JP4027790B2 - 気体反応用マイクロ化学リアクタ装置 - Google Patents

気体反応用マイクロ化学リアクタ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体反応用マイクロ化学リアクタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、本願発明者らは、ドット型電極をチップ上に配置して、不活性な液中に生成させた微小液滴の静電搬送ならびに化学合成の研究を行なっており、既に、液体中に微粒子を生成し、その微小粒子を移動させる提案を行っている(下記【特許文献1】参照)。
【0003】
図15はかかる従来の液体微粒子のハンドリング装置の断面模式図である。
【0004】
ここでは、電極線2を2次元的に配置した絶縁層3を有する基板1上に、不活性な液4中に生成させた微小液滴5を置き、電極線2の電圧をコントローラで制御することにより、2次元の任意の方向に微小液滴5をハンドリングすることができる。
【0005】
【特許文献1】
国際公開 WO 02/066992 A1 第6−7頁 第3図
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者らは、液槽の天井に電極線を配線し、不活性な液中に生成させた微小気泡を微小液滴や微小固体に作用させて、静電搬送ならびに化学合成を可能にする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の開発を行った。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑み、静電搬送チップ上で確実に操作を行うことができる気体反応用マイクロ化学リアクタ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、不活性の液体が充填される気泡反応槽の天井に形成される電極と、この電極に電圧を印加するコントローラとを備え、前記気泡反応槽内にセットされる複数の試料のうち少なくとも気泡試料を前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記気泡反応槽内にセットされる他の試料と合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする。
【0009】
〔2〕上記〔1〕記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、前記気泡反応槽内にセットされる複数の気泡試料を前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記複数の気泡試料を合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする。
【0010】
〔3〕上記〔1〕記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、前記気泡反応槽の天井の高さを低く(液層の深さを浅く)して、この気泡反応槽内にセットされる気泡試料と液体試料とを前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記気泡試料と液体試料とを合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする。
【0011】
〔4〕上記〔1〕記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、前記気泡反応槽の天井の高さを低く(液層の深さを浅く)して、この気泡反応槽内にセットされる気泡試料と固体試料とを前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記気泡試料と固体試料とを合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする。
【0012】
〔5〕気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、不活性の液体が充填される気泡反応槽の天井に形成される第1の電極と、前記気泡反応槽の底部に形成される第2の電極と、前記電極に電圧を印加するコントローラとを備え、前記気泡反応槽内にセットされる気泡試料を前記コントローラによる第1の電極への印加電圧の制御により、液滴試料を前記コントローラによる第2の電極への印加電圧の制御により、それぞれハンドリングして、前記気泡試料と液滴試料を合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする。
【0013】
〔6〕気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、不活性の液体が充填される気泡反応槽の天井に形成される第1の電極と、前記気泡反応槽の底部に形成される第2の電極と、前記電極に電圧を印加するコントローラとを備え、前記気泡反応槽内にセットされる気泡試料を前記コントローラによる第1の電極への印加電圧の制御により、固体試料を前記コントローラによる第2の電極への印加電圧の制御により、それぞれハンドリングして、前記気泡試料と固体試料を衝突させて、化学的合成を行わせることを特徴とする。
【0014】
〔7〕上記〔1〕から〔6〕のいずれか1項記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、化学合成を実施する光照射手段を備えることを特徴とする。
【0015】
〔8〕上記〔1〕から〔6〕のいずれか1項記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、化学合成を実施する加熱手段を備えることを特徴とする。
【0016】
〔9〕上記〔1〕から〔6〕のいずれか1項記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、化学合成を実施する加圧手段を備えることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施例を示す気泡と気泡の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図、図2は本発明の第1実施例を示す気泡の直径と移動速度との関係を示す図、図3は印加電圧と気泡の速度とを示す図である。
