリル酸グリシジルの如きエポキシ基含有アクリル系単量体、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールや(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールや(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールの如きグリコール系アクリルエステル単量体、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルやフッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートの如き、上記した一般式(A)で表わされるアクリル系単量体以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体なども異種単量体として用いうる。
【0040】
一方、多官能アクリレート系単量体なども必要に応じて異種単量体として用いうる。かかる多官能アクリレート系単量体の使用は、例えば電子線や紫外線等の放射線の照射による後架橋操作等で架橋剤無添加にて(自己架橋型)、あるいは過酸化物等の架橋剤の添加(分子間架橋型)を介して架橋処理することなどを可能にする。多官能アクリレート系単量体の共重合割合は、その官能基数に応じて適宜に決定しうる。架橋処理による耐熱性の向上や弾性率の過大化による接着力の低下防止などの点より好ましい共重合割合は、0.01〜20重量%、就中0.05〜5重量%、特に0.1〜3重量%である。
【0041】
多官能アクリレート系単量体の例としては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートや(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0042】
アクリル系重合体の調製は、例えば成分とする単量体の混合物に、溶液重合方式や乳化重合方式、塊状重合方式や懸濁重合方式等の適宜な方式を適用して行うことができる。塊状重合方式の場合には、紫外線照射による重合方式が好ましく適用でき、特に高耐熱性のアクリル系重合体が得られる利点などを有する。
【0043】
前記の重合処理に際しては、重合法に応じた熱重合開始剤や光重合開始剤等の適宜な重合開始剤を必要に応じて用いうる。その使用量は、適宜に決定してよいが、一般には共重合させる単量体の総量の0.001〜5重量%とされる。
【0044】
前記の熱重合開始剤の例としては、過酸化ベンゾイルやt-ブチルパーベンゾエート、クメンヒドロパーオキシドやジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n-プロピルパーオキシジカーボネートやジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエートやt-ブチルパーオキシビバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドやジラウロイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシドやジアセチルパーオキシドの如き有機過酸化物などがあげられる。
【0045】
また、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)や2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)やジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)や2,2'−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プルパン〕の如きアゾ系化合物なども熱重合開始剤の例としてあげられる。
なお乳化重合方式等では、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムや過酸化水素等、あるいはそれらと還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として好ましく用いうる。
【0046】
一方、光重合開始剤の例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンやα−ヒドロキシ−α,α'−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノンや2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンや2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1の如きケトン系ないしアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテルやベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾインエーテル系化合物などがあげられる。
【0047】
また、ベンジルジメチルケタールの如きケタール系化合物、ベンゾフェノンやベンゾイル安息香酸、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物、チオキサンソンや2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンや2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソンや2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソンや2,4−ジイソプロピルチオキサンソンの如きチオキサンソン系化合物、その他、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナート等の化合物なども光重合開始剤の例としてあげられる。
【0048】
