JP4027702B2 - 杭の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物などを支える杭の施工方法、特に、支持層の深い軟弱地盤に対して有効的に用いることができる杭の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び課題】
軟弱地盤において支持層が深く、そのため施工機械の能力の限界などによって、杭を支持層まで打ち込むのが困難であるような場合には、従来より、多翼杭が用いられている。しかしながら、多翼杭は、杭軸の外周部に多数の翼を取り付けなければならず、その製造コストが高くつくという問題があった。
【0003】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、多翼杭のような多くの翼を必要とせず、しかも、軟弱地盤において大きな支持力を得ることができる杭の施工方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、先端側の外周に側方に張り出す翼を備えた中杭と、
内径寸法が中杭の外周径よりも大きく、かつ、先端側の外周に側方に張り出す螺旋翼を備えた筒状の外杭と
を用い、
中杭を地盤に回転圧入により打ち込んだのち、
外杭を中杭に対して同心状となるように地盤に回転圧入により打ち込んでいき、外杭の先端側螺旋翼が地中で中杭の先端翼よりも所定の高さ寸法上方に間隔をおいた状態で外杭の打込みを停止し、しかる後、
外杭を、その深度を固定しながら逆回転させることにより、外杭の先端側螺旋翼でそれよりも上方の土を下方に送り込んでいき、中杭の先端翼と外杭の先端側螺旋翼との間の領域の土を圧縮させていくことを特徴とする杭の施工方法によって解決される。
【0005】
この方法では、中杭と外杭とに備えられた翼によって、軟弱地盤であっても支持力を得ることができるのはもちろん、外杭を打ち込んだのちにこれを逆回転させることで中杭の先端翼と外杭の先端側螺旋翼との間の領域の土を圧縮させるようにしているので、この領域部分の地盤の圧縮によって、非常に大きな支持力が得られる。
【0006】
上記の方法において、外杭が、その基端側の外周に側方に張り出す螺旋翼を備え、
外杭の打込みを、その基端側螺旋翼が地中に入り込んだ状態で停止し、
外杭の逆回転によってその基端側螺旋翼でそれよりも上方の土を下方に送り込むようにするのもよい。
【0007】
この場合は、外杭の先端側螺旋翼よりも上方の土を中杭の先端翼と外杭の先端側螺旋翼との間の領域にスムーズに送り込んでいくことができ、中杭の先端翼と外杭の先端側螺旋翼との間の領域を効果的に圧縮していくことができる。
【0008】
外杭を逆回転させている間に外杭の基端側螺旋翼の上方の土がなくなるような場合には、外杭の基端側螺旋翼の上方に土を補給していけば、外杭の基端側螺旋翼と先端側螺旋翼との間の領域における外杭外周面と地盤との摩擦力を低くしてしまうこともない。
【0009】
外杭の基端側翼のピッチを外杭の先端側翼のピッチよりも大きくし、外杭の逆回転中、外杭の基端側螺旋翼と先端側螺旋翼との間の領域の土が圧縮されるようにする場合は、より大きな支持力を得ることができる。
【0010】
そして、この方法によれば、翼の数は、従来の多翼杭の場合に比べて少なくすることができ、杭のコストを低く抑えることができるし、また、施工においても、中杭と外杭とを同じ回転圧入機を用いて打ち込んで行くことができ、しかも、同じ回転圧入機で外杭の逆回転を行うことができ、施工もコストを高くすることなく行っていくことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
【0012】
本実施形態の施工方法において使用する杭は、図1に示すように、中杭1と外杭2とからなる。
【0013】
中杭1は鋼管からなっており、その先端側の外周に、側方に張り出す翼3が一体的に備えられている。なお、この翼3は、螺旋翼からなっていてもよいし、螺旋によらない拡底機能を備えた翼からなっていてもよい。また、中杭1は鋼管に限らず形鋼や中実材などからなっていてもよい。
【0014】
外杭2も同じく鋼管からなっているが、ただ、その内径寸法が中杭1の外径寸法よりも大きく設計されていて、中杭1を外杭2の内部に差し込むことができるようになっている。そして、外杭2の基端側の外周と先端側の外周の上下2箇所に螺旋方向を同じくする螺旋翼4,5が一体的に備えられ、外杭2の長さ寸法は、中杭1よりも短く設計されていて、外杭2の内部に中杭1を、基端部高さ位置を同じ高さ位置にするように差し込んだ状態で、外杭2の先端側螺旋翼4が中杭1の長さ方向の中間部に位置し、この先端側螺旋翼4と中杭1の先端翼3とが所定の寸法だけ間隔をおくように設計されている。なお、外杭2において先端側と基端側の螺旋翼4,5は同じ螺旋方向のものからなっている。
【0015】
支持層の深い軟弱地盤6に対する杭の施工は、上記の中杭1と外杭2を用いて次のようにして行う。即ち、図2(イ)に示すように、まず、軟弱地盤6に対し、外杭2を建柱車等の回転圧入機で回転圧入して打ち込む。
【0016】