【0019】
これらの図において、10は気泡反応槽、11は気泡反応槽の底面、12は気泡反応槽の絶縁性の天井、13はその絶縁性の天井12内に埋められた電極、14は電極13が形成されている上基板、15は電極13に電圧を印加するコントローラ、16は気泡反応槽10内の不活性な液体、17はその不活性な液体16内にセットされる第1の気泡、18はその第1の気泡と化学的に合成される第2の気泡である。
【0020】
ここで、気泡17,18は不活性な液体(シリコンオイル、アルカン類、フロリナートなど)16に対して浮くため、電極13は気泡反応槽の天井12に設ける。
【0021】
そこで、第2の気泡18は電極13によって気泡反応槽の絶縁性の天井12に保持されており、これに対して、第1の気泡17は電極13への印加電圧の切り換えによって気泡反応槽10の天井12に接触しながら第2の気泡18側へと移動する。
【0022】
その際に、図2に示すように、気泡の略大きさが大きくなると、その移動速度は遅くなる。また、図3に示すように、電極に印加される電圧が大きくなると、その気泡の移動速度は早くなることが分かる。
【0023】
図4は本発明の第1実施例を示す気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の部分拡大断面図、図5は本発明の第1実施例の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、気泡が反応する様子を示す気泡反応槽の底面から天井を見た図面代用写真である。ここでは、第2の気泡18は触媒19上に保持されて、第1の気泡17と化学的合成を行うように構成されている。
【0024】
そこで、例えば、図5に示すように、第1の気泡としてのNO21が、気泡反応槽10の天井12に保持されている第2の気泡としてのO2 22の方に電極13への印加電圧の切り換えによって移動して、徐々に両者は接近し、遂には、第1の気泡としてのNO21と第2の気泡としてのO2 22が合体して、NO2 23が化学的に合成される。
【0025】
図6は本発明の第1実施例のマイクロチャネルによる気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の模式図(気泡反応槽の天井面を示す図)である。
【0026】
この図において、31は気泡反応槽、32はその天井、33はその天井32に形成されたドット型電極、34は第1のマイクロチャネル、35はその第1のマイクロチャネル34の本流となる通路、36はその第1のマイクロチャネル34に合流する第1の気体路、37は第2のマイクロチャネル、38はその第2のマイクロチャネル37の本流となる通路、39はその第2のマイクロチャネル37に合流する第2の気体路、41は第1の気泡、42は第2の気泡であり、これらの気泡41と42がドット型電極33への印加電圧の切り換えによりハンドリングされて、化学的に合成される。
【0027】
ここでは、第1のマイクロチャネル34の本流となる通路35と第1のマイクロチャネル34に合流する第1の気体路36により、第1の気泡41が生成され、第2のマイクロチャネル37の本流となる通路38と第2のマイクロチャネル37に合流する第2の気体路39により、第2の気泡42が生成され、それぞれ気泡反応槽31に供給され、そこで、第1の気泡41と第2の気泡42とのドット型電極33への電圧の選択的印加により、ハンドリングされて、第1の気泡41と第2の気泡42との化学的合成が行われる。
【0028】
図7は本発明の第2実施例を示す気泡と液滴の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0029】
この図において、50は気泡反応槽、51はその気泡反応槽の絶縁性の底面、52は気泡反応槽の絶縁性の天井、53はその天井52内に埋められた電極、54は電極53が形成される上基板、55は気泡反応槽の絶縁性の底面51内に埋められた電極、56は電極55が形成される下基板、57は電極53,55に接続され、電圧を印加するコントローラ、58は気泡反応槽50内の不活性な液体、59はその不活性な液体58内にセットされる気泡、60は不活性な液体58内を移動する液滴、61は天井面に配置される触媒である。
【0030】
そこで、上記したように、気泡59は、不活性な液体58に対して浮くために、気泡反応槽50の天井52上に形成された触媒61上に保持しておき、液滴60は不活性な液体58に対して沈むため、液滴60を気泡反応槽の底面51に形成された電極55の電圧の切り換えにより、右方向へハンドリングして、その液滴60を気泡59に衝突させて化学的合成を行う。例えば、液滴60がBaOH2 、気泡59がCO2 である場合には、BaCO3 が化学的に合成される。
【0031】
図8は本発明の第3実施例を示す気泡と固体の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0032】
この図において、70は気泡反応槽、71はその気泡反応槽の絶縁性の底面、72は気泡反応槽の絶縁性の天井、73はその天井72内に埋められた電極、74は電極73が形成される上基板、75は気泡反応槽の絶縁性の底面71内に埋められた電極、76は電極75が形成される下基板、77は電極73,75に接続され、電圧を印加するコントローラ、78は気泡反応槽70内の不活性な液体、79はその不活性な液体78内にセットされる気泡、80は不活性な液体78内を移動する固体、81は天井面に配置される触媒である。
【0033】
そこで、上記したように、気泡79は、不活性な液体78に対して浮くために、気泡反応槽70の天井72上に形成された触媒81上に保持しておき、固体80は不活性な液体78に対して沈むため、固体80を気泡反応槽の底面71に形成された電極75の電圧の切り換えにより、右方向へハンドリングして、その固体80を気泡79に衝突させて化学的合成を行う。例えば、酸化バナジウムV8 5 を触媒81として、固体80がナフタレンC108 、気泡79がO2 である場合には、フタル酸C8 6 4 が化学的に合成される。