本発明のイミド系粘着部材におけるアクリル系粘着層は、アクリル系共重合体を必要に応じ架橋処理して20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が50%未満となるように調製したものをベースポリマーとする。その可溶解分率が50%以上のベースポリマーでは、高温雰囲気下で軟化・流動しやすくて耐熱性に乏しく、ポリイミド系基材の耐熱性を活かす本発明の目的を達成できない。
【0049】
耐熱性や接着力等の点よりベースポリマーの好ましい可溶解分率は、45%未満、就中1〜40%である。なお前記の可溶解分率は、アクリル系共重合体からなるベースポリマーの1重量部を20℃の酢酸エチル100重量部に168時間浸漬した後、その液を250メッシュのポリアミド製等の濾過布を介して濾過し、その場合に濾過できなかったベースポリマー(不溶分)の乾燥重量を測定してその重量からベースポリマーの可溶解分を百分率として求めることができる。
【0050】
上記のように本発明のイミド系粘着部材におけるアクリル系粘着層は、アクリル系共重合体からなるベースポリマーを、本発明の目的を達成するために必要に応じ分子間架橋剤の配合による外部架橋方式や、自己架橋型単量体を共重合化した内部架橋方式、あるいはそれらを併用した複合方式などの適宜な方式で架橋処理しうる組成として上記の可溶解分率となるように調製したものである。
【0051】
前記において、アクリル系共重合体を分子間架橋剤を介して架橋処理する外部架橋方式の場合には、例えば上記したカルボキシル基含有単量体や酸無水物系単量体、水酸基含有単量体や分子間架橋剤と反応しうる官能基を有する単量体を共重合させたものが好ましく用いうる。
【0052】
前記の分子間架橋剤としては、分子間架橋に関与するアクリル系重合体における官能基の種類などに応じて適宜なものを用いることができ、特に限定はない。従って公知物のいずれも用いうる。その例としては、トリレンジイソシアネートやトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート、ジフェニルメタントリイソシアネートの如き多官能イソシアネート系架橋剤、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルやジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの如きエポキシ系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤や金属塩系架橋剤、金属キレート系架橋剤やアミノ樹脂系架橋剤、過酸化物系架橋剤などがあげられる。
【0053】
分子間架橋剤は、アクリル系重合体の調製後に添加して加熱処理、紫外線や電子線等の放射線の照射処理等を介しアクリル系重合体を架橋処理するものである。分子間架橋剤の配合量は、それと反応するアクリル系共重合体中の官能基の種類や含有量などにより適宜に決定しうる。一般には、架橋処理による耐熱性の向上や弾性率の過大化による接着力の低下防止などの点より、アクリル系共重合体100重量部あたり0.01〜20重量部、就中0.05〜5重量部、特に0.1〜3重量部が用いられる。
【0054】
なおアクリル系共重合体を形成するイミド基含有単量体が、上記した一般式(B)又は(C)におけるR3又はR4として、例えばカルボキシフェニル基やヒドロキシフェニル基の如く官能基を有する場合には、その官能基を介して分子間架橋剤により架橋処理することも可能である。
【0055】
一方、分子間架橋剤を用いずに放射線照射や加熱処理等による内部架橋方式で架橋処理しうる自己架橋型のアクリル系共重合体としては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルやジビニルベンゼン、エポキシ基含有アクリル系単量体やポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやアミド系単量体、多官能性アルコキシシランや多官能アクリレート系単量体などの、2個以上の結合手を有する単量体を共重合させたものなどが好ましく用いられる。
【0056】
イミド系粘着部材の形成は、例えばアクリル系共重合体を適宜な有機溶剤による溶液や溶液重合液等に基づく溶液、乳化重合液や懸濁重合液等に基づくエマルジョンないし分散液、あるいは無溶剤液などの適宜な塗布形態に調製して、ポリイミド系基材の片面又は両面に、流延方式や塗布方式などの適宜な方式で塗布し、それに乾燥処理や架橋処理などの必要な処理を施して粘着層とする方式、あるいはセパレータ、例えば薄葉体を剥離剤で表面処理したものや、ポリプロピレン、ポリエチレンの如き弱接着性のフィルム等の上に前記に準じて形成した粘着層をポリイミド系基材上に移着する方式などの適宜な方式で行うことができる。
【0057】
粘着層の形成に際しては必要に応じて、例えば天然ないし合成の樹脂類、ガラスの繊維やビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤、顔料や着色剤等の添加剤、酸化防止剤などの、粘着層に配合されることのある適宜な配合剤を加えることができる。粘着層の厚さは、粘着部材の使用目的などに応じて適宜に決定してよく、一般には1〜500μmとされる。なお粘着層は、点状パターン等に部分的に設けられていてもよい。
【0058】
本発明のイミド系粘着部材は、ポリイミド系基材とアクリル系粘着層との密着力、耐熱性や耐湿性、耐候性や耐油性、電気特性や接着力等に優れて種々の目的に用いることができる。就中、100℃を超えるハンダ付にも耐えるので電気分野などに特に好ましく用いうる。
【0059】
【実施例】
実施例1
アクリル酸n−ブチル85部(重量部、以下同じ)、アクリル酸10部、及びシクロヘキシルマレイミド5部を2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.05部の存在下、窒素雰囲気の四ツ口フラスコ内で紫外線により部分的に重合処理して粘度が約30ポイズのシロップを得たのち、このシロップ100部にトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート0.2部を配合し、それを厚さ75μmのポリイミドフィルムの高周波スパッタエッチング処理表面に塗布し、紫外線を900mj/cm2照射して厚さ50μmのアクリル系粘着層を形成し、イミド系粘着部材を得た。