次いで、図2(ロ)及び図3(ハ)に示すように、外杭2を中杭1に対して同心状となるようにして地盤6に回転圧入により打ち込んでいき、図3(ニ)に示すように、外杭2の基端側螺旋翼5が地中に入り込み、かつ、外杭2の先端側螺旋翼4が地中で中杭1の先端翼3よりも所定の高さ寸法上方に間隔をおいた状態で、外杭2の打込みを停止する。なお、外杭2の回転の方向は、螺旋翼4,5が地盤6に食い込んでいく方向である。
【0017】
しかる後、図4(ホ)に示すように、外杭2を、その深度を固定しながら逆回転させていく。これにより、図中に矢印で示すように、外杭2の先端側と基端側の各螺旋翼4,5が、それらの螺旋送り機能によって、土を上から下へと送っていき、中杭1の先端翼3と外杭2の先端側螺旋翼4との間の領域の土7が圧縮されていく。その際、外杭2の基端側の螺旋翼5の上方の土8は、外杭2の逆回転によって下に送り込まれて減少していくので、補給用の土9を杭の周囲に用意し、減少分を補給していくようにするとよい。
【0018】
その結果、図4(へ)に示すように、中杭1の先端翼3と外杭2の先端側螺旋翼4との間の領域に、翼3,4よりも外方に膨らむこぶ状の圧縮部7が形成される。このこぶ状膨らみ圧縮部7によって非常に大きな支持力が得られる。
【0019】
しかも、外杭2の基端側螺旋翼5と先端側螺旋翼4との間の領域10については、基端側螺旋翼5によって土9を補給していくので、その領域10における外杭2の外周面と地盤6との摩擦力も低くなることはない。なお、外杭2の基端側螺旋翼5のピッチを外杭2の先端側螺旋翼4のピッチよりも大きくし、外杭2の逆回転中、外杭2の基端側翼5と先端側翼4との間の領域の土10が圧縮されるようにしておけば、より大きな支持力を得ることができる。もちろん、各翼3,4,5によっても大きな支持力が得られる。
【0020】
このように、上記の杭施工方法によれば、支持層の深い軟弱地盤6においても大きな支持力を得ることができ、しかも、翼の数は、従来の多翼杭の場合に比べて少なくすることができ、即ち、3つの翼でよく、杭のコストを低く抑えることができる。また、施工においても、中杭1と外杭2とを同じ回転圧入機を用いて打ち込んで行けばよく、しかも、同じ回転圧入機で外杭2を逆回転させることができ、施工もコストを高くすることなく行っていくことができる。更に、杭がいわゆる内外二重構造になっているので、水平力に対しても大きな抵抗力を得ることができる。
【0021】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で、各種の変更が可能である。例えば上記の実施形態では、外杭2に備えさせる螺旋翼を2つとした場合を示しているが、先端側の1つとしてもよいし、あるいは、3つ以上としてもよいし、2つあるいは3つ以上とする場合であっても、多翼杭の場合よりも翼の数を少なくすることができる。また、上記の実施形態では、外杭2の逆回転中に土9を補給していく場合を示しているが、外杭2の基端側の翼5が地面からある程度深い位置に位置するような場合は、外杭2の逆回転終了後に土9の補給を行うようにしてもよいし、補給の必要がなければ補給しなくともよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上のとおりのものであるから、多翼杭のような多くの翼を必要とせず、しかも、軟弱地盤において大きな支持力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の施工方法に用いる杭の側面図である。
【図2】図(イ)及び図(ロ)は図3及び図4とともに施工方法を順次に示す側面図である。
【図3】図(ハ)及び図(ニ)は図2及び図4とともに施工方法を順次に示す側面図である。
【図4】図(ホ)及び図(へ)は図2及び図3とともに施工方法を順次に示す側面図である。
【符号の説明】
1…中杭
2…外杭
3…先端側の翼
4…先端側の螺旋翼
5…基端側の螺旋翼
6…軟弱地盤
7…こぶ状圧縮部
9…補給用の土
Claims (3)
- 先端側の外周に側方に張り出す翼を備えた中杭と、
内径寸法が中杭の外周径よりも大きく、かつ、先端側の外周に側方に張り出す螺旋翼を備えた筒状の外杭と
を用い、
中杭を地盤中の支持層よりも上方の深さ位置まで回転圧入により打ち込んだのち、
外杭を、中杭に対して同心状となり、回転方向が螺旋翼の食い込み方向となるように、地盤に回転圧入により打ち込んでいき、外杭の先端側螺旋翼が地中で中杭の先端翼よりも所定の高さ寸法上方に間隔をおいた状態で外杭の打込みを停止し、しかる後、
外杭を、その深度を固定しながら逆回転させることにより、外杭の先端側螺旋翼による螺旋送り機能でそれよりも上方の土を下方に送り込み、中杭の先端翼と外杭の先端側螺旋翼とでそれらの間の領域の土を圧縮して、これら翼よりも外方に膨らむこぶ状の圧縮部を形成し、外杭は抜かずに残して外杭の螺旋翼を前記こぶ状圧縮部に支持させた状態にすることを特徴とする杭の施工方法。 - 前記外杭が、その基端側の外周に側方に張り出す螺旋翼を備え、
外杭の打込みを、その基端側螺旋翼が地中に入り込んだ状態で停止し、
外杭の逆回転によってその基端側螺旋翼でそれよりも上方の土を下方に送り込む請求項1に記載の杭の施工方法。 - 外杭を逆回転させながらその基端側螺旋翼の上方に土を補給していく請求項2に記載の杭の施工方法。
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