【0034】
触媒…酸化バナジウム V2 5
ナフタレン(C108 )+気泡(O2 )→フタル酸(C8 6 4
図9は本発明の第4実施例を示す気泡と液滴の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0035】
この図において、90は気泡反応槽、91はその気泡反応槽の絶縁性の底面、92はその気泡反応槽の天井の高さが低い(液層の深さが浅い)絶縁性の天井、93はその天井92内に埋められた電極、94は電極93が形成される上基板、95は電極93に接続され、電圧を印加するコントローラ、96は気泡反応槽90内の不活性な液体、97はその不活性な液体96内にセットされる気泡、98は不活性な液体96内を移動する液滴である。
【0036】
液滴98と気泡97とを合体させる場合には、液滴98が不活発な液体96に対して沈むため、気泡反応槽90の天井の高さを低く(液層の深さを浅く)して、片側の電極93で気泡97と液滴98の両方をハンドリングする必要がある。
【0037】
この実施例では、気泡反応槽の絶縁性の天井92を低く(液層の深さを浅く)することで、底面側に電極を設けなくても、天井92内に埋められた電極93へのコントローラ95による電圧印加制御のみにより、気泡97は勿論のこと、液滴98をもハンドリングすることができ、装置の簡易化を図ることができる。なお、その作用効果は上記第2実施例と同様である。
【0038】
実験では、ともに直径が700μmの気泡97と液滴98を用いたため不活性な液体96の液層の深さを1mmとした。実験に用いた電極93には、Petフィルムに銀ペーストをシルクスクリーン印刷した平行電極(ピッチ0.5mm、電極幅0.2mm)を、液層にはシリコンオイル(粘度2cs)を用いた。
【0039】
図10は本発明の第5実施例を示す気泡と固体の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0040】
この図において、100は気泡反応槽、101はその気泡反応槽の絶縁性の底面、102はその気泡反応槽の天井の高さが低い(液層の深さが浅い)絶縁性の天井、103はその天井102内に埋められた電極、104は電極103が形成される上基板、105は電極103に接続され、電圧を印加するコントローラ、106は気泡反応槽100内の不活性な液体、107はその不活性な液体106内にセットされる気泡、108は不活性な液体106内を移動する固体である。なお、固体108も第4実施例における液滴98と同様に不活性な液体106に対して沈む。
【0041】
この実施例でも、気泡反応槽の絶縁性の天井を低く(液層の深さを浅く)するので、底面側に電極を設けなくても、天井102内に埋められた電極103へのコントローラ105による電圧印加制御のみにより、気泡107は勿論のこと、固体108をもハンドリングすることができ、装置の簡易化を図ることができる。なお、その作用効果は上記第3実施例と同様である。
【0042】
上記したように第4及び第5実施例では、簡素な構造の静電搬送チップにより、試料間の化学的合成を行うことができる。
【0043】
図11は本発明の第6実施例を示す気泡と各種の液滴や固体試料とを化学的に合体させる気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の模式図である。
【0044】
この図において、110は気泡反応槽、111は第1のマイクロチャネル、112は第2のマイクロチャネル、113は気泡反応槽の天井(逆に下から見て示されている)、114はある合体点に基づいて多段に配置されるアーチ状案内電極、115はストライプ状導出用電極、116はアーチ状案内電極114及びストライプ状導出用電極115に接続され、電圧を印加するためのコントローラ、117は第1のマイクロチャネル111より導出される第1の気泡、118は第2のマイクロチャネル112より導出される第2の気泡、119は第1の気泡117と第2の気泡118とが合体してできた化学的合成気泡である。
【0045】
このように、同期をとって、複数のマイクロチャネル111,112から導出された気泡117,118は、アーチ状案内電極114に案内されて、1箇所で合体し、化学的合成気泡119を生成させることができる。また、第1のマイクロチャネル111からは気泡を導出し、第2のマイクロチャネル112からは液滴を導出して、アーチ状案内電極114内にて気泡と液滴を接触させて、化学反応を行わせることもできる。
【0046】
この実施例によれば、簡単な構成により、複数のマイクロチャネルからの気泡(及び液滴)を合体させることにより、容易に化学的合成を行うことができる。
【0047】
本発明によれば、上記したように、液中微小気泡を用いた気体−気体反応、気体−液体又は気体−固体反応を行わせることができる。
【0048】
すなわち、電極を化学的に不活性な液体で満たし、試料である微小な気泡、微小液滴および微小固体を静電気力で移動、合体させることができる。
【0049】
本発明は、不活性な液体中にある気泡を静電搬送することにより、気泡同士または気泡と液滴又は固体を合体させて化学反応を行わせることができる。
【0050】
その場合に、弁等を用いずに、気泡を用いることにより、静電搬送型のチップの大きさの低減を図った。
【0051】
図12は本発明の第7実施例を示す光による気体−気体反応のマイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0052】
この図において、120は気泡反応槽、121はガラスなどからなる気泡反応槽の底面、122は気泡反応槽の絶縁性の天井、123はその絶縁性の天井122内に埋められた電極、124は電極123が形成されている上基板、125は電極123に接続され電圧を印加するコントローラ、126は気泡反応槽120内の不活性な液体、127はその不活性な液体126内にセットされる第1の気泡、128はその第1の気泡と化学的に合成される第2の気泡、129は照射される光である。
【0053】
この実施例の光による気体−気体反応では、例えば、
CH4 (メタン)にCl2 (塩素)を光照射の元で反応させることにより、CH3 Cl(クロロメタン)+HClを得ることができる。