【0060】
なお前記の高周波スパッタエッチング処理は、0.005Torrのアルゴンガス雰囲気下、13.6MHzの高周波電圧を印加し、放電電力を4.0W/cm2に調節して30秒間スパッタエッチングする条件で行った。
【0061】
実施例2
冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌機を備えた容器に、酢酸エチル150部、アクリル酸n−ブチル80部、アクリル酸10部、N−ブチルイタコンイミド10部、及びアゾビスイソブチロニトリル0.5部を加えて窒素置換下に60℃で4時間、ついで80℃で2時間重合させて、アクリル系共重合体溶液を得た(重合率99%)。
【0062】
次に前記のアクリル系共重合体溶液に、アクリル系共重合体100部あたり3部の4官能エポキシ系架橋剤を加えて粘着剤溶液を調製し、それを厚さ75μmのポリイミドフィルムの高周波スパッタエッチング処理表面に塗布し、80℃で20分間乾燥して厚さ50μmのアクリル系粘着層を有するイミド系粘着部材を得た。
【0063】
実施例3
実施例1に準じ、アクリル酸n−ブチル50部、アクリル酸10部、及びN−アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド40部からなるアクリル系粘着層を形成してイミド系粘着部材を得た。
【0064】
実施例4
ポリイミドフィルムとして、スパッタエッチング処理物を常温で1年間保存したものを用いたほかは実施例1に準じてイミド系粘着部材を得た。
【0065】
比較例1
実施例1に準じ、アクリル酸n−ブチル90部とアクリル酸10部からなるアクリル系粘着層を形成してイミド系粘着部材を得た。
【0066】
比較例2
実施例1に準じ、アクリル酸n−ブチル85部とアクリル酸15部からなるアクリル系粘着層を形成してイミド系粘着部材を得た。
【0067】
比較例3
ポリイミドフィルムとして、スパッタエッチング処理物を常温で1年間保存したものを用いたほかは比較例1に準じてイミド系粘着部材を得た。
【0068】
比較例4
高周波スパッタエッチング処理を施していないポリイミドフィルムを用いたほかは実施例1に準じて粘着部材を得た。
【0069】
比較例5
高周波スパッタエッチング処理を施していないポリイミドフィルムを用いたほかは実施例2に準じて粘着部材を得た。
【0070】
比較例6
高周波スパッタエッチング処理を施していないポリイミドフィルムを用いたほかは実施例3に準じて粘着部材を得た。
【0071】
比較例7
トリメチロールプロパントリアクリレートの使用量を0.05部としたほかは実施例1に準じ粘着部材を得た。
【0072】
評価試験
実施例、比較例で得た粘着層溶液、粘着部材について次の特性を調べた。
可溶解分率
実施例、比較例の粘着部材に準じて、ポリイミドフィルムに代わるセパレータ上に粘着層を形成し、その粘着層層の1gをセパレータ上より収集してそれを20℃の酢酸エチル100gに168時間浸漬した後、その液を250メッシュのポリアミド製濾過布を介して濾過し、その場合に濾過できなかった不溶分の乾燥重量を測定してその重量から可溶解分を百分率として求めた。
【0073】
接着力
幅10mmの粘着部材をステンレス板に2kgのゴムローラを一往復させて圧着し、90度ピール値(剥離速度50mm/分)を調べた。
【0074】
密着性
前記の接着力試験において、ポリイミドフィルムとアクリル系粘着層との界面剥離の有無を調べ、ステンレス板への粘着層の移着がない場合を○、粘着層の一部が移着した場合を△、粘着層の全部が移着した場合を×として評価した。
【0075】
保持力
幅10mm、長さ200mmの粘着部材をステンレス板に2kgのゴムローラを一往復させて圧着し、粘着部材の一端を剥がしてそこに100gfの荷重を垂下して80℃で2時間放置したのち、初期状態よりの剥がれ距離を調べた。
【0076】
保持密着性
前記の保持力試験において、ポリイミドフィルムとアクリル系粘着層との界面剥離の有無を調べ、ステンレス板への粘着層の移着がない場合を○、粘着層の一部が移着した場合を△、粘着層の全部が移着した場合を×として評価した。
【0077】
耐熱性
粘着部材を厚さ1mmのステンレス板に気泡混入を防止しつつ2kgのゴムローラを一往復させて圧着し、それより30mm角の試料を切出してピーク温度が250℃のハンダリフロー炉に投入し、その処理後における粘着部材の接着状態を観察して、粘着層の発泡、及び浮きやシワ、剥がれやズレ等の接着異常を調べ、発泡と接着異常がない場合を○、一部に発泡又は接着異常がある場合を△、全面に発泡又は接着異常がある場合を×として評価した。
【0078】
前記の結果を次表に示した。
【0079】
表より、実施例のイミド系粘着部材は、高い接着力と保持力を示すと共に、基材と粘着層の密着力に優れており、かつ耐熱性に優れていることがわかる。また実施例4より、かかる良好な特性を長期に持続することもわかる。
Claims (3)
- ポリイミド系ポリマーからなる単層フィルムないしシートにスパッタエッチング処理による良密着処理を施したポリイミド系基材の片面又は両面に、少なくともアクリル系単量体とイミド基含有単量体を成分とし、20℃の酢酸エチルに対する可溶解分率が50%未満のアクリル系共重合体をベースポリマーとする粘着層を有することを特徴とするイミド系粘着部材。
- 請求項1において、ポリイミド系基材が高周波によるスパッタエッチング処理にて良密着処理したものであるイミド系粘着部材。
- 請求項1又は2において、アクリル系共重合体が一般式(A);CH2=C(R1)COOR2(ただし、R1は水素又はメチル基、R2は炭素数2〜14のアルキル基である。)で表わされるアクリル系単量体と、マレイミド系化合物、イタコンイミド系化合物又はスクシンイミド系化合物からなる1種又は2種以上のイミド基含有単量体を成分とし、かつアクリル系単量体50〜95重量%、イミド基含有単量体50〜5重量%の割合で含有するものであるイミド系粘着部材。
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