【0054】
すなわち、
CH4 (メタン)+Cl2 (塩素)+光→CH3 Cl(クロロメタン)+HCl
また、図示しないが、この実施例の第1の気泡127を液滴に変えた光による気体−液体反応では、例えば、
6 6 (ベンゼン:液体)に3Cl2 (塩素)を光照射の元で反応させることにより、C6 6 Cl6 (ヘキサクロロシクロヘキサン)を得ることができる。
【0055】
すなわち、
6 6 (ベンゼン:液体)+3Cl2 (塩素)+光→C6 6 Cl6
図13は本発明の第8実施例を示す加熱による液体−気体反応のマイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0056】
この図において、130は気泡反応槽、131は気泡反応槽の底面、132は気泡反応槽の絶縁性の天井、133はその絶縁性の天井132内に埋められた電極、134は電極133が形成されている上基板、135は電極133に接続され電圧を印加するコントローラ、136は気泡反応槽130内の不活性な液体、137はその不活性な液体136内にセットされる液滴、138はその液滴と化学的に合成される気泡、139は熱を発生するヒータである。
【0057】
加熱による液体−気体反応、ここでは、液体が気体に分離するという反応であるが、この実施例の加熱による液体−気体反応では、例えば、
2 5 OH(エタノール)と濃H2 SO4 を加熱すると、C2 4 (エチレン)+H2 Oを得ることができる。
【0058】
この場合、液滴から気体(エチレン)が生じるので、エチレンを静電搬送することになる。
【0059】
すなわち、
2 5 OH(エタノール)+濃H2 SO4 +加熱→C2 4 (エチレン)+H2
また、図示しないが、この実施例の液滴137を気泡に変えた加熱による気体−気体反応では、例えば、
CH4 (メタン)とCl2 (塩素)を加熱するとCH3 Cl(クロロメタン)+HClを得ることができる。
【0060】
すなわち、
CH4 (メタン)+Cl2 (塩素)+熱→CH3 Cl(クロロメタン)+HCl
図14は本発明の第9実施例を示す加圧による気体−気体反応のマイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【0061】
この図において、140は気泡反応槽、141は気泡反応槽の底面、142は気泡反応槽の絶縁性の天井、143はその絶縁性の天井142内に埋められた電極、144は電極143が形成されている上基板、145は電極143に接続され、電圧を印加するコントローラ、146は気泡反応槽140内の不活性な液体、147はその不活性な液体146内にセットされる第1の気泡、148はその第1の気泡と化学的に合成される第2の気泡、149は圧力容器である。
【0062】
この実施例の加圧(加熱)による気体−気体反応では、例えば、
2 4 (エチレン)を加圧(加熱)すると、(−C2 4 −)n (ポリエチレン)を得ることができる。
【0063】
すなわち、
2 4 (エチレン)+加圧・加熱→(−C2 4 −)n (ポリエチレン)
なお、上記実施例では、2個の試料の化学的合成について述べたが、3個以上の試料の化学的合成を行うようにしてもよい。
【0064】
また、気泡反応槽の加熱法としては、ヒータで加熱するのに代えて、微小液滴の導電性を利用した通電加熱を採用するようにしてもよい。
【0065】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0066】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0067】
(A)液中にある微小な気泡を用いるようにしているため、サンプル、試薬が微小量で済む。
【0068】
(B)気泡を静電気力で搬送するため、電極上を平面的に移動、停止することができる。したがって、特別なマイクロチャネル、マイクロバルブ、マイクロポンプなどの微小流体素子が不要である。
【0069】
(C)基板上で同時に複数の試料の化学反応による合成を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す気泡と気泡の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す気泡の直径と移動速度との関係を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す印加電圧と気泡の速度とを示す図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の部分拡大断面図である。
【図5】本発明の第1実施例の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、気泡が反応する様子を示す気泡反応槽の底面から天井を見た図面代用写真(実験例)である。
【図6】本発明の第1実施例のマイクロチャネルによる気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の模式図(気泡反応槽の天井面を示す図)である。
【図7】本発明の第2実施例を示す気泡と液滴の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図8】本発明の第3実施例を示す気泡と固体の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図9】本発明の第4実施例を示す気泡と液滴の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図10】本発明の第5実施例を示す気泡と固体の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図11】本発明の第6実施例を示す気泡と各種の液滴や固体試料とを化学的に合体させる気体反応用マイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図12】本発明の第7実施例を示す光による気体−気体反応のマイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図13】本発明の第8実施例を示す加熱による液体−気体反応のマイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図14】本発明の第9実施例を示す加圧(加熱)による気体−気体反応のマイクロ化学リアクタ装置の断面模式図である。
【図15】従来の液体微粒子のハンドリング装置の断面模式図である。
【符号の説明】
10,31,50,70,90,100,110,120,130,140
気泡反応槽
11,51,71,91,101,121,131,141 気泡反応槽の底面
12,32,52,72,92,102,113,122,132,142
気泡反応槽の絶縁性の天井
13,53,55,73,75,93,103,123,133,143 電極
14,54,74,94,104,124,134,144 上基板
15,57,77,95,105,116,125,135,145 コントローラ
16,58,78,96,106,126,136,146 不活性な液体
17,41,117,127,147 第1の気泡(試料)
18,42,118,128,148 第2の気泡(試料)
19,61,81 触媒
21 第1の気泡としてのNO(試料)
22 第2の気泡としてのO2 (試料)
23 NO2
33 ドット型電極
34,111 第1のマイクロチャネル
35 第1のマイクロチャネルの本流となる通路
36 第1のマイクロチャネルに合流する第1の気体路
37,112 第2のマイクロチャネル
38 第2のマイクロチャネルの本流となる通路
39 第2のマイクロチャネルに合流する第2の気体路
56,76 下基板
59,79,97,107,138 気泡(試料)
60,98,137 液滴(試料)
80,108 固体(試料)
114 多段に配置されるアーチ状案内電極
115 ストライプ状導出用電極
119 化学的合成気泡
129 照射される光
139 熱を発生するヒータ
149 圧力容器

Claims (9)

  1. (a)不活性の液体が充填される気泡反応槽の天井に形成される電極と、
    (b)該電極に電圧を印加するコントローラとを備え、
    (c)前記気泡反応槽内にセットされる複数の試料のうち少なくとも気泡試料を前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記気泡反応槽内にセットされる他の試料と合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  2. 請求項1記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、前記気泡反応槽内にセットされる複数の気泡試料を前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記複数の気泡試料を合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  3. 請求項1記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、前記気泡反応槽の天井の高さを低くして、該気泡反応槽内にセットされる気泡試料と液体試料とを前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記気泡試料と液体試料とを合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  4. 請求項1記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、前記気泡反応槽の天井の高さを低くして、該気泡反応槽内にセットされる気泡試料と固体試料とを前記コントローラによる前記電極への印加電圧の制御によりハンドリングして、前記気泡試料と固体試料とを合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  5. (a)不活性の液体が充填される気泡反応槽の天井に形成される第1の電極と、
    (b)前記気泡反応槽の底部に形成される第2の電極と、
    (c)前記電極に電圧を印加するコントローラとを備え、
    (d)前記気泡反応槽内にセットされる気泡試料を前記コントローラによる第1の電極への印加電圧の制御により、液滴試料を前記コントローラによる第2の電極への印加電圧の制御により、それぞれハンドリングして、前記気泡試料と液滴試料を合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  6. (a)不活性の液体が充填される気泡反応槽の天井に形成される第1の電極と、
    (b)前記気泡反応槽の底部に形成される第2の電極と、
    (c)前記電極に電圧を印加するコントローラとを備え、
    (d)前記気泡反応槽内にセットされる気泡試料を前記コントローラによる第1の電極への印加電圧の制御により、固体試料を前記コントローラによる第2の電極への印加電圧の制御により、それぞれハンドリングして、前記気泡試料と固体試料を合体させて、化学的合成を行わせることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  7. 請求項1から6項のいずれか1項記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、化学合成を実施する光照射手段を備えることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  8. 請求項1から6項のいずれか1項記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、化学合成を実施する加熱手段を備えることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
  9. 請求項1から6項のいずれか1項記載の気体反応用マイクロ化学リアクタ装置において、化学合成を実施する加圧手段を備えることを特徴とする気体反応用マイクロ化学リアクタ装置。
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